グリーン・サステイナブルケミストリー環境にやさ …...産 学 官 連 携 し...

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メッセージ グリーン・サステイナブルケミストリー にさしく をGSC に学 沿2013年 平成25年 4月26日 金曜日 【広告特集】

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Page 1: グリーン・サステイナブルケミストリー環境にやさ …...産 学 官 連 携 し 活 動 推 進 経 済 産 業 省 製 造 産 業 局 化 学 課 機 能 性

産学官連携し活動推進

経済産業省製造産業局化学課機能性化学品室長山崎 知巳氏

メッセージ グリーン・サステイナ

ブルケミストリーネット

ワーク

GSCN

は、

2年前に新化学技術推進

協会

JACI

の中で

の活動に移行しました

が、2000年の設立後

年間にわたり、グリ

ーン・サステイナブルケ

ミストリー

GSC

進に向け多くの取り組み

を行ってきました。この

活動を通じ、化学産業

は、GSCが目指す

学技術の革新を通して、

環境負荷を低減しつつ産

業を発展させ、持続可能

な社会を実現

する方向

に、着実に歩みを進めて

きました。

 政府としても、このよ

うな取り組みを後押しす

べく、産学のGSC推進

に向けた取り組みをたた

えるGSC賞に対し、経

済産業大臣賞をはじめ三

つの大臣賞を授与し続け

ています。これにより、

GSCの考え方が普及

し、これまで以上に化学

のポジティブなイメージ

環境・エネルギー制約

克服に大きな貢献が期待

される学問・産業である

ことなど

が社会により

浸透していくことを期待

しています。

 化学産業は日本のエネ

ルギー起源二酸化炭素

CO2

排出量のうち

約5%を占め、また、石

油製品の用途別消費量の

うち約

%を占める環境

制約の大きな産業です。

また、東日本大震災後の

原発稼働停止に伴い電力

供給が細り、火力発電で

電力供給を補う状況が続

く中、再生可能エネルギ

ーの普及と省エネルギー

の推進を加速させていく

必要があり、化学にはこ

れまで以上に大きな役割

が求められています。

 このような中、化学産

業は原料のグリーン化、

製造工程や廃棄物処理工

程の革新、省エネ・創エ

ネ・蓄エネに資する製品

の材料開発・提供に取り

組んでおり、経済産業省

としても、化学産業のさ

まざまな技術開発を支援

しています。最近では、

原料のグリーン化の一環

として、脱化石原料を目

指し、CO2から化学品

を作る人工光合成プロジ

ェクト、砂から化学品を

作る有機ケイ素プロジェ

クト、食べられない植物

原料から化学品を作るバ

イオマスプロジェクトを

推進しています。

 また、ナフサ分解工程

の省エネ化、無機分離膜

を活用した蒸留工程の高

効率化、化学工場の排水

処理工程の省エネ化な

ど、製造工程や廃棄物処

理工程の革新の支援にも

取り組んでいます。さら

に、省エネ創エネ蓄エ

ネに資する製品の材料評

価拠点の整備、具体的に

は、先端化学材料の評価

拠点「CEREBA

世代化学材料評価技術研

究組合

」、リチウムイ

オン蓄電池材料の評価拠

点「LIBTEC

技術

研究組合リチウムイオン

電池材料評価研究センタ

」の整備・充実を図

っているところです。

 これら技術開発プロジ

ェクトの中には、文部科

学省と連携し、未来開拓

研究プロジェクトとして

長期の取り組みと位置付

け、推進しているものも

あります。経済産業省と

しては、政府部内での有

機的な連携により、今後

もGSCに資する技術開

発を強力に後押ししてま

いります。

 最後になりますが、さ

らなる産学官連携の強

化、GSCNの一層の活

発な取り組みによるGS

Cの推進を通じて、持続

可能社会が実現すること

を切に願っています。

 資源・エネルギーのひっ迫と高騰、地球環境保全の必

要性などが変化している。こうした変化に、化学製品は

省エネ性を高め二酸化炭素

CO2

排出量をより削減

する製品の開発で対応する。高性能な化学製品を使い、

地球環境を維持し、快適な生活を支えるのが

グリーン

・サステイナブルケミストリー

GSC

だ。また、

付加価値が高いGSCは日本の化学メーカーが世界市場

に打って出る要にもなる。

グリーン・サステイナブルケミストリー環境にやさしく持続可能な社会をGSC

市場活性化の基礎に化学技術革新で実現へ

化学産業は企業間連

携で消費エネルギー

を抑制する

茨城県

神栖市・鹿島東部コ

ンビナート

安全性の向上から

 1990年代、米国の研究者

たちが化学物質の安全性を高め

廃棄物をなくし、人と環境に優

しい化学

グリーンケミストリ

を推進した。その活動が世

界に広がり、フランスやドイツ

など欧州連合

EU

では企業

側から

サステイナブルケミス

トリー

として発信した。日本

では

年ごろ、持続可能な社会

に向けて産学官連携を目指し、

GSCへの取り組みを始めた。

 当初は化学製品および化学プ

ラントの安全性を高め、地球環

境にとってマイナス項目をでき

るだけ軽減する動きにあった。

GSCは大気や水質汚染を化学

が解決したり、コンビナートな

ど企業間連携で燃料を抑える

レスネガティブという考え方

が主だった。徐々に、電気製品

や自動車などの生活を支える製

品開発といった、化学がより生

活を豊かにし健康を支える

アポジティブ

という考え方も

普及していった。

 環境省の統計によると、20

11年度の日本の温室効果ガス

総排出量は前年度比4・0%増

億800万

だった。東日

本大震災の影響による火力発電

の増加に伴い、化石燃料消費も

増えたことが挙げられる。日本

は温室効果ガスの削減が難しい

状況にある。

 GSCの省エネ技術でCO2

削減を進めるのは重要だ。発光

ダイオードLED照明、電気

自動車EVなど、省エネ技術

・製品を通じてCO2排出量を

抑制する。また、人工光合成な

ど産業・社会が排出したCO2

の循環利用の実現も待たれる。

東日本大震災によりエネルギ

ー、環境保全の重要性は高まり、

GSCのモアポジティブな分野

の役割が大きくなっている。

 わが国では、GSCを「製品

設計、原料選択、製造方法、使

用方法、リサイクルなど製品の

全ライフサイクルを見通した技

術革新により、

人と環境の健

康・安全

省資源・省エネルギ

などを実現する化学技術」

と定義している。

戦略マップ策定

 政府もGSCの発展に力を入

れる。経済産業省は

年度にG

SC分野の「技術戦略マップ」

を策定。新エネルギー・産業技

術総合開発機構

NEDO

ともに、「GSC技術分野の戦

略策定調査」を継続して行って

いる。

年度は環境負荷低減効

果や国際的な産業競争力の強

化、技術的難易度の観点から国

家プロジェクトとして技術戦略

マップの必要性・可能性を定量

的に評価。課題解決の観点から

GSCが取り組むべき技術テー

マなどと、そのために必要な化

学産業の製造プロセスにおける

技術革新のタイプを関係付けて

いく。

 今後、世界規模で

の成長が期待される

農業や医療市場を日

本の得意分野として

挑むことが期待され

る。新化学技術推進

協会

JACI

牛窪孝部長研究員

現東京理科大学科

学技術交流センターコーディネ

ーター

は「GSCは産業界で

実践されて生きる。実行力が大

切」と、GSCが日本市場を活

性化させるとみる。

社会意識した開発

 GSCを日本の強みにするに

は、リニアモデルである基礎研

究から応用、工業化、市場への

一方向の流れを見直す必要があ

る。日本化学会の川島信之常務

理事は「日本は発想力が強い。

技術だけでなく、社会や消費者

を意識した基礎研究から目標を

立てて、工業化につなげていく

べきだ」という。基礎研究、応

用、工業化、市場それぞれの立

場の情報をうまく交換できる

と、市場のニーズに沿った製品

開発につながる。また、日本に

は天然資源が少ないため、バイ

オマスでしか作れない製品や新

しい機能などの価値の向上が重

要だ。新しいプロセスによる代

替製品の製造も、日本の強みと

なりうる。「これから生み出さ

れる製品に対し、方向性を示す

ことは大切」

川島常務理事

で、より具体的な基礎研究が着

実な市場発展へとつながる。

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