地上設置型太陽光発電システムの設計 ガイドライン(2017年 … · 3....

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Okuji Kensann Corporation 年2月24日 奥地建産株式会社(JPEA幹事会員) 耐風プロジェクト 髙森 浩治 太陽光発電システム設計・運用セミナー 地上設置型太陽光発電システムの設計 ガイドライン(2017年版)の解説 Okuji Kensann Corporation Today’s Menu 1.NEDO研究と設計ガイドライン作成の背景 2.設計ガイドライン(2017年版)の概要説明 3.実証試験で分かってきたこと 2

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Page 1: 地上設置型太陽光発電システムの設計 ガイドライン(2017年 … · 3. 架台の構造は、鋼構造またはアルミニウム構造とする。 4. 構造設計は、許容応力度設計法に基づいて行う。

Okuji Kensann Corporation

年2月24日

奥地建産株式会社(JPEA幹事会員)耐風プロジェクト 髙森 浩治

太陽光発電システム設計・運用セミナー

地上設置型太陽光発電システムの設計ガイドライン(2017年版)の解説

Okuji Kensann Corporation

Today’s Menu

1.NEDO研究と設計ガイドライン作成の背景

2.設計ガイドライン(2017年版)の概要説明

3.実証試験で分かってきたこと

2

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強⾵ 積雪 豪⾬

太陽光発電設備の構造的被害

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PV業界はこのままでいいの?

• FITが始まった2012年からの6年間で多数の被害事例の報告がある。

• そのほとんどが設計で想定している荷重に達していない自然事象で発生している。

• 「Twitter 」や「Facebook 」などのSNSの普及によって,これらの被害はインターネット上に公開されている。

• PV設備の構造安全性について疑問の声が上がっており,PV業界に対する信頼性の低下が懸念される。

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設計ガイドライン作成の背景

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再エネ固定価格買取制度(FIT)の導入に伴い太陽光発電設備が急増

太陽光発電設備の強風や積雪などによる被害が増加

不適切な設計による構造耐力の不足が原因

太陽光発電設備の構造設計のガイドラインの作成の社会的必要が高まる

JIS C 8955が2017年3月に改正「設計標準」⇒「荷重算出方法」

設計荷重は適正化されたが設計に関する項目が削除された

太陽光発電設備の支持物に関する設計基準がない

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NEDOの太陽光関連の研究プロジェクト

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NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の研究プロジェクトの一環として作成を進めている。

②太陽光発電システム効率向上・維持管理技術開発プロジェクト

③ 太 陽 光 発 電 リ サ イ ク ル 技 術 開 発 プ ロ ジ ェ ク ト

① 高 性 能 ・ 高 信 頼 性 太 陽 光 発 電 の 発 電 コ ス ト 低 減 技 術 開 発

研究プロジェクトのひとつのテーマをJPEA+奥地建産で受託

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耐風安全性および水害時感電防止を考慮した合理的設計手法の開発

設計ガイドライン作成スケジュール

2018年度2017年度2016年度

2017年版

設計ガイドラインの作成

・杭・架台の実証実験

・検討委員会の開催

改訂版設計ガイド

ラインの策定(予定)

NEDO・JPEA・奥地建産のホームページにて公開

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太陽光発電システムの安全設計に関する検討委員会植松 康(委員長)

東北大学大学院 工学研究科 都市・建築学専攻 教授専門分野: 耐風設計,耐雪設計,鋼構造

伊藤 淳志関西大学 環境都市工学部 建築学科 教授専門分野: 土質・基礎

岩田 善裕国立研究開発法人建築研究所 構造研究グループ 主任研究員

専門分野: 鋼構造,性能設計,修復性能

植田 譲東京理科大学 工学部 電気工学科 教授専門分野: 電力工学・電気機器工学

奥田 泰雄国立研究開発法人建築研究所 構造研究グループ 長専門分野: 耐風構造,津波

田村 良介㈱NTTファシリティーズ ソーラービジネス本部専門分野: 構造設計

西村 宏昭京都大学防災研究所 耐風構造研究分野 研究員専門分野: 耐風設計,耐力評価

外部有識者による検討委員会(2017年度)

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Today’s Menu

1.NEDO研究と設計ガイドライン作成の背景

2.設計ガイドライン(2017年版)の概要説明

3.実証試験で分かってきたこと

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設計ガイドライン(2017年版) 目次

10

第1章 総 則

第2章 計 画

第3章 調 査

第4章 設計荷重

第5章 基礎の設計

第6章 架台の設計

第7章 腐食防食

〔付録〕地上設置型太陽光発電システムの構造設計例

建築物の構造関連の

基規準・指針などをもとに作成されている。

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第1章 総則

1.1 適用範囲

1.2 引用規格

1.3 用語・記号の定義

1.4 設計方針

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1.1 適用範囲 (p.4)

1. 本ガイドラインは地上設置型の太陽光発電システムの基礎と架台の設計に適用する。

2. 対象とする基礎は、鉄筋コンクリート造の直接基礎または杭基礎とする。

3. 架台の構造は、鋼構造またはアルミニウム構造とする。

4. 構造設計は、許容応力度設計法に基づいて行う。

5. アレイの最高高さが9mを超えるものは除外する。

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1.4 設計方針 (p.7)

1. 架台、基礎、および部材間の各接合部は、稀に起こる地震・暴風・大雪に対して許容応力度設計を行うことを基本とする。

2. 地盤については、基礎および上部構造で想定された地震・暴風・大雪時の荷重(鉛直荷重、引抜き荷重、水平荷重)に対して十分な耐力を有し、かつ有害な沈下・傾斜などを起こさないことを確認する。

3. 架台および基礎の長期耐久性に関する要求性能は、目標を定めて設計・施工および保全がなされるよう設計時に配慮する。

13

Okuji Kensann Corporation

許容応力度設計とは…

14

許容応力度設計:

想定した荷重(設計荷重)を受けた場合においても,もとの機能を損なわない(もとの状態に戻る)ことが条件となる。

変位

×

荷重(応力)

最大

許容(短期)

荷重(応力)変形曲線の例

許容(長期) 弾性範囲

1.5~1.6倍程度の安全率が必要設計裕度

設計荷重と最大荷重を比較してはいけない!

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安全率を1.0とした

場合,発電設備の供用期間中(20年間)

に設備が破損する確率は33%もある!

33%

安全率を低くすると…

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第2章 計画

2.1 一般事項

2.2 設計計画

2.3 被災事例

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地上設置型太陽光発電システムの設計フロー

2.2 設計計画 (p.9)

契約内容・設計条件

事前調査

現地調査

地盤調査

配置計画

基礎・架台の設計

発電規模・関連法規の確認

地盤に関する資料調査(地図,地質図,既往の地盤調査資料など)

立地条件,進入路,周辺状況などの調査

原位置試験(地質・地盤支持力に関する試験)

アレイ傾斜角,離隔距離,PSCの配置,メンテナンススペースなど

設計荷重算定,基礎設計,架台設計など

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第3章 調 査

3.1 事前調査

3.2 資料調査

3.3 現地調査

3.4 設計上注意が必要な地形・地盤

3.5 地盤調査

3.6 基礎の選定方法

3.7 配置計画(ラフプラン)18

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地形の調査による

地盤の見方

地形模式図

谷底低地

扇状地段丘(台地)

崖錐

自然堤防

潟湖跡 潟

海砂州

後背湿地

堤間湿地三角洲

山地丘陵地

〇×

×

×

××△

〇:適△:注意×:対策工法必要

3.1 事前調査 (p.12)敷地調査は、事前調査(資料調査・現地調査)により適切に把握する。

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3.2 資料調査 (p.13)

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1. 資料調査では、国土地理院発行の地形図や土地条件図などの地図資料、既往地盤調査資料および各種文献などを用いて基礎設計に必要な地盤の情報を収集する。

2. 地名や植生などは、地域に固有な地盤条件を知る資料として有益である。

3. 小規模構造物の地震被害には、地盤条件に起因するものが多く、その危険性について調べる。

1. 現地調査では、調査地を中心として周辺の観察を行い、資料調査の結果と照合しながら敷地の地盤状況を把握する。

2. 現地調査では、地形や造成盛土などの状況から、地盤の安全性や不同沈下の危険性について評価する。

⇒ 現地調査のチェックリストの例 (小規模建築物基礎設計指針)

3.3 現地調査 (p.13)

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3.4 設計上注意が必要な地形・地盤 (p.15)

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⽀持層

埋立地

⽀持層

粘⼟・シルト

盛⼟

軟弱地盤上の盛土

地⼭盛⼟

切⼟

斜面の盛土造成地と崖下 崖麓

支持層粘土・シルト

地山

切土

池・沼など

盛土

盛土

支持層

軟弱な地盤では沈下・不同沈下が問題となる場合が多い。

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3.5 地盤調査 (p.18)

22

基本事項 太陽電池架台の基礎の設計にあたっては、事前調査結果をふまえて地盤調査(原

位置試験)を実施し、設計に必要な工学的性質に関する情報を収集する。

原位置試験

1. 基礎設計に必要な設計用地盤定数を求めることを目的とする。この設計用地盤定数には、地盤の支持力だけではなく地下水位や土質区分も含まれる。

2. 原位置試験は、スウェーデン式サウンディング試験(以後、SWS試験と呼ぶ)を中心に行うものとする。ただし事前調査やSWS試験で充分な情報が得られていないと判断した場合や圧密沈下が生ずる地盤では適切な原位置試験を選定し実施する。

3. 調査ポイントの箇所数と測定位置は敷地の規模と形状、地盤の状態により異なる

ため注意が必要である。調査ポイント数については下記を目安に実施する。ただし、地盤構成の均質性が確認できる場合は適宜調査ポイント数を削減してもよい。また、不均質な場合は適宜調査ポイント数を増加させる。

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標準貫入試験 簡易動的コーン貫入試験SWS試験

・試験が簡便で、浅層の地盤調査に向いている。・住宅等の地盤調査で最もよく用いられている。

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3.6基礎の選定方法 (p.22)杭基礎

・地盤に充分な支持力(押込み力・引抜き力・水平力)が期待できる場合には杭基礎

(摩擦杭あるいは支持杭)とすることができる。

・杭基礎を採用する場合は、現地にて試験杭を打設し載荷試験を実施して安全を

確認すること(杭が大臣認定、技術認証等を取得した工法である場合はこの限り

ではない)。

直接基礎・軟弱地盤で杭の支持力が期待できない場合、反対に地盤が固い場合あるいは地中

に転石などが多くあり杭の打設が困難な場合には直接基礎とする。

・直接基礎を採用するときは、図3‐14 「SWS試験結果に基づく直接基礎の選定」を目安

に、基礎形式を決定する。

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SWS式サウンディング試験に基づく直接基礎の選定の目安

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3.7 配置計画(ラフプラン) (p.23)

構造設計の関連事項

• 風圧荷重が大きい地区では、一般的には20度以下の傾斜角を採用す

る例が多い。傾斜角を小さくすることで風圧荷重が軽減でき、架台コストを下げることが可能であるが、予め設置場所の緯度、経度から年間発電量への影響を確認する。

• 多積雪地域では傾斜角を大きくすることで積雪荷重が軽減できるが、アレイ前部の落雪対策として、架台の脚部を嵩上する検討も必要となり架台コストへの影響も考慮する必要がある。

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第4章 設計荷重

4.1 想定荷重

4.2 風圧荷重

4.3 積雪荷重

4.4 地震荷重

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設計荷重JIS C 8955:2017 「太陽電池アレイ用支持物の設計用荷重算定方法」に準じる。

ただし、公共工事標準仕様書などで指定があった場合にはそれに従う。

28

4.1 想定荷重 (p.25)①固定荷重 (G) :モジュールの質量(GM)と支持物などの質量(GK)による

荷重の総和。その他の積載物が付加される場合には、

固定荷重として加算する。

②風圧荷重 (W) :モジュールに加わる風圧力(WM)と支持物に

加わる風圧力(WK)の総和(ベクトル和)。

③積雪荷重 (S) :モジュール面の垂直積雪荷重。

④地震荷重 (K) :モジュールと支持物などに加わる水平地震力。

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荷重条件と荷重の組合せ荷重条件 一般の地方 多雪区域

長期常時

GG

積雪時 G + 0.7S

短期

積雪時 G + S G + S

暴風時 G + WG + W

G + 0.35S + W

地震時 G + K G + 0.35S + K

多雪区域:垂直積雪量が1m以上の区域。積雪の初終間日数の平均値が30日以上の区域。

初終間日数:当該区域中の積雪部分の割合が1/2を超える状態が継続する期間の日数をいう

G:固定荷重 W:風圧荷重 S:積雪荷重 K:地震荷重

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JIS C 8955:2004からの主な変更点〇「設計標準」⇒「設計用荷重算出方法」

– 許容応力度設計に関する項目が削除

〇風荷重関連– アレイ面の風力係数 ⇒ 荷重増

– 地表面粗度区分の適用 ⇒ 荷重増

〇雪荷重関連– 勾配係数の適用 ⇒ 荷重増

〇地震荷重関連– 設計用水平震度 ⇒ 荷重減 (但し建物上設置の場合は荷重増)

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4.2 風圧荷重 (p.26)

大幅に増加

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アレイ面の風力係数Ca

32

順風

逆風

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アレイ面の風力係数Ca (JIS C 8955の新・旧比較)

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正(順風) 負(逆風)1.5倍 1.7倍 1.6倍 1.6倍

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環境係数E

(4)JIS C8955 の改正案について

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地表面粗度区分

35

地表面粗度区分Zb(m)

ZG(m)

α

Ⅰ都市計画区域外にあって、極めて平たんで障害物がない区域

5 250 0.10

都市計画区域外にあって地表面粗度区分Ⅰの区域外の区域又は都市計画区域内にあって地表面粗度区分Ⅳの区域以外の区域のうち、海岸線又は湖岸線(対岸までの距離が1,500m以上のものに限る。以下同じ。)までの距離が500m以内の区域

5 350 0.15

Ⅲ 地表面粗度区分Ⅰ、Ⅱ又はⅣ以外の区域 5 450 0.20

Ⅳ都市計画区域内にあって、都市化が極めて著しいものとして特定行政庁が規則で定める区域

10 550 0.27

• 旧JISでは、ほとんどの地上設置型PVは地表面粗度区分Ⅲに適用されていた。

• JIS改正に伴い地表面粗度区分Ⅱが適用範囲が大幅に広がるので、多くの地上設置型PVは風荷重が増加する。

Okuji Kensann Corporation

地表面粗度区分

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地表面粗度区分Zb(m)

ZG(m)

α

Ⅰ都市計画区域外にあって、極めて平たんで障害物がない区域

5 250 0.10

都市計画区域外にあって地表面粗度区分Ⅰの区域外の区域又は都市計画区域内にあって地表面粗度区分Ⅳの区域以外の区域のうち、海岸線又は湖岸線(対岸までの距離が1,500m以上のものに限る。以下同じ。)までの距離が500m以内の区域

5 350 0.15

Ⅲ 地表面粗度区分Ⅰ、Ⅱ又はⅣ以外の区域 5 450 0.20

Ⅳ都市計画区域内にあって、都市化が極めて著しいものとして特定行政庁が規則で定める区域

10 550 0.27

• 旧JISでは、ほとんどの地上設置型PVは地表面粗度区分Ⅲに適用されていた。

• JIS改正に伴い地表面粗度区分Ⅱが適用範囲が大幅に広がるので、多くの地上設置型PVは風荷重が増加する。

風荷重 (大)(小)

1.5倍

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4.3 積雪荷重 (p.31)

変更

Okuji Kensann Corporation

勾配係数Cs

38

• 旧JISではすべてのケースで勾配係数を適用。

• 新JISではアレイ面の積雪の滑落を確実に保証できる場合にのみ勾配係数を適用できる。

滑落あり

滑落なし

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4.4 地震荷重 (p.32)• 設計用地震荷重は、一般の地方では式(12)、多雪区域では

式(13)によって算出する。

【一般】

【多雪】

変更

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設計用水平震度

40

〇地上設置の場合の設計用水平震度が低減• 旧JIS

▫ 架構部分 :1.0

▫ 基礎部分 :0.5

• 新JIS

▫ 架構部分 :0.3以上

▫ 基礎部分 :0.3以上

▫ 基礎部分(土中):0.1以上

〇ただし建築物等設置の場合は設計用水平震度が増加

低減

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第5章 基礎の設計

5.1 一般事項

5.2 基礎に働く外力と反力

5.3 基礎の形式

5.4 直接基礎の設計

5.5 杭基礎の設計

41

Okuji Kensann Corporation

5.1 一般事項 (p.34)

1. 方針: 基礎は、上部構造が地盤に対して構造上支障のある沈下・浮上がり・転倒・横移動を生じないよう安全に支持できる構造形式とする。

2. 基礎の形式: 太陽電池架台の規模・重量および地盤特性を考慮して、地盤も含め適切な形式の基礎とする。

3. 基礎の構造: 鉄筋コンクリート造による直接基礎、または杭基礎(支持杭および摩擦杭)とする。

42

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Okuji Kensann Corporation

摩擦⼒

軟弱層

⽀持層先端⽀持

圧縮⼒圧縮力

支持層先端支持力

摩擦力

軟弱層

外力 直接基礎の場合 杭基礎の場合軸力 圧縮力 フーチングによる

地盤反力杭の先端支持力+周面摩擦力

引抜き力 基礎自重 杭の周面摩擦力

43

5.2基礎に働く外力と反力 (p.34)

引抜き⼒

基礎⾃重

引抜き力

基礎自重

圧縮⼒

地盤反⼒

圧縮力

地盤反力

摩擦⼒

引抜き⼒引抜き力

摩擦力

反力

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反力外力 直接基礎の場合 杭基礎の場合

モーメント フーチングによる地盤反力(柱脚のモーメントや荷重の偏心については偏心軸力として算定)

杭の許容曲げ応力

水平力底面の摩擦抵抗根入れ部の抵抗(受働土圧)

杭の水平抵抗力

44

圧縮⼒+モーメント

地盤反⼒

モーメント

⽔平⼒

摩擦抵抗

受働⼟圧 塑性域Ⅰ

塑性域Ⅱ

地盤の動き

地盤の動き

H

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Okuji Kensann Corporation

基礎 直接基礎 ① 独立基礎…………場所打ち工法、置き基礎

(プレキャスト工法コンクリート)

② 連続基礎…………場所打ち工法、置き基礎

(布基礎) (プレキャスト工法コンクリート)

③ べた基礎

④ 地盤改良工法…表層付近の地盤を改良し、

主に①~②の直接基礎と併用する。

杭基礎 ⑤ 支持杭

⑥ 摩擦杭45

5.3 基礎の形式 (p.35)

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直接基礎

46

独立基礎 べた基礎

連続基礎(布基礎)

〇直接基礎は,基礎底面での地反力,摩擦および基礎自重によって抵抗する。

〇根入れ(基礎の一部あるいは全部を地中に埋設)する場合は,地盤による受働土圧を期待できる。

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Okuji Kensann Corporation

杭基礎

47

〇事前の地盤調査により土壌の硬さを把握し、適切な杭工法(杭材・打設方法)の選択をすることが必要である。

〇杭には支持層まで到達させる支持杭と、一定深さまで打設して周面摩擦を支持力とする摩擦杭がある。

〇太陽電池架台では強風時の負圧による引抜き力に特に留意して設計を行う必要がある。

Okuji Kensann Corporation

5.4 直接基礎の設計 (p.37)

48

長期荷重の場合〇固定荷重(多雪区域では雪荷重も加えた荷重)に対しては,地盤の長

期許容支持力以下になるように基礎底面の大きさを確保する。

P(圧縮力)

地盤反力<長期許容支持力

地盤反力

地盤反力(長期)

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Okuji Kensann Corporation49

短期荷重の場合

地盤反力

架台からの荷重

摩擦力

〇地盤反力・浮上がり・転倒・滑動をチェック

〇地盤反力、自重、転倒モーメント、地盤摩擦力等の抵抗力は、設計荷重から求められる値の1.5倍以上とすること。

基礎自重

浮上がり 転 倒 滑 動

基礎自重

架台からの荷重

地盤反力

基礎自重

基礎自重

基礎自重から架台からの浮上り力を差し引いてから求める最大となる位置で確認

設計荷重×1.5 ≦ 抵抗力

(根入れなし)

Okuji Kensann Corporation

D13以上(かつ補強筋と緊結したもの)

D10以上@300以下(補強筋)

D13以上(かつ補強筋と緊結したもの)

50

D10@100帯筋

D10@100帯筋

4-D13D10以上@300以下(ウラ・ヨコ共)

D10以上@300以下

150mm

以上

べた基礎の構造例(底盤のみ) 独立基礎の構造例 連続基礎の構造例

鉄筋コンクリート造の直接基礎設計上の注意事項「平成12年建設省告示第1347号(建築物の基礎の構造方法及び構造計算の基準を定める件)」を参考に、以下の推奨仕様を示した。

その他の仕様とする場合には、日本建築学会の鉄筋コンクリート構造計算基準に準拠して設計を行なう。

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地表面

凍結深度

基礎底板(フーチング)は凍結線まで達していること。またはその他の凍上を防止するための有効な措置を講じること。

凍結深度と基礎底板の位置

凍上対策(凍結深度対策)

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杭の種類の例

鋼管杭 先端加工付鋼管杭 小径回転圧入鋼管杭

形鋼杭 コンクリート杭 コンクリート杭

スクリュー杭 スパイラル杭

5.5 杭基礎の設計 (p.45)

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杭基礎の場合

〇杭基礎は設置される位置の地盤の状況により大きく耐力が異なるので、設置現場での杭の支持力試験(載荷試験)が基本となる。

〇太陽光発電設備の杭基礎には、鉛直力(押込み力・引抜き力)だけでなく水平力も作用するので、杭の水平支持力についても検討する必要がある。

水平載荷試験

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杭の許容支持力• 杭の許容支持力は載荷試験を行い求めることを基本とする。

• 杭の長期許容支持力(押込み)は極限支持力の1/3、杭の短期許容支持力(押込み,引き抜き)は極限支持力の2/3とする。また杭の短期許容水平支持力は極限水平抵抗力の1/2とする。

許容水平支持力許容押込み・引抜き支持力

変位

×

荷重

極限

長期=1/3×極限

短期=2/3×極限

×

荷重

極限

許容(短期)

変位

許容(短期)

許容(長期)(押込み)

短期=1/2×極限

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第6章 架台の設計

6.1 架台の構造形式

6.2 部材設計

6.3 接合部の設計

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6.1架台の構造形式 (p.48)

基本項構造形式の安定原理

対⾓線の⻑さと⾓度が変化

不安定ブレース

対⾓線の変化を抑える→ トラス トラス

⽅づえ 剛 節

.対⾓線の⻑さと⾓度双⽅の変化を抑える → 耐⼒壁

⾓度変化を抑える → ラーメン ラーメン

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架台の代表的な構造形式

太陽光発電システムの架台は、不安定なものが少なくない。

ラーメン構造ピン構造 ピン接合・剛接合(混合構造)

不安定(?) 不安定

安定 安定 安定

不安定構造のものが意外に多いので注意!

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6.2 部材設計 (p.49)太陽光発電架台の設計では次の設計規準に準拠する。

鋼製架台①「鋼構造設計規準」

②「軽鋼構造設計施工指針・同解説」

アルミニウム製架台③「アルミニウム建築構造設計規準・同解説」

①~③が適用できないときは、実験による構造安全性を検討する。

太陽光発電システムの架台特有の構造設計上の問題点も多いことから、各種架台の構造耐力に関する実証実験を実施し、そこで得られる知見を改訂版の設計ガイドラインに反映させる。

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6.3 接合部の設計 (p.50)○モジュール枠と架台、架台の部材間、架台と基礎の各接合部は、部材間に作用する荷

重を確実に伝達できるように設計する。

○構造計算による接合部の耐力評価が困難である場合は、適切な載荷試験等を行い、各種設計荷重に対して許容応力度(あるいは許容耐力)の範囲内にあることを確認する。

○繰返し荷重により緩みを生じないものとする。

モジュール枠と架台の接合部各部材を貫通するボルトによって確実に固定する。

押え金物や専用金具等を使用する場合 ⇒載荷試験や構造計算等で耐力の確認を行う。

架台の各部材間の接合部溶接または各部材を貫通するボルトによって確実に固定する。

専用金具等を使用する場合 ⇒載荷試験や構造計算等で耐力の確認を行う。

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架台と基礎の接合部架台と基礎の接合部は、溶接またはボルトによって確実に固定する。

【杭基礎の場合】 架台と杭の構造軸が大きく偏心しないようにする。

ズレを調整する金具等を用いる場合は、ズレの許容値を明確にする。また、最大のズレが生じた場合の耐力確認を行う。

【直接基礎の場合】 アンカーボルトの定着長さ、へりあき(かぶり厚さ)を十分に確保する。

あと施工アンカー ⇒十分な引抜き耐力を有するものを選定。

アンカーボルト ⇒ダブルナットとするか、有効なゆるみ止め対策を行う。

杭頭部のズレ調整金具の例 杭頭部のズレが大きすぎる事例

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第7章 腐食・防食

7.1 地上部

7.2 地際部(地表面と地下の境界部)

7.3 地中部

7.4 異種金属接触による腐食

7.5 塩害による腐食

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7.1 地上部 (p.52)支持構造部材は、腐食又は腐朽しにくい材料を使用するものを除き、有効な防食のための次のような措置をしたものを使用する。

a) めっきによる防食

溶融亜鉛めっき又はこれと同等以上のめっきによる。

溶融亜鉛めっきの品質、試験、検査、表示などは、JIS H 8641による。

b) 塗装 による防食

使用環境を考慮して仕様を決定する。

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7.3 地中部 (p.53)○鋼杭の地中部での腐食 ⇒常時水中およ

び土中にある部分に対して1mmの腐食しろを見込むことを原則とする。

○杭の設計を行う場合、腐食しろを考慮して曲げ・座屈などを確認する。

○有効な防食を行う場合、腐食しろはこの限りではない。

7.2 地際部(地表面と地下の境界部)

(p.52)地上部に突出部を持つ鋼杭を使用する場合は地際部の上下に有効な防食処理を行う。

地際部が錆び、孔が開いた状態

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7.4 異種金属接触による腐食 (p.53)異なる金属の組合せによる接合は、可能な限り避ける。

7.5 塩害による腐食 (p.55)適切な塗装加工を施すか、十分なめっき付着量を確保する。

鋼製部分だけでなくアルミフレームとの電食も見受けられる

層状の錆が端面よりが進行している。(沖縄県:設置後6年)

ボルト:ステンレス

座金:鉄+亜鉛メッキ

ボルト:ステンレス

ナット:鉄+亜鉛メッキ

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付録:設計例設計ガイドラインの末尾に構造設計例を示した。設計例の3仕様の架台が 経産省が指定する標準仕様架台として採用される予定。

一般仕様 強風仕様 多雪仕様

アレイ傾斜角度: 20°地表面粗度区分: Ⅲ基準風速: 34m/s以下垂直積雪量: 50cm以下

アレイ傾斜角度: 30°地表面粗度区分: Ⅲ基準風速: 30m/s以下垂直積雪量: 180cm以下

アレイ傾斜角度: 10°地表面粗度区分: Ⅱ基準風速: 40m/s以下垂直積雪量: 30cm以下

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1.NEDO研究と設計ガイドライン作成の背景

2.設計ガイドライン(2017年版)の概要説明

3.実証試験で分かってきたこと

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実証試験の概要〇杭の支持力試験

目 的 :各種杭の支持力の把握

測定項目 :押込み方向,引抜き方向,水平方向の支持力

〇架台の耐風圧試験

試験目的 :耐力確認,構造上の弱点部および設計上の注意点の把握

載荷方法 :大型水平動動風圧試験装置を用いた耐風圧試験

〇鋼材の暴露試験(腐食・防食)

試験目的 :架台や杭の設置環境を考慮した腐食特性の把握

暴露方法 :大気暴露(直接暴露・遮蔽暴露) ☚鋼製架台

土壌(地際)暴露 ☚鋼製杭67

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杭の支持力試験〇押込み方向,引抜き方向,水平方向への支持力試験を実施

押込み支持力試験

引抜き支持力試験

水平支持力試験

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試験結果から分かってきたこと〇粘性土における周面摩擦力は設計計算式を下回る。

〇水平支持力は砂質土,粘性土ともに設計計算式を下回る。

設計計算式設計計算式

周面摩擦力(粘性土) 水平支持力(砂質土)

杭の支持力は発電所建設地での杭試験で確認することが重要!

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架台の耐風圧試験

〇PVモジュールと架台を再現したアセンブリ試験体

〇加圧ファンによる等分布載荷

加圧ファン

最大

4m

負圧載荷の場合

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試験結果から分かってきたこと

単管クランプのすべりによる破壊

スロットを用いた接合部の滑りによる破壊

〇接合部の変形や滑りが起因の破壊が多い

〇クランプ,スロット,長孔などの摩擦を期待した接合部の場合,載荷試験(部分試験など)での強度確認が重要

元の位置

ズレ

スロット接合

ズレ

曲げ破壊

想定していない荷重による破壊

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鋼材の暴露試験(腐食・防食)〇大気暴露試験では,直接暴露試験だけでなく,PVモジュール下部の状

況を想定した遮蔽暴露試験も実施。

〇鋼製杭を想定した土壌中(地際)の暴露試験を実施。

〇暴露場所は,マイルド(伊賀),塩害地(銚子),強塩害地(西原)など

直接暴露試験 遮蔽暴露試験 土壌暴露試験 72

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試験結果から分かってきたこと

0

10

20

30

40

50

0 5 10 15 20 25 30

伊賀(マイルド)銚子(塩害環境)西原(強塩害環境)

腐食

減量

[g/m

2]

暴露期間 [年]

高耐食性めっき鋼板(6 wt% アルミ・亜鉛合金めっき)

直接暴露遮蔽暴露

〇各環境下での腐食減量の傾向の把握

〇土壌の性質と腐食性の関係および影響要因の把握

土壌の性質

腐食性(〇小,×大)

備考

粗粒率高 ×

酸素濃度に寄与低 〇

pH高 ○ 深さ方向の変化

に注意低 ×

含水比高 ×

土壌抵抗に寄与低 ○

土壌の性質と腐食性の関係

暴露期間と腐食減量の関係 73

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Goal

Start

〇設計者によって構造設計のアプローチはさまざまである。

〇本設計ガイドラインも,その一つの手法を示すものである。

〇設計者の力量に合った手法で,安全な太陽光発電システムを構築されたい。

おわりに

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ありがとうございました

奥地建産 株式会社耐風プロジェクト 高森 浩治TEL:06‐6243‐3700Email:[email protected]