理事長・学長特別研究 相次いで成果を報告 学部長に ·...

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Page 1: 理事長・学長特別研究 相次いで成果を報告 学部長に · 理事長特別研究「省エ省エネ型キャンパス 研究発表会が3月ネ型キャンパス創成」の

日 本 大 学 広 報 (2)平成27年4月15日第679号

――学部長として薬学

部をどのように発展させ

たいとお考えですか。

本橋 

平成27年度入

学の1年生から、新たな

カリキュラムに基づく教

育が始まります。7割を

共通内容とし、3割は各

大学独自のカリキュラム

を履修することができま

す。本

学部は、独自の教育

プログラムにより、社会

から求められる人材を育

てたい。つまり①最新か

つ広範な薬物療法を提案

できる②地域に根差した

薬剤師活動を実践で

きる③薬局経営に精

通した能力がある―

こういう人材を育成

します。1年生の頃

から、どういう方向

に進むかという意識

を学生に持たせたい

と思います。

――FD活動に力

を入れていますね。

本橋 

薬学教育6年制

が導入されたのが平成18

年です。それに先行して

15年ごろから教育改善活

動に取り組み始めまし

た。FD講演会、LMS

(学習管理システム)講

習会、ワークショップ

(WS)などを行ってい

ます。

全科目で学生からの授

業評価をとっています。

学生により良い教育を提

供するには、教員への

フィードバックも必要で

す。成果は上がってきて

いますが、「これで終わ

り」というものではな

く、今後も続けていきま

す。―

―教育でいちばん大

切にされていることは。

本橋 

ここ数年、医療

人としての薬剤師の役割

が変わっています。患者

さんの前に出て説明す

る。医師に新しい薬物療

法を提案する。そのため

にも、医療人としての倫

理感を持ち、信頼される

人材を育てたいと思いま

す。6

年制への移行で、病

院での実務実習が加わり

ました。座学で勉強した

ことの意味が、実習で分

かるようになったという

声を聞きます。薬剤師と

しての意識が強くなりま

す。大きな病院の薬局と

同じような施設が学内に

あり、そこで事前実習を

します。模擬患者さんか

ら質問を受けるというよ

うなこともあります。し

かし、現場の緊張感は別

物です。

――薬剤師国家試験へ

の対応は。

本橋 

薬学系大学・学

部の新設で学生数は増え

ています。調剤薬局、健

康な生活を送るためのア

ドバイス、在宅医療での

服薬指導など、薬剤師の

活躍する領域が広がり、

ニーズも高まっていま

す。ところが合格者の総

数は増えず、難易度が高

くなっています。

従来の6年生を対象と

した対策講座に加え、早

期に対応することも考え

なくてはいけません。ど

ういうレベルで出題され

るのか、手がかりがない

のでは、対策のための勉

強をしようがないですか

ら。―

―医・歯学部など他

学部との連携は。

本橋 

医学部や松戸歯

学部には人体解剖の見学

や、実務実習の受け入れ

など、教育に対して協力

していただいています。

研究分野でも共同研究が

行われており、大きな成

果が出ています。

お茶の水地区では日本

大学病院が開院し、理工

学部の南棟建設、歯学部

の病院・校舎の建て替え

と、再開発が進んでいま

す。田中英壽理事長が打

ち出されている先端医療

の拠点構想。ここに、薬

学部も参画させていただ

きたいと思います。

――最後に教職員への

メッセージをお願いしま

す。本

橋 

新しいカリキュ

ラムの導入で、想定外の

ことが起こる可能性があ

ります。仮に何かあって

も、教職員一丸となって

対処すれば解決できま

す。学生のために、FD

やWSも続けながら、教

育の質を向上させます。

の大京(本社・東京)と

共同で独自のパッシブデ

ザインを開発、同社が4

月から着工する全ての物

件(ライオンズマンショ

ン)に標準採用された。

パッシブデザインと

は、自然エネルギーを活

用して快適な室内環境を

つくり出す建築設計のこ

と。風や夜間冷気、グリ

ーンカーテンなどを用い

たパッシブデザインを追

究してきた吉野教授らは

6年にわたり実測・検証

を重ね、その結果、7月

の室温を4・9度下げる

などの効果を確認した。

大京はこうした効果を採

り入れるため、グリーン

カーテン用フック、換気

機能付き玄関ドア、自然

換気ストッパー付きサッ

シなどの導入を決めた。

吉野泰子教授の話「日

本の民家がかつてそうで

あったように、風の道を

つくるという考え方が原

点。住居の質は確実に向

上するが、結局は居住者

のエコ意識(ライフスタ

イル)に左右される」

を今秋にも開講すると明

らかにした。

もう一つの「全学共通

教育プログラム」は5年

間を一区切りに、①日本

大学を知る②日本を知る

③各分野の先端研究④グ

ローバル人材育成――の

4科目。JMOOCでの

経験をプログラム作りに

反映していく考えだ。

引き続き授業科目の教

師陣選定や、高大連携教

育との連動性、単位取得

などで各学部との調整が

残っているという。

同シンポではさら

に「教育のオープン

化」の第一人者の講演

や、北海道大と明治

大、立命館大の事例紹

介にパネルディスカ

ッションも行われ、本

学の他、全国の大学、

企業関係者の計24

7人が参加した。

日本大学教学戦略シン

ポジウムが3月28日に日

本大学会館で開かれ、本

学が進める二つの「教育

のオープン化」構想が紹

介された=写真。

報告した日本大学教学

戦略委員会の青木一能委

員(文理学部教授)によ

ると、狙いは14学部の分

散型キャンパスからなる

本学の学修機会の選択肢

を拡大することで、その

一つであるJMOOCへ

の参画では、2番手の「ナ

ノ物質の不思議な世界」

医薬品の世界は日進月歩。より効果があり、より

副作用の少ない新薬が次々に登場する。薬剤師に求

められる資質も、かつてとは異なる。調剤だけでな

く、患者とも接するコミュニケーション能力が問わ

れる。新たな医療ニーズに対応できる人材を、どの

ように育成するか。新学部長に聞いた。

国際救助隊

学内9学部と1付属高

校で構成する

国際救助

隊の活動が報告されたの

は、世界187カ国・地

域が参加する第3回国連

防災世界会議のパブリッ

ク・フォーラムとして。

3月18日に開催された

フォーラム会場では、「復

興のさきの発展を目指し

た水上空港ネットワーク

構想」や「災害用段ボー

ルトイレのデザイン」な

ど、災害復興支援に特化

した5件の研究内容が発

表された。

会場には校友会の宮城

県支部や仙台支部、福島

県支部の関係者に、宮城

県塩竃市の佐藤昭市長

(校友)らが駆けつけ、

「我々も協力するので今

後も研究支援の継続を」

と訴えた。

学長特別研究に指定さ

れた

国際救助隊の成果

報告会は3月13日に日本

大学会館でも行われてお

り、研究代表の木村政司

芸術学部教授は「大学の

研究を学内に出掛けて社

会還元するのが本プロジ

ェクトの使命。今後は他

大学との協力を視野に入

れて続行する」と話して

いる。

国際救助隊の活動ぶり

を紹介する書籍「国際救

助隊誕生」(日本大学学

長特別研究プロジェクト

編)が3月下旬に刊行さ

れた。

同書は9章からなり、

研究代表者の木村政司芸

術学部教授ら同プロジェ

クトに参加した16人の研

究者が分担。発足の経緯

から、災害復興支援や教

育支援などの活動状況、

学部の垣根を越えて取り

組んだそれぞれの支援の

中身など、その成果と意

義をわかりやすく紹介し

ている。(リバネス出版

刊。B6判、183㌻。

定価1500円+税)

省エネ型キャンパス

理事長特別研究「省エ

ネ型キャンパス創成」の

研究発表会が3月14日に

日本大学櫻丘高校で開か

れ、関係する文理と理

工、工の3学部の教授陣

がその成果を発表した。

研究はもともと「電力

削減と教育環境整備の両

立を目指した省エネ型キ

ャンパス創生」を目的に

出発。それを元に本部管

財部も加わって、太陽光

と地中熱を活用した文理

学部のエコキャンパスプ

ロジェクトに国庫補助を

得て着手するなど、実務

運営に重きを置いた理事

長特別研究らしいプロジ

ェクトとして花開いた。

その一方で、世田谷区

ェクト「日本大学の自校

史教育における教育担当

者養成の実践的研究~建

学の精神の実現をめざし

て~」の成果報告会は3

月31日、日本大学会館で

開かれた。同プロジェク

トは①自校史教育担当者

の養成②付属校の自校史

教育の現状と情報交換③

大学に関する過去の紙焼

き写真のデジタルアーカ

イブ化――の三つを柱に

研究を進めてきた。

最終会では各学部等で

自校史教育を担当する教

職員のうち10学部と通信

教育部の11人がそれぞ

れ、本学の歴史に所属学

部の沿革や特色などを織

り込んで完成させたパワ

ーポイントで自校紹介を

行い、これまでの成果を

披露した。

研究代表者の加藤直人

文理学部教授(副学長)

は3年間を振り返り、「素

晴らしい成果を挙げられ

たので、自校史教育の重

要性について今後も発信

し続けたい」と述べた。

インフルエンザ感染

学長特別研究「インフ

ルエンザ感染および重症

化対策」の成果報告会が

3月13日に医学部で開か

れ、参加した6学部の担

当者からそれぞれの研究

成果が発表された。

それによると、3年間

の共同研究の結果、①口

腔内細菌とインフルエン

ザ感染のかかり易さ②イ

ンフルエンザ感染マウス

のエクソソームマイクロ

RNA解析による重症化

機序③インフルエンザ

イルスの特徴的な構造―

―を突き止めた。

同研究は、毎年流行し

て社会的にも問題なイン

フルエンザ感染の仕組み

と重症化しやすい高齢者

の防御対策を目的に進め

られてきたもので、今後

も関係学部間で協力しつ

つ、研究を継続していく

ことを申し合わせた。

吉野泰子短大教授らの

研究成果を大京が導入

パッシブデザイン

短期大学部建築・生活

デザイン学科の吉野研究

室(指導教員・吉野泰子

教授)と理工学部建築学

科などの学生がこのほ

ど、マンション開発大手

の近隣4小中学校や付属

の櫻丘高、札幌日大高、

宮崎日大高と「電力エネ

ルギー見える化プログラ

ム協定書」を締結。教室

内の電力使用量や気温、

CO²濃度などを収集・

分析して通知するシステ

ムを構築して歓迎され

た。研

究発表会では4小中

学校の校長や教頭に、テ

レビ電話で宮崎日大高の

担当教諭が参加してシン

ポジウムを開催。参加者

はいずれもその活動を高

く評価すると共に、理事

長特別研究の終了後も同

システムを継続すること

で全員の意見が一致した。

自校史教育

理事長特別研究プロジ

聞く

学部長に

本も と

橋は し

 重し げ

康や す

教授

薬学部長

総合大学のメリット生かす

患者と向き合える薬剤師の育成めざす

スタッフ

学部次長

鈴木  

孝教授(臨床医学)

学務担当

松本 

宜明教授(薬物動態学)

学生担当

木澤 

靖夫教授(生理学・薬理学)

企画・広報担当

日髙 

慎二教授(医療薬学)

研究担当

榛葉 

繁紀教授(健康衛生学)

就職指導担当

山中 

健三教授(環境衛生学)

図書館長

金子 

利雄教授(英語教育)

3年間の研究期間を終える「理事長・学長特別研

究」の4プロジェクトが3月、相次いで成果報告会

を開催した。国連主催の防災世界会議(仙台)で紹

介された

国際救助隊の例もあるが、着実な成果を

踏まえ、全プロジェクトが期間終了後も引き続き研

究を継続していくことで一致した。

理事長・学長特別研究

相次いで成果を報告

コンテナ車も仙台に出動

教学戦略シンポジウム

教育のオープン化を推進