かぜ症候群2012 final
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「「かぜかぜ」の」の診療診療
2012.3.7日立総合病院内科
千勝紀生
今日の話今日の話かぜの細分類かぜの細分類抗生 を誰に使うのか?剤抗生 を誰に使うのか?剤高 者 基礎疾患もちに注齢 ・高 者 基礎疾患もちに注齢 ・
意意急性胃腸炎急性胃腸炎インフルエンザインフルエンザ風邪 の話薬風邪 の話薬
症例症例11:: 3232 歳女性歳女性
2~3日前から鼻汁出現。鼻汁は徐々2~3日前から鼻汁出現。鼻汁は徐々に 加するが、膿性ではない。鼻閉あ増に 加するが、膿性ではない。鼻閉あ増り。 度の咽頭痛あり。咳 痰も少し軽 ・り。 度の咽頭痛あり。咳 痰も少し軽 ・あり。あり。 3737℃℃ 台の 熱を伴っている。発台の 熱を伴っている。発
所見:体温所見:体温 37.5℃37.5℃ 、咽頭 赤 度、扁発 軽、咽頭 赤 度、扁発 軽桃腫大なし。鼻腔は 度の 赤あり。軽 発桃腫大なし。鼻腔は 度の 赤あり。軽 発頸部リンパ節 知せず。肺野 。触 清頸部リンパ節 知せず。肺野 。触 清
症例症例22:: 7070 歳男性歳男性
44 日前より咳 痰が出現し、次第に・ 増日前より咳 痰が出現し、次第に・ 増。 熱を伴い、喀痰が 色粘稠にな強 発 黄。 熱を伴い、喀痰が 色粘稠にな強 発 黄
ってきたため 院。咽頭痛、鼻汁、鼻来ってきたため 院。咽頭痛、鼻汁、鼻来閉なし。閉なし。
所見:体温所見:体温 38℃38℃ 、脈拍、脈拍 9090 、呼吸回数、呼吸回数1414 回、咽頭正常、扁桃腫大なし、頸部回、咽頭正常、扁桃腫大なし、頸部リンパ節 知せず。肺野 。触 清リンパ節 知せず。肺野 。触 清
…かぜっぽいけど…かぜっぽいけどどうしたらいいだろうか?どうしたらいいだろうか?
診療のポイント診療のポイント抗生 の必要性を判剤 断抗生 の必要性を判剤 断 症療法の程度を見極める対症療法の程度を見極める対地雷の 見発地雷の 見発
!手早く!
手早く、的確に考える手早く、的確に考える方法方法
分類分類(=パターン化)(=パターン化)
分類分類
①① 非特異性上 道炎型気非特異性上 道炎型気②② 鼻炎型《急性鼻 副鼻腔炎型・鼻炎型《急性鼻 副鼻腔炎型・
》》
③③ 咽頭炎型《急性咽頭 扁桃炎・咽頭炎型《急性咽頭 扁桃炎・型》型》
④④ 管支炎型気管支炎型気ACPACP(( American College of Physician)American College of Physician)による分類による分類
問診(いちばん重要)問診(いちばん重要)せきせき 「咳はでますか?」「咳はでますか?」
はなはな 「鼻水はでますか?鼻づまり「鼻水はでますか?鼻づまりは?」は?」
のどのど 「のどは痛いですか?」「のどは痛いですか?」
熱熱 「熱はありますか?」「熱はありますか?」
下痢下痢 「下痢してますか?」「下痢してますか?」
そのほかそのほか 「なにか他に症 はあります状「なにか他に症 はあります状か?」か?」
大事なこと:大事なこと:
「治療している病 がありますか?」気「治療している病 がありますか?」気
問診による分類問診による分類せきせき メインメイン 管支炎型気管支炎型気はなはな メインメイン 急性鼻 副鼻腔炎型・急性鼻 副鼻腔炎型・のどのど メインメイン 咽頭炎型咽頭炎型
3つともある3つともある 非特異型非特異型
あとは付加的な情報あとは付加的な情報
熱 下痢 基礎疾患 頭痛発 ・ ・ ・ ・ 熱 下痢 基礎疾患 頭痛発 ・ ・ ・ ・ etc.etc.
非特異性上気道炎型非特異性上気道炎型 急性の 過経急性の 過経 以下の3領域症 が同時に同程度に存状以下の3領域症 が同時に同程度に存状
在在 鼻炎症状鼻炎症状○ くしゃみ はなみず はなづまり・ ・くしゃみ はなみず はなづまり・ ・
咽頭炎症状咽頭炎症状○ 咽頭痛 イガイガ感・咽頭痛 イガイガ感・
下 道炎症気 状下 道炎症気 状○ 咳、喀痰の有無は問わない咳、喀痰の有無は問わない
ウイルス性ウイルス性
非特異性上気道炎型非特異性上気道炎型
ウイルス性である以上、ウイルス性である以上、
デフォルトはデフォルトは
「抗生 不要」剤「抗生 不要」剤
鼻炎型(急性鼻・副鼻腔炎型鼻炎型(急性鼻・副鼻腔炎型))
鼻炎症 (くしゃみ、鼻汁、鼻づまり)主状鼻炎症 (くしゃみ、鼻汁、鼻づまり)主状体体
熱の有無は問わない発熱の有無は問わない発
大部分はウイルス性大部分はウイルス性
細菌性副鼻腔炎細菌性副鼻腔炎(≒抗生剤投与が必要)(≒抗生剤投与が必要)
鼻炎症 が状鼻炎症 が状 77 日以上持 し、かつ 部(特に続 頬日以上持 し、かつ 部(特に続 頬片側性)の自 痛 痛と、膿性鼻汁が見ら発 ・圧片側性)の自 痛 痛と、膿性鼻汁が見ら発 ・圧れる場合れる場合 Double sickening, 7Double sickening, 7 ~~ 1010 日後の再増悪日後の再増悪
非常に い片側性の 部の疼痛 腫脹 熱強 頬 ・ ・発非常に い片側性の 部の疼痛 腫脹 熱強 頬 ・ ・発がある場合(症 の持 時間は問わない)状 続がある場合(症 の持 時間は問わない)状 続
鼻炎型全体の鼻炎型全体の 0.20.2 ~2%とされる~2%とされる
膿性鼻汁はウイルス性でも生じる膿性鼻汁はウイルス性でも生じる これのみでは抗生 の必要はない剤これのみでは抗生 の必要はない剤
咽頭炎型(急性咽頭・扁桃炎咽頭炎型(急性咽頭・扁桃炎型)型) 咽頭痛が主症 。 熱の有無は問わず状 発咽頭痛が主症 。 熱の有無は問わず状 発 咽頭の 赤、咽頭後壁リンパ濾胞の腫脹発咽頭の 赤、咽頭後壁リンパ濾胞の腫脹発 扁桃炎の併発扁桃炎の併発
大部分はウイルス性大部分はウイルス性
AA 群群 ββ 溶連菌性(約溶連菌性(約 1010 %)が、細菌性の殆%)が、細菌性の殆どであるどである、とアメリカでは言われている、とアメリカでは言われている
扁桃の白苔はウイルス性でも生じる扁桃の白苔はウイルス性でも生じる それだけでは抗生 の適 とはいえない剤 応それだけでは抗生 の適 とはいえない剤 応
Centor’s Centor’s strategystrategy
①① 熱発熱発②② 白苔を伴う扁桃の 赤発白苔を伴う扁桃の 赤発③③ 咳嗽なし咳嗽なし
④④ 痛を伴う前頸部リンパ節腫脹圧痛を伴う前頸部リンパ節腫脹圧
咽頭炎における溶連菌の有病率を咽頭炎における溶連菌の有病率を 1010%と仮定して%と仮定してポイント数ポイント数溶連菌感染の可能性溶連菌感染の可能性 0 0 2%2% 1 1 3%3% 2 2 8%8% 3 3 19%19% 4 4 41%41%
作戦作戦0~10~1 溶連菌の可能性低い→対症療法溶連菌の可能性低い→対症療法2~32~3 可能性微妙→迅速検査で陽性なら抗生剤可能性微妙→迅速検査で陽性なら抗生剤44 可能性高い→検査とばして抗生剤可能性高い→検査とばして抗生剤
(Centor, R M. et al. Med Dicis Making, 1:239-246, 1981)(Centor, R M. et al. Med Dicis Making, 1:239-246, 1981)((
写真でみる咽頭炎写真でみる咽頭炎
JOHNS Vol.23 No.12 (2007) p.1779-1802JOHNS Vol.23 No.12 (2007) p.1779-1802よりより
ウイルス性でも白苔はつくウイルス性でも白苔はつく
気管支炎型気管支炎型 咳嗽が主体。喀痰 熱の有無は問わない。・発咳嗽が主体。喀痰 熱の有無は問わない。・発 6565 以下の場合歳以下の場合歳 、、 9090 %が非細菌性%が非細菌性
肺炎の鑑別が重要肺炎の鑑別が重要 バイタルサインの異常 バイタルサインの異常 ○ 脈拍>100脈拍>100 , , 呼吸 >数呼吸 >数 24, 24, 体 >温体 >温 38℃38℃
呼吸音の左右差 音 ⇒ 胸部雑呼吸音の左右差 音 ⇒ 胸部雑XpXp
抗生 が必要な場合 剤抗生 が必要な場合 剤 55 ~~ 10%10% マイコプラズマ、クラミジア、百日咳マイコプラズマ、クラミジア、百日咳
…余談ですが 呼吸回 を測りましょう数 20~ 30秒の 察で計測可能観 10~ 18回/分 あたりが普通
頻呼吸:呼吸回 >数 24回/分
1呼吸プロセスが 2.5秒以 に終了すれ内ば頻呼吸
鼻汁 鼻閉・鼻汁 鼻閉・ 咽頭痛咽頭痛 咳 痰・咳 痰・ 抗菌 と注意剤抗菌 と注意剤点点
非特異的非特異的 △△ △△ △△ 不要不要
上 道炎気 上 道炎気
急性鼻・急性鼻・ ◎◎ ×× ×× 細菌性では必要細菌性では必要
副鼻腔炎 副鼻腔炎
急性咽頭炎急性咽頭炎 ×× ◎◎ ×× 溶連菌では必要溶連菌では必要
急性 管支炎気急性 管支炎気 ×× ×× ◎◎ 肺炎を除外できれば肺炎を除外できれば
不要不要
(◎:主要症状、(◎:主要症状、 ××:原則としてなし、△:際立たず複数にあり):原則としてなし、△:際立たず複数にあり)
はなはな のどのど せきせき 抗菌 と注意剤抗菌 と注意剤点点
非特異的非特異的 △△ △△ △△ 不要不要
上 道炎気 上 道炎気
急性鼻・急性鼻・ ◎◎ ×× ×× 細菌性では必要細菌性では必要
副鼻腔炎 副鼻腔炎
急性咽頭炎急性咽頭炎 ×× ◎◎ ×× 溶連菌では必要溶連菌では必要
急性 管支炎気急性 管支炎気 ×× ×× ◎◎ 肺炎を除外できれば肺炎を除外できれば
不要不要
(◎:主要症状、(◎:主要症状、 ××:原則としてなし、△:際立たず複数にあり):原則としてなし、△:際立たず複数にあり)
病型による抗菌剤の適応病型による抗菌剤の適応(( ACPACP )) 非特異的上 道炎気非特異的上 道炎気
すべて抗菌 の適 ナシ薬 応すべて抗菌 の適 ナシ薬 応 急性鼻 副鼻腔炎・急性鼻 副鼻腔炎・
顔面自 痛や 痛がある場合発 圧顔面自 痛や 痛がある場合発 圧 急性咽頭炎急性咽頭炎
溶連菌性の場合溶連菌性の場合 急性 管支炎気急性 管支炎気
肺炎が除外できない場合肺炎が除外できない場合
問題:問題:次の症例について、か次の症例について、かぜの細分類を答えよぜの細分類を答えよ
症例症例33:: 1616 歳男性歳男性
前日より咽頭痛と前日より咽頭痛と 39℃39℃ 台の 熱に発 気台の 熱に発 気づいた。咽頭痛が し 院。増強 来づいた。咽頭痛が し 院。増強 来
咳 痰 鼻汁 鼻閉なし・ ・ ・咳 痰 鼻汁 鼻閉なし・ ・ ・ 所見:体温所見:体温 39.3℃39.3℃ 、咽頭 赤著明、右発、咽頭 赤著明、右発
扁桃は白苔を伴い腫大。前頸部リンパ扁桃は白苔を伴い腫大。前頸部リンパ節を 個 知し、 痛を伴う。肺野数 触 圧 清節を 個 知し、 痛を伴う。肺野数 触 圧 清
急性咽頭炎急性咽頭炎
抗生剤、どうする?
Centor’s strategyCentor’s strategy
①① 熱発熱発②② 白苔を伴う扁桃の 赤発白苔を伴う扁桃の 赤発③③ 咳嗽なし咳嗽なし
④④ 痛を伴う前頸部リンパ節腫脹圧痛を伴う前頸部リンパ節腫脹圧
咽頭炎における溶連菌の有病率を咽頭炎における溶連菌の有病率を 1010%と仮定して%と仮定してポイント数ポイント数溶連菌感染の可能性溶連菌感染の可能性 0 0 2%2% 1 1 3%3% 2 2 8%8% 3 3 19%19% 4 4 41%41%
作戦作戦0~10~1 溶連菌の可能性低い→対症療法溶連菌の可能性低い→対症療法2~32~3 可能性微妙→迅速検査で陽性なら抗生剤可能性微妙→迅速検査で陽性なら抗生剤44 可能性高い→検査とばして抗生剤可能性高い→検査とばして抗生剤
(Centor, R M. et al. Med Dicis Making, 1:239-246, 1981)(Centor, R M. et al. Med Dicis Making, 1:239-246, 1981)((
症例症例44:: 2020 歳男性歳男性
22 日前より 熱とともに咳嗽が くた発 続日前より 熱とともに咳嗽が くた発 続め 院。 色い喀痰が出る。咽頭痛や来 黄め 院。 色い喀痰が出る。咽頭痛や来 黄鼻汁、鼻閉はなし。鼻汁、鼻閉はなし。
所見:体温所見:体温 37.5℃37.5℃ 、脈拍、脈拍 8484 、呼吸数、呼吸数1414 回、咽頭正常、扁桃腫大なし、頸部回、咽頭正常、扁桃腫大なし、頸部リンパ節 知せず。肺野 。触 清リンパ節 知せず。肺野 。触 清
急性急性気管支炎気管支炎
症例症例22:: 7070 歳男性歳男性
44 日前より咳 痰が出現し、次第に・ 増日前より咳 痰が出現し、次第に・ 増。 熱を伴い、喀痰が 色粘稠にな強 発 黄。 熱を伴い、喀痰が 色粘稠にな強 発 黄
ってきたため 院。咽頭痛、鼻汁、鼻来ってきたため 院。咽頭痛、鼻汁、鼻来閉なし。閉なし。
所見:体温所見:体温 38℃38℃ 、脈拍、脈拍 9090 、呼吸回数、呼吸回数1414 回、咽頭正常、扁桃腫大なし、頸部回、咽頭正常、扁桃腫大なし、頸部リンパ節 知せず。肺野 。触 清リンパ節 知せず。肺野 。触 清
急性気管支炎急性気管支炎
この2例、抗生剤どうする?
高齢者の場合高齢者の場合
症 が非典型的状症 が非典型的状 二次感染の危険二次感染の危険 細菌感染細菌感染だった場合リスクが高いだった場合リスクが高い
「抗生剤を使用しない」ポリシーには、より注意が必要「抗生剤を使用しない」ポリシーには、より注意が必要「なにかあったらすぐまた来院してください」「なにかあったらすぐまた来院してください」
「高齢者には抗生剤をだしとく」⇒「あり」
基礎疾患がある場合 免疫不全 低免疫が想定される疾患 況・ ・状
血液 性腫瘍悪 固形がん治療中
慢性肝疾患
透析患者
糖尿病
ステロイド治療中
バセドウ病で抗甲 腺 服中→無顆粒球症状 薬内 COPD 管支喘息・気
etc.病歴をチェックする(問診・カルテ)自信がなければ、夜中でも担当科オンコールと相談することを考える
状況次第で翌日までに急変しうる
採血も必要な「かぜ」症状抗癌 治療中 剤 ⇒骨 抑制期?髄抗甲 腺 服中状 薬内 ⇒無顆粒球症?
複 回 院数 来「かぜ」診 は正しいか?断
なんとなくやばそう ⇒高い 値が必要経験
※なんでも採血 ⇒やりすぎ
後で「何度も来たのに採血もされなかった」と言われるのを防ぐ
=防御的医療 defensive medicine今のご時世、ディフェンスを軽んじるのは危ない(個人的意見)
「かぜ」「かぜ」:特別なサブタイプ:特別なサブタイプ
分類分類①① 非特異性上 道炎型気非特異性上 道炎型気②② 鼻炎型《急性鼻 副鼻腔炎型》・鼻炎型《急性鼻 副鼻腔炎型》・③③ 咽頭炎型《急性咽頭 扁桃炎型》・咽頭炎型《急性咽頭 扁桃炎型》・④④ 管支炎型気管支炎型気⑤⑤ 高熱のみ型《インフルエンザ型》高熱のみ型《インフルエンザ型》
⑥⑥ 微熱 倦怠感型《急性 慢性》・ ・微熱 倦怠感型《急性 慢性》・ ・⑦⑦ 特 的所見のある型:徴特 的所見のある型:徴
疹型、急性胃腸炎型、 膜炎型、その発 髄疹型、急性胃腸炎型、 膜炎型、その発 髄他他
(田坂佳千 レジデントノート (田坂佳千 レジデントノート VolVol7,7, No.10No.10(2006))(2006))
高熱のみ型高熱のみ型
突然 症の 熱発 発突然 症の 熱発 発 かつ、局所症 なし状かつ、局所症 なし状
局所症 とは?状局所症 とは?状鼻汁、咽頭痛、咳、腹痛、下痢、激しい頭痛鼻汁、咽頭痛、咳、腹痛、下痢、激しい頭痛
などなど
高熱のみ型は、高熱のみ型は、要注意!要注意!
なぜか?なぜか?
高熱のみ型高熱のみ型
インフルエンザインフルエンザ
その他のウイルス性疾患その他のウイルス性疾患
これらが多いことは事実これらが多いことは事実
でもでも……
こんな病気もありうるこんな病気もありうる=地雷=地雷原原
細菌感染症細菌感染症 肺炎肺炎 膜炎髄膜炎髄 急性腎盂腎炎急性腎盂腎炎 急性前立腺炎急性前立腺炎 肝膿瘍 化膿性胆管炎・肝膿瘍 化膿性胆管炎・ 感染性心 膜内感染性心 膜内 炎炎
etc.etc.
リケッチア病リケッチア病
悪性腫瘍悪性腫瘍
膠原病膠原病
微熱・倦怠感微熱・倦怠感型型は難問は難問 急性ウイルス感染(急性ウイルス感染( HIVHIVや肝炎ウイルスも含や肝炎ウイルスも含む)む)
膠原病膠原病
性腫瘍悪性腫瘍悪 感染症(特殊な細菌、リケッチア、結核、…感染症(特殊な細菌、リケッチア、結核、…
)) うつうつ
慢性疲 症候群労慢性疲 症候群労 不定愁訴不定愁訴
特徴的所見:髄膜炎型特徴的所見:髄膜炎型
今までに感じたことのない頭痛今までに感じたことのない頭痛
頭を下げたり、咳をすると頭痛が増強頭を下げたり、咳をすると頭痛が増強 嘔吐を伴う嘔吐を伴う
Neck Flexion TestNeck Flexion Test Jolt accentuationJolt accentuation 副鼻腔炎副鼻腔炎も頭痛を起こしますも頭痛を起こします
特徴的所見:発疹型特徴的所見:発疹型
多くはウイルス性疾患=多くはウイルス性疾患= self limitingself limiting リケッチアの可能性リケッチアの可能性
疹(前 のクスリ)も要注意薬 医疹(前 のクスリ)も要注意薬 医
表面のぴりぴりする痛みで 症し、1発表面のぴりぴりする痛みで 症し、1発~~7日後に神 支配に一致した赤 い経 黒7日後に神 支配に一致した赤 い経 黒、水疱を伴う 疹出現 =発、水疱を伴う 疹出現 =発 疱疹帯状疱疹帯状
特徴的所見:急性胃腸炎型特徴的所見:急性胃腸炎型
病原性大腸菌病原性大腸菌 O157O157 の問題があり、抗生剤・の問題があり、抗生剤・止痢 の使用についてはコンセンサスがな剤止痢 の使用についてはコンセンサスがな剤いい 院消化器 科の方針当 内院消化器 科の方針当 内○ 抗生 :ホスミシン剤抗生 :ホスミシン剤○ 止痢 :使わない(ロペミン タンナルビンなど剤 ・止痢 :使わない(ロペミン タンナルビンなど剤 ・
))
○ 整腸 :剤整腸 :剤 乳酸乳酸菌製剤菌製剤○ 便培養を忘れずに!便培養を忘れずに!
ロタウイルスロタウイルスノロウイルスノロウイルスアデノウイルアデノウイルスス
サポウイルスサポウイルスアストロウイルスアストロウイルス
参考文献 レジデントノ ト ーレジデントノ ト ー Vol.7-No.10(2006.1)Vol.7-No.10(2006.1)VV
●● 特集●“かぜ”を む!読特集●“かぜ”を む!読
レジテントノ ト 刊 ー 増レジテントノ ト 刊 ー 増 Vol.13-Vol.13-No.14(2011.12)No.14(2011.12)
いつもの治療を見直す!かぜ診療パ フェーいつもの治療を見直す!かぜ診療パ フェークトクト
インフルエンザインフルエンザ
インフルエンザインフルエンザ
別名別名「流行性感冒」「流行性感冒」
インフルエンザウイルスによる感染症インフルエンザウイルスによる感染症
校保健法学校保健法学 の規定の規定 解熱後解熱後 22 日後からの登校日後からの登校
(症 症後状発(症 症後状発 55 日目以降) これから加わる日目以降) これから加わる件条件条
インフルエンザ:自然経過インフルエンザ:自然経過
潜伏期:約潜伏期:約 33 日(1~7日)日(1~7日)
突然の 寒 熱 節痛悪 ・発 ・関突然の 寒 熱 節痛悪 ・発 ・関 引き いて起こる鼻汁、咳続引き いて起こる鼻汁、咳続 全 過約経全 過約経 11週間週間
かぜ症候群より全身症 が い状 強かぜ症候群より全身症 が い状 強
インフルエンザ○ ×問題(1)診 に抗原 査は必須である断 検(2)臨床症 、疫 的 況だけで診 してよい状 学 状 断(3)臨床診 だけで抗ウイルス を 方してもよ断 剤 処
い
(4)抗ウイルス は感染力を低下させる剤
答 (1) (2) (3) (4)
インフルエンザインフルエンザ迅速診断キ迅速診断キットット
院採用:当院採用:当 プロラストプロラスト FluFlu (三菱化 メディエン学(三菱化 メディエン学ス)ス) 希望 格 価希望 格 価 1200012000円円 /10/10 回用回用
陽性率陽性率について(について( HPHP 上上 Q&AQ&A より)より) プロラスト Fluを含む迅速診 キットにおいて陽性を示すためには断
、採取 体中にある量以上のウイルスが存在することが必要です。検個 の症例にもよりますが、々 熱などの症 が出てから発 状 12時間以 の症例では、感染があっても迅速診 キットで陰性内 断を示すことがあると言われております。臨床症 から感染状が疑われる場合は、問診などによる 合的な判 をお願い総 断します。なお、インフルエンザの潜伏期間(感染から 症発まで)は約 1日と言われております。
http://www.medience.co.jp/h1_prorast/faq.html#q10http://www.medience.co.jp/h1_prorast/faq.html#q10
インフルエンザインフルエンザ迅速検査の迅速検査の性能性能
感度感度 62.362.3 %%
特異度特異度 98.298.2 %%内訳内訳
成人成人 小児小児 AA B B感度感度 53.9%53.9% 66.6%66.6% 64.6%64.6% 52.2%52.2%特異度特異度 98.6%98.6% 98.2%98.2% 99.1%99.1% 99.8%99.8%
Accuracy of Rapid Influenza Diagnostic TestsA Meta-analysis (Ann Intern Med 2012)First published February 27, 2012 on annals.org.
http://www.annals.org/content/early/2012/02/27/0003-4819-156-7-201204030-00403.full?sid=3284e797-f58c-49c3-bff0-85d39a28445e
迅速キットはいつ、何回まで使用できる?
療保 上のル ル医 険 ー療保 上のル ル医 険 ー 病名「インフルエンザ」「インフルエンザの疑い」病名「インフルエンザ」「インフルエンザの疑い」
原則原則 11 回回
レセプト摘要欄に記載してレセプト摘要欄に記載して 22 回まで回まで○ 査 施料インフルエンザウイルス抗原精密測定検 実査 施料インフルエンザウイルス抗原精密測定検 実 115500点点○ 判 料「免疫 的 査」断 学 検判 料「免疫 的 査」断 学 検 144144点点
的な事医学 実 道のウイルス量のピ ク: 症気 ー 発 24-48時間後 その後急速に低下 5 -10日後には 出不能という報告もある検
迅速キット適応(提案) 症発 12時間以前は施行しない
症発 72時間以降は基本施行しない
2回まで OK保 病名をつける険
抗ウイルス は迅速キット結果にかかわ剤らず 方できる処
インフルエンザインフルエンザのピットのピットフォールフォール
一部の一部の NSAIDNSAIDss は小 (児は小 (児 1515 未 )に禁歳 満未 )に禁歳 満忌忌 ジクロフェナク(ボルタレン)ジクロフェナク(ボルタレン) メフェナム酸(ポンタ ル)ーメフェナム酸(ポンタ ル)ー PL顆粒(PL顆粒(サリチルアミドサリチルアミド含有)含有)
抗ウイルス を服用して解熱しても、ウ剤抗ウイルス を服用して解熱しても、ウ剤イルス排泄は く( 症後続 発イルス排泄は く( 症後続 発 77 日程度)日程度)
治癒を「証明」する手段はない治癒を「証明」する手段はない 「インフルエンザではない」ことを証明「インフルエンザではない」ことを証明
する手段もないする手段もない
インフルエンザワクチンインフルエンザワクチン 不活化不活化 HAHAワクチンワクチン接種株の選定: 年毎接種株の選定: 年毎 WHOWHO が世界的趨勢をみなが世界的趨勢をみな
がら推 株を選定、それを 考に厚 省で決奨 参 労がら推 株を選定、それを 考に厚 省で決奨 参 労定定
有 性効有 性効 成人(成人( 6565 以下)の 症予防 果:歳 発 効以下)の 症予防 果:歳 発 効 7070 ~~ 9090 %(ア%(ア
メリカ)メリカ) 6565 以上の健常な高 者歳 齢以上の健常な高 者歳 齢
病阻止 果:約発 効病阻止 果:約発 効 45%45%
死亡阻止 果:約効死亡阻止 果:約効 80%80% (日本) (日本) 集 で接種することで、その集 に するハイリス団 団 属集 で接種することで、その集 に するハイリス団 団 属
クグル プの死亡率を下げる 果(ー 効クグル プの死亡率を下げる 果(ー 効New Engl J Med 388:889-896(2001)New Engl J Med 388:889-896(2001) ))重症化を防ぐ効果と考える
インフルエンザワクチンの適応 基本的に、卵アレルギ 例以外は接種してー
よい。
妊婦:アメリカのガイドラインでは、シーズンに妊娠がかかるすべての妊婦に接種を推 している。奨
ただし、 37.5℃以上の 熱がある場合な発どの急性疾患に罹患している場合は除く。
抗インフルエンザウイルス薬 タミフル(オルセタミビル) 309.1×2×5=3091
服 (内 薬 5日間)
10~ 19 は「原則禁忌」歳 リレンザ(ザナミビル) 168.7×2×2×5=3374
吸入 (薬 5日間)
イナビル(ラニナミビル) 2080.5×2×1=4161
吸入 (薬 1回)
ラピアクタ(ペラミビル) 5634×1=5634
注射 (薬 1回)
インフルエンザ○ ×問題(1)抗原 査は必須である検(2)臨床症 、疫 的 況だけで診 してよい状 学 状 断(3)臨床診 だけで抗ウイルス を 方してもよ断 剤 処
い
(4)抗ウイルス は感染力を低下させる剤
答 (1) (2) (3) (4)× ○ ○ ×
症例2:症例2: 3232 歳女性歳女性
2~3日前から鼻汁出現。鼻汁は徐々2~3日前から鼻汁出現。鼻汁は徐々に 加するが、膿性ではない。鼻閉あ増に 加するが、膿性ではない。鼻閉あ増り。 度の咽頭痛あり。咳 痰も少し軽 ・り。 度の咽頭痛あり。咳 痰も少し軽 ・あり。37℃台の 熱を伴っている。発あり。37℃台の 熱を伴っている。発
所見:体温所見:体温 37.5℃37.5℃ 、咽頭 赤 度、扁発 軽、咽頭 赤 度、扁発 軽桃腫大なし。鼻腔は 度の 赤あり。軽 発桃腫大なし。鼻腔は 度の 赤あり。軽 発頸部リンパ節 知せず。肺野 。触 清頸部リンパ節 知せず。肺野 。触 清
非特異的上気道炎非特異的上気道炎
かぜで使う薬
「使わない」早く治すクスリはないし、数日で治るから早く治すクスリはないし、数日で治るから、、理には適っている理には適っているでも、患者さんは納得しないかもでも、患者さんは納得しないかも
消炎鎮痛剤アセトアミノフェンアセトアミノフェンNSAIDNSAIDss
アセトアミノフェン カロナ ル アンヒバ ピリナジン ー etc.保 適険 応
痛:鎮 300 ~ 1000mg/ 回を4~6時間 、毎 4000mg/ 日まで
上 道炎の解熱:気 300 ~ 500mg/ 回、原則 1 日 2 回まで、 1500mg/日まで
通常成人 400mg/ 回( 200mg錠 2錠)
大量投 すると、アスピリン喘息を誘 し得与 発る。
末梢での抗炎症作用
血小板凝集抑制
胃腸障害
これらは少ないこれらは少ない(殆どない)(殆どない)
(1000mg/(1000mg/回以上)回以上)
NSAIDs(Non-Steroidal Anti-NSAIDs(Non-Steroidal Anti-Inflamatory Drugs)Inflamatory Drugs)
非ステロイド系抗炎症薬 副作用
○ 胃腸障害
○ 腎障害
○ 血小板凝集抑制
○ NSAIDs喘息 etc.
有名な NSAIDsポンタ ルー R
4回/日 シロップあり 消化器系 溶血性貧血に注・意
(メフェナム酸)
ブルフェン R 3回/日
(イブプロフェン)
ナイキサン R 3回/日 腫瘍熱に く?効
(ナプロキセン)
ロキソニン R 3回/日 胃腸障害少ない?
(ロキソプロフェンナトリウム)
ボルタレン R 3回/日 癌 痛の長期投 には向かない鎮 与
(ジフロフェナクナトリウム)
インダシン R 3回/日 いが、腎障害などの可能性も高い。強
(インドメタシン)
ハイペン R 2回/日 COX2選 阻害 胃腸障害 腎障害少な択 剤 ・
い。
(エトドラク)
モ ビックー R 1回/日 COX2阻害 1回投 のため、剤 与評 には注意。価
(メロキシカム)
ロピオン R 点滴可能な唯一の NSAIDs
(フルルビプロフェンアキセチル)
総合感冒薬: PL顆粒 容物(1g中)内容物(1g中)内
サリチルアミド:270mg(アスピリン類似物質サリチルアミド:270mg(アスピリン類似物質))
アセトアミノフェン:150mgアセトアミノフェン:150mg 無水カフェイン:60mg無水カフェイン:60mg プロメタジンメチレンジサリチル酸塩:13.5mプロメタジンメチレンジサリチル酸塩:13.5mgg(( H1H1ブロッカ :ピレチア、ヒベルナと同じ)ーブロッカ :ピレチア、ヒベルナと同じ)ー
注意事項注意事項 アスピリン喘息にアスピリン喘息に禁止禁止 15 未 の水痘、15 未 のインフルエンザに歳 満 歳 満15 未 の水痘、15 未 のインフルエンザに歳 満 歳 満 原則禁止原則禁止 咳止めは入ってない咳止めは入ってない 胃腸炎にださないこと胃腸炎にださないこと
私家版・かぜで使う薬使わない使わない 却ってめんどくさいかも…却ってめんどくさいかも…
解熱 痛鎮 剤解熱 痛鎮 剤 だすならカロナ ルをーだすならカロナ ルをーNSAIDNSAIDss は避けた方が無難は避けた方が無難
咳止め 咳止め あまり かない効あまり かない効 がする…気がする…気リンコデはリンコデは くけど便秘必効 発くけど便秘必効 発
しつこい咳しつこい咳はきちんとはきちんと原因原因疾患疾患を考えを考えるる百日咳 咳喘息 マイコプラズマ 管支炎(肺炎)気百日咳 咳喘息 マイコプラズマ 管支炎(肺炎)気 GERDGERD などなど
去痰 剤去痰 剤 基本不要。乾いた咳が止まらないフェ ズなら…ー基本不要。乾いた咳が止まらないフェ ズなら…ー
抗生 剤抗生 剤 必要な人に必要な人に
合感冒 総 薬合感冒 総 薬 院では「当院では「当 PLPL顆粒顆粒」のみ」のみ
漢方 漢方 僕が使っているのは僕が使っているのは 44剤剤葛根湯葛根湯(ぞくっときたら)(ぞくっときたら)
麻 湯黄麻 湯黄 ( い症 、汗がでてない)強 状( い症 、汗がでてない)強 状門冬湯麦門冬湯麦 (せき)(せき)
小 湯(鼻炎症 )青竜 状小 湯(鼻炎症 )青竜 状
今日のまとめ今日のまとめ かぜの細分類かぜの細分類
4つの分類+4つの分類+ αα 抗生 を誰に使うのか?剤抗生 を誰に使うのか?剤
高 者 基礎疾患もちに注意齢 ・高 者 基礎疾患もちに注意齢 ・ インフルエンザインフルエンザ
自然 過を頭にいれておく経自然 過を頭にいれておく経 急性胃腸炎急性胃腸炎
抗生 は剤抗生 は剤 FOMFOM 、止痢 はださない剤、止痢 はださない剤 風邪 の話薬風邪 の話薬
PLPL顆粒にも要注意顆粒にも要注意 いわゆるいわゆる NSAIDsNSAIDs に要注意に要注意
咳
咳を鑑別していくポイント、…それは
「先生、ずっとせきが止「先生、ずっとせきが止まらないんです」まらないんです」
原因をいくつ思いつける原因をいくつ思いつけるかか
長引く乾性咳の鑑別 Post-infectious chronic coughPost-infectious chronic cough
成人の百日咳が含まれている成人の百日咳が含まれている
咳喘息 アトピ 咳嗽・ ー咳喘息 アトピ 咳嗽・ ー好酸球性 管支炎気好酸球性 管支炎気 性 (薬剤性 (薬剤 ACEACE阻害 )剤阻害 )剤 GERDGERD心不全心不全耳あか耳あか その他の呼吸器疾患その他の呼吸器疾患
結核 肺癌 間質性肺炎・ ・ ・結核 肺癌 間質性肺炎・ ・ ・ etc.etc.
「彼を知り、己を知「彼を知り、己を知れば百戦殆うからずれば百戦殆うからず」(孫子)」(孫子)あやうあやう