ジュベール症候群関連疾患 ......

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  • ジュベール症候群関連疾患

    (Joubert Syndrome and related disorders:JSRD)

    診療ガイドライン 2018

    厚生労働科学研究費補助金事業

    「ジュベール症候群とジュベール症候群関連疾患の診療支援と

    診療ガイドライン作成・普及のための研究」研究班

    研究代表者 伊藤 雅之

    ジュベール症候群関連疾患(JSRD)診療ガイドライン作成グループ

  • 診療ガイドラインの刊行にあたって

    伊藤 雅之

    国立精神・神経医療研究センター

    ジュベール症候群(Joubert Syndrome、JS)は、1969 年の発表以来、多くの臨床報告

    がされ、多くの原因遺伝子が発見されている。臨床的には、頭部画像の小脳虫部欠損と

    脳幹形成異常を示す molar tooth sign(MTS)を特徴とし、精神運動発達の遅れ、眼球

    運動と呼吸運動の異常を呈する疾患である。その後、同様の症状に加えて眼、腎、肝な

    ど多彩な臓器の障害を併せ持つ疾患が報告され、現在ジュベール症候群関連疾患

    (Joubert Syndrome and related disorders、JSRD)と総称されている。これらの疾患

    には、MTS だけでなく繊毛障害という共通の病態が想定されている。

    本邦の JSRD 研究は多くないが、2011 年度より厚生労働省の研究班(有馬症候群の疫

    学調査および診断基準の作成と病態解明に関する研究(H23-難治-一般-065))が立ち上

    がり疫学研究を中心に進められた。これまでに、診断基準、遺伝子検査、指定難病登録

    等を行い、この診療ガイドラインを集大成と位置付けている。当初、ここまで広く発展

    するものか不安があったが、多くの医師、患者ならびに関係者の協力なくして至ること

    はできなかった。ここに、深く感謝の意を表する。

    多くの医師にとって、聞いたこともない疾患名が並んでいることと推察する。そのよ

    うな医師にこそ、本書を手にとっていただきたい。広く、小児科医や内科医にも参考と

    なれば幸いである。

    本書作成にご尽力いただいた執筆者をはじめ、関連学会の皆様に深く感謝し、この

    ガイドラインが有効に活用されることを念願する。

    2018 年 初冬の武蔵

  • 「ジュベール症候群とジュベール症候群関連疾患の診療支援と

    診療ガイドライン作成・普及のための研究」研究班

    研究代表者 伊藤 雅之 (国立精神・神経医療研究センター 疾病研究第二部 室長)

    研究分担者 岡 明 (東京大学医学部附属病院 小児科 教授)

    岩崎 裕治 (東京都立東部療育センター 小児科 副院長)

    研究協力者 井手 秀平 (東京都立北療育医療センター城南分園 園長)

    小保内 俊雅 (東京都保健公社多摩北部医療センター 小児科 部長)

    神田 祥一郎 (東京大学医学部附属病院 小児科 助教)

    北見 欣一 (東京都立小児総合医療センター 神経内科 医師)

    高木 真理子 (東京都立東部療育センター 小児科 医師)

    播摩 光宣 (東京大学医学部附属病院 形成外科・美容外科 助教)

    真野 ちひろ (東京都立東部療育センター 小児科 医師)

    真野 浩志 (東京大学医学部附属病院 リハビリテーション科 医師)

    野田 英一郎 (東京都立小児総合医療センター 眼科 医長)

  • 目次

    内容 ページ番号

    診療ガイドラインの作成方法について 1

    JSRD 診療ガイドライン作成委員会の体制 2

    作成経過

    エビデンスレベルと推奨グレードについて

    用語・略語一覧 3

    項目・CQと執筆担当者一覧 5

    1. ジュベール症候群関連疾患の概要 8

    2. 診断 13

    3. 遺伝子診断とその意義 21

    4. 検査 29

    5. 臨床症状

    1) 眼症状 43

    2) 腎症状 51

    3) 肝症状 54

    4) 中枢神経症状 58

    5) 身体的特徴 67

    6. 治療

    1) 眼障害 72

    2) 腎機能障害・腎不全 74

    3) 肝障害 78

    4) 中枢神経系の障害 79

    5) 呼吸障害 85

    6) 形態学的な障害 91

    7. リハビリテーション 94

    8. 福祉制度 98

    9. 家族会 100

  • - 1 -

    診療ガイドラインの作成方法について

    岩崎 裕治

    ジュベール症候群関連疾患(JSRD)診療ガイドライン作成副委員長

    ジュベール症候群関連疾患(Joubert Syndrome and related disorders、JSRD)は稀

    少な疾患群であり、その診療ガイドラインは、今のところ存在していない。しかし、幼

    少期より腎や肝の障害を合併することもまれではなく、また多科の連携が必要とされる

    こともあり、早期に診療ガイドラインの作成が必要とされていた。

    そこで今回、厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業「ジュベール症

    候群とジュベール症候群関連疾患の診療支援と診療ガイドライン作成・普及のための研

    究」の研究班において、診療ガイドラインの作成に取り組んだ。

    今回のガイドラインは、「Minds 診療ガイドライン作成の手引き 2014」を参考にして

    作成を行った。しかし、システマティックレビューを行ったところ、稀少疾患なため、

    大規模無作為比較研究や大規模コホート研究はほとんどみられず、エビデンスの高い比

    較的多数症例を分析した研究論文なども多くなかった。そこでクリニカルクエスチョン

    は設定しても、エビデンスのある報告がみあたらないものに関しては記載にとどめた。

    作成企画は研究班のガイドライン作成統括委員会で行い、システマティックレビューチ

    ームが文献をレビューし、各項目を作成グループのメンバーで分担して執筆、作成した。

    なお、本文において、ジュベール症候群を含むジュベール症候群関連疾患をすべて

    JSRD と表記している。(p.12-16 ジュベール症候群関連疾患の概要 の章は除く)

  • - 2 -

    JSRD 診療ガイドライン作成委員会の体制

    伊藤 雅之

    厚生労働省難治性疾患政策研究事業「ジュベール症候群およびジュベール症候群関連

    疾患の診療支援と診療ガイドライン作成・普及のための研究(H28-難治等(難)-一般-

    010)の班員を中心に、委員長 1名(岡 明)、副委員長 1名(岩崎 裕治)、委員 10

    名で構成し、小児科一般はもとより、神経内科、腎臓内科、眼科、形成外科、リハビリ

    テーション科、脳外科と多彩な分野からの参加いただいた。その他、事務局 1 名

    (伊藤 雅之)を置き、JSRD 診療ガイドライン作成委員会を組織した。

    作成経過

    2016 年に JSRD 診療ガイドライン作成委員会を組織し、2016 年 6 月 26 日に第 1 回会

    議を行った。2016 年 10 月 6日(第 2回会議)で、クリニカルクエスチョン形式のガイ

    ドラインとすることを決定した。その後、クリニカルクエスチョンを作成し、2017 年 1

    月より文献検索を開始した。文献検索期間は、2007 年 1月から 2016 年 12 月までとし、

    必要に応じて文献を追加した。執筆担当者によるレビューと原稿作成を 2017 年 10 月ま

    で行った。集散した原稿を編集し、2017 年 11 月 23 日(第 3 回会議)にて全体の内容

    と記述についての修正を委員会で決定した。2018 年 3 月に再編集した。2018 年 6 月よ

    り、日本小児神経学会に査読を求め講評を得て、対応を協議し、最終原稿を作成し、2018

    年 12 月に完成した。

    本ガイドラインの作成に関する資金は、厚生労働省研究班が負担した。すべての委員

    は、開示すべき利益相反がないことを確認している。

    エビデン