fgfr 遺伝子変化等の稀な遺伝子変化を有する肺扁 …2/17 1. 目的...

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1/17 FGFR 遺伝子変化等の稀な遺伝子変化を有する肺扁平上皮癌 の臨床病理学的、分子生物学的特徴を明らかにするための 前向き観察研究 Version 1.7 国立がん研究センター東病院 呼吸器内科 国立がん研究センター 先端医療開発センター トランスレーショナルリサーチ分野 2015 年 1 月 22 日 国立がん研究センター研究倫理審査委員会 ver 1.4 承認 2015 年 10 月 16 日 国立がん研究センター研究倫理審査委員会 ver 1.7 承認 2014 年 10 月 20 日 プロトコール案作成 2014 年 10 月 27 日 プロトコール ver 1.1 作成 2014 年 11 月 19 日 プロトコール ver 1.2 作成 2014 年 11 月 19 日 プロトコール ver 1.3 作成 2014 年 12 月 16 日 プロトコール ver 1.4 作成 2015 年 8 月 31 日 プロトコール ver 1.5 作成 2015 年 9 月 14 日 プロトコール ver 1.6 作成 2015 年 10 月 5 日 プロトコール ver 1.7 作成 研究代表者 国立がん研究センター東病院 呼吸器内科 後藤功一 研究事務局 国立がん研究センター東病院 呼吸器内科 後藤功一、杉山栄里

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FGFR 遺伝子変化等の稀な遺伝子変化を有する肺扁平上皮癌

の臨床病理学的、分子生物学的特徴を明らかにするための

前向き観察研究 Version 1.7

国立がん研究センター東病院 呼吸器内科

国立がん研究センター 先端医療開発センター トランスレーショナルリサーチ分野

2015年 1月 22日 国立がん研究センター研究倫理審査委員会 ver 1.4 承認

2015年 10月 16日 国立がん研究センター研究倫理審査委員会 ver 1.7承認

2014年 10月 20日 プロトコール案作成

2014年 10月 27日 プロトコール ver 1.1 作成

2014年 11月 19日 プロトコール ver 1.2 作成

2014年 11月 19日 プロトコール ver 1.3 作成

2014年 12月 16日 プロトコール ver 1.4 作成

2015年 8月 31日 プロトコール ver 1.5 作成

2015年 9月 14日 プロトコール ver 1.6 作成

2015年 10月 5日 プロトコール ver 1.7 作成

研究代表者

国立がん研究センター東病院 呼吸器内科

後藤功一

研究事務局

国立がん研究センター東病院 呼吸器内科

後藤功一、杉山栄里

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1. 目的

本研究では、全国の研究協力施設から提出された肺扁平上皮癌の臨床検体の遺伝子解析結

果に基づき、希少肺癌である FGFR 遺伝子変化陽性肺扁平上皮癌を同定し、その臨床病理学

的、分子生物学的特徴を明らかにすることを目的とする。

更に、同時に測定する複数の体細胞遺伝子変化に関しても、遺伝子変化を有する肺癌を特定

し、その臨床病理学的、分子生物学的特徴を明らかにすることを目的とする。

2. 背景

【FGFRの構造】

22 種類の線維芽細胞増殖因子(FGF)の受容体である FGF 受容体(FGFR)は、胎生期では臓

器の器官形成に関与し、成人においては組織の修復や血管新生に加え、恒常性維持機構にも

関与しているといわれている[1]。FGFR はチロシンキナーゼ型レセプターファミリーに属し、4 つ

の遺伝子(FGFR1-4)が同定されている[1, 2]。FGFR1-4 はいずれも細胞外領域、細胞膜貫通

領域、細胞内領域からなる1回膜貫通チロシンキナーゼ型受容体である(図1)[2]。細胞外領域

には 3個の免疫グロブリン様ドメイン(Ig)が存在し、N末端側の最初の Ig様ドメイン(Ig I)と 2番

目の Ig様ドメイン(Ig II)の間には 8個の酸性アミノ酸からなるアシッドボックスが存在している。ま

た 3 番目の Ig 様ドメイン(Ig III)は FGFR1-3 では遺伝子上に 3種類のエクソン(IIIa、IIIb、IIIc)が

存在している[3-5]。IIIa は 3 番目の Ig 様ドメインの N 末端側半分をコードし、IIIb と IIIc は C 末

端側半分をコードしているが、IIIb と IIIc は細胞特異的な選択的スプライシングが起こることによ

ってリガンド特異性に大きく影響を及ぼすことが報告されている[3, 6]。細胞膜貫通領域は疎水

性アミノ酸によって構成され、細胞内領域はチロシンキナーゼドメインとチロシンキナーゼ挿入

ドメインより構成されている。

図 1:FGFRの構造(文献 1から引用)[1]

【FGFRシグナル】[7]

FGFRシグナルの下流には PIK3K/AKT と MEK/ERK、STAT、PLCγという 4つの重要な経路が

あり、細胞増殖や抗アポトーシス作用を示すといわれている(図 2) [1]。これらのシグナルがど

のような機序で活性化し、癌の発生や増殖に関与しているかについては、受容体の変化で活性

化される場合と、リガンドにより活性化される場合の二つの機序が挙げられる [1]。

受容体変化によるシグナルの活性化は、上皮増殖因子受容体(EGFR)で報告されているような

欠失変異や点突然変異といった、受容体側の様々な遺伝子変化によるものが報告されている。

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また、Anaplastic Lymphoma Kinase(ALK)融合遺伝子、REarranged during Transfection (RET)

融合遺伝子と同様に、遺伝子転座により恒常的に二量体が形成され、下流のチロシンキナー

ゼが活性化される例も報告されている。その他、遺伝子増幅を含め、このような受容体の遺伝

子異常により FGFシグナルが増強され、癌の増殖に関与していると考えられている。

リガンドによるシグナルの活性化に関しては、癌そのものがリガンドを産生してautocrineに作用

する場合と、間質細胞からリガンドが産生されて癌の増殖に関与する場合がある [7]。更に、

bFGF(FGF2)には強い血管新生促進作用があり、腫瘍血管新生により癌の増殖に関与してい

ると考えられる。

図 2 FGFRシグナルネットワーク(文献 1から引用)[1]

【各種のがんにおける FGFR の変化】[8]

現在までに様々ながん種で FGFR の遺伝子変異や増幅、蛋白の過剰発現が報告されている。

膀胱癌、子宮頸癌では、FGFR3 遺伝子の活性型遺伝子変異を認めることが報告されている

[9]。子宮内膜癌では、約 10%に FGFR2遺伝子変異(S252W)が認められ、子宮内膜細胞株にお

いては当該変異がキナーゼ活性を認め、発癌に関与していることが確認されている [10]。膵臓

癌では、FGFR1-4の全ての受容体が発現しており、FGFR1の IIIcアイソフォームがリガンドであ

る FGF5 の作用で癌の増殖を促進するのに対して、FGFR1 の IIIb アイソフォームは、癌の増殖

抑制、アポトーシスに関与すると報告されている [11, 12]。スキルス胃癌においては、FGFR2の

過剰発現が 33%に認められ、FGFR2の IIIcアイソフォームの過剰発現がスキルス胃癌株 KATO

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III の腫瘍形成を促進すると報告されている [13, 14]。更に、胃癌における FGFR蛋白の高発現

は予後不良因子であることが報告されている [15]。肝細胞癌においては、FGFR1 が高発現し

ており、腫瘍進展に関与していると報告されている [16]。多発性骨髄腫では、約 15%に(4;14)

染色体転座による FGFR3 の過剰発現が認められ [17, 18]、こうした過剰発現例では高用量化

学療法が無効で予後不良であることが示されている [19-21]。尿管癌では、FGFR3 遺伝子変

異は低異型度の表在癌のマーカーとなることが報告されている [22]。食道扁平上皮癌では、

FGFR2の IIIbアイソフォームの発現が高分化型扁平上皮癌の癌化に関与していることが報告さ

れている [23]。また、髄芽腫、膀胱癌、乳癌、甲状腺癌および前立腺癌においては FGFR 融合

遺伝子が報告されており、髄芽腫、膀胱癌の FGFR 融合遺伝子( FGFR3-TACC3、

FGFR3-BAIAP2L1)はキナーゼ活性を有し発癌に関与するとともに、FGFR 阻害剤への感受性

を示すことが報告されている。 [24-26]

【肺癌における FGFR遺伝子変化】[7]

肺癌においても様々な FGFR遺伝子変化が明らかとなってきている。肺癌の FGFR遺伝子変化

は特に肺扁平上皮癌で頻度が比較的高く、現時点では FGFR1 の遺伝子増幅 [27-31]、

FGFR2-3 遺伝子変異(FGFR2:W290C, S320C, K660N、FGFR3:R248C, S249C) [32]、および

FGFR1-3融合遺伝子(FGFR1-BAG4, FGFR2-KIAA1967, FGFR3-TACC3) [24, 33, 34]の報告

例がある。これらの遺伝子増幅、遺伝子変異、一部の融合遺伝子(FGFR3-TACC3)は、細胞株

においてドライバー遺伝子変化であることが確認されており [25, 32, 34, 35]、分子標的治療薬

の開発が進んでいなかった肺扁平上皮癌領域における、新たなターゲットとして注目されてい

る。

1) 欧米を中心とした TCGA(The Cancer Genome Atlas)プロジェクトにおいては、肺扁平上

皮癌患者の 10-20%に FGFR1 遺伝子増幅が認められ [31, 36]、喫煙量と相関する他、切

除後肺扁平上皮癌の予後不良因子であるといった特徴が報告されている [28]。また、

FGFR1 遺伝子増幅を伴う肺扁平上皮癌の細胞株に対し、FGFR 阻害剤が抗腫瘍効果を示

すことが複数の論文で報告されており、FGFR1遺伝子増幅は FGFR阻害剤の治療ターゲッ

トと考えられている [30, 31, 35]。2014年度の米国臨床腫瘍学会では、FGFR1遺伝子増幅

を認める肺扁平上皮癌に対する FGFR 阻害剤(BGJ398)の第Ⅰ相試験の結果が報告され、

病勢コントロール率 50%を示した。(ASCO 2014, Poster Session #8034 Lucia et al)

2) FGFR2, 3 遺伝子変異は、肺扁平上皮癌の 3-6%、非扁平上皮非小細胞肺癌の 1%と低頻

度であり、その臨床病理学的特徴は明らかにされていない。遺伝子変異の種類は多彩で

あり、変異部位は遺伝子全体に広く分布している。そのうち、FGFR2-3遺伝子変異(FGFR2:

W290C, S320C, K660N、FGFR3: R248C, S249C)陽性の細胞株に対して FGFR阻害剤が抗

腫瘍効果を示しており、これらも分子標的治療のターゲットとして期待される遺伝子変異で

あると考えられる。 [32]

3) FGFR 融合遺伝子は、肺扁平上皮癌の 3%、非扁平上皮非小細胞肺癌の 0.5%と低頻度で

あり、その特徴は明らかにされていない。肺癌や膀胱癌において、FGFR3-TACC3 融合遺

伝子を有する細胞株に対して FGFR 阻害剤が抗腫瘍効果を示すことが確認されており、

FGFR 融合遺伝子も、治療標的として期待される遺伝子変化であると考えられる。 [24, 25,

33, 34]

以上より、FGFR 遺伝子変化は、肺癌の中でも特に扁平上皮癌の増殖、進展に強く関与してい

ると考えられ、これまで分子標的治療薬の開発が進んでこなかった肺扁平上皮癌の新たなター

ゲットとして期待される遺伝子変化である。しかし、FGFR遺伝子変化陽性肺癌は、肺癌の約 30

%を占める扁平上皮癌の中でも約10-20%と希少な肺癌であり、その臨床病理学的、分子生物

学的特徴は十分検討されていない。肺腺癌に多く見られる EGFR遺伝子変異陽性肺癌は、アジ

ア人、女性、非喫煙者に頻度が高く、また、ALK 融合遺伝子陽性肺癌では、若年者、非喫煙者、

女性、病理学的に印鑑細胞癌や篩状構造を有する例に頻度が高いといった特徴がある。肺扁

平上皮癌の FGFR 遺伝子変化陽性例においても、ある特定の特徴を有する可能性が示唆され、

遺伝子変化を有さない肺扁平上皮癌との相違を検討することは、遺伝子変化の原因解明の上

でも重要である。また、FGFR遺伝子変化の同定により FGFR遺伝子変化陽性肺扁平上皮癌患

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者に新たな治療法の選択肢を提供できる可能性が期待されることから、FGFR 遺伝子変化をス

クリーニングし、その特徴を検討することは、FGFR 遺伝子変化陽性肺扁平上皮癌の治療戦略

の検討、また希少な遺伝子変化のスクリーニングを効率的に進めていく上で、非常に有用であ

ると考えられる。

また、肺扁平上皮癌においては、FGFR 遺伝子変化以外にも、PIK3CA、PTEN、AKT、EGFR、

DDR2、BRAF、PDGFRA、SOX2、EphA2、IGF-1R 等の遺伝子の変化が認められ、治療標的とし

て期待されている [37-39]。これらの遺伝子変化はいずれも希少であり、その頻度、分布や患

者背景に関しては検討が十分でない。殺細胞性化学療法による治療効果がプラトーに達してい

る肺扁平上皮癌において、今後肺腺癌と同様、遺伝子解析に基づいた個別化医療を開発して

くことは重要課題であり、これらの遺伝子変化を含めたスクリーニングおよび陽性例の特徴を検

討することは非常に有用である。一方で、肺扁平上皮癌は肺癌の中でも頻度が低く、その中で

希少な遺伝子変化を検出するためには、日本全国の施設が協力してスクリーニングを行うシス

テムが必要となる。また、一般的に生検等で採取された肺癌病変の臨床検体は微量であり貴

重な検体であるため、解析対象を FGFR 遺伝子に限定せず、複数の希少な遺伝子変化を一括

で解析し、各特徴を明らかにすることは、効率的かつ今後の肺扁平上皮癌の治療開発におい

て有益な情報となる。

そこで、今回我々は、日本全国の研究協力施設より臨床検体を収集し FGFR遺伝子変化をはじ

めとする希少遺伝子変化陽性肺扁平上皮癌を特定し、その臨床病理学的、分子生物学的特徴

を明らかにすることを目的として、本研究を計画した。研究事務局は解析結果より、遺伝子変化

の頻度、種類、またそれらの遺伝子変化の有無により肺扁平上皮癌の臨床病理学的因子(年

齢、性別、喫煙歴、組織の分化度、各種化学療法の治療効果等)を比較することで、遺伝子変

化陽性例の特徴を検討する。また、日本人における肺扁平上皮癌の遺伝子変化の分布につい

ても調査する。

3. 研究の対象(適格基準)

下記の全てを満たす患者を登録可能とする。

1) 病理学的(組織診、細胞診は問わない)に肺扁平上皮癌の診断が得られている。腺扁平

上皮癌は除外とする。

2) 手術不能、根治的放射線療法が不可能な III/ IV 期進行肺扁平上皮癌または術後再発肺

扁平上皮癌で、化学療法の実施を予定している(化学療法の治療歴は問わない)。

3) 「5. 研究の方法」に記載しているような、遺伝子解析が可能な検体セットが過去に採取さ

れ、保存されている、または、2 週間以内に採取予定である。ただし、採取予定の患者にお

いては、遺伝子解析が可能な十分量の検体の採取が困難であった場合は、登録不可能で

ある。

4) 本研究に関して、患者本人から文書で同意を得ている。

4. 目標症例数

上記の適格規準を満たす 600例を対象とする。これらの遺伝子解析により特定された FGFR融

合遺伝子陽性肺癌及び、その他の希少頻度の遺伝子変化陽性肺癌の臨床病理学的、分子生

物学的特徴を明らかにすることが本研究の主目的であるが、更にその情報を広く開示すること

によって、希少頻度の遺伝子変化陽性肺癌に対する治療開発を推進することを目指している。

5. 研究の方法

① 本研究に参加する患者本人より、既定の文書*で全例個別同意を取得する。同意文書につ

いては、原本をカルテに保管すると共に、コピーを研究事務局へFAXする。なお、FAXする際

には、直接個人が特定されないように、患者氏名をマスキングして、代わりにカルテ番号や、

イニシャル、各施設のオリジナル番号などを記入して提出する。ただし、後に提出する登録適

格性確認票、検体が、同一患者由来であることが間違い無く確認出来るように注意すること。

なお、EDC での運用開始後は、まず EDCにて患者登録を行い、EDC上に発番された仮登録

番号を同意文書に記載の上、同意文書を研究事務局に FAXにて送付する。

② 対象患者が適格規準を全て満たすことを確認し、登録適格性確認票に必要事項を全て記

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入の上、研究事務局へ FAXする。なお、EDCでの運用開始後は、登録適格性確認票の記入

、提出は不要となる。代わりに EDCにて患者登録を行い、登録適格性を確認する。

③ 研究事務局で適格性が確認された後に、登録番号が発行される。FAX による登録確認通

知の送付をもって登録完了とする。なお、EDC の運用開始後は、EDC 上での登録番号の発

行をもって登録完了とする。

なお、2015/8月現在、electronic data capture (EDC) を構築中であり、EDC構築後は、EDCを

用いて登録作業を行う。2015/10月頃、EDCを用いた登録開始を予定している。EDCの URLな

どは「EDC操作マニュアル」にて別途通知する。

【EDCに関する問い合わせ】

国立がん研究センター 先端医療開発センター TR支援室

TEL:04-7133-1111(内線 4036)

E-mail:[email protected]

受付時間:平日 9時~16時(祝祭日、土曜・日曜、年末年始は受け付けない)

④ 後述のいずれかの検体セットを、株式会社エスアールエル・メディサーチ又は株式会社エス

アールエルに、検査測定受託機関が準備する検査依頼書と一緒に(登録番号を必ず記入す

ること)提出する。

⑤ 株式会社エスアールエルは、提出された新鮮凍結検体から(場合によってはホルマリン固

定パラフィン包埋ブロック(FFPE)から)DNA および RNA を抽出し遺伝子解析に用いるが、残

余 RNA/DNA は凍結保存する。Multiplex 遺伝子診断薬(The Oncomine Cancer Research

Panel:OCP、約 150 種類の遺伝子を同時に測定出来る遺伝子診断薬、Thermo Fisher

SCIENTIFIC社)を用いて、FGFR遺伝子変化(FGFR1-3遺伝子変異、FGFR1-4遺伝子増幅、

FGFR1-3融合遺伝子)を解析する。FGFR1-4遺伝子増幅例や融合遺伝子陽性例に関しては

、それぞれの遺伝子変化を確認する目的で、適宜追加で Fluorescent in situ hybridization(

FISH)、定量的 PCR、免疫染色等を行うことがある。

また、同時に、OCP を用いて肺扁平上皮癌におけるその他のがん関連遺伝子の体細胞遺

伝子変化についても解析を行う。解析対象となる遺伝子変化に関しては、「図 3. Oncomine®

Cancer Research Panel 遺伝子リスト」を参照のこと。なお本研究で検討する遺伝子変化の種

類は、その時点の OCPの内容に基づいて決定される。

研究の進捗に伴い新たに追加の遺伝子解析が実施される場合があり、解析対象となる遺

伝子の種類、解析方法が随時変更となる可能性があるため、遺伝子解析の内容、実施期間、

検体数に関する情報は、国立がん研究センター先端医療開発センターのホームページ(

http://epoc.ncc.go.jp/clinicaltrial/scrum_index.php)に随時掲載して、公開する。なお、本研究

は、登録後に研究参加を撤回することも可能である。

⑥ 遺伝子解析の結果は、検体提出から約 3-5 週間後に各施設へ報告するとともに、研究事

務局へも報告する。ただし、検体提出時に細胞診検査の結果が判明していない場合には、

細胞診の結果が研究事務局に連絡されてから約 3-5週間後に報告する。

⑦ 研究事務局は解析結果より、各遺伝子変化の頻度、種類、分布、またそれらの遺伝子変化

を有する肺扁平上皮癌と関連する臨床病理学的因子(年齢、性別、喫煙歴、組織の分化度、

各種化学療法の治療効果、予後等)を検討する。

*既定の説明同意文書は下記の項目を含む。 1. 臨床研究と説明文書について 2. 参加の自由について 3. あなたの病状と治療について 4. がん細胞の遺伝子変化について 5. FGFR遺伝子変化について 6. この臨床研究の意義と目的及び、肺がんの遺伝子研究組織(LC-SCRUM-Japan)について 7. この臨床研究の方法について 8. この臨床研究への参加により予想される利益と不利益について 9. この臨床研究に参加しない場合の治療法について

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10. 遺伝カウンセリングについて 11. あなたが負担する費用について 12. 産学連携全国がんゲノムスクリーニング事業(SCRUM-Japan)と、企業へのデータ提供について 13. 健康被害が発生した場合の対応・補償について 14. この臨床研究全体の実施予定期間(研究期間)と参加する予定の患者さんの数について 15. 個人情報の取り扱いについて 16. 検体の取り扱いについて 17. 残った検体の保存と、将来の研究への利用について 18. 知的財産権の帰属先 19. 研究成果の公表について 20. この臨床研究の資金と利益相反について 21. この臨床研究の倫理審査について 22. この臨床研究の研究組織について 23. 研究事務局および、当施設での連絡先について 図 3:【Oncomine® Cancer Research Panel 遺伝子リスト】

下記の遺伝子リストは、定期的に更新される。なお本研究で検討する遺伝子変化の種類は、そ

の時点の OCPの内容に基づいて決定される。

表 1:【OCPに含まれる FGFR融合遺伝子一覧】

(2014年 12月時点)

Assay

BAG4-FGFR1.B2F6

ERLIN2-FGFR1.E8F2

FGFR2-AFF3.F17A8

FGFR2-BICC1.F17B3

FGFR2-CASP7.F17C2

FGFR2-CIT.F17C23

FGFR2-KIAA1967_CCAR2.F17C4

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FGFR2-OFD1.F17O3

SLC45A3-FGFR2.S1F1

SLC45A3-FGFR2.S1F2

FGFR3-BAIAP2L1.F17B2.COSF1347

FGFR3-TACC3.F15T11

FGFR3-TACC3.F16T10.COSF1359

FGFR3-TACC3.F16T11.COSF1348

FGFR3-TACC3.F17T10.COSF1434

FGFR3-TACC3.F17T11

FGFR3-TACC3.F17T13.NGS

FGFR3-TACC3.F17T5

FGFR3-TACC3.F17T6

FGFR3-TACC3.F17T8

FGFR3-TACC3.F17T9

FGFR3-TACC3.F18T7.NGS

【研究事務局及び、問い合わせ先】

国立がん研究センター東病院 呼吸器内科

後藤 功一、杉山 栄里

事務担当:村田 由利

電話:04-7133-1215(事務局直通,FAX兼用)

E-mail: [email protected]

【受付時間】

平日 9-16時(祝祭日、土曜・日曜、年末年始は受け付けない)

【検体セット】

下記の検体セット 1または 2のいずれかを選択する。

(検体セット 1)

同時に実施された病理検査により、肺扁平上皮癌の存在が確認された下記の 2 種類の検体

(①新鮮凍結検体+②未染プレパラート 5枚)を共に同時に提出すること。

① 新鮮凍結検体:下記のいずれかの検体が提出可能である(喀痰は受け付けない)

1) 手術検体であれば 5 ミリ立方以上、気管支鏡による生検検体であれば遺伝子解析

が実施可能と考えられる充分量(生検検体 2-3個以上が望ましい)の組織を-80℃で

凍結保存したもの。ただし、組織内の癌細胞の存在が病理学的に確認されているこ

とが必要である。

2) 気管支擦過洗浄液、リンパ節穿刺針洗浄液などの液性検体を遠心分離して作成し

たペレットのみを-80℃で凍結保存したもの(RNAの保存液の追加は不要である)。た

だし、同時に提出した細胞診検査で癌細胞の存在が病理学的に確認されていること

が必要である。

3) 気管支擦過洗浄液、リンパ節穿刺針洗浄液などの液性検体を遠心分離せずにその

まま提出することも可能である。その場合は、液性検体を 10℃以下に冷蔵保存し、

24 時間以内(可能な限り検査当日)に提出すること。24 時間以上経過した液性検体

は RNA の抽出が困難になるため受け付けない。これらの液性検体を提出する場合

には、同時に提出した細胞診検査で癌細胞の存在が病理学的に確認されていること

が必要である。なお、同時に実施した細胞診検査の結果が判明する前に検体を提出

することも可能だが、後日、細胞診の結果が判明次第、速やかに研究事務局へメー

ルで連絡すること(研究事務局メールアドレス:[email protected])。細胞診で

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癌細胞の存在が確認された時のみ遺伝子解析を実施する(連絡が無い場合は遺伝

子解析を実施しない)。EDC 登録開始後は「EDC 操作マニュアル」に従って細胞診の

結果を入力する。

② 採取組織で FFPEを作製した後に 5μm厚で薄切した未染プレパラート 5枚

(検体セット 2)

胸水(腹水、心嚢水も可)を80-100 mlを専用の容器に入れ、10℃以下に冷蔵保存して、採取後

24時間以内(可能な限り採取当日)に提出すること。24時間以上経過した胸水は、RNAの抽出

が困難になるため受け付けない。検体を提出する場合には、同時に提出した細胞診検査で癌

細胞の存在が病理学的に確認されていること(Class IV またはV)が必要である。ただし、検体

提出以前(7 日以内)に実施した細胞診で胸水に癌細胞が含まれていることが確認されている

場合は、細胞診検査を新たに実施しなくても、細胞診陽性と考えて検体の提出は可能である。

その場合、登録適格性確認票内に陽性判明日を記載する。なお、同時に実施した細胞診検査

の結果が判明する前に検体を提出することも可能だが、後日、細胞診の結果が判明次第、速

やかに研究事務局へメールで連絡すること(メールアドレス:[email protected])。細胞診

で癌細胞の存在が確認された時のみ遺伝子解析を実施する(連絡が無い場合は遺伝子解析

を実施しない)。EDC登録開始後は「EDC操作マニュアル」に従って細胞診の結果を入力する。

本研究で用いる検体は、下記の①~③のいずれかを用いる。

① 本研究のために新たに採取した試料

② 他の研究(課題番号17-21:肺癌における上皮成長因子受容体(epidermal growth factor

receptor,EGFR)の遺伝子変異についての研究)用に採取・保存され、二次利用の同意が得

られている研究残余試料

③ 包括同意が得られている診療残余検体

【測定費用】

Multiplex 遺伝子解析の検査費用は、ノバルティスファーマ社の資金提供から、「産学連携全国

がんゲノムスクリーニング –SCRUM-Japan-(詳細に関しては、後述の「6. 産学連携全国がん

ゲノムスクリーニング事業 SCRUM-Japan について」を参照)」の参加企業へ変更となる。患者

及び、研究協力施設への経済的負担は発生しない。なお、検査費用の負担先は研究の進捗に

伴い変更となる可能性があるため、その詳細については、国立がん研究センター先端医療開

発センター(NCC-EPOC)のホームページ(http://epoc.ncc.go.jp/clinicaltrial/scrum_index.php)

で随時公開する。

【検体の追加提出依頼の可能性について】

本研究の結果に基づいて、肺扁平上皮癌における FGFR 遺伝子変化をはじめとする希少頻度

の遺伝子変化の測定方法の確立と、診断薬の開発を目指している。このため、研究協力施設

には、遺伝子変化陽性/陰性を問わず、後日追加で未染プレパラート 10 枚程度の提出を研究

事務局から依頼する場合がある。追加検体の提出が必要とされる時には、改めて研究協力施

設へ可能な範囲の検体の再提出をお願いする予定である。

6. 産学連携全国がんゲノムスクリーニング事業 SCRUM-Japanについて

SCRUM-Japan(Cancer Genome Screening Project for Individualized Medicine in Japan)は、本

研究の実施組織である LC-SCRUM-Japan と、消化管がんを対象として遺伝子スクリーニング

を実施する研究組織GI-SCREEN-Japanを統合し、国立がん研究センターが、全国の医療機関、

製薬企業と協力して個別化医療を実現するために実施するがん患者の遺伝子スクリーニング

事業である。本事業の目的は、①有効な治療薬をがん患者に届けること(希少がんの遺伝子ス

クリーニング、遺伝子解析の結果に基づいた治療開発および診断薬の開発のサポート)、②新

規診断技術の迅速な臨床導入の促進を促し、まずは、最適な multiplex 診断薬を臨床応用する

こと、である。

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SCRUM-Japan においては、LC-SCRUM-Japan は非小細胞肺癌を対象として、また、

GI-SCREEN-Japanは大腸癌を対象として遺伝子解析を行っている。GI-SCREEN-Japan では、

2015年 4月より新たに食道癌・胃癌など、大腸癌以外の消化管がんを対象にした遺伝子スクリ

ーニングを開始している。

将来的には、ほぼ同時期から開始となる米国における NCI-MATCH 試験 33(SCRUM-Japan と

同様に多がん種を対象として遺伝子スクリーニングを実施したうえで、分子標的薬の治療開発

に結び付ける研究)との統合解析を予定している。

SCRUM-Japan では、事業主である国立がん研究センター、参加する医療機関、製薬企業それ

ぞれが以下の役割を担う。

① 国立がん研究センターは、SCRUM-Japan の運営、遺伝子解析(外部委託)、検体の保管・

管理(外部委託)、遺伝子解析情報と診療情報とを統合したデータベースの構築と管理及び、

診断薬の開発と新たな研究の立案を行う。

② 参加医療機関は、LC-SCRUM-Japan または GI-SCREEN-Japan への参加同意取得を条件

として、がん患者に無償で多種類の遺伝子スクリーニング検査の機会を提供する。

③ 参加企業は、SCRUM-Japan が実施する遺伝子スクリーニングの検査費用を負担する代わ

りに、遺伝子解析に基づいて作成した統合データベースの活用を通じて、医薬品の研究・開

発を推進する。

なお、SCRUM-Japan へ参加する企業は、国立がん研究センターと SCRUM-Japan 共同研究規

約に基づく 1対 1の共同研究契約を締結し、参加する医療機関も国立がん研究センターに対し

、SCRUM-Japan 共同研究規約に基づく参加申込書(参加同意書)の提出を行う。国立がん研

究センター、医療機関、参加企業は、SCRUM-Japan 共同研究規約に基づき本研究を実施する

SCRUM-Japan においては、SCRUM-Japan 共同研究統括責任者を委員長として、センターの

代表者、LC-SCRUM-Japan、GI-SCREEN-Japan の実施責任者、参加医療機関の代表者、平

成 26 年度から参加した製薬企業の代表者、その他運営委員として選任された者から構成され

た運営委員会を設置する。

図 4:産学連携全国がんゲノムスクリーニング事業 SCRUM-Japan

(2015年 8月 5日現在)

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7. 遺伝子解析法について

遺伝子解析は、OCPを用いて株式会社エスアールエルが解析を行う。

解析対象となる遺伝子変化に関しては、図 3「Oncomine® Cancer Research Panel 遺伝子リスト

」、および表 1「OCPに含まれる FGFR融合遺伝子一覧」を参照のこと。

【Multiplex 遺伝子診断薬(Thermo Fisher Scientific 社、Oncomine Cancer Research Panel;

OCP)について】

今回用いる遺伝子スクリーニングキットであるOCPは、多種類の遺伝子を同時に測定出来る遺

伝子診断薬キットとして Thermo Fisher 社が開発した遺伝子診断薬である。NCI 主導の臨床試

験である NCI-MATCH (Molecular Analysis for Therapy Choice) 試験は、特定の遺伝子異常に

対する標的薬の有効性を検討する複数の第 II 相試験を実施する統合的な研究であるが、OCP

はNCI-MATCHにおけるバイオマーカースクリーニング手法として採用されている。OCPは検体

より抽出されたDNA/RNAに対しマルチプレックスPCRにて 143遺伝子のターゲット領域を増幅

し、その領域の体細胞における変異検出を実施する。DNA由来のシークエンスからはHotspots

mutation (SNV, In/Del), CNVを検出し、RNA由来のシークエンスからは Fusion Geneの検出を

行う。変異検出の内訳は以下の通りである。

73遺伝子:Hotspots mutation の検出

26遺伝子(Suppressor Gene):DEL mutations & CNV loss の検出のためCDS全長のシーク

エンスの実施

49遺伝子:CNV を検出

22遺伝子:Fusionを検出 パートナーの組み合わせは 183種類

本研究で検討する遺伝子変化の種類は、その時点の OCPの内容に基づいて決定される。

なお、株式会社エスアールエルが本研究の中で実施した遺伝子解析結果以外の、他の施設等

で測定された遺伝子解析結果については参考所見とし、本研究における正式な測定結果とし

ては採用しない。

株式会社エスアールエルは、OCP の CLIA ラボであるライフテクノロジー社ライフラボと同等の

Quality を担保することを目的とした同等性試験、標準作業手順書の作成を、ライフテクノロジー

社との契約に基づいて実施しており、Quality は確保されると考える。なお、同等性試験の結果

は、株式会社エスアールエルおよびライフテクノロジー社でレポートとして共有される。

【今後新たに追加となる可能性がある遺伝子検査について】

本研究の進捗に伴い、新しい方法による遺伝子検査(個別の限定した遺伝子解析を数種類追

加する場合から、別の multiplex遺伝子診断法を用いた遺伝子解析を行う場合まで様々である)

を追加で実施する可能性が考えられる。追加で遺伝子検査を行う場合には、その内容、実施期

間、検体数、資金源の詳細に関して、国立がん研究センター 先端医療開発センター(

NCC-EPOC)のホームページ(http://epoc.ncc.go.jp/clinicaltrial/scrum_index.php)に掲載し、公

開する。

8. 臨床病理学的、分子生物学的特徴の検討とデータベースの作成及び、研究成果・知的財産

権等の帰属

本研究では、FGFR 遺伝子変化陽性肺扁平上皮癌と臨床病理組織学的データとの関連を検討

する。また、同時に判明するその他の遺伝子変化を有する肺扁平上皮癌に関しても、同様に臨

床病理学的、分子生物学的特徴を明らかにする。臨床情報としては、診療施設名、年齢、生年

月日(任意)、性別、喫煙歴、同意取得日、提出検体の種類・採取日・採取方法・採取部位、組

織型、Performance status(PS)、臨床病期、転移・再発部位、治療経過、予後(転帰)等を収集

する。これらの臨床情報は規定の症例報告書*に記載の上、事務局へ提出する。全ての遺伝子

情報、臨床病理学的情報に関しては、国立がん研究センター 先端医療開発センター トランス

レーショナルリサーチ分野でデータベースを作成し、厳重に保管するとともに、適宜更新する。

本研究で得られた全ての臨床病理学的、分子生物学的データ、本研究より得られた研究成果

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および当該研究成果に関する発明等の知的財産権等は、国立がん研究センターに帰属し、研

究事務局で厳重に保管される。ただし、共同研究として SCRUM-Japan へ参加する企業には、

作成したデータベースを公開する。その場合も、個人情報保護には最善を尽くし、個人情報を

一切含まない状態で企業へデータベースを開示する。

*なお、2015/8月現在、electronic data capture (EDC) を構築中であり、EDC構築後は、EDCを

用いて症例報告書の提出を行う。EDCの URLなどは「EDC操作マニュアル」にて別途通知する

【EDCに関する問い合わせ】

国立がん研究センター 先端医療開発センター TR支援室

TEL:04-7133-1111(内線 4036)

E-mail:[email protected]

受付時間:平日 9時~16時(祝祭日、土曜・日曜、年末年始は受け付けない)

9. 個人情報の匿名化

本研究における遺伝子解析は、肺癌における体細胞遺伝子変化を解析する研究であるため、

文部科学省、厚生労働省、経済産業省による「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」

において、指針の対象外となることが明記されている。よって、厳密な匿名化は必要ではないた

め、匿名化作業は行わない。しかし、「疫学研究に関する倫理指針」に基づき、個人情報保護の

ため、事務局で測定結果を取り扱う際には、各患者に固有の登録番号を割り当て、個人の特定

を不可能化とするとともに、個人情報が含まれる資料は、施錠のうえ厳重に保管し、個人情報

の保護に最善を尽くす(連結可能匿名化)。

また、研究成果の学会・論文発表に際しては、被験者が特定されることがないよう個人情報を

削除して行う。研究者は、個人情報保護法に基づき、被験者の個人情報を厳格に保護する。

10. 被験者への負担/期待される利益、社会的利益ならびに遺伝子解析情報の開示

本研究へ臨床検体を提出するために、通常の肺癌診療において必要と考えられる検体量より

も余分の検体を患者から採取する必要が生じる場合があるが、追加で採取する検体量は、日

常診療で採取する検体量を大きく超過するものではない。また、余分に検体を採取するにあた

り、検査時間の延長や、出血など検査に伴う合併症の頻度の増加が想定されるが、これらも日

常臨床で検体採取を行う際に想定されるリスクの範囲を大きく超えるものではなく、特別な対処

が必要となるものではないと考えられる。既に保存されている検体を本研究に提出する場合に

は、患者への新たな肉体的負担は発生しない。よって、本研究で被験者に新たに生じる負担は、

日常臨床で想定された範囲を大きく超えるものではないと考えられる。

FGFR 遺伝子変化の解析は、現在研究目的以外では行われておらず、本研究に参加すること

でそれらの遺伝子検査を無償で受けることが出来る。また、同時にその他のがん関連遺伝子

変化についても解析される。生検等で採取される肺癌病変の臨床検体は微量であり、FGFR 遺

伝子に限定せず、複数の希少な遺伝子変化を一括で解析し各遺伝子変化陽性例の特徴を明

らかにすることは、効率的かつ有益であると考えられる。

遺伝子変化が陽性であった場合、スクリーニングされる遺伝子変化を対象とした新薬の臨床試

験への登録も可能となるが、まだ確実に有効性が示されているわけではなく、現時点において

参加した患者に利益をもたらす確証はない。また、本研究は、あくまで各遺伝子変化を有する

肺癌の特徴を調べることだけを目的としているため、実際にこれらの臨床試験に登録するかど

うかについて、本研究は一切関与しない。

FGFR 遺伝子変化を有する肺扁平上皮癌の特徴の検討は十分ではなく、特に日本人における

大規模な検討はこれまで認められない。本研究で希少である FGFR 遺伝子変化陽性肺扁平上

皮癌を同定し、その臨床病理学的、分子生物学的特徴を検討することは、遺伝子変化の原因

解明や治療戦略の検討、今後希少な遺伝子変化を効率的にスクリーニングする上で非常に有

用であり、本研究の社会的な貢献度は大きいと思われる。また、FGFR 遺伝子以外のがん関連

遺伝子の遺伝子変化についても同様であり、これらの遺伝子変化も分子標的治療の対象とな

りうる可能性があるが、いずれも希少変異であり、遺伝子変化の頻度、分布や患者背景に関し

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ても検討が十分でない。本研究により明らかになった FGFR 遺伝子変化、および同時に測定さ

れるその他のがん関連遺伝子の遺伝子変化のうち、これまでに肺癌で体細胞遺伝子変化が報

告され、治療薬(未承認薬まで含めて)の効果が示唆されている 16 種類の遺伝子の変化(

FGFR1-4の遺伝子変異・遺伝子増幅・融合遺伝子、EGFR遺伝子変異、ALK融合遺伝子・遺伝

子変異、ROS1 融合遺伝子、RET 融合遺伝子、MET 遺伝子増幅、AKT1 遺伝子変異、BRAF 遺

伝子変異、ERBB2遺伝子増幅・遺伝子変異、HRAS遺伝子変異、KRAS遺伝子変異、NRAS遺

伝子変異、PIK3CA 遺伝子変異)の結果は、検査結果レポートにて、株式会社エスアールエル

から研究事務局と担当医へ報告される。FGFR 遺伝子変化およびその他のがん関連遺伝子の

遺伝子変化の結果は、患者およびその家族へ開示することが可能である。開示した内容につ

いてはカルテに詳細を記載する。

11. 研究費用と利益相反、補償について

Multiplex 遺伝子解析の検査費用は、2015 年 2 月に発足した「産学連携全国がんゲノムスクリ

ーニング –SCRUM-Japan-」の参加企業が負担する。検査費用の負担先に関しては研究の進

捗に伴い随時変更となり予測が困難であるため、国立がん研究センター 先端医療開発センタ

ーのホームページ(http://epoc.ncc.go.jp/clinicaltrial/scrum_index.php)で研究費用の詳細を随

時公開する。企業による検査費用の負担は、それぞれの研究期間が終了次第、終了となる。

なお、国立がん研究センターと参加企業との間で契約書を取り交わし、参加企業が研究の結果

に影響するような意思決定に関与することはない。また、国立がん研究センターと本研究で指

定された検査会社との間で契約書を取り交わし、検査会社が研究の結果に影響するような意

思決定に関与することはない。

研究代表者、研究事務局と検査費用を負担する各企業との間に利益相反が発生することにな

るため、研究代表者、研究事務局の利益相反に関しては、「国立がんセンターにおける利益相

反(COI)管理指針」に基づいて厳密に管理する。

本研究においては、既に採取されている組織検体を使用する場合には、組織採取による健康

被害が発生することはなく、また新たに検体を採取する場合にも、その検体量は、日常診療で

採取する検体量を超過するものではない。よって本研究についての補償は行わない。また, 本

研究において患者負担となる費用は発生しない。

12. 遺伝子変化陽性例における医師主導治験、企業治験への参加について

本研究で判明する各種の遺伝子変化を有する肺癌に対して、本研究とは関係なく、様々な医師

主導治験、企業治験が計画されており、対象となる遺伝子変化が発見された場合には、担当医

の判断で臨床試験へ登録を検討してもよい。本研究と関連すると考えられる臨床試験の詳細

については、国立がん研究センター 先端医療開発センターのホームページ (

http://epoc.ncc.go.jp/clinicaltrial/scrum_trial.php)に掲載するので参照すること。

各臨床試験は、規定の症例数が集まり次第終了となるため、本研究の研究期間が終了となる

前であっても、当該治験への組み入れが不可となる可能性があることに注意が必要である。担

当医は、遺伝子変化が判明した場合であっても、臨床試験へ登録できない可能性も考慮してお

くこと。なお、本研究は、上記の企業治験とは切り離され、あくまで FGFR遺伝子変化をはじめと

するがん関連遺伝子の遺伝子変化を有する希少な肺扁平上皮癌の診断及び探索的研究を目

的としている。このため、本研究で診断された FGFR 遺伝子変化をはじめとするがん関連遺伝

子の遺伝子変化を有する肺扁平上皮癌を各臨床試験へ登録するかどうかについて、研究代表

者、研究事務局は一切関与しない。臨床試験への登録は、各担当医の自発的な判断に基づい

て検討される。

13. 試料等の保存と付随研究

新鮮凍結検体あるいはFFPEから得られたDNA、RNA等の残余試料は、今後、FGFR遺伝子変

化等の希少頻度の遺伝子変化陽性肺癌の診断法の確立のため、また、可能な場合には、肺癌

の診断、治療の発展に関わる将来的な研究に利用するため、国立がん研究センター東病院呼

吸器内科と、国立がん研究センター 先端医療開発センター トランスレーショナルリサーチ分

野の管理の元で、研究終了後 10年間は保存する。この際、被験者のプライバシーの保護は、

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一義的には事務局で検体に割り付けた固有の登録番号によるが、連結している臨床病理学的

データに関しては、通常の診療情報と同等に慎重に扱い、研究代表者がそのプライバシーの保

護に関しては万全を期す。試料等は、登録患者が廃棄を希望した場合、検体番号が読み取れ

なくなった場合、試料の取り違えや混入が起きたような場合、その他研究責任者が必要と認め

た場合には、研究責任者の判断により必要に応じて廃棄される場合がある。DNA、RNA の廃棄

は、試料の番号等のラベルを完全に削除し、次亜塩素酸ナトリウム等で DNA、RNA を破壊した

うえで医療用廃棄物として廃棄する。なお、残余検体の二次的な研究利用については、新たな

研究計画書を作成し、国立がん研究センターの(場合によっては参加施設の)研究倫理審査委

員会の承認を受ける。

14. 研究期間

研究許可日から 3年間とする。

15. 研究結果の公表

本研究で得られた FGFR 遺伝子変化等の稀な遺伝子変化陽性肺扁平上皮癌の臨床病理学的

・分子生物学的、および肺扁平上皮癌における各種遺伝子変化の分布に関しては、研究終了

後に速やかに国内外の学会、論文で公表する。

学会発表者、論文執筆者に関しては、研究代表者、研究事務局、共同研究者で相談のうえ、本

研究へ関係した全ての研究協力者の中から、貢献度に応じて選定する。

16. 研究組織

共同研究組織においては、研究への参加にあたり、本研究の実施に関して各施設の倫理審査

委員会の承認を受けることを必須とする。なお、各施設で倫理審査委員会の承認を受けた後に、

承認決定通知書を研究事務局へ FAX または郵送にて必ず提出すること。研究事務局が、倫理

審査委員会の承認決定通知書を受け取った後に、各施設から株式会社エスアールエルへの検

体の提出が可能となる。また、研究の進捗に伴い研究組織を随時変更や追加する可能性があ

るため、研究組織に関する情報は、国立がん研究センター先端医療開発センターのホームペ

ージ(http://epoc.ncc.go.jp/clinicaltrial/scrum_index.php)に随時掲載して、公開する。

【研究代表者】

国立がん研究センター東病院 呼吸器内科

後藤 功一

【研究事務局】

国立がん研究センター東病院 呼吸器内科

後藤 功一、杉山 栄里

事務担当:村田 由利

〒277-8577

千葉県柏市柏の葉 6-5-1

電話:04-7133-1215(事務局直通,FAX兼用)

E-mail: [email protected]

【検査実施機関】

株式会社エスアールエル

〒163-0409 東京都新宿区西新宿二丁目 1番 1号 新宿三井ビルディング 8F

【共同研究者】

国立がん研究センター東病院 呼吸器内科

大松 広伸、仁保 誠治、葉 清隆、梅村 茂樹、桐田 圭輔、善家 義貴

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国立がん研究センター 先端医療開発センター トランスレーショナルリサーチ分野

土原 一哉、松本 慎吾

国立がん研究センター東病院 臨床開発センター 臨床腫瘍病理分野

石井 源一郎

国立がん研究センター 先端医療開発センター

大津 敦、佐藤 暁洋

【研究参加施設】

本研究への参加施設は、研究の進捗に伴い随時変更、追加する。

最新の研究参加施設は、国立がん研究センター先端医療開発センターのホームページ(

http://epoc.ncc.go.jp/clinicaltrial/scrum_institutions.php)に、随時更新して掲載するので参照

すること。

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