ワルラスの一般均衡体系 : その斉合性と社会経済像 …...hitotsubashi university...
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Hitotsubashi University Repository
Title ワルラスの一般均衡体系 : その斉合性と社会経済像
Author(s) 二階堂, 副包
Citation 一橋論叢, 63(4): 444-459
Issue Date 1970-04-01
Type Departmental Bulletin Paper
Text Version publisher
URL http://doi.org/10.15057/2394
Right
一 橋論叢 第六 十 三 巻 第 四 号 ( 6 8 )
ワ
ル
ラ
ス
の一
般均
衡体系
!そ
の
斉合
性と
社
会
経
済
像
-
一
ワ
ル
ラ
ス
の
め
ざし
た
も
の
一
八七
〇
年代に
レ
オ
ン
・
ワ
ル
ラ
ス
の
「
純
粋経
済学
要
へ
1)
論+
の
初版が
刊行さ
れ
て
か
ら
百
年近
くに
な
る。
限
界効用
学
説の
提唱とい
うよ
り
は
む
し
ろ、
よ
り
偉大な
業績
、
す
な
わ
ち一
般均衡論の
確立
と
展開
と
い
う
真に
画
期的な
成
果に
ょっ
て
経済
学史に
ユ
ニ
ー
ク
な
座を
し
め
て
い
る
ワ
ル
ラ
ス
の
こ
の
主
著は
、
ケ
イ
ン
ズ
の
「
一
般理
論+
ほ
ど
の
ポ
ピ
ュ
ラ
リ
テ
ィ
こ
そ
ない
が、
経済
理
論
家が
逸す
る
こ
と
の
で
き
ない
古
典中の
古
典で
あ
ろ
う。
周
知の
よ
うに
、
ワ
ル
ラ
ス
の
業績は
、
限
界効
用
学説の
提
唱、
産
済
理
論に
お
け
る
数学の
積極
的
応
用、
一
般均
衡
論の
二
階
堂
副
包
主
張
と
そ
の
線に
沿っ
た
多数
財価蒋の
同
時決
定理
論の
具
体
的
展
開、
の
三
点に
要
約さ
れ
る
が、
こ
の
うち
最も
重
要な
も
の
は
第三
の一
般
均
衡論で
あ
る。
こ
れ
に
く
らべ
れ
ば、
限
界
効
用
説(
い
わ
ゆ
る
稀
少
性説)
は
ワ
ル
ラ
ス
体
系の一
構成
要
素に
す
ぎ
ず、
数学の
重
視も
通
常言
語に
よ
る
論理を
こ
え
る
ほ
ど
錯層し
た
相
互
依
存関
係の
解明と
い
う、
一
般均
衡論の
方
法
論の
必
然の
帰結で
あ
る。
ワ
ル
ラ
ス
一
般
均
衡論と
数
学と
の
緊密な
か
か
わ
り
あ
い
に
っ
い
て、
ワ
ル
ラ
ス
自身の
説く
と
こ
ろに
耳を
傾けよ
う。
ワ
(
2)
ル
ラ
ス
は
「
純粋経
済
学
要論+
第四
版の
序に
お
い
て、
ジュ
グォ
ン
ス、
ゴ
ブ
セ
ン
、
メ
ン
ガ
ー
な
どの
限
界
効用
説の
位置
つ
け
を
行い
つ
つ
も、
彼が
こ
れ
らの
限
界
効用
説を
借用
した
4 垂≠
( 69 ) ワ ル ラ ス の一 般均 衡体 系
、
】
q.
も
の
で
は
ない
と
述べ
て
い
る。
そ
し
て、
「
私は
私
の
経
済学
説の
根本
原理
を
父オ
ー
ギュ
ス
ト・
ワ
ル
ラ
ス
か
ら
借用し
、
こ
の
学
説の
解
説の
た
め
に
函数計
算を
用い
る
根本原理を
ク
ー
ル
ノ
ー
か
ら
借用
し
て
い
る。
こ
れ
らの
こ
と
を
私
は
最初の
論文で
明
言し
、
そ
れ
以
後の
あ
らゆ
る
機
会に
明
言
し
て
い
る。
今こ
こ
で
は、
こ
の
学説が
本
書の
各
版で
順次
に
如何
に
正
確
さ
を
加え
ら
れ、
展開せ
られ
、
補
充せ
られ
た
か
を
説
明し
ょ
うと
思
う。
+
と
自らの
学
説
史的
系譜を
語る
。
続い
て、
ワ
ル
ラ
ス
体
系を
構成
する
交
換.の
魂鞄
′
虫
垂町
頑萄「
要化
及
び
信田の.嘩
葡「
東通及
.
び
貨幣の
頭韻の
簡単な
概括
を
試.
み.
た
嶺、
■自ら
か
感謝僻
系軒
次.の
よ.
‥
γ
叫増
額づ岬てい
d。
「
所で
こ
の
全理
論は
数学的理
論で
あ
る。
語
を
換え
て
い
え
ば
そ
の
説
明が
通
常の
語で
な
さ
れ
得る
と
して
も、
そ
の
証
明
は
数学的に
な
さ
れ
ね
ば
な
らぬ
。
そ
れ.は金
ぐ吏換
慧甲の
基礎の
上に
立つ
の
で封
叫、1
東換喝
諭は
総て
市場の
均
衡状
態に
お
け
る
二
つ
の
垂実に
約・
言㌢
れ
告
先
ず交換者が
利用
の
最大
を
得る
事実
、
次に
総て
の
交
換者が
需要する
各商品
の
量と
供
給する
量と
ほ
相
等し
い
と
の
事実に
要約さ
れ
る。
と
こ
ろで
び
と
り
数学に
よっ
て
の
み
我々
ほ
利
用の
最大の
条
件を
知る
こ
と
が
出来る
の
で
あ
る。
我々
は
数
学に
よっ
て、
各
交
換者に
つ
き、
各消費の
目
的
物ま
た
は
消費的
用
役に
対
し、
そ
れ
らの
充さ
れ
た
最
後の
欲
望の
強度ま
た
は
稀
少
性を
そ
れ
らの
消
費量の
減少
函数と
し
て
表わ
す
方
程式ま
た
は
曲
線を
作る
こ
とが
出来
、
ま
た
数学に
よっ
て
各交換暑が
そ
の
欲
望の
最大
満足
を
得られ
る
の
は、
或
る
叫ば
れ
た
価格に
お
い
て、
交
換後に
お
け
る
各商品の
稀少
性が
そ
れ
らの
価希に
比
例
する
よ
うに
、
こ
れ
らの
商品の
量を
需要し
供
給
する
と
き
で
あ
るこ
と
を
知る
こ
と
が
出来る
。
た
だ
に
交
換に
お
い
て
の
み
で
な
く
また
生
産、
資本化
、
流通に
お
い
て
も、
何
故に
且
つ
如何に
して
我々
は
需要が
供給に
超過
する
用
役、
生
産
物、
新資本の
価格を
下
落せ
し
め
て、
均衡の
市場価
蒋を
得
る
の
で
あ
る
か。
び
と
り
数学の
み
が
こ
れ
を
教
え
得る
の
で
あ
る。
こ
れ
を
教え
る
に
数学は
、
先
ず稀少
性の
函
数、
欲望の
最大
満足を
目
的と
する
用
役の
供給を
表わ
す
函数
、
用
役、
生
産物
、
新
資本の
需要と
供給と
の
均等を
表わ
す
方
程
式を
導き
出す
。
次に
こ
れ
らの
方
程式を
、
生
産費及び
新
資本の
販
売
価
格と
生
産費との
均
等を
表わ
し、
ま
た
総て
の
新資本
の
収
入
率の
均
等を
表わ
す
所の
他の
方
程式に
結び
付
ける
。
-
h
J
最後に
数学は
、
(
一
)
か
よ
うに
し
て
提出さ
れ
た
交
換、
生
4 4
一 橋論叢 第 六 十 三 巻 第 四 号 ( 7 0 )
産、
資本化
、
流通の
問題は
不
能の
問題で
は
ない
こ
と
即ち
未
知数に
√
まさ
に
等し
い
数の
方
葎式を
与え
る
問題で
あ
るこ
と、
(
二)
市
場に
お
け
る
価格わ
騰貴下
落の
横
棒は
、
■1盲
企
菜
暑が
損失の
あ
る
企業か
ら
利益.の
あ
る
企
業へ
.転向す.る
とい
k
ぅ
事実と
相
結合し
て、
こ
れ
らの
問題の
万
巻式を
模索に
よ
っ
て
解く
方
法に
他な
ら
ない
こ
と
を
教え
る。
+
さ
らに
、
こ
の
序文の
む
す
び
近
くに
至っ
て、
次の
よ
うに
述べ
て
い
る。
「
数学
者は
そ
れ
を
判
断する
で
あ
ろ
う。
然し
既に
今か
ら
私の
立
場を
示
して
置い
て
も
よ
い
も
の
が
あ
る。
ジ
ュ
グォ
ン
ス
の
理
論と
私の
理
論と
は、
現わ
れ
る
と
間も
な
くヒ
ュ
ー
ウ
ニ
ル
及
び
ク
ー
ル
ノ
ー
の
古い
試み
と
共に
イ
タ
リ
ア
語に
訳
出
さ
れ
た。
ま
た
ド
イ
ツ
で
は、
初め
忘れ
られ
乍らもゴ
ッ
セ
ン
の
著作が
、
既に
知られ
て
い
た
チエ
ー
ネ
ン
や
マ
ン
ゴ
ル
ト
ら
の
著作に
加え
られ
た。
そ
の
後また
ド
イ
ツ、
オ
ー
ス
ト
リ
ア、
イ
ギ
リ
ス、
イ
タ
リ
ア、
ア
メ
リ
カ
に
お
い
て、
数理
産済
学の
多数の
文
献が
現わ
れ
た。
こ
の
よ
うに
し
て
形
成さ
れ
る
学
派
は、
総て
の
シ
ス
テム
の
うち
で、
真に
科
学を
構成
すべ
きシ
ス
テ
ム
と
して
異
彩を
放つ
で
あ
ろ
う。
数学を
知ら
ず、
数学
が
如
何な
る
も
の
で
ぁ
る
か
さ
え
正
確に
知らない
で、
数学
は
経
済
学の
原理
の
解
明に
役立た
ぬ
と
き
め
込ん
で
い
る
経済学
郷
者に
至っ
て
は、
「
人
間の
自由は
方
程式に
表わ
す
こ
と
が
出
来な
い+
と
か
「
数
学は
総て
の
清神科学に
存する
摩.
擦を
捨
象する+
と
か、
また
は
こ
れ
ら
と
同
様の
カし
か
無い
他
愛も
ない
こ
と
を
繰り
返し
て
去っ
て
行く
が
よ
か
ろ
う。
彼らは
数
学を
避けて
、
純粋経
済学の
基
礎な
くし
て
応用
経済学を
構
成し
て
行くか
、
そ
れ
と
も
必
要な
根底も
な
く
純粋経済学を
構成
して
、
甚だ
悪い
純粋経
済学又は
甚だ
悪い
数学
を
構成
す
る
か、
こ
れ
らの
何
れ
か一
つ
を
選ば
ね
ば
な
らぬ
。
私は
第
四
十
章で
私の
理
論の
よ
うに
数学的理
論で
あ
る
所の
理
論の
棟木を
あ
げた
。
こ
れ
らの
理
論と
私の
理
論との
相
違は
、
私
が
私の
問題に
お
ける
未知数だ
け
の
方
程式を
得よ
うと
努め
か
の
に
反
レ、
こ
れ
らの
人々
は
二
つ
の
方
寒式に
よ
っ
て
二つ
α
未
知数む
決定し
ょ
うと
し
た
り、
二
つ、
三
つ、
ま
た
は四
個の
未知数
を
決定す
る
の
に一
つ
の
方
寝式を
尉い
る
点に
あ
告
私は
、
人々
が、
こ
れ
らの
人々
の
こ
の
よ
うな
方
法
を、
純粋経
済
学を
精密科学
と
して
構成
する
方
法に
全く
相
反
す
る
も
の
と
し
て、
疑わ
れ
る
こ
と
を
望む
着で
あ
る。
+
以
上、
一
般均衡論
創始者自身の
こ
と
ば
を
繁をい
と
わ
ず
長々
と
引
用し
た。
周
知の
よ
うに
、
一
腰均
衡論の
思
想と
、
ー
■′
( 7 1 ) ワ ′レ ラ ス の一 般均 衡体 系
こ
交換の
均衡
、
生
産の
均
衡、
資本
化
及び
信用.■の
理
論、
流通
及
び
貨幣の
各論か
らな
る
ワ
ル⊥
フ
ス
の
魂論体系は
†理
論経
済学の
骨
格の
バ
イ
タ
ル
な
部分
と
し
て
現
代
特
価承さ
れ
て
い
る。
た
だ、
右の
引
用文に
横溢す
る
い
さ
さ
か
数学狂を
さ
え
思わ
し
め
る
言
辞ほ
、
新学
説の
創
始者に
あ
り
が
ちな
自意識
過
剰に
帰因す
る
も
の
と
し
て、
適度に
ディ
ス
カ
ウ
ン
ト
し
て
理
解さ
れ
る
べ
き
で
あ
る
と
い
う
論も
あ
り
うる
。
恐
ら
く、
ワ
ル
ラ
ス
と
同
時代
及び
以
後の
多くの
経
済学者の
脳裡に
あっ
た
ワ
ル
ラ
ス
像は
、
多分に
そ
の
よ
うな
陰影を
もっ
た
も
の
で
あっ
た
の
で
は
あ
る
まい
か。
し
か
し、
一
九五
〇
年代
以
後の
わ
れ
わ
れ
に
とっ
て
は、
こ
の
よ
うな
ワ
ル
ラ
ス
像は
訂正の
要が
あ
る。
とい
うの
は、
五
〇
年代
以
後の
数理
経済学の
現
代
化の
潮流に
樟さ
し
て
行わ
れ
た
ワ
ル
ラ
ス一
般均
衡論の
再検討の
成
果に
よ
っ
て、
ワ
ル
ラ
ス
の
右の
よ
うない
さ
さ
か
気
負っ
た
言辞
の
奥に
び
そ
むも
の
が、
掛値なし
の
純金で
あ
る
こ
とが
明
らか
に
さ
れ
た
か
ら
で
あ
る。
以
下
小
塙で
は、
テ
クニ
カ
ル
な
詳論に
入
り
こ
むこ
と
を
避けつ
つ、
こ
の
再検討の
成
果
を
た
どっ
て
み
よ
う。
(
l)
「
弓已言S
、
。
空か
日2
ま∽
屯
官○ロ
○
邑e
ぎー
≡
宅e
勺
宍e
。)
(
CO
旨p
♪
「
呂S
昌
ぷー
00
ヨ)・
手
塚
寿
郎
訳
「
純
粋
経
済
学
要
論+
上
下
巻(
岩
波文
庫、
昭二
八
-二
九
年)
。
(
2)
前
掲
「
要論+
邦
訳よ
り
引
用。
二
河
已e
Oh
→F仁
巨♂
ワ
ル
ラ
ス
に
よ
っ
て
確立さ
れ
た
経済分
析に
お
け
る
基本的
な
原
則は
、
さ
き
に
引
用し
た
ワ
ル
ラ
ス
の
序文に
.あ
る
よ
うに
、
未知数の
個数に
ちょ
うど
等しい
個
数の
万
巻式か
らな
り、
し
か
も
解
くぺ
き
問題に
適合し
た
体
系を
構成
する
こ
と
で
あ
る。
現
代風に
い
え
ば、
内
生
変数の
個数に
等しい
方
程式か
らな
る
体
系を
もっ
て、
問題を
定
式
化す
る
こ
と
ほ、
最も
微
視的な
一
般均衡論か
ら
巨
視的
動学に
至る
広い
領域に
お
け
る、
実効の
あ
る
邑e
O
:ど目ざ
と
し
て
経済学
者の
常識
と
なっ
て
い
る。
ワ
ル
ラ
ス
白身は
、
こ
の
ル
ー
ル
に
忠実に
、
要論中の
各
論に
お
い
て、
交
換の
均
衡、
生
産の
均衡
、
資本
化
及び
信
用、
流通
及び
貨幣の
各問題の
核心
を、
適確に
方
程式
体
系で
表
現し
、
そ
れ
ぞ
れ
の
体
系が
等しい
個
数の
未知
数と
方
程式か
ら
構成さ
れ
て
い
る
こ
と
を
確認
して
い
る。
経済諸
量.
の
復姓な
栂
互
依
存
関係を
単線的
な
因果関
係に
嶽消し
っ
くすこ
と止
二.股に
.
不
可
能な
以
上、
.こ.れ.
を
彗平方
7
由式
体
系と
し
て
定
式化
す
祭-
.むが
、
問題へ
町
唯一
可能な
舶
…
レ
四第一 橋 論 叢 第 六十 三 巻
接近
方
鞍
議卯
、郵貯
む藤常
+
司詔d
封・争
論
司郎軒数学d
論理
の
ル
ト
心〕■
東叫句瑞
軒れ
耕一
歩
であ
る。
ワ
ル
ラ
ス
の
実行
し
た
の
は
正
に
こ
の
こ
と
で
あっ
た。
し
か
も
適確に
も、
未知
数と
方
程式の
個
数の
き
ち
ん
とそ
ろっ
た
定
式化の
正
当
性を
主
張し
、
そ
の
範をし
めし
た
の
で
あ
る。
こ
の
際、
単に
数学
的に
筋の
通っ
た
方
程
式体
系を
得る
こ
との
み
が
単独に
意味を
持ち
得る
の
で
ほ
な
い
こ
と
ほ
い
う
まで
も
ない
。
そ
の
方
在式体
系が
、
経済世
界へ
抄
芳酪な
㌢ジ
ョ
ン
を
背景L
しV
意味町
か
る
経
済社会像を
適
確に
表
現し
て
い
な
けれ
は
な
ら
ない
。
ワ
ル
ラ
ス
の
業績が
重
要視さ
れ
る
の
は、
交換
、
生
産、
東本
化
及び
信用
、
流通
及び
貨幣の
均
衡に
関し
て
透徹し
た
闇済像を
持ち
、
そ
れ
を
数学
的に
筋の
準り
た
か
た
ち
に
定式
化し
て
い
る
か
らで
あ
る。
こ
の
よ
うに
し
て
ワ
ル
ラ
ス
は、
理
論
経
済学の
論理
を
数学
の
レ
ー
ル
に
乗せ
る
こ
と
に
成
功し
た。
し
か
し
なが
ら、
数
学
化の
里
程標に
関し
て
は、
ワ
ル
ラ
ス
の
輝か
しい
成
果も
、
あ
くま
で
数学的
論
理の
第一
歩で
あっ
て、
そ
の
完結で
は
ない
。
ワ
ル
ラ
ス
の
壮
大な
意図は
、
r
通称言
語に.よ
る
論理
軒
撃㌃
か
複建な
相互
依
存
阻像■に
.
.
よ
る一
般均衡
町艶
封印敵性を
数学
的に
論証
する
こ
とに
あっ
た。
こ
の
よ
うな
意図に
もか
か
わ
ヽ
ヽ
ヽ
ら
ず、
ワ
ル
ラ
ス
が
要論の
な
か
で
明
示
的に
展開し
た
論述は
、
棚
数
学的論理
の
第二
歩に
相
当すべ
き
もの
を
欠い
て
い
る
こ
と
が
指
摘さ
れ
な
けれ
ば
な
らない
。
ワ
ル
ラ
ス
掛
自らの
定
式化
が
数学的に
不
能な
問題で
ない
こ
と
を
確信し
、
し
か
も
そ
の
確
信を
数学
的に
論証す
る
こ
と
を
もっ
て、
彼の
懐い
た
純粋
経
済学の
使命の
一
つ
と
なし
た
の
で
あ
る
が、
結局の
とこ
ろ、
そ
の
た
め
の
論拠と
なっ
た
の
は、
未知数と
方
程式の
個数を
そ
ろ
え
る
とい
う、
上
述の
言-
e
O巾
t
F仁
m♂
に
ほ
か
な
ら
な
かっ
た
の
で
ある
。
こ
の
コー
ー
e
Oh
t
F仁
臼ケ
ほ、
ワ
ル
ラ
ス
以
後に
お
い
て
も、
そ
の
真意が
充
分に
理
解さ
れ
て
い
る
と
は
い
い
が
た
い。
こ
の
ル
ー
ル
が
未知数と
方
濯式の
個数の
等しい
(
ま
た
は
等し
く
ない)
体
系の
斉合
性に
つ
い
て、
あ
る
数学的真理を
物語
っ
て
い
る
こ
と
は
事実で
あ
る。
こ
こ
で、
方
雇式体
系の
斉合性
と
は、
こ
の
体
系に
解が
存
在し
て
確定
する
こ
と
を
意味す
る。
他
方、
解が
存在し
ない
とい
うこ
と
は、
体
系を
構成
する
方
程式(
す
な
わ
ち
条件)
の
問に
矛
盾が
存在す
る
こ
と
を、
し
た
がっ
て、
体
系の
非斉合
性を
、
意味す
る。
し
か
し
なが
ら、
こ
の
ル
ー
ル
の
物語
っ
て
い
る
数学
的真理ほ
、
個々
特定の
方
程式
体
系の
斉合性に
か
か
わ
る
もの
で
ほ
な
い
こ
と
を
無
視し
■
一
ぺ
( 7 3 ) ワ ル ラ ス の一 般均衡体 系
一
て
ほ
な
らな
い。
未知数と
方
程式の
個
数の
均
等如何に
か
か
わ
り
な
く、
特定の
方
程式
体
系は
斉合的で
も
非
斉合的で
も
あ
り
得る
し、
そ
の
よ
うな
具体
例は
容易に
求め
る
こ
と
が
で
き
る。
実
際に
は、
こ
の
ル
ー
ル
は、
方
程
式
体
系一
般
(-
n
的e
ne
邑)
の
斉合性に
つ
い
て
の
若干の
数学
的真理
を
の
ぺ
て
い
る
の
で
あ
る
か
ら、
方
程式
体
系を
定式化
する
に
際し
て、
経
済学者の
信顧に
値す
る
道
しる
べ
と
し
て
有効で
は
あっ
て
も、
彼の
特定の
方
程式体
系の
斉合性を保
証し
て
い
る
わ
け
で
は
ない
の
で
あ
る。
三
ワ
ル
ラ
ス
体
系の
斉合
性
未知数と
方
程式の
個
数の一
致を
検討す
る
前
述の
邑e
O
:F日
日b
が、
個々
特定の
方
程式
体
系の
斉合性の
判定に
ほ
無力で
あ
る
と
すれ
ば、
そ
の
斉合
性の
検討は
別の
根拠に
も
と
づ
か
な
けれ
ば
な
らな
い。
ワ
ル
ラ
ス
は
自己の
体
系が
斉
合的で
あ
る
か
ど
うか
の
数学的
検討を
実質的に
は
果し
得ず
、
こ
の
未解
決の
問題は
後代に
ゆ
だ
ね
ら
れ
る
こ
と
に
なっ
た。
もし
も、
ワ
ル
ラ
ス
の
方
程式体
系が
均衡解を
持ち
得ない
と
す
れ
ば、
体
系は
非斉合
性を
は
ら
むこ
と
に
な
り、
相互
依
存
関係に
よ
る
均
衡の
決定とい
う一
般均衡論の
構想
も
空
虚な
も
の
と
なっ
て
し
ま
うわ
け
で
あ
る。
ワ
ル
ラ
ス
の
一
般均
衡論はパ
レ
ー
ト
に
よっ
て
継承さ
れ、
効用
理
論の
核心
が
無差別
曲線の
導入に
よっ
て
純化さ
れ
る
な
ど
の
進展が
あっ
た
が、
ワ
ル
ラ
ス
=
パ
レ
ー
ト
以
後の
約五
十
年間に
捗っ
て、
ワ
ル
ラ
ス
一
般均衡論の
斉合性の
論証の
問
題に
は
進展が
見られ
な
かっ
た。
一
九三
六
年の
い
わ
ゆる
ケ
イ
ン
ズ
革命以
後、
経済学
者の
興
味一
般は
巨
視
的
所得分
析に
向い
、
価蒋分
析の
中心
を
な
す一
般均衡論の
基礎が
た
め
の
仕事は
一
般的
関心
の
対
象で
は
な
かっ
た。
と
きた
ま、
一
部の
経済学者に
よっ
て
こ
の
問題が
論じ
ら
れ
て
も、
依
然
と
して
未知数と
方
寒式を
数え
あ
げる
域を
脱し
き
れ
なか
っ
た。
し
か
し、
こ
の
堅
固に
見え
た
壁
をつ
き
破る
準備は
別の
一
隅で
始め
られ
て
い
た。
数学者フ
ォ
ン
・
ノ
イ
マ
ン
は一
九二
(
3)
九
年、
後にモ
ル
ゲ
ン
シ
ュ
テ
ル
ン
と
の
共著の
理
論的
骨
格に
(
4)
相
当
する
ゲ
ー
ム
の
理
論の
最初の
論文
を
発表
し、
利害の
相
剋する
多数主
体
問の
か
け
ひ
きの
問題の
数学的
分
析
を
意図
し
た。
三
〇
年代に
入っ
て
ノ
イマ
ン
は、
ゲ
ー
ム
の
理
論と
の
密
接な
関
連の
も
と
に、
今
日
ノ
イ
マ
ン
モ
デル
と
呼ば
れ、
現
(
5)
9
代の
経
済成
長論に
重
要な
地
歩を
占め
る
多部門成
長モ
デル
4 4
一
橋論叢 第六 十 三 巻 第 四号 ( 7 4 )
を
定
式化し
、
そ
の
モ
デ
ル
が
実
際に
解
を
持つ
こ
と
を
数学
的
に
論証
し
た。
ほ
ぼ
同
時期に
、
数学
者ワ
ル
ド
(
後に
数理
統
計
学
者とし
て
活
躍)
は、
単純化さ
れ
た一
種の
一
般
均衡体
(
8)
系の
解の
存在の
数学的論証
を
与え
た。
こ
れ
らの
成
果は
当
時極く
一
部の
経済
学者の
注
目を
ひ
い
た
の
み
で、 、
一
般の
関
心
の
対
象とは
な
らな
かっ
た。
し
か
し、
四
〇
年代頃か
ら
社
会科学の
少な
か
らぬ
分
野で
、
数理
的方
法が
大々
的に
用い
ら
れ
始め
る
とい
う時代の
趨
勢に
呼応し
て、
数
理
的
方
法町
応用に
関し
て
は
古い
町れ
ん
を
誇る
経
済
学に
も
革新の
渡が
か
し
よ
せ
る
に
至.■?
瑞ノ
イ
マ
ン
や
ワ
ル
ド
の
研
究が
一
般の
評
価を
獲得し
、
ま
た
彼等の
画
期
的成
果が
イ
ン
パ
ク
ト
の
坂
と
もなっ
て、
ク
ー
ル
ノ
ー、
ワ
ル
ラ
ス、
パ
レ
ー
ト
以
来の
数
理
的方
法の
深化が
積極的に
求め
ら
れ
る
よ
うに
なっ
た。
こ
の
数理
的
方
法の
深化の
潮流の
なか
で、
一
九
五
〇
年代
半ばに
、
ワ
ル
ラ
ス
体
系の
斉合
性検
討の
問題が
肯定
的に
解(
7)
決さ
れ、
決着が
つ
け
られ
た。
ま
ず、
ア
ロ
ウ
と
デブ
ル
ユ
l、
決さ
れ、
決着が
つ
(
8)
マ
ッ
ケ
ン
ジ
ー、
ゲ
(
9)
(
1 0し
ー
ル、
筆者に
よっ
て、
ワ
ル
ラ
ス
の
交換
と
生
産の
綜合均
衡体
系が
解を
持つ
こ
と
が
論証さ
れ
た。
以
後、
こ
の
第一
次の
成
果の
延
長線上に
、
様々
な
拡
張
や
精緻
化の
時期が
続くが
、
ワ
ル
ラ
ス
体
系の
斉合
性の
基
本的根拠
は、
こ
の
第一
次
成
果に
よ
っ
て
充分
明
ら
か
に
さ
れ
た
とい
っ
甜一
一
生
て
も
過
言で
は
なか
ろ
う。
こ
の
成
果に
よ
っ
て
わ
れ
わ
れ
の
前に
明
らか
に
なっ
た
ワ
ル
ラ
ス
体
系の
斉合性の
根拠を
概説し
ょ
う。
ワ
ル
ラ
ス
の
交
換・
生
産均
衡踪合体
系の
均
衡状態
を、
伝統的な
経
済学
者
の
用
語に
即
して
表現
すれ
ば、
次の
よ
うに
な
る。
ま
ず、
完
全
競争の
前提の
も
とに
、
、
各主
体は
与
え
られ.
た
価格体
系に
対し
て
価希受容者と
しで
行
動し
、
生
産者は
利潤.町
最大.
化、
消
費者は
効用の
最大
化
を
行うこ
と
に
よっ
て、
財に
対す.
る
個別
主体の
需
給計
画
量が
定ざ
る。
こ
れ
ら
諸
量の
、
社
会の
仝主
体に
つ
い
て
の
絵和を
とれ
ば、
絵需要函
数と
総供
給函
数が
得られ
る。
い
ま
財が
n
種類あ
る
と
す
れ
ば、
各
財に
つ
い
て
給需要函
数と
総供
給函
数が
一
つ
ずつ
得ら
れ
る
わ
けで
あ
る。
こ
の
際、
こ
れ
らの
函
数は
n
個の
価格の
組の
函
数で
あ
る。
一
般均衡状
態は
、
各財に
つ
い
て
同
時的な
総需要
と
総供給の
均等に
よ
っ
て
決定さ
れ
る。
こ
の
連立
方
程式の
解
と
して
定ま
る
価格体
系が
均衡価格体
系で
あ
る。
こ
の
方
程式体
系が
解を
持つ
こ
との
最も
本
質的な
根拠は
二
つ
あ
る。
静
十.は
、
∴.し
∫
の
体
系.を
構成
する
需要函
数、
供
給
敵
数が
価碑の
連続函
観で
あ
る
こ
と、
第二
は、
い
わ
ゆ
る
ワ
′
ツ
八
く7 5) ワ ル ラ ス の一
般 均衡体 系
こ
ル
ラ
ス
法
則が+璽止
する
こ
と
で
あ
る。
、
第一
は、
価格が
僅か
に
変化
する
と
きの
需給
量の
変化が
同
様に
僅少で
あ
る
こ
と
を
意味する
。
第二
は、
各財の
需要量に
そ
の
財の
価格を
乗
じた
もの
の、
すべ
て
の
財に
わた
る
総和
、
す
な
わ
ち
瀧需
要
ヽ
ヽ
ヽ
ヽ
ヽ
ヽ
1
1
1
1
1
1
1
1
、
、
、
、
価
値額が
、
均
衡状
態で
あ
る
か
ど
うか
に
か
か
わ
り
な
く、
常
に
供
給に
つ
い
て
の
対
応す
る
量、
す
な
わ
ち
捻需要価値
額に
奪し
い
とい
う
事実を
示
す。
財の
供給に
よっ
て
獲得さ
れ
た
粛得が
有効需
要源と
し
て
全
額支
出さ
れ
る
と
い
う、
所得の
\
完全
循環状態を
表わ
す、
経済学的に
重
要な
含意をも
っ
た
し
法則で
あ
る。
右の
よ
うな
体
系の
二
つ
の
基
本特質を
活
用
する
こ
と
に
よ
り、
こ
の
体
系が
解を
実
際に
持つ
こ
と
が、
位相
数学に
お
い
て
著名
なブ
ロ
ー
ウェ
ル
の
不
動点
定理
(
ま
た
ほ、
こ
れ
と
数
学的に
同内容で
あ
る
が、
別の
か
た
ち
に
定
式
化
さ
れ
た
定
理)
の
援用に
よっ
て
論証さ
れ
る。
し
た
が
っ
て、
ワ
ル
ラ
ス
体
系の
斉合性は
、
ブ
ロ
ー
ウェ
ル
の
不
動点
定理
か
ら
論理
的
(
11)
に
導か
れ
る
こ
と
が
明
らか
に
なっ
た
の
で
ある
。
さ
らに
特
筆すべ
き
事実が
ある
。
上
述の
成
果に
続い
て一
〔
1 2)
九
六
〇
年代の
初め
に
発表さ
れ
た
字沢
弘文
民の
論文に
よ
る
と、
ワ
ル
ラ
ス
体
系の
斉合
性の
論証に
は、
ブ
ロ
ー
ウェ
ル
の
不
動点
定
理
(
ない
し
そ
の
同
値命題)
の
援用が
不
可
避なこ
と
が
明
らか
に
なっ
た。
す
な
わ
ち、
もし
も
ワ
ル
ラ
ス
体
系の
斉合性を
前提と
すれ
ば、
こ
の
こ
と
か
ら
逆に
ブ
ロ
ー
ケ
ヰ
ル
の
不
動点
定
理
自身が
論理
的に
導か
れ
る
の
で
あ
る。
以上
の
二
つ
の
成
果を
踪合す
れ
ば、
ワ
ル
ラ
ス
体
系の
斉合
性と
ブ
ロ
ー
ウェ
ル
の
不
動点
定理
は、
数学的に
同一
内
容を
もつ
命題を
別の
か
た
ちに
表現し
た
も
の
に
ほ
か
な
らな
い
と
い
う
事実が
確立
さ
れ
た
こ
と
を
意味する
。
ブ
ロ
ー
ウ.ェ
ル
の
定
理
は、
由世
紀の
終りご
ろに
誕生
し、
今日
現
代
数
学の
甲
核と
なっ
て
い
る、
連続性の
学とも
い
うぺ
き
位相
数学に
お
け
る
著名
な
古
典的定理で
あっ
て、
一
九
〇
〇
年代初
期に
数
学
者ブ
ロ
ー
クェ
ル
に
よっ
て
得ら
れ
た
成
果で
あ
る。
ワ
ル
ラ
ス
が
蓮
済世
界の
観照の
結果を
数学
的に
定
式化し
た
体
系の
斉合
性が
、
直
接的に
は
経
済と
何
等の
関
連も
ない
位相
数学
的
真理と
同内
容で
あっ
た
とい
うこ
と
ほ、
驚くべ
き
事実で
あ
る
と
と
も
に、
ワ
ル
ラ
ス
の
定
式化
が
最も
深い
意味に
お
い
て
数
学的に
適確(
焉宇
官∽
e
告
で
あ
っ
た
こ
と
を
示
して
い
る。
ワ
ル
ラ
ス
白身は
自
らの
体
系の
斉合性の
論証
を
果さ
な
かっ
た
に
もか
か
わ
ら
ず、
ブ
ロ
ー
ウェ
ル
に
先ん
じ
て
こ
の
数
一
⊥
学的
真理
を
感
得し
ぇ
た
彼の
直観の
する
どさ
を
こ
そ
た
た
え
舶
一 橋論叢 第六 十 三 巻 第 四 号 ( 76 )
るぺ
きで
あ
ろ
う。
そ
し
て
こ
の
こ
と
は、
ワ
ル
ラ
ス
を
真正
の
数理
経
済
学
者と
し
て
学
説
史上に
位
置づ
け
る
こ
と
を
正
当
化
する
に
充分で
あ
ろ
う。
同
時に
、
小
稿の
冒頭に
引
用し
た
ワ
ル
ラ
ス
の
気負っ
た
文
辞の
奥に
び
そ
む
含意を
何等の
留保も
な
く
味い
直すこ
と
を
わ
れ
わ
れ
に
うな
が
す
に
も
充分で
あ
ろ
1
フ0(
3)
ナ
くO
n
ZO
仁
22呂
告P
〇・
呂○
蒜e
日
算口
言㌔→Fe
O
々Of
GP
日e
¢
昌一
H
ざ○ロO
m叫
○
宮訂已○
ユN
邑
監.
(
守Fc
et
O
n
q
已く●
咄イe
詮、
-
窒¶
ソ
(
4)
--
d
d臼
2e
亡
ヨ巴昌、
N
2+
→Fe
O
ユe
P①
り
Ge∽
e--
∽
O
F
已t
?
葛-
e-
e、
b
旨
誉ヨ
邑篭
訂
ゝ
…
邑3-
出
P
-
0
0
こ¢
N
p
(
5)
-・
ノ
さn
Ze
仁
日P
n
ロ、
亡
訂→
e
訂
ひ
打○
ロO
m打
岩Fe
∽
G-
e
T
O
F
∈-
g払
払
笥te
ヨ
声ロP
e
訂e
くe
邑-
慧ヨe-
n2
2口
内
計∽
守○
苧
弓e
謡O
Fe
n
句i
眉已-
打t
旨什
N
e
払、
+
守笥
ぎ訂記
乳
莞b
き叶
訂ヨ?
叶
吋
宝
訂さ
内Q
ぎ
写軋
ぎ
ヨh
、
He
許
∞
こ諾ぃ
-h
芦
英訳
A
買。
計-
○代
Ge
ロe
邑
冒。
n。
邑c
E
宅E
琵亡
ヨー
知
邑岩
見内Q
冨Q
邑Q
恕
邑計わ
、
く○】
.
-
い、
-
岩山
一会.
英訳
は
勺・
Ze
弓ヨP
n-
e
チヘ
へ
声e
邑小
声
慧i
n
宣告Fe
mむ
巨
邑
E
8日。
m
を√
く○-
+Ⅰ
(
甘FロS
H。
p
打-
n∽
守e
詮
こ芸00
)
に
集
録。
(
6)
P
WP
E}
亡be
→
d-
e
ワ。
旨臣On
邑e
邑F
仁
義e
日
計→
缶
打○
ロ○
ヨー
払
O
F2
日
弓e
邑e
F
岩)
担・
胃
ぎ計詮
乳莞ゎ
き詩u
∋?
叶
訂
謎昌
・
ざぎ胃
叫
g
ヨ♪
He
f什
叫
こ巴牟
1い
ぃ
(
7)
声
ナ
A
ヨ○
毛
呂む
G.
ロe
訂e
∈、
出
打訂t
e
ロO
e
O
ごr
n
E
宅†
甜
-
-
g
旨どp
CO
日
嘗t
才2
日
8nO
ヨヨ
ぎ喜
邑→
阜ぎ
ーt
4
N
N-
ヨ〇.
u-
-
設阜
.
(
8)
J・
呂。
内2
員岩
.
、
○ロ
Eq
已-
旨ユ∈
m
FG
冒Fp
ヨ}
∽
gO
計-
Oh
弓○
ユロ
ゴ邑e
2邑
○
旨e
→
CO
日廿et
≡く①
ぞ仏
訂日払
、
昏?
喜∋Q
h
ま昌、
く○-
●
N
N、
宅〇.
N、
-
設ヰ
.
(
9)
D・
G巴e
)
→
訂
FP
司
O
f
∽
壱p
】
y
P
na
ロe
日
昌P
〉
昏・
~
誉ヨ
邑Q
白
哲P
邑ぎ§訂串
、
く○-
.
い、
-
設汁
前掲
ロ
Ze
宅mP
ロ
編
。
河e
乱打g∽
J
く○-
・
H
に
集
録。
(
1 0)
H.
2-
打
巳dO
、
○ロ
t
どC-
P
邑c
巴
呂已t
--
已e
→
已
E
巳FP
苧
ge
守O
Ee
日)
b
定言
…宝邑8、
く○-
・
00
こ讃小
及
び
A
瞥マ
旦e
ヨe
邑Pl
y
写t
e)
b
定言
…営
邑
きく0-
一
や、
-
¢
芦二
篇
と
も
前
掲
吋・
2e
司目早口
編
。
河e
邑訂慧
。
く○-
.
H
に
集
録。
(
1 1)
こ
の
論証の
詳
論に
つ
い
て、
単
行本
で
は、
拙
著「
現
代
経
済
学の
数
学
的
方
法+
八
-十
章(
岩
波、
一
九
六
〇
年)
、
同
英
語
版
。I
nt
3〔
FOt
-
O
n
t
O
紆t
払
昌一
呂P
宅打電
F
呂○
計3
田口○
ロ○
目
許。
、
C
訂や
∞
1岩、
(
ZO
ユF
白○-
-
P
已〉
H
当○)
を
参
照。
よ
り
包
括
的な
論述
に
つ
い
て
は、
G・
ロe
訂e
G、
。
→
訂○
【
叫
○巾
く巳
邑√
C-
-
p
p・
u)
(
J
O
Fロ
W--
e
ゴ
ー
況や
)
及
び
芦
呂打
巴
号へ
、
CO
ヨ1
e
粥
St
20
t
喜2∽
P
邑け
冒○
星
邑の
→Fe
O
阜∵
CFむ
匂・
く
(
AO
邑e
邑c
佃
イe
訟、
-
漂00
)
を
参
照。
(
1 2)
H一
己
旨弓P
-
ノ
司
巴
冒仏
-
E
已∽t
e
n
g
→F①
0
→
e
ヨP
ゴd
出→
○
宇
弓e
註
句
訂e
中
野U-
nt
→F2
弓巧
m、
向暑
喜
邑Q
哲
邑計h
曾与
訂己ぎ
く○-
.
-
い、
宅〇.
-、
-
課N
一
■
L
)
ワ ル ラ ス の一 般均衡体 系)】77(
四
完全
競争均衡の
社
会経
済
像
ワ
ル
ラ
ス
体
系に
は、
そ
の
斉合性に
よっ
て、
各
財の
需給
一
致を
同
時的に
実
現
せ
し
める
均衡価格体
系が
存在し
、
確
定す
る。
し
た
がっ
て、
ワ
ル
ラ
ス
体
系の
斉合性は
そ
の
価格
メ
カ
ニ
ズ
ム
を
床介と
する
運転
可
能性を
意味する
。
そ
し
て、
前述の
よ
うに
、
こ
の
斉合性自体は
透徹し
た
位相
数
学的真
理に
ほ
か
な
らない
も
の
で
あっ
た。
こ
の
よ
うに
して
運
行
可
能性を
保
証さ
れ
た
ワ
ル
ラ
ス
の
完全
競争経
済の
経済体
制的
本
質は
どの
よ
うな
も
の
で
あ
ろ
うか
。
こ
の
間題の
解
明に
つ
い
て
は、
ゲ
ー
ム
論的角度か
ら一
九
六
〇
年代
初
期に
、
ス
カ
へ
1 3)
-
フ、
デ
ブ
リュ
ー
な
どに
よ
っ
て
得られ
た
成
果が
特に
重
要
で
あ
る。
完全
競争経
済の
特徴ほ
、
そ
の
構成
員で
あ
る
消費者
、
生
産者が
、
与
え
られ
た
価格に
対
し
て、
価格受容者と
し
て
行
動する
こ
と
に
あ
る。
適切に
定め
られ
た
均
衡価
格体
系の
も
とで
、
消
費
者が
効用
最大化
を、
生
産者が
利潤
最大化
を
遂
行す
る
と
き、
矧各会件町
.(
各財 、
の)
需給
一
致が
確保
㌢れ
か。
。
ニ
の
こ
と
は、
完全
競争的均衡価格の
市
場調
節機能の
媒介に
よ
っ
て、
個別
主
体の
効用
・
利
潤最大
化
行
動が
社
会
的に
統合さ
れ、
資源
配
分と
そ
の
結果と
して
の
生
産物の
個
別
主
体へ
の
分
配が
達成さ
れ
る
こ
と
を
意味す
る。
以
下、
簡
単の
為に
、
資漁配
分と
そ
れ
に
伴う生
産物の
分
配を
単に
配
分
・(
邑○
邑i
O
n)
と
呼ぶ
こ
と
に
すれ
ば、
完全
競争均
衡は
価格メ
カニ
ズ
ム
を
通
じて
達成さ
れ
る
配分の
一
特殊形
態に
ほ
か
な
らな
い。
とこ
ろで
、
こ
の
社
会に
とっ
て
は、
生
産面に
お
い
て
は
技
術、
生
産能
力な
ど、
そ
し
て
消
費面に
お
い
て
は
個別
消
費者
の
効用
判
断、
さ
らに
過
去か
ら
継承さ
れ
た
資源の
絵
体
(
資
本
設
備、
ヒ
ュ
ー
マ
ン
・
キ
ャ
ピ
タ
ル、
在庫品な
ど)
が、
基
本的与
件と
し
て
与え
ら
れ
て
い
る。
こ
の
与
件の
も
と
で
実
現
可能
な
配
分と
し
て
は、
前
述の
完全
競争均
衡状
態の
ほ
か
に
も
多種多
様な
も
の
が
想
定し
得よ
う。
そ
れ
らの
配分の
な
か
に
は、
価格メ
カ
ニ
ズ
ム
の
媒介に
ょっ
て
達成さ
れ
る
も
の
も
あ
り、
他の
手
段に
よっ
て
実現さ
れ
る
も
の
も
あ
る
で
あ
ろ
う。
完全
競争均
衡が
こ
の
よ
うな
多様な
配分の
な
か
の一
特殊形
態に
す
ぎ
ない
と
すれ
ば、
前者は
どの
よ
うな
社
会経
済的条
件に
よっ
て
特徴づ
け
られ
る
の
で
あ
ろ
うか
。
完全
競争均
衡の
社
会経
済的性格の
検討に
関して
は、
厚
.
生
経
済学
者の
考察が
あ
る。
彼
等の
考察に
お
い
て
主要な
役
4 5 3
一 橋 論叢 第 六 十 三 巻 第四 号 ( 7 8 )
剖を
演じて
き
た
の
は、
パ
レ
ー
ト
最適の
概念で
あ
る。
周
知
の
よ
うに
、
こ
の
概念は
個
別
消費者の
効用
判断の
うえ
に
構
築さ
れ
て
い
る。
あ
る
配分が
パ
レ
ー
ト
最適で
あ
る
と
は、
こ
の
配
分に
よ
っ
て
現に
保障さ
れ
て
い
る
効用
水
準を
、
ど
の
消
費者に
つ
い
て
も
そ
こ
な
うこ
と
な
く、
か
つ、
少な
く
と
も一
消費者の
効用
永
準を
増すこ
とが
、
他の
ど
の
よ
うな
配分に
ょ
っ
て
も
果さ
れ
ぬ
ほ
ど
充
分に
効率的で
改良の
余地の
な
い
状態で
あ
る
こ
と
を
意味する
。
こ
の
と
き、
周
知の
よ
うに
、
完全
競争均衡はパ
レ
ー
ト
最
適な
配
分を
も
た
ら
す。
さ
らに
こ
の
事実と
と
もに
、
厚生
経
済学
者に
よっ
て
重
要視さ
れ
て
い
る
の
は、
つ
ぎの
命題で
あ
る。
す
な
わ
ち、
任意の
パ
レ
ー
ト
最適な
配分に
対
して
は
適
当な
価格体
系が
対
応し
、
こ
の
価蒋体
系の
も
とで
生
産者が
利潤最大
化
を、
消費者が
効
用
最大
化
を、
お
の
お
の
価荷受
容者とし
て
遂
行す
る
と
き、
そ
の
パ
レ
ー
ト
最適な
配
分が
達
成さ
れ
る
とい
う命
題で
ある
。
こ
の
命題は
、
直前に
の
ぺ
た
事実と
一
括して
、
厚生
経済学者に
よっ
て、
パ
レ
ー
ト
最適
と
完全
競争均
衡の
等値性と
して
称
揚さ
れ
て
い
る。
こ
れ
に
ょ
れ
ば、
任意の
完全
競争均衡は■パ
レ
ー
ト
最
適状
態で
あ
り、
逆に
任意の
パ
レ
ー
ト
最適状態は
完全
競
争的な
価蒋メ
カ
ニ
ズ
ム
に
よ
っ
て
実現さ
れ
るこ
と
が
主
張さ
れ
る。
し
か
しこ
の
誕.
4
-
両
概念の
等値
性ほ
ある
意味に
お
い
て
正
しい
が、
そ
の
意味
内容の
理
解に
際し
て
は
充分に
細心で
な
けれ
ば
な
ら
ない
。
も
し
もこ
の
等値性が
標語的に
の
み
主
張さ
れ、
そ
の
内
実が
看
過さ
れ
る
な
らば
、
重
大な
誤解の
顔と
な
り
か
ね
ない
こ
と
が
強調
さ
れ
な
けれ
ば
な
らない
。
意
味内
容の
理
解に
際して
細心さ
を
必
要と
す
る
の
は、
主
張の
後半の
部分
、
す
な
わ
ち、
任意の
パ
レ
ー
ト
最適状
態が
完全
競争的価
格メ
カ
ニ
ズ
ム
に
ょっ
て
達成
さ
れ
る
と
い
う
部分で
あ
る。
こ
の
後半の
部分に
ヽ
ヽ
ぉ
い
て
は、
適当な
価格体
系の
もと
で
は、
各消費者に
適当
ヽな
所得水
準が
割当ら
れ
る
な
らば
、
こ
の
価格体
系とこ
の
特
定の
所得水
準に
よ
っ
て
定ま
る
予
算制約の
もと
で、
各消
費
者が
効用
最大
化を
遂
行す
る
土
とが
想
定さ
れ
て
い
る。
と
こ
ろが
、
われ
わ
れ
の
関心
の
まと
で
あ
る
ワ
ル
ラ
ス
体
系に
は、
与
件の一
部と
し
て
過
去か
ら
相承さ
れ
た
資源が
分
割さ
れ、
各
消
費者に
よ
っ
て
私
的に
保有さ
れ
て
お
り、
当該価格体
系
に
もと
づ
く、
こ
の
私
的保有の
価値額と
、
さ
らに
こ
の
価格
体
系の
も
とに
実
現さ
れ
る
各生
産単位の
最大
利潤の
特定比
率で
の
分
配
額の
合
計が
、
彼等の
所
得を
構成
する
。
こ
の
所
得水
準は
、
前述の
パ
レ
ー
ト
最適状
態に
対
応して
指定さ
れ
一
′
L
J
( 7 9 ) ワ ル ラ ス の一
般均 衡 体系
る
所
得水
準と
は一
般に
異な
る。
後者は
資汲の
私
的保
有や
利潤分配を
無視し
て
割当て
られ
た
も
の
で
あ
る
か
ら、
両
者
の
不一
致は
当
然で
あ
る。
した
が
っ
て、
当
該パ
レ
ー
ト
最適
状態が
完全
競争的
価椅メ
カニ
ズ
ム
に
よ
っ
て
実
現さ
れ
る
た
め
に
は、
所
得の
再分
配が
先
行し
な
け
れ
ば
な
らな
い
反
面、
こ
の
よ
うな
所得の
再
分
配そ
の
も
の
は、
価格メ
カ
ニ
ズ
ム
以
外の
何
等か
の
手
段(
課
税、
社
会
保
障な
ど)
に
よ
っ
て
の
み
達成し
得る
の
で
あ
る。
とこ
ろが
、
す
で
に
考察した
完全
競
争均
衡状
態は
、
ま
さ
に
資漁の
私的保
有や
利潤分配の
特定
比
率な
ど、
過
去か
らの
歴史的
継承
物を
所得形成の
前提条
件と
し
て
考慮の
なか
に
入
れ
て
い
る
の
で
あ
る。
以
上の
考察に
よっ
て
明
らか
な
よ
うに
、
パ
レ
ー
ト
最適
状
態
と
完全
競争均衡との
等倍性の
主
張ほ
、
旦畠
t
①
。
弓ne
?
賢勺
に
抵触し
ない
か
ぎ
りに
お
い
て
正
しい
の
で
あ
る。
し
か
もこ
の
場合
、
当
該パ
レ
ー
ト
最適状
態は
純粋の
価椅メ
カ
ニ
ズ
ム
の
み
に
よ
っ
て
は
実現し
得ず
、
一
般に
ほ、
こ
れ
を
何
等か
の
他の
手段(
た
と
え
ば
政
府の
介入)
に
よ
っ
て
補完し
た
メ
カ
ニ
ズ
ム
に
よっ
て、
は
じ
め
て
実現
し
うる
の
で
あ
る。
こ
の
よ
うに
、
旦召t
①
○
弓ロe
諾E七
e
0
0
日。
日y
に
お
い
て
は、
完全
競争均
衡はパ
レ
ー
ト
最適で
あ
る
と
の
主
張は
依然と
し
て
正
しい
に
し
て
も、
逆に
任
意の
パ
レ
ー
ト
最適状態は
必
ら
ずし
も
完全
競争均衡と
は
見倣し
得ない
の
で
あ
る。
し
た
が
っ
て、
パ
レ
ー
ト
最適の
概念は
、
p
ユ
言t
e
O
Wne
謡巳匂
e
gT
ロ○
日叫
の
完全
競争均
衡状態の
性格づ
けの
た
めに
ほ
あ
ま
り
に
広範に
すぎ
、
こ
の
目
的の
た
め
に
は、
資渡の
私的
保有に
も
とづ
く
主
体
間の
利害の
競合と
い
う
冷厳な
事実を
明
示
的
に
考慮に
入れ
た
他の
過当
な
概念が
求め
られ
な
け
れ
ば
な
ら
な
い。
他
方、
完全
競争均
衡の
基本
条件で
あ
る、
価格受容者と
して
の
各
主体
の
行動形態が
ど
の
よ
うな
も
の
で
あ
る
か
に
つ
い
て
も、
も
う
少し
深い
分
析が
必
要で
あ
る。
とこ
ろで
、
経
済学者の
伝
統的な
考え
方に
よ
る
と、
主体の
数が
非常に
多
い
と
きに
ほ、
各主
体の
経済全
体へ
の
直接影響力が
微弱と
な
る
こ
とが
、
価格受容者と
し
て
の
行
動の
根拠と
さ
れ
て
い
る。
こ
の
考え
方
は、
基本的に
は
正
しい
方
向に
沿っ
た
も
の■
で
あ
る
が、
完全
競争状
態に
つ
い
て
の
観照
を
背
景とし
つ
つ
も、
茫漠と
し
た
ピ
ジョ
ン
を
生の
まま
述べ
た
もの
に
す
ぎな
い
の
で
あっ
て、
主体の
経済全
体へ
の
影響力を
明確に
想定
し、
そ
の
う
え
で
主
体の
数の
増加
とと
もに
そ
の
全体へ
の
影
響力が
よ
り
微弱な
も
の
と
なっ
て
ゆ
く
とい
う事実の
理
論的
4 5 5
一 橋論叢 第六 十 三 巻 第 四 号 ( 8 0 )
分
析に
支
え
られ
た
も
の
で
は
ない
。
右の
よ
うな二
論点に
留意する
と
き、
完全競
争均
衡を
多
様な
配
分の
集合の
なか
で
性格づ
ける
際の
よ
り
どこ
ろと
す
べ
き
概
念は
、
第一
に、
私
的
保有制
度の
な
か
で
の
主
体間の
利害
競合
関係の
分析に
とっ
て
充
分
有効で
あ
り、
第二
に、
主
体の
全
体へ
■の
影響力
を
適確に
と
ら
えて
い
る
よ
う
なも
の
で
な
け
れ
ば
な
ら
ない
こ
と
が
確認さ
れ
る
の
で
あ
る。
も
し、
こ
の
よ
うな
機能を
備え
た
概
念を
基軸と
し
て
完
全競
争均衡
を
特徴づ
け
得る
な
らば
、
こ
の
こ
と
に
よっ
て
完全
競争均
衡
の
社
会経済
像の
あ
る
面
を
明
らか
に
し
た
こ
とに
な
る
で
あ
ろ
1
つ0(
1 3)
H・
SO
P
阜
Aロ
A
邑首班
。代
官F
詩et
り
まt
F
P
rP
局e
当日
日be
り
O代
りp
‥邑c
首
呂t
ぎ
河e
O
e
nt
A
き呂O
e∽
-
n
Gp
2e
→Fe
O
り
又付
注nc
et
O
β
亡已
言邑t
ミり
邑e
岩nO
e
河e
pO
ユー
一
芸N)
及び
G・
ロe
訂e
仁
賀P
H.
哲P
昆-
A
巳
邑t
→Fe
O
詔日
O
n
旨e
C01
2
0代
P
n
田口O
nO
ヨ¥
l
n-
2
⊇Pt
-
○
ロ
巳
田口
O
n
O
邑○
河e.
5 .
e
弓-
く○-
●
♪
宅〇.
山、
-
貰い
.
五
コ
ー
ア
解と
完
全
競争均
衡
ゲ
ー
ム
の
理
論は
、
利害の
競合す
る
複数主
体
間の
戦略
的
か
け
び
き、
結託の
形成な
ど
を
分
析する
こ
と
む
目
的と
して
、
「
1 4)
フ
ォ
ン
・
ノ
イ
マ
ン
に
よ
っ
て
最初の
理
論
的
枠覿が
提起さ
れ・
甜▲
4一
て
以来
、
拡
張、
深
化が
進め
ら
れ
て
き
た。
ゲ
ー
ム
的状況に
お
い
て
ほ、
最終的に
各主
体
(
競技者)
に
得点が
配分さ
れ
る
が、
こ
の
配分
額は
必
ら
ずし
も一
,
義的に
確定す
る
と
い
う
ゎ
けで
は
ない
。
配分
額の
数億表は
一
般に
複数通り
可
能で
ぁ
り、
主
体
間の
戦略的か
け
ひ
き、
結託の
形成な
ど
の
影響
を
う
ける
。
こ
れ
ら
の
影響を
考慮に
入
れ
た
うえで
想
定し
う
る、
主
体
間の
勢力
均衡の
状態に
対
応す
る
得点
表の
集合を
、
こ
の
ゲ
ー
ム
の
解
(
邑邑○
臼)
と
定
義す
る。
こ
の
と
き、
ど
の
よ
うな
勢力
均衡状態の
概念に
立
脚し
て
解を
定
義す
る
か
に
照
応し
て、
ノ
イ
マ
ン
・
モ
ル
ゲン
シ
ュ
テ
ル
ン
の
解、
コ
ー
(
蛸)
ァ
解な
ど
の
多数の
解概念が
提起さ
れ
て
い
る。
こ
れ
らの
解
概念の
う
ち
数
種類の
も
の
が、
完全
競争均衡の
性格づ
けに
有効で
あ
る。
と
くに
、
こ
の
目
的の
た
め
に
ほ、
コ
ー
ア
解の
概念の
演ずる
役割が
典型
的で
あ
る。
ス
カ
ー
フ、
デ
ブ
リユ
ー
など
の
狙い
は、
首邑e
。
弓ne
邑Fi
p
e
8日○
ヨ呵
を、
価
格概
念以
前の
、
資嶽の
私
的保
有に
基づ
け
られ
た
勢力の
担
い
手で
あ
る
消
費者の
間の
戦略的か
け
び
き、
結
託形
成の
場
(
すな
わ
ち、
ゲ
ー
ム
の
場)
と
し
て
眺め
、
さ
ま
ざま
な
資渡
配
分方
式の
う
ち、
コ
ー
ア
解に
対
応
す
る
も
の
と
完
全
競争均
ー
一
( 8 1 ) ワ ル ラ ス の 一 般均衡体 系
衡と
の
関係を
確立
する
こ
と
を
通じ
て、
後者の
性格づ
け
を
行お
うと
す
る
もの
で
あ
る。
た
だ、
通
常の
ゲ
ー
ム
的状況に
お
い
て
は、
主
体の
得点は
、
全
主
体に
共
通の
計算単位(
貨
幣タ
ー
ム
の
利得
、
室
内競技に
お
け
る
得点
な
ど)
で
表示さ
れ
て
い
る。
他
方、
い
ま
考察の
対
象に
し
て
い
る
経済に
お
け
る
資漁配
分の
各消
費者に
よ
る
評価は
、
個別
的な
効用
判
断
に
も
とづ
い
て
お
り、
特定の
資源配分の
も
た
ら
す
消費者の
効用水
準の
表が
、
こ
の
ゲー
ム
の
得点
表に
相
当
する
。
こ
の
得点
表に
お
ける
効
用水
準は
異なる
消
費者相
互
間で
は
比
較
不
能で
あ
り、
こ
の
点で
共
通
単位で
表示さ
れ
た
得点
表とほ
異なっ
て
い
る。
こ
の
よ
うな
効用の
主
体
間比
較不
能性に
対
処す
る
た
め
に、
コ
ー
ア
解の
概念は
適当に
再
定式
化さ
れ
た
うえで
、
ス
カ
ー
フ、
デブ
リ
ュ
ー
な
ど
の
論者に
よっ
て、
完
全
競争均衡の
特徴づ
けに
援用さ
れ
た
の
で
あ
る。
と
こ
ろで
、
い
ま
考
察の
対
象と
なっ
て
い
る
勺ロ.
くPt
e
O
弓n・
e
詔Ep
e0
0
日○
日叫
の
完全
競争均
衡に
お
い
て
は、
生
産者
の
最大利潤が
、
経
済の
過
去の
歴史に
よっ
て
定まっ
て
い
る
分配
比
率に
し
た
がっ
て、
各
消費者に
分
配しっ
く
さ
れ
る。
こ
の
利潤分
配は
、
各消
費者の
珠主
とし
て
の
権利に
も
とづ
く
もの
と
み
な
さ
れ
る。
こ
の
場合
、
利
潤が
株主に
分
配しっ
くさ
れ
る
こ
と
は、
生
産者が
、
ひ
た
す
らに
株主の
た
めに
利
潤最
大
化を
は
か
る
ロ
ボ
ッ
ト
に
も
び
と
し
い
存在で
あ
る
こ
と
を
意味する
。
こ
の
よ
うな
事態に
あっ
て
は、
生
産者の
経営
職能
(
e
ロt
H
e
唱e
ロe
当町
Ep)
ほ、
生
産単位(
企
業)
の
技術
、
生
産手
段の
稔体を
構成
す
る一
要素に
す
ぎな
い
も
の
と
み
な
さ
れ
る。
そ
こ
で、
こ
の
私
有制経済に
お
ける
物的
資漁配分
の、
価格形
成
以
前の
赤裸々
の
姿を
明
らか
に
する
た
めに
、
各生
産主
体の
技術
、
生
産手
段の
総体
(
経営職能も
含む)
が、
持抹此
率に
応じて
、
消費者に
よ
り
直
接的に
、
か
つ、
(
1 6)
私
的に
保
有さ
れ
て
い
る
と
想定
し
ょ
う。
そ
う
す
る
と、
各消
費者は
、
財と
生
産手段の
特定
量の
私的
な
保有者と
し
て、
こ
の
経済の
資漁配
分に
参与し
て
い
る
こ
とに
な
る。
反
面に
お
い
て、
各消
費者ほ
そ
の
保有す
る
財と
生
産手
段の
範囲
内
で
自給自足
経
済を
営むこ
と
も
可
能で
あ
ろ
う。
さ
らに
進ん
で、
複数の
消費者達が
団結し
て、
彼等の
保
有す
る
財と
生
産手
段を
活用し
、
彼
等の
み
の
自給自足経済を
営むこ
と
も
出来る
で
あ
ろ
う。
こ
の
よ
うな
消費者の
あ
る
グ
ル
ー
プ
の
自
給白
足経
済を
結託
(
0
0
P
≡-
O
n)
とい
う。
い
ま
経
済
全
体
(
す
なわ
ち
全
消
費者の
参加
する
自給自足経済)
の
あ
る
資
▲7
源
配分A
を
考え
る。
こ
の
配
分A
に
よ
っ
て、
各消
費者に
は
舶
一 橋論 叢 第六 十 三 巻 第 四 号 ( 8 2 )
特定の
効用水
準が
割当て
られ
る
こ
と
に
な
る。
こ
の
と
き、
消費者の
あ
る
グ
ル
ー
プ
か
らな
る
結託が
あ
り、
こ
の
結託の
成
員か
ら
の
み
なる
自
給自
足
経済内で
可
能な
適当な
資渡配
分B
に
よっ
て
保証さ
れ
る
新しい
効用
水
準が
、
成員の
一
人
一
人に
とっ
て、
配
分A
に
応ずる
効用
水
準を
下
ま
わ
ら
ず、
し
か
も
彼等の
う
ちの
少く
と
も一
名に
とっ
て
ほ、
配分A
に
ょ
る
効用
水
準を
越え
る
な
ら
ば、
明
らか
に、
こ
の
消
費者グ
ル
ー
プ
の
結託は
全
経
済の
配分A
を
拒
否
(
EO
旨
○
ま)
す
る
で
あ
ろ
う。
配分A
は、
こ
の
結託の
参加
者達の
資源保有
に
も
と
づ
く
「
勢力+
の
連合体に
よっ
て
拒香さ
れ
て
し
ま
う
の
で、
社
会
経
済的に
安定
な
配分方
式で
は
あ
り
得ない
。
そ
こ
で、
い
か
な
る
消
費者グ
ル
ー
プ
の
結託に
よ
っ
て
も
拒香さ
れ
得ない
資源配
分の
総体に
注
目
し、
こ
れ
を
こ
の
経済の
コ
ア
(
8岩)
と
呼ぶ
。
コ
ア
は、
上
述の
よ
う
な
意味で
社
会的
に
安
定な
配
分の
絵体で
あ
る。
右の
見
方に
よ
れ
ば、
パ
レ
ー
ト
最適な
配
分と
は、
消費者
全員か
ら
なる
結託に
よっ
て
は
拒香さ
れ
ない
配分
に
ほ
か
な
ら
ない
。
注
目
すべ
きこ
と
は、
パ
レ
ー
ト
最適な
配分
は、
定
義に
よ
っ
て、
消費者全
員か
ら
なる
特定の
結託に
よっ
て
は
拒否さ
れ
な
い
が、
消費者の一
部の
グ
ル
ー
プ
の
結託に
よ
っ
て
拒香さ
れ
る
か
も
知れ
ない
こ
と
で
あ
る。
逆に
、
コ
ア
に
属
棚
す
る
任意の
配分は
、
い
か
なる
結託に
よっ
て
も
拒香さ
れ
な
い
の
で
ある
か
ら、
当然
、
消
費者全
員の
結託に
よっ
て
も
拒
香さ
れ
得ず
、
し
た
が
っ
てパ
レ
ー
ト
最適性を
備え
て
い
る
こ
と
が
分る
。
す
な
わ
ち、
コ
ア
はパ
レ
ー
ト
最適な
配分の
捻体
の
あ
る
部分
集合を
なし
て
い
る
の
で
あ
る。
こ
れ
だ
け
の
準備的考察を
前提と
して
、
ス
カ
ー
フ、
デブ
リュ
ー
な
ど
の
得た
、
完全
競争均
衡とコ
ア
解と
の
関
係に
つ
い
て
の
成果を■
述べ
よ
う。
ま
ず、
完全
競争均衡に
よっ
て
達
成さ
れ
る
資顔配分はコ
ア
に
属す
る
こ
とが
確認さ
れ
る。
す
な
わ
ち、
完全
競争均衡に
よっ
て
実現さ
れ
る
資漁配
分
は
社
会経
済的に
安
定な
資汝配分
なの
で
あ
る。
他方
、
逆方
向の
関係に
つ
い
て
は、
コ
ア
に
属する
任
意の
資薮配分ほ
、
必
ら
ずしも
完全
競争均
衡に
は
な
らな
い
の
で
あ.
っ
て、
結局の
と
こ
ろ、
完全競争均
衡の
全
体は
コ
ア
の
部分
集合をか
た
ちづ
く
り、
両
者は
一
般に
は一
致し
な
い
の
で
あ
る。
こ
の
点で
は、
完全
競争均衡とパ
レ
ー
ト
最適と
の
関係に
似た
状況が
見
ら
れ
る。
そ
れ
に
も
か
か
わ
ら
ず、
コ
ア
の
概念が
、
完全
競争均
衡の
性格づ
けに
関し
て、
パ
レ
ー
ト
最適性に
対し
て
決定
的
な
優位に
立つ
の
は、
次
の
よ
うな
重
要な
事実に
よ
る
の
で
あ
(
ノ
( 8 3) ワ ル ラ ス の一
般均衡 体 系
る。
すな
わ
ち、
適当に
定
式化さ
れ
た
意味で
、
経済が
多数
の
消
費者か
ら
構成
さ
れ、
各消
費者の
保有す
る
資漁が
、
社
会の
全
資漁に
し
め
る
比
率が
小さ
く
な
れ
ば
な
る
ほ
ど、
コ
ア
は
桁少し
、
完
全
競争均
衡と
の
へ
だ
た
り
が
解消し
て
行く
傾
向が
強まっ
て
く
る
の
で
あ
る。
そ
し
て
極限
状
況で
は、
両
者
の一
致が
確保さ
れ
る
の
で
あ
る。
し
た
がっ
て、
ワ
ル
ラ
ス
の
交
換・
生
産の
綜合
体
系を
、
資漁の
私
的保
有とい
う制度的
枠組の
陽表的な
考慮の
も
と
に
検
討すれ
ば、
成
員が
経
済全
体に
此
して
f
⊇
邑O
n
巴
に
な
れ
ば
なる
は
ど、
そ
の
完全
競
争均
衡は
社
会勢力
的に
唯一
可
能な
配分な
の
で
あ
る。
(
1 4)
註
(
3)
、
(
4)
参照
。
(
1 5)
日
本
数学
会
編
「
数
学
辞
典+
第
二
版(
岩
波、
一
九
六
八
年)
、
「
ゲー
ム
の
理
論+
の
項参照
。
(
1 6)
ス
カ
ー
フ
と
デブ
リ
ユ
ー
は
主と
し
て
純
粋交
換の
場
合を
分
析し
、
生
産を
含
む
場
合
も
取
扱っ
て
い
る
が、
単一
の
生
産単
位
が
規模に
関し
て
不
変な
生
産集
合を
持っ
て
い
る
場合に
か
ぎ
ら
れ
て
い
る。
規模に
隣
する
収
穫不
変性に
よ
っ
て、
完全
競争均
衡に
お
け
る
最大
利
潤
はぜ
ロ
と
なり
、
利
潤の
消
費者へ
の
分
配
は
実
質的に
無視
し
得
る
た
めに
、
た
とえ
生
産が
考
慮さ
れて
は
い
て
も、
ス
カ
ー
フ
と
デブ
リユ
ー
が
取
扱っ
て
い
る
ケ
ー
ス
は、
純
粋交
換の
場
合と
本
質的
に
同
じで
ある
。
ワ
ル
ラ
ス
の
考え
て
い
る
均
衡は
、
利
潤が
ゼ
ロ
と
なる
、
い
わ
ゆる
長期
均
衡で
あ
る。
しか
し、
均
衡
状
態を
定
式
化
す
る
の
に、
当
初か
ら
分
析を
利
潤
ゼ
ロ
の
状
態だ
け
に
限定
す
る
必
要
は
ない
。
一
般的に
ほ
正
の
利
潤
が
消
費
者に
分
配さ
れ
る
よ
うな
均
衡状
態
を
定
式
化し
、
そ
の
特殊
ケ
ー
ス
と
して
規
模に
関
する
収
穫不
変
性の
妥
当
する
事
態
を
想
定す
れ
ば、
利潤は
必
然
的に
ゼ
ロ
と
な
る。
正の
利
潤の
消
費者へ
の
分
配が
無
視し
え
な
い
よ
うな
完全
競争均
衡に
つ
い
て
の
ス
カ
ー
フ
‖
デブ
リユ
ー
理
論の
展開は
、
こ
の
よ
う
な
生
産手
段の
消
費者に
よ
る
保
有の
明
示
的
考
慮な
し
に
は、
困
難と
思
わ
れる
。
こ
の
か
た
ち
で
の
ス
カ
ー
フ
‖
デ
ブ
リユ
ー
理
論の
詳
細
か
つ
テ
ク
ニ
カ
ル
な
展開に
つ
い
て
は、
註(
n)
前
掲
の
拙
著
。
CO
nd
d如
哲ゴー
Dt
戸→
e∽
〉
√
CFP
ワ
く、
を
参照
。
(
一
癖大
学教
授)
4 ∂9