第1学年2組 算数科学習指導案-1-第1学年2組 算数科学習指導案 1.単元名...

15
-1- 第1学 1. ちらが がい 2. について これま さを したり,「 い」,「 い」 いう いろいろ さを したりしてきている。これら した大きさ して さを らえている いえる。 ,これま してきた を, して するこ が大き らい ある。そ ため, に扱うこ を大 にしたい。 4つ するこ ましい されている。 較・・・・・・2つ 大きさを 較する。A さを 較する ,一 をそろえ をする。 較・・・・・・ひ いて さを り, 較する。 位による ・・ある 位を にして,それ いくつ いう して 較する。 位による ・・ 位を って 較する。 ,こ うち①②③ を扱い, 確にしていくこ る。④について ,第2学 第5 たんい」 扱い,センチメートル 位を る。これら く, れに沿って, らが いだ していけるように していきたい。 そこ ,まず, 扱っている い, さを るこ める。バット さを移 きる いて 較する。こ き, して片 をそろえ, するこ をおさえる。また, ようにたるみがある ,ぴん って にしてから さを けれ いこ おさえたい。 に, CDケース ように, たい さがひ にある るわけに いか い。そこ って さを移して たり,テープに さを 移して たりするアイデアを きたい。 較から スムーズに移 するこ らい ある。 たい うしが移 ,テープ さを にして一 さを り, 較する。そ いろいろ さを る活 み, かにする。そして, った さを り, をそろえて さを る。以 よう により, 較を えるこ きるように る。 に, ペン 位にして,いくつ 位による む。 位による 較, 較に ,「 ちらが いか」だけ く,「 れだけ いか」を きる。そ が, をより 確に らえるこ につ がる。 また, いろいろ さを 位による して す活 して, さを するこ により,大 かる いうよさを 感させたい。そ きに ,いろい 位を きるが, さに った 位を するこ したい。さらに, かれた さを,マス 1つ して, す活 み,マス さを第2学 する 位, さし につ たい。

Upload: others

Post on 27-Jul-2020

1 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 第1学年2組 算数科学習指導案-1-第1学年2組 算数科学習指導案 1.単元名 どちらが ながい 2.単元について 児童はこれまで,日常生活の中で長さを比べて長い方を選択したり,「長い」,「短い」という

- 1 -

第1学年2組 算数科学習指導案

1.単元名 どちらが ながい

2.単元について

児童はこれまで,日常生活の中で長さを比べて長い方を選択したり,「長い」,「短い」という

言葉でいろいろなものの長さを表現したりしてきている。これらは,直感的に漠然とした大きさ

として長さをとらえている段階といえる。本単元では,これまで形成してきた長さの概念を,具

体的操作を通して整理することが大きなねらいである。そのため,測定の基礎となる操作を十分

に扱うことを大事にしたい。

長さなど量の測定の考え方は,次の4つの段階を経て形成することが望ましいとされている。

①直接比較・・・・・・2つの大きさを直接比較する。AとBの長さを比較する場合,一方の

端をそろえ長短の判断をする。

②間接比較・・・・・・ひもなどの媒介物を用いて長さを写し取り,間接的に比較する。

③任意単位による測定・・ある単位をもとにして,それのいくつ分という数値に表して比較する。

④普遍単位による測定・・全国(世界)で共通の普遍単位を使って比較する。

本単元では,この4段階のうち①②③の測定活動を扱い,長さの概念を明確にしていくことに

なる。④については,第2学年第5単元「長さのたんい」で扱い,センチメートル単位を導入す

る。これらの段階は,形式的に経るのではなく,児童の思考の流れに沿って,児童自らが見いだ

していけるように促していきたい。

そこで,本単元では,まず,日常生活で扱っているものを使い,長さを比べることへの興味・

関心を高める。バットやなわとびなど長さを移動できるものは,並べて置いて比較する。このと

き,基準として片方の端をそろえ,反対側の端で長短を判断することをおさえる。また,なわと

びのようにたるみがあるものは,ぴんと張って直線にしてから長さを比べなければならないこと

もおさえたい。

次に,葉書やCDケースの縦と横のように,比べたい長さがひとつのものの中にあるときは,

並べて比べるわけにはいかない。そこで,折って長さを移して重ねて比べたり,テープに長さを

移して比べたりするアイデアを導きたい。直接比較から間接比較へスムーズに移行することがね

らいである。水槽と机の長さなど,比べたい長さどうしが移動できない場合,テープなどの第三

の長さを媒介物にして一方の長さを写し取り,比較する。その後,身の回りのいろいろな長さを

写し取る活動に取り組み,間接比較の経験を豊かにする。そして,写し取った長さを模造紙に貼

り,端をそろえて長さを比べる。以上のような活動により,直接比較と間接比較を統合的にとら

えることができるようになる。

最後に,指幅やペンの長さなどを単位にして,いくつ分かで比べる任意単位による測定に取り

組む。任意単位による測定は,直接比較,間接比較に比べ,「どちらが長いか」だけでなく,「ど

れだけ長いか」を表現できる。そのことが,長さの概念をより明確にとらえることにつながる。

また,身の回りのいろいろな長さを任意単位による測定で数値化して表す活動を通して,長さを

数値化することにより,大小が簡単に分かるというよさを実感させたい。そのときには,いろい

ろな任意単位を選択できるが,測るものの長さに合った適切な任意単位を選択することも大事に

したい。さらに,方眼の上に置かれた文房具の長さを,マス目1つ分を任意単位として,数値で

表す活動に取り組み,マス目の利便さを第2学年で学習する普遍単位,ものさしの導入につなげ

たい。

Page 2: 第1学年2組 算数科学習指導案-1-第1学年2組 算数科学習指導案 1.単元名 どちらが ながい 2.単元について 児童はこれまで,日常生活の中で長さを比べて長い方を選択したり,「長い」,「短い」という

- 2 -

【教材の関連図】

1年

2年

3年

4年

どちらがながい(本単元)

・長さの概念

・長さの測定の基礎

・直接比較,

間接比較,

任意単位による比較

どちらがひろい

・広さの概念

・広さの測定の基礎

・直接比較,

ますの数による比較

どちらがおおい(かさ)

・かさの概念

・かさの測定の基礎

・直接比較,

間接比較,

任意単位による比較

長さをはかろう(長さのたんい)

・任意単位による長さの比較

・長さの測定(30cmものさし)・長さの単位「センチメートル」「ミリメートル」の単位

関係

・長さの量感

長さをはかろう(長いものの長さのたんい)

・長さの測定(1mものさし)・長さのたんい「メートル」と単位関係

・長さの量感

みずのかさをはかろう

(水のかさのたんい)

・液量の比較

(直接比較,間接比較,

任意単位)

・かさの概念と測定

(ます)

・かさの単位「リット

ル」「デシリットル」

と単位関係

長さをはかろう(長いものの

長さのはかり方)

・長さの測定(巻尺)

・長さの単位「キロメー

トル」と単位関係

・長さの量感

重さをはかろう(重さのはか

り方と表し方)

・重さの概念

・重さの測定(はかり)

・重さの単位「グラム」「キ

ログラム」と単位関係

・重さの量感

広さを調べよう

(面積のはかり方と表し方)

・面積の概念

・面積の測定の基礎

間接比較,普遍単位による測定

箱の形を調べよう(直方体と立方体)

・直方体と立方体の概念

・展開図,見取り図の理解

・空間概念の基礎

Page 3: 第1学年2組 算数科学習指導案-1-第1学年2組 算数科学習指導案 1.単元名 どちらが ながい 2.単元について 児童はこれまで,日常生活の中で長さを比べて長い方を選択したり,「長い」,「短い」という

- 3 -

3.児童の実態

男子11名,女子12名,計23名の学級である。興味のある身近な課題や作業的な学習については,

意欲的に学習する。特に,操作活動をしたり,考えを書いたりすることを好んでやりたがる。そこで,児

童の関心を高めるような課題設定や教具を工夫したり,友だちや先生の話を最後までしっかり聞くことを

常に意識させたりする指導を心がけてきた。友だちの発言を繰り返し言わせたり,友だちの発言の続きを

考えて言わせたりすることで,徐々に聞けるようになってきて,「同じです。」と言ったり,付け加えの

意見を言えたりするようになってきた。

1学期は,具体物を数えたり,ドットや数字のカードを使ったゲームをしたり,ブロック操作を多く取

り入れたりしながら学習をすすめてきた。文章問題においては,場面を正しくとらえるために絵や図をか

いたり,キーワードを意識させたりしながら指導した。ほとんどの児童が正しく式を立てることができる。

10までの数の大小やたし算・ひき算についても,ほぼ全員が理解している。

本単元を学習するにあたって,算数の学習に対する意識調査,レディステストを行った。結果は以下の

通りである。

(1)【意識調査の結果から】(2010年7月21日実施)

1.算数は好きですか。 2.計算問題は好きですか。

21(91.3%)

2(8.7%)

0

5

10

15

20

25

30

好き

あまり好きではない

(人)

18(78.3%)

5(21.7%)

0

5

10

15

20

25

30

好き

あまり好きではない

(人)

3.文章問題は好きですか。 4.算数はよくわかりますか。

20(87.0%)

3(13.0%)

0

5

10

15

20

25

30

好き

あまり好きではない

(人)

20(87.0%)

3(13.0%)

0

5

10

15

20

25

30

よくわかる

よくわからない

(人)

Page 4: 第1学年2組 算数科学習指導案-1-第1学年2組 算数科学習指導案 1.単元名 どちらが ながい 2.単元について 児童はこれまで,日常生活の中で長さを比べて長い方を選択したり,「長い」,「短い」という

- 4 -

5.問題を解くとき,前に学習したことを 6.問題を解くときに絵や図をかいていますか。 使っていますか。

23(100.0%)

0(0%)0

5

10

15

20

25

30

使っている

あまり使っていない

(人)

16(69.6%)

7(30.4%)

0

5

10

15

20

25

30

かいている

あまりかいていない

(人)

7.算数の時間,手を挙げて発表していますか。 8.友達と一緒に学習することは楽しいですか。

15(65.2%)

8(34.8%)

0

5

10

15

20

25

30

よく発表する

あまり発表していない

(人)

21(91.3%)

2(8.7%)

0

5

10

15

20

25

30

楽しい

楽しくない

(人)

意識調査の結果を見ると,多くの児童が「算数は好き」「算数はよくわかる」と答えている。理由を見る

と「計算が楽しい。」(12人)「算数の勉強が楽しい。」(4人)「計算カードを使うのが楽しい」(3人)な

ど,意欲的で,充実感をあじわっていることがわかる。計算問題や文章問題を好む児童も多い。 授業においては,全ての児童が,既習事項を生かして問題に取り組んでいることがわかる。日頃から,既習

事項を使用して,問題を解くように指導している結果であると考える。友達と一緒に学習するということにつ

いては,ほとんどの児童が「友達と一緒に学習することは楽しい」と答えている。理由を見ると,「友達の発

表を聞くのが楽しい。」(2人)「いっしょにやることが楽しい。」(2人)「分からない時に,助けてくれ

るから。」など,互いの考えを伝え合うことの良さを感じていることがわかる。「ゲームが楽しい」(15人)

と答えた児童が多く,算数的活動を多く取り入れている結果であると考えられる。授業では絵や図を使って考

えるように促しているが,すすんで自分の考えや解き方を図や絵などに表わしていると答えた児童は多いとは

言えない。手を挙げて友達に説明したり表現したりする児童も限られている。算数の授業においては,他教科

より発言が一部の児童に偏りがちなので,隣同士二人組で話してから全体で発表するなど,抵抗をなくす

工夫をしていきたい。

Page 5: 第1学年2組 算数科学習指導案-1-第1学年2組 算数科学習指導案 1.単元名 どちらが ながい 2.単元について 児童はこれまで,日常生活の中で長さを比べて長い方を選択したり,「長い」,「短い」という

- 5 -

(2)【レディネステストの結果から】(2010年7月21日実施)

〈レディネステスト〉

1. 長さを比べる問題

①鉛筆の端をそろえて,長さを比べる。

②鉛筆と糊の先端をそろえて,長さを比べる。

③なわのように,たわみのあるものと,ぴんと張ったものの長さを比べる。

④人参とごぼうの端をそろえずに長さを比べる。

⑤太いものと細長いものの長さを比べる。

2.方眼を使って長さを比べる問題

①方眼を使って,鉛筆とクレパスの長さを比べる問題

②方眼を使って,端を揃えずに,長さを比べる問題

3 長さの保存性を問う問題

「リボンをななめにしました。リボンの長さはどうなるでしょう。」

日常生活の中で,「長い」「短い」ということは感覚的に分かっている。方眼を使って長さを比

べる問題では,マス目を数えて比べたという児童はほとんどいなかった。視覚的にとらえて,長

さを比べていると考えられる。

長さの保存性を問う問題は,正答率が低く,ほとんどの児童が理解していない。斜めにしても

長さは変わらないということを,問題から読み取ることができていないようである。具体物を使

って長さを測定するなどして,向きを変えたり,長さを写し取ったりしても長さは変わらないと

いうことを,より丁寧に指導する必要がある。

4.単元の目標

長さの比較などを通して,長さの概念や測定についての理解の基礎となる経験を豊かにする。

【関心・意欲・態度】身近なものの長さに関心をもち,いろいろな方法を工夫して比べようと

する。

【数学的な考え方】単位の大きさを決めて,そのいくつ分として長さをとらえる。

【 表 現 ・ 処 理 】直接比較や間接比較,任意単位による測定などによって長さを比べるこ

とができる。

【 知 識 ・ 理 解 】長さについての基礎的な概念や比較のしかた,任意単位による測定の方

法を理解する。

5.校内研究とのかかわり ~「できた!」「わかった!」を実感する手立て

【算数的活動の充実】

これまでに児童は,日常生活の中で,ものの長さを感覚的に「長い」「短い」ととらえたり,

どちらが長いかを比べたりする経験をしてきている。また,長さを測る道具である定規やメジャ

Page 6: 第1学年2組 算数科学習指導案-1-第1学年2組 算数科学習指導案 1.単元名 どちらが ながい 2.単元について 児童はこれまで,日常生活の中で長さを比べて長い方を選択したり,「長い」,「短い」という

- 6 -

ーとともに,普遍単位を知っている児童も少なくない。本単元では,普遍単位は使わずに,身近

なものの長さを比較する活動を充分に行うことで,長さの概念を明確にしていく。そこで,子ど

もたちの身近にあるバットやなわとびのなわ,鉛筆や消しゴム,CDの縦と横,机の縦と横など

を用いて,長さを比べる活動を行う。また,隣の席の友だちや班の友だちと実際に比べてみたり,

どんな方法で比べられるかを話し合ったり,それをクラス全体の中で生かせるように説明したり

する活動を取り入れて,学習を進めていく。このように伝え合う活動によって,自分が気づくこ

とのできなかったことを見い出す体験を繰り返し行っていきたい。

【生活科における学習活動に関連して】

生活科は,具体的な活動や体験を通して,生活上必要な習慣や技能を身につけさせ,自立への

基礎を養うことを目標としている。

そこで,1年生は,これまでに『はるとあそぼう』『こうえんへいこう』で,春探しをしたり,

自然や植物,昆虫などに親しんだりする活動や,『がっこうたんけん』『おともだちはじめまし

て』で,友だちと関わりを持つ活動を行ってきた。また,あさがおの生長を楽しみながら水やり

をして,「葉が大きくなった」「数が増えた」「つるがのびてきた」等に気付いたり,毎朝咲いた

花の数を数えて絵グラフに色を塗ったりして,観察を続けてきた。これらの活動の中で,五感を

通して気づいたことを絵や簡単な文で記録し,発表することで,少しずつ追究・思考する力や表

現する力,かかわり合い学び合う力を身につけてきている。

このような生活科で培われた力は,算数科の学習の中でも十分生かされていくものと考える。

今後も,生活科での学びと算数科での学びを結びつけていけるような学習を,意識して仕組んで

いきたいと考えている。

【問題解決の過程を考慮した授業展開】

本単元では,身近なものの長さを測定しながら,児童にとって新たな課題が生まれていくよう

に指導計画が組まれている。それらの課題に対して,解決の方法を考え,実際に測定したり,比

べたりする経験の中で,「端をそろえる」「ぴんと伸ばす」といったことに気づかせていく。

児童は,これまでの算数の学習の中で,お互い比べ合ったり,ゲーム形式で競い合ったりする

活動に興味を持って意欲的に取り組んできた。このような子どもたちの興味,発達段階を考慮し

て,紙ちぎり競争や棒つなぎレースなどの活動を取り入れて学習を進めていく。また,個人で考

えたり,ペアで話し合ったりして,課題解決の方法を見つけ出し,実際にその方法を使って問題

解決をしていく。

Page 7: 第1学年2組 算数科学習指導案-1-第1学年2組 算数科学習指導案 1.単元名 どちらが ながい 2.単元について 児童はこれまで,日常生活の中で長さを比べて長い方を選択したり,「長い」,「短い」という

- 7 -

6.指導・評価計画(全5時間)

時 ねらい 主な学習活動 評価規準

①どちらが ながい

身の回りのものの長 ・2つの棒状の具体物(バット,鉛筆 関身の回りのものの長さに関

さに関心をもち,直 など)の長さの比べ方を考え,長さ 心をもち,長さの比較に取

接比較,間接比較の 比べをする。 り組もうとしている。

1 方法で長さを比べる ・3つ以上のひも状の具体物(なわ,

ことができる。 リボンなど)の長さの比べ方を考え,知直接比較のしかたを理解

長さ比べをする。 している。

・紙ちぎり競争を行い,クラスで 1番長いチャンピオンを決める。

・比べたい長さがひとつのものの中に 知間接比較のしかたを理解

ある具体物(葉書など)の長さの比 している。

べ方を考え,長さ比べをする。

2 ・直接比べることのできない長さ(C

D)の比べ方を考え,媒介物などを

用いることによって比べられること

を理解し,長さ比べをする。

・身の回りのいろいろな長さをテープ 表間接比較によって,長さを

に写し取り,模造紙に貼って長さ比 比較することができる。

3 べをする。 考間接比較について,媒介物

を用いることで直接比較と

統合的にとらえている。

4 任意単位を用いるこ ・棒つなげレースをして,2本の棒の 知適切な任意単位を用いて,

とにより,身の回り 長さを比べる方法を考える。 ものの長さをはかる方法を

本 のものの長さを,数 ・机の縦と横の長さを,ある物の「い 理解している。

時 値化して表せること くつ分」で表して比べる。

を理解する。

・教室にあるいろいろなものの長さを 表ものの長さを適切な任意単

あるものを単位として「いくつ分」 位を用いて表すことができ

5 で表す。 る。

・方眼の上に置かれた文房具の長さを 考任意単位を用いることで,

マス目1つ分を任意単位として「い 長さの比較を数値化できる

くつ分」で表す。 ことのよさをとらえる。

Page 8: 第1学年2組 算数科学習指導案-1-第1学年2組 算数科学習指導案 1.単元名 どちらが ながい 2.単元について 児童はこれまで,日常生活の中で長さを比べて長い方を選択したり,「長い」,「短い」という

- 8 -

7.本時の学習

(1)日 時 2010年9月8日(水) 5校時(14:00~14:45)

(2)場 所 教室

(3)ねらい 適切な任意単位を用いて,ものの長さをはかる方法を理解する。

(4)「できた」「わかった」を実感させる手立て

児童が考えた長さの比べ方を出し合いながら,任意単位を用いた測定のしかたをおさえて

いく。それをもとにして,机の縦と横の長さを児童一人ひとりが比べることで,任意単位を

用いた長さのはかり方をとらえさせる。

(5)展開

学 習 活 動 指導上の留意点と評価 資 料

1.学習課題をつかむ。

○棒つなげレースをやる。 ・児童対教師で棒つなげレースをや ・長さや

・何色にしようか。黄色い棒。 ることを提案し,説明する。児童 幅の違う

・あっ,長いよ。勝てそう。 チームには,各班で棒の色を選ば 板磁石

せ,6本の棒を黒板につなげて貼 ・封筒

○どちらが長いか予想する。 っていく。長い方が勝ち。

・ぼくたちの方が長そう。

・前の時間にやったように,テープに ・まず,棒を動かさずに比べるには,

写し取ればどちらが勝ちかわかる。 間接比較でできることに気づかせ

る。そして,本時は,一回で長さ

みのまわりのものをつかって,ながさ を写し取るのではなく,身の回り

くらべのほうほうをかんがえよう。 の物を使った別の方法を考えるこ

とをつかませる。

2.学習課題について考える。

○何を使ったら比べられるか考える。 ・自分の持ち物や教室にある物で長

さが比べられる物はないか投げか

け,選んだ物を机の上に置かせる。

○どのように使うかを考える。 ・前時までの学習の中で出された考

えを思い出させたり,選んだ物を

手にして操作させたりする。

3.考えた方法を発表する。

○全体で長さ比べの方法を発表し,実 ・学級全体で,考えた物を用いて黒

際に比べてみる。 板で実際に測らせながら,正しく ・マグネ

・鉛筆を並べていく。 比べられるか意見交換をさせる。 ット

・鉛筆の長さがみんな違うからだめ。 そして,任意単位での測定の注意

同じ長さのものを並べないと。 点を確認する。

・数え棒をいっぱい並べていけば比べ ・同じ長さの物を使わなければいけ

られる。 ないことをおさえる。

・1本の数え棒を置いたら,そこに印 ・単位とするものの長さを正しく写

を付けていけばいい。 し取る方法を確認する。(印をつ

10分

Page 9: 第1学年2組 算数科学習指導案-1-第1学年2組 算数科学習指導案 1.単元名 どちらが ながい 2.単元について 児童はこれまで,日常生活の中で長さを比べて長い方を選択したり,「長い」,「短い」という

- 9 -

ける,指で押さえるなど)

○調べた結果をふり返りながら,みん

なと先生の棒では,どちらが長いか ・どちらが長いかは,何を見れば判

を確認する。 断できるのか考えさせる。

・「いくつ分」の数を見ればわかる。 ・あるものを単位として,その「い

・数が大きい方が長いよ。 くつ分」かで長さを表せば,数の

・いろいろな物を使う方法があったけ 大小で比べられることをおさえ

ど,どれでやってもみんなの方が勝 る。

ちだ。

4.考えた方法を確かめる。

○単位にするものを選び,机の縦と横 ・物を使って測るときの注意点に気 ・学習プ

の長さが「いくつ分」か調べて,結 をつけさせる。 リント

果を学習プリントに書く。 ・正しく測れていない児童には,板

書で測り方の注意点をふり返らせ

ながら,個別指導する。

○単位とした物を見せながら,発表す ・単位とした物を見せながら発表さ

る。 せ,いろいろな物で「いくつ分」

・鉛筆ではかったら,横が6つぶん, を表せることを確認する。

縦が4つぶんだった。

・横は数え棒7つぶんで,縦は5つぶ

んと半分だった。

5.本時のまとめをする。

○今日の学習のまとめをプリントに書 ・身の回りのものの「いくつ分」で ・学習プ

く。 長さ比べができたことをを確認す リント

・みのまわりのものの「いくつ分」で る。

ながさくらべができる。

○ふり返りカードにわかったことや思 ・わかったことや考えたこと,友だ

ったことを書く。 ちのやり方でいいと思ったことな

どを書かせる。

まとめる

5分

25分

知 適切な任意単位を用いて,ものの長さをはかる方法を理解している。☆(活動の様子・発言

学習プリント)

Page 10: 第1学年2組 算数科学習指導案-1-第1学年2組 算数科学習指導案 1.単元名 どちらが ながい 2.単元について 児童はこれまで,日常生活の中で長さを比べて長い方を選択したり,「長い」,「短い」という

- 10 -

(6)板書計画

ぼうつなげレースえんぴつ 4つぶん 5つぶん

ふでばこ 3つぶんとすこし 4つぶん

けしごむ 13こぶん 15こぶん

せん みんな

せい

つかったもの つくえのよこ つくえのたて

えんぴつ 5つぶん 3つぶん

かぞえぼう 7つぶん 5つぶんとはんぶん

ノート 2つぶんとすこし 1つぶんとはんぶん

たて

どちらがながい④ みのまわりのものをつかうほうほう

いくつぶんのかずをみればわかる。

まとめ

みのまわりのものの いくつぶん で

ながさがくらべがられる。

しるし

おなじもの

Page 11: 第1学年2組 算数科学習指導案-1-第1学年2組 算数科学習指導案 1.単元名 どちらが ながい 2.単元について 児童はこれまで,日常生活の中で長さを比べて長い方を選択したり,「長い」,「短い」という

- 11 -

学習プリント(実際は,B5横の大きさ)

9/8 どちらが ながい④ 1ねん( )

みのまわりのものをつかって ながさをくらべるほうほうを かんがえよう

ながさくらべにつかったもの

つくえのよこ つくえのたて

いくつぶん

まとめみのまわりのものの で,ながさくらべができる。

ふりかえろう①じぶんからすすんで,たのしくべんきょうできた。 ◎ ○ △②きょうのべんきょうが,よくわかった。 ◎ ○ △③わかったことや,おもったことをかきましょう。

Page 12: 第1学年2組 算数科学習指導案-1-第1学年2組 算数科学習指導案 1.単元名 どちらが ながい 2.単元について 児童はこれまで,日常生活の中で長さを比べて長い方を選択したり,「長い」,「短い」という

1年生研究授業「どちらがながい」のまとめ

授業後の研究協議1.対話リフレクション

・今日の授業は,指導計画の中で直接比較・間接比較を経て,任意単位について初めて扱う時間であ

った。2組では,はがきのたて横を間接比較する学習の際に,ヘアピンを任意単位として用いて比

較しようとする児童が出てきていた。

・本時までは,なるべく実体験を取り入れた学習ができるような心がけてきた。本単元のねらいは,

「……経験を豊かにする」というねらいであるので,子どもたちが長さを比べたり,測りとったり

する活動を大切にしてきた。また,友達の意見を聞きながら考える活動を取り入れることにも力を

入れてきた。

2.全体協議から

各授業過程での仮説(児童の様子・授業の評価)を立てて,それに沿ってフリーカードのカテゴリ

ー分けと話し合いを行った。

【つかむ】

各授業過程での仮説(児童の様子・授業の評価( は,手だて)

○棒つなぎレースでどちらのチームの方が長くなったか比べようという,児童の興味がわく課題を提

示することによって,児童は,課題をつかんで意欲的に課題解決活動に取り組むことができるだろう。

・棒つなぎレースを授業の導入に入れることで,児

童は意欲的に課題解決に取り組もうとしていた。

反応が早く授業への意欲的な様子が良く伝わった。

・教師対学級の子どもみんなという設定も,学習を

スムーズに進めることにつながった。

・くらべる方法を考えようという学習課題なら,よ

り良い方法を考えようという課題提示になるので

はないか。

【考える】

○既習の知識・技能を活用し(前時までの学習の中で出された考えを思い出させたり),実際に身の

回りの物を手にしたりすることで,任意単位を用いた長さのはかり方を考えることができるだろう。

・自分で選んだ任意単位でどんなふうに測るか,やってみることは何もない机の上では難しい。机の

上に実際に測る対象になるものや具体的なものが必要ではないか。

・全員が同じものを比べる活動としたことにより、意見がまとまりやすくなった。

・前時までの学習を思い出すのために、教室の掲示が有効であった。「はしをそろえる」などの前時

Page 13: 第1学年2組 算数科学習指導案-1-第1学年2組 算数科学習指導案 1.単元名 どちらが ながい 2.単元について 児童はこれまで,日常生活の中で長さを比べて長い方を選択したり,「長い」,「短い」という

までの学習が十分に身に付いていた。

・棒つなぎレースで、子どもたちの授業への意欲は

高まったが、長さを比べるための新しい方法を考

える、という本時の本質を考えると、もっとシン

プルな流れの方がよいだろう。

・「身の回りのもの」を任意単位として扱うことは、

次の学習や日常生活に役立っていくだろう。「身

の回り」という言葉が子どもたちにどれくらい理

解されていただろうか。

・「身の回りのものを使って、いくつ分で測ってい

く」という本時の課題をしっかり押さえていく必要があった。

・「同じチョークでないと測れないよ」という子どものつぶやきを有効に活用したかった。

【深める】

○出された考えを学級全体で,共有したり,実際に単位とする物を身の回りから選んで机の縦と横の

長さをはかったりする算数的活動を取り入れることによって,任意単位を用いてものの長さをはかる

方法を理解できるだろう。【「できた」の視点(活動の様子・発言・学習プリント)】

・言葉で説明することも,机の上で操作することも表現することであるから,表現することで思考す

ることにつながるように,児童の表現の内容を考えて活動を組み立てていく必要がある。

・教師が鉛筆を並べてわざと間違えた,そのことを気づいた子どもたちは思考していた。おかしな並

べ方を指摘した子どもたちは思考し,深めていた。

・任意単位は同じもので比べていかなくてはならないという確認が、子どもたちの考えをつなげなが

ら何回もなされていてよかった。

・一年生でも友達の考えをつなげながら、ひとつにまとめていくことができていた。

・子どもたちが考えたタイルの任意単位に対して、教師が鉛筆を並べてゆさぶりをかけたことで子ど

もたちの思考が深まった。

・「いくつ分とあと○○」といったはしたの扱い方、表し方が難しい。

・活動を多様にして、経験を豊かにする学習なので、タイルと筆箱だけでなく、他のもので机を測っ

た「いくつ分」をできるだけ多くの子どもたち

に発表させたかった。

・「目印に線を引くといい」といった児童の意見

を取り上げ、共有できるとよかった。

・机の測り方を、まず教師やって見せて全体で確

かめてから、個人で取り組ませたことにより、

わかりやすくなった。二人組で取り組ませるこ

とで、子どもたちの作業の困難さを軽減できた

のでは。

・「いくつ分」という数で比べることを意識させ

Page 14: 第1学年2組 算数科学習指導案-1-第1学年2組 算数科学習指導案 1.単元名 どちらが ながい 2.単元について 児童はこれまで,日常生活の中で長さを比べて長い方を選択したり,「長い」,「短い」という

たことに、数量に注目させることができた。

・新たな方法を見つける楽しさ、それを共有する楽しさが学ぶ原動力になるのでは。楽しさとは何か

を考えたい。

・「おなじもの」の捉え方には二つある。同一のものと同じ長さのものというとらえが、児童の中で

は曖昧になっていたのではないか。

・授業の中でおさえる内容を、測る方法を考えることと、測る技術に分けて考えるとよいのではない

か。

【まとめる】

○板書や学習プリントを使って学習をふり返ることにより,児童の考えに沿ったまとめが行われるだ

ろう。

・板書がポイントを押さえられてわかりやすかっ

た。大切な言葉は色を変えてあり、振り返りや

すい。

・授業の最後に、どんな方法だったかと子どもた

ちに尋ねて答えられるだろうか。ねらいと展開

が合っていたか考えたい。

・まとめのしやすいワークシートのあり方につい

てさらに考えていきたい。

【その他】

・既習の方法が十分に身に付いていた。

・科学的・数量的なものに関心が高いのは生活科との関わりが大きいと感じる。

・教師が中心となり、適切な発問をして、児童の考えを上手に出させていた。考えをつなげていくの

進め方が上手であった。

・児童の反応がよく、良いつぶやきが多かった。思ったことを口に出せる、つぶやける雰囲気がよい。

・教師が穏やかで落ち着いた受け答えで、温かい雰囲気で授業が進んでいた。

・授業前のウオーミングアップで子どもたちが授業に向かう姿勢ができていた。

<渡辺指導主事より>

子どもたちが説明する中で,「でも,おかしいね」という気づきを大切にしながら,深めていく授

業の組みたてになっていた。教師が狙ったところと少し違ったものが出ても,教師が授業の骨の部

分をしっかりもっていたからこそ,うまくまとめていけた。

「ひとつ分,ふたつ分,……」といった数え方を授業の中で大切にしていた。言語活動を取り入れ

る意味で,その教科特有の語彙を大事にしていく必要がある。

机を任意単位で測りとる活動では,全体で発表する前に2人組で伝え合う場面があっても良かった

か。2人組での活動を上手に取り入れていきたい。

みんなで共有して深めた事柄については,書き写すなどして,しっかりと残して自分のものにさせ

Page 15: 第1学年2組 算数科学習指導案-1-第1学年2組 算数科学習指導案 1.単元名 どちらが ながい 2.単元について 児童はこれまで,日常生活の中で長さを比べて長い方を選択したり,「長い」,「短い」という

る手立てがあると良い。

<斉藤指導主事より>

校内研のテーマである「できた」「わかった」に迫るために,大きな指針となる授業であった。教

材研究の充実を感じた。

1年生が長さの概念を理解したり,経験を豊かにする,という今回の授業に,私たちが普通考える,

子どもたちが既習事項を使って思考したり,練り合って話し合っていくのとは,違う展開が必要だ

ったと感じる。長さに対する経験を豊かにするという本単元のねらいを考えると,直接比較,間接

比較,任意単位での比較を体験を通して実感することが大切。

任意単位による比較も何とか子どもたちの発見で導き出したいと考えた1学年の先生方のねがい,

子どもたちの発見を大事にする授業づくりは大切。

授業づくりの上で,「できた!」「わかった!」を実感させるための手立てが,1時間の授業の中

でどのように実現できているか,深めていってほしい。

評価規準として,今回の授業に,「知識理解」を設定しているのは本校の校内研の良さである。「数

学的な考え方」を設定する授業が多いが,そのためにどんな活動を仕組んでいくのか,ということ

も考えて研究を進めてほしい。

「知識理解」というのは,穴埋めの文章がまとめられることではなく,意義の理解を実感を伴って,

もう一度操作できる,もう一度説明できることになる。机の上での操作もたっぷり時間をとって,

多様な任意単位で経験させたい。

1年生では,経験することが大切。操作したり,言葉で言ってみたりする活動が少なかった気がす

る。「できた!」「わかった!」を実感させるためにも,多様な活動を経験させてほしい。