我が国の財政問題について -...

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我が国の財政問題について 201535関東財務局 佐藤 正之

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  • 我が国の財政問題について

    2015年3月5日 関東財務局 佐藤 正之

  • Ⅰ.少子高齢化と財政・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

    Ⅱ.財政の持続可能性の確保に向けて・・・・・・・ 15

    1.歳出の抑制と歳入の拡大・・・・・・・・・・・・・・・17

    2.社会保障一体改革の推進・・・・・・・・・・・・・・ 20

    3.成長戦略の推進(生産性の向上)・・・・・・・・ 27

    目次

  • Ⅰ.少子高齢化と財政

    1

  • 2

    (注1)平成25年度までは決算、平成26年度は補正後予算、平成27年度は政府案による。 (注2)公債発行額は、平成2年度は湾岸地域における平和回復活動を支援する財源を調達するための臨時特別公債、平成6~8年度は消費税率3%から5%

    への引上げに先行して行った減税による租税収入の減少を補うための減税特例公債、平成23年度は東日本大震災からの復興のために実施する施策の財源を調達するための復興債、平成24年度、25年度は基礎年金国庫負担2分の1を実現する財源を調達するための年金特例公債を除いている。

    平成2年(1990年)が税収のピーク

    平成4年(1992年)からワニの口が大きく開き始める

    2.1 3.5 4.5 4.3 6.3

    7.2 5.9 7.0 6.7 6.4 6.0 5.0 2.5 1.0

    0.2 0.8 2.0

    9.2 8.5

    16.9

    24.3 21.9 20.9

    25.8 28.7 26.8

    23.5 21.1 19.3

    26.2

    36.9 34.7 34.4 36.0 33.8 33.9

    30.9

    3.2 3.7

    5.0 6.3 7.1 7.0 7.0

    7.0 6.8 6.4 6.3 6.2

    6.9 6.2 6.4 6.3 6.7

    9.5

    16.2 12.3

    16.4

    10.7 9.9

    17.0

    13.2

    11.1 9.1

    9.1 6.7 8.7

    7.8

    6.4 6.0

    7.0

    15.0

    7.6 8.4 11.4

    7.0 6.6

    6.0

    13.8 15.7

    17.3

    21.9 23.7

    26.9 29.0

    30.5 32.4

    34.9 38.2

    41.9

    46.8

    50.8

    54.9

    60.1 59.8

    54.4 54.1 51.0 51.9 52.1

    53.9

    49.4 47.2

    50.7 47.9

    43.8 43.3 45.6

    49.1 49.1 51.0

    44.3

    38.7 41.5 42.8

    43.9

    47.0 51.7

    54.5

    20.9

    24.5

    29.1

    34.1

    38.8

    43.4 46.9 47.2

    50.6 51.5 53.0 53.6

    57.7

    61.5

    65.9 69.3 70.5 70.5

    75.1 73.6

    75.9 78.8 78.5

    84.4

    89.0 89.3

    84.8 83.7 82.4 84.9 85.5

    81.4 81.8

    84.7

    101.0

    95.3

    100.7

    97.1 100.2 99.0

    96.3

    5.3 7.2

    9.6 10.7

    13.5 14.2 12.9 14.0 13.5 12.8 12.3 11.3

    9.4

    7.2 6.6 6.3 6.7

    9.5

    16.2

    13.2

    18.4 19.9

    18.5

    34.0

    37.5

    33.0

    30.0

    35.0 35.3 35.5

    31.3

    27.5 25.4

    33.2

    52.0

    42.3 42.8

    47.5

    40.9 40.5 36.9

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    120

    50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27

    (兆円)

    (年度)

    一般会計歳出

    一般会計税収

    4条公債発行額

    特例公債発行額

  • (+約78兆円)

    (+約197兆円)(+約210兆円)

    (+約59兆円)

    約603兆円

    +約335兆円 約146兆円

    0.0▲ 0.7 ▲ 1.3 ▲ 0.4

    ▲ 0.9

    2.30.8

    3.21.2 1.1 0.2 0.1

    ▲ 3.2 ▲ 2.8 ▲ 4.0▲ 5.9

    ▲ 4.8▲ 3.5

    5.1

    0.2 ▲ 0.51.8 1.6

    ▲ 1.40.0 0.1 0.5

    0.5

    ▲ 0.5▲ 0.4

    1.1 1.7

    1.6

    1.0 2.2 3.94.9 5.9 5.4 4.1 3.3

    1.3

    4.1

    7.0

    8.26.9

    5.6 5.4

    4.2

    0.00.5

    2.7

    6.76.3

    5.85.4

    4.1

    6.1

    6.05.0 3.9 2.2

    2.41.3

    1.40.8

    0.3

    1.4

    ▲ 1.2 ▲ 1.2 ▲ 1.2

    1.0

    ▲ 1.0

    0.0

    0.7

    1.3

    1.92.1

    3.13.6

    3.9

    4.27.5

    6.27.8

    8.28.2

    8.89.1

    9.1

    9.7

    11.1

    17.2

    16.8

    15.5

    17.717.8

    19.0

    ▲ 10.0

    ▲ 5.0

    0.0

    5.0

    10.0

    15.0

    20.0

    25.0

    30.0

    35.0

    2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26

    (兆円)

    (年度)

    0.00.1

    3.4 3.55.7 4.9 5.0 4.1

    7.49.1

    7.19.0

    11.9 12.310.8

    8.5 8.56.8

    11.5

    15.013.3 12.3 11.5

    9.4

    6.1

    0.0▲ 1.1 ▲ 0.6 ▲ 0.4 ▲ 1.0 ▲ 0.6 ▲ 0.5 ▲ 0.3 ▲ 1.8 ▲ 1.3 ▲ 1.4 ▲ 2.0

    ▲ 3.5▲ 0.4 ▲ 0.4 ▲ 0.6 ▲ 1.4 ▲ 2.2

    ▲ 5.4

    ▲ 8.9▲ 7.6

    ▲ 4.9

    ▲ 1.5 ▲ 2.0 ▲ 1.6

    ▲ 10.0

    ▲ 5.0

    0.0

    5.0

    10.0

    15.0

    20.0

    25.0

    30.0

    35.0

    2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26

    (兆円)

    (年度)

    平成2年度末から26年度末にかけての普通国債残高増加額 :

    歳出の増加要因 : 税収等の減少要因 :

    平成2年度の収支差分による影響 : +約68兆円

    毎年度約3兆円の債務増加 × 24年 (平成3~26年度)(平成2年度の財政赤字約3兆円)

    その他の要因(国鉄等債務承継など) : +約54兆円

    地方交付税交付金等

    社会保障関係費

    その他歳出(除く債務償還費) その他収入

    税収

    公共事業関係費

    部分で普通国債残

    高増加額の7割を占める。

    (注1)平成25年度までは決算、平成26年度は予算による。 (注2)東日本大震災からの復興のために平成23~平成27年度まで実施する政策に必要な財源として発行される復興債(平成23年度は一般会計において、平成24年度は東日本大震災復興特別会計において負担)を公債残高からは除くとともに(平成26年度末で11.4兆円)、平成23年度歳出のうち復興債発行に係るもの(7.6兆円)を除いている。

    (注3)税収のうち交付税法定率分は、歳入歳出両建てである(増減が公債残高の増加に影響しない)ため、歳出・歳入双方の増減要因から控除し、地方交付税交付金等のうちの交付税法定率分以外の部分(地方の財源不足補てん部分等)を歳出の増加要因として計上している。

    ※・約57兆円:税制改正による差引減収額 ・約107兆円:利子・配当・

    土地及び株式譲渡所得に係る所得税収の平成2年度と各年度の差額累計 を含む。

    国債残高の増加要因

    3

  • 0

    5

    10

    15

    20

    25

    30

    35

    40

    1950 1970 2000 2030 2050

    (%)

    人口構造の変化

    (暦年) (出典)日本 ~2010:国勢調査報告(総務省) 2011~2050:日本の将来推計人口(2012年1月、国立社会保障・人口問題研究所) 諸外国 WORLD POPULATION PROSPECTS:THE 2012 REVISION(中位推計)(国連)

    3,602

    (36.6%) 3,249

    (26.3%) 2,601

    (20.5%) 2,204

    (17.4%) 1,849

    (15.3%) 1,297

    (13.4%)

    5,608

    (57.1%)

    7,622

    (61.7%) 7,888

    (62.1%) 7,183

    (56.6%) 6,559

    (54.4%)

    4,643

    (47.8%)

    618

    (6.3%)

    1,489

    (12.0%)

    2,204

    (17.4%) 3,308

    (26.1%)

    3,657

    (30.3%)

    3,768

    (38.8%)

    1965 1990 2000 2014 2025 2050

    人口(万人)・構成比

    (出典)人口構成は 1965年、1990年、2000年は総務省「国勢調査」、2014年以降は 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」。

    65歳以上

    64歳以下 20歳以上

    19歳以下

    総人口 9,828

    総人口 12,361

    総人口 12,695 総人口

    12,066

    総人口 9,708

    総人口 12,693

    日本

    2010

    日:23.0

    独:20.8

    仏:16.8

    英:16.6

    米:13.1

    ドイツ

    フランス イギリス

    アメリカ

    <65歳以上の対総人口比> <我が国の人口構造>

    1990年 2000年 2010年 2015年 2020年

    日本 11.9 17.2 23.0 26.4 28.6

    アメリカ 12.5 12.4 13.1 14.7 16.6

    イギリス 15.7 15.8 16.6 18.1 18.9

    ドイツ 15.0 16.3 20.8 21.4 23.1

    フランス 14.1 16.0 16.8 18.7 20.3

    4

  • 1990年度と2014年度における国の一般会計歳入歳出の比較

    (注)当初予算ベース。

    (単位:兆円)

    ○ 歳出の伸びの大半は社会保障関係費の伸び。 ○ 公債金の増加は、税収の落込みとともに、社会保障関係費の伸びが影響。

    【2014年度】

    【1990年度】

    歳入 66.2

    歳出 66.2

    歳入 95.9

    歳出 95.9

    公債金 41.3

    公債金 5.6

    +29.6

    税収 50.0

    税収 58.0

    社会保障 11.6

    その他 25.1

    地方交付税 交付金 15.3

    国債費 14.3

    その他 収入

    2.6

    社会保障 30.5

    その他 26.1

    地方交付税 交付金等

    16.0

    国債費 23.3

    特例公債 35.2

    その他 収入

    4.6

    32% 68%

    一般歳出 54% 46%

    +18.9 +1.0 +0.7 +9.0

    一般歳出

    4条公債

    5.6

    4条公債

    6.0

    5

  • 法人税 100,180 10.4%

    租税及び印紙収入

    500,010

    公債金412,500 43.0%

    所得税 147,900 15.4%

    消費税 153,390 16.0%

    その他 98,540 10.3%

    特例公債 352,480 36.8%

    その他収入 46,313 4.8%

    4条公債 60,020 6.3%

    社会保障

    305,175

    31.8%

    地方交付税

    交付金等

    161,424

    16.8%

    公共事業

    59,685

    6.2% 文教及び

    科学振興

    54,421

    5.7%

    防衛

    48,848

    5.1%

    その他

    96,568

    10.1%

    債務償還費

    131,383

    13.7%

    利払費等

    101,319

    10.6%

    国債費

    232,702

    24.3%

    平成26年度一般会計予算から見る財政の現状

    【歳出】 【歳入】

    一般会計 歳出総額 958,823 (100.0%)

    一般会計 歳入総額 958,823 (100.0%)

    (単位:億円)

    将来世代の負担

    食料安定供給 中小企業対策 エネルギー対策 恩給 経済協力 その他の事項経費 予備費

    10,507 1,853 9,642 4,443 5,098

    61,526 3,500

    (1.1%) (0.2%) (1.0%) (0.5%) (0.5%) (6.4%) (0.4%)

    相続税 酒税 たばこ税 揮発油税 石油石炭税 電源開発促進税 自動車重量税 関税 印紙収入

    15,450 13,410

    9,220 25,450

    6,130 3,270 3,870

    10,450 10,560

    (1.6%) (1.4%) (1.0%) (2.7%) (0.6%) (0.3%) (0.4%) (1.1%) (1.1%)

    基礎的財政収支

    対象経費

    726,121 75.7%

    6

  • (単位:%)

    (出所)国民負担率:OECD「National Accounts」、同「Revenue Statistics」、内閣府「国民経済計算」等、 社会保障支出:OECD「National Accounts」

    (注1)数値は一般政府(中央政府、地方政府、社会保障基金を合わせたもの)ベース。

    (注2)国民負担率:各国2011年実績、日本は2011年度、ニュージーランドは2005年、カナダは2006年の実績。

    (注3)政府の社会保障支出:各国2011年実績、日本は2011年度実績、ニュージーランドは2005年、カナダは2006年の実績。

    日本

    OECD諸国における社会保障支出と国民負担率の関係(2011年)

    オーストリア

    ベルギー

    カナダ(06年)

    チェコ

    デンマーク

    エストニア

    フィンランド フランス

    ドイツ ギリシャ

    ハンガリー

    アイスランド

    アイルランド

    イスラエル

    イタリア

    韓国

    オランダ

    ニュージーランド(05年)

    ノルウェー

    ポーランド

    ポルトガル

    スロヴァキア

    スロベニア

    スペイン

    スウェーデン

    スイス

    イギリス

    アメリカ

    0.0

    5.0

    10.0

    15.0

    20.0

    25.0

    30.0

    35.0

    40.0

    20.0 30.0 40.0 50.0 60.0

    政府

    の社

    会保

    障支

    出(対

    GD

    P比

    国民負担率(対GDP比)

    ルクセンブルク

    OECD諸国と比較すると、日本の社会保障支出は中程度である一方、国民負担率は低水準。

    7

  • <年齢階層別一人当たり医療費等>

    高齢化の進展に伴う更なる社会保障の増

    1人当たり医療費 1人当たり医療費国庫負担

    75歳以上 89.2万円 32.6万円

    65歳~74歳 55.3万円 8.5万円

    64歳以下 17.5万円 2.7万円

    要支援・要介護認定率

    75歳以上 31.2%

    65-74歳 4.4%

    注1) 1人当たり医療費は、年齢階級別の国民医療費を人口で除して機械的に算出した金額。 注2) 75歳以上の1人当たり国庫負担額は、後期高齢者医療にかかる国庫負担額(4.8兆円)を75歳以上の人口で除して機械的に算出した金額。 注3) 65歳~74歳及び64歳以下の1人当たり医療費国庫負担額は、医療費に占める国庫負担額の割合をそれぞれの年齢階層における1人当たりの医療費に乗じて機械 的に算出した金

    額。 出典)年齢階層別の人口割合は総務省「人口推計(23年10月)」、医療費は厚生労働省「平成23年度国民医療費の概況」、 要支援・要介護認定率は社会保障人口問題研究所「将来人口推計」及び厚生労働省「介護給付費実態調査(平成24年11月審査分)」による。

    ○ 2025年には団塊の世代が全て後期高齢者(75歳以上)となる。

    ○ 高齢になるほど一人当たり医療費や要支援・要介護認定率が高くなることから、年齢構成の高齢化に伴い医療費・介護費は継続的に増加。

    050100

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    80

    90

    100

    0 50 100

    団塊の世代 (76歳~78歳)

    555万人

    <人口構成の推移>

    第2次ベビー ブーム世代

    (51歳~54歳) 772万人

    65歳

    65歳~ ・国民医療費の約5割 ・基礎年金受給開始 ・介護1号被保険者

    女性

    75歳

    050100

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    80

    90

    100男性

    0 50 100

    女性

    050100

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    80

    90

    100男性

    0 50 100

    女性

    【2014年】

    団塊の世代 (65歳~67歳)

    648万人

    第2次ベビー ブーム世代

    (40歳~43歳) 792万人

    65歳

    【2020年】 【2025年】

    75歳

    男性

    8

  • 1990年度→2014年度で、債務残高約600兆円増加

    9

    2 5 10 15

    21 28 33 40 47

    53 59 64 65 65 64 65 64 63 61 64 67

    77 83

    108

    134

    158 176

    199

    231

    258

    280 288

    305 321

    356

    390

    411

    445

    477

    508

    531

    13 17 22 28

    35 42

    49 56

    63 69

    75 81 87

    91 97 102 108

    116 131

    142 158

    168 175

    187

    197

    209

    216

    222

    226

    241

    247 243 237 225

    238

    246

    248

    250

    258

    261

    266

    11

    10

    9

    9

    10

    0 1 2 2 2 3 4 6 8 10 15

    22 32

    43 56

    71 82

    96 110

    122 134

    145 152 157 161

    166 172 178

    193 207

    225

    245 258

    295

    332

    368

    392

    421

    457

    499

    527 532 541 546

    594

    636

    670

    705

    744

    778

    807

    0

    50

    100

    150

    200

    250

    300

    350

    400

    450

    500

    550

    600

    650

    700

    750

    800

    850

    40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27

    (兆円)

    (年度末)

    4条公債残高

    特例公債残高

    一般会計税収の約15年分に相当 (平成27年度一般会計税収予算額:約55兆円)

    平成27年度末公債残高

    約807兆円 (見込み)

    国民1人当たり 約638万円 4人家族で 約2,550万円

    ※勤労者世帯の平均年間可処分所得

    約511万円 (平均世帯人員 3.42人)

    復興債残高

    (注1)公債残高は各年度の3月末現在額。ただし、平成26年度末は実績見込み、平成27年度末は政府案に基づく見込み。 (注2)特例公債残高は、国鉄長期債務、国有林野累積債務等の一般会計承継による借換国債、臨時特別公債、減税特例公債及び年金特例公債を含む。 (注3)東日本大震災からの復興のために実施する施策に必要な財源として発行される復興債(平成23年度は一般会計において、平成24年度以降は東日本大震災復興特別会計

    において負担)を公債残高に含めている(平成23年度末:10.7兆円、平成24年度末:10.3兆円、平成25年度末:9.0兆円、平成26年度末:9.4兆円、平成27年度末:10.3兆円)。 (注4)平成27年度末の翌年度借換のための前倒債限度額を除いた見込額は775兆円程度。

  • 昭和20年度

    (1945年度)

    第2次世界大戦終戦

    (GNPのデータがなく算出不能)

    明治27年度

    (1894年度)

    日清戦争

    明治37年度

    (1904年度)

    日露戦争

    大正7年度

    (1918年度)

    第1次世界大戦

    終戦

    大正12年度

    (1923年度)

    関東大震災

    昭和6年度

    (1931年度)

    満州事変

    昭和39年度

    (1964年度)

    東京オリンピック

    昭和46年度

    (1971年度)

    ニクソンショック

    昭和48年度

    (1973年度)

    第1次石油危機

    平成元年度

    (1989年度)

    消費税導入

    平成9年度

    (1997年度)

    消費税引上げ

    昭和2年度

    (1927年度)

    昭和金融恐慌

    平成25年度

    (2013年度)

    (1930) (1890)

    (%)

    (1990) (1970) (1950) (1910)

    1890(明治23)年度以降の政府債務残高の名目GDP等に対する比の推移

    (年度) (2010)

    (注1)政府債務残高は、「国債及び借入金現在高」の年度末の値(「国債統計年報」等による)。平成25年度は年度末の見込み。 (注2)GDPは、昭和4年度までは「大川・高松・山本推計」における粗国民支出、昭和5年度から昭和29年度までは名目GNP、昭和30年度以降は名目GDPの値(昭和29年度までは

    「日本長期統計総覧」、昭和30年度以降は国民経済計算による)。平成24年度は実績見込み、平成25年度は見通し。 10

  • 0

    30

    60

    90

    120

    150

    180

    210

    240

    1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014

    (%)

    (暦年)

    ▲ 15.0

    ▲ 10.0

    ▲ 5.0

    0.0

    5.0

    1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014

    (%)

    (暦年)

    財政収支・債務残高の国際比較

    【財政収支の国際比較(対GDP比)】 【債務残高の国際比較(対GDP比)】

    (出典)OECD Economic Outlook 94 (2013年11月) ※ 数値は一般政府ベース (注)日本の財政収支については、単年度限りの特殊要因を除いた数値

    ドイツ

    イタリア

    カナダ

    フランス

    (出典)OECD Economic Outlook 94 (2013年11月) ※ 数値は一般政府ベース、

    日本

    イタリア

    米国

    フランス

    ドイツ

    カナダ

    英国

    英国

    米国

    日本

    2000年代に入り、我が国の財政収支は改善傾向にあったが、2008年秋以降の世界金融経済危機の

    影響により、足元で再び悪化。債務残高の対GDP比を見ると、90年代後半に財政の健全化を着実に進

    めた主要先進国と比較して、我が国は急速に悪化しており、最悪の水準となっている。

    ギリシャ

    ギリシャ

    11

  • 0

    5

    10

    15

    20

    0

    500

    1,000

    1,500

    2,000

    1990 1995 2000 2005 2010

    ▲ 15

    ▲ 10

    ▲ 5

    0

    5

    10

    15

    80 82 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12

    (年度)

    (対名目GDP比、%)

    ・ 震災以降、原油の輸入急増等により貿易サービス収支が赤字に。

    ・ 貿易サービス収支の赤字が所得収支の黒字を上回り、経常収支が赤字になる場合、財政赤字とあわせ、いわゆる「双子の赤字」になるおそれ。

    海外投資家の国債保有割合が増加し、その投資動向が金利水準等、市場に影響を与える可能性。

    経常収支の悪化・家計資産の減

    (注)各年度において特殊要因の調整を実施 (出所)日本銀行「資金循環統計(2014年3月末速報)」、内閣府「国民経済計算」

    家計 非金融

    法人企業

    海外

    一般政府

    ▲7.5

    ▲0.0

    4.3

    5.0

    (対名目GDP比、%)

    <部門別資金過不足の推移>

    ・ 我が国の国債消化を支える家計金融資産は高齢化等により伸び悩む(純資産:1,262兆円)一方、政府の債務残高(総債務:1,158兆円)は増加し、足元では両者の差は縮小。

    ※ 一般政府総債務と純債務の差(金融資産)は、主に社会保障基金の年金積立金、外為特会の対外証券投資等。

    (兆円) (%)

    <一般政府債務と家計金融資産の推移>

    家計金融総資産

    家計金融純資産 金融総資産から住宅ローン等の

    負債を差し引いたもの

    一般政府総債務

    一般政府純債務

    家計貯蓄率

    (右軸)

    (出所)日本銀行「資金循環統計(2014年3月末速報)」、 内閣府「国民経済計算」

    1,630

    1,262

    1,158

    623

    1.0

    (年度)

    12

  • 債務残高が発散するとどうなるか?

    過去の例…多くは成長率をはるかに上回る高率のインフレ

    第二次大戦後の日本 激しいインフレ。預金封鎖と超緊縮財政を実施

    第一次大戦後のドイツ 天文学的インフレ。通貨交換を実施。 賠償債務支払いを停止。

    2000年代初頭のアルゼンチン 高インフレと通貨安。預金引出の制限、ペソ・ドルの交換停止、国債元本の約6割をカット。

    (参考)昭和9-11年(1934-36年)平均の消費者物価(東京)を1とすると、昭和28年(1953年)平均では286.2倍に達してしまった 中島厚志(2012)

    (参考) 1919年から1925年にかけて物価上昇幅は、約1,000万倍であった 北村行伸(2002)

    (参考) 2002年には前年比でインフレ率は約26%に急上昇した 国際通貨研究所(2013) 13

  • ヘンリー・J・アーロン氏(ブルッキングス研究所シニアフェロー)発言抜粋 ■国際コンファレンス (財務省財務総合政策研究所・アジア開発銀行研究所共催)

    「高齢社会における財政健全性を維持するための戦略~財政健全性と社会保障制度をどのようにバランスさせるのか~」 ■開催日:2014年3月6日(木) ■場所:アジア開発銀行研究所 I want to conclude with a joke which is dangerous. I realized jokes do not translate very well, but the suggestion that because the very high levels of debt in Japan today have not caused serious problems calls to mind the story of the person who jumped off of the top of the Tokyo Tower and as he was passing the 20th floor somebody shouted out to him how are you doing and he said so far so good. That’s I think a lesson that I think might be applied to suggestions that the debt-to-GDP ratio not having caused difficulties today can be counted on not to cause difficulties in the future.

    (仮訳)最後はあぶないジョークで話を締めたいと思います。一般的にジョークというものは訳すとうまく伝わらないものだと分かっていますが。現在の日本の債務残高は非常に高水準にもかかわらず、目下のところ深刻な問題を引き起こしていないという主張を聞くと、次のような話を思い浮かべます。ある人が東京タワーのてっぺんから飛び降り、20階を通り過ぎている時、誰か

    が「調子はどうだい?」と叫ぶと、この人は「今のところ順調だよ」と落ちていきながら答えました。私はこのジョークこそが、日本の債務残高の対GDP比が(非常に高水準にもかかわらず)こ

    れまでのところ問題を引き起こしていないことをもって、将来も問題を引き起こさないだろうという主張への教訓になると考えています。

    14

  • Ⅱ.財政の持続可能性の確保に向けて

    15

  • 財政の持続可能性の確保に向けて(債務残高/GDP引下げの方策)

    16

    歳出の抑制と歳入の拡大

    ① 財政収支の均衡

    ② 社会保障の持続可能性の確保 (財源の確保、支出の必要な充実+重点化・効率化)

    ③ 人口減少の中での成長の確保

    「社会保障一体改革」の推進

    成長戦略(=「日本再興戦略」) の推進を通じた生産性の向上

    (「分子」対策)

    (「分母」対策)

  • Ⅱ.財政の持続可能性の確保に向けて

    1.歳出の抑制と歳入の拡大

    17

  • 我が国の財政健全化目標

    国の一般会計の基礎的財政収支(プライマリー・バランス:PB)について、少なくとも各年度4兆円程度改善 (「中期財政計画」 H25.8.8 閣議了解)

    2014~ 2015年度

    国・地方を合わせたプライマリー・バランスの赤字対GDP比を2010年度(▲6.6%)に比べて半減(▲3.3%)

    2015年度 (平成27年

    度)

    国・地方を合わせたプライマリー・バランスを黒字化 2020年度

    (平成32年度)

    債務残高対GDPの安定的な引下げ 以降~

    18

  • ▲ 2.7 ▲ 2.7 ▲ 2.9 ▲ 2.9 ▲ 2.9

    ▲ 6.6

    ▲ 3.2

    ▲ 2.4 ▲ 2.2 ▲ 2.1

    ▲ 2.0 ▲ 1.8

    ▲ 7

    ▲ 6

    ▲ 5

    ▲ 4

    ▲ 3

    ▲ 2

    ▲ 1

    0

    2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023

    2.1

    1.6 1.7 1.8 1.9

    1.9

    3.3

    2.8

    3.6 3.4 3.5

    3.6 3.6

    ▲ 2

    ▲ 1

    0

    1

    2

    3

    4

    2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023

    ○ 経済前提

    ・ 「経済再生ケース」では、10年(2013~2022年度)の平均成長率は名目3%程度、実質2%程度。

    ○ 財政前提

    ・ 2015(平成27)年度 :「中期財政計画」を踏まえ、一般会計の基礎的財政収支(PB)を少なくとも4兆円程度改善すること等を想定。

    ・ 2016(平成28)年度以降:社会保障歳出は高齢化要因等で増加、それ以外の一般歳出は物価上昇率並に増加することを想定。

    経済・財政面における主要な想定

    「中長期の経済財政に関する試算」(中長期試算)の概要 ※ 平成26年7月25日 経済財政諮問会議提出(内閣府)

    試算結果のポイント

    <国・地方の基礎的財政収支(対GDP比)> (%) <名目経済成長率> (%)

    ○ 2015(平成27)年度の国・地方PB対GDP比は、▲3.2%の赤字であり、半減目標(▲3.3%)を達成する見通し。 ▲3.3%との差は0.7兆円台半ば。

    ○ 2020(平成32)年度の国・地方PB対GDP比は、依然として▲1.8%(▲11.0兆円)の赤字であり、国・地方PBの黒字化までは更なる収支改善が必要。

    (年度) (年度)

    「経済再生ケース」

    「参考ケース」

    ※2015(平成27)年度は「経済再生ケース」と共通

    「経済再生ケース」

    「参考ケース」

    ※2015(平成27)年度は「経済再生ケース」と共通

    国・地方の財政健全化目標 ■

    PB赤字対GDP比半減目標 ▲3.3%

    PB黒字化目標

    ▲11.0兆円

    ▲ 5.1

    19

  • Ⅱ.財政の持続可能性の確保に向けて

    2.社会保障一体改革の推進

    20

  • 39.5

    60.1

    47.2

    107.5

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23

    社会保障給付費の増に伴う公費負担の増

    (兆円)

    保険料

    (年度)

    給付費

    公費

    (出典)国立社会保障・人口問題研究所「社会保障費用統計」。平成26年度は厚生労働省(当初予算ベース)による。

    23

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23

    社会保障給付費と保険料の差額 (兆円)

    (年度)

    H2 H7 H12 H17 H22 H26

    (当初予算)

    給付費 47.2 64.7 78.1 88.5 104.7 115.2

    保険料 39.5 51.2 55.0 55.3 58.5 64.1

    公費 16.2 20.7 25.1 30.0 40.8 42.9

    ○ 社会保障給付費が高齢化に伴い増加する中、保険料収入は経済成長率と同程度の伸びにとどまっており、社会保障給付費の伸びは保険料収入の伸びを常に上回り続けてきた。

    ○ わが国社会保障制度は、社会保険方式を採りながら、公費負担(税財源で賄われる負担)に相当程度依存。しかも公費負担の財源について、特例公債等の発行を通じて将来世代に負担を先送り(財政悪化の最大の要因)。

    財源107.0兆円 +資産収入

    保険料 64.1

    国庫負担 31.1

    年金 56.0

    医療 37.0

    介護・福祉 その他 22.2

    (うち介護9.5)

    資産収入等

    2014年度 (平成26年度)

    2014年度 (平成26年度)

    給付費 115.2兆円

    給付費と保険料の差は公費負担と

    資産収入等で補填。

    その大部分は、

    特例公債等の発行を通じて将来世

    代の負担。

    地方税等負担

    11.9

    16.2

    43.5

    21

  • ● 景気や人口構成の変化に左右されにくく、税収が安定している

    ● 働く世代など特定の人に負担が集中することなく、経済活動に中立的

    ● 高い財源調達力がある

    なぜ、消費税なのか?

    社会保障の財源を調達する手段としてふさわしい税金

    すべての世代が安心感と納得感を得られる、全世代型の社会保障制度へ

    高齢者3経費(基礎年金・老人医療・介護)

    改革前の消費税(国分)の使途

    社会保障4経費(子ども・子育て、医療・介護、年金)

    改革後の社会保障の充実

    「社会保障・税一体改革」の趣旨

    子ども・子育て

    0.7兆円程度 医療・介護 1.5兆円程度

    年金 0.6兆円程度

    社会保障の充実 2.8兆円程度の内訳

    社会保障の充実の対象分野

    「税制抜本改革」で 安定財源を確保

    社会保障の充実・安定化

    財政健全化目標の達成

    同時に達成

    22

  • 46.8

    50.8

    54.9

    60.1 59.8

    54.4 54.1

    51.0 51.9 52.1

    53.9

    49.4 47.2

    50.7

    47.9

    43.8 43.3 45.6

    49.1 49.1 51.0

    44.3

    38.7

    41.5 42.8 43.9

    45.4

    17.4

    18.0

    21.4

    26.0 26.7

    23.2 23.7

    20.4 19.5

    19.0

    19.2

    17.0

    15.4 18.8

    17.8

    14.8 13.9

    14.7 15.6

    14.1

    16.1 15.0

    12.9 13.0 13.5

    14.0 14.8

    14.8 15.8

    18.4

    19.0 18.4

    16.6

    13.7

    12.1

    12.4 13.7

    14.5

    13.5 11.4 10.8 11.7

    10.3

    9.5

    10.1

    11.4

    13.3

    14.9

    14.7

    10.0

    6.4 9.0 9.4 9.8

    10.1 10.0

    3.3

    4.6 5.0 5.2 5.6 5.6

    5.8 6.1

    9.3 10.1 10.4 9.8 9.8

    9.8

    9.7 10.0 10.6 10.5 10.3 10.0

    9.8 10.0 10.2 10.4

    10.6

    15.3

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    0

    5

    10

    15

    20

    25

    30

    35

    40

    62

    (1987)

    63

    (1988)元

    (1989)

    (1990)

    (1991)

    (1992)

    (1993)

    (1994)

    (1995)

    (1996)

    (1997)

    10

    (1998)

    11

    (1999)

    12

    (2000)

    13

    (2001)

    14

    (2002)

    15

    (2003)

    16

    (2004)

    17

    (2005)

    18

    (2006)

    19

    (2007)

    20

    (2008)

    21

    (2009)

    22

    (2010)

    23

    (2011)

    24

    (2012)25補

    (2013)

    26予

    (2014)

    (兆円)

    法人税

    一般会計税収計

    消費税

    所得税

    (兆円)

    50.0

    税収の内訳と推移

    (年度)

    ↓89/12日経平均最高価格 ↓97/7アジア通貨危機 ↓08/9リーマン破綻

    23

  • 消費税率の8%への引上げによる社会保障充実策(1)

    ✔ 安心して子供を預けられる保育施設の充実 保育士等の職員の 人材確保・処遇改善

    29年度末までに 保育の受け皿を

    約40万人分増加 (27年度→約28万人に)

    ※例:3歳児と職員の割合を20:1⇒15:1

    保育士等の職員を

    より手厚く配置

    ✔ 保護者のいない児童、被虐待児等への支援 児童養護施設等の職員の

    人材確保・処遇改善

    児童養護施設等の職員を

    より手厚く配置

    31年度末までに 放課後児童クラブ利用者

    約30万人分増加 (27年度→約110万人に)

    【子ども・子育て】・・・27年4月から子ども・子育て支援新制度を予定通り実施

    ※保育士等の処遇改善 (平均+3%相当)

    ※例:子供と職員の割合を5.5:1⇒4:1

    待機児童を解消し、働きたい女性が働ける 環境を整備

    ※約225万人⇒約265万人に増加 ※約90万人⇒約120万人に増加

    【医療・介護】

    ✔ 患者の状態に応じた病床を整備

    医師、看護師等の 医療従事者の確保

    ✔ 住み慣れた地域や自宅での介護サービスを充実 介護職員の

    人材確保・処遇改善 認知症対策の推進

    住み慣れた地域内で患者の状態に応じた医療を提供

    地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療・介護を一体的に提供

    ※認知症の方とその家族への生活支援を強化

    ※急性期から慢性期まで病床をバランス よく整備、在宅医療も充実 ※地域密着の小規模な介護施設の整備

    ※介護職員の給与を月+1.2万円増加

    ※児童指導員等の処遇改善 (平均+3%相当)

    24

  • 消費税率の8%への引上げによる社会保障充実策(2)

    ✔ 助成の対象者が

    約80万人増加 【難病】(現行)56疾病 ⇒ 約300疾病 【小児慢性特定疾病】(現行)514疾病 ⇒ 約700疾病

    ※平成27年度の推計受給者数と、平成23年度の受給者数との差

    ✔ 介護保険の低所得者の保険料(1号)を軽減(約1,100万人)

    ✔ 国民健康保険等の保険料軽減の対象者を拡大 対象者を

    約500万人拡大

    ※軽減対象者の従来の保険料は2.5~3.7千円程度

    保険料(定額部分)の5割軽減対象及び2割軽減対象の範囲をそれぞれ拡大

    難病に悩む方々をより多く支援するため、 医療費支援の対象を拡大

    世帯全員の市町村民税が非課税である高齢者の介護保険料額を軽減

    消費税率10%引上げ時(平成29年4月)に完全実施。それまでの間一部実施(※)。 (※)年金収入80万円以下の高齢者(650万人)を対象に、対象者1人当たり約月280円軽減。

    対象者1人当たり

    約月1千円軽減

    ✔ 低所得の方の暮らしを支援(給付金の支給)

    年金受給資格期間の短縮(25年⇒10年)

    対象者1人当たり

    月5千円等給付

    【年金】・・・消費税率10%引上げ時(平成29年4月)に実施

    ✔ 皆保険のセーフティネットである国保への財政支援の強化 皆保険のセーフティ

    ネットである国保の 財政基盤強化

    平成30年度に国保の財政運営責任を市町村から都道府県に移行。県が地域医療の提供水準と標準保険料率を設定。

    ✔ 年金受給資格期間

    25年→10年 25

  • 社会保障の安定財源確保

    7.3兆円 後代への負担の

    先送り軽減

    0.8兆円

    2.8兆円

    3.2兆円

    5%引上げ分

    社会保障の充実

    2.8兆円

    4%分 (現行の地方

    消費税1%除く)

    11.2兆円

    ※ 平成27年10月から消費税率を10%に引き上げることが税制抜本改革法に定められていますが、同法附則第18条第2項により、改めて経済状況等を総合的に勘案し た検討を行います。 ※ 平成25年度予算を基に、税制抜本改革法に沿って消費税率が10%まで引き上げられた場合の平成29年時点の計数を見込んだもの。 上図の社会保障4経費のほか、「社会保障4経費に則った範囲」の地方単独事業があります。

    26

    改革前 改革後

    差額 26.6兆円

    37.8兆円

    4%分 (現行の地方

    消費税1%除く)

    11.2兆円

    差額 19.3兆円

    差額が減少

    37.8兆円

    すべてを 社会保障の

    財源に

    年金国庫負担

    1/2等 3.2兆円

    消費税引上げに

    ともなう0.8兆円

    消費税収 消費税収 社会保障4経費 社会保障4経費

  • Ⅱ.財政の持続可能性の確保に向けて

    3.成長戦略の推進(生産性の向上)

    27

  • 「日本再興戦略」改訂2014の概要

    「企業が変わる」~「稼ぐ力」の強化

    この1年間、「3本の矢」によってもたらされた変化を一過性のものに終わらせず、経済の好循環を引き続き回転させていく。 そのため、日本の「稼ぐ力=収益力」を強化。同時に、「日本再興戦略」で残された課題(働き方、医療、農業等)にも対応。 デフレ状況から脱却しつつある今こそがラストチャンス。企業経営者や国民一人一人に、具体的な行動を促していく。

    改訂の基本的考え方

    1.日本の「稼ぐ力」を取り戻す

    「国を変える」 《コーポレートガバナンスの強化》 - コーポレートガバナンス・コードの策定

    《公的・準公的資金の運用の在り方の見直し》 - GPIFの基本ポートフォリオ、ガバナンス体制の見直し

    《産業の新陳代謝とベンチャーの加速、成長資金の供給促進》 - 大企業を巻き込んだ支援、政府調達への参入促進、エクイティ等の供給

    2.担い手を生み出す~女性の活躍促進と働き方改革

    3.新たな成長エンジンと地域の支え手となる産業の育成

    女性の更なる活躍促進 働き方の改革 外国人材の活用

    攻めの農林水産業の展開 健康産業の活性化と質の高いヘルスケアサービスの提供

    《成長志向型の法人税改革》 - 数年で法人実効税率を20%台まで引き下げることを目指す

    《イノベーションの推進とロボット革命》 - 革新的な技術からビジネスを生み出すナショナルシステム - ロボットによる社会的課題の解決と新たな産業革命

    - 学童保育の拡充 - 女性就労に中立的な税・社会保障制度等

    の実現

    - 働き過ぎ防止のための取組強化 - 時間ではなく成果で評価される制度への改革 - 多様な正社員の普及・拡大 - 予見可能性の高い紛争解決システムの構築

    - 外国人技能実習制度の見直し - 製造業における海外子会社従業員の受入れ - 特区における家事支援人材の受入れ - 介護分野における外国人留学生の活躍

    - 農業委員会・農業生産法人・農業協同組合の一体的改革 - 酪農の流通チャネル多様化 - 国内外とのバリューチェーンの連結(6次産業化、輸出の促進)

    - 非営利ホールディングカンパニー型法人制度(仮)の創設 - 個人への健康・予防インセンティブの付与 - 保険外併用療養費制度の大幅拡大

    更なる成長に向けた対応 実現し進化する戦略/経済の好循環のための取組の継続/改革への集中的取組み(国家戦略特区の強化等)

    - 地域活性化施策をワンパッケージで実現するプラットフォームの構築 - 中堅・中小企業・小規模事業者によるふるさと名物応援と戦略産業の育成 - 地域ぐるみの農業の6次産業化、酪農家の創意工夫、魅力ある観光地域づくり - PPP/PFIを活用したインフラ運営の実現

    地域活性化/中堅・中小企業・小規模事業者の革新 地域の経済構造改革 - 都市機能や産業・雇用の集約・集積とネットワー

    ク化 - 東京への人口流出の抑制 ⇒ 司令塔となる本部の設置、政府一体の推進体制

    の構築

    28