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フーリエ級数
瀬尾和哉
再配布禁止
フーリエさん
むかーし、むかし、ある所にフーリエさんがいました。
ジャン・バティスト・ジョゼフ・フーリエ男爵(Jean Baptiste Joseph Fourier, Baron de、1768年3月21日 - 1830年5月16日)は、フランスの数学者・物理学者
様々な関数(波形)は,sinやcosの和で表すことができる。
フーリエ級数 様々な関数(波形)はsinやcosの和
𝒇 𝒕 =𝒂𝟎𝟐+
𝒏=𝟏
∞
𝒂𝒏 cos 𝒌𝒕 + 𝒃𝒏 sin 𝒌𝒕
冗談はよしこさん。全然違う!
t
f(t)
矩形波を三角関数で近似? 様々な関数(波形)はsinやcosの和
𝒇 𝒕 =𝒂𝟎𝟐+
𝒌=𝟏
∞
𝒂𝒌 cos 𝒌𝒕 + 𝒃𝒌 sin 𝒌𝒕
例えば、矩形波は
𝒇 𝒕 = sin 𝒕 +𝟏
𝟑sin 𝟑𝒕 +
𝟏
𝟓sin 𝟓𝒕 + ⋯
= +
t
f(t) ?
なんか、近づいてね?
何が嬉しいか?
音: 私の声が耳に届いていますか? 音は、波。空気の疎密が音波としてイヤードラム(鼓膜)を振動させます。鼓膜は、数Paを検知。very sensitive instrumentsです。
波の周波数成分&強度を知る⇒ 人間が制御可能
共振周波数を除去⇒
MSBS
CCD line sensorsmeasure the model’s position
modelhave permanent magnets
External coil systemscreate magnetic fields
inside the test section
基底ベクトル⇒基底関数
イメージをつかむためにベクトルの話。
x軸方向の単位ベクトル:ex
y軸方向の単位ベクトル:ey
内積: ex ・ ey =0
⇒直交⇒共通の成分がない⇒これらのベクトルを使えば平面上の全ての点を表現できるex ・ ey:基底ベクトル、という。
基底ベクトル⇒基底関数
A・ exの内積をとると、⇒ ベクトルAのex方向の成分を取り出せる
基底ベクトルとの内積をとる⇒ その方向成分を取り出せる
ベクトルAを基底ベクトルにより書くと、A=Axex + Ayey
もしかして、基底ベクトルのようなイメージで、基底関数(もしかして、sin, cos)なるものがあれば、基底関数を使って全ての関数を表せる? ⇒ フーリエ級数?
関数の内積関数を無次元のベクトルとしてみよう。内積は、
書き直すと、
関数同士が直交⚫ 内積=0
⚫ 互いに共通な成分を持たない。
いきなり(団子)、関数が直交と言われると、わからない.
が、ベクトルのイメージから来ています。内積が0 ⇒ 関数同士が直交、です。
三角関数同士は直交か?
例えば、sin xとsin 2x
内積が0 ⇒ 関数同士が直交
積分区間:-∞~∞になっていますが、sin xは、周期が2πの周期関数です。sin2xは、周期が半分:πの周期関数です。同じ波形の繰り返しです。
内積を計算したいだけ(0かな?)なので、積分区間を:-π~πに変更。
三角関数同士は直交か? 内積が0 ⇒ 関数同士が直交
∴sin xとsin 2xは直交、共通成分無し
p.154
ここで定理13.1
フーリエ級数 様々な関数(波形)はsinやcosの和
akやbkは振幅、各成分の強度。akやbkをどう求めるか?
三角関数同士は直交⇒各三角関数の和で任意の関数を表現可能
再び、イメージをつかむために2次元ベクトルA・ exの内積 ⇒ ベクトルAのex方向の成分を取り出せる基底ベクトルとの内積をとる ⇒ その方向成分を取り出せる
フーリエ係数
基底関数を×?
復習:ベクトルの話
フーリエ係数を取り出す
よって、
基底関数との内積をとる。例として、a1
一般に
本日のまとめ
三角関数を重ね合わせれば様々な関数を表現できる
今後、2つ確認しよう。⚫ 三角関数だけで様々な関数の基底は揃ったのか?
(三角関数の完全性)⚫ フーリエ級数は元の関数に「収束」するのか?
(フーリエの定理)
らしい。たまたま?
フーリエ係数
基底関数を×?
復習:ベクトルの話
基底ベクトルとの内積をとる ⇒その方向成分を取り出せる
a0 基底ベクトルとの内積をとる ⇒その方向成分を取り出せる
基底ベクトルとの内積をとる ⇒その方向成分を取り出せる
න−𝝅
𝝅
𝒇 𝒙 ∙ 𝟏𝒅𝒙 =𝟏
𝟐𝒂𝟎න
−𝝅
𝝅
𝟏𝒅𝒙 + 𝟎 + 𝟎 +⋯
න−𝝅
𝝅
𝒇 𝒙 𝒅𝒙 =𝟏
𝟐𝒂𝟎 ∙ 𝟐𝝅
𝒂𝟎 =𝟏
𝝅න−𝝅
𝝅
𝒇 𝒙 𝒅𝒙 p.122
収束定理フーリエ級数は元の関数に一致(収束)するか?フーリエ級数のN項分
三角波の場合
N:大 ⇒ 元のf(x)に近いN:∞ ⇒ 元のf(x) ?
っぽくは見える。
収束定理
を証明したい。フーリエで任意関数を表現可能。
代入して、
これら3式を代入
収束定理
SN(x)
共通部をくくり出して、
加法定理よりSN(x)
収束定理y – x = z
y = x + z
dy = dz
y : ‐π ~ π
z : ‐π – x ~ π – x
(∵ z = y - x)
SN(x)
収束定理
SN(x)
SN(x)
ディリクレ核
ディリクレ核:DN(z)
ヨハン・ペーター・グスタフ・ルジューヌ・ディリクレ(Johann Peter Gustav Lejeune Dirichlet, 1805年2月13日 - 1859年5月5日)はドイツの数学者
DN(z)
SN(x)
N=1 5 100 周期的デルタ関数
ディリクレ核DN(x)に2 sin
1
2𝑥 をかけると、 例題13.1
ディリクレ核
加法定理
例題13.1
2 sin1
2𝑥 DN(x)
sin −1
2𝑥
= −sin1
2𝑥
収束定理DN(z)
収束定理
DN(x)部分をcosの形に一瞬戻して、
収束定理
赤以外は、全部0
=1 1/π・ディリクレ核の積分:1
DN(x)
収束定理
∵1/π・ディリクレ核の積分:1
収束定理
収束定理
収束定理←0になるのかな?
赤線をまとめて
←変数はzのみ
収束定理←0になるのかな?
書き方のみの問題だが、z→xでかく。
=
N→∞で、上式は0になる?
リーマン・ルベーグの一例
N=1 5 20
y=x・sin(1.5x) y= x・sin(5.5x) y=x・sin(20.5x)
N → ∞ ⇒ 上下の面積は等しい、つまり積分値は0らしい
←0になる?
例として、g(x)=x
リーマン・ルベーグの定理
←0になるのかな?
←0になるのかな?
もう少しすっきりさせましょう。N→∞で、上式→0を証明するためには、⚫ 係数:1/πは関係ない。⚫ 積分区間もこれまでの流れから―π~πになっているが、
N→∞では任意の区間:a~bとする。⚫ sin( )のカッコ内1/2も無視できるすっきりさせると、以下の式を証明したい。
リーマン・ルベーグの定理
←0になるのかな?
これをリーマン・ルベーグの定理:任意の関数×sin(Nx)の積分がN → ∞で0に収束する。元々、
変形していくと、
←0になるのかな?
結局、フーリエ級数は任意の関数を表現可能 ⇔ リーマン・ルベーグの定理を証明
リーマン・ルベーグの定理の証明
←これを証明したい
書き方のみの問題:g(x)をf(x)と書く。
部分積分(77頁、定理8.5)をする。定理8.5
න𝑓 𝑥 g′ 𝑥 𝑑𝑥 = 𝑓 𝑥 g 𝑥 − න𝑓′ 𝑥 g 𝑥 𝑑𝑥
今、𝑔′ 𝑥 = sin 𝑁𝑥
←これを証明したい
リーマン・ルベーグの定理の証明g′ 𝑥 = sin 𝑁𝑥
g 𝑥 = −1
𝑁cos 𝑁𝑥
න𝑓 𝑥 g′ 𝑥 𝑑𝑥 = 𝑓 𝑥 g 𝑥 − න𝑓′ 𝑥 g 𝑥 𝑑𝑥
各項には 1/N という係数がかかっているので,N → ∞ で0
リーマン・ルベーグの定理の証明
以上、定理証明終了。もっと厳密には、f(x)やf’(x)が無限大にならない、という条件が必要。その条件とは⚫ 区分的に連続:各不連続点で片側極限値が存在する⚫ 区分的に滑らか:連続区間の両端で 微分係数が発散しない
リーマン・ルベーグの定理の意味
フーリエ級数を求める式と同じ形(122頁)。
つまり、周波数N→∞ならば、bn→0 (126頁、定理13.3)
sin や cos 関数の周波数が無限大のとき,任意関数のフーリエ係数は0
まとめリーマン・ルベーグの定理が成立⇒
フーリエ級数の収束性:フーリエ級数はどんな関数にも収束するの?
回答:Yes.厳密には、区分的なめらかな関数ならば収束する
フーリエ級数の有限和
任意の周期へ周期:2π ⇒ 2Lへ
sin 𝑘 ∙ 𝑥 & cos 𝑘 ∙ 𝑥
sin 𝑘 ∙𝜋
𝐿𝑥 & cos 𝑘 ∙
𝜋
𝐿𝑥
sin 𝑘 ∙𝜋
𝐿(−𝐿) ~ sin 𝑘 ∙
𝜋
𝐿(𝐿)
sin 𝑘 ∙ (−𝜋) ~ sin 𝑘 ∙ (𝜋)
任意の周期へ周期:2Lのフーリエ級数:
復習:周期2πのフーリエ係数 周期2Lのフーリエ係数
kx → k(πx)/L