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2018年度活動成果報告会 組織力強化研究会 2019年4月18日

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Page 1: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

2018年度活動成果報告会組織力強化研究会

2019年4月18日

本日のアジェンダ

第一部 活動概要ndash 研究活動概要

ndash 活動実績

ndash 共通定義

第二部 研究成果報告

おわりに

1

第一部 活動概要

研究活動概要

3

ユーザー企業のIT部門を核としたIT組織の強化策を研究する下記を共通課題とし詳細テーマに分かれて議論の上結論をまとめる

デジタル化時代に則したIT組織体制やマネジメントとは何か

デジタル化の流れにいかに取り組んでいくか

自社のIT部門やIT担当者だけで担うにはもはや限界

本研究会のスタンス本研究会のスタンス

デザイン思考によるIT組織活性化

デザイン思考を学び体験的活動で導くIT組織のあるべき

姿とレベル向上の施策

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化

施策ための組織施策

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

デジタルイノベーションビジネス変革に対応する

人財戦略とそれを実現するための組織施策

テーマ1テーマ1 テーマ2 テーマ3

課題

社内システムの企画開

発運用セキュリティ

ガバナンスetc

IT部門への期待IT部門への期待

進etc

業務改革事業改革

新規サービス創出

デジタルビジネスの推

進etc

従来のIT機能 新たなIT機能

参考研究テーマの変遷

2012年

組織モデル

組織構成

組織役割

2013年 2014年 2015年 2016年 2018年

人材の多様性と専門性で強い組織形成

組織能力

コミュニケー

ション

人材戦略

イノベーション

その他

つなげるビジネスとITを

つなげる モデル強いIT組織の

モデル

従来組織と次世代組織のハイブリッド構成

サイクルモデルビジョン浸透

サイクルモデル

あるべき姿強いIT部門のあるべき姿 あるべき姿

強いIT組織のあるべき姿 るべき姿と施策

強いIT組織のあるべき姿と施策 るべき姿と施策

強いIT組織のあるべき姿と施策

プロ集団育成における組織能力とその評価軸

参加企業の事例から導かれる成功要因

IT組織における成熟

上させる施策

IT組織における成熟度定義と成熟度を向

上させる施策

せる3つのrdquoわrdquo組織を活性化させる3つのrdquoわrdquo

IT組織のToBe像

ひっぱるたばねる

による組織力強化

ひっぱるたばねるつなげる機能連携による組織力強化

強いIT組織になるために必要な人財戦略

強いIT組織になるために必要な人財戦略

デジタル時代に向けたIT組織力強化 けたIT組織力強化

デジタル時代に向けたIT組織力強化

10年度の環境変化に適応する強いIT組織

による組織力強化人のつながり強化による組織力強化

成熟させる施策強いIT組織に

成熟させる施策

2018年

デザイン思考によるIT組織活性化

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

4

活動実績

5

回 開催日程 開催場所 内容

第1回 20180529(火) JUAS bull 研究会活動概要説明メンバー自己紹介bull 講演(ピーエムアラインメント中谷英雄様)

第2回 20180620(水) 東京海上日動システムズ bull簡易アイデアソンテーマ別検討会

第3回 20180720(金)-21(土)

プラザヴェルデふじのくに千本松フォーラム(沼津)

bull アイスブレーク(ペーパータワー)bull 講演(ディーエヌエー成田敏博様)bull テーマ別集中検討会

第4回 20180828(火) 三菱ケミカル bull ショールーム見学bull テーマ別検討会

追加 20180903(月) JUAS bull 講演(ピーエムアラインメント中谷英雄様)

第5回 20180925(火) JUAS bull テーマ別検討会

第6回 20181023(火) 東日本旅客鉄道 bull 鉄道博物館見学bull テーマ別検討会

第7回 20181120(火) JUAS bullテーマ別検討会

第8回 20181218(火) JUAS bullテーマ別検討会

第9回 20190122(火) JUAS bullテーマ別集中検討会

第10回 20190215(金)-16(土)

ANAホリディイン金沢スカイ

bullテーマ別最終検討会

第11回 20190318(月) JUAS bullテーマ別最終成果報告会

共通定義-強いIT組織の定義

【ねらい】経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する

モード2SoE(攻め)

業務改革ビジネス創出の提案

上記を達成するためにIT組織に求められる要素

投資判断

システム化の提案

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

強いIT組織とはコスト削減や効率化を重視するSoR(System of Record)と柔軟性や俊敏性が求められるSoE(System of Engagement)の双方の情報システムが共存し連携または使い分けることのできる組織と定義する(2015年ガートナー社提唱のバイモーダルITを参考)

連携

6

強いIT組織の対象

共通定義-強いIT組織の対象

強いIT組織の対象はテーマによって異なるいずれテーマもSoE(攻め)の機能を求められるため事業部門新規デジタル部門が含まれる

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社

テーマ2

テーマ3テーマ1テーマ1

7

共通定義-デジタル化デジタルイノベーションの定義

デジタル化とデジタルイノベーションを以下のように定義するデジタル化既存新規領域問わずITを活用した業務改善と事業創造デジタルイノベーションデジタル化のうち既存領域からの発展拡大と新規領域への挑戦

IT

非IT

新規事業領域

既存事業領域 全く新たな事業

領域への挑戦

ITを活用した既存事業領域における業務改善

既存事業領域における業務改善

事業創造(イノベーション)

業務改善(インプルーブメント)

拡大

ITを活用した既存事業領域からの発展

拡大

既存事業領域からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

デジタル化 デジタルイノベーション

8

第二部 研究成果報告

チーム1

デザイン思考によるIT組織活性化

目次

1活動概要(1)メンバー紹介(2)活動実績の紹介(3)研究成果概要

2研究成果について(1)強いIT組織とは(2)デザイン思考の適用可能範囲(仮説)(3)なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化(4)なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション(5)デザイン思考を学ぶ(6)デザイン思考導入に向けた課題分析(7)デザイン思考導入に向けた3つの課題

11

活動実績の紹介

【 イノベーションの取り組みに関する企業調査】

[727-28]沼津合宿

DeNA成田様ご講演

[828]三菱

ケミカル様訪問

[1023]JR東日本様

訪問

[318]最終成果

報告

[215-16]金沢合宿

21 3 4 追加 5 6 7 8 9 10

[529]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第1回レクチャー

化学業界(IT部門)

不動産業界(本体)

化学業界(本体)

製菓業界(本体)

集中討議オリエン

テーション

デザイン思考体験

11

[95]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第2回レクチャー

デザイン思考の組織への取

込を議論

調査結果をインプット

組織への取込について課題抽出議論

[620]東京海上日動システムズ様

訪問

デザイン思考体験

12

研究成果概要

当チームでは強いIT組織としての条件を経営戦略の実現収益拡大に貢献と位置づけその活動に「デザイン思考」が有効な手法であると仮説を立て議論を行った

まずデザイン思考への理解を深めるべく仮想企業のテーマに対してアイデアを出すところまでの体験活動を実施した

次に 「デザイン思考」を組織活動に取り込むにあたっての課題をメンバー間で議論およびヒアリング企業の事例を元に抽出し3テーマ(トップの牽引人材の多様性確保組織文化の醸成)に絞って検討を行った

「デザイン思考」はモード2組織のみならずモード1組織の業務改革でも有効なアプローチであり「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する」ことができる組織への変革が可能であるとの結果となった

13

強いIT組織とは

【強いIT組織】経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する組織

モード2SoE(攻め)

業務改革ビジネス創出の提案

上記を達成するためにIT組織に求められる要素

投資判断

システム化の提案

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

バイモーダル戦略をもとにIT組織の要素を下表のように分類した当チームでは「経営に貢献できる」ことが強いIT組織の条件であるとしそこにたどり着くために「デザイン思考」着目し課題抽出検討を行っていった

14

デザイン思考の適用可能範囲(仮説)

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

ITを活用した既存事業領域における業務改善

ITを活用した既存事業領域

からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

垂直思考ロジカル思考

水平思考デザイン思考

事業の安定品質に寄与する業務領域は従来から実施している「垂直思考ロジカルシンキング」による原因の掘り下げ対策が有効と考える一方で新たなビジネスや業務を変革するような領域は視点を変えたり直感的に発想したりする水平思考が有効であると考え世界的に多くの企業が取り入れている「デザイン思考」を活用することに焦点を当て検討をしていく

業務改革ビジネス創出の提案

モード2SoE(攻め)

15

なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化

マズローの欲求5段階説

【製品重視(プロダクトアウト志向) 】下記4P理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 商品(Product)bull 流通(Place)bull 価格(Price)bull 販促(Promotion)

自己

実現

欲求

尊厳

欲求

社会的欲求

安全欲求

生理的欲求

ৈઃඟ

ઃඟ

【顧客重視 (マーケットイン志向) 】下記4C理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 顧客にとっての価値(Customer value)bull 顧客が費やすお金(Customer cost)bull 顧客にとっての利便性(Convinience)bull 顧客とのコミュニケーション(Communication)

【顧客(個客)の自己実現重視】下記アクションでラテラル(水平型)マーケティングbull 多様な人材タイプとの人脈ネットワーク構築bull 顧客が求める理想像を敏感に察知bull パーソナライゼーション(顧客rArr個客)bull データ分析を駆使した新たなニーズ発見bull 無関係に見えるものの関係づけbull 当たり前を打破する分析質問試行bull 仮説設定および試行によるビジネスモデル創出

【カスタマージャーニー1重

視lsquo+2P理論rsquo】bull プロセス

(Process)bull 顧客管理

(Profile)

従来型 イノベーション型

レベル1

レベル2

レベル3

1顧客が自社を「認知」「調査」して「購入」した後他者に「推奨」するまでの一連の顧客行動プロセス

市場(顧客)欲求 マーケティングの変遷

顧客(個客)の真のニーズ「インサイト」の発見が重要

16

なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション

(出典)総務省 平成30年版情報通信白書「我が国のICTの現状に関する調査研究」

通信速度の急速な向上(1960年代300bpsrarr現在100Mbpsrarrそして10Gbps)それに合わせてCPU処理能力の飛躍的な向上ストーレージの大容量化を背景にデジタルトランスフォーメーションが加速度的に進んでいる

従来の垂直思考による問題解決型ではもはや限界

水平思考による新たなアイデアにチャレンジし価値創造や競争優位を確立していく

全ての事象をデジタル化

コンピュータ(AI)が得る情報の拡大

「人」「もの」「金」の概念が変化

場所距離という制約が無くなっていく

「もの」を得ることの重要性が下がりできる「こと」が関心ごとの中心へ

17

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考とは~

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

調査分析(Observation)

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

統合(Synthesis) bull可視化

bull具体化bull実現化bull試作化

bull可視化bull具体化bull実現化bull試作化

Prototyping

≪デザイン思考プロセス≫

人間中心思考

共同型チーム

非線形プロセス

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

実際につくってみて実現性をみる実際につくってみて実現性をみる

18

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考の体験~

1 チーム1メンバー全員を対象に「ハーマンモデル」を使ったタイプ分析を実施

2 タイプの異なる人員構成で仮想IT組織を2グループ編成

3 2グループ毎に新サービスのテーマを設定しデザイン思考を活用してアイデア創出活動を実施

4 アイデアを創出した結果を「バリュープロポジションキャンパス」に展開

1 グループAテーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

グループBテーマ【食品】

ダイエットに役立つ商品の企画

2

調査Reserch

分析Analisis

統合Synthesis

実現Realization

3

4

19

テーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

宗教上の制約手続き時間がかかるのは嫌だ自分でサービスを探すのは面倒食べられない食事があるおいしくない食事をしたくない移動するのが面倒言葉の壁お金を使いたくない

目的だけ伝えると必要なことはしてもらえる

言わなくてもおいしい(好みの)食事がいつでも用意される

満足感(幸福感)が得られる機内で利便性が得られる(Wifi等)

安全安心なフライト搭乗手続き等が簡単短時間プライベート感あるサービス

ポスト2020オリンピック効果による経済成長とその後の縮小人の流入政府企業による環境技術発展

ロボット無人運転等AI超高速通信映像(8K)

サプライズによる満足感(幸福感)限定感による満足感(幸福感)顧客の好みを収集し好み通りの食事サービスや利便性を提供

宗教上の問題を考慮してもらえる手続き最短サービス自動提供宗教上アレルギー等の考慮された食事好みを踏まえた食事移動は必要最低限自動翻訳通訳で言葉のストレス減価格を上げることなくサービス提供

AIコンシェルジュ(執事メイド)MR体験旅行MRMixed Reality(複合現実)

Happy Surprise サービス

リピート顧客の獲得パーソナル感オリジナリティ席を売るrarr体験を売るへ搭乗前到着後もサービス対象

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループA~

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

20

バリューマップ 顧客プロフィール

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

痩せたいスタイルを良くしたい

bull 食事はこのままbull ジムに通う時間がないbull 体を動かすのは嫌い

特別なトレーニングや食事制限なしに痩せたい

よい姿勢を常時意識させることで筋肉を使用代謝を高め脂肪を減らす

bull ジムへ通わなくてよいbull 動かすトレーニングは

不要bull 食事は制限なし

姿勢ダイエットと名付けてノウハウを教本として販売コンサルティングも実施する

テーマ【食品】ダイエットに役立つ商品の企画

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループB~

21

デザイン思考導入に向けた課題分析

イノベーション組織(モード2SoE)

既存事業組織(モード1SoR)

体制最小化高生産性安定性

システム基盤整備

他社との強力なパートナーシップ QCD以外の

評価QCD以外の

評価

情報子会社は何を担うのか情報子会社は何を担うのか

既存業務が負担となる

業務改善にデザイン思考は使えるか

業務改善にデザイン思考は使えるか

モード12の資金バランスはモード12の

資金バランスは

試作PoCから運用化事業化

できないビジネス拡大は既

存事業部へ

協働役割分担協働役割分担

多様な人財確保

キャリ活キャリ活

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

POCまではスピード感があるのだがPOCまではスピード感があるのだが

ビジネス拡大をどの組織でビジネス拡大をどの組織で

事業化への強制力が必要

事業化への強制力が必要

RPAによる業務自動化

クラウド化システム資産

「所有」rArr「利用」

既存組織のモチベーションダ

ウン

イノベーションに特化した組織作

今までの文化イノベーション困

チャレンジ(ビジネス的失敗)を繰り返す必要

同じ成功は許さない

同じ成功は許さない

社員の自律性社員の自律性

局面ごとの人財確保

社長権限で立上げ人財確保

社長権限で立上げ人財確保

文化がネック厳格性垂直

思考

文化がネック厳格性垂直

思考

QCD評価QCD評価

ポジティブ要因ネガティブ要因

既存IT領域の発展拡大を行う文化がない

イノベーションを起こす文化醸成

が必要

費用対効果が重要

費用対効果が重要

トップの強力な牽引

課題①トップ

22

イノベーションを起こす環境からみた課題

出所経済産業省平成27年度総合調査研究「企業社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」

デザイン思考導入

課題①トップ

課題②多様性課題③

文化醸成

23

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

24

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

25

【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

28

人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 2: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

本日のアジェンダ

第一部 活動概要ndash 研究活動概要

ndash 活動実績

ndash 共通定義

第二部 研究成果報告

おわりに

1

第一部 活動概要

研究活動概要

3

ユーザー企業のIT部門を核としたIT組織の強化策を研究する下記を共通課題とし詳細テーマに分かれて議論の上結論をまとめる

デジタル化時代に則したIT組織体制やマネジメントとは何か

デジタル化の流れにいかに取り組んでいくか

自社のIT部門やIT担当者だけで担うにはもはや限界

本研究会のスタンス本研究会のスタンス

デザイン思考によるIT組織活性化

デザイン思考を学び体験的活動で導くIT組織のあるべき

姿とレベル向上の施策

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化

施策ための組織施策

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

デジタルイノベーションビジネス変革に対応する

人財戦略とそれを実現するための組織施策

テーマ1テーマ1 テーマ2 テーマ3

課題

社内システムの企画開

発運用セキュリティ

ガバナンスetc

IT部門への期待IT部門への期待

進etc

業務改革事業改革

新規サービス創出

デジタルビジネスの推

進etc

従来のIT機能 新たなIT機能

参考研究テーマの変遷

2012年

組織モデル

組織構成

組織役割

2013年 2014年 2015年 2016年 2018年

人材の多様性と専門性で強い組織形成

組織能力

コミュニケー

ション

人材戦略

イノベーション

その他

つなげるビジネスとITを

つなげる モデル強いIT組織の

モデル

従来組織と次世代組織のハイブリッド構成

サイクルモデルビジョン浸透

サイクルモデル

あるべき姿強いIT部門のあるべき姿 あるべき姿

強いIT組織のあるべき姿 るべき姿と施策

強いIT組織のあるべき姿と施策 るべき姿と施策

強いIT組織のあるべき姿と施策

プロ集団育成における組織能力とその評価軸

参加企業の事例から導かれる成功要因

IT組織における成熟

上させる施策

IT組織における成熟度定義と成熟度を向

上させる施策

せる3つのrdquoわrdquo組織を活性化させる3つのrdquoわrdquo

IT組織のToBe像

ひっぱるたばねる

による組織力強化

ひっぱるたばねるつなげる機能連携による組織力強化

強いIT組織になるために必要な人財戦略

強いIT組織になるために必要な人財戦略

デジタル時代に向けたIT組織力強化 けたIT組織力強化

デジタル時代に向けたIT組織力強化

10年度の環境変化に適応する強いIT組織

による組織力強化人のつながり強化による組織力強化

成熟させる施策強いIT組織に

成熟させる施策

2018年

デザイン思考によるIT組織活性化

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

4

活動実績

5

回 開催日程 開催場所 内容

第1回 20180529(火) JUAS bull 研究会活動概要説明メンバー自己紹介bull 講演(ピーエムアラインメント中谷英雄様)

第2回 20180620(水) 東京海上日動システムズ bull簡易アイデアソンテーマ別検討会

第3回 20180720(金)-21(土)

プラザヴェルデふじのくに千本松フォーラム(沼津)

bull アイスブレーク(ペーパータワー)bull 講演(ディーエヌエー成田敏博様)bull テーマ別集中検討会

第4回 20180828(火) 三菱ケミカル bull ショールーム見学bull テーマ別検討会

追加 20180903(月) JUAS bull 講演(ピーエムアラインメント中谷英雄様)

第5回 20180925(火) JUAS bull テーマ別検討会

第6回 20181023(火) 東日本旅客鉄道 bull 鉄道博物館見学bull テーマ別検討会

第7回 20181120(火) JUAS bullテーマ別検討会

第8回 20181218(火) JUAS bullテーマ別検討会

第9回 20190122(火) JUAS bullテーマ別集中検討会

第10回 20190215(金)-16(土)

ANAホリディイン金沢スカイ

bullテーマ別最終検討会

第11回 20190318(月) JUAS bullテーマ別最終成果報告会

共通定義-強いIT組織の定義

【ねらい】経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する

モード2SoE(攻め)

業務改革ビジネス創出の提案

上記を達成するためにIT組織に求められる要素

投資判断

システム化の提案

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

強いIT組織とはコスト削減や効率化を重視するSoR(System of Record)と柔軟性や俊敏性が求められるSoE(System of Engagement)の双方の情報システムが共存し連携または使い分けることのできる組織と定義する(2015年ガートナー社提唱のバイモーダルITを参考)

連携

6

強いIT組織の対象

共通定義-強いIT組織の対象

強いIT組織の対象はテーマによって異なるいずれテーマもSoE(攻め)の機能を求められるため事業部門新規デジタル部門が含まれる

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社

テーマ2

テーマ3テーマ1テーマ1

7

共通定義-デジタル化デジタルイノベーションの定義

デジタル化とデジタルイノベーションを以下のように定義するデジタル化既存新規領域問わずITを活用した業務改善と事業創造デジタルイノベーションデジタル化のうち既存領域からの発展拡大と新規領域への挑戦

IT

非IT

新規事業領域

既存事業領域 全く新たな事業

領域への挑戦

ITを活用した既存事業領域における業務改善

既存事業領域における業務改善

事業創造(イノベーション)

業務改善(インプルーブメント)

拡大

ITを活用した既存事業領域からの発展

拡大

既存事業領域からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

デジタル化 デジタルイノベーション

8

第二部 研究成果報告

チーム1

デザイン思考によるIT組織活性化

目次

1活動概要(1)メンバー紹介(2)活動実績の紹介(3)研究成果概要

2研究成果について(1)強いIT組織とは(2)デザイン思考の適用可能範囲(仮説)(3)なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化(4)なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション(5)デザイン思考を学ぶ(6)デザイン思考導入に向けた課題分析(7)デザイン思考導入に向けた3つの課題

11

活動実績の紹介

【 イノベーションの取り組みに関する企業調査】

[727-28]沼津合宿

DeNA成田様ご講演

[828]三菱

ケミカル様訪問

[1023]JR東日本様

訪問

[318]最終成果

報告

[215-16]金沢合宿

21 3 4 追加 5 6 7 8 9 10

[529]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第1回レクチャー

化学業界(IT部門)

不動産業界(本体)

化学業界(本体)

製菓業界(本体)

集中討議オリエン

テーション

デザイン思考体験

11

[95]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第2回レクチャー

デザイン思考の組織への取

込を議論

調査結果をインプット

組織への取込について課題抽出議論

[620]東京海上日動システムズ様

訪問

デザイン思考体験

12

研究成果概要

当チームでは強いIT組織としての条件を経営戦略の実現収益拡大に貢献と位置づけその活動に「デザイン思考」が有効な手法であると仮説を立て議論を行った

まずデザイン思考への理解を深めるべく仮想企業のテーマに対してアイデアを出すところまでの体験活動を実施した

次に 「デザイン思考」を組織活動に取り込むにあたっての課題をメンバー間で議論およびヒアリング企業の事例を元に抽出し3テーマ(トップの牽引人材の多様性確保組織文化の醸成)に絞って検討を行った

「デザイン思考」はモード2組織のみならずモード1組織の業務改革でも有効なアプローチであり「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する」ことができる組織への変革が可能であるとの結果となった

13

強いIT組織とは

【強いIT組織】経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する組織

モード2SoE(攻め)

業務改革ビジネス創出の提案

上記を達成するためにIT組織に求められる要素

投資判断

システム化の提案

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

バイモーダル戦略をもとにIT組織の要素を下表のように分類した当チームでは「経営に貢献できる」ことが強いIT組織の条件であるとしそこにたどり着くために「デザイン思考」着目し課題抽出検討を行っていった

14

デザイン思考の適用可能範囲(仮説)

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

ITを活用した既存事業領域における業務改善

ITを活用した既存事業領域

からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

垂直思考ロジカル思考

水平思考デザイン思考

事業の安定品質に寄与する業務領域は従来から実施している「垂直思考ロジカルシンキング」による原因の掘り下げ対策が有効と考える一方で新たなビジネスや業務を変革するような領域は視点を変えたり直感的に発想したりする水平思考が有効であると考え世界的に多くの企業が取り入れている「デザイン思考」を活用することに焦点を当て検討をしていく

業務改革ビジネス創出の提案

モード2SoE(攻め)

15

なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化

マズローの欲求5段階説

【製品重視(プロダクトアウト志向) 】下記4P理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 商品(Product)bull 流通(Place)bull 価格(Price)bull 販促(Promotion)

自己

実現

欲求

尊厳

欲求

社会的欲求

安全欲求

生理的欲求

ৈઃඟ

ઃඟ

【顧客重視 (マーケットイン志向) 】下記4C理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 顧客にとっての価値(Customer value)bull 顧客が費やすお金(Customer cost)bull 顧客にとっての利便性(Convinience)bull 顧客とのコミュニケーション(Communication)

【顧客(個客)の自己実現重視】下記アクションでラテラル(水平型)マーケティングbull 多様な人材タイプとの人脈ネットワーク構築bull 顧客が求める理想像を敏感に察知bull パーソナライゼーション(顧客rArr個客)bull データ分析を駆使した新たなニーズ発見bull 無関係に見えるものの関係づけbull 当たり前を打破する分析質問試行bull 仮説設定および試行によるビジネスモデル創出

【カスタマージャーニー1重

視lsquo+2P理論rsquo】bull プロセス

(Process)bull 顧客管理

(Profile)

従来型 イノベーション型

レベル1

レベル2

レベル3

1顧客が自社を「認知」「調査」して「購入」した後他者に「推奨」するまでの一連の顧客行動プロセス

市場(顧客)欲求 マーケティングの変遷

顧客(個客)の真のニーズ「インサイト」の発見が重要

16

なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション

(出典)総務省 平成30年版情報通信白書「我が国のICTの現状に関する調査研究」

通信速度の急速な向上(1960年代300bpsrarr現在100Mbpsrarrそして10Gbps)それに合わせてCPU処理能力の飛躍的な向上ストーレージの大容量化を背景にデジタルトランスフォーメーションが加速度的に進んでいる

従来の垂直思考による問題解決型ではもはや限界

水平思考による新たなアイデアにチャレンジし価値創造や競争優位を確立していく

全ての事象をデジタル化

コンピュータ(AI)が得る情報の拡大

「人」「もの」「金」の概念が変化

場所距離という制約が無くなっていく

「もの」を得ることの重要性が下がりできる「こと」が関心ごとの中心へ

17

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考とは~

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

調査分析(Observation)

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

統合(Synthesis) bull可視化

bull具体化bull実現化bull試作化

bull可視化bull具体化bull実現化bull試作化

Prototyping

≪デザイン思考プロセス≫

人間中心思考

共同型チーム

非線形プロセス

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

実際につくってみて実現性をみる実際につくってみて実現性をみる

18

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考の体験~

1 チーム1メンバー全員を対象に「ハーマンモデル」を使ったタイプ分析を実施

2 タイプの異なる人員構成で仮想IT組織を2グループ編成

3 2グループ毎に新サービスのテーマを設定しデザイン思考を活用してアイデア創出活動を実施

4 アイデアを創出した結果を「バリュープロポジションキャンパス」に展開

1 グループAテーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

グループBテーマ【食品】

ダイエットに役立つ商品の企画

2

調査Reserch

分析Analisis

統合Synthesis

実現Realization

3

4

19

テーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

宗教上の制約手続き時間がかかるのは嫌だ自分でサービスを探すのは面倒食べられない食事があるおいしくない食事をしたくない移動するのが面倒言葉の壁お金を使いたくない

目的だけ伝えると必要なことはしてもらえる

言わなくてもおいしい(好みの)食事がいつでも用意される

満足感(幸福感)が得られる機内で利便性が得られる(Wifi等)

安全安心なフライト搭乗手続き等が簡単短時間プライベート感あるサービス

ポスト2020オリンピック効果による経済成長とその後の縮小人の流入政府企業による環境技術発展

ロボット無人運転等AI超高速通信映像(8K)

サプライズによる満足感(幸福感)限定感による満足感(幸福感)顧客の好みを収集し好み通りの食事サービスや利便性を提供

宗教上の問題を考慮してもらえる手続き最短サービス自動提供宗教上アレルギー等の考慮された食事好みを踏まえた食事移動は必要最低限自動翻訳通訳で言葉のストレス減価格を上げることなくサービス提供

AIコンシェルジュ(執事メイド)MR体験旅行MRMixed Reality(複合現実)

Happy Surprise サービス

リピート顧客の獲得パーソナル感オリジナリティ席を売るrarr体験を売るへ搭乗前到着後もサービス対象

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループA~

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

20

バリューマップ 顧客プロフィール

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

痩せたいスタイルを良くしたい

bull 食事はこのままbull ジムに通う時間がないbull 体を動かすのは嫌い

特別なトレーニングや食事制限なしに痩せたい

よい姿勢を常時意識させることで筋肉を使用代謝を高め脂肪を減らす

bull ジムへ通わなくてよいbull 動かすトレーニングは

不要bull 食事は制限なし

姿勢ダイエットと名付けてノウハウを教本として販売コンサルティングも実施する

テーマ【食品】ダイエットに役立つ商品の企画

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループB~

21

デザイン思考導入に向けた課題分析

イノベーション組織(モード2SoE)

既存事業組織(モード1SoR)

体制最小化高生産性安定性

システム基盤整備

他社との強力なパートナーシップ QCD以外の

評価QCD以外の

評価

情報子会社は何を担うのか情報子会社は何を担うのか

既存業務が負担となる

業務改善にデザイン思考は使えるか

業務改善にデザイン思考は使えるか

モード12の資金バランスはモード12の

資金バランスは

試作PoCから運用化事業化

できないビジネス拡大は既

存事業部へ

協働役割分担協働役割分担

多様な人財確保

キャリ活キャリ活

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

POCまではスピード感があるのだがPOCまではスピード感があるのだが

ビジネス拡大をどの組織でビジネス拡大をどの組織で

事業化への強制力が必要

事業化への強制力が必要

RPAによる業務自動化

クラウド化システム資産

「所有」rArr「利用」

既存組織のモチベーションダ

ウン

イノベーションに特化した組織作

今までの文化イノベーション困

チャレンジ(ビジネス的失敗)を繰り返す必要

同じ成功は許さない

同じ成功は許さない

社員の自律性社員の自律性

局面ごとの人財確保

社長権限で立上げ人財確保

社長権限で立上げ人財確保

文化がネック厳格性垂直

思考

文化がネック厳格性垂直

思考

QCD評価QCD評価

ポジティブ要因ネガティブ要因

既存IT領域の発展拡大を行う文化がない

イノベーションを起こす文化醸成

が必要

費用対効果が重要

費用対効果が重要

トップの強力な牽引

課題①トップ

22

イノベーションを起こす環境からみた課題

出所経済産業省平成27年度総合調査研究「企業社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」

デザイン思考導入

課題①トップ

課題②多様性課題③

文化醸成

23

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

24

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

25

【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

28

人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 3: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

第一部 活動概要

研究活動概要

3

ユーザー企業のIT部門を核としたIT組織の強化策を研究する下記を共通課題とし詳細テーマに分かれて議論の上結論をまとめる

デジタル化時代に則したIT組織体制やマネジメントとは何か

デジタル化の流れにいかに取り組んでいくか

自社のIT部門やIT担当者だけで担うにはもはや限界

本研究会のスタンス本研究会のスタンス

デザイン思考によるIT組織活性化

デザイン思考を学び体験的活動で導くIT組織のあるべき

姿とレベル向上の施策

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化

施策ための組織施策

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

デジタルイノベーションビジネス変革に対応する

人財戦略とそれを実現するための組織施策

テーマ1テーマ1 テーマ2 テーマ3

課題

社内システムの企画開

発運用セキュリティ

ガバナンスetc

IT部門への期待IT部門への期待

進etc

業務改革事業改革

新規サービス創出

デジタルビジネスの推

進etc

従来のIT機能 新たなIT機能

参考研究テーマの変遷

2012年

組織モデル

組織構成

組織役割

2013年 2014年 2015年 2016年 2018年

人材の多様性と専門性で強い組織形成

組織能力

コミュニケー

ション

人材戦略

イノベーション

その他

つなげるビジネスとITを

つなげる モデル強いIT組織の

モデル

従来組織と次世代組織のハイブリッド構成

サイクルモデルビジョン浸透

サイクルモデル

あるべき姿強いIT部門のあるべき姿 あるべき姿

強いIT組織のあるべき姿 るべき姿と施策

強いIT組織のあるべき姿と施策 るべき姿と施策

強いIT組織のあるべき姿と施策

プロ集団育成における組織能力とその評価軸

参加企業の事例から導かれる成功要因

IT組織における成熟

上させる施策

IT組織における成熟度定義と成熟度を向

上させる施策

せる3つのrdquoわrdquo組織を活性化させる3つのrdquoわrdquo

IT組織のToBe像

ひっぱるたばねる

による組織力強化

ひっぱるたばねるつなげる機能連携による組織力強化

強いIT組織になるために必要な人財戦略

強いIT組織になるために必要な人財戦略

デジタル時代に向けたIT組織力強化 けたIT組織力強化

デジタル時代に向けたIT組織力強化

10年度の環境変化に適応する強いIT組織

による組織力強化人のつながり強化による組織力強化

成熟させる施策強いIT組織に

成熟させる施策

2018年

デザイン思考によるIT組織活性化

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

4

活動実績

5

回 開催日程 開催場所 内容

第1回 20180529(火) JUAS bull 研究会活動概要説明メンバー自己紹介bull 講演(ピーエムアラインメント中谷英雄様)

第2回 20180620(水) 東京海上日動システムズ bull簡易アイデアソンテーマ別検討会

第3回 20180720(金)-21(土)

プラザヴェルデふじのくに千本松フォーラム(沼津)

bull アイスブレーク(ペーパータワー)bull 講演(ディーエヌエー成田敏博様)bull テーマ別集中検討会

第4回 20180828(火) 三菱ケミカル bull ショールーム見学bull テーマ別検討会

追加 20180903(月) JUAS bull 講演(ピーエムアラインメント中谷英雄様)

第5回 20180925(火) JUAS bull テーマ別検討会

第6回 20181023(火) 東日本旅客鉄道 bull 鉄道博物館見学bull テーマ別検討会

第7回 20181120(火) JUAS bullテーマ別検討会

第8回 20181218(火) JUAS bullテーマ別検討会

第9回 20190122(火) JUAS bullテーマ別集中検討会

第10回 20190215(金)-16(土)

ANAホリディイン金沢スカイ

bullテーマ別最終検討会

第11回 20190318(月) JUAS bullテーマ別最終成果報告会

共通定義-強いIT組織の定義

【ねらい】経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する

モード2SoE(攻め)

業務改革ビジネス創出の提案

上記を達成するためにIT組織に求められる要素

投資判断

システム化の提案

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

強いIT組織とはコスト削減や効率化を重視するSoR(System of Record)と柔軟性や俊敏性が求められるSoE(System of Engagement)の双方の情報システムが共存し連携または使い分けることのできる組織と定義する(2015年ガートナー社提唱のバイモーダルITを参考)

連携

6

強いIT組織の対象

共通定義-強いIT組織の対象

強いIT組織の対象はテーマによって異なるいずれテーマもSoE(攻め)の機能を求められるため事業部門新規デジタル部門が含まれる

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社

テーマ2

テーマ3テーマ1テーマ1

7

共通定義-デジタル化デジタルイノベーションの定義

デジタル化とデジタルイノベーションを以下のように定義するデジタル化既存新規領域問わずITを活用した業務改善と事業創造デジタルイノベーションデジタル化のうち既存領域からの発展拡大と新規領域への挑戦

IT

非IT

新規事業領域

既存事業領域 全く新たな事業

領域への挑戦

ITを活用した既存事業領域における業務改善

既存事業領域における業務改善

事業創造(イノベーション)

業務改善(インプルーブメント)

拡大

ITを活用した既存事業領域からの発展

拡大

既存事業領域からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

デジタル化 デジタルイノベーション

8

第二部 研究成果報告

チーム1

デザイン思考によるIT組織活性化

目次

1活動概要(1)メンバー紹介(2)活動実績の紹介(3)研究成果概要

2研究成果について(1)強いIT組織とは(2)デザイン思考の適用可能範囲(仮説)(3)なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化(4)なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション(5)デザイン思考を学ぶ(6)デザイン思考導入に向けた課題分析(7)デザイン思考導入に向けた3つの課題

11

活動実績の紹介

【 イノベーションの取り組みに関する企業調査】

[727-28]沼津合宿

DeNA成田様ご講演

[828]三菱

ケミカル様訪問

[1023]JR東日本様

訪問

[318]最終成果

報告

[215-16]金沢合宿

21 3 4 追加 5 6 7 8 9 10

[529]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第1回レクチャー

化学業界(IT部門)

不動産業界(本体)

化学業界(本体)

製菓業界(本体)

集中討議オリエン

テーション

デザイン思考体験

11

[95]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第2回レクチャー

デザイン思考の組織への取

込を議論

調査結果をインプット

組織への取込について課題抽出議論

[620]東京海上日動システムズ様

訪問

デザイン思考体験

12

研究成果概要

当チームでは強いIT組織としての条件を経営戦略の実現収益拡大に貢献と位置づけその活動に「デザイン思考」が有効な手法であると仮説を立て議論を行った

まずデザイン思考への理解を深めるべく仮想企業のテーマに対してアイデアを出すところまでの体験活動を実施した

次に 「デザイン思考」を組織活動に取り込むにあたっての課題をメンバー間で議論およびヒアリング企業の事例を元に抽出し3テーマ(トップの牽引人材の多様性確保組織文化の醸成)に絞って検討を行った

「デザイン思考」はモード2組織のみならずモード1組織の業務改革でも有効なアプローチであり「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する」ことができる組織への変革が可能であるとの結果となった

13

強いIT組織とは

【強いIT組織】経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する組織

モード2SoE(攻め)

業務改革ビジネス創出の提案

上記を達成するためにIT組織に求められる要素

投資判断

システム化の提案

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

バイモーダル戦略をもとにIT組織の要素を下表のように分類した当チームでは「経営に貢献できる」ことが強いIT組織の条件であるとしそこにたどり着くために「デザイン思考」着目し課題抽出検討を行っていった

14

デザイン思考の適用可能範囲(仮説)

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

ITを活用した既存事業領域における業務改善

ITを活用した既存事業領域

からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

垂直思考ロジカル思考

水平思考デザイン思考

事業の安定品質に寄与する業務領域は従来から実施している「垂直思考ロジカルシンキング」による原因の掘り下げ対策が有効と考える一方で新たなビジネスや業務を変革するような領域は視点を変えたり直感的に発想したりする水平思考が有効であると考え世界的に多くの企業が取り入れている「デザイン思考」を活用することに焦点を当て検討をしていく

業務改革ビジネス創出の提案

モード2SoE(攻め)

15

なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化

マズローの欲求5段階説

【製品重視(プロダクトアウト志向) 】下記4P理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 商品(Product)bull 流通(Place)bull 価格(Price)bull 販促(Promotion)

自己

実現

欲求

尊厳

欲求

社会的欲求

安全欲求

生理的欲求

ৈઃඟ

ઃඟ

【顧客重視 (マーケットイン志向) 】下記4C理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 顧客にとっての価値(Customer value)bull 顧客が費やすお金(Customer cost)bull 顧客にとっての利便性(Convinience)bull 顧客とのコミュニケーション(Communication)

【顧客(個客)の自己実現重視】下記アクションでラテラル(水平型)マーケティングbull 多様な人材タイプとの人脈ネットワーク構築bull 顧客が求める理想像を敏感に察知bull パーソナライゼーション(顧客rArr個客)bull データ分析を駆使した新たなニーズ発見bull 無関係に見えるものの関係づけbull 当たり前を打破する分析質問試行bull 仮説設定および試行によるビジネスモデル創出

【カスタマージャーニー1重

視lsquo+2P理論rsquo】bull プロセス

(Process)bull 顧客管理

(Profile)

従来型 イノベーション型

レベル1

レベル2

レベル3

1顧客が自社を「認知」「調査」して「購入」した後他者に「推奨」するまでの一連の顧客行動プロセス

市場(顧客)欲求 マーケティングの変遷

顧客(個客)の真のニーズ「インサイト」の発見が重要

16

なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション

(出典)総務省 平成30年版情報通信白書「我が国のICTの現状に関する調査研究」

通信速度の急速な向上(1960年代300bpsrarr現在100Mbpsrarrそして10Gbps)それに合わせてCPU処理能力の飛躍的な向上ストーレージの大容量化を背景にデジタルトランスフォーメーションが加速度的に進んでいる

従来の垂直思考による問題解決型ではもはや限界

水平思考による新たなアイデアにチャレンジし価値創造や競争優位を確立していく

全ての事象をデジタル化

コンピュータ(AI)が得る情報の拡大

「人」「もの」「金」の概念が変化

場所距離という制約が無くなっていく

「もの」を得ることの重要性が下がりできる「こと」が関心ごとの中心へ

17

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考とは~

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

調査分析(Observation)

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

統合(Synthesis) bull可視化

bull具体化bull実現化bull試作化

bull可視化bull具体化bull実現化bull試作化

Prototyping

≪デザイン思考プロセス≫

人間中心思考

共同型チーム

非線形プロセス

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

実際につくってみて実現性をみる実際につくってみて実現性をみる

18

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考の体験~

1 チーム1メンバー全員を対象に「ハーマンモデル」を使ったタイプ分析を実施

2 タイプの異なる人員構成で仮想IT組織を2グループ編成

3 2グループ毎に新サービスのテーマを設定しデザイン思考を活用してアイデア創出活動を実施

4 アイデアを創出した結果を「バリュープロポジションキャンパス」に展開

1 グループAテーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

グループBテーマ【食品】

ダイエットに役立つ商品の企画

2

調査Reserch

分析Analisis

統合Synthesis

実現Realization

3

4

19

テーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

宗教上の制約手続き時間がかかるのは嫌だ自分でサービスを探すのは面倒食べられない食事があるおいしくない食事をしたくない移動するのが面倒言葉の壁お金を使いたくない

目的だけ伝えると必要なことはしてもらえる

言わなくてもおいしい(好みの)食事がいつでも用意される

満足感(幸福感)が得られる機内で利便性が得られる(Wifi等)

安全安心なフライト搭乗手続き等が簡単短時間プライベート感あるサービス

ポスト2020オリンピック効果による経済成長とその後の縮小人の流入政府企業による環境技術発展

ロボット無人運転等AI超高速通信映像(8K)

サプライズによる満足感(幸福感)限定感による満足感(幸福感)顧客の好みを収集し好み通りの食事サービスや利便性を提供

宗教上の問題を考慮してもらえる手続き最短サービス自動提供宗教上アレルギー等の考慮された食事好みを踏まえた食事移動は必要最低限自動翻訳通訳で言葉のストレス減価格を上げることなくサービス提供

AIコンシェルジュ(執事メイド)MR体験旅行MRMixed Reality(複合現実)

Happy Surprise サービス

リピート顧客の獲得パーソナル感オリジナリティ席を売るrarr体験を売るへ搭乗前到着後もサービス対象

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループA~

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

20

バリューマップ 顧客プロフィール

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

痩せたいスタイルを良くしたい

bull 食事はこのままbull ジムに通う時間がないbull 体を動かすのは嫌い

特別なトレーニングや食事制限なしに痩せたい

よい姿勢を常時意識させることで筋肉を使用代謝を高め脂肪を減らす

bull ジムへ通わなくてよいbull 動かすトレーニングは

不要bull 食事は制限なし

姿勢ダイエットと名付けてノウハウを教本として販売コンサルティングも実施する

テーマ【食品】ダイエットに役立つ商品の企画

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループB~

21

デザイン思考導入に向けた課題分析

イノベーション組織(モード2SoE)

既存事業組織(モード1SoR)

体制最小化高生産性安定性

システム基盤整備

他社との強力なパートナーシップ QCD以外の

評価QCD以外の

評価

情報子会社は何を担うのか情報子会社は何を担うのか

既存業務が負担となる

業務改善にデザイン思考は使えるか

業務改善にデザイン思考は使えるか

モード12の資金バランスはモード12の

資金バランスは

試作PoCから運用化事業化

できないビジネス拡大は既

存事業部へ

協働役割分担協働役割分担

多様な人財確保

キャリ活キャリ活

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

POCまではスピード感があるのだがPOCまではスピード感があるのだが

ビジネス拡大をどの組織でビジネス拡大をどの組織で

事業化への強制力が必要

事業化への強制力が必要

RPAによる業務自動化

クラウド化システム資産

「所有」rArr「利用」

既存組織のモチベーションダ

ウン

イノベーションに特化した組織作

今までの文化イノベーション困

チャレンジ(ビジネス的失敗)を繰り返す必要

同じ成功は許さない

同じ成功は許さない

社員の自律性社員の自律性

局面ごとの人財確保

社長権限で立上げ人財確保

社長権限で立上げ人財確保

文化がネック厳格性垂直

思考

文化がネック厳格性垂直

思考

QCD評価QCD評価

ポジティブ要因ネガティブ要因

既存IT領域の発展拡大を行う文化がない

イノベーションを起こす文化醸成

が必要

費用対効果が重要

費用対効果が重要

トップの強力な牽引

課題①トップ

22

イノベーションを起こす環境からみた課題

出所経済産業省平成27年度総合調査研究「企業社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」

デザイン思考導入

課題①トップ

課題②多様性課題③

文化醸成

23

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

24

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

25

【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

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人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 4: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

研究活動概要

3

ユーザー企業のIT部門を核としたIT組織の強化策を研究する下記を共通課題とし詳細テーマに分かれて議論の上結論をまとめる

デジタル化時代に則したIT組織体制やマネジメントとは何か

デジタル化の流れにいかに取り組んでいくか

自社のIT部門やIT担当者だけで担うにはもはや限界

本研究会のスタンス本研究会のスタンス

デザイン思考によるIT組織活性化

デザイン思考を学び体験的活動で導くIT組織のあるべき

姿とレベル向上の施策

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化

施策ための組織施策

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

デジタルイノベーションビジネス変革に対応する

人財戦略とそれを実現するための組織施策

テーマ1テーマ1 テーマ2 テーマ3

課題

社内システムの企画開

発運用セキュリティ

ガバナンスetc

IT部門への期待IT部門への期待

進etc

業務改革事業改革

新規サービス創出

デジタルビジネスの推

進etc

従来のIT機能 新たなIT機能

参考研究テーマの変遷

2012年

組織モデル

組織構成

組織役割

2013年 2014年 2015年 2016年 2018年

人材の多様性と専門性で強い組織形成

組織能力

コミュニケー

ション

人材戦略

イノベーション

その他

つなげるビジネスとITを

つなげる モデル強いIT組織の

モデル

従来組織と次世代組織のハイブリッド構成

サイクルモデルビジョン浸透

サイクルモデル

あるべき姿強いIT部門のあるべき姿 あるべき姿

強いIT組織のあるべき姿 るべき姿と施策

強いIT組織のあるべき姿と施策 るべき姿と施策

強いIT組織のあるべき姿と施策

プロ集団育成における組織能力とその評価軸

参加企業の事例から導かれる成功要因

IT組織における成熟

上させる施策

IT組織における成熟度定義と成熟度を向

上させる施策

せる3つのrdquoわrdquo組織を活性化させる3つのrdquoわrdquo

IT組織のToBe像

ひっぱるたばねる

による組織力強化

ひっぱるたばねるつなげる機能連携による組織力強化

強いIT組織になるために必要な人財戦略

強いIT組織になるために必要な人財戦略

デジタル時代に向けたIT組織力強化 けたIT組織力強化

デジタル時代に向けたIT組織力強化

10年度の環境変化に適応する強いIT組織

による組織力強化人のつながり強化による組織力強化

成熟させる施策強いIT組織に

成熟させる施策

2018年

デザイン思考によるIT組織活性化

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

4

活動実績

5

回 開催日程 開催場所 内容

第1回 20180529(火) JUAS bull 研究会活動概要説明メンバー自己紹介bull 講演(ピーエムアラインメント中谷英雄様)

第2回 20180620(水) 東京海上日動システムズ bull簡易アイデアソンテーマ別検討会

第3回 20180720(金)-21(土)

プラザヴェルデふじのくに千本松フォーラム(沼津)

bull アイスブレーク(ペーパータワー)bull 講演(ディーエヌエー成田敏博様)bull テーマ別集中検討会

第4回 20180828(火) 三菱ケミカル bull ショールーム見学bull テーマ別検討会

追加 20180903(月) JUAS bull 講演(ピーエムアラインメント中谷英雄様)

第5回 20180925(火) JUAS bull テーマ別検討会

第6回 20181023(火) 東日本旅客鉄道 bull 鉄道博物館見学bull テーマ別検討会

第7回 20181120(火) JUAS bullテーマ別検討会

第8回 20181218(火) JUAS bullテーマ別検討会

第9回 20190122(火) JUAS bullテーマ別集中検討会

第10回 20190215(金)-16(土)

ANAホリディイン金沢スカイ

bullテーマ別最終検討会

第11回 20190318(月) JUAS bullテーマ別最終成果報告会

共通定義-強いIT組織の定義

【ねらい】経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する

モード2SoE(攻め)

業務改革ビジネス創出の提案

上記を達成するためにIT組織に求められる要素

投資判断

システム化の提案

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

強いIT組織とはコスト削減や効率化を重視するSoR(System of Record)と柔軟性や俊敏性が求められるSoE(System of Engagement)の双方の情報システムが共存し連携または使い分けることのできる組織と定義する(2015年ガートナー社提唱のバイモーダルITを参考)

連携

6

強いIT組織の対象

共通定義-強いIT組織の対象

強いIT組織の対象はテーマによって異なるいずれテーマもSoE(攻め)の機能を求められるため事業部門新規デジタル部門が含まれる

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社

テーマ2

テーマ3テーマ1テーマ1

7

共通定義-デジタル化デジタルイノベーションの定義

デジタル化とデジタルイノベーションを以下のように定義するデジタル化既存新規領域問わずITを活用した業務改善と事業創造デジタルイノベーションデジタル化のうち既存領域からの発展拡大と新規領域への挑戦

IT

非IT

新規事業領域

既存事業領域 全く新たな事業

領域への挑戦

ITを活用した既存事業領域における業務改善

既存事業領域における業務改善

事業創造(イノベーション)

業務改善(インプルーブメント)

拡大

ITを活用した既存事業領域からの発展

拡大

既存事業領域からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

デジタル化 デジタルイノベーション

8

第二部 研究成果報告

チーム1

デザイン思考によるIT組織活性化

目次

1活動概要(1)メンバー紹介(2)活動実績の紹介(3)研究成果概要

2研究成果について(1)強いIT組織とは(2)デザイン思考の適用可能範囲(仮説)(3)なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化(4)なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション(5)デザイン思考を学ぶ(6)デザイン思考導入に向けた課題分析(7)デザイン思考導入に向けた3つの課題

11

活動実績の紹介

【 イノベーションの取り組みに関する企業調査】

[727-28]沼津合宿

DeNA成田様ご講演

[828]三菱

ケミカル様訪問

[1023]JR東日本様

訪問

[318]最終成果

報告

[215-16]金沢合宿

21 3 4 追加 5 6 7 8 9 10

[529]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第1回レクチャー

化学業界(IT部門)

不動産業界(本体)

化学業界(本体)

製菓業界(本体)

集中討議オリエン

テーション

デザイン思考体験

11

[95]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第2回レクチャー

デザイン思考の組織への取

込を議論

調査結果をインプット

組織への取込について課題抽出議論

[620]東京海上日動システムズ様

訪問

デザイン思考体験

12

研究成果概要

当チームでは強いIT組織としての条件を経営戦略の実現収益拡大に貢献と位置づけその活動に「デザイン思考」が有効な手法であると仮説を立て議論を行った

まずデザイン思考への理解を深めるべく仮想企業のテーマに対してアイデアを出すところまでの体験活動を実施した

次に 「デザイン思考」を組織活動に取り込むにあたっての課題をメンバー間で議論およびヒアリング企業の事例を元に抽出し3テーマ(トップの牽引人材の多様性確保組織文化の醸成)に絞って検討を行った

「デザイン思考」はモード2組織のみならずモード1組織の業務改革でも有効なアプローチであり「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する」ことができる組織への変革が可能であるとの結果となった

13

強いIT組織とは

【強いIT組織】経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する組織

モード2SoE(攻め)

業務改革ビジネス創出の提案

上記を達成するためにIT組織に求められる要素

投資判断

システム化の提案

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

バイモーダル戦略をもとにIT組織の要素を下表のように分類した当チームでは「経営に貢献できる」ことが強いIT組織の条件であるとしそこにたどり着くために「デザイン思考」着目し課題抽出検討を行っていった

14

デザイン思考の適用可能範囲(仮説)

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

ITを活用した既存事業領域における業務改善

ITを活用した既存事業領域

からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

垂直思考ロジカル思考

水平思考デザイン思考

事業の安定品質に寄与する業務領域は従来から実施している「垂直思考ロジカルシンキング」による原因の掘り下げ対策が有効と考える一方で新たなビジネスや業務を変革するような領域は視点を変えたり直感的に発想したりする水平思考が有効であると考え世界的に多くの企業が取り入れている「デザイン思考」を活用することに焦点を当て検討をしていく

業務改革ビジネス創出の提案

モード2SoE(攻め)

15

なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化

マズローの欲求5段階説

【製品重視(プロダクトアウト志向) 】下記4P理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 商品(Product)bull 流通(Place)bull 価格(Price)bull 販促(Promotion)

自己

実現

欲求

尊厳

欲求

社会的欲求

安全欲求

生理的欲求

ৈઃඟ

ઃඟ

【顧客重視 (マーケットイン志向) 】下記4C理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 顧客にとっての価値(Customer value)bull 顧客が費やすお金(Customer cost)bull 顧客にとっての利便性(Convinience)bull 顧客とのコミュニケーション(Communication)

【顧客(個客)の自己実現重視】下記アクションでラテラル(水平型)マーケティングbull 多様な人材タイプとの人脈ネットワーク構築bull 顧客が求める理想像を敏感に察知bull パーソナライゼーション(顧客rArr個客)bull データ分析を駆使した新たなニーズ発見bull 無関係に見えるものの関係づけbull 当たり前を打破する分析質問試行bull 仮説設定および試行によるビジネスモデル創出

【カスタマージャーニー1重

視lsquo+2P理論rsquo】bull プロセス

(Process)bull 顧客管理

(Profile)

従来型 イノベーション型

レベル1

レベル2

レベル3

1顧客が自社を「認知」「調査」して「購入」した後他者に「推奨」するまでの一連の顧客行動プロセス

市場(顧客)欲求 マーケティングの変遷

顧客(個客)の真のニーズ「インサイト」の発見が重要

16

なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション

(出典)総務省 平成30年版情報通信白書「我が国のICTの現状に関する調査研究」

通信速度の急速な向上(1960年代300bpsrarr現在100Mbpsrarrそして10Gbps)それに合わせてCPU処理能力の飛躍的な向上ストーレージの大容量化を背景にデジタルトランスフォーメーションが加速度的に進んでいる

従来の垂直思考による問題解決型ではもはや限界

水平思考による新たなアイデアにチャレンジし価値創造や競争優位を確立していく

全ての事象をデジタル化

コンピュータ(AI)が得る情報の拡大

「人」「もの」「金」の概念が変化

場所距離という制約が無くなっていく

「もの」を得ることの重要性が下がりできる「こと」が関心ごとの中心へ

17

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考とは~

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

調査分析(Observation)

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

統合(Synthesis) bull可視化

bull具体化bull実現化bull試作化

bull可視化bull具体化bull実現化bull試作化

Prototyping

≪デザイン思考プロセス≫

人間中心思考

共同型チーム

非線形プロセス

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

実際につくってみて実現性をみる実際につくってみて実現性をみる

18

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考の体験~

1 チーム1メンバー全員を対象に「ハーマンモデル」を使ったタイプ分析を実施

2 タイプの異なる人員構成で仮想IT組織を2グループ編成

3 2グループ毎に新サービスのテーマを設定しデザイン思考を活用してアイデア創出活動を実施

4 アイデアを創出した結果を「バリュープロポジションキャンパス」に展開

1 グループAテーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

グループBテーマ【食品】

ダイエットに役立つ商品の企画

2

調査Reserch

分析Analisis

統合Synthesis

実現Realization

3

4

19

テーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

宗教上の制約手続き時間がかかるのは嫌だ自分でサービスを探すのは面倒食べられない食事があるおいしくない食事をしたくない移動するのが面倒言葉の壁お金を使いたくない

目的だけ伝えると必要なことはしてもらえる

言わなくてもおいしい(好みの)食事がいつでも用意される

満足感(幸福感)が得られる機内で利便性が得られる(Wifi等)

安全安心なフライト搭乗手続き等が簡単短時間プライベート感あるサービス

ポスト2020オリンピック効果による経済成長とその後の縮小人の流入政府企業による環境技術発展

ロボット無人運転等AI超高速通信映像(8K)

サプライズによる満足感(幸福感)限定感による満足感(幸福感)顧客の好みを収集し好み通りの食事サービスや利便性を提供

宗教上の問題を考慮してもらえる手続き最短サービス自動提供宗教上アレルギー等の考慮された食事好みを踏まえた食事移動は必要最低限自動翻訳通訳で言葉のストレス減価格を上げることなくサービス提供

AIコンシェルジュ(執事メイド)MR体験旅行MRMixed Reality(複合現実)

Happy Surprise サービス

リピート顧客の獲得パーソナル感オリジナリティ席を売るrarr体験を売るへ搭乗前到着後もサービス対象

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループA~

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

20

バリューマップ 顧客プロフィール

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

痩せたいスタイルを良くしたい

bull 食事はこのままbull ジムに通う時間がないbull 体を動かすのは嫌い

特別なトレーニングや食事制限なしに痩せたい

よい姿勢を常時意識させることで筋肉を使用代謝を高め脂肪を減らす

bull ジムへ通わなくてよいbull 動かすトレーニングは

不要bull 食事は制限なし

姿勢ダイエットと名付けてノウハウを教本として販売コンサルティングも実施する

テーマ【食品】ダイエットに役立つ商品の企画

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループB~

21

デザイン思考導入に向けた課題分析

イノベーション組織(モード2SoE)

既存事業組織(モード1SoR)

体制最小化高生産性安定性

システム基盤整備

他社との強力なパートナーシップ QCD以外の

評価QCD以外の

評価

情報子会社は何を担うのか情報子会社は何を担うのか

既存業務が負担となる

業務改善にデザイン思考は使えるか

業務改善にデザイン思考は使えるか

モード12の資金バランスはモード12の

資金バランスは

試作PoCから運用化事業化

できないビジネス拡大は既

存事業部へ

協働役割分担協働役割分担

多様な人財確保

キャリ活キャリ活

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

POCまではスピード感があるのだがPOCまではスピード感があるのだが

ビジネス拡大をどの組織でビジネス拡大をどの組織で

事業化への強制力が必要

事業化への強制力が必要

RPAによる業務自動化

クラウド化システム資産

「所有」rArr「利用」

既存組織のモチベーションダ

ウン

イノベーションに特化した組織作

今までの文化イノベーション困

チャレンジ(ビジネス的失敗)を繰り返す必要

同じ成功は許さない

同じ成功は許さない

社員の自律性社員の自律性

局面ごとの人財確保

社長権限で立上げ人財確保

社長権限で立上げ人財確保

文化がネック厳格性垂直

思考

文化がネック厳格性垂直

思考

QCD評価QCD評価

ポジティブ要因ネガティブ要因

既存IT領域の発展拡大を行う文化がない

イノベーションを起こす文化醸成

が必要

費用対効果が重要

費用対効果が重要

トップの強力な牽引

課題①トップ

22

イノベーションを起こす環境からみた課題

出所経済産業省平成27年度総合調査研究「企業社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」

デザイン思考導入

課題①トップ

課題②多様性課題③

文化醸成

23

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

24

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

25

【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

28

人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 5: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

参考研究テーマの変遷

2012年

組織モデル

組織構成

組織役割

2013年 2014年 2015年 2016年 2018年

人材の多様性と専門性で強い組織形成

組織能力

コミュニケー

ション

人材戦略

イノベーション

その他

つなげるビジネスとITを

つなげる モデル強いIT組織の

モデル

従来組織と次世代組織のハイブリッド構成

サイクルモデルビジョン浸透

サイクルモデル

あるべき姿強いIT部門のあるべき姿 あるべき姿

強いIT組織のあるべき姿 るべき姿と施策

強いIT組織のあるべき姿と施策 るべき姿と施策

強いIT組織のあるべき姿と施策

プロ集団育成における組織能力とその評価軸

参加企業の事例から導かれる成功要因

IT組織における成熟

上させる施策

IT組織における成熟度定義と成熟度を向

上させる施策

せる3つのrdquoわrdquo組織を活性化させる3つのrdquoわrdquo

IT組織のToBe像

ひっぱるたばねる

による組織力強化

ひっぱるたばねるつなげる機能連携による組織力強化

強いIT組織になるために必要な人財戦略

強いIT組織になるために必要な人財戦略

デジタル時代に向けたIT組織力強化 けたIT組織力強化

デジタル時代に向けたIT組織力強化

10年度の環境変化に適応する強いIT組織

による組織力強化人のつながり強化による組織力強化

成熟させる施策強いIT組織に

成熟させる施策

2018年

デザイン思考によるIT組織活性化

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

4

活動実績

5

回 開催日程 開催場所 内容

第1回 20180529(火) JUAS bull 研究会活動概要説明メンバー自己紹介bull 講演(ピーエムアラインメント中谷英雄様)

第2回 20180620(水) 東京海上日動システムズ bull簡易アイデアソンテーマ別検討会

第3回 20180720(金)-21(土)

プラザヴェルデふじのくに千本松フォーラム(沼津)

bull アイスブレーク(ペーパータワー)bull 講演(ディーエヌエー成田敏博様)bull テーマ別集中検討会

第4回 20180828(火) 三菱ケミカル bull ショールーム見学bull テーマ別検討会

追加 20180903(月) JUAS bull 講演(ピーエムアラインメント中谷英雄様)

第5回 20180925(火) JUAS bull テーマ別検討会

第6回 20181023(火) 東日本旅客鉄道 bull 鉄道博物館見学bull テーマ別検討会

第7回 20181120(火) JUAS bullテーマ別検討会

第8回 20181218(火) JUAS bullテーマ別検討会

第9回 20190122(火) JUAS bullテーマ別集中検討会

第10回 20190215(金)-16(土)

ANAホリディイン金沢スカイ

bullテーマ別最終検討会

第11回 20190318(月) JUAS bullテーマ別最終成果報告会

共通定義-強いIT組織の定義

【ねらい】経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する

モード2SoE(攻め)

業務改革ビジネス創出の提案

上記を達成するためにIT組織に求められる要素

投資判断

システム化の提案

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

強いIT組織とはコスト削減や効率化を重視するSoR(System of Record)と柔軟性や俊敏性が求められるSoE(System of Engagement)の双方の情報システムが共存し連携または使い分けることのできる組織と定義する(2015年ガートナー社提唱のバイモーダルITを参考)

連携

6

強いIT組織の対象

共通定義-強いIT組織の対象

強いIT組織の対象はテーマによって異なるいずれテーマもSoE(攻め)の機能を求められるため事業部門新規デジタル部門が含まれる

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社

テーマ2

テーマ3テーマ1テーマ1

7

共通定義-デジタル化デジタルイノベーションの定義

デジタル化とデジタルイノベーションを以下のように定義するデジタル化既存新規領域問わずITを活用した業務改善と事業創造デジタルイノベーションデジタル化のうち既存領域からの発展拡大と新規領域への挑戦

IT

非IT

新規事業領域

既存事業領域 全く新たな事業

領域への挑戦

ITを活用した既存事業領域における業務改善

既存事業領域における業務改善

事業創造(イノベーション)

業務改善(インプルーブメント)

拡大

ITを活用した既存事業領域からの発展

拡大

既存事業領域からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

デジタル化 デジタルイノベーション

8

第二部 研究成果報告

チーム1

デザイン思考によるIT組織活性化

目次

1活動概要(1)メンバー紹介(2)活動実績の紹介(3)研究成果概要

2研究成果について(1)強いIT組織とは(2)デザイン思考の適用可能範囲(仮説)(3)なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化(4)なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション(5)デザイン思考を学ぶ(6)デザイン思考導入に向けた課題分析(7)デザイン思考導入に向けた3つの課題

11

活動実績の紹介

【 イノベーションの取り組みに関する企業調査】

[727-28]沼津合宿

DeNA成田様ご講演

[828]三菱

ケミカル様訪問

[1023]JR東日本様

訪問

[318]最終成果

報告

[215-16]金沢合宿

21 3 4 追加 5 6 7 8 9 10

[529]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第1回レクチャー

化学業界(IT部門)

不動産業界(本体)

化学業界(本体)

製菓業界(本体)

集中討議オリエン

テーション

デザイン思考体験

11

[95]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第2回レクチャー

デザイン思考の組織への取

込を議論

調査結果をインプット

組織への取込について課題抽出議論

[620]東京海上日動システムズ様

訪問

デザイン思考体験

12

研究成果概要

当チームでは強いIT組織としての条件を経営戦略の実現収益拡大に貢献と位置づけその活動に「デザイン思考」が有効な手法であると仮説を立て議論を行った

まずデザイン思考への理解を深めるべく仮想企業のテーマに対してアイデアを出すところまでの体験活動を実施した

次に 「デザイン思考」を組織活動に取り込むにあたっての課題をメンバー間で議論およびヒアリング企業の事例を元に抽出し3テーマ(トップの牽引人材の多様性確保組織文化の醸成)に絞って検討を行った

「デザイン思考」はモード2組織のみならずモード1組織の業務改革でも有効なアプローチであり「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する」ことができる組織への変革が可能であるとの結果となった

13

強いIT組織とは

【強いIT組織】経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する組織

モード2SoE(攻め)

業務改革ビジネス創出の提案

上記を達成するためにIT組織に求められる要素

投資判断

システム化の提案

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

バイモーダル戦略をもとにIT組織の要素を下表のように分類した当チームでは「経営に貢献できる」ことが強いIT組織の条件であるとしそこにたどり着くために「デザイン思考」着目し課題抽出検討を行っていった

14

デザイン思考の適用可能範囲(仮説)

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

ITを活用した既存事業領域における業務改善

ITを活用した既存事業領域

からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

垂直思考ロジカル思考

水平思考デザイン思考

事業の安定品質に寄与する業務領域は従来から実施している「垂直思考ロジカルシンキング」による原因の掘り下げ対策が有効と考える一方で新たなビジネスや業務を変革するような領域は視点を変えたり直感的に発想したりする水平思考が有効であると考え世界的に多くの企業が取り入れている「デザイン思考」を活用することに焦点を当て検討をしていく

業務改革ビジネス創出の提案

モード2SoE(攻め)

15

なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化

マズローの欲求5段階説

【製品重視(プロダクトアウト志向) 】下記4P理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 商品(Product)bull 流通(Place)bull 価格(Price)bull 販促(Promotion)

自己

実現

欲求

尊厳

欲求

社会的欲求

安全欲求

生理的欲求

ৈઃඟ

ઃඟ

【顧客重視 (マーケットイン志向) 】下記4C理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 顧客にとっての価値(Customer value)bull 顧客が費やすお金(Customer cost)bull 顧客にとっての利便性(Convinience)bull 顧客とのコミュニケーション(Communication)

【顧客(個客)の自己実現重視】下記アクションでラテラル(水平型)マーケティングbull 多様な人材タイプとの人脈ネットワーク構築bull 顧客が求める理想像を敏感に察知bull パーソナライゼーション(顧客rArr個客)bull データ分析を駆使した新たなニーズ発見bull 無関係に見えるものの関係づけbull 当たり前を打破する分析質問試行bull 仮説設定および試行によるビジネスモデル創出

【カスタマージャーニー1重

視lsquo+2P理論rsquo】bull プロセス

(Process)bull 顧客管理

(Profile)

従来型 イノベーション型

レベル1

レベル2

レベル3

1顧客が自社を「認知」「調査」して「購入」した後他者に「推奨」するまでの一連の顧客行動プロセス

市場(顧客)欲求 マーケティングの変遷

顧客(個客)の真のニーズ「インサイト」の発見が重要

16

なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション

(出典)総務省 平成30年版情報通信白書「我が国のICTの現状に関する調査研究」

通信速度の急速な向上(1960年代300bpsrarr現在100Mbpsrarrそして10Gbps)それに合わせてCPU処理能力の飛躍的な向上ストーレージの大容量化を背景にデジタルトランスフォーメーションが加速度的に進んでいる

従来の垂直思考による問題解決型ではもはや限界

水平思考による新たなアイデアにチャレンジし価値創造や競争優位を確立していく

全ての事象をデジタル化

コンピュータ(AI)が得る情報の拡大

「人」「もの」「金」の概念が変化

場所距離という制約が無くなっていく

「もの」を得ることの重要性が下がりできる「こと」が関心ごとの中心へ

17

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考とは~

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

調査分析(Observation)

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

統合(Synthesis) bull可視化

bull具体化bull実現化bull試作化

bull可視化bull具体化bull実現化bull試作化

Prototyping

≪デザイン思考プロセス≫

人間中心思考

共同型チーム

非線形プロセス

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

実際につくってみて実現性をみる実際につくってみて実現性をみる

18

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考の体験~

1 チーム1メンバー全員を対象に「ハーマンモデル」を使ったタイプ分析を実施

2 タイプの異なる人員構成で仮想IT組織を2グループ編成

3 2グループ毎に新サービスのテーマを設定しデザイン思考を活用してアイデア創出活動を実施

4 アイデアを創出した結果を「バリュープロポジションキャンパス」に展開

1 グループAテーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

グループBテーマ【食品】

ダイエットに役立つ商品の企画

2

調査Reserch

分析Analisis

統合Synthesis

実現Realization

3

4

19

テーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

宗教上の制約手続き時間がかかるのは嫌だ自分でサービスを探すのは面倒食べられない食事があるおいしくない食事をしたくない移動するのが面倒言葉の壁お金を使いたくない

目的だけ伝えると必要なことはしてもらえる

言わなくてもおいしい(好みの)食事がいつでも用意される

満足感(幸福感)が得られる機内で利便性が得られる(Wifi等)

安全安心なフライト搭乗手続き等が簡単短時間プライベート感あるサービス

ポスト2020オリンピック効果による経済成長とその後の縮小人の流入政府企業による環境技術発展

ロボット無人運転等AI超高速通信映像(8K)

サプライズによる満足感(幸福感)限定感による満足感(幸福感)顧客の好みを収集し好み通りの食事サービスや利便性を提供

宗教上の問題を考慮してもらえる手続き最短サービス自動提供宗教上アレルギー等の考慮された食事好みを踏まえた食事移動は必要最低限自動翻訳通訳で言葉のストレス減価格を上げることなくサービス提供

AIコンシェルジュ(執事メイド)MR体験旅行MRMixed Reality(複合現実)

Happy Surprise サービス

リピート顧客の獲得パーソナル感オリジナリティ席を売るrarr体験を売るへ搭乗前到着後もサービス対象

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループA~

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

20

バリューマップ 顧客プロフィール

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

痩せたいスタイルを良くしたい

bull 食事はこのままbull ジムに通う時間がないbull 体を動かすのは嫌い

特別なトレーニングや食事制限なしに痩せたい

よい姿勢を常時意識させることで筋肉を使用代謝を高め脂肪を減らす

bull ジムへ通わなくてよいbull 動かすトレーニングは

不要bull 食事は制限なし

姿勢ダイエットと名付けてノウハウを教本として販売コンサルティングも実施する

テーマ【食品】ダイエットに役立つ商品の企画

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループB~

21

デザイン思考導入に向けた課題分析

イノベーション組織(モード2SoE)

既存事業組織(モード1SoR)

体制最小化高生産性安定性

システム基盤整備

他社との強力なパートナーシップ QCD以外の

評価QCD以外の

評価

情報子会社は何を担うのか情報子会社は何を担うのか

既存業務が負担となる

業務改善にデザイン思考は使えるか

業務改善にデザイン思考は使えるか

モード12の資金バランスはモード12の

資金バランスは

試作PoCから運用化事業化

できないビジネス拡大は既

存事業部へ

協働役割分担協働役割分担

多様な人財確保

キャリ活キャリ活

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

POCまではスピード感があるのだがPOCまではスピード感があるのだが

ビジネス拡大をどの組織でビジネス拡大をどの組織で

事業化への強制力が必要

事業化への強制力が必要

RPAによる業務自動化

クラウド化システム資産

「所有」rArr「利用」

既存組織のモチベーションダ

ウン

イノベーションに特化した組織作

今までの文化イノベーション困

チャレンジ(ビジネス的失敗)を繰り返す必要

同じ成功は許さない

同じ成功は許さない

社員の自律性社員の自律性

局面ごとの人財確保

社長権限で立上げ人財確保

社長権限で立上げ人財確保

文化がネック厳格性垂直

思考

文化がネック厳格性垂直

思考

QCD評価QCD評価

ポジティブ要因ネガティブ要因

既存IT領域の発展拡大を行う文化がない

イノベーションを起こす文化醸成

が必要

費用対効果が重要

費用対効果が重要

トップの強力な牽引

課題①トップ

22

イノベーションを起こす環境からみた課題

出所経済産業省平成27年度総合調査研究「企業社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」

デザイン思考導入

課題①トップ

課題②多様性課題③

文化醸成

23

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

24

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

25

【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

28

人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 6: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

活動実績

5

回 開催日程 開催場所 内容

第1回 20180529(火) JUAS bull 研究会活動概要説明メンバー自己紹介bull 講演(ピーエムアラインメント中谷英雄様)

第2回 20180620(水) 東京海上日動システムズ bull簡易アイデアソンテーマ別検討会

第3回 20180720(金)-21(土)

プラザヴェルデふじのくに千本松フォーラム(沼津)

bull アイスブレーク(ペーパータワー)bull 講演(ディーエヌエー成田敏博様)bull テーマ別集中検討会

第4回 20180828(火) 三菱ケミカル bull ショールーム見学bull テーマ別検討会

追加 20180903(月) JUAS bull 講演(ピーエムアラインメント中谷英雄様)

第5回 20180925(火) JUAS bull テーマ別検討会

第6回 20181023(火) 東日本旅客鉄道 bull 鉄道博物館見学bull テーマ別検討会

第7回 20181120(火) JUAS bullテーマ別検討会

第8回 20181218(火) JUAS bullテーマ別検討会

第9回 20190122(火) JUAS bullテーマ別集中検討会

第10回 20190215(金)-16(土)

ANAホリディイン金沢スカイ

bullテーマ別最終検討会

第11回 20190318(月) JUAS bullテーマ別最終成果報告会

共通定義-強いIT組織の定義

【ねらい】経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する

モード2SoE(攻め)

業務改革ビジネス創出の提案

上記を達成するためにIT組織に求められる要素

投資判断

システム化の提案

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

強いIT組織とはコスト削減や効率化を重視するSoR(System of Record)と柔軟性や俊敏性が求められるSoE(System of Engagement)の双方の情報システムが共存し連携または使い分けることのできる組織と定義する(2015年ガートナー社提唱のバイモーダルITを参考)

連携

6

強いIT組織の対象

共通定義-強いIT組織の対象

強いIT組織の対象はテーマによって異なるいずれテーマもSoE(攻め)の機能を求められるため事業部門新規デジタル部門が含まれる

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社

テーマ2

テーマ3テーマ1テーマ1

7

共通定義-デジタル化デジタルイノベーションの定義

デジタル化とデジタルイノベーションを以下のように定義するデジタル化既存新規領域問わずITを活用した業務改善と事業創造デジタルイノベーションデジタル化のうち既存領域からの発展拡大と新規領域への挑戦

IT

非IT

新規事業領域

既存事業領域 全く新たな事業

領域への挑戦

ITを活用した既存事業領域における業務改善

既存事業領域における業務改善

事業創造(イノベーション)

業務改善(インプルーブメント)

拡大

ITを活用した既存事業領域からの発展

拡大

既存事業領域からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

デジタル化 デジタルイノベーション

8

第二部 研究成果報告

チーム1

デザイン思考によるIT組織活性化

目次

1活動概要(1)メンバー紹介(2)活動実績の紹介(3)研究成果概要

2研究成果について(1)強いIT組織とは(2)デザイン思考の適用可能範囲(仮説)(3)なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化(4)なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション(5)デザイン思考を学ぶ(6)デザイン思考導入に向けた課題分析(7)デザイン思考導入に向けた3つの課題

11

活動実績の紹介

【 イノベーションの取り組みに関する企業調査】

[727-28]沼津合宿

DeNA成田様ご講演

[828]三菱

ケミカル様訪問

[1023]JR東日本様

訪問

[318]最終成果

報告

[215-16]金沢合宿

21 3 4 追加 5 6 7 8 9 10

[529]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第1回レクチャー

化学業界(IT部門)

不動産業界(本体)

化学業界(本体)

製菓業界(本体)

集中討議オリエン

テーション

デザイン思考体験

11

[95]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第2回レクチャー

デザイン思考の組織への取

込を議論

調査結果をインプット

組織への取込について課題抽出議論

[620]東京海上日動システムズ様

訪問

デザイン思考体験

12

研究成果概要

当チームでは強いIT組織としての条件を経営戦略の実現収益拡大に貢献と位置づけその活動に「デザイン思考」が有効な手法であると仮説を立て議論を行った

まずデザイン思考への理解を深めるべく仮想企業のテーマに対してアイデアを出すところまでの体験活動を実施した

次に 「デザイン思考」を組織活動に取り込むにあたっての課題をメンバー間で議論およびヒアリング企業の事例を元に抽出し3テーマ(トップの牽引人材の多様性確保組織文化の醸成)に絞って検討を行った

「デザイン思考」はモード2組織のみならずモード1組織の業務改革でも有効なアプローチであり「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する」ことができる組織への変革が可能であるとの結果となった

13

強いIT組織とは

【強いIT組織】経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する組織

モード2SoE(攻め)

業務改革ビジネス創出の提案

上記を達成するためにIT組織に求められる要素

投資判断

システム化の提案

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

バイモーダル戦略をもとにIT組織の要素を下表のように分類した当チームでは「経営に貢献できる」ことが強いIT組織の条件であるとしそこにたどり着くために「デザイン思考」着目し課題抽出検討を行っていった

14

デザイン思考の適用可能範囲(仮説)

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

ITを活用した既存事業領域における業務改善

ITを活用した既存事業領域

からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

垂直思考ロジカル思考

水平思考デザイン思考

事業の安定品質に寄与する業務領域は従来から実施している「垂直思考ロジカルシンキング」による原因の掘り下げ対策が有効と考える一方で新たなビジネスや業務を変革するような領域は視点を変えたり直感的に発想したりする水平思考が有効であると考え世界的に多くの企業が取り入れている「デザイン思考」を活用することに焦点を当て検討をしていく

業務改革ビジネス創出の提案

モード2SoE(攻め)

15

なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化

マズローの欲求5段階説

【製品重視(プロダクトアウト志向) 】下記4P理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 商品(Product)bull 流通(Place)bull 価格(Price)bull 販促(Promotion)

自己

実現

欲求

尊厳

欲求

社会的欲求

安全欲求

生理的欲求

ৈઃඟ

ઃඟ

【顧客重視 (マーケットイン志向) 】下記4C理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 顧客にとっての価値(Customer value)bull 顧客が費やすお金(Customer cost)bull 顧客にとっての利便性(Convinience)bull 顧客とのコミュニケーション(Communication)

【顧客(個客)の自己実現重視】下記アクションでラテラル(水平型)マーケティングbull 多様な人材タイプとの人脈ネットワーク構築bull 顧客が求める理想像を敏感に察知bull パーソナライゼーション(顧客rArr個客)bull データ分析を駆使した新たなニーズ発見bull 無関係に見えるものの関係づけbull 当たり前を打破する分析質問試行bull 仮説設定および試行によるビジネスモデル創出

【カスタマージャーニー1重

視lsquo+2P理論rsquo】bull プロセス

(Process)bull 顧客管理

(Profile)

従来型 イノベーション型

レベル1

レベル2

レベル3

1顧客が自社を「認知」「調査」して「購入」した後他者に「推奨」するまでの一連の顧客行動プロセス

市場(顧客)欲求 マーケティングの変遷

顧客(個客)の真のニーズ「インサイト」の発見が重要

16

なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション

(出典)総務省 平成30年版情報通信白書「我が国のICTの現状に関する調査研究」

通信速度の急速な向上(1960年代300bpsrarr現在100Mbpsrarrそして10Gbps)それに合わせてCPU処理能力の飛躍的な向上ストーレージの大容量化を背景にデジタルトランスフォーメーションが加速度的に進んでいる

従来の垂直思考による問題解決型ではもはや限界

水平思考による新たなアイデアにチャレンジし価値創造や競争優位を確立していく

全ての事象をデジタル化

コンピュータ(AI)が得る情報の拡大

「人」「もの」「金」の概念が変化

場所距離という制約が無くなっていく

「もの」を得ることの重要性が下がりできる「こと」が関心ごとの中心へ

17

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考とは~

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

調査分析(Observation)

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

統合(Synthesis) bull可視化

bull具体化bull実現化bull試作化

bull可視化bull具体化bull実現化bull試作化

Prototyping

≪デザイン思考プロセス≫

人間中心思考

共同型チーム

非線形プロセス

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

実際につくってみて実現性をみる実際につくってみて実現性をみる

18

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考の体験~

1 チーム1メンバー全員を対象に「ハーマンモデル」を使ったタイプ分析を実施

2 タイプの異なる人員構成で仮想IT組織を2グループ編成

3 2グループ毎に新サービスのテーマを設定しデザイン思考を活用してアイデア創出活動を実施

4 アイデアを創出した結果を「バリュープロポジションキャンパス」に展開

1 グループAテーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

グループBテーマ【食品】

ダイエットに役立つ商品の企画

2

調査Reserch

分析Analisis

統合Synthesis

実現Realization

3

4

19

テーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

宗教上の制約手続き時間がかかるのは嫌だ自分でサービスを探すのは面倒食べられない食事があるおいしくない食事をしたくない移動するのが面倒言葉の壁お金を使いたくない

目的だけ伝えると必要なことはしてもらえる

言わなくてもおいしい(好みの)食事がいつでも用意される

満足感(幸福感)が得られる機内で利便性が得られる(Wifi等)

安全安心なフライト搭乗手続き等が簡単短時間プライベート感あるサービス

ポスト2020オリンピック効果による経済成長とその後の縮小人の流入政府企業による環境技術発展

ロボット無人運転等AI超高速通信映像(8K)

サプライズによる満足感(幸福感)限定感による満足感(幸福感)顧客の好みを収集し好み通りの食事サービスや利便性を提供

宗教上の問題を考慮してもらえる手続き最短サービス自動提供宗教上アレルギー等の考慮された食事好みを踏まえた食事移動は必要最低限自動翻訳通訳で言葉のストレス減価格を上げることなくサービス提供

AIコンシェルジュ(執事メイド)MR体験旅行MRMixed Reality(複合現実)

Happy Surprise サービス

リピート顧客の獲得パーソナル感オリジナリティ席を売るrarr体験を売るへ搭乗前到着後もサービス対象

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループA~

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

20

バリューマップ 顧客プロフィール

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

痩せたいスタイルを良くしたい

bull 食事はこのままbull ジムに通う時間がないbull 体を動かすのは嫌い

特別なトレーニングや食事制限なしに痩せたい

よい姿勢を常時意識させることで筋肉を使用代謝を高め脂肪を減らす

bull ジムへ通わなくてよいbull 動かすトレーニングは

不要bull 食事は制限なし

姿勢ダイエットと名付けてノウハウを教本として販売コンサルティングも実施する

テーマ【食品】ダイエットに役立つ商品の企画

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループB~

21

デザイン思考導入に向けた課題分析

イノベーション組織(モード2SoE)

既存事業組織(モード1SoR)

体制最小化高生産性安定性

システム基盤整備

他社との強力なパートナーシップ QCD以外の

評価QCD以外の

評価

情報子会社は何を担うのか情報子会社は何を担うのか

既存業務が負担となる

業務改善にデザイン思考は使えるか

業務改善にデザイン思考は使えるか

モード12の資金バランスはモード12の

資金バランスは

試作PoCから運用化事業化

できないビジネス拡大は既

存事業部へ

協働役割分担協働役割分担

多様な人財確保

キャリ活キャリ活

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

POCまではスピード感があるのだがPOCまではスピード感があるのだが

ビジネス拡大をどの組織でビジネス拡大をどの組織で

事業化への強制力が必要

事業化への強制力が必要

RPAによる業務自動化

クラウド化システム資産

「所有」rArr「利用」

既存組織のモチベーションダ

ウン

イノベーションに特化した組織作

今までの文化イノベーション困

チャレンジ(ビジネス的失敗)を繰り返す必要

同じ成功は許さない

同じ成功は許さない

社員の自律性社員の自律性

局面ごとの人財確保

社長権限で立上げ人財確保

社長権限で立上げ人財確保

文化がネック厳格性垂直

思考

文化がネック厳格性垂直

思考

QCD評価QCD評価

ポジティブ要因ネガティブ要因

既存IT領域の発展拡大を行う文化がない

イノベーションを起こす文化醸成

が必要

費用対効果が重要

費用対効果が重要

トップの強力な牽引

課題①トップ

22

イノベーションを起こす環境からみた課題

出所経済産業省平成27年度総合調査研究「企業社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」

デザイン思考導入

課題①トップ

課題②多様性課題③

文化醸成

23

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

24

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

25

【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

28

人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 7: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

共通定義-強いIT組織の定義

【ねらい】経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する

モード2SoE(攻め)

業務改革ビジネス創出の提案

上記を達成するためにIT組織に求められる要素

投資判断

システム化の提案

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

強いIT組織とはコスト削減や効率化を重視するSoR(System of Record)と柔軟性や俊敏性が求められるSoE(System of Engagement)の双方の情報システムが共存し連携または使い分けることのできる組織と定義する(2015年ガートナー社提唱のバイモーダルITを参考)

連携

6

強いIT組織の対象

共通定義-強いIT組織の対象

強いIT組織の対象はテーマによって異なるいずれテーマもSoE(攻め)の機能を求められるため事業部門新規デジタル部門が含まれる

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社

テーマ2

テーマ3テーマ1テーマ1

7

共通定義-デジタル化デジタルイノベーションの定義

デジタル化とデジタルイノベーションを以下のように定義するデジタル化既存新規領域問わずITを活用した業務改善と事業創造デジタルイノベーションデジタル化のうち既存領域からの発展拡大と新規領域への挑戦

IT

非IT

新規事業領域

既存事業領域 全く新たな事業

領域への挑戦

ITを活用した既存事業領域における業務改善

既存事業領域における業務改善

事業創造(イノベーション)

業務改善(インプルーブメント)

拡大

ITを活用した既存事業領域からの発展

拡大

既存事業領域からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

デジタル化 デジタルイノベーション

8

第二部 研究成果報告

チーム1

デザイン思考によるIT組織活性化

目次

1活動概要(1)メンバー紹介(2)活動実績の紹介(3)研究成果概要

2研究成果について(1)強いIT組織とは(2)デザイン思考の適用可能範囲(仮説)(3)なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化(4)なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション(5)デザイン思考を学ぶ(6)デザイン思考導入に向けた課題分析(7)デザイン思考導入に向けた3つの課題

11

活動実績の紹介

【 イノベーションの取り組みに関する企業調査】

[727-28]沼津合宿

DeNA成田様ご講演

[828]三菱

ケミカル様訪問

[1023]JR東日本様

訪問

[318]最終成果

報告

[215-16]金沢合宿

21 3 4 追加 5 6 7 8 9 10

[529]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第1回レクチャー

化学業界(IT部門)

不動産業界(本体)

化学業界(本体)

製菓業界(本体)

集中討議オリエン

テーション

デザイン思考体験

11

[95]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第2回レクチャー

デザイン思考の組織への取

込を議論

調査結果をインプット

組織への取込について課題抽出議論

[620]東京海上日動システムズ様

訪問

デザイン思考体験

12

研究成果概要

当チームでは強いIT組織としての条件を経営戦略の実現収益拡大に貢献と位置づけその活動に「デザイン思考」が有効な手法であると仮説を立て議論を行った

まずデザイン思考への理解を深めるべく仮想企業のテーマに対してアイデアを出すところまでの体験活動を実施した

次に 「デザイン思考」を組織活動に取り込むにあたっての課題をメンバー間で議論およびヒアリング企業の事例を元に抽出し3テーマ(トップの牽引人材の多様性確保組織文化の醸成)に絞って検討を行った

「デザイン思考」はモード2組織のみならずモード1組織の業務改革でも有効なアプローチであり「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する」ことができる組織への変革が可能であるとの結果となった

13

強いIT組織とは

【強いIT組織】経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する組織

モード2SoE(攻め)

業務改革ビジネス創出の提案

上記を達成するためにIT組織に求められる要素

投資判断

システム化の提案

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

バイモーダル戦略をもとにIT組織の要素を下表のように分類した当チームでは「経営に貢献できる」ことが強いIT組織の条件であるとしそこにたどり着くために「デザイン思考」着目し課題抽出検討を行っていった

14

デザイン思考の適用可能範囲(仮説)

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

ITを活用した既存事業領域における業務改善

ITを活用した既存事業領域

からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

垂直思考ロジカル思考

水平思考デザイン思考

事業の安定品質に寄与する業務領域は従来から実施している「垂直思考ロジカルシンキング」による原因の掘り下げ対策が有効と考える一方で新たなビジネスや業務を変革するような領域は視点を変えたり直感的に発想したりする水平思考が有効であると考え世界的に多くの企業が取り入れている「デザイン思考」を活用することに焦点を当て検討をしていく

業務改革ビジネス創出の提案

モード2SoE(攻め)

15

なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化

マズローの欲求5段階説

【製品重視(プロダクトアウト志向) 】下記4P理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 商品(Product)bull 流通(Place)bull 価格(Price)bull 販促(Promotion)

自己

実現

欲求

尊厳

欲求

社会的欲求

安全欲求

生理的欲求

ৈઃඟ

ઃඟ

【顧客重視 (マーケットイン志向) 】下記4C理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 顧客にとっての価値(Customer value)bull 顧客が費やすお金(Customer cost)bull 顧客にとっての利便性(Convinience)bull 顧客とのコミュニケーション(Communication)

【顧客(個客)の自己実現重視】下記アクションでラテラル(水平型)マーケティングbull 多様な人材タイプとの人脈ネットワーク構築bull 顧客が求める理想像を敏感に察知bull パーソナライゼーション(顧客rArr個客)bull データ分析を駆使した新たなニーズ発見bull 無関係に見えるものの関係づけbull 当たり前を打破する分析質問試行bull 仮説設定および試行によるビジネスモデル創出

【カスタマージャーニー1重

視lsquo+2P理論rsquo】bull プロセス

(Process)bull 顧客管理

(Profile)

従来型 イノベーション型

レベル1

レベル2

レベル3

1顧客が自社を「認知」「調査」して「購入」した後他者に「推奨」するまでの一連の顧客行動プロセス

市場(顧客)欲求 マーケティングの変遷

顧客(個客)の真のニーズ「インサイト」の発見が重要

16

なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション

(出典)総務省 平成30年版情報通信白書「我が国のICTの現状に関する調査研究」

通信速度の急速な向上(1960年代300bpsrarr現在100Mbpsrarrそして10Gbps)それに合わせてCPU処理能力の飛躍的な向上ストーレージの大容量化を背景にデジタルトランスフォーメーションが加速度的に進んでいる

従来の垂直思考による問題解決型ではもはや限界

水平思考による新たなアイデアにチャレンジし価値創造や競争優位を確立していく

全ての事象をデジタル化

コンピュータ(AI)が得る情報の拡大

「人」「もの」「金」の概念が変化

場所距離という制約が無くなっていく

「もの」を得ることの重要性が下がりできる「こと」が関心ごとの中心へ

17

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考とは~

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

調査分析(Observation)

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

統合(Synthesis) bull可視化

bull具体化bull実現化bull試作化

bull可視化bull具体化bull実現化bull試作化

Prototyping

≪デザイン思考プロセス≫

人間中心思考

共同型チーム

非線形プロセス

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

実際につくってみて実現性をみる実際につくってみて実現性をみる

18

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考の体験~

1 チーム1メンバー全員を対象に「ハーマンモデル」を使ったタイプ分析を実施

2 タイプの異なる人員構成で仮想IT組織を2グループ編成

3 2グループ毎に新サービスのテーマを設定しデザイン思考を活用してアイデア創出活動を実施

4 アイデアを創出した結果を「バリュープロポジションキャンパス」に展開

1 グループAテーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

グループBテーマ【食品】

ダイエットに役立つ商品の企画

2

調査Reserch

分析Analisis

統合Synthesis

実現Realization

3

4

19

テーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

宗教上の制約手続き時間がかかるのは嫌だ自分でサービスを探すのは面倒食べられない食事があるおいしくない食事をしたくない移動するのが面倒言葉の壁お金を使いたくない

目的だけ伝えると必要なことはしてもらえる

言わなくてもおいしい(好みの)食事がいつでも用意される

満足感(幸福感)が得られる機内で利便性が得られる(Wifi等)

安全安心なフライト搭乗手続き等が簡単短時間プライベート感あるサービス

ポスト2020オリンピック効果による経済成長とその後の縮小人の流入政府企業による環境技術発展

ロボット無人運転等AI超高速通信映像(8K)

サプライズによる満足感(幸福感)限定感による満足感(幸福感)顧客の好みを収集し好み通りの食事サービスや利便性を提供

宗教上の問題を考慮してもらえる手続き最短サービス自動提供宗教上アレルギー等の考慮された食事好みを踏まえた食事移動は必要最低限自動翻訳通訳で言葉のストレス減価格を上げることなくサービス提供

AIコンシェルジュ(執事メイド)MR体験旅行MRMixed Reality(複合現実)

Happy Surprise サービス

リピート顧客の獲得パーソナル感オリジナリティ席を売るrarr体験を売るへ搭乗前到着後もサービス対象

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループA~

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

20

バリューマップ 顧客プロフィール

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

痩せたいスタイルを良くしたい

bull 食事はこのままbull ジムに通う時間がないbull 体を動かすのは嫌い

特別なトレーニングや食事制限なしに痩せたい

よい姿勢を常時意識させることで筋肉を使用代謝を高め脂肪を減らす

bull ジムへ通わなくてよいbull 動かすトレーニングは

不要bull 食事は制限なし

姿勢ダイエットと名付けてノウハウを教本として販売コンサルティングも実施する

テーマ【食品】ダイエットに役立つ商品の企画

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループB~

21

デザイン思考導入に向けた課題分析

イノベーション組織(モード2SoE)

既存事業組織(モード1SoR)

体制最小化高生産性安定性

システム基盤整備

他社との強力なパートナーシップ QCD以外の

評価QCD以外の

評価

情報子会社は何を担うのか情報子会社は何を担うのか

既存業務が負担となる

業務改善にデザイン思考は使えるか

業務改善にデザイン思考は使えるか

モード12の資金バランスはモード12の

資金バランスは

試作PoCから運用化事業化

できないビジネス拡大は既

存事業部へ

協働役割分担協働役割分担

多様な人財確保

キャリ活キャリ活

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

POCまではスピード感があるのだがPOCまではスピード感があるのだが

ビジネス拡大をどの組織でビジネス拡大をどの組織で

事業化への強制力が必要

事業化への強制力が必要

RPAによる業務自動化

クラウド化システム資産

「所有」rArr「利用」

既存組織のモチベーションダ

ウン

イノベーションに特化した組織作

今までの文化イノベーション困

チャレンジ(ビジネス的失敗)を繰り返す必要

同じ成功は許さない

同じ成功は許さない

社員の自律性社員の自律性

局面ごとの人財確保

社長権限で立上げ人財確保

社長権限で立上げ人財確保

文化がネック厳格性垂直

思考

文化がネック厳格性垂直

思考

QCD評価QCD評価

ポジティブ要因ネガティブ要因

既存IT領域の発展拡大を行う文化がない

イノベーションを起こす文化醸成

が必要

費用対効果が重要

費用対効果が重要

トップの強力な牽引

課題①トップ

22

イノベーションを起こす環境からみた課題

出所経済産業省平成27年度総合調査研究「企業社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」

デザイン思考導入

課題①トップ

課題②多様性課題③

文化醸成

23

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

24

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

25

【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

28

人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 8: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

強いIT組織の対象

共通定義-強いIT組織の対象

強いIT組織の対象はテーマによって異なるいずれテーマもSoE(攻め)の機能を求められるため事業部門新規デジタル部門が含まれる

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社

テーマ2

テーマ3テーマ1テーマ1

7

共通定義-デジタル化デジタルイノベーションの定義

デジタル化とデジタルイノベーションを以下のように定義するデジタル化既存新規領域問わずITを活用した業務改善と事業創造デジタルイノベーションデジタル化のうち既存領域からの発展拡大と新規領域への挑戦

IT

非IT

新規事業領域

既存事業領域 全く新たな事業

領域への挑戦

ITを活用した既存事業領域における業務改善

既存事業領域における業務改善

事業創造(イノベーション)

業務改善(インプルーブメント)

拡大

ITを活用した既存事業領域からの発展

拡大

既存事業領域からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

デジタル化 デジタルイノベーション

8

第二部 研究成果報告

チーム1

デザイン思考によるIT組織活性化

目次

1活動概要(1)メンバー紹介(2)活動実績の紹介(3)研究成果概要

2研究成果について(1)強いIT組織とは(2)デザイン思考の適用可能範囲(仮説)(3)なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化(4)なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション(5)デザイン思考を学ぶ(6)デザイン思考導入に向けた課題分析(7)デザイン思考導入に向けた3つの課題

11

活動実績の紹介

【 イノベーションの取り組みに関する企業調査】

[727-28]沼津合宿

DeNA成田様ご講演

[828]三菱

ケミカル様訪問

[1023]JR東日本様

訪問

[318]最終成果

報告

[215-16]金沢合宿

21 3 4 追加 5 6 7 8 9 10

[529]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第1回レクチャー

化学業界(IT部門)

不動産業界(本体)

化学業界(本体)

製菓業界(本体)

集中討議オリエン

テーション

デザイン思考体験

11

[95]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第2回レクチャー

デザイン思考の組織への取

込を議論

調査結果をインプット

組織への取込について課題抽出議論

[620]東京海上日動システムズ様

訪問

デザイン思考体験

12

研究成果概要

当チームでは強いIT組織としての条件を経営戦略の実現収益拡大に貢献と位置づけその活動に「デザイン思考」が有効な手法であると仮説を立て議論を行った

まずデザイン思考への理解を深めるべく仮想企業のテーマに対してアイデアを出すところまでの体験活動を実施した

次に 「デザイン思考」を組織活動に取り込むにあたっての課題をメンバー間で議論およびヒアリング企業の事例を元に抽出し3テーマ(トップの牽引人材の多様性確保組織文化の醸成)に絞って検討を行った

「デザイン思考」はモード2組織のみならずモード1組織の業務改革でも有効なアプローチであり「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する」ことができる組織への変革が可能であるとの結果となった

13

強いIT組織とは

【強いIT組織】経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する組織

モード2SoE(攻め)

業務改革ビジネス創出の提案

上記を達成するためにIT組織に求められる要素

投資判断

システム化の提案

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

バイモーダル戦略をもとにIT組織の要素を下表のように分類した当チームでは「経営に貢献できる」ことが強いIT組織の条件であるとしそこにたどり着くために「デザイン思考」着目し課題抽出検討を行っていった

14

デザイン思考の適用可能範囲(仮説)

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

ITを活用した既存事業領域における業務改善

ITを活用した既存事業領域

からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

垂直思考ロジカル思考

水平思考デザイン思考

事業の安定品質に寄与する業務領域は従来から実施している「垂直思考ロジカルシンキング」による原因の掘り下げ対策が有効と考える一方で新たなビジネスや業務を変革するような領域は視点を変えたり直感的に発想したりする水平思考が有効であると考え世界的に多くの企業が取り入れている「デザイン思考」を活用することに焦点を当て検討をしていく

業務改革ビジネス創出の提案

モード2SoE(攻め)

15

なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化

マズローの欲求5段階説

【製品重視(プロダクトアウト志向) 】下記4P理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 商品(Product)bull 流通(Place)bull 価格(Price)bull 販促(Promotion)

自己

実現

欲求

尊厳

欲求

社会的欲求

安全欲求

生理的欲求

ৈઃඟ

ઃඟ

【顧客重視 (マーケットイン志向) 】下記4C理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 顧客にとっての価値(Customer value)bull 顧客が費やすお金(Customer cost)bull 顧客にとっての利便性(Convinience)bull 顧客とのコミュニケーション(Communication)

【顧客(個客)の自己実現重視】下記アクションでラテラル(水平型)マーケティングbull 多様な人材タイプとの人脈ネットワーク構築bull 顧客が求める理想像を敏感に察知bull パーソナライゼーション(顧客rArr個客)bull データ分析を駆使した新たなニーズ発見bull 無関係に見えるものの関係づけbull 当たり前を打破する分析質問試行bull 仮説設定および試行によるビジネスモデル創出

【カスタマージャーニー1重

視lsquo+2P理論rsquo】bull プロセス

(Process)bull 顧客管理

(Profile)

従来型 イノベーション型

レベル1

レベル2

レベル3

1顧客が自社を「認知」「調査」して「購入」した後他者に「推奨」するまでの一連の顧客行動プロセス

市場(顧客)欲求 マーケティングの変遷

顧客(個客)の真のニーズ「インサイト」の発見が重要

16

なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション

(出典)総務省 平成30年版情報通信白書「我が国のICTの現状に関する調査研究」

通信速度の急速な向上(1960年代300bpsrarr現在100Mbpsrarrそして10Gbps)それに合わせてCPU処理能力の飛躍的な向上ストーレージの大容量化を背景にデジタルトランスフォーメーションが加速度的に進んでいる

従来の垂直思考による問題解決型ではもはや限界

水平思考による新たなアイデアにチャレンジし価値創造や競争優位を確立していく

全ての事象をデジタル化

コンピュータ(AI)が得る情報の拡大

「人」「もの」「金」の概念が変化

場所距離という制約が無くなっていく

「もの」を得ることの重要性が下がりできる「こと」が関心ごとの中心へ

17

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考とは~

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

調査分析(Observation)

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

統合(Synthesis) bull可視化

bull具体化bull実現化bull試作化

bull可視化bull具体化bull実現化bull試作化

Prototyping

≪デザイン思考プロセス≫

人間中心思考

共同型チーム

非線形プロセス

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

実際につくってみて実現性をみる実際につくってみて実現性をみる

18

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考の体験~

1 チーム1メンバー全員を対象に「ハーマンモデル」を使ったタイプ分析を実施

2 タイプの異なる人員構成で仮想IT組織を2グループ編成

3 2グループ毎に新サービスのテーマを設定しデザイン思考を活用してアイデア創出活動を実施

4 アイデアを創出した結果を「バリュープロポジションキャンパス」に展開

1 グループAテーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

グループBテーマ【食品】

ダイエットに役立つ商品の企画

2

調査Reserch

分析Analisis

統合Synthesis

実現Realization

3

4

19

テーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

宗教上の制約手続き時間がかかるのは嫌だ自分でサービスを探すのは面倒食べられない食事があるおいしくない食事をしたくない移動するのが面倒言葉の壁お金を使いたくない

目的だけ伝えると必要なことはしてもらえる

言わなくてもおいしい(好みの)食事がいつでも用意される

満足感(幸福感)が得られる機内で利便性が得られる(Wifi等)

安全安心なフライト搭乗手続き等が簡単短時間プライベート感あるサービス

ポスト2020オリンピック効果による経済成長とその後の縮小人の流入政府企業による環境技術発展

ロボット無人運転等AI超高速通信映像(8K)

サプライズによる満足感(幸福感)限定感による満足感(幸福感)顧客の好みを収集し好み通りの食事サービスや利便性を提供

宗教上の問題を考慮してもらえる手続き最短サービス自動提供宗教上アレルギー等の考慮された食事好みを踏まえた食事移動は必要最低限自動翻訳通訳で言葉のストレス減価格を上げることなくサービス提供

AIコンシェルジュ(執事メイド)MR体験旅行MRMixed Reality(複合現実)

Happy Surprise サービス

リピート顧客の獲得パーソナル感オリジナリティ席を売るrarr体験を売るへ搭乗前到着後もサービス対象

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループA~

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

20

バリューマップ 顧客プロフィール

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

痩せたいスタイルを良くしたい

bull 食事はこのままbull ジムに通う時間がないbull 体を動かすのは嫌い

特別なトレーニングや食事制限なしに痩せたい

よい姿勢を常時意識させることで筋肉を使用代謝を高め脂肪を減らす

bull ジムへ通わなくてよいbull 動かすトレーニングは

不要bull 食事は制限なし

姿勢ダイエットと名付けてノウハウを教本として販売コンサルティングも実施する

テーマ【食品】ダイエットに役立つ商品の企画

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループB~

21

デザイン思考導入に向けた課題分析

イノベーション組織(モード2SoE)

既存事業組織(モード1SoR)

体制最小化高生産性安定性

システム基盤整備

他社との強力なパートナーシップ QCD以外の

評価QCD以外の

評価

情報子会社は何を担うのか情報子会社は何を担うのか

既存業務が負担となる

業務改善にデザイン思考は使えるか

業務改善にデザイン思考は使えるか

モード12の資金バランスはモード12の

資金バランスは

試作PoCから運用化事業化

できないビジネス拡大は既

存事業部へ

協働役割分担協働役割分担

多様な人財確保

キャリ活キャリ活

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

POCまではスピード感があるのだがPOCまではスピード感があるのだが

ビジネス拡大をどの組織でビジネス拡大をどの組織で

事業化への強制力が必要

事業化への強制力が必要

RPAによる業務自動化

クラウド化システム資産

「所有」rArr「利用」

既存組織のモチベーションダ

ウン

イノベーションに特化した組織作

今までの文化イノベーション困

チャレンジ(ビジネス的失敗)を繰り返す必要

同じ成功は許さない

同じ成功は許さない

社員の自律性社員の自律性

局面ごとの人財確保

社長権限で立上げ人財確保

社長権限で立上げ人財確保

文化がネック厳格性垂直

思考

文化がネック厳格性垂直

思考

QCD評価QCD評価

ポジティブ要因ネガティブ要因

既存IT領域の発展拡大を行う文化がない

イノベーションを起こす文化醸成

が必要

費用対効果が重要

費用対効果が重要

トップの強力な牽引

課題①トップ

22

イノベーションを起こす環境からみた課題

出所経済産業省平成27年度総合調査研究「企業社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」

デザイン思考導入

課題①トップ

課題②多様性課題③

文化醸成

23

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

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デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

25

【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

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人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 9: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

共通定義-デジタル化デジタルイノベーションの定義

デジタル化とデジタルイノベーションを以下のように定義するデジタル化既存新規領域問わずITを活用した業務改善と事業創造デジタルイノベーションデジタル化のうち既存領域からの発展拡大と新規領域への挑戦

IT

非IT

新規事業領域

既存事業領域 全く新たな事業

領域への挑戦

ITを活用した既存事業領域における業務改善

既存事業領域における業務改善

事業創造(イノベーション)

業務改善(インプルーブメント)

拡大

ITを活用した既存事業領域からの発展

拡大

既存事業領域からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

デジタル化 デジタルイノベーション

8

第二部 研究成果報告

チーム1

デザイン思考によるIT組織活性化

目次

1活動概要(1)メンバー紹介(2)活動実績の紹介(3)研究成果概要

2研究成果について(1)強いIT組織とは(2)デザイン思考の適用可能範囲(仮説)(3)なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化(4)なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション(5)デザイン思考を学ぶ(6)デザイン思考導入に向けた課題分析(7)デザイン思考導入に向けた3つの課題

11

活動実績の紹介

【 イノベーションの取り組みに関する企業調査】

[727-28]沼津合宿

DeNA成田様ご講演

[828]三菱

ケミカル様訪問

[1023]JR東日本様

訪問

[318]最終成果

報告

[215-16]金沢合宿

21 3 4 追加 5 6 7 8 9 10

[529]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第1回レクチャー

化学業界(IT部門)

不動産業界(本体)

化学業界(本体)

製菓業界(本体)

集中討議オリエン

テーション

デザイン思考体験

11

[95]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第2回レクチャー

デザイン思考の組織への取

込を議論

調査結果をインプット

組織への取込について課題抽出議論

[620]東京海上日動システムズ様

訪問

デザイン思考体験

12

研究成果概要

当チームでは強いIT組織としての条件を経営戦略の実現収益拡大に貢献と位置づけその活動に「デザイン思考」が有効な手法であると仮説を立て議論を行った

まずデザイン思考への理解を深めるべく仮想企業のテーマに対してアイデアを出すところまでの体験活動を実施した

次に 「デザイン思考」を組織活動に取り込むにあたっての課題をメンバー間で議論およびヒアリング企業の事例を元に抽出し3テーマ(トップの牽引人材の多様性確保組織文化の醸成)に絞って検討を行った

「デザイン思考」はモード2組織のみならずモード1組織の業務改革でも有効なアプローチであり「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する」ことができる組織への変革が可能であるとの結果となった

13

強いIT組織とは

【強いIT組織】経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する組織

モード2SoE(攻め)

業務改革ビジネス創出の提案

上記を達成するためにIT組織に求められる要素

投資判断

システム化の提案

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

バイモーダル戦略をもとにIT組織の要素を下表のように分類した当チームでは「経営に貢献できる」ことが強いIT組織の条件であるとしそこにたどり着くために「デザイン思考」着目し課題抽出検討を行っていった

14

デザイン思考の適用可能範囲(仮説)

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

ITを活用した既存事業領域における業務改善

ITを活用した既存事業領域

からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

垂直思考ロジカル思考

水平思考デザイン思考

事業の安定品質に寄与する業務領域は従来から実施している「垂直思考ロジカルシンキング」による原因の掘り下げ対策が有効と考える一方で新たなビジネスや業務を変革するような領域は視点を変えたり直感的に発想したりする水平思考が有効であると考え世界的に多くの企業が取り入れている「デザイン思考」を活用することに焦点を当て検討をしていく

業務改革ビジネス創出の提案

モード2SoE(攻め)

15

なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化

マズローの欲求5段階説

【製品重視(プロダクトアウト志向) 】下記4P理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 商品(Product)bull 流通(Place)bull 価格(Price)bull 販促(Promotion)

自己

実現

欲求

尊厳

欲求

社会的欲求

安全欲求

生理的欲求

ৈઃඟ

ઃඟ

【顧客重視 (マーケットイン志向) 】下記4C理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 顧客にとっての価値(Customer value)bull 顧客が費やすお金(Customer cost)bull 顧客にとっての利便性(Convinience)bull 顧客とのコミュニケーション(Communication)

【顧客(個客)の自己実現重視】下記アクションでラテラル(水平型)マーケティングbull 多様な人材タイプとの人脈ネットワーク構築bull 顧客が求める理想像を敏感に察知bull パーソナライゼーション(顧客rArr個客)bull データ分析を駆使した新たなニーズ発見bull 無関係に見えるものの関係づけbull 当たり前を打破する分析質問試行bull 仮説設定および試行によるビジネスモデル創出

【カスタマージャーニー1重

視lsquo+2P理論rsquo】bull プロセス

(Process)bull 顧客管理

(Profile)

従来型 イノベーション型

レベル1

レベル2

レベル3

1顧客が自社を「認知」「調査」して「購入」した後他者に「推奨」するまでの一連の顧客行動プロセス

市場(顧客)欲求 マーケティングの変遷

顧客(個客)の真のニーズ「インサイト」の発見が重要

16

なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション

(出典)総務省 平成30年版情報通信白書「我が国のICTの現状に関する調査研究」

通信速度の急速な向上(1960年代300bpsrarr現在100Mbpsrarrそして10Gbps)それに合わせてCPU処理能力の飛躍的な向上ストーレージの大容量化を背景にデジタルトランスフォーメーションが加速度的に進んでいる

従来の垂直思考による問題解決型ではもはや限界

水平思考による新たなアイデアにチャレンジし価値創造や競争優位を確立していく

全ての事象をデジタル化

コンピュータ(AI)が得る情報の拡大

「人」「もの」「金」の概念が変化

場所距離という制約が無くなっていく

「もの」を得ることの重要性が下がりできる「こと」が関心ごとの中心へ

17

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考とは~

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

調査分析(Observation)

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

統合(Synthesis) bull可視化

bull具体化bull実現化bull試作化

bull可視化bull具体化bull実現化bull試作化

Prototyping

≪デザイン思考プロセス≫

人間中心思考

共同型チーム

非線形プロセス

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

実際につくってみて実現性をみる実際につくってみて実現性をみる

18

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考の体験~

1 チーム1メンバー全員を対象に「ハーマンモデル」を使ったタイプ分析を実施

2 タイプの異なる人員構成で仮想IT組織を2グループ編成

3 2グループ毎に新サービスのテーマを設定しデザイン思考を活用してアイデア創出活動を実施

4 アイデアを創出した結果を「バリュープロポジションキャンパス」に展開

1 グループAテーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

グループBテーマ【食品】

ダイエットに役立つ商品の企画

2

調査Reserch

分析Analisis

統合Synthesis

実現Realization

3

4

19

テーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

宗教上の制約手続き時間がかかるのは嫌だ自分でサービスを探すのは面倒食べられない食事があるおいしくない食事をしたくない移動するのが面倒言葉の壁お金を使いたくない

目的だけ伝えると必要なことはしてもらえる

言わなくてもおいしい(好みの)食事がいつでも用意される

満足感(幸福感)が得られる機内で利便性が得られる(Wifi等)

安全安心なフライト搭乗手続き等が簡単短時間プライベート感あるサービス

ポスト2020オリンピック効果による経済成長とその後の縮小人の流入政府企業による環境技術発展

ロボット無人運転等AI超高速通信映像(8K)

サプライズによる満足感(幸福感)限定感による満足感(幸福感)顧客の好みを収集し好み通りの食事サービスや利便性を提供

宗教上の問題を考慮してもらえる手続き最短サービス自動提供宗教上アレルギー等の考慮された食事好みを踏まえた食事移動は必要最低限自動翻訳通訳で言葉のストレス減価格を上げることなくサービス提供

AIコンシェルジュ(執事メイド)MR体験旅行MRMixed Reality(複合現実)

Happy Surprise サービス

リピート顧客の獲得パーソナル感オリジナリティ席を売るrarr体験を売るへ搭乗前到着後もサービス対象

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループA~

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

20

バリューマップ 顧客プロフィール

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

痩せたいスタイルを良くしたい

bull 食事はこのままbull ジムに通う時間がないbull 体を動かすのは嫌い

特別なトレーニングや食事制限なしに痩せたい

よい姿勢を常時意識させることで筋肉を使用代謝を高め脂肪を減らす

bull ジムへ通わなくてよいbull 動かすトレーニングは

不要bull 食事は制限なし

姿勢ダイエットと名付けてノウハウを教本として販売コンサルティングも実施する

テーマ【食品】ダイエットに役立つ商品の企画

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループB~

21

デザイン思考導入に向けた課題分析

イノベーション組織(モード2SoE)

既存事業組織(モード1SoR)

体制最小化高生産性安定性

システム基盤整備

他社との強力なパートナーシップ QCD以外の

評価QCD以外の

評価

情報子会社は何を担うのか情報子会社は何を担うのか

既存業務が負担となる

業務改善にデザイン思考は使えるか

業務改善にデザイン思考は使えるか

モード12の資金バランスはモード12の

資金バランスは

試作PoCから運用化事業化

できないビジネス拡大は既

存事業部へ

協働役割分担協働役割分担

多様な人財確保

キャリ活キャリ活

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

POCまではスピード感があるのだがPOCまではスピード感があるのだが

ビジネス拡大をどの組織でビジネス拡大をどの組織で

事業化への強制力が必要

事業化への強制力が必要

RPAによる業務自動化

クラウド化システム資産

「所有」rArr「利用」

既存組織のモチベーションダ

ウン

イノベーションに特化した組織作

今までの文化イノベーション困

チャレンジ(ビジネス的失敗)を繰り返す必要

同じ成功は許さない

同じ成功は許さない

社員の自律性社員の自律性

局面ごとの人財確保

社長権限で立上げ人財確保

社長権限で立上げ人財確保

文化がネック厳格性垂直

思考

文化がネック厳格性垂直

思考

QCD評価QCD評価

ポジティブ要因ネガティブ要因

既存IT領域の発展拡大を行う文化がない

イノベーションを起こす文化醸成

が必要

費用対効果が重要

費用対効果が重要

トップの強力な牽引

課題①トップ

22

イノベーションを起こす環境からみた課題

出所経済産業省平成27年度総合調査研究「企業社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」

デザイン思考導入

課題①トップ

課題②多様性課題③

文化醸成

23

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

24

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

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【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

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人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 10: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

第二部 研究成果報告

チーム1

デザイン思考によるIT組織活性化

目次

1活動概要(1)メンバー紹介(2)活動実績の紹介(3)研究成果概要

2研究成果について(1)強いIT組織とは(2)デザイン思考の適用可能範囲(仮説)(3)なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化(4)なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション(5)デザイン思考を学ぶ(6)デザイン思考導入に向けた課題分析(7)デザイン思考導入に向けた3つの課題

11

活動実績の紹介

【 イノベーションの取り組みに関する企業調査】

[727-28]沼津合宿

DeNA成田様ご講演

[828]三菱

ケミカル様訪問

[1023]JR東日本様

訪問

[318]最終成果

報告

[215-16]金沢合宿

21 3 4 追加 5 6 7 8 9 10

[529]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第1回レクチャー

化学業界(IT部門)

不動産業界(本体)

化学業界(本体)

製菓業界(本体)

集中討議オリエン

テーション

デザイン思考体験

11

[95]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第2回レクチャー

デザイン思考の組織への取

込を議論

調査結果をインプット

組織への取込について課題抽出議論

[620]東京海上日動システムズ様

訪問

デザイン思考体験

12

研究成果概要

当チームでは強いIT組織としての条件を経営戦略の実現収益拡大に貢献と位置づけその活動に「デザイン思考」が有効な手法であると仮説を立て議論を行った

まずデザイン思考への理解を深めるべく仮想企業のテーマに対してアイデアを出すところまでの体験活動を実施した

次に 「デザイン思考」を組織活動に取り込むにあたっての課題をメンバー間で議論およびヒアリング企業の事例を元に抽出し3テーマ(トップの牽引人材の多様性確保組織文化の醸成)に絞って検討を行った

「デザイン思考」はモード2組織のみならずモード1組織の業務改革でも有効なアプローチであり「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する」ことができる組織への変革が可能であるとの結果となった

13

強いIT組織とは

【強いIT組織】経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する組織

モード2SoE(攻め)

業務改革ビジネス創出の提案

上記を達成するためにIT組織に求められる要素

投資判断

システム化の提案

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

バイモーダル戦略をもとにIT組織の要素を下表のように分類した当チームでは「経営に貢献できる」ことが強いIT組織の条件であるとしそこにたどり着くために「デザイン思考」着目し課題抽出検討を行っていった

14

デザイン思考の適用可能範囲(仮説)

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

ITを活用した既存事業領域における業務改善

ITを活用した既存事業領域

からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

垂直思考ロジカル思考

水平思考デザイン思考

事業の安定品質に寄与する業務領域は従来から実施している「垂直思考ロジカルシンキング」による原因の掘り下げ対策が有効と考える一方で新たなビジネスや業務を変革するような領域は視点を変えたり直感的に発想したりする水平思考が有効であると考え世界的に多くの企業が取り入れている「デザイン思考」を活用することに焦点を当て検討をしていく

業務改革ビジネス創出の提案

モード2SoE(攻め)

15

なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化

マズローの欲求5段階説

【製品重視(プロダクトアウト志向) 】下記4P理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 商品(Product)bull 流通(Place)bull 価格(Price)bull 販促(Promotion)

自己

実現

欲求

尊厳

欲求

社会的欲求

安全欲求

生理的欲求

ৈઃඟ

ઃඟ

【顧客重視 (マーケットイン志向) 】下記4C理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 顧客にとっての価値(Customer value)bull 顧客が費やすお金(Customer cost)bull 顧客にとっての利便性(Convinience)bull 顧客とのコミュニケーション(Communication)

【顧客(個客)の自己実現重視】下記アクションでラテラル(水平型)マーケティングbull 多様な人材タイプとの人脈ネットワーク構築bull 顧客が求める理想像を敏感に察知bull パーソナライゼーション(顧客rArr個客)bull データ分析を駆使した新たなニーズ発見bull 無関係に見えるものの関係づけbull 当たり前を打破する分析質問試行bull 仮説設定および試行によるビジネスモデル創出

【カスタマージャーニー1重

視lsquo+2P理論rsquo】bull プロセス

(Process)bull 顧客管理

(Profile)

従来型 イノベーション型

レベル1

レベル2

レベル3

1顧客が自社を「認知」「調査」して「購入」した後他者に「推奨」するまでの一連の顧客行動プロセス

市場(顧客)欲求 マーケティングの変遷

顧客(個客)の真のニーズ「インサイト」の発見が重要

16

なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション

(出典)総務省 平成30年版情報通信白書「我が国のICTの現状に関する調査研究」

通信速度の急速な向上(1960年代300bpsrarr現在100Mbpsrarrそして10Gbps)それに合わせてCPU処理能力の飛躍的な向上ストーレージの大容量化を背景にデジタルトランスフォーメーションが加速度的に進んでいる

従来の垂直思考による問題解決型ではもはや限界

水平思考による新たなアイデアにチャレンジし価値創造や競争優位を確立していく

全ての事象をデジタル化

コンピュータ(AI)が得る情報の拡大

「人」「もの」「金」の概念が変化

場所距離という制約が無くなっていく

「もの」を得ることの重要性が下がりできる「こと」が関心ごとの中心へ

17

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考とは~

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

調査分析(Observation)

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

統合(Synthesis) bull可視化

bull具体化bull実現化bull試作化

bull可視化bull具体化bull実現化bull試作化

Prototyping

≪デザイン思考プロセス≫

人間中心思考

共同型チーム

非線形プロセス

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

実際につくってみて実現性をみる実際につくってみて実現性をみる

18

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考の体験~

1 チーム1メンバー全員を対象に「ハーマンモデル」を使ったタイプ分析を実施

2 タイプの異なる人員構成で仮想IT組織を2グループ編成

3 2グループ毎に新サービスのテーマを設定しデザイン思考を活用してアイデア創出活動を実施

4 アイデアを創出した結果を「バリュープロポジションキャンパス」に展開

1 グループAテーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

グループBテーマ【食品】

ダイエットに役立つ商品の企画

2

調査Reserch

分析Analisis

統合Synthesis

実現Realization

3

4

19

テーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

宗教上の制約手続き時間がかかるのは嫌だ自分でサービスを探すのは面倒食べられない食事があるおいしくない食事をしたくない移動するのが面倒言葉の壁お金を使いたくない

目的だけ伝えると必要なことはしてもらえる

言わなくてもおいしい(好みの)食事がいつでも用意される

満足感(幸福感)が得られる機内で利便性が得られる(Wifi等)

安全安心なフライト搭乗手続き等が簡単短時間プライベート感あるサービス

ポスト2020オリンピック効果による経済成長とその後の縮小人の流入政府企業による環境技術発展

ロボット無人運転等AI超高速通信映像(8K)

サプライズによる満足感(幸福感)限定感による満足感(幸福感)顧客の好みを収集し好み通りの食事サービスや利便性を提供

宗教上の問題を考慮してもらえる手続き最短サービス自動提供宗教上アレルギー等の考慮された食事好みを踏まえた食事移動は必要最低限自動翻訳通訳で言葉のストレス減価格を上げることなくサービス提供

AIコンシェルジュ(執事メイド)MR体験旅行MRMixed Reality(複合現実)

Happy Surprise サービス

リピート顧客の獲得パーソナル感オリジナリティ席を売るrarr体験を売るへ搭乗前到着後もサービス対象

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループA~

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

20

バリューマップ 顧客プロフィール

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

痩せたいスタイルを良くしたい

bull 食事はこのままbull ジムに通う時間がないbull 体を動かすのは嫌い

特別なトレーニングや食事制限なしに痩せたい

よい姿勢を常時意識させることで筋肉を使用代謝を高め脂肪を減らす

bull ジムへ通わなくてよいbull 動かすトレーニングは

不要bull 食事は制限なし

姿勢ダイエットと名付けてノウハウを教本として販売コンサルティングも実施する

テーマ【食品】ダイエットに役立つ商品の企画

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループB~

21

デザイン思考導入に向けた課題分析

イノベーション組織(モード2SoE)

既存事業組織(モード1SoR)

体制最小化高生産性安定性

システム基盤整備

他社との強力なパートナーシップ QCD以外の

評価QCD以外の

評価

情報子会社は何を担うのか情報子会社は何を担うのか

既存業務が負担となる

業務改善にデザイン思考は使えるか

業務改善にデザイン思考は使えるか

モード12の資金バランスはモード12の

資金バランスは

試作PoCから運用化事業化

できないビジネス拡大は既

存事業部へ

協働役割分担協働役割分担

多様な人財確保

キャリ活キャリ活

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

POCまではスピード感があるのだがPOCまではスピード感があるのだが

ビジネス拡大をどの組織でビジネス拡大をどの組織で

事業化への強制力が必要

事業化への強制力が必要

RPAによる業務自動化

クラウド化システム資産

「所有」rArr「利用」

既存組織のモチベーションダ

ウン

イノベーションに特化した組織作

今までの文化イノベーション困

チャレンジ(ビジネス的失敗)を繰り返す必要

同じ成功は許さない

同じ成功は許さない

社員の自律性社員の自律性

局面ごとの人財確保

社長権限で立上げ人財確保

社長権限で立上げ人財確保

文化がネック厳格性垂直

思考

文化がネック厳格性垂直

思考

QCD評価QCD評価

ポジティブ要因ネガティブ要因

既存IT領域の発展拡大を行う文化がない

イノベーションを起こす文化醸成

が必要

費用対効果が重要

費用対効果が重要

トップの強力な牽引

課題①トップ

22

イノベーションを起こす環境からみた課題

出所経済産業省平成27年度総合調査研究「企業社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」

デザイン思考導入

課題①トップ

課題②多様性課題③

文化醸成

23

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

24

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

25

【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

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人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 11: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

チーム1

デザイン思考によるIT組織活性化

目次

1活動概要(1)メンバー紹介(2)活動実績の紹介(3)研究成果概要

2研究成果について(1)強いIT組織とは(2)デザイン思考の適用可能範囲(仮説)(3)なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化(4)なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション(5)デザイン思考を学ぶ(6)デザイン思考導入に向けた課題分析(7)デザイン思考導入に向けた3つの課題

11

活動実績の紹介

【 イノベーションの取り組みに関する企業調査】

[727-28]沼津合宿

DeNA成田様ご講演

[828]三菱

ケミカル様訪問

[1023]JR東日本様

訪問

[318]最終成果

報告

[215-16]金沢合宿

21 3 4 追加 5 6 7 8 9 10

[529]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第1回レクチャー

化学業界(IT部門)

不動産業界(本体)

化学業界(本体)

製菓業界(本体)

集中討議オリエン

テーション

デザイン思考体験

11

[95]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第2回レクチャー

デザイン思考の組織への取

込を議論

調査結果をインプット

組織への取込について課題抽出議論

[620]東京海上日動システムズ様

訪問

デザイン思考体験

12

研究成果概要

当チームでは強いIT組織としての条件を経営戦略の実現収益拡大に貢献と位置づけその活動に「デザイン思考」が有効な手法であると仮説を立て議論を行った

まずデザイン思考への理解を深めるべく仮想企業のテーマに対してアイデアを出すところまでの体験活動を実施した

次に 「デザイン思考」を組織活動に取り込むにあたっての課題をメンバー間で議論およびヒアリング企業の事例を元に抽出し3テーマ(トップの牽引人材の多様性確保組織文化の醸成)に絞って検討を行った

「デザイン思考」はモード2組織のみならずモード1組織の業務改革でも有効なアプローチであり「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する」ことができる組織への変革が可能であるとの結果となった

13

強いIT組織とは

【強いIT組織】経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する組織

モード2SoE(攻め)

業務改革ビジネス創出の提案

上記を達成するためにIT組織に求められる要素

投資判断

システム化の提案

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

バイモーダル戦略をもとにIT組織の要素を下表のように分類した当チームでは「経営に貢献できる」ことが強いIT組織の条件であるとしそこにたどり着くために「デザイン思考」着目し課題抽出検討を行っていった

14

デザイン思考の適用可能範囲(仮説)

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

ITを活用した既存事業領域における業務改善

ITを活用した既存事業領域

からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

垂直思考ロジカル思考

水平思考デザイン思考

事業の安定品質に寄与する業務領域は従来から実施している「垂直思考ロジカルシンキング」による原因の掘り下げ対策が有効と考える一方で新たなビジネスや業務を変革するような領域は視点を変えたり直感的に発想したりする水平思考が有効であると考え世界的に多くの企業が取り入れている「デザイン思考」を活用することに焦点を当て検討をしていく

業務改革ビジネス創出の提案

モード2SoE(攻め)

15

なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化

マズローの欲求5段階説

【製品重視(プロダクトアウト志向) 】下記4P理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 商品(Product)bull 流通(Place)bull 価格(Price)bull 販促(Promotion)

自己

実現

欲求

尊厳

欲求

社会的欲求

安全欲求

生理的欲求

ৈઃඟ

ઃඟ

【顧客重視 (マーケットイン志向) 】下記4C理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 顧客にとっての価値(Customer value)bull 顧客が費やすお金(Customer cost)bull 顧客にとっての利便性(Convinience)bull 顧客とのコミュニケーション(Communication)

【顧客(個客)の自己実現重視】下記アクションでラテラル(水平型)マーケティングbull 多様な人材タイプとの人脈ネットワーク構築bull 顧客が求める理想像を敏感に察知bull パーソナライゼーション(顧客rArr個客)bull データ分析を駆使した新たなニーズ発見bull 無関係に見えるものの関係づけbull 当たり前を打破する分析質問試行bull 仮説設定および試行によるビジネスモデル創出

【カスタマージャーニー1重

視lsquo+2P理論rsquo】bull プロセス

(Process)bull 顧客管理

(Profile)

従来型 イノベーション型

レベル1

レベル2

レベル3

1顧客が自社を「認知」「調査」して「購入」した後他者に「推奨」するまでの一連の顧客行動プロセス

市場(顧客)欲求 マーケティングの変遷

顧客(個客)の真のニーズ「インサイト」の発見が重要

16

なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション

(出典)総務省 平成30年版情報通信白書「我が国のICTの現状に関する調査研究」

通信速度の急速な向上(1960年代300bpsrarr現在100Mbpsrarrそして10Gbps)それに合わせてCPU処理能力の飛躍的な向上ストーレージの大容量化を背景にデジタルトランスフォーメーションが加速度的に進んでいる

従来の垂直思考による問題解決型ではもはや限界

水平思考による新たなアイデアにチャレンジし価値創造や競争優位を確立していく

全ての事象をデジタル化

コンピュータ(AI)が得る情報の拡大

「人」「もの」「金」の概念が変化

場所距離という制約が無くなっていく

「もの」を得ることの重要性が下がりできる「こと」が関心ごとの中心へ

17

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考とは~

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

調査分析(Observation)

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

統合(Synthesis) bull可視化

bull具体化bull実現化bull試作化

bull可視化bull具体化bull実現化bull試作化

Prototyping

≪デザイン思考プロセス≫

人間中心思考

共同型チーム

非線形プロセス

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

実際につくってみて実現性をみる実際につくってみて実現性をみる

18

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考の体験~

1 チーム1メンバー全員を対象に「ハーマンモデル」を使ったタイプ分析を実施

2 タイプの異なる人員構成で仮想IT組織を2グループ編成

3 2グループ毎に新サービスのテーマを設定しデザイン思考を活用してアイデア創出活動を実施

4 アイデアを創出した結果を「バリュープロポジションキャンパス」に展開

1 グループAテーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

グループBテーマ【食品】

ダイエットに役立つ商品の企画

2

調査Reserch

分析Analisis

統合Synthesis

実現Realization

3

4

19

テーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

宗教上の制約手続き時間がかかるのは嫌だ自分でサービスを探すのは面倒食べられない食事があるおいしくない食事をしたくない移動するのが面倒言葉の壁お金を使いたくない

目的だけ伝えると必要なことはしてもらえる

言わなくてもおいしい(好みの)食事がいつでも用意される

満足感(幸福感)が得られる機内で利便性が得られる(Wifi等)

安全安心なフライト搭乗手続き等が簡単短時間プライベート感あるサービス

ポスト2020オリンピック効果による経済成長とその後の縮小人の流入政府企業による環境技術発展

ロボット無人運転等AI超高速通信映像(8K)

サプライズによる満足感(幸福感)限定感による満足感(幸福感)顧客の好みを収集し好み通りの食事サービスや利便性を提供

宗教上の問題を考慮してもらえる手続き最短サービス自動提供宗教上アレルギー等の考慮された食事好みを踏まえた食事移動は必要最低限自動翻訳通訳で言葉のストレス減価格を上げることなくサービス提供

AIコンシェルジュ(執事メイド)MR体験旅行MRMixed Reality(複合現実)

Happy Surprise サービス

リピート顧客の獲得パーソナル感オリジナリティ席を売るrarr体験を売るへ搭乗前到着後もサービス対象

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループA~

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

20

バリューマップ 顧客プロフィール

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

痩せたいスタイルを良くしたい

bull 食事はこのままbull ジムに通う時間がないbull 体を動かすのは嫌い

特別なトレーニングや食事制限なしに痩せたい

よい姿勢を常時意識させることで筋肉を使用代謝を高め脂肪を減らす

bull ジムへ通わなくてよいbull 動かすトレーニングは

不要bull 食事は制限なし

姿勢ダイエットと名付けてノウハウを教本として販売コンサルティングも実施する

テーマ【食品】ダイエットに役立つ商品の企画

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループB~

21

デザイン思考導入に向けた課題分析

イノベーション組織(モード2SoE)

既存事業組織(モード1SoR)

体制最小化高生産性安定性

システム基盤整備

他社との強力なパートナーシップ QCD以外の

評価QCD以外の

評価

情報子会社は何を担うのか情報子会社は何を担うのか

既存業務が負担となる

業務改善にデザイン思考は使えるか

業務改善にデザイン思考は使えるか

モード12の資金バランスはモード12の

資金バランスは

試作PoCから運用化事業化

できないビジネス拡大は既

存事業部へ

協働役割分担協働役割分担

多様な人財確保

キャリ活キャリ活

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

POCまではスピード感があるのだがPOCまではスピード感があるのだが

ビジネス拡大をどの組織でビジネス拡大をどの組織で

事業化への強制力が必要

事業化への強制力が必要

RPAによる業務自動化

クラウド化システム資産

「所有」rArr「利用」

既存組織のモチベーションダ

ウン

イノベーションに特化した組織作

今までの文化イノベーション困

チャレンジ(ビジネス的失敗)を繰り返す必要

同じ成功は許さない

同じ成功は許さない

社員の自律性社員の自律性

局面ごとの人財確保

社長権限で立上げ人財確保

社長権限で立上げ人財確保

文化がネック厳格性垂直

思考

文化がネック厳格性垂直

思考

QCD評価QCD評価

ポジティブ要因ネガティブ要因

既存IT領域の発展拡大を行う文化がない

イノベーションを起こす文化醸成

が必要

費用対効果が重要

費用対効果が重要

トップの強力な牽引

課題①トップ

22

イノベーションを起こす環境からみた課題

出所経済産業省平成27年度総合調査研究「企業社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」

デザイン思考導入

課題①トップ

課題②多様性課題③

文化醸成

23

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

24

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

25

【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

28

人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 12: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

目次

1活動概要(1)メンバー紹介(2)活動実績の紹介(3)研究成果概要

2研究成果について(1)強いIT組織とは(2)デザイン思考の適用可能範囲(仮説)(3)なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化(4)なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション(5)デザイン思考を学ぶ(6)デザイン思考導入に向けた課題分析(7)デザイン思考導入に向けた3つの課題

11

活動実績の紹介

【 イノベーションの取り組みに関する企業調査】

[727-28]沼津合宿

DeNA成田様ご講演

[828]三菱

ケミカル様訪問

[1023]JR東日本様

訪問

[318]最終成果

報告

[215-16]金沢合宿

21 3 4 追加 5 6 7 8 9 10

[529]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第1回レクチャー

化学業界(IT部門)

不動産業界(本体)

化学業界(本体)

製菓業界(本体)

集中討議オリエン

テーション

デザイン思考体験

11

[95]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第2回レクチャー

デザイン思考の組織への取

込を議論

調査結果をインプット

組織への取込について課題抽出議論

[620]東京海上日動システムズ様

訪問

デザイン思考体験

12

研究成果概要

当チームでは強いIT組織としての条件を経営戦略の実現収益拡大に貢献と位置づけその活動に「デザイン思考」が有効な手法であると仮説を立て議論を行った

まずデザイン思考への理解を深めるべく仮想企業のテーマに対してアイデアを出すところまでの体験活動を実施した

次に 「デザイン思考」を組織活動に取り込むにあたっての課題をメンバー間で議論およびヒアリング企業の事例を元に抽出し3テーマ(トップの牽引人材の多様性確保組織文化の醸成)に絞って検討を行った

「デザイン思考」はモード2組織のみならずモード1組織の業務改革でも有効なアプローチであり「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する」ことができる組織への変革が可能であるとの結果となった

13

強いIT組織とは

【強いIT組織】経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する組織

モード2SoE(攻め)

業務改革ビジネス創出の提案

上記を達成するためにIT組織に求められる要素

投資判断

システム化の提案

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

バイモーダル戦略をもとにIT組織の要素を下表のように分類した当チームでは「経営に貢献できる」ことが強いIT組織の条件であるとしそこにたどり着くために「デザイン思考」着目し課題抽出検討を行っていった

14

デザイン思考の適用可能範囲(仮説)

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

ITを活用した既存事業領域における業務改善

ITを活用した既存事業領域

からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

垂直思考ロジカル思考

水平思考デザイン思考

事業の安定品質に寄与する業務領域は従来から実施している「垂直思考ロジカルシンキング」による原因の掘り下げ対策が有効と考える一方で新たなビジネスや業務を変革するような領域は視点を変えたり直感的に発想したりする水平思考が有効であると考え世界的に多くの企業が取り入れている「デザイン思考」を活用することに焦点を当て検討をしていく

業務改革ビジネス創出の提案

モード2SoE(攻め)

15

なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化

マズローの欲求5段階説

【製品重視(プロダクトアウト志向) 】下記4P理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 商品(Product)bull 流通(Place)bull 価格(Price)bull 販促(Promotion)

自己

実現

欲求

尊厳

欲求

社会的欲求

安全欲求

生理的欲求

ৈઃඟ

ઃඟ

【顧客重視 (マーケットイン志向) 】下記4C理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 顧客にとっての価値(Customer value)bull 顧客が費やすお金(Customer cost)bull 顧客にとっての利便性(Convinience)bull 顧客とのコミュニケーション(Communication)

【顧客(個客)の自己実現重視】下記アクションでラテラル(水平型)マーケティングbull 多様な人材タイプとの人脈ネットワーク構築bull 顧客が求める理想像を敏感に察知bull パーソナライゼーション(顧客rArr個客)bull データ分析を駆使した新たなニーズ発見bull 無関係に見えるものの関係づけbull 当たり前を打破する分析質問試行bull 仮説設定および試行によるビジネスモデル創出

【カスタマージャーニー1重

視lsquo+2P理論rsquo】bull プロセス

(Process)bull 顧客管理

(Profile)

従来型 イノベーション型

レベル1

レベル2

レベル3

1顧客が自社を「認知」「調査」して「購入」した後他者に「推奨」するまでの一連の顧客行動プロセス

市場(顧客)欲求 マーケティングの変遷

顧客(個客)の真のニーズ「インサイト」の発見が重要

16

なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション

(出典)総務省 平成30年版情報通信白書「我が国のICTの現状に関する調査研究」

通信速度の急速な向上(1960年代300bpsrarr現在100Mbpsrarrそして10Gbps)それに合わせてCPU処理能力の飛躍的な向上ストーレージの大容量化を背景にデジタルトランスフォーメーションが加速度的に進んでいる

従来の垂直思考による問題解決型ではもはや限界

水平思考による新たなアイデアにチャレンジし価値創造や競争優位を確立していく

全ての事象をデジタル化

コンピュータ(AI)が得る情報の拡大

「人」「もの」「金」の概念が変化

場所距離という制約が無くなっていく

「もの」を得ることの重要性が下がりできる「こと」が関心ごとの中心へ

17

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考とは~

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

調査分析(Observation)

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

統合(Synthesis) bull可視化

bull具体化bull実現化bull試作化

bull可視化bull具体化bull実現化bull試作化

Prototyping

≪デザイン思考プロセス≫

人間中心思考

共同型チーム

非線形プロセス

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

実際につくってみて実現性をみる実際につくってみて実現性をみる

18

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考の体験~

1 チーム1メンバー全員を対象に「ハーマンモデル」を使ったタイプ分析を実施

2 タイプの異なる人員構成で仮想IT組織を2グループ編成

3 2グループ毎に新サービスのテーマを設定しデザイン思考を活用してアイデア創出活動を実施

4 アイデアを創出した結果を「バリュープロポジションキャンパス」に展開

1 グループAテーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

グループBテーマ【食品】

ダイエットに役立つ商品の企画

2

調査Reserch

分析Analisis

統合Synthesis

実現Realization

3

4

19

テーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

宗教上の制約手続き時間がかかるのは嫌だ自分でサービスを探すのは面倒食べられない食事があるおいしくない食事をしたくない移動するのが面倒言葉の壁お金を使いたくない

目的だけ伝えると必要なことはしてもらえる

言わなくてもおいしい(好みの)食事がいつでも用意される

満足感(幸福感)が得られる機内で利便性が得られる(Wifi等)

安全安心なフライト搭乗手続き等が簡単短時間プライベート感あるサービス

ポスト2020オリンピック効果による経済成長とその後の縮小人の流入政府企業による環境技術発展

ロボット無人運転等AI超高速通信映像(8K)

サプライズによる満足感(幸福感)限定感による満足感(幸福感)顧客の好みを収集し好み通りの食事サービスや利便性を提供

宗教上の問題を考慮してもらえる手続き最短サービス自動提供宗教上アレルギー等の考慮された食事好みを踏まえた食事移動は必要最低限自動翻訳通訳で言葉のストレス減価格を上げることなくサービス提供

AIコンシェルジュ(執事メイド)MR体験旅行MRMixed Reality(複合現実)

Happy Surprise サービス

リピート顧客の獲得パーソナル感オリジナリティ席を売るrarr体験を売るへ搭乗前到着後もサービス対象

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループA~

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

20

バリューマップ 顧客プロフィール

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

痩せたいスタイルを良くしたい

bull 食事はこのままbull ジムに通う時間がないbull 体を動かすのは嫌い

特別なトレーニングや食事制限なしに痩せたい

よい姿勢を常時意識させることで筋肉を使用代謝を高め脂肪を減らす

bull ジムへ通わなくてよいbull 動かすトレーニングは

不要bull 食事は制限なし

姿勢ダイエットと名付けてノウハウを教本として販売コンサルティングも実施する

テーマ【食品】ダイエットに役立つ商品の企画

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループB~

21

デザイン思考導入に向けた課題分析

イノベーション組織(モード2SoE)

既存事業組織(モード1SoR)

体制最小化高生産性安定性

システム基盤整備

他社との強力なパートナーシップ QCD以外の

評価QCD以外の

評価

情報子会社は何を担うのか情報子会社は何を担うのか

既存業務が負担となる

業務改善にデザイン思考は使えるか

業務改善にデザイン思考は使えるか

モード12の資金バランスはモード12の

資金バランスは

試作PoCから運用化事業化

できないビジネス拡大は既

存事業部へ

協働役割分担協働役割分担

多様な人財確保

キャリ活キャリ活

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

POCまではスピード感があるのだがPOCまではスピード感があるのだが

ビジネス拡大をどの組織でビジネス拡大をどの組織で

事業化への強制力が必要

事業化への強制力が必要

RPAによる業務自動化

クラウド化システム資産

「所有」rArr「利用」

既存組織のモチベーションダ

ウン

イノベーションに特化した組織作

今までの文化イノベーション困

チャレンジ(ビジネス的失敗)を繰り返す必要

同じ成功は許さない

同じ成功は許さない

社員の自律性社員の自律性

局面ごとの人財確保

社長権限で立上げ人財確保

社長権限で立上げ人財確保

文化がネック厳格性垂直

思考

文化がネック厳格性垂直

思考

QCD評価QCD評価

ポジティブ要因ネガティブ要因

既存IT領域の発展拡大を行う文化がない

イノベーションを起こす文化醸成

が必要

費用対効果が重要

費用対効果が重要

トップの強力な牽引

課題①トップ

22

イノベーションを起こす環境からみた課題

出所経済産業省平成27年度総合調査研究「企業社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」

デザイン思考導入

課題①トップ

課題②多様性課題③

文化醸成

23

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

24

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

25

【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

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人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 13: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

活動実績の紹介

【 イノベーションの取り組みに関する企業調査】

[727-28]沼津合宿

DeNA成田様ご講演

[828]三菱

ケミカル様訪問

[1023]JR東日本様

訪問

[318]最終成果

報告

[215-16]金沢合宿

21 3 4 追加 5 6 7 8 9 10

[529]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第1回レクチャー

化学業界(IT部門)

不動産業界(本体)

化学業界(本体)

製菓業界(本体)

集中討議オリエン

テーション

デザイン思考体験

11

[95]PMアラインメント

中谷様によるデザイン思考

第2回レクチャー

デザイン思考の組織への取

込を議論

調査結果をインプット

組織への取込について課題抽出議論

[620]東京海上日動システムズ様

訪問

デザイン思考体験

12

研究成果概要

当チームでは強いIT組織としての条件を経営戦略の実現収益拡大に貢献と位置づけその活動に「デザイン思考」が有効な手法であると仮説を立て議論を行った

まずデザイン思考への理解を深めるべく仮想企業のテーマに対してアイデアを出すところまでの体験活動を実施した

次に 「デザイン思考」を組織活動に取り込むにあたっての課題をメンバー間で議論およびヒアリング企業の事例を元に抽出し3テーマ(トップの牽引人材の多様性確保組織文化の醸成)に絞って検討を行った

「デザイン思考」はモード2組織のみならずモード1組織の業務改革でも有効なアプローチであり「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する」ことができる組織への変革が可能であるとの結果となった

13

強いIT組織とは

【強いIT組織】経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する組織

モード2SoE(攻め)

業務改革ビジネス創出の提案

上記を達成するためにIT組織に求められる要素

投資判断

システム化の提案

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

バイモーダル戦略をもとにIT組織の要素を下表のように分類した当チームでは「経営に貢献できる」ことが強いIT組織の条件であるとしそこにたどり着くために「デザイン思考」着目し課題抽出検討を行っていった

14

デザイン思考の適用可能範囲(仮説)

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

ITを活用した既存事業領域における業務改善

ITを活用した既存事業領域

からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

垂直思考ロジカル思考

水平思考デザイン思考

事業の安定品質に寄与する業務領域は従来から実施している「垂直思考ロジカルシンキング」による原因の掘り下げ対策が有効と考える一方で新たなビジネスや業務を変革するような領域は視点を変えたり直感的に発想したりする水平思考が有効であると考え世界的に多くの企業が取り入れている「デザイン思考」を活用することに焦点を当て検討をしていく

業務改革ビジネス創出の提案

モード2SoE(攻め)

15

なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化

マズローの欲求5段階説

【製品重視(プロダクトアウト志向) 】下記4P理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 商品(Product)bull 流通(Place)bull 価格(Price)bull 販促(Promotion)

自己

実現

欲求

尊厳

欲求

社会的欲求

安全欲求

生理的欲求

ৈઃඟ

ઃඟ

【顧客重視 (マーケットイン志向) 】下記4C理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 顧客にとっての価値(Customer value)bull 顧客が費やすお金(Customer cost)bull 顧客にとっての利便性(Convinience)bull 顧客とのコミュニケーション(Communication)

【顧客(個客)の自己実現重視】下記アクションでラテラル(水平型)マーケティングbull 多様な人材タイプとの人脈ネットワーク構築bull 顧客が求める理想像を敏感に察知bull パーソナライゼーション(顧客rArr個客)bull データ分析を駆使した新たなニーズ発見bull 無関係に見えるものの関係づけbull 当たり前を打破する分析質問試行bull 仮説設定および試行によるビジネスモデル創出

【カスタマージャーニー1重

視lsquo+2P理論rsquo】bull プロセス

(Process)bull 顧客管理

(Profile)

従来型 イノベーション型

レベル1

レベル2

レベル3

1顧客が自社を「認知」「調査」して「購入」した後他者に「推奨」するまでの一連の顧客行動プロセス

市場(顧客)欲求 マーケティングの変遷

顧客(個客)の真のニーズ「インサイト」の発見が重要

16

なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション

(出典)総務省 平成30年版情報通信白書「我が国のICTの現状に関する調査研究」

通信速度の急速な向上(1960年代300bpsrarr現在100Mbpsrarrそして10Gbps)それに合わせてCPU処理能力の飛躍的な向上ストーレージの大容量化を背景にデジタルトランスフォーメーションが加速度的に進んでいる

従来の垂直思考による問題解決型ではもはや限界

水平思考による新たなアイデアにチャレンジし価値創造や競争優位を確立していく

全ての事象をデジタル化

コンピュータ(AI)が得る情報の拡大

「人」「もの」「金」の概念が変化

場所距離という制約が無くなっていく

「もの」を得ることの重要性が下がりできる「こと」が関心ごとの中心へ

17

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考とは~

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

調査分析(Observation)

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

統合(Synthesis) bull可視化

bull具体化bull実現化bull試作化

bull可視化bull具体化bull実現化bull試作化

Prototyping

≪デザイン思考プロセス≫

人間中心思考

共同型チーム

非線形プロセス

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

実際につくってみて実現性をみる実際につくってみて実現性をみる

18

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考の体験~

1 チーム1メンバー全員を対象に「ハーマンモデル」を使ったタイプ分析を実施

2 タイプの異なる人員構成で仮想IT組織を2グループ編成

3 2グループ毎に新サービスのテーマを設定しデザイン思考を活用してアイデア創出活動を実施

4 アイデアを創出した結果を「バリュープロポジションキャンパス」に展開

1 グループAテーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

グループBテーマ【食品】

ダイエットに役立つ商品の企画

2

調査Reserch

分析Analisis

統合Synthesis

実現Realization

3

4

19

テーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

宗教上の制約手続き時間がかかるのは嫌だ自分でサービスを探すのは面倒食べられない食事があるおいしくない食事をしたくない移動するのが面倒言葉の壁お金を使いたくない

目的だけ伝えると必要なことはしてもらえる

言わなくてもおいしい(好みの)食事がいつでも用意される

満足感(幸福感)が得られる機内で利便性が得られる(Wifi等)

安全安心なフライト搭乗手続き等が簡単短時間プライベート感あるサービス

ポスト2020オリンピック効果による経済成長とその後の縮小人の流入政府企業による環境技術発展

ロボット無人運転等AI超高速通信映像(8K)

サプライズによる満足感(幸福感)限定感による満足感(幸福感)顧客の好みを収集し好み通りの食事サービスや利便性を提供

宗教上の問題を考慮してもらえる手続き最短サービス自動提供宗教上アレルギー等の考慮された食事好みを踏まえた食事移動は必要最低限自動翻訳通訳で言葉のストレス減価格を上げることなくサービス提供

AIコンシェルジュ(執事メイド)MR体験旅行MRMixed Reality(複合現実)

Happy Surprise サービス

リピート顧客の獲得パーソナル感オリジナリティ席を売るrarr体験を売るへ搭乗前到着後もサービス対象

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループA~

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

20

バリューマップ 顧客プロフィール

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

痩せたいスタイルを良くしたい

bull 食事はこのままbull ジムに通う時間がないbull 体を動かすのは嫌い

特別なトレーニングや食事制限なしに痩せたい

よい姿勢を常時意識させることで筋肉を使用代謝を高め脂肪を減らす

bull ジムへ通わなくてよいbull 動かすトレーニングは

不要bull 食事は制限なし

姿勢ダイエットと名付けてノウハウを教本として販売コンサルティングも実施する

テーマ【食品】ダイエットに役立つ商品の企画

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループB~

21

デザイン思考導入に向けた課題分析

イノベーション組織(モード2SoE)

既存事業組織(モード1SoR)

体制最小化高生産性安定性

システム基盤整備

他社との強力なパートナーシップ QCD以外の

評価QCD以外の

評価

情報子会社は何を担うのか情報子会社は何を担うのか

既存業務が負担となる

業務改善にデザイン思考は使えるか

業務改善にデザイン思考は使えるか

モード12の資金バランスはモード12の

資金バランスは

試作PoCから運用化事業化

できないビジネス拡大は既

存事業部へ

協働役割分担協働役割分担

多様な人財確保

キャリ活キャリ活

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

POCまではスピード感があるのだがPOCまではスピード感があるのだが

ビジネス拡大をどの組織でビジネス拡大をどの組織で

事業化への強制力が必要

事業化への強制力が必要

RPAによる業務自動化

クラウド化システム資産

「所有」rArr「利用」

既存組織のモチベーションダ

ウン

イノベーションに特化した組織作

今までの文化イノベーション困

チャレンジ(ビジネス的失敗)を繰り返す必要

同じ成功は許さない

同じ成功は許さない

社員の自律性社員の自律性

局面ごとの人財確保

社長権限で立上げ人財確保

社長権限で立上げ人財確保

文化がネック厳格性垂直

思考

文化がネック厳格性垂直

思考

QCD評価QCD評価

ポジティブ要因ネガティブ要因

既存IT領域の発展拡大を行う文化がない

イノベーションを起こす文化醸成

が必要

費用対効果が重要

費用対効果が重要

トップの強力な牽引

課題①トップ

22

イノベーションを起こす環境からみた課題

出所経済産業省平成27年度総合調査研究「企業社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」

デザイン思考導入

課題①トップ

課題②多様性課題③

文化醸成

23

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

24

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

25

【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

28

人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 14: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

研究成果概要

当チームでは強いIT組織としての条件を経営戦略の実現収益拡大に貢献と位置づけその活動に「デザイン思考」が有効な手法であると仮説を立て議論を行った

まずデザイン思考への理解を深めるべく仮想企業のテーマに対してアイデアを出すところまでの体験活動を実施した

次に 「デザイン思考」を組織活動に取り込むにあたっての課題をメンバー間で議論およびヒアリング企業の事例を元に抽出し3テーマ(トップの牽引人材の多様性確保組織文化の醸成)に絞って検討を行った

「デザイン思考」はモード2組織のみならずモード1組織の業務改革でも有効なアプローチであり「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する」ことができる組織への変革が可能であるとの結果となった

13

強いIT組織とは

【強いIT組織】経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する組織

モード2SoE(攻め)

業務改革ビジネス創出の提案

上記を達成するためにIT組織に求められる要素

投資判断

システム化の提案

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

バイモーダル戦略をもとにIT組織の要素を下表のように分類した当チームでは「経営に貢献できる」ことが強いIT組織の条件であるとしそこにたどり着くために「デザイン思考」着目し課題抽出検討を行っていった

14

デザイン思考の適用可能範囲(仮説)

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

ITを活用した既存事業領域における業務改善

ITを活用した既存事業領域

からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

垂直思考ロジカル思考

水平思考デザイン思考

事業の安定品質に寄与する業務領域は従来から実施している「垂直思考ロジカルシンキング」による原因の掘り下げ対策が有効と考える一方で新たなビジネスや業務を変革するような領域は視点を変えたり直感的に発想したりする水平思考が有効であると考え世界的に多くの企業が取り入れている「デザイン思考」を活用することに焦点を当て検討をしていく

業務改革ビジネス創出の提案

モード2SoE(攻め)

15

なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化

マズローの欲求5段階説

【製品重視(プロダクトアウト志向) 】下記4P理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 商品(Product)bull 流通(Place)bull 価格(Price)bull 販促(Promotion)

自己

実現

欲求

尊厳

欲求

社会的欲求

安全欲求

生理的欲求

ৈઃඟ

ઃඟ

【顧客重視 (マーケットイン志向) 】下記4C理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 顧客にとっての価値(Customer value)bull 顧客が費やすお金(Customer cost)bull 顧客にとっての利便性(Convinience)bull 顧客とのコミュニケーション(Communication)

【顧客(個客)の自己実現重視】下記アクションでラテラル(水平型)マーケティングbull 多様な人材タイプとの人脈ネットワーク構築bull 顧客が求める理想像を敏感に察知bull パーソナライゼーション(顧客rArr個客)bull データ分析を駆使した新たなニーズ発見bull 無関係に見えるものの関係づけbull 当たり前を打破する分析質問試行bull 仮説設定および試行によるビジネスモデル創出

【カスタマージャーニー1重

視lsquo+2P理論rsquo】bull プロセス

(Process)bull 顧客管理

(Profile)

従来型 イノベーション型

レベル1

レベル2

レベル3

1顧客が自社を「認知」「調査」して「購入」した後他者に「推奨」するまでの一連の顧客行動プロセス

市場(顧客)欲求 マーケティングの変遷

顧客(個客)の真のニーズ「インサイト」の発見が重要

16

なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション

(出典)総務省 平成30年版情報通信白書「我が国のICTの現状に関する調査研究」

通信速度の急速な向上(1960年代300bpsrarr現在100Mbpsrarrそして10Gbps)それに合わせてCPU処理能力の飛躍的な向上ストーレージの大容量化を背景にデジタルトランスフォーメーションが加速度的に進んでいる

従来の垂直思考による問題解決型ではもはや限界

水平思考による新たなアイデアにチャレンジし価値創造や競争優位を確立していく

全ての事象をデジタル化

コンピュータ(AI)が得る情報の拡大

「人」「もの」「金」の概念が変化

場所距離という制約が無くなっていく

「もの」を得ることの重要性が下がりできる「こと」が関心ごとの中心へ

17

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考とは~

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

調査分析(Observation)

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

統合(Synthesis) bull可視化

bull具体化bull実現化bull試作化

bull可視化bull具体化bull実現化bull試作化

Prototyping

≪デザイン思考プロセス≫

人間中心思考

共同型チーム

非線形プロセス

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

実際につくってみて実現性をみる実際につくってみて実現性をみる

18

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考の体験~

1 チーム1メンバー全員を対象に「ハーマンモデル」を使ったタイプ分析を実施

2 タイプの異なる人員構成で仮想IT組織を2グループ編成

3 2グループ毎に新サービスのテーマを設定しデザイン思考を活用してアイデア創出活動を実施

4 アイデアを創出した結果を「バリュープロポジションキャンパス」に展開

1 グループAテーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

グループBテーマ【食品】

ダイエットに役立つ商品の企画

2

調査Reserch

分析Analisis

統合Synthesis

実現Realization

3

4

19

テーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

宗教上の制約手続き時間がかかるのは嫌だ自分でサービスを探すのは面倒食べられない食事があるおいしくない食事をしたくない移動するのが面倒言葉の壁お金を使いたくない

目的だけ伝えると必要なことはしてもらえる

言わなくてもおいしい(好みの)食事がいつでも用意される

満足感(幸福感)が得られる機内で利便性が得られる(Wifi等)

安全安心なフライト搭乗手続き等が簡単短時間プライベート感あるサービス

ポスト2020オリンピック効果による経済成長とその後の縮小人の流入政府企業による環境技術発展

ロボット無人運転等AI超高速通信映像(8K)

サプライズによる満足感(幸福感)限定感による満足感(幸福感)顧客の好みを収集し好み通りの食事サービスや利便性を提供

宗教上の問題を考慮してもらえる手続き最短サービス自動提供宗教上アレルギー等の考慮された食事好みを踏まえた食事移動は必要最低限自動翻訳通訳で言葉のストレス減価格を上げることなくサービス提供

AIコンシェルジュ(執事メイド)MR体験旅行MRMixed Reality(複合現実)

Happy Surprise サービス

リピート顧客の獲得パーソナル感オリジナリティ席を売るrarr体験を売るへ搭乗前到着後もサービス対象

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループA~

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

20

バリューマップ 顧客プロフィール

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

痩せたいスタイルを良くしたい

bull 食事はこのままbull ジムに通う時間がないbull 体を動かすのは嫌い

特別なトレーニングや食事制限なしに痩せたい

よい姿勢を常時意識させることで筋肉を使用代謝を高め脂肪を減らす

bull ジムへ通わなくてよいbull 動かすトレーニングは

不要bull 食事は制限なし

姿勢ダイエットと名付けてノウハウを教本として販売コンサルティングも実施する

テーマ【食品】ダイエットに役立つ商品の企画

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループB~

21

デザイン思考導入に向けた課題分析

イノベーション組織(モード2SoE)

既存事業組織(モード1SoR)

体制最小化高生産性安定性

システム基盤整備

他社との強力なパートナーシップ QCD以外の

評価QCD以外の

評価

情報子会社は何を担うのか情報子会社は何を担うのか

既存業務が負担となる

業務改善にデザイン思考は使えるか

業務改善にデザイン思考は使えるか

モード12の資金バランスはモード12の

資金バランスは

試作PoCから運用化事業化

できないビジネス拡大は既

存事業部へ

協働役割分担協働役割分担

多様な人財確保

キャリ活キャリ活

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

POCまではスピード感があるのだがPOCまではスピード感があるのだが

ビジネス拡大をどの組織でビジネス拡大をどの組織で

事業化への強制力が必要

事業化への強制力が必要

RPAによる業務自動化

クラウド化システム資産

「所有」rArr「利用」

既存組織のモチベーションダ

ウン

イノベーションに特化した組織作

今までの文化イノベーション困

チャレンジ(ビジネス的失敗)を繰り返す必要

同じ成功は許さない

同じ成功は許さない

社員の自律性社員の自律性

局面ごとの人財確保

社長権限で立上げ人財確保

社長権限で立上げ人財確保

文化がネック厳格性垂直

思考

文化がネック厳格性垂直

思考

QCD評価QCD評価

ポジティブ要因ネガティブ要因

既存IT領域の発展拡大を行う文化がない

イノベーションを起こす文化醸成

が必要

費用対効果が重要

費用対効果が重要

トップの強力な牽引

課題①トップ

22

イノベーションを起こす環境からみた課題

出所経済産業省平成27年度総合調査研究「企業社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」

デザイン思考導入

課題①トップ

課題②多様性課題③

文化醸成

23

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

24

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

25

【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

28

人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 15: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

強いIT組織とは

【強いIT組織】経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する組織

モード2SoE(攻め)

業務改革ビジネス創出の提案

上記を達成するためにIT組織に求められる要素

投資判断

システム化の提案

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

バイモーダル戦略をもとにIT組織の要素を下表のように分類した当チームでは「経営に貢献できる」ことが強いIT組織の条件であるとしそこにたどり着くために「デザイン思考」着目し課題抽出検討を行っていった

14

デザイン思考の適用可能範囲(仮説)

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

ITを活用した既存事業領域における業務改善

ITを活用した既存事業領域

からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

垂直思考ロジカル思考

水平思考デザイン思考

事業の安定品質に寄与する業務領域は従来から実施している「垂直思考ロジカルシンキング」による原因の掘り下げ対策が有効と考える一方で新たなビジネスや業務を変革するような領域は視点を変えたり直感的に発想したりする水平思考が有効であると考え世界的に多くの企業が取り入れている「デザイン思考」を活用することに焦点を当て検討をしていく

業務改革ビジネス創出の提案

モード2SoE(攻め)

15

なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化

マズローの欲求5段階説

【製品重視(プロダクトアウト志向) 】下記4P理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 商品(Product)bull 流通(Place)bull 価格(Price)bull 販促(Promotion)

自己

実現

欲求

尊厳

欲求

社会的欲求

安全欲求

生理的欲求

ৈઃඟ

ઃඟ

【顧客重視 (マーケットイン志向) 】下記4C理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 顧客にとっての価値(Customer value)bull 顧客が費やすお金(Customer cost)bull 顧客にとっての利便性(Convinience)bull 顧客とのコミュニケーション(Communication)

【顧客(個客)の自己実現重視】下記アクションでラテラル(水平型)マーケティングbull 多様な人材タイプとの人脈ネットワーク構築bull 顧客が求める理想像を敏感に察知bull パーソナライゼーション(顧客rArr個客)bull データ分析を駆使した新たなニーズ発見bull 無関係に見えるものの関係づけbull 当たり前を打破する分析質問試行bull 仮説設定および試行によるビジネスモデル創出

【カスタマージャーニー1重

視lsquo+2P理論rsquo】bull プロセス

(Process)bull 顧客管理

(Profile)

従来型 イノベーション型

レベル1

レベル2

レベル3

1顧客が自社を「認知」「調査」して「購入」した後他者に「推奨」するまでの一連の顧客行動プロセス

市場(顧客)欲求 マーケティングの変遷

顧客(個客)の真のニーズ「インサイト」の発見が重要

16

なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション

(出典)総務省 平成30年版情報通信白書「我が国のICTの現状に関する調査研究」

通信速度の急速な向上(1960年代300bpsrarr現在100Mbpsrarrそして10Gbps)それに合わせてCPU処理能力の飛躍的な向上ストーレージの大容量化を背景にデジタルトランスフォーメーションが加速度的に進んでいる

従来の垂直思考による問題解決型ではもはや限界

水平思考による新たなアイデアにチャレンジし価値創造や競争優位を確立していく

全ての事象をデジタル化

コンピュータ(AI)が得る情報の拡大

「人」「もの」「金」の概念が変化

場所距離という制約が無くなっていく

「もの」を得ることの重要性が下がりできる「こと」が関心ごとの中心へ

17

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考とは~

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

調査分析(Observation)

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

統合(Synthesis) bull可視化

bull具体化bull実現化bull試作化

bull可視化bull具体化bull実現化bull試作化

Prototyping

≪デザイン思考プロセス≫

人間中心思考

共同型チーム

非線形プロセス

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

実際につくってみて実現性をみる実際につくってみて実現性をみる

18

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考の体験~

1 チーム1メンバー全員を対象に「ハーマンモデル」を使ったタイプ分析を実施

2 タイプの異なる人員構成で仮想IT組織を2グループ編成

3 2グループ毎に新サービスのテーマを設定しデザイン思考を活用してアイデア創出活動を実施

4 アイデアを創出した結果を「バリュープロポジションキャンパス」に展開

1 グループAテーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

グループBテーマ【食品】

ダイエットに役立つ商品の企画

2

調査Reserch

分析Analisis

統合Synthesis

実現Realization

3

4

19

テーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

宗教上の制約手続き時間がかかるのは嫌だ自分でサービスを探すのは面倒食べられない食事があるおいしくない食事をしたくない移動するのが面倒言葉の壁お金を使いたくない

目的だけ伝えると必要なことはしてもらえる

言わなくてもおいしい(好みの)食事がいつでも用意される

満足感(幸福感)が得られる機内で利便性が得られる(Wifi等)

安全安心なフライト搭乗手続き等が簡単短時間プライベート感あるサービス

ポスト2020オリンピック効果による経済成長とその後の縮小人の流入政府企業による環境技術発展

ロボット無人運転等AI超高速通信映像(8K)

サプライズによる満足感(幸福感)限定感による満足感(幸福感)顧客の好みを収集し好み通りの食事サービスや利便性を提供

宗教上の問題を考慮してもらえる手続き最短サービス自動提供宗教上アレルギー等の考慮された食事好みを踏まえた食事移動は必要最低限自動翻訳通訳で言葉のストレス減価格を上げることなくサービス提供

AIコンシェルジュ(執事メイド)MR体験旅行MRMixed Reality(複合現実)

Happy Surprise サービス

リピート顧客の獲得パーソナル感オリジナリティ席を売るrarr体験を売るへ搭乗前到着後もサービス対象

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループA~

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

20

バリューマップ 顧客プロフィール

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

痩せたいスタイルを良くしたい

bull 食事はこのままbull ジムに通う時間がないbull 体を動かすのは嫌い

特別なトレーニングや食事制限なしに痩せたい

よい姿勢を常時意識させることで筋肉を使用代謝を高め脂肪を減らす

bull ジムへ通わなくてよいbull 動かすトレーニングは

不要bull 食事は制限なし

姿勢ダイエットと名付けてノウハウを教本として販売コンサルティングも実施する

テーマ【食品】ダイエットに役立つ商品の企画

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループB~

21

デザイン思考導入に向けた課題分析

イノベーション組織(モード2SoE)

既存事業組織(モード1SoR)

体制最小化高生産性安定性

システム基盤整備

他社との強力なパートナーシップ QCD以外の

評価QCD以外の

評価

情報子会社は何を担うのか情報子会社は何を担うのか

既存業務が負担となる

業務改善にデザイン思考は使えるか

業務改善にデザイン思考は使えるか

モード12の資金バランスはモード12の

資金バランスは

試作PoCから運用化事業化

できないビジネス拡大は既

存事業部へ

協働役割分担協働役割分担

多様な人財確保

キャリ活キャリ活

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

POCまではスピード感があるのだがPOCまではスピード感があるのだが

ビジネス拡大をどの組織でビジネス拡大をどの組織で

事業化への強制力が必要

事業化への強制力が必要

RPAによる業務自動化

クラウド化システム資産

「所有」rArr「利用」

既存組織のモチベーションダ

ウン

イノベーションに特化した組織作

今までの文化イノベーション困

チャレンジ(ビジネス的失敗)を繰り返す必要

同じ成功は許さない

同じ成功は許さない

社員の自律性社員の自律性

局面ごとの人財確保

社長権限で立上げ人財確保

社長権限で立上げ人財確保

文化がネック厳格性垂直

思考

文化がネック厳格性垂直

思考

QCD評価QCD評価

ポジティブ要因ネガティブ要因

既存IT領域の発展拡大を行う文化がない

イノベーションを起こす文化醸成

が必要

費用対効果が重要

費用対効果が重要

トップの強力な牽引

課題①トップ

22

イノベーションを起こす環境からみた課題

出所経済産業省平成27年度総合調査研究「企業社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」

デザイン思考導入

課題①トップ

課題②多様性課題③

文化醸成

23

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

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デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

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【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

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【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

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デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

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人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

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デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 16: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

デザイン思考の適用可能範囲(仮説)

モード1SoR(守り)

生産性向上

システム安定稼働

開発スピード向上

セキュリティBCP

コンプライアンス法令対応

ITを活用した既存事業領域における業務改善

ITを活用した既存事業領域

からの発展拡大

ITを活用した全く新たな事業領域への挑戦

垂直思考ロジカル思考

水平思考デザイン思考

事業の安定品質に寄与する業務領域は従来から実施している「垂直思考ロジカルシンキング」による原因の掘り下げ対策が有効と考える一方で新たなビジネスや業務を変革するような領域は視点を変えたり直感的に発想したりする水平思考が有効であると考え世界的に多くの企業が取り入れている「デザイン思考」を活用することに焦点を当て検討をしていく

業務改革ビジネス創出の提案

モード2SoE(攻め)

15

なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化

マズローの欲求5段階説

【製品重視(プロダクトアウト志向) 】下記4P理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 商品(Product)bull 流通(Place)bull 価格(Price)bull 販促(Promotion)

自己

実現

欲求

尊厳

欲求

社会的欲求

安全欲求

生理的欲求

ৈઃඟ

ઃඟ

【顧客重視 (マーケットイン志向) 】下記4C理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 顧客にとっての価値(Customer value)bull 顧客が費やすお金(Customer cost)bull 顧客にとっての利便性(Convinience)bull 顧客とのコミュニケーション(Communication)

【顧客(個客)の自己実現重視】下記アクションでラテラル(水平型)マーケティングbull 多様な人材タイプとの人脈ネットワーク構築bull 顧客が求める理想像を敏感に察知bull パーソナライゼーション(顧客rArr個客)bull データ分析を駆使した新たなニーズ発見bull 無関係に見えるものの関係づけbull 当たり前を打破する分析質問試行bull 仮説設定および試行によるビジネスモデル創出

【カスタマージャーニー1重

視lsquo+2P理論rsquo】bull プロセス

(Process)bull 顧客管理

(Profile)

従来型 イノベーション型

レベル1

レベル2

レベル3

1顧客が自社を「認知」「調査」して「購入」した後他者に「推奨」するまでの一連の顧客行動プロセス

市場(顧客)欲求 マーケティングの変遷

顧客(個客)の真のニーズ「インサイト」の発見が重要

16

なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション

(出典)総務省 平成30年版情報通信白書「我が国のICTの現状に関する調査研究」

通信速度の急速な向上(1960年代300bpsrarr現在100Mbpsrarrそして10Gbps)それに合わせてCPU処理能力の飛躍的な向上ストーレージの大容量化を背景にデジタルトランスフォーメーションが加速度的に進んでいる

従来の垂直思考による問題解決型ではもはや限界

水平思考による新たなアイデアにチャレンジし価値創造や競争優位を確立していく

全ての事象をデジタル化

コンピュータ(AI)が得る情報の拡大

「人」「もの」「金」の概念が変化

場所距離という制約が無くなっていく

「もの」を得ることの重要性が下がりできる「こと」が関心ごとの中心へ

17

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考とは~

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

調査分析(Observation)

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

統合(Synthesis) bull可視化

bull具体化bull実現化bull試作化

bull可視化bull具体化bull実現化bull試作化

Prototyping

≪デザイン思考プロセス≫

人間中心思考

共同型チーム

非線形プロセス

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

実際につくってみて実現性をみる実際につくってみて実現性をみる

18

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考の体験~

1 チーム1メンバー全員を対象に「ハーマンモデル」を使ったタイプ分析を実施

2 タイプの異なる人員構成で仮想IT組織を2グループ編成

3 2グループ毎に新サービスのテーマを設定しデザイン思考を活用してアイデア創出活動を実施

4 アイデアを創出した結果を「バリュープロポジションキャンパス」に展開

1 グループAテーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

グループBテーマ【食品】

ダイエットに役立つ商品の企画

2

調査Reserch

分析Analisis

統合Synthesis

実現Realization

3

4

19

テーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

宗教上の制約手続き時間がかかるのは嫌だ自分でサービスを探すのは面倒食べられない食事があるおいしくない食事をしたくない移動するのが面倒言葉の壁お金を使いたくない

目的だけ伝えると必要なことはしてもらえる

言わなくてもおいしい(好みの)食事がいつでも用意される

満足感(幸福感)が得られる機内で利便性が得られる(Wifi等)

安全安心なフライト搭乗手続き等が簡単短時間プライベート感あるサービス

ポスト2020オリンピック効果による経済成長とその後の縮小人の流入政府企業による環境技術発展

ロボット無人運転等AI超高速通信映像(8K)

サプライズによる満足感(幸福感)限定感による満足感(幸福感)顧客の好みを収集し好み通りの食事サービスや利便性を提供

宗教上の問題を考慮してもらえる手続き最短サービス自動提供宗教上アレルギー等の考慮された食事好みを踏まえた食事移動は必要最低限自動翻訳通訳で言葉のストレス減価格を上げることなくサービス提供

AIコンシェルジュ(執事メイド)MR体験旅行MRMixed Reality(複合現実)

Happy Surprise サービス

リピート顧客の獲得パーソナル感オリジナリティ席を売るrarr体験を売るへ搭乗前到着後もサービス対象

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループA~

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

20

バリューマップ 顧客プロフィール

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

痩せたいスタイルを良くしたい

bull 食事はこのままbull ジムに通う時間がないbull 体を動かすのは嫌い

特別なトレーニングや食事制限なしに痩せたい

よい姿勢を常時意識させることで筋肉を使用代謝を高め脂肪を減らす

bull ジムへ通わなくてよいbull 動かすトレーニングは

不要bull 食事は制限なし

姿勢ダイエットと名付けてノウハウを教本として販売コンサルティングも実施する

テーマ【食品】ダイエットに役立つ商品の企画

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループB~

21

デザイン思考導入に向けた課題分析

イノベーション組織(モード2SoE)

既存事業組織(モード1SoR)

体制最小化高生産性安定性

システム基盤整備

他社との強力なパートナーシップ QCD以外の

評価QCD以外の

評価

情報子会社は何を担うのか情報子会社は何を担うのか

既存業務が負担となる

業務改善にデザイン思考は使えるか

業務改善にデザイン思考は使えるか

モード12の資金バランスはモード12の

資金バランスは

試作PoCから運用化事業化

できないビジネス拡大は既

存事業部へ

協働役割分担協働役割分担

多様な人財確保

キャリ活キャリ活

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

POCまではスピード感があるのだがPOCまではスピード感があるのだが

ビジネス拡大をどの組織でビジネス拡大をどの組織で

事業化への強制力が必要

事業化への強制力が必要

RPAによる業務自動化

クラウド化システム資産

「所有」rArr「利用」

既存組織のモチベーションダ

ウン

イノベーションに特化した組織作

今までの文化イノベーション困

チャレンジ(ビジネス的失敗)を繰り返す必要

同じ成功は許さない

同じ成功は許さない

社員の自律性社員の自律性

局面ごとの人財確保

社長権限で立上げ人財確保

社長権限で立上げ人財確保

文化がネック厳格性垂直

思考

文化がネック厳格性垂直

思考

QCD評価QCD評価

ポジティブ要因ネガティブ要因

既存IT領域の発展拡大を行う文化がない

イノベーションを起こす文化醸成

が必要

費用対効果が重要

費用対効果が重要

トップの強力な牽引

課題①トップ

22

イノベーションを起こす環境からみた課題

出所経済産業省平成27年度総合調査研究「企業社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」

デザイン思考導入

課題①トップ

課題②多様性課題③

文化醸成

23

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

24

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

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【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

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人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 17: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

なぜデザイン思考 市場成熟顧客ニーズの多様化

マズローの欲求5段階説

【製品重視(プロダクトアウト志向) 】下記4P理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 商品(Product)bull 流通(Place)bull 価格(Price)bull 販促(Promotion)

自己

実現

欲求

尊厳

欲求

社会的欲求

安全欲求

生理的欲求

ৈઃඟ

ઃඟ

【顧客重視 (マーケットイン志向) 】下記4C理論でバーディカル(垂直型)マーケティングbull 顧客にとっての価値(Customer value)bull 顧客が費やすお金(Customer cost)bull 顧客にとっての利便性(Convinience)bull 顧客とのコミュニケーション(Communication)

【顧客(個客)の自己実現重視】下記アクションでラテラル(水平型)マーケティングbull 多様な人材タイプとの人脈ネットワーク構築bull 顧客が求める理想像を敏感に察知bull パーソナライゼーション(顧客rArr個客)bull データ分析を駆使した新たなニーズ発見bull 無関係に見えるものの関係づけbull 当たり前を打破する分析質問試行bull 仮説設定および試行によるビジネスモデル創出

【カスタマージャーニー1重

視lsquo+2P理論rsquo】bull プロセス

(Process)bull 顧客管理

(Profile)

従来型 イノベーション型

レベル1

レベル2

レベル3

1顧客が自社を「認知」「調査」して「購入」した後他者に「推奨」するまでの一連の顧客行動プロセス

市場(顧客)欲求 マーケティングの変遷

顧客(個客)の真のニーズ「インサイト」の発見が重要

16

なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション

(出典)総務省 平成30年版情報通信白書「我が国のICTの現状に関する調査研究」

通信速度の急速な向上(1960年代300bpsrarr現在100Mbpsrarrそして10Gbps)それに合わせてCPU処理能力の飛躍的な向上ストーレージの大容量化を背景にデジタルトランスフォーメーションが加速度的に進んでいる

従来の垂直思考による問題解決型ではもはや限界

水平思考による新たなアイデアにチャレンジし価値創造や競争優位を確立していく

全ての事象をデジタル化

コンピュータ(AI)が得る情報の拡大

「人」「もの」「金」の概念が変化

場所距離という制約が無くなっていく

「もの」を得ることの重要性が下がりできる「こと」が関心ごとの中心へ

17

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考とは~

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

調査分析(Observation)

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

統合(Synthesis) bull可視化

bull具体化bull実現化bull試作化

bull可視化bull具体化bull実現化bull試作化

Prototyping

≪デザイン思考プロセス≫

人間中心思考

共同型チーム

非線形プロセス

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

実際につくってみて実現性をみる実際につくってみて実現性をみる

18

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考の体験~

1 チーム1メンバー全員を対象に「ハーマンモデル」を使ったタイプ分析を実施

2 タイプの異なる人員構成で仮想IT組織を2グループ編成

3 2グループ毎に新サービスのテーマを設定しデザイン思考を活用してアイデア創出活動を実施

4 アイデアを創出した結果を「バリュープロポジションキャンパス」に展開

1 グループAテーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

グループBテーマ【食品】

ダイエットに役立つ商品の企画

2

調査Reserch

分析Analisis

統合Synthesis

実現Realization

3

4

19

テーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

宗教上の制約手続き時間がかかるのは嫌だ自分でサービスを探すのは面倒食べられない食事があるおいしくない食事をしたくない移動するのが面倒言葉の壁お金を使いたくない

目的だけ伝えると必要なことはしてもらえる

言わなくてもおいしい(好みの)食事がいつでも用意される

満足感(幸福感)が得られる機内で利便性が得られる(Wifi等)

安全安心なフライト搭乗手続き等が簡単短時間プライベート感あるサービス

ポスト2020オリンピック効果による経済成長とその後の縮小人の流入政府企業による環境技術発展

ロボット無人運転等AI超高速通信映像(8K)

サプライズによる満足感(幸福感)限定感による満足感(幸福感)顧客の好みを収集し好み通りの食事サービスや利便性を提供

宗教上の問題を考慮してもらえる手続き最短サービス自動提供宗教上アレルギー等の考慮された食事好みを踏まえた食事移動は必要最低限自動翻訳通訳で言葉のストレス減価格を上げることなくサービス提供

AIコンシェルジュ(執事メイド)MR体験旅行MRMixed Reality(複合現実)

Happy Surprise サービス

リピート顧客の獲得パーソナル感オリジナリティ席を売るrarr体験を売るへ搭乗前到着後もサービス対象

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループA~

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

20

バリューマップ 顧客プロフィール

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

痩せたいスタイルを良くしたい

bull 食事はこのままbull ジムに通う時間がないbull 体を動かすのは嫌い

特別なトレーニングや食事制限なしに痩せたい

よい姿勢を常時意識させることで筋肉を使用代謝を高め脂肪を減らす

bull ジムへ通わなくてよいbull 動かすトレーニングは

不要bull 食事は制限なし

姿勢ダイエットと名付けてノウハウを教本として販売コンサルティングも実施する

テーマ【食品】ダイエットに役立つ商品の企画

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループB~

21

デザイン思考導入に向けた課題分析

イノベーション組織(モード2SoE)

既存事業組織(モード1SoR)

体制最小化高生産性安定性

システム基盤整備

他社との強力なパートナーシップ QCD以外の

評価QCD以外の

評価

情報子会社は何を担うのか情報子会社は何を担うのか

既存業務が負担となる

業務改善にデザイン思考は使えるか

業務改善にデザイン思考は使えるか

モード12の資金バランスはモード12の

資金バランスは

試作PoCから運用化事業化

できないビジネス拡大は既

存事業部へ

協働役割分担協働役割分担

多様な人財確保

キャリ活キャリ活

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

POCまではスピード感があるのだがPOCまではスピード感があるのだが

ビジネス拡大をどの組織でビジネス拡大をどの組織で

事業化への強制力が必要

事業化への強制力が必要

RPAによる業務自動化

クラウド化システム資産

「所有」rArr「利用」

既存組織のモチベーションダ

ウン

イノベーションに特化した組織作

今までの文化イノベーション困

チャレンジ(ビジネス的失敗)を繰り返す必要

同じ成功は許さない

同じ成功は許さない

社員の自律性社員の自律性

局面ごとの人財確保

社長権限で立上げ人財確保

社長権限で立上げ人財確保

文化がネック厳格性垂直

思考

文化がネック厳格性垂直

思考

QCD評価QCD評価

ポジティブ要因ネガティブ要因

既存IT領域の発展拡大を行う文化がない

イノベーションを起こす文化醸成

が必要

費用対効果が重要

費用対効果が重要

トップの強力な牽引

課題①トップ

22

イノベーションを起こす環境からみた課題

出所経済産業省平成27年度総合調査研究「企業社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」

デザイン思考導入

課題①トップ

課題②多様性課題③

文化醸成

23

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

24

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

25

【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

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人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 18: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

なぜデザイン思考 デジタルトランスフォーメーション

(出典)総務省 平成30年版情報通信白書「我が国のICTの現状に関する調査研究」

通信速度の急速な向上(1960年代300bpsrarr現在100Mbpsrarrそして10Gbps)それに合わせてCPU処理能力の飛躍的な向上ストーレージの大容量化を背景にデジタルトランスフォーメーションが加速度的に進んでいる

従来の垂直思考による問題解決型ではもはや限界

水平思考による新たなアイデアにチャレンジし価値創造や競争優位を確立していく

全ての事象をデジタル化

コンピュータ(AI)が得る情報の拡大

「人」「もの」「金」の概念が変化

場所距離という制約が無くなっていく

「もの」を得ることの重要性が下がりできる「こと」が関心ごとの中心へ

17

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考とは~

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

調査分析(Observation)

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

統合(Synthesis) bull可視化

bull具体化bull実現化bull試作化

bull可視化bull具体化bull実現化bull試作化

Prototyping

≪デザイン思考プロセス≫

人間中心思考

共同型チーム

非線形プロセス

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

実際につくってみて実現性をみる実際につくってみて実現性をみる

18

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考の体験~

1 チーム1メンバー全員を対象に「ハーマンモデル」を使ったタイプ分析を実施

2 タイプの異なる人員構成で仮想IT組織を2グループ編成

3 2グループ毎に新サービスのテーマを設定しデザイン思考を活用してアイデア創出活動を実施

4 アイデアを創出した結果を「バリュープロポジションキャンパス」に展開

1 グループAテーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

グループBテーマ【食品】

ダイエットに役立つ商品の企画

2

調査Reserch

分析Analisis

統合Synthesis

実現Realization

3

4

19

テーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

宗教上の制約手続き時間がかかるのは嫌だ自分でサービスを探すのは面倒食べられない食事があるおいしくない食事をしたくない移動するのが面倒言葉の壁お金を使いたくない

目的だけ伝えると必要なことはしてもらえる

言わなくてもおいしい(好みの)食事がいつでも用意される

満足感(幸福感)が得られる機内で利便性が得られる(Wifi等)

安全安心なフライト搭乗手続き等が簡単短時間プライベート感あるサービス

ポスト2020オリンピック効果による経済成長とその後の縮小人の流入政府企業による環境技術発展

ロボット無人運転等AI超高速通信映像(8K)

サプライズによる満足感(幸福感)限定感による満足感(幸福感)顧客の好みを収集し好み通りの食事サービスや利便性を提供

宗教上の問題を考慮してもらえる手続き最短サービス自動提供宗教上アレルギー等の考慮された食事好みを踏まえた食事移動は必要最低限自動翻訳通訳で言葉のストレス減価格を上げることなくサービス提供

AIコンシェルジュ(執事メイド)MR体験旅行MRMixed Reality(複合現実)

Happy Surprise サービス

リピート顧客の獲得パーソナル感オリジナリティ席を売るrarr体験を売るへ搭乗前到着後もサービス対象

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループA~

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

20

バリューマップ 顧客プロフィール

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

痩せたいスタイルを良くしたい

bull 食事はこのままbull ジムに通う時間がないbull 体を動かすのは嫌い

特別なトレーニングや食事制限なしに痩せたい

よい姿勢を常時意識させることで筋肉を使用代謝を高め脂肪を減らす

bull ジムへ通わなくてよいbull 動かすトレーニングは

不要bull 食事は制限なし

姿勢ダイエットと名付けてノウハウを教本として販売コンサルティングも実施する

テーマ【食品】ダイエットに役立つ商品の企画

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループB~

21

デザイン思考導入に向けた課題分析

イノベーション組織(モード2SoE)

既存事業組織(モード1SoR)

体制最小化高生産性安定性

システム基盤整備

他社との強力なパートナーシップ QCD以外の

評価QCD以外の

評価

情報子会社は何を担うのか情報子会社は何を担うのか

既存業務が負担となる

業務改善にデザイン思考は使えるか

業務改善にデザイン思考は使えるか

モード12の資金バランスはモード12の

資金バランスは

試作PoCから運用化事業化

できないビジネス拡大は既

存事業部へ

協働役割分担協働役割分担

多様な人財確保

キャリ活キャリ活

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

POCまではスピード感があるのだがPOCまではスピード感があるのだが

ビジネス拡大をどの組織でビジネス拡大をどの組織で

事業化への強制力が必要

事業化への強制力が必要

RPAによる業務自動化

クラウド化システム資産

「所有」rArr「利用」

既存組織のモチベーションダ

ウン

イノベーションに特化した組織作

今までの文化イノベーション困

チャレンジ(ビジネス的失敗)を繰り返す必要

同じ成功は許さない

同じ成功は許さない

社員の自律性社員の自律性

局面ごとの人財確保

社長権限で立上げ人財確保

社長権限で立上げ人財確保

文化がネック厳格性垂直

思考

文化がネック厳格性垂直

思考

QCD評価QCD評価

ポジティブ要因ネガティブ要因

既存IT領域の発展拡大を行う文化がない

イノベーションを起こす文化醸成

が必要

費用対効果が重要

費用対効果が重要

トップの強力な牽引

課題①トップ

22

イノベーションを起こす環境からみた課題

出所経済産業省平成27年度総合調査研究「企業社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」

デザイン思考導入

課題①トップ

課題②多様性課題③

文化醸成

23

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

24

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

25

【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

28

人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 19: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考とは~

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

bull行動観察bull共感深層発掘bullインサイト発見bull機会発見

調査分析(Observation)

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

bull概念統合bullコンセプトワークbullフレーム創造bull概念化

統合(Synthesis) bull可視化

bull具体化bull実現化bull試作化

bull可視化bull具体化bull実現化bull試作化

Prototyping

≪デザイン思考プロセス≫

人間中心思考

共同型チーム

非線形プロセス

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

個人レベルのパーソナルストーリーに迫る

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

アイデアを出し切る評価はしない次のプロセスで実現性を考える

実際につくってみて実現性をみる実際につくってみて実現性をみる

18

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考の体験~

1 チーム1メンバー全員を対象に「ハーマンモデル」を使ったタイプ分析を実施

2 タイプの異なる人員構成で仮想IT組織を2グループ編成

3 2グループ毎に新サービスのテーマを設定しデザイン思考を活用してアイデア創出活動を実施

4 アイデアを創出した結果を「バリュープロポジションキャンパス」に展開

1 グループAテーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

グループBテーマ【食品】

ダイエットに役立つ商品の企画

2

調査Reserch

分析Analisis

統合Synthesis

実現Realization

3

4

19

テーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

宗教上の制約手続き時間がかかるのは嫌だ自分でサービスを探すのは面倒食べられない食事があるおいしくない食事をしたくない移動するのが面倒言葉の壁お金を使いたくない

目的だけ伝えると必要なことはしてもらえる

言わなくてもおいしい(好みの)食事がいつでも用意される

満足感(幸福感)が得られる機内で利便性が得られる(Wifi等)

安全安心なフライト搭乗手続き等が簡単短時間プライベート感あるサービス

ポスト2020オリンピック効果による経済成長とその後の縮小人の流入政府企業による環境技術発展

ロボット無人運転等AI超高速通信映像(8K)

サプライズによる満足感(幸福感)限定感による満足感(幸福感)顧客の好みを収集し好み通りの食事サービスや利便性を提供

宗教上の問題を考慮してもらえる手続き最短サービス自動提供宗教上アレルギー等の考慮された食事好みを踏まえた食事移動は必要最低限自動翻訳通訳で言葉のストレス減価格を上げることなくサービス提供

AIコンシェルジュ(執事メイド)MR体験旅行MRMixed Reality(複合現実)

Happy Surprise サービス

リピート顧客の獲得パーソナル感オリジナリティ席を売るrarr体験を売るへ搭乗前到着後もサービス対象

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループA~

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

20

バリューマップ 顧客プロフィール

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

痩せたいスタイルを良くしたい

bull 食事はこのままbull ジムに通う時間がないbull 体を動かすのは嫌い

特別なトレーニングや食事制限なしに痩せたい

よい姿勢を常時意識させることで筋肉を使用代謝を高め脂肪を減らす

bull ジムへ通わなくてよいbull 動かすトレーニングは

不要bull 食事は制限なし

姿勢ダイエットと名付けてノウハウを教本として販売コンサルティングも実施する

テーマ【食品】ダイエットに役立つ商品の企画

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループB~

21

デザイン思考導入に向けた課題分析

イノベーション組織(モード2SoE)

既存事業組織(モード1SoR)

体制最小化高生産性安定性

システム基盤整備

他社との強力なパートナーシップ QCD以外の

評価QCD以外の

評価

情報子会社は何を担うのか情報子会社は何を担うのか

既存業務が負担となる

業務改善にデザイン思考は使えるか

業務改善にデザイン思考は使えるか

モード12の資金バランスはモード12の

資金バランスは

試作PoCから運用化事業化

できないビジネス拡大は既

存事業部へ

協働役割分担協働役割分担

多様な人財確保

キャリ活キャリ活

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

POCまではスピード感があるのだがPOCまではスピード感があるのだが

ビジネス拡大をどの組織でビジネス拡大をどの組織で

事業化への強制力が必要

事業化への強制力が必要

RPAによる業務自動化

クラウド化システム資産

「所有」rArr「利用」

既存組織のモチベーションダ

ウン

イノベーションに特化した組織作

今までの文化イノベーション困

チャレンジ(ビジネス的失敗)を繰り返す必要

同じ成功は許さない

同じ成功は許さない

社員の自律性社員の自律性

局面ごとの人財確保

社長権限で立上げ人財確保

社長権限で立上げ人財確保

文化がネック厳格性垂直

思考

文化がネック厳格性垂直

思考

QCD評価QCD評価

ポジティブ要因ネガティブ要因

既存IT領域の発展拡大を行う文化がない

イノベーションを起こす文化醸成

が必要

費用対効果が重要

費用対効果が重要

トップの強力な牽引

課題①トップ

22

イノベーションを起こす環境からみた課題

出所経済産業省平成27年度総合調査研究「企業社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」

デザイン思考導入

課題①トップ

課題②多様性課題③

文化醸成

23

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

24

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

25

【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

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人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 20: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

デザイン思考を学ぶ ~デザイン思考の体験~

1 チーム1メンバー全員を対象に「ハーマンモデル」を使ったタイプ分析を実施

2 タイプの異なる人員構成で仮想IT組織を2グループ編成

3 2グループ毎に新サービスのテーマを設定しデザイン思考を活用してアイデア創出活動を実施

4 アイデアを創出した結果を「バリュープロポジションキャンパス」に展開

1 グループAテーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

グループBテーマ【食品】

ダイエットに役立つ商品の企画

2

調査Reserch

分析Analisis

統合Synthesis

実現Realization

3

4

19

テーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

宗教上の制約手続き時間がかかるのは嫌だ自分でサービスを探すのは面倒食べられない食事があるおいしくない食事をしたくない移動するのが面倒言葉の壁お金を使いたくない

目的だけ伝えると必要なことはしてもらえる

言わなくてもおいしい(好みの)食事がいつでも用意される

満足感(幸福感)が得られる機内で利便性が得られる(Wifi等)

安全安心なフライト搭乗手続き等が簡単短時間プライベート感あるサービス

ポスト2020オリンピック効果による経済成長とその後の縮小人の流入政府企業による環境技術発展

ロボット無人運転等AI超高速通信映像(8K)

サプライズによる満足感(幸福感)限定感による満足感(幸福感)顧客の好みを収集し好み通りの食事サービスや利便性を提供

宗教上の問題を考慮してもらえる手続き最短サービス自動提供宗教上アレルギー等の考慮された食事好みを踏まえた食事移動は必要最低限自動翻訳通訳で言葉のストレス減価格を上げることなくサービス提供

AIコンシェルジュ(執事メイド)MR体験旅行MRMixed Reality(複合現実)

Happy Surprise サービス

リピート顧客の獲得パーソナル感オリジナリティ席を売るrarr体験を売るへ搭乗前到着後もサービス対象

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループA~

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

20

バリューマップ 顧客プロフィール

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

痩せたいスタイルを良くしたい

bull 食事はこのままbull ジムに通う時間がないbull 体を動かすのは嫌い

特別なトレーニングや食事制限なしに痩せたい

よい姿勢を常時意識させることで筋肉を使用代謝を高め脂肪を減らす

bull ジムへ通わなくてよいbull 動かすトレーニングは

不要bull 食事は制限なし

姿勢ダイエットと名付けてノウハウを教本として販売コンサルティングも実施する

テーマ【食品】ダイエットに役立つ商品の企画

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループB~

21

デザイン思考導入に向けた課題分析

イノベーション組織(モード2SoE)

既存事業組織(モード1SoR)

体制最小化高生産性安定性

システム基盤整備

他社との強力なパートナーシップ QCD以外の

評価QCD以外の

評価

情報子会社は何を担うのか情報子会社は何を担うのか

既存業務が負担となる

業務改善にデザイン思考は使えるか

業務改善にデザイン思考は使えるか

モード12の資金バランスはモード12の

資金バランスは

試作PoCから運用化事業化

できないビジネス拡大は既

存事業部へ

協働役割分担協働役割分担

多様な人財確保

キャリ活キャリ活

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

POCまではスピード感があるのだがPOCまではスピード感があるのだが

ビジネス拡大をどの組織でビジネス拡大をどの組織で

事業化への強制力が必要

事業化への強制力が必要

RPAによる業務自動化

クラウド化システム資産

「所有」rArr「利用」

既存組織のモチベーションダ

ウン

イノベーションに特化した組織作

今までの文化イノベーション困

チャレンジ(ビジネス的失敗)を繰り返す必要

同じ成功は許さない

同じ成功は許さない

社員の自律性社員の自律性

局面ごとの人財確保

社長権限で立上げ人財確保

社長権限で立上げ人財確保

文化がネック厳格性垂直

思考

文化がネック厳格性垂直

思考

QCD評価QCD評価

ポジティブ要因ネガティブ要因

既存IT領域の発展拡大を行う文化がない

イノベーションを起こす文化醸成

が必要

費用対効果が重要

費用対効果が重要

トップの強力な牽引

課題①トップ

22

イノベーションを起こす環境からみた課題

出所経済産業省平成27年度総合調査研究「企業社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」

デザイン思考導入

課題①トップ

課題②多様性課題③

文化醸成

23

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

24

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

25

【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

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人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 21: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

テーマ【エアライン】ポスト2020パーソナライズドサービス展開

宗教上の制約手続き時間がかかるのは嫌だ自分でサービスを探すのは面倒食べられない食事があるおいしくない食事をしたくない移動するのが面倒言葉の壁お金を使いたくない

目的だけ伝えると必要なことはしてもらえる

言わなくてもおいしい(好みの)食事がいつでも用意される

満足感(幸福感)が得られる機内で利便性が得られる(Wifi等)

安全安心なフライト搭乗手続き等が簡単短時間プライベート感あるサービス

ポスト2020オリンピック効果による経済成長とその後の縮小人の流入政府企業による環境技術発展

ロボット無人運転等AI超高速通信映像(8K)

サプライズによる満足感(幸福感)限定感による満足感(幸福感)顧客の好みを収集し好み通りの食事サービスや利便性を提供

宗教上の問題を考慮してもらえる手続き最短サービス自動提供宗教上アレルギー等の考慮された食事好みを踏まえた食事移動は必要最低限自動翻訳通訳で言葉のストレス減価格を上げることなくサービス提供

AIコンシェルジュ(執事メイド)MR体験旅行MRMixed Reality(複合現実)

Happy Surprise サービス

リピート顧客の獲得パーソナル感オリジナリティ席を売るrarr体験を売るへ搭乗前到着後もサービス対象

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループA~

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

20

バリューマップ 顧客プロフィール

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

痩せたいスタイルを良くしたい

bull 食事はこのままbull ジムに通う時間がないbull 体を動かすのは嫌い

特別なトレーニングや食事制限なしに痩せたい

よい姿勢を常時意識させることで筋肉を使用代謝を高め脂肪を減らす

bull ジムへ通わなくてよいbull 動かすトレーニングは

不要bull 食事は制限なし

姿勢ダイエットと名付けてノウハウを教本として販売コンサルティングも実施する

テーマ【食品】ダイエットに役立つ商品の企画

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループB~

21

デザイン思考導入に向けた課題分析

イノベーション組織(モード2SoE)

既存事業組織(モード1SoR)

体制最小化高生産性安定性

システム基盤整備

他社との強力なパートナーシップ QCD以外の

評価QCD以外の

評価

情報子会社は何を担うのか情報子会社は何を担うのか

既存業務が負担となる

業務改善にデザイン思考は使えるか

業務改善にデザイン思考は使えるか

モード12の資金バランスはモード12の

資金バランスは

試作PoCから運用化事業化

できないビジネス拡大は既

存事業部へ

協働役割分担協働役割分担

多様な人財確保

キャリ活キャリ活

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

POCまではスピード感があるのだがPOCまではスピード感があるのだが

ビジネス拡大をどの組織でビジネス拡大をどの組織で

事業化への強制力が必要

事業化への強制力が必要

RPAによる業務自動化

クラウド化システム資産

「所有」rArr「利用」

既存組織のモチベーションダ

ウン

イノベーションに特化した組織作

今までの文化イノベーション困

チャレンジ(ビジネス的失敗)を繰り返す必要

同じ成功は許さない

同じ成功は許さない

社員の自律性社員の自律性

局面ごとの人財確保

社長権限で立上げ人財確保

社長権限で立上げ人財確保

文化がネック厳格性垂直

思考

文化がネック厳格性垂直

思考

QCD評価QCD評価

ポジティブ要因ネガティブ要因

既存IT領域の発展拡大を行う文化がない

イノベーションを起こす文化醸成

が必要

費用対効果が重要

費用対効果が重要

トップの強力な牽引

課題①トップ

22

イノベーションを起こす環境からみた課題

出所経済産業省平成27年度総合調査研究「企業社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」

デザイン思考導入

課題①トップ

課題②多様性課題③

文化醸成

23

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

24

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

25

【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

28

人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 22: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

バリューマップ 顧客プロフィール

商品サービス

ゲインクリエーター

ペインリリーバー

顧客の課題

ゲイン

ペイン

痩せたいスタイルを良くしたい

bull 食事はこのままbull ジムに通う時間がないbull 体を動かすのは嫌い

特別なトレーニングや食事制限なしに痩せたい

よい姿勢を常時意識させることで筋肉を使用代謝を高め脂肪を減らす

bull ジムへ通わなくてよいbull 動かすトレーニングは

不要bull 食事は制限なし

姿勢ダイエットと名付けてノウハウを教本として販売コンサルティングも実施する

テーマ【食品】ダイエットに役立つ商品の企画

[Appendix]デザイン思考を学ぶ ~グループB~

21

デザイン思考導入に向けた課題分析

イノベーション組織(モード2SoE)

既存事業組織(モード1SoR)

体制最小化高生産性安定性

システム基盤整備

他社との強力なパートナーシップ QCD以外の

評価QCD以外の

評価

情報子会社は何を担うのか情報子会社は何を担うのか

既存業務が負担となる

業務改善にデザイン思考は使えるか

業務改善にデザイン思考は使えるか

モード12の資金バランスはモード12の

資金バランスは

試作PoCから運用化事業化

できないビジネス拡大は既

存事業部へ

協働役割分担協働役割分担

多様な人財確保

キャリ活キャリ活

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

POCまではスピード感があるのだがPOCまではスピード感があるのだが

ビジネス拡大をどの組織でビジネス拡大をどの組織で

事業化への強制力が必要

事業化への強制力が必要

RPAによる業務自動化

クラウド化システム資産

「所有」rArr「利用」

既存組織のモチベーションダ

ウン

イノベーションに特化した組織作

今までの文化イノベーション困

チャレンジ(ビジネス的失敗)を繰り返す必要

同じ成功は許さない

同じ成功は許さない

社員の自律性社員の自律性

局面ごとの人財確保

社長権限で立上げ人財確保

社長権限で立上げ人財確保

文化がネック厳格性垂直

思考

文化がネック厳格性垂直

思考

QCD評価QCD評価

ポジティブ要因ネガティブ要因

既存IT領域の発展拡大を行う文化がない

イノベーションを起こす文化醸成

が必要

費用対効果が重要

費用対効果が重要

トップの強力な牽引

課題①トップ

22

イノベーションを起こす環境からみた課題

出所経済産業省平成27年度総合調査研究「企業社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」

デザイン思考導入

課題①トップ

課題②多様性課題③

文化醸成

23

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

24

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

25

【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

28

人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 23: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

デザイン思考導入に向けた課題分析

イノベーション組織(モード2SoE)

既存事業組織(モード1SoR)

体制最小化高生産性安定性

システム基盤整備

他社との強力なパートナーシップ QCD以外の

評価QCD以外の

評価

情報子会社は何を担うのか情報子会社は何を担うのか

既存業務が負担となる

業務改善にデザイン思考は使えるか

業務改善にデザイン思考は使えるか

モード12の資金バランスはモード12の

資金バランスは

試作PoCから運用化事業化

できないビジネス拡大は既

存事業部へ

協働役割分担協働役割分担

多様な人財確保

キャリ活キャリ活

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

企業とタイアップ(スタートアップ

企業)

POCまではスピード感があるのだがPOCまではスピード感があるのだが

ビジネス拡大をどの組織でビジネス拡大をどの組織で

事業化への強制力が必要

事業化への強制力が必要

RPAによる業務自動化

クラウド化システム資産

「所有」rArr「利用」

既存組織のモチベーションダ

ウン

イノベーションに特化した組織作

今までの文化イノベーション困

チャレンジ(ビジネス的失敗)を繰り返す必要

同じ成功は許さない

同じ成功は許さない

社員の自律性社員の自律性

局面ごとの人財確保

社長権限で立上げ人財確保

社長権限で立上げ人財確保

文化がネック厳格性垂直

思考

文化がネック厳格性垂直

思考

QCD評価QCD評価

ポジティブ要因ネガティブ要因

既存IT領域の発展拡大を行う文化がない

イノベーションを起こす文化醸成

が必要

費用対効果が重要

費用対効果が重要

トップの強力な牽引

課題①トップ

22

イノベーションを起こす環境からみた課題

出所経済産業省平成27年度総合調査研究「企業社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」

デザイン思考導入

課題①トップ

課題②多様性課題③

文化醸成

23

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

24

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

25

【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

28

人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 24: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

イノベーションを起こす環境からみた課題

出所経済産業省平成27年度総合調査研究「企業社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」

デザイン思考導入

課題①トップ

課題②多様性課題③

文化醸成

23

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

24

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

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【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

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【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

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デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

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人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 25: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

24

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

25

【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

28

人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 26: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

25

【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

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人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

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組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 27: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

【課題①】強力なトップによる牽引

強力なトップによる牽引とは

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

26

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

28

人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 28: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

【課題①】強力なトップによる牽引

イノベーション創出への情熱好奇心をもち発信

イノベーションマネジメントの必要性への共通認識

イノベーションマネジメント担当役員の設置

外部ステークホルダーとのコミュニケーション

イノベーションについてトップとして定義と持論を持っており発信例)『前任者のやったことを守ってやります』みたい

な就任挨拶をみるがバカじゃないかと思う

イノベーションプロセスを定義し社内外に発信例)商品化までの流れを社内外へ発信社内はKPIを

設定し促進

実行につながる枠組みとしてCDO担当役員を設置権限の明確化例)PoCしたものは実用化まで必ず持っていくそして

実用化まで支援できる

ベンチャー企業や世界のイノベーション企業との連携を積極的に実施例)オープンイノベーションハブを設置し混ざる

ことを積極的に実施し投資や人材を呼び込む

具体例トップのアクション

27

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

28

人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 29: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

28

人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 30: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

人財の多様性とは

健全な対立や衝突を是とする対等な関係性を構築多様な知見を認め合いその知見を組み合わせて統合し組織の知見として蓄積

同質性の環境における予定調和(仲良し人事馴れ合い等)を壊す常識の枠に捉われた視点を壊す日本企業特有の「忖度」や「権威のバイアス」を壊す

創造的アイデア

Scrap

Build

多様性

出身国出身地

他業界の経験

職種

スキル

性別LGBT

年齢

学歴

家族構成

障害有無

専門知識

宗教キャリアパス

多様な知見を認め合い健全な知恵の衝突を是とすることが多様性の本質でありそれがIT組織の活性化につながるものと考える

29

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 31: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

デザイン思考を実行するための人財

調査

統合プロトタイピング(試作具現化)

市場動向の情報収集

創造的アイデアの運用化事業化

技術動向の情報収集

アイデア出し

分析インサイト発見

実現

分析 新しい創造を行い不安や抵抗リスクなど様々な困難を乗り越えビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮する

市場の動向や変化の兆しを敏感にキャッチし利用者の興味動向を設計する市場現場のニーズを正確に把握しターゲットを明確化する

ソフトハード両面に精通しており利用技術を含めたアイディアのプロトタイプを構築することが出来る実際にアイディアを具現化する

アイディアのマネタイズビジネスモデル化の設計を行う実際のアイディアをビジネスとして成立するための事業計画を作成する

最新のIT技術の動向を知り今求められている技術マッチする技術を選択する

健全な対立や衝突を是としマイノリティー(少数意見)に対する排除攻撃が起きないよう平等かつ中立的な立場で先入観を持たずアイデア創出活動を支援する

デザイン思考

Action 役割

30

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 32: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

人財確保(チーミング)のイメージ

社外の人財

チームに参画する人財の多様性の確保

自由な業務参画を認める社内制度の充実- 部門横断プロジェクト- 社内公募制など

A業種の専門家

社外の専門家が自由に参加できるスキーム- 事前のアライアンス- 情報共有共同作業が

できる環境の整備など

IT部門

生産部門

販売部門

組織風土社外人財が参加しやすい仕組み作り取り組みへの意志が必要

B業種の専門家

C業種の専門家

社内の人財

31

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 33: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

デザイン思考導入に向けた3つの課題

【課題②】人材として多様性の確保斬新なアイデアを創出するためには人財の多様性確保は不可欠

【課題③】イノベーションを起こす組織文化の醸成イノベーション業務変革を起こすのは人組織に攻めの文化が醸成されなければ変革は起きない

【課題①】強力なトップによる牽引イノベーション業務変革で成功している企業はトップが強力に牽引している

デザイン議論を進める中でモード1(SoR)および2(SoE)の各々に求められていることデザイン思考を導入し定着させていくために解決すべき課題が大きく分けて以下の3つ存在することが分かってきた

32

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 34: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

組織文化を醸成する要素の概念図

[外部環境変化]機会(Opportunity)脅威(Treats)

[暗黙的な規範][習慣化された言動]

経営層および管理職の発言行動様式組織構成員の人間関係過去から踏襲した仕事のやり方組織固有の独特な言葉

[価値観]組織の背後にある共通善価値観

[個人]価値観幸福感モチベーション知識保有スキル性格

【組織文化】

組織文化とは組織構成員の暗黙的な考え方や行動様式の積み重ね経営戦略や管理方式等の明示的な方針やルール等によって(良いモノも悪いモノも)時間をかけて醸成され形成されていくものであるだからこそイノベーションを起こす組織文化を醸成することは容易ではない

[明示的な規範][経営戦略]

経営理念企業ビジョン中期経営計画行動指針

[管理方式]人事評価制度組織構造組織規模職務分掌業務規程(業務プロセス)

33

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 35: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

SECIモデルを応用した組織文化変革アプローチ

一橋大学の野中郁次郎氏が提唱するSECIモデルの4象限に前述の4要素[外部環境変化][明示的な規範][暗黙的な規範][個人] を重ね組織文化の変革ポイントを検討する

【組織文化を醸成する要素の概念図】 【SECIモデル】

暗黙的な規範の要素

個人の要素

明示的な規範の要素

34

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 36: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

イノベーションを起こす組織文化を醸成する取り組み

【共同化】暗黙的な規範の変革CEOによる組織文化変革の表明と危機意識の醸成CEOの率先垂範の行動様式社内外キーパーソンへの伝播〇創造性の阻害要因の除去(失敗に対する処罰過度な期限の圧力社内派閥争いリストラ少数意見排除等)

変革を好む人(変わった人)が生き延びる隙を作るスピード感をもって行動(「やってみなはれ」精神)小さい成功体験の蓄積(積み上げ)

【表出化】明示的な規範の変革①イノベーション推進部門の創設〇内発的amp外発的動機づけ (無形報酬表彰時間等経済的報酬金銭自社株等)

〇企業文化の理想像を行動指針(カルチャーコード)として言語化短期利益追求型ではなく攻めの失敗歓迎型KPIKGIへ〇クロスジョブ制度(部門を跨ぐ役割兼務)条件付き副業制度〇短期的成果評価制度からコンピテンシー評価制度へ

〇ダイバーシティー推進

【内面化】 個人の変革本気で取り組んだ失敗から学習する姿勢(失敗は成功のもと七転び八起き)

実行しながら考え抜き実践知を蓄積モノ的発想からコト的(驚きの体験感動を与える)発想へ転換海外先進企業(米シリコンバレー等)訪問社外コミュニティー(JUASJISAABC協会等)参加ビジョンおよびミッションに共感しワクワク感をもって仕事

【連結化】明示的な規範の改革➁オープンイノベーション施設利用または設置(異業種スタートアップ企業との協業)

社内の隠れた破天荒人材抜擢(トップダウンでの人事異動会社横断での出向)

デザイン思考等のイノベーションを誘発する手法の導入イノベーションの成功体験を社内外に発信(社内報プレス発表等)

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

暗黙知

暗黙知

暗黙知

SECIモデルの4象限毎にイノベーションを起こす組織文化を醸成するための取り組み案を以下に記載する(凡例 事例あり 〇事例なし)

1 2

4 3

社内で影響力のあり権限を持つ人物(通常は経営トップ)の率先垂範が起点

35

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 37: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

チーム1としての提言

VUCA時代において成功体験にしがみつき自らの殻を壊す努力をしない企業は淘汰されるリスクがある

第三者に壊される前に自らが自らを壊す決意と思考の転換が必要である

つまりロジカル思考に加えデザイン思考を取り入れ経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献する強いIT組織に変革することが求められている

しかしデザイン思考はあくまで道具(手段)であり万能薬ではない

強烈な当事者意識を持った人物によるリーダーシップ多様な人材の確保およびチャレンジする文化の醸成があってこそ効果を得ることができる

VUCA(ブーカ)とはVolatility(変動性不安定さ)Uncertainty(不確実性不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性不明確さ)という4つのキーワードの頭文字

36

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 38: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

チーム2

デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化

~デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化施策~

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 39: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

目次

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

38

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 40: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

39

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 41: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

2018 20194

720-21合宿

215-16

合宿

93

講演会

828議論2

925議論3

1023議論4

1120議論5

1218議論6

成果発表会318

Today

830ヒアリング

914ヒアリング

A社(事業会社)

1010ヒアリング

B社(事業会社)

C社(事業会社)

1012ヒアリング

D社(事業会社)

E社(事業会社)

1活動概要

活動実績

620議論1

529Kick off

F社(事業会社)

1126ヒアリング

毎月の検討会のほかユーザー企業を中心に7社へのヒアリングを実施した

122議論7

117ヒアリング

1113ヒアリング

109ヒアリング

G社(情報関連会社)

129ヒアリング

前半ヒアリング

後半ヒアリング40

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 42: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

41

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 43: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

2研究の成果

(1)研究の背景①

第4次産業革命=デジタル革命デジタルビジネスの時代に生き残るためにはhellip

『デジタル』とは何か

ldquoつながること(コネクティビティ)rdquoによって可能になる複数のテクノロジーイノベーションが融合する世界

『イノベーション』とは何か既存の「知」と「知」を新たに結合し無から新しいものを創造する

httpmomentumcojp

httpswwwgoogleines-solutionscom

出典 『経済発展の理論』

出典『対デジタルディスラプター戦略 既存企業の戦い方』

42

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 44: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

2研究の成果

(1)研究の背景②

applecomaskulcojp jawikipediaorg

具体的な事例『イノベーション』『デジタル』とは

homedepotcom

スマートフォン携帯電話パソコン

学習型サーモスタットamanaimagescom

利用時間のデータ化 需要予測ピークカットirasutoyacom

43

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 45: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

2研究の成果

(2)研究の目的

デジタルビジネスの世界においてデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーションに関する有効な情報を探求し自分達の組織の活性化につなげる

イノベーションの取り組みパターンを整備してパターンにあった適切な企業としての組織の在り方を探求する

オープンイノベーション外部コラボレーションの中でスタートアップベンチャー企業とどの様な関係を作り組織を作って行くのかを学ぶ

44

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 46: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

2研究の成果

(3)調査研究のアプローチ

1研究テーマ検討ステップ

課題抽出

(As Is)

仮説設定

(To Be)

検証ヒア

リング

仮説①と

の照合

仮説②と

の照合まとめ

2シナリオフレームの検討『INNOVATION PATH』横田幸信氏

アイデアを生み出す4つのアプローチ

人間起点

固定概念を

崩す

社会起点

未来社会を考

える

市場起点

市場のバイア

スを突く

技術起点

先端技術の新

たな価値探索

3ヒアリング先検討(下記資料参考)bull 攻めのIT経営銘柄(2018年報告書等)bull 「オープンイノベーション白書」

《重点ポイント》イノベーションの発生状況から企業やイノベーションを分類しそれぞれのタイプでの事例をヒアリング情報収集しイノベーションを起こしたい状況に応じたキーファクターをまとめていく

デジタルビジネス時代に求められるIT組織機能とその強化の方向性を探る

45

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 47: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

2研究の成果

補足本報告書での用語の定義

46

IT部門とは各社のIT部門を示す事業部門や研究部門などでデータ分析などITに関わる業務担当者はIT部門には含まない

IT組織とはIT部門だけではなくデータを活用する研究部門や事業部門のデータアナリストマーケティング担当なども含めた組織をIT組織と位置付ける

IT企業サービス提供

エンジン等含め開発プラットフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業新技術

アイデア

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

協働

オープンイノベーション

IT組織

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 48: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

ldquoイノベーションldquoを起こすには各社それぞれ何らかのきっかけがあるのではないか

まずはその要因を探りIT組織としての関わり方をヒアリングを通じて理解するその際イノベーションを起こすきっかけ(起点)は大きく下記の4つに共通化体系化できるのではないかとの見解から各起点でイノベーションを起こす代表企業をインタビュー候補として選出しヒアリングを実施した

2研究の成果

(4)研究仮説①

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」

仮説仮説

イノベーションを起こすための必要な要素プロセスなどを上記4つの起点を軸としてヒアリング検討していくことでIT組織の果たすべき役割や関わり方も

併せて見えてくるのではないか

出典横田幸信「Innovation Path」

47

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 49: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

2研究の成果

(4)研究仮説①

起点別ヒアリング結果

起点別ヒアリング結果

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

bull アクセラレータプログラムでスタートアップからのアイデア創出を図るbull ベンチャーに散々「イケてない」と指摘されたプロセス考え方などを都度変えていったbull アイデアは顧客目線を重視rarr現場(事業部)では持てない目線の獲得(現場は契約数字な

どにこだわる)bull 変化し続ける必要があると考えている人達が役員になっている

bull 長い目で見た場合事業領域の拡大や海外の展開を図る必要があるbull 「国内の労働力不足」が課題bull あまり気にしていない社会の状況などはどうにでも定義することができると考えている

bull 「今後のことはわからない」位置づけで臨んでいるbull 流通の上で顧客接点を持つものが勝者という脅威からイノベーションに踏み切った

bull 既存技術(事業)を組合わせて新たな事業を創造bull 「既存技術新規技術times既存市場新規市場」の4象限マトリクスで「技術の棚卸」さら

にオープンイノベーションハブを設立し他社と価値共創へbull 近接(技術)領域から開始することが大事

ヒアリングした内容からイノベーションに対する考え方プロセスなどの要素を起点ごとにピックアップした

48

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 50: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果よりイノベーション推進事例における4つの起点(人間起点社会起点市場起点技術起点)と組織の編成について以下にまとめた

企業【起点】

動機イノベーション

部門体制主なトピック

A社 人手不足社会貢献

既存部門の専任チームを統合(数十名)

企業内課題によるイノベーションスタートアップ企業と協業有り外部コンサル協力(目利き役)焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

B社外部環境変化による

危機意識売り上げ減(メイン事業の崩壊)

RampD統括部署配下に各事業配置

イノベーションに関わる社員比率は2割程度

自社コア技術の用途拡大探究によるイノベーション

スタートアップ企業とのコラボ推進(外部との価値共創)

危機意識事業化意欲強いIT部門の関わりが薄い

C社顧客接点を最重要視顧客ニーズの探索ECサービス開拓

社長直轄組織(10名)(意欲ある社員招集)

メイン事業関連のイノベーションベンチャー協業有り現在IT要員はいないが欲しい焦り逼迫感なしIT部門の関わりが薄い

企業別ヒアリング結果

①人間起点 ②社会起点

③市場起点 ④技術起点

49

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 51: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

2研究の成果

(4)研究仮説①

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述する

各社イノベーションへの取り組みは千差万別だが動機が起因となり思想体制意思決定予算等の要因が決定されており必要な要素プロセスは動機により異なる

各社イノベーションへの起点は様々であり1つに絞れるものではない各社とも起点に捉われずイノベーションを立ち上げていることが分かった

ヒアリング各社ではイノベーション推進に深く関わっていると思われたIT部門の関わりが見られなかったIT組織の中でIT部門が関わらなくてもイノベーションが推進されていることが分かった

オープンイノベーションの取り組みは試行錯誤の段階が多く成功体験というところまでは聞き出せなかった

bull ヒアリングした各社ではIT部門が思っていたよりイノベーションに関わっていない結果となったがおそらく事業化フェーズ以降に関わっていると思われる

bull 今後のヒアリングはIT部門がよりイノベーションの上流フェーズから積極的に関わっていると思われる企業をヒアリング先として選出しIT部門の関わり方やどう関わって行くべきかに焦点をあて仮説検証を実施することとした

検証結果考察検証結果考察

50

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 52: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

2研究の成果

(5)研究仮説②

イノベーションにIT組織におけるIT部門が関わっているとしてもその関わる時期やフェーズが異なるのではないか

イノベーション活動をいくつかのフェーズに分類しどのフェーズからどのように関わっているのかについてIT部門を中心としたヒアリングを通じて把握していくことでIT部門の関わり効果を発揮するフェーズを明らかにする

課題発見 アイデア創出製品ビジネス

モデル検証(PoC)

事業化

イノベーションで想定される4つのフェーズ

新たな仮説新たな仮説

51

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

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7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 53: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

2研究の成果

(5)研究仮説②

bullイノベーションにおいてはIT部門は事業化フェーズを担当しその他既存基幹システムなどを守るbullイノベーション推進部門と連携しシステムに関わりそうな案件は常に情報連携を図るbull企画部門が横断的な視点と顧客視点からモノゴトを考えそのシステム的な実現についてIT部門が検討実現する役割分担

bull種のような段階からはIT部門は関わっていない製品化が決まり具体化する段階でIT部門が参入

IT部門の現状(役割実施状況)IT部門の現状(役割実施状況)

IT部門に求められていることIT部門に求められていること

bullAIデータ分析を実施していくためには良質なデータが必要良質なデータの提供整備が求められるbullスピード感のある対応が必要各部門で実施の開発をIT部門に集約することでスピード化を実現bull自社で集めたデータオープンデータ外部データを組み合わせて如何にしてお金に換えられるかの視点での取り組みが必要

bull IT部門に期待されているのは「進化するICTを積極的に取り入れる」「情報を収集し戦略に落とし込む」

ヒアリングした内容からIT部門の現状IT部門に求められる役割プロセスなどの要素をピックアップした

52

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 54: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

2研究の成果

(5)研究仮説②後半ヒアリング結果よりイノベーション推進におけるIT部門の関わり方どう関わっていくべきかに焦点をあて以下にまとめた

企業イノベーション

部門体制

IT部門の

関わり

参画フェーズ 主なトピック

D社 業務推進統括部門 有り課題発見

以降

企画はイノベーション部門システム化がITシステムはほぼ自社開発データの収集

整備提供はIT部門の役割り今後は外部連携によるデータ活用強化

E社社長直轄

部門有り PoC以降

技術応用で社会貢献IT関連案件時はIT部門との連携支援あり創出過程にIT部門が必要とは思わない

F社イノベーション

研究所有り PoC以降

社外連携が主でIT関連時はIT部門も協力IT部門はIoTやビッグデータ活用をリード

主にデータ分析を実施今後はデジタル化強化SoEに注力

G社 ICT推進室 有り PoC以降

次世代AI技術開発拠点開設産官学で共創RPAも併せて推進親会社が企画フェーズ事業化フェーズを

IT関連会社が担当

企業別ヒアリング結果

企業別ヒアリング結果

課題発見 アイデア創出製品ビジネスモデル検証(PoC)

事業化

53

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 55: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

2研究の成果

(5)研究仮説②

ヒアリング結果より見えてきたこと気づきを以下に記述するヒアリングした各社ではPoCフェーズから参画している企業が多かった課題発見アイディア創出において必ずしもIT部門は必要だと考えていない企業が多かったイノベーションで「データを収集分析し価値を生み出すこと」に注力する企業が多く見られたがデータを「見極める力」が大事であると感じている企業が多かった

検証結果考察検証結果考察

イノベーションにおけるIT部門の関わり方を確認してきたがヒアリングを通してあまり深く関われていない実態が明らかとなった要因としては「相談されて支援する受け身の体制であること」また「各事業の知識が浅く課題発見アイデア創出フェーズではあまり期待されていない」のではないかと推察するそれではIT部門としてどう関わって行くべきなのかを次頁に考察する

54

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 56: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

2研究の成果

(5)研究仮説②

検証結果からIT部門がイノベーションにどう関わって行くべきなのかを以下に考察する

イノベーションにおけるIT部門の役割を以下のように捉える

bull 日々進化する最新のIT技術を積極的に取り入れる

bull 広く情報を収集分析する

bull 戦略に落とし込む

上記プロセスを遂行することが重要でありIT利活用におけるIT部門の担える部分は大きいと考える具体的には自社データだけでなく外部データやオープンデータの収集分析においてもITの活用は不可欠でデータ整備やその基盤整備DWHとの連携等「ldquoつながるrdquoことで見えてくる価値への気づき」の提供こそIT部門の役割ではないかと

考える

検証結果考察検証結果考察

DWHデータウェアハウス

55

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

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7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 57: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

1活動概要

2研究成果

3総括

bull 活動実績

bull 研究の背景

bull 研究の目的

bull 研究仮説①

bull 研究仮説②

bull 調査研究のアプローチ

56

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 58: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

3総括

(1)IT組織IT部門の関わり

「デジタルビジネス時代におけるIT組織力強化」をテーマにIT組織IT部門がデジタルビジネスの加速に寄与しているという仮説のもと研究を進めてきたその結果IT組織IT部門の関わりは以下の通りと考える

『INNOVATION PATH』の技術起点の一部で関与イノベーションの動機と『INNOVATION PATH』4つのアプローチの相関はあり参考になったなお実際の現場では企業の思想や体制意思決定等複雑な要因が組み重なり複数のアプローチがはたらいている

コア技術領域の深化複数のテクノロジーイノベーションを融合させ活用させる段階としてはコア技術領域の用途拡大や最速化による効果効率の最大化を実践する事例が多数を占めた(0から1ではなく1から10のイメージ)

イノベーション支援

従来よりシステム開発を目的としたユーザーからの要求のキャッチアップを

行う役割を担っているがイノベーション支援の役割が求められている

57

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 59: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

3総括

(2)今後のIT組織に何が求められるか

1データを活用した応用力発想力様々なデータをつなぎ合わせ新たな発想で価値創造を誘発する情報を提供する分析結果をいかにビジネス競争力の源泉につなげていけるか課題解決力を高める

2探求力柔軟性目利き力革新的発想や技術に常に目を向け柔軟に取り入れる先端IT技術の採用トレンド技術の自社への現場適用応用する

3スピードアイデア創出から実現までの工程を圧倒的に短縮するその場で提案解決できるトランザクティブメモリー

(ex誰に聞けばわかる事を知っている)を保有する

イノベーション推進(≒デジタルビシネスの推進)におけるIT組織の関わり方は各社様々ではあるが「アイデア創出」または「課題発見」フェーズから深く参画し経営からのビジネスニーズに応えることでイノベーションに大きく寄与できると考えられるそのためにIT組織は以下の実践を通じた変革が求められている

広げる

つなげる

早める

つなげる

広げる早める

価値創造

58

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 60: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

補足イノベーションパスの4つの観点

出典)「横田幸信『INNOVATION PATH‐イノベーションパス‐』日経BP社2016年」を参考に編集

固定観念を崩す(エクストリームユーザインタビュー)rarr人間中心や「デザインシンキング」と呼ばれているアプローチで極端な属性を持つユーザへのインタビューを文化人類学的な参与観察などからこれまでの見方とは異なる洞察を得てアイデア創出につなげようとする施行パターン

①人間起点

②社会起点

③市場起点

④技術起点

未来社会を考える「シナリオプランニング」「未来洞察」「社会シフト」rarr「高齢化社会が訪れるからそこで発生する社会課題に対して何か考えよう」など社会トレンドや社会課題にまず着目する思考パターン

市場のバイアスを突く「ブルーオーシャン戦略」「ブレイクザバイアス」rarr「今後こういった市場がホットだからそこで何か考えよう」「今市場にはこういう製品があるから敢えてそこからズラして何か考えよう」という発想パターン

先端技術の新たな価値を探索する「テクノロジーシフト」rarr「こういった基礎技術があるからそこから何かアイデアを考えよう」と自分の頭に指示を出すような思考パターン

これらの思考を組みあわせて考えることが必要

59

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

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【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 61: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

チーム3

強いIT組織におけるイノベーション人財戦略

~デジタルイノベーションビジネス変革に対応する人財戦略とそれを実現するための組織施策~

1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

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8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

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1研究の背景と研究方針

研究の背景激しいビジネス環境の変化をふまえ【デジタル化に対応する為の「イノベーション人財組織」

戦略施策】の確立が急務となっている

2018年度(昨年度)の研究昨年度当研究会チーム3では「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することが

できる組織の探索」を目的とした「強いIT組織になるための人財戦略」の研究を実施した

研究の結果強いIT組織になるためには

①既存業務と切り離された組織の編成②特化したスキルを保持した複数の人財招聘配置

が主たる組織施策人財戦略として必要と結論付けた

2018年度の研究方針今年度の研究開始にあたりまずは2017年度の研究目的及び研究結果を確認し

前述の研究結果①②は企業におけるイノベーションを起こすための有効な打ち手となり得る

ことを今年度検討メンバー間で合意形成したしたがって今年度の活動としては

2017年度の研究活動を継続し前述①②を掘り下げていくことを方針と設定した

61

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 63: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

2研究活動スケジュール

1 2 53 6

7 8 9

4

10 11

キックオフ IT組織の定義決定

強いIT組織の定義決定

成果物報告会

ヒアリング企業内容決定

529 620 720~21 828 925 1023

1120 1221218 215~16 318

他社ヒアリング本研究会におけるToBe像を決定

成果物準備着手 成果物準備

他社ヒアリング結果共有

チーム3参加企業のヒアリング結果共有

成果物の大まかな流れ確認イノベーションプロセス検討

人財像の検討

62

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 64: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションが起こるプロセス仕組みを定義この後に続く各種定義がなぜ必要かという

理由付けになる

イノベーションプロセス

組織概念図

人財像

施策

人財像人財像(仮説)

組織概念図組織概念図(仮説)

どんな役割が登場した

どんな組織が必要か

3研究活動のプロセス

前述の合意を経て研究は昨年度成果の更なる掘り下げを実施する方針としまずは昨年度成果の【組織概念図】【人財像】を仮説として設定したその後の活動は仮設を分析し詳細に掘り下げる討議と更にはそれらを有機的に機能させるためのイノベーションが起こるプロセス検討を実施した

他社ヒアリング

63

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 65: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

4検討の範囲

協働

IT企業サービス提供開発プラッフォーム提供

ユーザー企業IT子会社

ベンチャー企業

事業部門

新規デジタル部門

IT部門

IT子会社モード2 (SoE)

の組織

研究の対象範囲としてはこちらも昨年度の成果をふまえて再設定した昨年度の範囲は「強いIT組織=IT部門」と定義し検討を進めたその結果強いIT組織の中には独立した機能(組織)が必要と定めた2018年度は前年度検討結果をふまえ下記に記すように事業部門および独立した機能組織(モード2SoEの組織)を検討範囲に追加設定し研究を実施した

64

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 66: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

5イノベーションを起こす組織(概念図)

【IT部門】

イノベーションオーナー(担当役員)タスクフォース創設

見守り後ろ盾

市場トレン

ド顧客動向調査

市場分析

【事業部門】

技術動向調査技術解提示施策

広報営業

有識者

新規ビジネス考案事業戦略との整合各役割間のHUB

マネージメント

情報収集

情報収集

ITトレン

ド情報収集

社外コンサル

ニーズ

シーズ

製品開発

デジタルエンジニア

イノベーションリーダー

デジタルアナリスト

既存エンジニア

社外コンサル

イノベーション人財像の掘り下げをするに先立ちイノベーションを起こす組織に必要な要素を仮の人財像に当てはめその役割と関係性を概念図としてまとめた

65

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 67: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

6イノベーションを起こすプロセスと登場人物

イノベーションを起こす活動において前項の組織概念図の中で仮定した人財像がそれぞれどのようなプロセスを担当するかを定義した

デジタルエンジニア

既存エンジニア

デジタルアナリスト

プロジェクトのミッションを定義

施策の計画

新技術ベンダー選定

新技術動向調査実装検討

POCの必要性判断

POC計画

POC検証

技術導入

システム開発

イノベーションリーダー

予算体制スケジュール

経営課題に対するビジネス市場調査

既存業務の分析データ選定

有識者協力提言

上流(計画) 中流(POC) 下流(開発)

POCの結果判断

66

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 68: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

7各人財像の定義と輩出施策

次頁より各人財像の定義とその人財を輩出するための施策についての検討結果をまとめるスライドの構成は以下の通り

(各人財毎に)A) 人財像の定義 B) 輩出施策の一覧 C) 輩出施策のPickUp解説

なお上記の人財像の定義と輩出施策の後にイノベーションを起こす組織風土を醸成するための施策についても添付した

67

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 69: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(人財像)

1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す1ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する2ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

3人財のコラボレーションを促進する3人財のコラボレーションを促進する

明確な課題設定とその達成へのビジョンを提示する自他のアイデアを練り上げ顧客価値につなげるデザイン力を持つ

課題目的達成への情熱に溢れており手法に捉われないプラス思考と支援型リーダーシップで信頼関係を構築しチームをけん引する

4卓越した決断力を持つ4卓越した決断力を持つ

ダイバーシティへの理解が深く他者の意見を尊重する一方で時としてチームメンバーへマインドセットチェンジを促すことも厭わない

PoCの必要性判断FitGap評価サービスIN判断等ができる躊躇なくサンクコストを切り捨てる冷徹さを持つ

68

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

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Page 70: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 1ビジョン構想力閃きアイデア

2ゴールに向けて試行錯誤

3人財のコラボレーションを促進

4決断力

1 プロジェクト型社外研修(アイデアソンハッカソン)

2 社内のイノベーティブなプロジェクトへの参画 2 常にアイデアを出させるような業務付与 2 事業部門IT部門間のローテーション 2 イノベーション組織の設立 3 ベンチャー企業での武者修行経験 3 プロフェッショナルキャリアとして社内公募の実施 3 アイデアマンを上司が見極め異動させる

(資質の可視化) 3 Mode2人材を育成するキャリアパス施策

69

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 71: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

内容インフラ系A社ではイノベーションリーダーとなりうる人財(IT総合職)のキャリアパスをMode1人財と差別化標準キャリアパスを2パターン定義し両軸で人財育成を推進している

効果早期戦力化および多様な経歴を持つ計画的な人財育成

施策事例Mode2人財を育成するキャリアパス施策

難易度

目的イノベーションリーダーとなりうる人財の自覚を早期に促すため

備考bull 上記はあくまで標準キャリアパスであり各人の状況に応じてカスタマイズを行うbull Mode1とMode2人財のローテーション配置転換「イノベーションリーダー」としての社内認知方法については

今後の課題と考えている

現場 他社出向本社

Mode2部署適正により配置

現場 業務部門 IT系グループ会社 IT部門Mode1部署

人財像① IT Innovator

人財像② IT Consultant

(2年目) (3~4年目) (X年目)

7各人財像の定義と輩出施策①イノベーションリーダー(輩出施策PickUp)

70

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 72: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(人財像)

2社内データを活用した課題解決2社内データを活用した課題解決

3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力3潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

社内データに精通するまた蓄積すべきデータの選定ができるビッグデータ活用に知見を有し様々なデータを横断して分析する能力に長ける

自社業務領域だけにとどまらない幅広い情報収集を行っており市場のニーズを予測することができる

1社内外を問わない情報活用のスペシャリスト1社内外を問わない情報活用のスペシャリストデータサイエンティストのような既存の業務領域での社内情報活用とマーケッターのような市場分析を兼ね添える2つの情報を融合し新たな価値を生み出す

71

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 73: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

ಔ২

Pick

Up 施策

1社内外の情報活用

2社内の課題解決

3社外の情報収集

1 データ分析ツール言語の学習

1 資格試験の奨励(情報処理統計等)

1 マーケティングの基礎知識(4PSWOT等)の学習

1 社外イベントへの積極的な参加奨励

2 Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

2社外動向や社内外のデータを活用して未来予測させる業務付与

3 海外拠点とのジョブローテーション

3データ分析のスキルを持っている会社に武者修行に行かせる

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策一覧)

72

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 74: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

内容社外研究会への参加

研究活動を通しての人脈形成企業ヒアリング活動などを企画しての人脈形成

展示会への参加技術展自社業務領域にとらわれない幅広い業界の展示会参加企業との人脈形成

効果市場情報収集のための人脈形成

施策事例社外イベントへの積極的な参加奨励

難易度

目的市場動向に触れる機会を作るため

備考bull 普段接点のない業種の企業や立場の異なる人財とのコミュニケーションが行える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp①)

73

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 75: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

内容①データ分析のための学習環境の構築時間の付与

②Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励

③結果を見える化し社内共有(季刊紙社内報張り出す)

効果客観的な順位により技術力が可視化それによる成長意欲自信の向上

施策事例Kaggle等の社外コンテストへの参加奨励学習環境の構築

難易度

目的社外でも通用するデータサイエンティストにするための育成

備考bull 社外コンテストで優秀な成績を収めた社員には活動に利用できる時間をより多く与える

7各人財像の定義と輩出施策②デジタルアナリスト(輩出施策PickUp②)

74

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 76: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(人財像)

1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る1幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

2技術に関する探求心が極めて高い2技術に関する探求心が極めて高い

PoCを実践し実現可用性を検証できるなによりスピードを大切にする

先進的な技術を扱うコミュニティに積極的に関わっていく異業種を含む世界のトレンドに敏感であり情報収集力に長ける

失敗を恐れず常にベストな提案を出せる

3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する3イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

75

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 77: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

ಔ২

Pick

Up

施策 1幅広い技術力迅速なモノづくり

2技術に関する探究心

3要求咀嚼技術解の提示

1 システム開発言語(JAVACOBOL等)講座

1 情報処理試験の受験推進

2 インフラ担当アプリ担当間のローテーション

2 PaaS等を活用した簡単で短納期のモノ作り推進

2 イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

3 ラボ等での課外活動の推進

3 ベンチャー企業での武者修行経験

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策一覧)

76

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 78: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

7各人財像の定義と輩出施策③デジタルエンジニア(輩出施策PickUp)

内容話題になっているデジタル製品ツールを試すことができるイノベーション部屋を用意するデジタルエンジニアにはイノベーション部屋の利用を許可しここで業務を遂行させるイノベーションリーダーはイノベーション部屋にいけばデジタルエンジニアにいつでも相談できる

効果イノベーションに必要な技術の早期体得(デジタルイノベーションが起こりやすくなる)

日常的なコミュニケーション

施策事例イノベーションリーダーとの日常的なコミュニケーション

難易度

目的デジタルエンジニアがイノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術解を提示を可能とするため

備考bull イノベーションリーダーが自組織内では解決できない課題を持っていることが前提bull デジタルエンジニアチームだけでなくIT資格の取得数が多い者や高レベルの資格取得者に称号を与え

称号がある者にもイノベーション部屋の利用を許可する

イノベーション部屋イノベーション

リーダー

ガラス張りの部屋外から見て何をしているか見えるようにする

自由に出入りでき自組織内で解決できない課題を相談

77

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 79: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(4つの風土)

A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

জॲ

ビジョン構想力閃きやアイデアから新たな価値を見出す

ゴールに向けて試行錯誤を繰り返し困難を突破する

人財のコラボレーションを促進する

卓越した決断力を持つ

ॼজ५ॺ

社内外を問わない情報活用のスペシャリスト

社内データを活用した課題解決

潜在ニーズにいち早く気付く情報収集能力

ग़থ४ॽ

幅広い技術力を有し迅速にモノづくりが出来る

技術に関する探求心が極めて高い

イノベーションリーダーの要求を咀嚼し技術的な解を提示する

78

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 80: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策一覧)

ಔ২

Pick

Up

施策 A失敗を許容する風土

B何でも言い合える風土

Cスキルを高めたくなる風土

Dチャレンジする風土

1 アイデア出しの議論のマナー

1 常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

2見込みではなく面白いか(先進的等)で意思決定できる風土

3 イノベーション組織の設立 3 社内での副業許可 3 アナリストデータ分析専門組織の設立 3 Time to Market(迅速性重視)の価値観醸成

組織風土改革に関する施策と狙いを以下のようにまとめた特に重要な施策は次ページ移行で補足する

79

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 81: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

内容多様な意見を引き出すため議論のマナーを浸透させる

<例>

施策事例アイデア出しの議論のマナー

難易度

目的多様な意見を引き出し統合して今までにないアイデアを出すため

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

備考bull リラックスした雰囲気の場を作ることも重要

(例)カフェテラスイノベーションラボ飲みにケーションampタバコ部屋の代替

推奨(発言をしやすい) 非推奨(発言しづらい)

反応する(いいねそれさすが)rarr発言前に前発言者の良い点に触れる

(無言)

アイデアの良し悪しの判断は後数で勝負 アイデアのダメ出しをすぐに行う

奔放なアイデアを推奨する 奔放なアイデアを否定する

アイデアにのっかり広げるrarr オズボーンのチェックリスト(次頁)

思考停止状態になる

自分を一度発言者の立場に置き換えて考える 思い付きの発言

効果新しいアイデアを活用した新事業業務カイゼン

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

80

【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

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【相乗りするコツ】 オズボーンのチェックリスト

1他に使い道はbull 改善改良して新しい使いみ

ちはbull そのままで新しい使いみち

2応用できないかbull 他にこれに似たものはない

かbull 過去に似たものは無いかbull 何か真似できないか

3修正したらbull 新しいひねりはbull 意味色動き音匂い

様式型などを変えられないか

4拡大したらbull より大きくbull 何か加えられないかbull 強く高く長く厚く

頻度は付加価値は

5縮小したらbull より小さくbull 何か減らせないかbull 弱く低く短く薄く

省略は分割は

6代用したらbull 他の素材はbull 他のアプローチはbull 他の構成要素は

7アレンジし直したらbull 要素を取り替えたらbull 他のパターンはbull 原因と結果を入れ替えたら

8逆にしたらbull 後ろ向きにしたらbull 上下をひっくり返したらbull 主客転倒したら

9組み合わせたらbull ブレンド品揃えbull 目的を組み合わせたらbull アイデアを組み合わせたら

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp①)

(補足資料議論ルールの徹底)

81

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 83: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

内容bull 自社の既存スキームに対してチャレンジの意識が高まるプロセスを追加するbull 例えば成果重視の通常目標に加えプロセス重視のチャレンジ目標を定める

効果上司がチャレンジするプロセスを重視することを約束することで失敗を恐れず進むことができる

施策事例常に新しいことを求めないと生き残れないという価値観醸成

難易度

目的新しい事に消極的出来る事しかしようとしない社員をポジティブな意識に変えること

備考bull 人事部門の許可がなくても自分の組織内の裁量で可能bull 結果ではなくプロセスをほめること

目標カード

目標1(成果型)

目標2(成果型)

目標3(チャレンジ型)

目標3Kaggleのhouse pricesで上位10を

達成する

仮に結果が上位30だったとしも①スピード感②プロセスや考え方の創意工夫③あきらめずにやりとげるといったプロセス評価を高く

7各人財像の定義と輩出施策④イノベーションを生み出す組織風土(醸成施策PickUp②)

82

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 84: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

8まとめ

今年度研究の総括イノベーションを生み出すプロセスをイメージした上で組織の編成や人財像の掘り下げを行ったことで研究の目的である「経営戦略の実現に貢献して収益拡大へ貢献することができる組織の探索」に対してより具体的な人財像定義および輩出施策を検討することができた

また企業ヒアリングで収集した施策事例を参考にし更に現実的な輩出施策を導出することができた

今後の課題今回の研究ではイノベーションに必要な人財の輩出施策をまとめたがそれぞれの施策を「いつどのタイミングで」実施すべきかは検討できていない

イノベーションに必要な人財を輩出するための長期プランキャリアパスをそれぞれの人財で定義していくことを次年度以降の課題と認識した

83

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

84

Page 85: 2018年度活動成果報告会 組織力強化 ... - JUAS · 強いIT組織における イノベーション人財戦略 デジタルイノベーション・ ビジネス変革に対応する

ご清聴ありがとうございました

おわりに-2019年度の活動

組織力強化研究会も次年度で8年目を迎えます新たなテーマを設定して研究してまいりますのでご興味のある方はぜひご参加ください

バイモーダルIT実現に向けてのIT組織確立

デジタルビジネス時代における人財戦略と組織施策

モード2を意識したITビジネス企画プロセスの検討と実践

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