cedec2015発表 global math公開版
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教育での利用を目的とする数学ゲーム 「Global Math」3年間の試みとゲーム産業界への期待
岸本 好弘(東京工科大学)
星 千枝(ベネッセホールディングス)
後藤 誠(マッチロック)
2014年 8月28日(金)3日目 13:30-14:30 511,512号室
受講者が得られるであろう知見
• 世界のシリアスゲーム
• ベネッセの提唱する「21世紀型能力」「協働型問題解能力」
• 「Global Math」プロジェクト
• エンタテインメントゲームと学習ゲームのゲームデザインの違い
• 「Global Math」コンテストに参加するメリット
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講師プロフィール
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後藤 誠
マッチロック株式会社
BISHAMONエバンジェリスト
岸本 好弘
東京工科大学
メディア学部 准教授
星 千枝
ベネッセホールディングス
EdTech Lab主任研究員
オランダの教育ゲーム
ゲームメーカーが300社!
人口が1600万人に国に対して
ゲーム関連教育を行っている大学が30以上,ゲームメーカーが300社.
人口比で我が国と比べると多い
ゲーム業界誌Control(2012-2013)
http://issuu.com/controlmagazine/docs/dggg_2012_def_screen/15?e=3519903/25607
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オランダの教育ゲーム
Applied Games (応用ゲーム)!
オランダではシリアスゲームのことを Applied Games (応用ゲーム)と呼ぶ.
中国や韓国で「機能性ゲーム」
と呼ぶのと同様のニュアンス.
http://issuu.com/controlmagazine/docs/dggg_2012_def_screen/15?e=3519903/25607
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オランダの教育ゲーム
Educational Games(教育ゲーム)
ゲーム業界誌「Control 2013ー2014 」でシリアスゲーム特集があり、
その中で1ページ、教育ゲームの記事がありました.
Ijsfontein社のTable Monsters、abcdeSIM、How Cheapというゲームが紹介されています.
(同社のサイト http://www.ijsfontein.nl/en/projecten)
http://issuu.com/controlmagazine/docs/serious_games_2013_by_control_magaz 12
ホワイトハウス教育ゲームジャム
ホワイトハウスが教育をテーマにゲームジャムを開催
https://www.whitehouse.gov/blog/2014/10/06/white-house-education-game-jam
http://www.inside-games.jp/article/2015/03/08/85677.html
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ホワイトハウス教育ゲームジャム
「White House Education Game Jam」は、 2014年9月にホワイトハウスで開催
オバマ政権が教育分野におけるシリアスゲームの活用に積極的に取り組んでいる
https://www.whitehouse.gov/blog/2014/10/06/white-house-education-game-jam
http://www.inside-games.jp/article/2015/03/08/85677.html
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ホワイトハウス教育ゲームジャム
ジャムの目的は、 教師が小学校6年生の授業で使えるツールのプロトタイプを開発すること。
歴史・英語・数学・科学など。
https://www.whitehouse.gov/blog/2014/10/06/white-house-education-game-jam
http://www.inside-games.jp/article/2015/03/08/85677.html
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自己紹介 星 千枝 (ほし ちえ)
• 株式会社ベネッセホールディングス R&D本部 EdTech Lab 主任研究員
• グローバルマスプロジェクトリーダー
– 津田塾大学数学科卒業。金融機関でのシステムアナリストを経て、教育業界へ。都内中学高校や米国シアトルで日米の子どもに数学を指導。
– 2002年ベネッセコーポレーションに入社。研究部門で小中高一貫した算数・数学シラバス開発や、「21世紀に求められる力」について調査研究。
– 2007年よりNPO法人CRET研究員兼務。『21 世紀スキルとしての問題解決力と国際的な評価の枠組み』などを調査研究。
– 2010年社内コンペ「10年後事業プロジェクト」にGlobal Mathを応募。社長賞受賞。
– 2012年デジタル戦略推進部にて、アメリカ中学生向け数学アプリ開発プロジェクトに参画し、クラウド上で多国籍の遠隔スタッフとコンテンツ開発。
– 2014年より現職 22
OECDキーコンピテンシー 「コンピテンシー(能力)」とは:
単なる知識や技能だけではなく、
技能や態度を含む様々な心理的・社会的なリソースを活用して、
特定の文脈の中で複雑な要求(課題)に対応することができる力。
出典:文部科学省 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/016/siryo/06092005/002/001.htm
社会・文化的、技術的ツールを相互作用的に活用する能力
多様な集団における人間関係形成能力
自立的に行動する能力
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日本の教育行政へのPISAの影響 • 現行学習指導要領に「活用力」導入(小学校2011年~)
• 全国学力・学習状況調査スタート(2007年~)
A問題: 主として「知識」に関する問題
B問題: 主として「活用」に関する問題
出典:文部科学省 http://www.nier.go.jp/tyousakekka/gaiyou_shou/19shou_houkoku2.pdf
正答率:96.0% 正答率:18.2%
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ベネッセホールディングス エドテックラボ
Benesse Holdings, Inc. EdTech Lab
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http://globalmath.info/lp/about/
問題解決のステップで使われる、9つの思考力
①抽象化力
②規則 認識力
発見 計画 実行 見直し
③分類力
⑦ナンバーセンス ⑧空間センス ⑨関数のセンス
④計画力 ⑤実行力 ⑥見直し力
問題解決のステップ
問題を理解したり、発見する
問題解決の計画を立てる
計画に基づき、実行する
計画に基づき、実行する
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(例)Magic of the Hatの場合:規則認識力
学習指導要領:数量関係のねらい 伴って変わる二つの数量の関係を表したり調べたりすることができるようにする。
小学校 中学校 高校 社会
2 4
5 25
3 9
8 ?
1 1
5 125
3 27
8 ?
気温 アイス売上 時期 電車混雑 温度 味 ・・・ ・・・
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ゲームの内容について
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数学的思考力のゲームなので、「方程式の知識を学んだり」、「計算だけをひたすらする」ゲームではなく、あなたが数学的に考える力が身に付くと思うゲームを作ってください。
初級
中級
上級
計算ドリル 分類力
規則認識力
抽象化力
実行力
振り返り力
戦略力
ナンバーセンス
空間センス
関数のセンス
32 × 121=?
数学的思考力 きまりを見つける力、どんな順番で解けばいいかを考える力など、数学的に考える力(数学的思考力)を身につけるゲームです。
小中 中高 高大 主に、小中
グローバルマスの基本価値 言語を使わないで、アルゴリズムを表現すること
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21世紀型能力の習得
協働型問題解決能力など
問題解決のステップで使う9つの力
プレイヤー クリエイター
企画 仕様 開発
ルール作り…① アルゴリズム…② フローチャート 仕様書
コーディング…③ =アルゴリズム表現の1つ。
プレイ
授業実践…④
プチ開発 学校 個人 からだを動かす
大人も是非!
優先課題:国内外プレイヤー増
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小学校 中学校 高校 大学
学校
学校外
Benesse
①ICT支援員
②自治体
③学会・カンファレンス
④口コミ
学童 塾 自治体センター
図書館 博物館
学校導入目標:300校 アクティブプレイヤー目標:3万人
⑤ウェブ告知
米国The Tech, ISTEでの普及活動 http://globalmath.info/lp/result/
国内では、
日本数学教育学会、日本教師学会にてブース展示。
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ロジキュー プレイログ分析 • 最終レベル完了者15名の分析
• レベル別のプレイ時間を見ると、レベル8,14,16,19,20で時間がかかっていることがわかる。
• プレイ時間の全体平均値は、150秒(2分30秒)。レベル8とレベル14以上は平均値以上で、プレイ時間が長い。
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グローバルマスのゲームを作って教育貢献してみませんか?
コンテスト2015
• 時期:2016年3月19日(土)13:00~16:00<予定> – ゲームエントリー〆切りは、3月上旬を予定。
• 場所:ベネッセホールディングス 新宿オフィス<予定>
–参加メリット
• 開発した学習ゲームが授業で使われる可能性がある
• プレイデータからプレイ状況のフィードバックがもらえる
• ゲームの著作権はクリエイター
コンテスト時期にかかわらず、もっと前に、提出していただくことも可能です。
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あなたの開発したゲームが、教育に革新をもたらすのです
お問い合わせフォームでのご連絡、お待ちしています https://www.globalmath.info/globalmath_pfweb/contact?locale=1
Global Math 2015 コンテストに 参加してみませんか?
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東京工科大学の参加
• 2013年度(2014年1月から3月)
「Global Math2013コンテスト」参加
• 5タイトルを制作
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BLOCK ARTIST Paint Paint コロピタ Track Racer Route Quest
東京工科大学の参加
• 2014年度(2015年1月から3月)
「Global Math2014コンテスト」参加
• 制作した8タイトル
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てくてくロボット Halving Ice 3D Memory Honey Panic
of Kumama
数学ゲーム作りのポイント
『てくてくロボット』
ターゲット:小中学生、数学・算数の嫌いな人
学習目標:「振り返り力」「戦略力」「実行力」を楽しく身に付ける
ゲーム内容:画面内にいるロボットにパネルを使って指示を出し,全
ての植木鉢に水をやり花を咲かせるパズルゲーム
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自己紹介 後藤 誠 (ごとう まこと)
• マッチロック株式会社 BISHAMONエバンジェリスト/部長
– 19歳より夜間の大学に通いながらアルバイトで入ったゲーム会社に就職。
– 22歳ときセガから発売の「PICO」の第1本目のソフト開発にメインプログラマーとして携わり、教育玩具としてのゲームに大きな可能性を感じた。
– その後、10年間のフリーランスを経て32歳のとき結婚を機にスクウェア(現スクウェア・エニックス)に入社。イベントシステムやデザイナー、プランナーのためのゲームの開発環境ツールの開発に従事。社内エンジン開発にも関わる。
– 2007年、東京大学で開催されたCEDECに参加し「シリアスゲーム」というのを知り「PICO」のときに感じた大きな可能性を再確認。
– 現在、転職を経て現マッチロック社にて業務をこなすかたわら、個人としてのゲーム開発を進めている。
• GDC2013のシリアスゲームのセッションに参加したときの衝撃! – 学校とゲーム開発会社が教材開発
– 学校にゲームデザイナーがいる
– 複数の学校がどのように学びの目的に合わせたゲームを開発するかその知見を出しあい議論していた
– ゲーム関連で学位がとれる学校は400校以上ある
ゲーム産業界からの参加提案
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• GDC2013のシリアスゲームのセッションに参加したときの衝撃! – 教育機関などが資金を出しゲームを
活用して教育に活かしている。
– 大きな産業となっている。
– ゲーム開発者の育成にも大きく貢献している。
– 日本ではこの渦がまだ小さい。
ゲーム産業界からの参加提案
学校 ゲーム開発会社
ゲーム開発者の育成
ゲームを使った教育
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このような渦が大きくなりゲーム業界との連携がもっと進めばと願っていましたが、「
Global Math」を知った時、大きな「きっかけ」になるのでは?と感じました!
ゲーム産業界からの参加提案
遊び・娯楽
遊び・娯楽 日本でも・・・
教育目的
:
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• 「ゲーム開発者育成」のプラットフォームになり得る – 「Global Math」を通して中高生が自分もゲーム開発に参加
– (より優秀な開発者が育つ土壌)
• 将来的にはゲーム開発者の「新たな活躍の場」拡大への期待 – 「Global Math」を通して教育現場での「ゲームの有効性」が伝わる
– 将来、ゲームへの理解が進めば、アメリカやオランダのように教育機関からの 「大きな資金」によってゲーム開発が出来る日もくるかもしれない。 (産学連携による新たなゲーム開発資金)
ゲーム産業界からの参加提案
日本のゲーム業界にとって…
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• 企画を1つ独断で選ぶ
• HTML5+JavaScript+enchant.jsが初めてだったので本を買込み勉強
• 早速、制作開始!
• 土日にちょこちょこと開発… (絵もBGMも…)
ゲーム産業界からの参加提案
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• 結局3回ほど作り直し、妻から 「面白くなってきた!」 と言われたので、これだ!と思い、そのまま進めることに!
• 現在、Global MathのAPIに対応を進めています。 (リリースまでもう少し)
ゲーム産業界からの参加提案
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ちなみに私の・・・
本業とは全く関係がありません! 現在「趣味の範囲」で応援しているのが現状です。
まだ開発も学生が中心のプラットフォームですが、今後の
日本のゲーム業界のより良い未来 を目指して、様々な形で応援したいと考えています。
ゲーム産業界からの参加提案
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まとめ
• 世界のシリアスゲーム
• ベネッセの提唱する「21世紀型能力」「協働型問題解能力」
• 「Global Math」プロジェクト
• エンタテインメントゲームと学習ゲームのゲームデザインの違い
• 「Global Math」コンテストに参加するメリット
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Q&A
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後藤 誠
マッチロック株式会社
BISHAMONエバンジェリスト
岸本 好弘
東京工科大学
メディア学部 准教授
星 千枝
ベネッセホールディングス
EdTech Lab主任研究員
教育での利用を目的とする数学ゲーム 「Global Math」3年間の試みとゲーム産業界への期待