jsme研究会プレゼン資料

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逆問題としての 電子写真現像プロセスの 数値シミュレーション 芹澤慎一郎 富士ゼロックス() DPSC研究開発センター

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Engineering


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2001年に開催された日本機械学会の情報・知能・精密機器部門の研究会でのプレゼン資料。

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Page 1: JSME研究会プレゼン資料

逆問題としての 電子写真現像プロセスの

数値シミュレーション

芹澤慎一郎

富士ゼロックス(株)

DPSC研究開発センター

Page 2: JSME研究会プレゼン資料

順問題 (Forward Problem)

入力(原因)から出力(結果)を求める

いわゆる解析問題

入力

出力

順問題

Page 3: JSME研究会プレゼン資料

逆問題 (Inverse Problem)

出力(結果)から入力(原因)を求める

同定,推定,最適制御,最適設計*など

入力

出力

順問題

逆問題

*電気工学系の教科書では設計を逆問題として分類していないことがある

Page 4: JSME研究会プレゼン資料

現像器内部の粒子流動の一例

Page 5: JSME研究会プレゼン資料

現像プロセスの数値計算(I)

有限要素法によるマグロールが作る磁場解析

マグロールの着磁・製造プロセス

着磁金型の設計問題

マグロールの磁化(着磁状態)の推定

Page 6: JSME研究会プレゼン資料

現像プロセスの数値計算(II)

個別要素法による現像剤の挙動解析

穂立ちの形成

薄層形成

現像剤流動

Page 7: JSME研究会プレゼン資料

マグロールが作る磁場

有限要素法による二次元静磁場の計算

磁化M が既知

0

y xZ Z

x x y y x y

M ΜA A

B :磁束密度 Z Zx y

y x

A AB B

Page 8: JSME研究会プレゼン資料

マグネットロールの特性

磁化M がベクトル(2次元)の分布情報

表面近傍の磁束密度Bsurfで表現

入力=磁化分布 出力=ロール表面での磁束密度分布

-0.1

-0.05

0

0.05

0.1

0 90 180 270 360

Br

Bt

Mag

net

ic F

lux D

ensi

ty (

t)

Angle (deg)

Bsurf. B M

Page 9: JSME研究会プレゼン資料

マグロール計算上の取り扱い

近年主流である射出成形同時着磁プロセスで製造されるマグロールは,断面内で磁化Mが分布している.

汎用ツールの適用が困難

•要素毎に磁化を指定

•不可能ではない

逆問題としての取り扱いが必要?

Page 10: JSME研究会プレゼン資料

マグロールを計算機内で 取り扱うためには?

製造プロセス(=射出成形同時着磁プロセス)をシミュレーションし,マグロールを計算機内に作る.

所望のマグロールの磁化特性を得るために金型の設計が必要

磁化Mの分布状態を推定する

Page 11: JSME研究会プレゼン資料

マグロールの 着磁シミュレーション

金型内の 磁石配置決定

金型内の磁場

着磁状態 マグロールの磁場

ロール

計算開始

FEM解析 (金型内部)

マグロールの磁化M を算出

FEM解析 (マグロール単体)

終了

スリーブ表面での 磁束密度を算出

金枠

Page 12: JSME研究会プレゼン資料

着磁金型の設計は何故厄介か?

着磁プロセスは,複数の永久磁石が関与する非線形な事象である.

多数の設計変数がある.

数学的な最適解の求め方がない

場はMaxwellの方程式で記述されるが,諸々の設計変数が支配式に陽に記述されていない.

Page 13: JSME研究会プレゼン資料

最適設計問題としての定式化(I)

数理計画問題としての取り扱い

設計変数

着磁用磁石の形状(長さ・幅)

着磁用磁石のレイアウト(配置位置)

目的関数

To Minimize

N 2

i i

r 0

i 1

J

u B B u : Penalty Function u

Page 14: JSME研究会プレゼン資料

最適設計問題としての定式化(II)

制約条件 Maxwellの方程式 (静磁場)

幾何上の制約 (c.f. 磁石の干渉) • 違反した場合に目的関数に罰金関数を加算

探索アルゴリズム GA(Genetic Algorithm)

SA(Simulated Annealing)

ANN(Artificial Neural Network)

など

yz z x0

x x y y x y

MA A M

Page 15: JSME研究会プレゼン資料

設計例

-0.10

-0.05

0.00

0.05

0.10

0 90 180 270 360

Angle (deg)

Specification (T)

Ma

gn

eti

c f

lux d

en

sity

(T

)

-0.10

-0.05

0.00

0.05

0.10

0 90 180 270 360

Angle (deg)

Specification (T)

Ma

gn

eti

c f

lux d

en

sity

(T

)

Page 16: JSME研究会プレゼン資料

永久磁石の磁化推定

磁石表面の磁束密度Bsurf. から解析領域全体の磁束密度B0 を近似計算

解析領域全体の磁束密度B0 から磁化M を推定

磁束密度(表面) Bsurf.

磁束密度 B0

磁化 M

順問題

逆問題

Step1 Step2

Page 17: JSME研究会プレゼン資料

最小化問題としての磁化推定

22

0 0

2 2

0 0

1

2

1

2

x x y yS

z zx y

S

J w dxdy

w dxdyy x

B B B B

A AB B

minimize J with respect to M

subject to Maxwell’s Equations

目的関数

制約条件付き最小化問題

w:重み係数

Page 18: JSME研究会プレゼン資料

停留問題としての磁化推定

ラグランジュ未定乗数j を導入

制約条件なしの停留問題

Stationary P

with respect to M

2 2

0 0

0

1

2

Z Zx y

S

y xZ Z

S

w dxdyx y

dxdyx x y y x y

j

P

A AB B

M MA A

Page 19: JSME研究会プレゼン資料

停留条件

yyxxw

yyxxx0xy0y

j

j

BBBB

0 0yx

j

M

0y

x0 M

j

0

y xZ Z

x x y y x y

M MA A

Page 20: JSME研究会プレゼン資料

磁化Mの推定アルゴリズム

磁化M の修正 0

1y y

x

j

M M

0

1x x

y

j

M M

静磁場B の計算

ラグランジュ未定乗数j の計算

修正量dM が微小

適当なM を仮定

終了

Yes

No

Page 21: JSME研究会プレゼン資料

計算例

-0.1

-0.05

0

0.05

0.1

0 90 180 270 360

Br

Bt

Mag

net

ic F

lux D

ensi

ty (

t)

Angle (deg)

磁化 (本来の入力)

ロール表面での磁束密度 (本来の出力)

Bsurf. B0 M

Page 22: JSME研究会プレゼン資料

現像剤の挙動

個別要素法 (DEM)

粒子個々の動きを逐次的に追跡する.

externalcontactm FFx

x xx x y

x y

B BF m m

y y

y x y mgx y

B BF m m

Cundall Model

Page 23: JSME研究会プレゼン資料

以上の解析(DEM+FEM)の統合

Page 24: JSME研究会プレゼン資料

GUI付加による 設計支援ツールとしての統合

Page 25: JSME研究会プレゼン資料

設計における計算の流れ

マグロール仕様設計

磁化の推定

磁場解析

現像剤流動解析

設計開始

実試作開始

解析結果の評価

このプロセスがそのものが逆問題

自動化=最適設計問題の定式化の実現が望ましい

Page 26: JSME研究会プレゼン資料

まとめ

逆問題という考え方を踏まえて有限要素法による磁場解析や個別要素法による粒子挙動解析を行うことで,現像プロセス設計の効率化が図れる.

今後,この設計プロセスの最適設計問題としての定式化による自動化が望まれる.