集積回路工学(13) if 080120...0.1nh, 0.6nh, 1.1nh, 1.6nh と変化させた...
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2008/1/15/ 集積回路工学(11) 1
集積回路工学
東京工業大学大学院理工学研究科電子物理工学専攻
松澤 昭
2008/1/15/ 集積回路工学(11) 2
(13) 実装とインターフェース
資料は松澤研のホームページhttp://ssc.pe.titech.ac.jpにあります
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1.チップ間信号伝送
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インダクタンス
⎟⎠⎞
⎜⎝⎛ +
πμ
≈HW
WHL
48ln
20
H
W
導体
単位長さあたりのインダクタンス(かなりラフな表現)
H/W=0.1; L=0.23nH/mmH/W= 1; L=0.4nH/mmH/W=10; L=0.88nH/mm
配線のインダクタは凡そ0.2nH/mmから1nH/mm程度を取る
もしくは伝送路に関して以下の関係を用いる
CL εμ=
寸法依存は小さい
インダクタンスが入ると2次の系になり振動成分が現れる。
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LSIの信号伝送におけるインダクタの影響
伝送路にインダクターがあると負荷容量や寄生容量との間に二次系を作りリンギングを発生させるが、ダンピング抵抗により低減可能である。
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二次の系:RLCの応答
22
2
2 2/1
/1)(nn
n
ssLCsLRs
LCsHω+ζω+
ω=
++=
)6.0(6.1101
01.002.0
10 nsGHzfLC
RLC
nn =∴==ω
×=ζ∴=
振動するか否かは、ダンピングファクターに依存する
ダンピングファクターが1以上では振動成分は発生しない。
抵抗が小さいほど、インダクタが大きいほどダンピングファクターは小さくなり振動する
ダンピングファクター
⎟⎟⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛−±
−=
CLRR
Lpp 4
21, 2
21
LC
LCR
n1
2
=ω
=ζ
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LSIの信号伝送におけるインダクタの影響
出力トランジスタのドライブ能力変えることでもリンギングが低減可能である。
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信号伝送におけるインダクタとリターンパス
インダクタンスを減らすには1)短い配線2)幅広配線 長さ∝L
信号は信号近傍を通るときに最もインダクタンスが小さくなる→リタンパスは信号線近傍に集まる性質がある
→伝達経路の遮断やビアでリタンパスを長くしない
uu CL εμ
∝
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高速チップ間インターフェース
はじめは低振幅化とインピーダンス整合(終端)技術がポイント
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周波数による配線の考え方
配線は周波数(電気長)により適切な取り扱いが必要である
立ち上がり時間周波数=
35.0
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配線の取り扱いW
ire length
(m
m)
Frequency (GHz)
0.3
3
101
Ramped→RC delay analysis
EM irradiation→EM analysis
Distributed→Wave analysis (Reflection)
配線長
信号波長
が重要なパラメータである。 この値により取り扱い方法を変える必要がある。
rr
c
ufv⋅ε
=λ
配線長 > λ/4 ~λ/10 → EM 放射配線長 > λ/40~λ/100 →分布定数配線長 < λ/40~λ/100 →集中定数
周波数が高くなるとチップ内でも分布定数解析や輻射解析が必要となる。
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分布定数の伝送波形と取扱い条件
最初に負荷に届く波
2番目に負荷に届く波
3番目に負荷に届く波
4番目に負荷に届く波
負荷に現れる波形
分布定数的取り扱いの条件: 立ち上がり時間<信号が線路を往復する時間
立ち上がり時間が遅いと反射の影響は目立たない
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集中定数回路と分布定数回路
集中定数回路
分布定数回路
碓井有三「分布定数回路の全て」
駆動能力が大きいほど速い。
駆動能力が大きいと反射パルスの影響を受けセットリングが遅い。最適な駆動力が存在する。
→信号の反射は駆動力ではなくインピーダンスの整合により決まるため
分布定数回路のリンギングの大きさはインピーダンス整合により決まるため集中定数のように高駆動が高速とは限らない。
リンギングの周期は線路長で決まる
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パラレルからシリアルへ
各チャネル間のタイミングがばらつき伝送速度が伸びにくくなったことや、実装面積、ケーブル品質などの問題によりパラレル伝送から超高速シリアル伝送へ技術が転換。
超高速SerDesやCDRが基本技術になった。
中村和之 第5回システムLSI WS, 2001.
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超高速伝送による波形劣化
表皮効果・誘電損などによる高域信号減衰が避けられない。
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表皮効果
⎟⎠⎞
⎜⎝⎛
δ−
=zBzB exp)( 0
μσω=
σωε
=δ22 2
0c
2exp1)( μσω
××=δ
≈⎟⎠⎞
⎜⎝⎛
δ−−
⎟⎠⎞
⎜⎝⎛δ×=ω × tRtR
t
t
RR DCDCDC
z電磁波強度
表皮効果:周波数が高いと電流は表面を流れる
表皮の深さ (Skin depth)
σ :導電率
t: 導体の厚さ
高周波では導体の抵抗は周波数の平方根に比例する
)/(1.2sec028.0 12
GHzmf
mμ≈
ω=δ
−
Cuの場合
高周波信号では表皮効果により導体内部を電流が流れず、抵抗が高くなる。
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誘電損
誘電体の誘電率は虚数を含むしたがって容量に漏れコンダクタンスが並列に接続される
CGω
≡δtan
CG ω⋅δ= tan
005.002.0:tan −δ
誘電損は周波数に比例する
数GHzでは誘電損も問題になる。
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基板上での信号減衰
ボード上では数GHzの信号は相当減衰する。最上層配線がスタブ効果などにより減衰が大きい。
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クロストーク
112VRCjVn ω≈容量結合
磁気結合
容量結合:相互容量を減らすのはもちろんだが抵抗を下げるのが効果的磁界結合:抵抗値には無関係。配線を直交させる。
「デジタル回路のEMC」山崎他 オーム社
距離を離しても効果が無くなる
dtdIMMIjVn 1
1 =ω=
( )dDC
/cosh 112 −
πε=
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2. グランドバウンス
ノイズの発生と輻射
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ICや電源を含めた電流パス
外部回路のドライブではICおよび電源系の電流パスを考える必要がある。
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ドライブ波形とグランドバウンス
出力波形はIC内部のGNDバウンスの影響が大きい
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電流のリターンパス
出力端を流れる電流は殆どICのGND端を経由して戻る
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GND系のインダクタと波形
GND系のインダクタを0.1nH, 0.6nH, 1.1nH, 1.6nHと変化させた
IC周りの電源やグランドのインダクタが波形に影響する
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IC内部動作における電源系インピーダンスの影響
IC内部のスイッチング動作によりノイズが発生する外部に漏れる電流がEMIの主原因になる
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内部パスコンが小さいとき
チップ内パスコン= 1nF
内部パスコンが小さいと電源電圧が大きく揺らぎ、波形崩れを生じるIC外部に流れる電流も大きい
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内部パスコンがある程度大きいとき
チップ内パスコン= 10nF
内部パスコンがある程度大きいと電源電圧が安定し波形崩れを生じないIC外部に流れる電流も小さくなる
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基板からのノイズ輻射
和田修己氏(京都大)の資料より基板がLSIの電源ノイズにより励振されノイズ輻射が起こる
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多層PCBの電源-GND面共振によるEMI
和田修己氏(京都大)の資料より
たとえベタアース基板を用いても基板自体が高周波で共振特性を有し、高インピーダンスになる周波数で電磁輻射をおこす。
Resonance (Impedance)
Far-field Emissions