7 時間と長さ 小学算数...
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時間や長さについては,2年までに学んでいます。3年では,短い時間を表す単位「秒」と,長い道のりを表す単位
「km」について学習します。どちらも,体感するのが難しい単位です。秒については,数十秒のまとまった時間経過を
体験させたり,kmについては,学校から1km離れたところに何があるかなど,身近なものまでの道のりを使ったりし
て,イメージを掴めるように工夫することが大切です。
「秒」と「km」の量感の獲得
時の流れを数直線で表したとき,数直線上の1点を
時刻ということができます。また,2つの時刻の間の
線分の長さを時間ということができます。
時刻と時間については,2年までに,時計のよみ方,
時・分などの単位の関係,簡単な時刻や時間の求め
方を学習してきています。
3年では,秒を導入し,必要な時刻や時間を計算で
求めることができるようにします。まず,秒の導入では,
時・分の関係と関連づけて分・秒の関係をとらえさせ,
1分=60秒ということを理解できるようにします。
次に,時刻や時間の計算では,簡単な場合を取り
扱い,「時・分・秒」は十進構造になっていないので単
位の換算を間違えないように配慮することが必要で
しょう。
そのためには,単に形式的な計算に走るのではな
く,右のように時間の単位構造を視覚的にとらえて計
算することができるように,時刻の目盛った数直線を
用いるとよいでしょう。
時刻と時間の計算
小学算数 3年2-1①
さらにくわしくお知りになりたい場合 教授用資料
啓林館教師用指導書 3年上 指導資料集 p168,208 / 啓林館教師用指導書 3年上 朱註 p94~95
7 時間と長さ指導ポイント
●「余り」でなく「たりない」にしてしまう誤り
「14÷3=5あまり1」とする児童がいます。これは,「三五15」,余りだからひいて(15-14=1)と考えてしまっ
た誤りです。このような児童に対しては,もう一度数図ブロックを操作するようにして,3個ずつ5人分はとれない
ことを確認するとよいでしょう。理解の遅い児童には,数図ブロックの操作と関連づけながら考えさせ,いずれは,
操作しなくても念頭で考えられるように促しましょう。
●余りの大きさを確認させる
わり算の計算をした後,余りがわる数より小さくなっているかどうか,必ず見直しをさせることが大切です。
●わり算の答えは整数になることの確認
みかん16個を3人で分ける問題で答えを求めると,余りのみかん1個を3人で等分すればよいのではないかと
考える児童がいます。生活に密着したよいアイデアですが,ここでは,個数を表す整数の範囲で答えを示すように
しているので,1個のみかんを分けたりしないことを納得させましょう。
●答えの確かめのポイント
答えを確かめるには,2つの条件が必要です。
❶ (わる数)×(商)+(余り)=(わられる数) ❷ (余り)<(わる数) ❶だけでは不十分で,❷の性質も確かめる必要があります。ただし,「商」の用語は4年の内容なので,注意が必
要です。
児童によっては,❶だけ満たしていれば計算が正しい(確かめられた)と考えているときがあるので注意しましょ
う。
つまずきと対策
小学算数 3年2-1②
さらにくわしくお知りになりたい場合 教授用資料
啓林館教師用指導書 3年上 朱註 p103~106
8 あまりのあるわり算つまずきと対策