20150906 第6回組織の経済学勉強会(後半)

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Economy & Finance


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Page 1: 20150906 第6回組織の経済学勉強会(後半)

『組織の経済学』勉強会第Ⅴ部 雇用:契約、報酬、キャリア第 12章・第 13章

2015年 9月 6日(日)

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報酬と動機付け•プリンシパル・エージェント問題

会社と従業員との利害が対立利害を一致させる仕組み

−明示的インセンティブ営業職やブルーワーカー等:客観的なデータに基づく業績連動型 /出来高給

事務職や管理職等:自己申告(私的情報の導出)による目標管理

−暗示的インセンティブ:昇進(出世レース)等2

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出来高給 /歩合給•利点

シンプルで分かりやすい−努力を増やす /能力を高める(自己の人的資本に対する投資)誘因になる

−インフルエンスコスト(恣意的な数値の操作や政治的工作等)を下げる

自己選択的(能力に自信がある従業員をひきつける)

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出来高給 /歩合給•欠点

努力水準と成果が必ずしも結びつかない(外部要因の影響が大きい→地域的に誰が営業しても売れる /売れない、製造ラインの前工程でボトルネックが発生したことによって生産高が下落する等)

個人の貢献度が明確に測定できない場合、インフルエンスコストの上昇

チームに対する情報共有等、評価されない活動に対する努力水準が下がる(マルチタスク問題)

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出来高給 /歩合給•営業職に適用しやすい理由は?

成果が客観的に測定しやすい社外に出かけていることが多く、モニタリングが困難

そもそもリスク回避的な人は営業職を希望しない(報酬に関する不確実性に対するリスク・プレミアムを削減)

•ただし・・・評価対象期間をまたぐ営業活動が必要な場合(航空機メーカー等)には?

外的要因(運・不運)によって成績が良い /悪い場合は?

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出来高給 /歩合給•シンプルな業績給(固定給+ノルマ超過分の歩合給)を採用している会社において、下記は会社全体の売上高にプラス orマイナスのどちらの影響を与えているか?業績給に上限を設定(営業の年収格差を縮小する / 棚ボタの影響を排除する)

目標達成の翌年は目標を引き上げる(例:今年度+10%)

出所:“ A Structural Model of Sales-Force Compensation Dynamics: Estimation

and Field Implementation” by Sanjog Misra and Harikesh Nairy6

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グループ・インセンティブ•プロフィット・シェアリング(会社業績連動、従業員持

株会)利点

−相互監視が可能−個人の貢献度合いが測定困難な場合にも適用可能(インフルエンス・コストを下げる)

−メンバー間の協力を得やすい(全体最適へ)−個人(リスク回避的)と比べて、リスク許容度が高い

欠点−フリーライダー問題(インセンティブの適正配分困難)

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業績評価•絶対評価 vs 相対評価

運・不運の影響を排除→相対評価(トーナメント理論)

−ただし、相対評価のみの場合全体の努力水準を下げる可能性があるチームメンバー間の競争→足の引っ張り合い

•人事評価のバイアス中央化傾向、寛大化傾向、期末誤差、ハロー効果・・・

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業績評価•能力の低い営業担当者には・・・

評価期間を長く(年 1 ~ 2) or 短く(年 4回)する方が良い?

•評価期間は・・・単一期間(例: 2Qのみ) or 累計( 1Q+ 2Q)、ど

ちらの業績を採用した方が良い?•業績に関係の無い報奨金(例:営業に対する臨時手

当)は期首 or期末に支給する、と宣言した方が良い?

•営業担当者に対する表彰 /報奨金は成績トップ1名のみ or 複数に与えるべき?

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業績評価•目標管理

より高い業績目標を設定する程、インセンティブの増加率を高くする→意図的に努力水準を下げることを防ぐ

•望ましい報酬体系を検討するためには、対照実験( A/Bテスト)が望ましいただし、法規制(同一労働同一賃金の原則)に留意

参考文献:「営業を本気にさせる報酬制度とは」 DHBR  2015年 8月号「正しいインセンティブの与え方」 DHBR  2012年 12月号

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仕事のデザイン•組織の 4 原則

専門化 ⇔ 反復作業による生産性低下 統制範囲 ⇔ 多階層化=情報伝達の精度低下 命令一元化 ⇔ 柔軟性 /多面性の欠如 権限・責任の一致 ⇔ 権限委譲による意思決定の

迅速性 / 柔軟性の欠如、リスク回避志向

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仕事のデザイン•成果測定が容易な仕事と困難な仕事の両方を同一人物が行う場合、測定可能性の高い仕事が優先される•自己裁量型の勤務体系→明示的インセンティブの給与

体系には効果的

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CEOの報酬

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CEOと一般従業員の年収格差= 300 倍

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CEOの報酬

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CEOの報酬と株価が相関

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CEOの報酬

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ストック・オプションも費用処理が必要となったことからメリットが減少し、 Restricted Stock Unit(制限付株式)の無償割当が増加

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CEOの報酬が高い理由•市場競争説

グローバル化が進展 / 変化が激しい(=経営が難しい)環境における優秀な経営者に対する需要増− 大企業(経営環境がより複雑、経営者の貢献度合いが測定困難)の CEO→高い報酬による規律付け

株式報酬=リスクが高い→リスク・プレミアムとして現金支給額も増加

IT 技術の発達等による汎用的(≠企業特殊的)技能の需要増加→MBA(人的資本=大)の増加 16

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CEOの報酬•レントシーキング説(報酬決定に有利な立場を利用)

インターロック( CEOが相互に社外取締役に就任することで馴れ合いが発生)等、ガバナンスが脆弱化→報酬を抑える規律が緩む(解雇の心配が低下)

業績に対する報酬の下方硬直性(業績が改善すると報酬も UPするが、悪化しても同程度までは下がらない)

•市場競争説だけでは CEOの高額報酬は説明がつかない(米国 EPI =リベラル系シンクタンク) 17

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CEOの報酬• CEOの報酬が高い理由(その他)

トーナメント(出世競争)の賞金→賞金が高い程、生産性が高い(例:プロゴルフ)

効率賃金仮説(解雇される=高い給与を失うリスク)

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リスクテイク•バーリ・ミーンズの命題

近代の株式会社における所有と経営の分離 無数の株主から資金調達→リスク分散→企業(経営

者)は資本コストに見合うリスクテイク(投資決定)が求められる→現代の企業に該当するか?− 株価連動報酬(≠ストックオプション)→ CEO

個人としてリスク分散が図れない=リスク回避的

− 中間管理職においても同様(投資の意思決定が自分の将来 CFに直結=リスク回避的) 19

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リスクテイク•日本企業の場合

自分の意思決定(投資)の結果が将来 CFに直結しない→リスクテイク可能− 終身雇用、(職能給をベースとする)年功序列− 合議制(コンセンサス)による責任の分散

•ストック・オプションが付与された場合 株価が下がっても行使しなければ良い=ダウンサイ

ドリスクが排除されている→リスクテイク可能20

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報酬設計•中長期的な視野を持たせる

後払い報酬(高額の定年退職金、従業員持株制度)•株式価値を高めるM&Aに賛成させる

ゴールデン・パラシュート− 株主にとって望ましい(高い価格での)敵対的

買収を成功させるため経営者による焦土作戦を防ぐ

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