（毎月5日・15日・25日発行）　　　第1477号（1）　　　平成28年4月5日（火）　　　　　（昭和49年11月25日第三種郵便物認可）

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　入学して３カ月。デザイ

ナーを志望して渡米していた

伊藤さんに母親からのＳＯＳ

が飛んだ。その母親が子供

を育てるために見様見真似で

オープンしたホルモン店。親

孝行のために帰国して20歳の

頃に本格的に店を手伝うよう

になった伊藤さんは、父親の

借金２億円弱を返すために、

昼夜問わず懸命に働いた。

　若い伊藤さんに対し、お客

さんが入れ替わり立ち替わり

商売の極意を教えてくれた。

もちろん、表だけではなく裏

の裏までだ。銀行との交渉術

をはじめ、教わった処世術を

一つずつ実践して力をつけて

いった伊藤さんは、と畜場で

肉のさばき職人や配達などを

こなしてから、夜になると店

を手伝っていた。22歳の時に

店を朝まで営業に変更し、わ

ずか３坪・10席の店で最高日

販50万円を売る大繁盛店へと

変貌させた。

　そして、29歳の時に子牛を

買った。繁殖から肥育まで一

貫して手がけた。儲かっても

高級外車などは買わずに、牛

を買いまくった。１９９６年

12月、32歳の時に焼肉「但馬

屋」ブランド１号店となる東

三国店を開店してもその勢い

は衰えず、10卓・50席の店で

全盛期は月商１８００万円を

叩き出した。

　89年、25歳の時に和牛の一

頭買いを開始し、２０１０年

には業界で初めて和牛一頭丸

ごとのドライ熟成に本格的に

挑戦するなど、常に焼肉業界

に新風を吹き込んできた。対

外的には、大阪外食産業協会

（ＯＲＡ）、全国焼肉協会とも

に、副会長を務める。

　現在10店舗（16年３月末現

在）、２年後の２０１８年に

はホールディングス化して全

店舗を分社化、店長を社長に

する計画だという。10店舗の

いまになって「最強なのは１

店舗だ」とわかったと伊藤さ

んはこう続ける。

　「お客様の喜びを追求する

と、その店の店主が店にいる

ことに突き当たる。お客様と

真剣に向き合っていけるのは

１店舗。絶対に１店舗の方が

強い。牛心ホールディングス

から業務委託する形で各店舗

を分社化する計画だ」

　　　（関連記事６面参照）

「向き合える１店舗の強さ」を再認識

全店分社化し「お客様の喜び」追求へ

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牛心代表取締役

伊藤 勝也 氏いとう かつや

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