トヨタ自動車株式会社 ボデー電装系の構造・機能及び故障診断...
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ト ヨ タ 自 動 車 株 式 会 社
ボデー電装系の構造・機能及び故障診断通 称 名 車 両 型 式 エンジン型式 モータ型 適 用 時 期 出 典 資 料
シエンタ DAA-NHP170G 1NZ-FXE P510 2015.7~修理書(RM32A0J)新型車解説書(NM32A0J)取扱書(M52E50)
パワースライドドアシステム
1 概 要
・パワースライドドアの開閉は、インストルメントパネル右側に配置したドアコントロールスイッチASSY、電子キー(エレクトリカルキートランスミッタSUB-ASSY)*1またはワイヤレスキー(ドアコントロールトランスミッタ)*2のパワースライドドアスイッチ、スライドドアインサイドハンドル及びアウトサイドハンドルの操作で行う。さらに、ボタンスイッチを押すだけでパワースライドドアの開閉を行えるワンタッチスイッチを、スライドドアアウトサイドハンドル横に配置した。・パワースライドドアシステムのON/OFFを切り替えるパワースライドドアメインスイッチを、ドアコントロールスイッチASSYに配置した。パワースライドドアメインスイッチがOFFの時、パワースライドドアを作動させることはできない。なお、パワースライドドアメインスイッチがOFFのときでも、イージークローザ機能は作動する。・パワースライドドア作動中の警報ブザー吹鳴や、開閉方向共に機能する挟み込み防止制御を設定し、安全性に配慮した。*1:スマートエントリー&スタートシステム装着車
*2:スマートエントリー&スタートシステム非装着
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2 構造・機能
1) 構成部品の配置(図-1、2)
図-1 構成部品の配置⑴
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図-2 構成部品の配置⑵
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2) システムブロック
⑴ 両側パワースライドドアシステム図(図-3)
図-3 両側パワースライドドアシステム図
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⑵ 右側のみのパワースライドドアシステム図(図-4)
図-4 右側のみのパワースライドドアシステム図
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3) 構成部品の構造・機能及び作動
⑴ 主要構成部品の機能
構成部品 機 能
スライドドアモータユニットLH/RH*1
スライドドア駆動モータ パワースライドドアECUにより制御され、スライドドアを開閉する。マグネットクラッチ スライドドア駆動モータの動力伝達/遮断を行う。パルスセンサ スライドドア作動状態を検出する。
パワースライドドアECU 入力信号をもとに、スライドドア駆動モータ、マグネットクラッチ及びクローザモータを駆動し、システムを制御する。
ブザー システム作動時及び異常時に吹鳴する。スライドドアロックASSY FR LH/RH スライドドア全閉時、スライドドアを全閉位置でロックする。
スライドドアロックASSY LH/RH
クローザモータ
・パワースライドドアECUの制御により駆動し、スライドドアを半ドア状態から全閉状態にする。
・スライドドアロックASSY LH/RH、スライドドアロックASSY LH/RH及びスライドドアフルオープンストップロックASSY LH/RHのロック状態を解除する。
ハーフラッチスイッチ ラッチ位置を検出する。フルラッチスイッチ ラッチ位置を検出する。ポールスイッチ ポールとラッチの噛み具合を検出する。元位置スイッチ クローザモータ位置を検出する。
スライドドアインサイドハンドルASSY LH/RH
インサイドハンドルスイッチ(OPEN/CLOSE)
スライドドアインサイドハンドルの操作有無を検出し、パワースライドドアECUへ出力する。
アウトサイドハンドルスイッチ スライドドアアウトサイドハンドルの操作有無を検出し、パワースライドドアECUへ出力する。
リヤドアアウトサイドハンドルカバーLH/RH*1
ワンタッチスイッチ スライドドアオープン/クローズ操作信号を、パワースライドドアECUへ送信する。
スライドドアフルオープンストップロックASSY LH/RH スライドドア全開時、スライドドアを全開位置でロックする。
スライドドアハーフオープンストッパコントロールASSY
フューエルリッド開検出スイッチ(ドアロックコントロールスイッチ)
フューエルリッド開閉状態を検出し、パワースライドドアECUへ出力する。
タッチセンサLH/RH*1(パワースライドドアセンサASSY LH/RH*1)
スライドドアクローズ作動中の挟み込みを検出し、パワースライドドアECUへ送信する。
ドアコントロールスイッチASSY・パワースライドドアメインスイッチ・スライドドアスイッチLH(OPEN/CLOSE)・スライドドアスイッチRH(OPEN/CLOSE)*1
・システムON/OFF信号を、パワースライドドアECUへ送信する。・スライドドアオープン/クローズ操作信号を、メインボデーECU(マルチプレックスネットワークボデーコンピュータ)へ送信する。
メインボデーECU(マルチプレックスネットワークボデーコンピュータ)
各スイッチ及び各コンピュータからの信号を、パワースライドドアECUへ送信する。
ハイブリッドビークルコンピュータASSY シフトポジション信号を、メインボデーECU(マルチプレックスネットワークボデーコンピュータ)へ送信する。
ブレーキブースタASSY(マスタシリンダツキ)
スキッドコントロールコンピュータ
ストップランプスイッチASSY信号を、メインボデーECU(マルチプレックスネットワークボデーコンピュータ)へ送信する。
コンビネーションメータASSY 車速信号を、メインボデーECU(マルチプレックスネットワークボデーコンピュータ)へ送信する。
照合ECU(スマートキーコンピュータASSY)*2
電子キー(エレクトリカルキートランスミッタSUB-ASSY)からの信号をスマートドアコントロールレシーバASSYから受信し、メインボデーECU(マルチプレックスネットワークボデーコンピュータ)へ送信する。
スマートドアコントロールレシーバASSY*2電子キー(エレクトリカルキートランスミッタSUB-ASSY)からの信号を受信し、照合ECU(スマートキーコンピュータASSY)へ送信する。
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構成部品 機 能
ドアコントロールレシーバ *3ワイヤレスキー(ドアコントロールトランスミッタ)からの信号を受信し、メインボデーECU(マルチプレックスネットワークボデーコンピュータ)へ送信する。
電子キー(エレクトリカルキートランスミッタSUB-ASSY)*2
パワースライドドアスイッチを押すことにより、照合ECU(スマートキーコンピュータASSY)へスライドドア開閉要求信号を送信する。
ワイヤレスキー(ドアコントロールトランスミッタ)*3 パワースライドドアスイッチを押すことにより、ドアコントロールレシーバへスライドドア開閉要求信号を送信する。
パーキングブレーキスイッチASSYパーキングブレーキの解除/未解除を検知し、ON/OFF信号をメインボデーECU(マルチプレックスネットワークボデーコンピュータ)へ送信する。
ストップランプスイッチASSY ブレーキの操作状態を検出し、スキッドコントロールコンピュータへ送信する。
*1:両側パワースライドドア装着車*2:スマートエントリー&スタートシステム装着車*3:スマートエントリー&スタートシステム非装着車
⑵ 主要構成部品の作動
イ スライドドアモータユニット(図-5)
・スライドドア駆動モータは、モータ本体、マグネットクラッチで構成されており、マグネットクラッチ外周部に設置された64極のマグネットの位置をパルスセンサがパルス信号として検出し、これを入力したパワースライドドアECUがスライドドアの開閉速度・位置・進行方向(開閉方向)を検知する。・スライドドア駆動モータの駆動によりドラムを回転させ、ケーブルを開き方向または閉じ方向に巻き取ることでスライドドアを開閉させる。
図-5 スライドドアモータユニット
スライドドア速度検出方法
パワースライドドアECUは、スライドドア駆動モータ内のパルスセンサAが出力するパルスの間隔からモータの回転速度の変化を検出することで、スライドドアの移動速度及び移動速度の変化を検出している。
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スライドドア挟み込み検出方法(図-6)
・パワースライドドアECUは、スライドドア駆動モータ内のパルスセンサ及びスライドドア駆動モータ電流値によりスライドドアに過負担がかかっていることを検出している。・過負荷の検出は、電流値の変化に応じて一定の間隔で補正される。
図-6 スライドドア挟み込み検出方法
スライドドア位置検出方法(図-7)
パワースライドドアECUは、パルスセンサAが出力する1周期のパルスをカウントすることで、スライドドアの移動量を検知している。これと合わせて、パルスセンサBが出力するモータの回転方向によって異なるパルスの周期を検出することでスライドドアの移動方向を検知し、これらを記憶することにより現在のスライドドアの位置を認識している。
図-7 スライドドア位置検出方法
ロ スライドドアロックASSY(図-8)
スライドドアロックASSY FR、スライドドアロックASSY及びスライドドアフルオープンストップロックASSYを、スライドドア前後に配置した。各スライドドアロックは、スライドドアインサイドハンドルASSYとケーブルで連結されている。
図-8 スライドドアASSY
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イージークローザ機能(図-10)
①パワースライドドアECUがハーフラッチスイッチOFFを検出すると、約1秒後にクローザモータを正転させる。同時にポールスイッチがOFFとなる。②クローザモータが中立位置を外れると、元位置スイッチ(クローザ側)がONとなる。その後、スライドドアが全閉状態になり、フルラッチスイッチ及びポールスイッチがOFFになると、クローザモータを停止させる。③スライドドア全閉後、クローザモータ位置を中立位置へ戻すため、パワースライドドアECUは元位置スイッチ(クローザ側)がOFFするまで、クローザモータを逆転させる。④クローザモータの正転作動が約3秒以内に完了しない場合は、逆転作動に移行する。逆転作動が約1.5秒以内に完了しない場合は、再度正転作動に移行し、約1.5秒後に停止する。
図-10 イージークローザ作動時タイミングチャート
元位置スイッチ
元位置スイッチは、クローザモータ位置を検出する。
スイッチ状態 クローザモータ位置O N クローザモータが中立範囲にない状態OFF クローザモータが中立範囲にある状態
ラッチスイッチ、ポールスイッチ(図-9)
ラッチスイッチは、フルラッチスイッチとハーフラッチスイッチで構成され、ラッチ位置を検出する。
スイッチ スイッチ状態
フルラッチスイッチ
O N フルラッチ位置より開方向OFF フルラッチ位置
ハーフラッチスイッチ
O N ハーフラッチ位置より開方向OFF ハーフラッチ位置またはフルラッチ位置
ポールスイッチは、ラッチのかん合を検出する。
スイッチ状態 ドアの状態O N ラッチが噛んでいないOFF ラッチが噛んでいる 図-9 ラッチスイッチ、ポールスイッチ
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リリース機能(図-11)
スライドドアスイッチ、電子キー(エレクトリカルキートランスミッタSUB-ASSY)*1、ワイヤレスキー(ドアコントロールトランスミッタモジュールセット)*2またはワンタッチスイッチによるパワースライドドアオープン作動時、スライドドアロックASSY FR及びスライドドアロックASSYの解除をクローザモータの駆動により行う。また、クローズ作動時には、スライドドアフルオープンストップロックASSYを解除する。*1:スマートエントリー&スタートシステム装着車
*2:スマートエントリー&スタートシステム非装着車
図-11 オートオープン作動時タイミングチャート
ハ スライドドアインサイド(アウトサイド)ASSY(図-12)
スライドドアインサイドハンドルASSYに、スライドドアインサイドハンドル及びスライドドアアウトサイドハンドルの操作を検出するインサイドハンドルスイッチ及びアウトサイドハンドルスイッチを内蔵した。
図-12 スライドドアインサイド(アウトサイド)ASSY
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スライドドアインサイドハンドル操作によるオープン作動(スライドドアロックASSY FR及びスライド
ドアロックASSY解除)(図-13)
①スライドドアインサイドハンドルの操作により、スライドドアインサイドハンドルに連結されているNo.1ロッドが矢印(No.1ロッド作動方向)の方向へ作動する。②上記①により、No.3コントロールレバーが矢印(No.3コントロールレバー回転方向)の方向へ回転し、インサイドハンドルスイッチOPENがONとなる。③上記②と同時に、No.2コントロールレバーが矢印(No.2コントロールレバー回転方向)の方向に回転することにより、スライドドアフロントロックケーブルとスライドドアリヤロックケーブルを引き、スライドドアロックASSY FR及びスライドドアロックASSYのロックが解除される。
図-13 スライドドアインサイドハンドル操作によるオープン作動
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スライドドアインサイドハンドル操作によるクローズ作動(スライドドアフルオープンストップロック
ASSY解除)(図-14)
①スライドドアインサイドハンドルの操作により、スライドドアインサイドハンドルに連結されているNo.2ロッドが矢印(No.2ロッド作動方向)の方向へ作動する。②上記①により、No.3コントロールレバーが矢印(No.3コントロールレバー回転方向)の方向へ回転し、インサイドハンドルスイッチCLOSEがONとなる。③上記②と同時に、No.6コントロールレバーが矢印(No.6コントロールレバー回転方向)の方向に回転することにより、全開ロックケーブルを引き、スライドドアフルオープンストップロックASSYのロックが解除される。
図-14 スライドドアインサイドハンドル操作によるクローズ作動
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スライドドアアウトサイドハンドル操作(スライドドアロックASSY FR、スライドドアロックASSY、ス
ライドドアフルオープンストップロックASSY解除)(図-15)
①スライドドアアウトサイドハンドルの操作により、スライドドアロックASSY FRに連結されているスライドドアロックオープンロッドが矢印(スライドドアロックオープンロッド作動方向)の方向へ作動する。②上記①により、スライドドアロックASSY FRのベルクランクが矢印(ベルクランク回転方向)の方向へ回転し、アウトサイドハンドルケーブルを矢印(アウトサイドハンドルケーブル作動方)の方向へ引く。③アウトサイドハンドルケーブルが引かれることにより、No.5コントロールレバーが矢印(No.5コントロールレバー回転方向)の方向へ回転し、アウトサイドハンドルスイッチをONにする。④上記③と同時に、No.6コントロールレバーとNo.2コントロールレバーが矢印(No.6コントロールレバー及びNo.2コントロールレバー回転方向)の方向に回転することにより、スライドドアフロントロックケーブル、スライドドアリヤロックケーブル及び全開ロックケーブルを引き、スライドドアロックASSY FR、スライドドアロックASSY及びスライドドアフルオープンストップロックASSYのロックを解除する。
図-15 スライドドアアウトサイドハンドル操作
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ニ フューエルリッドインターロック(図-16)
・フューエルリッドインターロックは、フューエルリッドが開いている場合に、ボデー側のスライドドアハーフオープンストッパSUB-ASSYと、スライドドアを干渉させ、左側スライドドアがフューエルリッドに干渉する位置まで開かないよう規制する機構である。・左側スライドドアがオートオープン作動中にフューエルリッドが開いた場合、パワースライドドアECUはスライドドア駆動モータを停止させる。停止状態から約1秒以内にスライドドアが移動した場合、強ブレーキ制御へ移行する。参考 スライドドア全閉状態でフューエルリッドが開いている場合、スライドドアをオートオープンすることはで
きない。
図-16 フューエルリッドインターロック
ホ タッチセンサASSY(図-17)
このセンサは導電ゴムを内蔵し、挟み込み等によりセンサが圧縮された場合、導電ゴムが接触してセンサ抵抗値が変化する。
図-17 タッチセンサASSY
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パワースライドドアスイッチ(図-19)
・スイッチを長押しして開閉する。・開閉作動中に再度スイッチを押すと、停止する。①閉める(助手席側)②開ける(助手席側)③閉める(運転席側)④開ける(運転席側)
へ ドアコントロールスイッチ(図-18)
パワースライドドアメインスイッチ
①OFF :スライドドアを手動で開閉できる。②ON : パワースライドドアをワイヤレスリモコン/スラ
イドドアハンドル/インサイドドアハンドル/パワースライドドアスイッチで開閉できる。
図-18 ドアコントロールスイッチ
図-19 パワースライドドアスイッチ
4) 制御内容
⑴ システム制御一覧
制 御 概 要
自動開閉制御
下記のいずれかを操作することにより、スライドドアを自動的に開閉する。・ドアコントロールスイッチASSYのスライドドアスイッチ(OPEN/CLOSE)・電子キー(エレクトリカルキートランスミッタSUB-ASSY)*1またはワイヤレスキー(ドアコントロールトランスミッタ)*2のパワースライドドアスイッチ
・スライドドアインサイドハンドルまたはスライドドアアウトサイドハンドル・ワンタッチスイッチ
挟み込み防止制御 自動開閉作動中、スライドドアに過負荷がかかった場合や挟み込みを検知した場合、パワースライドドア開閉作動を反転・停止する。
途中停止制御
自動開閉作動中、下記のいずれかを操作するとスライドドア作動を停止し、マグネットクラッチを保持する。・ドアコントロールスイッチASSYのスライドドアスイッチ(OPEN/CLOSE)・電子キー(エレクトリカルキートランスミッタSUB-ASSY)*1またはワイヤレスキー(ドアコントロールトランスミッタ)*2のパワースライドドアスイッチ
・スライドドアインサイドハンドルまたはスライドドアアウトサイドハンドル・ワンタッチスイッチ
ブレーキ制御 スライドドア開閉時(スライドドアメインスイッチOFF時を含む)、スライドドア移動速度が規定以上になった場合、マグネットクラッチを作動して、スライドドア移動速度を減速する。
強ブレーキ制御 システム異常等によりマニュアルモード(手動開閉モード)へ移行した時、スライドドア移動速度が規定以上になった場合、マグネットクラッチを作動して、スライドドア移動速度を減速する。
断続クラッチ制御 スライドドア開閉作動中、パルスセンサ異常を検出した場合、マグネットクラッチを断続的に作動して、スライドドア移動速度を減速する。
ドア移動速度制御 閉作動の閉め際及び開作動時の開け際は、挟み込み荷重低減のため、移動速度を遅く制御する。
*1:スマートエントリー&スタートシステム装着車*2:スマートエントリー&スタートシステム非装着車
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⑵ システム制御内容
イ 自動開閉制御
ドアコントロールスイッチASSYのスライドドアスイッチ(OPEN/CLOSE)操作
スイッチ操作 スライドドア状態 制 御
スライドドアスイッチOPEN ON(約0.5秒以上長押し)
全 閉 オートオープン*1全 開 作動しないパワースライドドア作動中(オープン) 途中停止パワースライドドア作動中(クローズ) 途中停止*2
スライドドアスイッチCLOSE ON(約0.5秒以上長押し)
全 閉 作動しない全 開 オートクローズ*1パワースライドドア作動中(オープン) 途中停止*2パワースライドドア作動中(クローズ) 途中停止
参考 *1:作動開始と同時にブザーを吹鳴(約0.8秒)する。
*2:スイッチ操作を検出すると、最大約3分間停止(マグネットクラッチ保持)する。
電子キー(エレクトリカルキートランスミッタSUB-ASSY)*1またはワイヤレスキー(ドアコントロールトランスミッタ)*2のパワースライドドアスイッチ、ワンタッチスイッチ操作
スイッチ操作 スライドドア状態 制 御
パワースライドドアスイッチON(約0.8秒以上長押し)
全 閉 オートオープン*3、*4全 開 オートクローズ*3、*4パワースライドドア作動中(オープン/クローズ) 停止*5
ワンタッチスイッチON(約0.3秒以上長押し)
全 閉 オートオープン*3全 開 オートクローズ*3パワースライドドア作動中(オープン/クローズ) 停止*5
参考 *1:スマートエントリー&スタートシステム装着車
*2:スマートエントリー&スタートシステム非装着車
*3:作動開始と同時にブザーを吹鳴(約0.8秒)する。
*4:IG ONまたは電子キー(エレクトリカルキートランスミッタSUB-ASSY)、ワイヤレスキー(ドアコントロールトランスミッタ)が車室内にある場合は、作動しない。
*5:スイッチ操作を検出すると、最大約3分間停止(マグネットクラッチ保持)する。
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ドアコントロールスイッチ/電子キー/ワイヤレスキーでの作動タイミングチャート
≪オートオープン≫(図-20)
図-20 ドアコントロールスイッチ/電子キー/ワイヤレスキーでの作動タイミングチャート(オートオープン)
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≪オートクローズ≫(図-21)
図-21 ドアコントロールスイッチ/電子キー/ワイヤレスキーでの作動タイミングチャート(オートクローズ)
インサイドハンドル及びアウトサイドハンドル操作
ハンドル操作 スライドドア状態 制 御
スライドドアインサイドハンドル後方(ドア開方向)に操作*1
全 閉 オートオープン*2全 開 作動しないパワースライドドア作動中(オープン) 途中停止パワースライドドア作動中(クローズ) 途中停止*3
スライドドアインサイドハンドル前方(ドア閉方向)に操作*1
全 閉 作動しない全 開 オートクローズ*2パワースライドドア作動中(オープン) 途中停止*3パワースライドドア作動中(クローズ) 作動しない
スライドドアアウトサイドハンドル引く
全 閉 オートオープン*2全 開 オートクローズ*2パワースライドドア作動中(オープン) 途中停止*3パワースライドドア作動中(クローズ) 途中停止*3
参考 *1:スライドドア全閉からのハンドル操作は、ラッチが確実に解除する(半ドア状態になる)まで操作する。*2:作動開始と同時にブザーを吹鳴(約0.8秒)する。
*3:ハンドル操作を検出すると、最大約3分間停止(マグネットクラッチ保持)する。
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インサイドハンドル/アウトサイドハンドルでの作動タイミングチャート
≪オートオープン≫(図-22)
図-22 インサイドハンドル/アウトサイドハンドルでの作動タイミングチャート(オートオープン)
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≪オートクローズ≫(図-23)
図-23 インサイドハンドル/アウトサイドハンドルでの作動タイミングチャート(オートクローズ)
ロ 挟み込み防止制御
パワースライドドアECUは、タッチセンサ(パワースライドドアセンサASSY)及びスライドドア駆動モータ電流値変化から、パワースライドドアに過負荷がかかっていることを検知する。この場合、パワースライドドアECUは、パワースライドドアを反転して停止する。
検出方法 制 御
タッチセンサ(パワースライドドアセンサASSY)出力信号 パワースライドドア作動中(クローズ) 100mm反転して停止*
スライドドア駆動モータ電流値変化パワースライドドア作動中(クローズ) 100mm反転して停止*
パワースライドドア作動中(オープン) 100mm反転して停止*
参考 *: 最大約30分間停止(マグネットクラッチ保持)する。30分経過した場合、バッテリ上がり防止のため、約2
秒ブザーを吹鳴し、強ブレーキ制御へ移行する。
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ハ ブレーキ制御
・手動による開閉操作やスライドドアの自重により、スライドドア移動速度が規定速度以上になった場合、マグネットクラッチを作動することにより、スライドドア移動速度を減速する。・ブレーキ制御は、パワースライドドアメインスイッチのON/OFFに関わらず作動する。・下記条件が全て成立し、スライドドア移動速度が規定以上(約1m/秒程度)の時、ブレーキ制御を開始する。また、スライドドアを全閉にすることで、ブレーキ制御を終了する。
ブレーキ制御開始条件 スライドドア位置が全閉位置にない
ニ 強ブレーキ制御
・マニュアルモード(手動開閉モード)へ移行した時、スライドドア移動速度が規定以上になると、マグネットクラッチを作動して、スライドドア移動速度を減速する。・下記条件のいずれかが成立し、手動操作によるスライドドア移動速度が規定以上(約0.25m/秒程度)の時、強ブレーキ制御を開始する。
強ブレーキ制御開始条件
・スライドドアがオープン作動中、作動条件が不成立となった場合・スライドドアがクローズ作動中、作動条件が不成立となった場合・途中停止制御開始から一定時間経過した場合・途中停止制御中にパワースライドドアメインスイッチをOFFにした場合
・制御開始後、下記条件のいずれかが成立した場合、強ブレーキ制御を終了する。
強ブレーキ制御終了条件
・制御開始から約12秒経過した・スライドドアが約1秒間移動しない・イージークローザ機能が作動した(パワースライドドアメインスイッチONの場合)
・スライドドアが全閉となった
ホ 断続クラッチ制御
・パルスセンサ異常により、スライドドア移動速度が検出できない状態の時、マグネットクラッチを断続的に作動して、スライドドア移動速度を減速する。・下記条件が成立した場合、断続クラッチ制御を開始する。制御開始から約20秒経過、またはスライドドアを全閉にすることで、制御を終了する。
断続クラッチ制御開始条件 スライドドアオープンまたはクローズ作動中、パルスセンサ異常を検出した時
⑶ パワースライドドアシステム作動条件
イ 成立条件
下記条件の全てが成立した時、パワースライドドアシステムは作動可能となる。
IG ONの場合
・パワースライドドアメインスイッチON・フューエルリッド開検出スイッチ(ドアロックコントロールスイッチ)ON*1・スライドドアアンロック*2・シフトポジション「P」、またはストップランプスイッチASSY ON、またはパーキングブレーキスイッチONのいずれかが成立
・車速3km/h以下(オープン作動時のみ)・タッチセンサ(パワースライドドアセンサASSY)OFF(クローズ作動時のみ)
IG OFFの場合
・パワースライドドアメインスイッチON・フューエルリッド開検出スイッチ(ドアロックコントロールスイッチ)ON*1・スライドドアアンロック*2・車速3km/h以下(オープン作動時のみ)・タッチセンサ(パワースライドドアセンサASSY)OFF(クローズ作動時のみ)
参考 *1:スライドドアLHのみ対象です。スライドドアRHは、フューエルリッド開時も作動可能。*2:スライドドアが開いている場合は作動可能。
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ロ 不成立条件
作動条件が成立しない場合、パワースライドドアECUは、パワースライドドアの作動を停止し、内蔵のブザーを吹鳴することにより、ドライバーに報知する。
ドア状態 不成立作動条件 制 御 ブザー吹鳴
スライドドア停止→作動開始操作時
下記のいずれかが不成立・パワースライドドアメインスイッチON・フューエルリッド開検出スイッチ(ドアロックコントロールスイッチ)ON
作動開始せず 約0.13秒吹鳴を2回*1
下記のいずれかが不成立・スライドドアアンロック・シフトポジション「P」、またはストップランプスイッチASSY ON、またはパーキングブレーキスイッチONのいずれか
・作動開始せず・強ブレーキ制御*2 約0.13秒吹鳴を2回*3
車速3km/h以下・作動開始せず・途中停止制御(マグネットクラッチ保持)*4
約0.13秒吹鳴を2回*3
オープン作動中
下記のいずれかが不成立・パワースライドドアメインスイッチON・フューエルリッド開検出スイッチ(ドアロックコントロールスイッチ)ON
・作動停止・強ブレーキ制御 約2秒吹鳴を1回
車速3km/h以下・作動停止・途中停止制御(マグネットクラッチ保持)
約2秒吹鳴を1回
クローズ作動中
下記のいずれかが不成立・パワースライドドアメインスイッチON・フューエルリッド開検出スイッチ(ドアロックコントロールスイッチ)ON
・作動停止・強ブレーキ制御 約2秒吹鳴を1回
参考 *1:スライドドアハンドル(インサイド/アウトサイド)による作動開始時は、ブザー吹鳴しない。
*2: スライドドアハンドル(インサイド/アウトサイド)の手動による開閉操作時は、強ブレーキ制御へ移行する。その際のブザー吹鳴は約2秒。
*3: スライドドア全閉からスライドドアハンドル(インサイド/アウトサイド)によるオープン作動開始時に、「スライドドアアンロック」条件不成立の場合は、ブザー吹鳴しない。
*4: スライドドアハンドル(インサイド/アウトサイド)の手動による開閉操作時は、マグネットクラッチを保持する。その際のブザー吹鳴は約2秒。
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⑷ フェイルセーフ
システムに異常が発生した場合、フェイルセーフ機能が働く。異常要因に応じて強ブレーキ制御または断続クラッチ制御へ移行する。
異常発生 異常要因 システム作動 フェイルセーフ
作動条件判定中
タッチセンサ(パワースライドドアセンサ)断線*1 作動しない ブザー吹鳴(3秒間)後、強ブレーキ制
御へ移行*2
スライドドア駆動モータ位置異常 作動しない ブザー吹鳴(3秒間)後、断続クラッチ制御へ移行*3
オープン/クローズ作動中
タッチセンサ(パワースライドドアセンサ)断線*4 作動停止(スライドドア保持) ブザー吹鳴(3秒間)後、強ブレーキ制
御へ移行
スライドドア駆動モータ位置異常 作動停止(スライドドア保持) ブザー吹鳴(3秒間)後、断続クラッチ制御へ移行
スライドドア駆動モータ連続作動オーバータイム 作動停止(スライドドア保持) ブザー吹鳴(3秒間)後、強ブレーキ制
御へ移行マグネットクラッチ連続作動オーバータイム 作動停止 ブザー吹鳴(3秒間)後、強ブレーキ制
御へ移行スライドドア駆動モータ電流検知回路異常 作動停止(スライドドア保持) ブザー吹鳴(3秒間)後、強ブレーキ制
御へ移行
パルスセンサ異常 作動停止(スライドドア保持) ブザー吹鳴(3秒間)後、断続クラッチ制御へ移行
参考 *1:クローズ作動開始条件判定中のみ。
*2: スライドドアハンドル(インサイド/アウトサイド)の手動による開閉操作時は、強ブレーキ制御へ移行する。
*3: スライドドアハンドル(インサイド/アウトサイド)の手動による開閉操作時は、断続クラッチ制御へ移行する。
*4:クローズ作動中のみ。
3 点検・整備
1) 外部診断器(以下、GTS)を使用したダイアグコードの表示・消去方法
⑴ 表示方法
①GTSをDLC3に接続する。②IG ONにする。③ダイアグコードを読み取る。[ボデー>RL席ドア/RR席ドア>ダイアグコード(読み取り)]参考 ダイアグコードは、IG OFFでも出力する。
⑵ 消去方法
①GTSをDLC3に接続する。②IG ONにする。③ダイアグコードを消去する。[ボデー>RL席ドア/RR席ドア>ダイアグコード(消去)]注意 消去できない場合は、もう一度IG OFF状態からやり直す。
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⑶ ダイアグコード一覧表
DTC No. 診断項目B2223 RR席PSDパルスセンサ異常B2224 RL席PSDパルスセンサ異常B222C RR席PSDタッチセンサ系統B222D RL席PSDタッチセンサ系統B222E RR席PSD駆動モータ電流系統B222F RL席PSD駆動モータ電流系統B2254 RRドアクローザSW異常B2255 RLドアクローザSW異常B225E RR席PSDクローザ中立SW異常(クローズ側)B225F RL席PSDクローザ中立SW異常(クローズ側)B2260 RR席PSDクローザ中立SW異常(オープン側)B2261 RL席PSDクローザ中立SW異常(オープン側)U0101 ECT ECU通信異常U0122 VSC(ECB) ECU通信異常U0142 メインボデー通信途絶U0155 メータECU通信異常U1117 用品ゲートウェイ通信異常
⑷ データモニタ
GTSを使用して、データモニタにより、良否の判定及び不具合箇所の絞り込みを行う。[ボデー>RL席ドア>データモニタ]
項目名 項目説明 表示範囲 標準値 備 考
ポールSW スライドドアロックASSY LHのポールスイッチ状態 ON-OFF
O N :スライドドアロックASSY LHのポールスイッチON時
OFF :スライドドアロックASSY LHのポールスイッチOFF時
・タイミングチャートを参照*
・スライドドアロックASSY LHのポールスイッチ系統が異常
ハーフラッチSW
スライドドアロックASSY LHのハーフラッチスイッチ状態
ON-OFF
O N :スライドドアロックASSY LHのハーフラッチスイッチON時
OFF:スライドドアロックASSY LHのハーフラッチスイッチOFF時
・タイミングチャートを参照*
・スライドドアロックASSY LH のハーフラッチスイッチ系統が異常
フルラッチSW
スライドドアロックASSY LHのフルラッチスイッチ状態
ON-OFF
O N :スライドドアロックASSY LHのフルラッチスイッチON時
OFF :スライドドアロックASSY LHのフルラッチスイッチOFF時
・タイミングチャートを参照*
・スライドドアロックASSY LHのフルラッチスイッチ系統が異常
中立クローズSW
スライドドアロックASSY LHの元位置スイッチ(クローズ)状態
ON-OFF
O N :スライドドアロックASSY LHの元位置スイッチ(クローズ)ON時
OFF :スライドドアロックASSY LHの元位置スイッチ(クローズ)OFF時
・タイミングチャートを参照*
・スライドドアロックASSY LHの元位置スイッチ(クローズ)系統が異常
中立リリースSW
スライドドアロックASSY LHの元位置スイッチ(リリース)状態
ON-OFF
O N :スライドドアロックASSY LHの元位置スイッチ(リリース)ON時
OFF :スライドドアロックASSY LHの元位置スイッチ(リリース)OFF時
・タイミングチャートを参照*
・スライドドアロックASSY LHの元位置スイッチ(リリース)系統が異常
- -25
トヨタ
項目名 項目説明 表示範囲 標準値 備 考
PSDタッチセンサ
パワースライドドアセンサASSY LHの状態 ON-OFF-異常
O N :パワースライドドアセンサASSY LH ON時(センサを押し込んでいる)
OFF :パワースライドドアセンサASSY LH OFF時(センサを離している)
異常 :パワースライドドアセンサASSY LH系統異常時
パワースライドドアセンサASSY LH系統が異常
インサイドハンドル(閉)
インサイドハンドル(クローズスイッチ)の状態 ON-OFF
O N :インサイドハンドル(クローズスイッチ)操作時
OFF :インサイドハンドル(クローズスイッチ)未操作時
インサイドハンドル(クローズスイッチ)系統が異常
インサイドハンドル(開)
インサイドハンドル(オープンスイッチ)の状態 ON-OFF
O N :インサイドハンドル(オープンスイッチ)操作時
OFF :インサイドハンドル(オープンスイッチ)未操作時
インサイドハンドル(オープンスイッチ)系統が異常
PSDメインSW
ドアコントロールスイッチASSY(パワースライドドアメインスイッチ)またはスライドドアハーフオープンストッパコントロールASSY(フューエルリッド開検出スイッチ)の状態
ON-OFF
O N :ドアコントロールスイッチASSY(パワースライドドアメインスイッチ)及びスライドドアハーフオープンストッパコントロールASSY(フューエルリッド開検出スイッチ)ON
OFF :ドアコントロールスイッチASSY(パワースライドドアメインスイッチ)またはスライドドアハーフオープンストッパコントロールASSY(フューエルリッド開検出スイッチ)OFF
ドアコントロールスイッチASSY(パワースライドドアメインスイッチ)またはスライドドアハーフオープンストッパコントロールASSY(フューエルリッド開検出スイッチ)系統が異常
サイドリフタSW
回転原点位置スイッチの状態 ON-OFF
O N :リミットスイッチNO.1(回転原点位置スイッチ)ON
OFF :リミットスイッチNO.1(回転原点位置スイッチ)OFF
GTS画面には表示されるが機能なし
ドアセンサ1 ドアセンサ1の状態 ON-OFF パワースライドドア作動中にON-OFFを繰り返す -
ドアセンサ2 ドアセンサ2の状態 ON-OFF パワースライドドア作動中にON-OFFを繰り返す -
電源電圧 電源電圧の状態 0 to 25.5[V] 11 to 14V -ドア位置 スライドドア位置の状態 0 to 65535[パルス] 現在のスライドドア位置を表示 -ワンタッチオープン/クローズSW
ワンタッチスイッチの状態 ON-OFF O N :ワンタッチスイッチONOFF :ワンタッチスイッチOFF
ワンタッチスイッチ系統が異常
D席操作SW(PSD開)
ドアコントロールスイッチASSYの状態 ON-OFF
O N :ドアコントロールスイッチASSY ON
OFF :ドアコントロールスイッチASSY OFF
ドアコントロールスイッチASSY系統が異常
D席操作SW(PSD閉)
ドアコントロールスイッチASSYの状態 ON-OFF
O N :ドアコントロールスイッチASSY ON
OFF :ドアコントロールスイッチASSY OFF
ドアコントロールスイッチASSY系統が異常
PSDスライドモータ作動状態
パワースライドモータ作動状態
停止-開作動中-閉作動中
パワースライドモータ作動状態を表示 -
PSDクラッチ作動状態 マグネットクラッチ状態 解除-接続 マグネットクラッチの作動状態を
表示 -
- -26
トヨタ
項目名 項目説明 表示範囲 標準値 備 考PSDブザー吹鳴状態 ブザー吹鳴状態 停止-吹鳴 ブザー吹鳴状態を表示 -
PSDラッチ作動状態 ラッチスイッチ作動状態 停止-リリース方
向-クローズ方向 ラッチスイッチ作動状態を表示 -
PSD全開信号出力状態
スライドドア全開信号出力状態 ON-OFF
O N :スライドドア全開信号出力(全開状態)
OFF :スライドドア全開信号未出力(全開以外の状態)
GTS画面には表示されるが機能なし
アウトサイドPSD SW
アウトサイドハンドルスイッチ状態 ON-OFF
O N :アウトサイドハンドル操作時
OFF :アウトサイドハンドル未操作時
アウトサイドハンドルスイッチ系統が異常
ワイヤレスSW RL作動設定 ワイヤレス作動の設定状態
OFF-1回押/ロック解除無し-2回押/ロック解除無し-長押/ロック解除無し-2回押/ロック解除有り-長押/ロック解除有り
現在のカスタマイズ設定を表示 -
ワンタッチオープン/クローズSW RL 作動設定
ワンタッチスイッチの設定状態
短押し(0.3 秒)-中押(0.5 秒)-長押(0.8秒)
現在のカスタマイズ設定を表示 -
ダイアグコード数
現在ダイアグと過去ダイアグの数 0 to 255[個] 正常時は0
異常時は0以外 -
⑸ アクティブテスト
GTSを使用して、アクティブテストにより、良否の判定及び不具合箇所の絞り込みを行う。[ボデー>RL席ドア>アクティブテスト]
項目名 駆動範囲 備 考PSDモータ OFF-正転-逆転 -PSDクラッチ OFF-ON -PSDブザー 停止-吹鳴 -ラッチ作動(リリース方向) クローズ-オープン -スライドドア全開信号 OFF-ON GTS画面には表示されるが機能なし
2) 機能点検方法
⑴ 機能点検方法
イ 作動前条件
IG ON時の作動条件(右側スライドドア)(右側パワースライドドア付き)下記の①~④作動条件成立を確認
①ドアコントロールスイッチASSY(パワースライドドアメインスイッチ)ON②スライドドアアンロック状態(ロックポジションスイッチON時)③車速3km/h以下
④いずれかの条件成立時・シフト位置Pポジション・ブレーキ踏み込み時(ストップランプスイッチON時)・パーキングブレーキ踏み込み時(パーキングブレーキスイッチON時)
- -27
トヨタ
IG ON時の作動条件(左側スライドドア)下記の①~⑤作動条件成立を確認
①ドアコントロールスイッチASSY(パワースライドドアメインスイッチ)ON②スライドドアアンロック状態(ロックポジションスイッチON時)③車速3km/h以下④フューエルリッド閉状態(スライドドアハーフオープンストッパコントロールASSY ON時)
⑤いずれかの条件成立時・シフト位置Pポジション・ブレーキ踏み込み時(ストップランプスイッチON時)・パーキングブレーキ踏み込み時(パーキングブレーキスイッチON時)
IG OFF時の作動条件(右側スライドドア)(右側パワースライドドア付き)下記の①~②作動条件成立を確認
①ドアコントロールスイッチASSY(パワースライドドアメインスイッチ)ON②スライドドアアンロック状態(ロックポジションスイッチON時)
IG OFF時の作動条件(左側スライドドア)下記の①~③作動条件成立を確認
①ドアコントロールスイッチASSY(パワースライドドアメインスイッチ)ON②スライドドアアンロック状態(ロックポジションスイッチON時)③フューエルリッド閉状態(スライドドアハーフオープンストッパコントロールASSY ON時)
ロ 基本作動点検
注意 作動点検を行う前にパワースライドドアシステムのカスタマイズが初期設定(修理書参照)になっていること
を確認。
スライドドアが全閉状態でドアコントロールスイッチASSY(オープンスイッチ)を0.5秒以上押したとき、ブザーが約0.8秒間吹鳴し、スライドドアが開作動を行うことを確認する。
スライドドアが全開の状態でドアコントロールスイッチASSY(クローズスイッチ)を0.5秒以上押したとき、ブザーが約0.8秒間吹鳴し、スライドドアが閉作動を行うことを確認する。
スライドドアが全閉または全開の状態で電子キーを0.8秒以上操作したとき、ブザーが約0.8秒間吹鳴し、スライドドアが開または閉作動を行うことを確認する。
スライドドアが全閉または全開の状態でインサイドハンドルを操作したとき、ブザーが約0.8秒間吹鳴し、スライドドアが開または閉作動を行うことを確認する。注意 チャイルドドアロックがロック状態及びスライドドア全閉時、インサイドハンドルでのスライドドア開作動
はできない。
スライドドアが全閉または全開の状態でアウトサイドハンドルを操作したとき、ブザーが約0.8秒間吹鳴し、スライドドアが開または閉作動を行うことを確認する。
スライドドアが全閉または全開の状態でリヤドアアウトサイドハンドルカバー内ワンタッチスイッチを0.3秒以上押したとき、ブザーが約0.8秒間吹鳴し、スライドドアが開または閉作動を行うことを確認する。
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トヨタ
ハ ワンモーション作動点検
注意 ・ワンモーション作動点検を行う前にパワースライドドアシステムのカスタマイズ“ワイヤレスSW RL作動
設定”及び“ワイヤレスSW RR作動設定”が“2回押し/ロック解除有り”または“長押し/ロック解除有り”に
なっていることを確認する。
・ワンモーション作動点検を行う前にパワースライドドアシステムの“ワンタッチオープン/クローズSW RR
作動設定”及び“ワンタッチオープン/クローズSW RL作動設定”が“短押(0.3秒)、中押(0.5秒)または長押
(0.8秒)”になっていることを確認する。
ワイヤレスワンモーション機能全ドアロック状態で電子キーを操作したとき、操作した側のドアがアンロックし、スライドドアが開作動することを確認する。
スマートワンモーション機能(スマートエントリー&スタートシステム付き車)全ドアロック状態で電子キーを携帯し、リヤドアアウトサイドハンドルカバー内ワンタッチスイッチを押したとき、全ドアがアンロックし、スライドドアが開作動することを確認する。
ニ 開閉作動中に他入力検出時の作動
スライドドア閉作動途中にドアコントロールスイッチASSY(オープンスイッチ)を操作をした場合、ブザーが約0.2秒間吹鳴しスライドドアが停止することを確認する。また、再度ドアコントロールスイッチASSY(オープンスイッチ)を操作した場合、ブザーが約0.8秒間吹鳴し開作動を開始することを確認する。
スライドドア開作動途中にドアコントロールスイッチASSY(クローズスイッチ)を操作した場合、ブザーが約0.2秒間吹鳴しスライドドアが停止することを確認する。また、再度ドアコントロールスイッチASSY(クローズスイッチ)を操作した場合、ブザーが約0.8秒間吹鳴し閉作動を開始することを確認する。
スライドドア開閉作動途中に電子キーを操作をした場合、ブザーが約0.2秒間吹鳴しスライドドアが停止することを確認する。また、再度電子キーを操作した場合、ブザーが約0.8秒間吹鳴し開作動を開始することを確認する。
スライドドア閉作動途中にインサイドハンドル(オープンスイッチ)を操作をした場合、ブザーが約0.2秒間吹鳴しスライドドアが停止することを確認する。また、再度インサイドハンドル(オープンスイッチ)を操作した場合、ブザーが約0.8秒間吹鳴し開作動を開始することを確認する。
スライドドア開作動途中にインサイドハンドル(クローズスイッチ)を操作をした場合、ブザーが約0.2秒間吹鳴しスライドドアが停止することを確認する。また、再度インサイドハンドル(クローズスイッチ)を操作した場合、ブザーが約0.8秒間吹鳴し閉作動を開始することを確認する。
スライドドア開閉作動途中にアウトサイドハンドルを操作をした場合、ブザーが約0.2秒間吹鳴しスライドドアが停止することを確認する。また、再度アウトサイドハンドルを操作した場合、ブザーが約0.8秒間吹鳴し反転作動を開始することを確認する。
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トヨタ
スライドドア開閉作動途中にワンタッチスイッチを操作をした場合、ブザーが約0.2秒間吹鳴しスライドドアが停止することを確認する。また、再度ワンタッチスイッチを操作した場合、ブザーが約0.8秒間吹鳴し反転作動を開始することを確認する。
ホ 開閉作動途中に作動条件から外れたときの作動
スライドドアが開閉作動途中に下記のいずれかの作動条件から外れた場合、開閉作動を停止し、ブザーを約2秒間吹鳴させた後、約12秒間ブレーキ制御に移行することを確認する。
・ドアコントロールスイッチASSY(パワースライドドアメインスイッチ)ON・フューエルリッド閉状態(スライドドアハーフオープンストッパコントロールASSY ON時)(左側スライドドアのみ)・車速3km/h以下(車速条件は開作動のみ)
へ 作動条件を満たしていない場合の作動
下記のいずれかの作動条件が満たされていない状態で、オープン/クローズ操作した場合、ブザーが約0.13秒間2回吹鳴し、作動しないことを確認する。参考 インサイドハンドルまたはアウトサイドハンドルによるオープン/クローズ操作ではブザー吹鳴しない。
・ドアコントロールスイッチASSY(パワースライドドアメインスイッチ)ON・フューエルリッド閉状態(スライドドアハーフオープンストッパコントロールASSY ON時)(左側スライドドアのみ)
下記のいずれかの作動条件が満たされていない状態で、オープン/クローズ操作した場合、ブザーが約0.13秒間2回吹鳴し、作動しないことを確認する。参考 ・インサイドハンドルまたはアウトサイドハンドルによるオープン/クローズ操作された場合、ブレーキ制
御に移行する。
・ドア全閉及びスライドドアロック状態で、インサイドハンドルまたはアウトサイドハンドルによるオープ
ン操作された場合、ブザー吹鳴しない。
・スライドドアアンロック状態(ロックポジションスイッチON時)・車速3km/h以下・シフト位置Pポジション、ブレーキ踏み込み時(ストップランプスイッチON時)及びパーキングブレーキ踏み込み時 (パーキングブレーキスイッチON時)
ト 挟み込み防止機能点検
スライドドア開作動時の挟み込み防止機能点検参考 スライドドアが開作動中にパワースライドドアセンサASSY(タッチセンサ)に触れてもスライドドアは反転
作動しない。
①スライドドアを開作動させる。②スライドドア開作動中、全開付近(全開約20cm手前)で手などを用いて阻止(作動スピードを遅くする)した場合、スライドドアの作動が停止することを確認する。また、全開手前20cmより閉側で手などを用いて阻止(作動スピードを遅くする)した場合、ブザーが約2秒間吹鳴しスライドドアが反転作動することを確認する。スライドドア閉作動時の挟み込み防止機能点検注意 パワースライドドアセンサASSY(タッチセンサ)の点検を行うときは、手などを挟み込まれないように十分
注意して作業する。
①スライドドアを閉作動させる。②スライドドアの閉作動中、手などで阻止(作動スピードを遅くする)した場合、ブザーが約2秒間吹鳴しスラ
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トヨタ
イドドアが反転作動し、約100mm反転した位置で停止することを確認する。スライドドア閉作動時の挟み込み防止機能点検(タッチセンサ)注意 パワースライドドアセンサASSY(タッチセンサ)の点検を行うときは、手などを挟み込まれないように十分
注意して作業する。
①スライドドアを閉作動させる。②スライドドアが閉作動中または閉作動中の半ドア状態のとき、パワースライドドアセンサASSY(タッチセンサ)の一部に触れる(センサを圧縮する)と、ブザーが約2秒間吹鳴しスライドドアが反転作動し、約100mm反転した位置で停止することを確認する。
⑵ トラブルシュートの進め方
イ 車両入庫
結 果 飛び先次 へ ロ 問 診
ロ 問 診
参考 ・トラブルシューティング時、不具合現象を正確に確認し、正確な判断をするためにも先入観はもたないこと。
不具合現象を確認するために、不具合が発生した時の状況をお客様に尋ねることが大変重要になる。
・過去に起きた関係ないと思われるような不具合や修理履歴などは、時には役立つ場合もあるので、できる
だけ多く集め、不具合現象との関係を正確に把握することがトラブルシューティングをする上で必要である。
〔パワースライドドアシステム問診表〕
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トヨタ
結 果 飛び先次 へ ハ 作動要因の読み出し及び保存
ハ 作動要因の読み出し及び保存
GTSを使用して、作動要因一覧項目(修理書参照)を読み出し、保存する。[ボデー>RL席ドア/RR席ドア>作業サポート>作動要因分析]注意 ・入庫時の点検などで作動要因履歴を収集前に操作すると、過去の作動要因履歴が消えてしまうことがある。
・“作動要因履歴の読み出し”機能では、“GTS内現在時刻”及び“制御ECU内時間カウンター”から作動要因履
歴時間を算出する。そのため、作動要因履歴の読み出しを行う前にGTS内の現在時刻は正確に調整するこ
と。
結 果 飛び先次 へ ニ 現象確認
ニ 現象確認
問診に基づき、現象を確認する。
結 果 飛び先次 へ ホ 基本点検
ホ 基本点検
①補機バッテリ電圧を測定する。
結 果 11 to 14V(IG OFF時)
参考 ・車両ホーンを吹鳴することで、補機バッテリが消耗しているか確認できる。
・電圧が11V未満の場合、補機バッテリの再充電または交換を行う。
②部品配置図及び回路図などを参考にして、システム内のヒューズ切れ、ワイヤハーネス断線、短絡、コネクターの接続不良など目視で確認できる箇所の点検を行う。
結 果 飛び先次 へ ヘ CAN通信システム機能点検
ヘ CAN通信システム機能点検
GTSを使用して、CAN通信システムの通信機能点検を行い、通信系統に異常のないことを確認。結 果 飛び先
CAN通信システム正常の場合[ダイアグコード出力(CAN通信異常、ECU通信異常・通信途絶)なし] ト ダイアグコード確認
CAN通信システム異常の場合[ダイアグコード出力(CAN通信異常、ECU通信異常・通信途絶)あり] CAN通信システム
ト ダイアグコード確認
GTSを使用して、ダイアグコード出力がないことを確認する。[ボデー>RL席ドア/RR席ドア>ダイアグコード(読み取り)>作動要因分析]
結 果 飛び先ダイアグコード出力なし チ 症状別一覧ダイアグコード出力あり ダイアグコード一覧へ
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トヨタ
チ 症状別一覧(修理書参照)
結 果 飛び先症状別一覧に該当しない場合 リ 不具合現象に基づき以下の方法によるトラブルシューティングを行う症状別一覧に該当する場合 症状別一覧に基づき調整、修理または交換
リ 不具合現象に基づき以下の方法によるトラブルシューティングを行う
①機能点検②データモニタ/アクティブテスト確認③ECU端子配列
結 果 飛び先次 へ ヌ 調整、修理または交換
ヌ 調整、修理または交換
結 果 飛び先次 へ ル 確認テスト
3) GTSの活用による点検・整備
不具合が発生し、GTSによりダイアグコードが出力された場合は、ダイアグコード一覧表に従って点検・整備を行う。ダイアグコードが出力されない場合は、症状別一覧表(修理書参照)や機能点検に従い点検・整備を行う。ここでは、CAN通信系統異常、ドアコントロールスイッチ系統異常、パワースライドドアセンサ系統異常を例として点検・整備方法を説明する。
⑴ CAN通信系統異常
イ 症 状 ドアコントロールスイッチ/電子キー/ワイヤレスキー操作時、スライドドアが自動開作動しない
ロ 故障内容 CAN通信支線断線によりパワースライドドアECUが作動条件を確認できず、スライドドアの自動開作動ができない。
ハ 点検方法 GTSを使用
⑵ ドアコントロールスイッチ系統異常
イ 症 状 ドアコントロールスイッチ操作時、スライドドアが自動開作動しない
ロ 故障内容 ドアコントロールスイッチ内部断線により、ドアコントロールスイッチがOPEN入力できない
ハ 点検方法 機能点検/GTSを使用
⑶ パワースライドドアセンサ系統異常
イ 症 状 スライドドアが自動閉作動しない
ロ 故障内容 パワースライドドアセンサ回路断線により、スライドドアの自動閉作動ができない(フェイルセーフ制御)
ハ 点検方法 GTSを使用
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トヨタ
⑴ CAN通信系統異常(図-24、25)
CAN通信支線両側断線
図-24 両側パワースライドドアシステム図
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トヨタ
図-25 回路図
イ 症 状
ドアコントロールスイッチ/電子キー/ワイヤレスキー操作時、スライドドアが自動開作動しない。≪GTSによる診断≫
DTC No. 診断項目 DTC検出条件 点検部位
U0202 RL席ドアECU未接続
メインボデーECU(マルチプレックスネットワークボデーコンピュータ)がスライドドアモータユニットLH(パワースライドドアECU LH)からのデータを受信不能な状態が10秒以上継続
・スライドドアモータユニットLH(パワースライドドアECU LH)支線断線またはコネクター
・スライドドアモータユニットLH(パワースライドドアECU LH)電源系統異常
・スライドドアモータユニットLH(パワースライドドアECU LH)内部異常
ロ 故障内容
CAN通信支線断線により、パワースライドドアECUが作動条件を確認できず、スライドドアの自動開作動ができない。ハ 点検方法
注意 ・CAN通信系のダイアグコードが出力している場合は、必ず修理書の「トラブルシュートの進め方」からトラ
ブルシュートを行う。
・CANバスの抵抗値を測定する場合はIG OFF後、キー操作、スイッチ操作及びドア開閉をせずに1分以上
放置してから補機バッテリを切り離し、再度1分以上経過してから抵抗値を測定する。
・IG OFF後、補機バッテリターミナルを切り離す前に待ち時間が発生する場合がある。このため作業前に修
理書の「補機バッテリ端子切り離し時の注意事項」を確認する。
・修理完了後、DTC確認手順(IG ONにして、14秒以上待機)を実行して、DTCが出力されていないかを確
認する。
・修理完了後、バス診断を行い、CAN通信に接続されているECU及びセンサが全て表示されていることを
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トヨタ
確認する。
・トラブルシュートを実施する前に、この回路のヒューズを点検すること。
参考 ・各コネクターを点検する際、コネクターを切り離す前にコネクターケースを接続方向に押し、かん合のゆ
るみ及び抜けが発生していないことを確認する。
・コネクターを切り離した際、コネクター端子及びコネクターケースに破損、変形及び腐食などがないこと
を確認する。
ダイアグコード消去
GTSを使用して、ダイアグコードを消去する。[ボデー>メインボデー>ダイアグコード(消去)]
結 果 飛び先次 へ ダイアグコード確認
ダイアグコード確認
GTSを使用して、ダイアグコードを確認する。[ボデー>メインボデー>ダイアグコード(読み取り)]
結 果 飛び先
U0202が出力する CANバス支線断線点検(スライドドアモータユニットLH(パワースライドドアECU LH)支線)
CANバス支線断線点検(スライドドアモータユニットLH(パワースライドドアECU LH)支線)(図-26)
①補機バッテリマイナスターミナルを切り離す。②スライドドアモータユニットLH(パワースライドドアECU LH)のコネクターを切り離す。
図-26 車両ワイヤハーネスコネクター前側(スライドドアモータユニットLH(パワースライドドアECU LH)接続コネクター)
③下表に従って、抵抗を測定する。
点検端子 点検条件 基準値P3-7(MPX1)-P3-6(MPX2) 補機バッテリマイナスターミナル切り離し 54 to 69Ω
結 果 飛び先
O K ワイヤハーネス及びコネクター点検(スライドドアモータユニットLH(パワースライドドアECU LH)電源系統)
N G CANバス支線またはコネクター修理または交換
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トヨタ
⑵ ドアコントロールスイッチ系統異常
ドアコントロールスイッチASSY内部断線
図-27 回路図
イ 症 状
ドアコントロールスイッチ操作時、スライドドアが自動開作動しない。ロ 故障内容
ドアコントロールスイッチ内部断線により、ドアコントロールスイッチがOPEN入力できない。ハ 点検方法
注意 ・始めに“トラブルシュートの進め方”に従い、トラブルシューティングを進める。
・トラブルシュートを実施する前に、この回路のヒューズを点検すること。
機能点検
スライドドアイージークローザーが作動するか点検する。
結 果 飛び先正常に作動する 基本機能点検正常に作動しない スライドドアイージークローザーシステムへ(修理書参照)
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トヨタ
基本機能点検
①IG ON時の作動条件下記の~作動条件成立を確認
ドアコントロールスイッチASSY(パワースライドドアメインスイッチ)ONスライドドアアンロック状態(ロックポジションスイッチON時)車速3km/h以下
いずれかの条件成立時・シフト位置Pポジション・ブレーキ踏み込み時(ストップランプスイッチON時)・パーキングブレーキ踏み込み時(パーキングブレーキスイッチON時)
②IG OFF時の作動条件下記の~作動条件成立を確認
ドアコントロールスイッチASSY(パワースライドドアメインスイッチ)ONスライドドアアンロック状態(ロックポジションスイッチON時)フューエルリッド閉状態(スライドドアハーフオープンストッパコントロールASSY ON時)
結 果 飛び先作動条件を満たしていても、全く作動しない メーター&ゲージシステム
モータ作動音はするがスライドドアが作動しない(ロックは解除されているがスライドドアが開かない)
スライドドアモータユニットLH(パワースライドドアECU LH)交換
メーター&ゲージシステム
GTSを使用して車速信号に異常がないことを確認する。参考 データリスト“車速”項目を表示させ、車両停止状態で0km/hを表示していることを確認する。
結 果 飛び先正 常 ハイブリッドコントロールシステム点検異 常 メーター&ゲージシステムへ(修理書参照)
ハイブリッドコントロールシステム点検
トラブルシュートの進め方に従い、ハイブリッドコントロールシステムに異常の無いことを確認する。
結 果 飛び先正 常 電子制御ブレーキシステム点検異 常 ハイブリッドコントロールシステムへ(修理書参照)
電子制御ブレーキシステム点検
トラブルシュートの進め方に従い、電子制御ブレーキシステムに異常の無いことを確認する。
結 果 飛び先正 常 ライティングシステム点検異 常 電子制御ブレーキシステムへ(修理書参照)
ライティングシステム点検
トラブルシュートの進め方に従い、ライティングシステムに異常の無いことを確認する。
結 果 飛び先正 常 GTSデータ読み取り異 常 ライティングシステムへ(修理書参照)
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トヨタ
GTSデータ読み取り
GTSを使用して、画面表示に従って“データモニタ”画面を表示させ、点検する。[ボデー>メインボデー>データモニタ]
項目名 項目説明 表示範囲 標準値 備 考パーキングブレーキ パーキングブレーキの状態 ON-OFF O N :パーキングブレーキ作動
OFF :パーキングブレーキ解除パーキングブレーキスイッチASSY系統の異常
結 果 飛び先スイッチ操作に応じて、データモニタの表記が正常の場合
ワイヤハーネス及びコネクター点検(スライドドアモータユニットLH(パワースライドドアECU LH)-電源及びボデーアース)
スイッチ操作に応じて、データモニタの表記が異常の場合 パーキングブレーキスイッチASSY単体点検(修理書参照)
ワイヤハーネス及びコネクター点検(スライドドアモータユニットLH(パワースライドドアECU LH)-
電源及びボデーアース)(図-28)
①スライドドアモータユニットLH(パワースライドドアECU LH)のコネクターを切り離す。
図-28 車両ワイヤハーネスコネクター前側(スライドドアモータユニットLH[パワースライドドアECU LH]接続コネクター)
②下表に従って、電圧値を測定する。
点検端子 点検条件 基準値P3-1(B)-ボデーアース 常 時 11 to 14V
P3-5(ECUB)-ボデーアース 常 時 11 to 14V
③下表に従って、抵抗値を測定する。
点検端子 点検条件 基準値P3-3(GND)-ボデーアース 常 時 1Ω未満
結 果 飛び先O K GTSデータ読み取りN G ワイヤハーネスまたはコネクター修理または交換
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トヨタ
GTSデータ読み取り
GTSを使用して、画面表示に従って“データモニタ”画面を表示させ、点検する。[ボデー>RL席ドア>データモニタ]
項目名 項目説明 表示範囲 標準値 備 考
PSDメインSW
ドアコントロールスイッチASSY(パワースライドドアメインスイッチ)またはスライドドアハーフオープンストッパコントロールASSY(フューエルリッド開検出スイッチ)の状態
ON-OFF
O N :ドアコントロールスイッチASSY(パワースライドドアメインスイッチ)及びスライドドアハーフオープンストッパコントロールASSY(フューエルリッド開検出スイッチ)ON
OFF :ドアコントロールスイッチASSY(パワースライドドアメインスイッチ)またはスライドドアハーフオープンストッパコントロールASSY(フューエルリッド開検出スイッチ)OFF
ドアコントロールスイッチASSY(パワースライドドアメインスイッチ)またはスライドドアハーフオープンストッパコントロールASSY(フューエルリッド開検出スイッチ)系統が異常
結 果 飛び先スイッチ操作に応じて、データモニタの表記が正常の場合 GTSデータ読み取りスイッチ操作に応じて、データモニタの表記が異常の場合 ドアコントロールスイッチASSY単体点検
GTSデータ読み取り
GTSを使用して、画面表示に従って“データモニタ”画面を表示させ、点検する。[ボデー>RL席ドア>データモニタ]
項目名 項目説明 表示範囲 標準値 備 考
D席操作SW(PSD開)
ドアコントロールスイッチASSYの状態 ON-OFF
O N :ドアコントロールスイッチASSY ON
OFF:ドアコントロールスイッチASSY OFF
ドアコントロールスイッチASSY系統が異常
D席操作SW(PSD閉)
ドアコントロールスイッチASSYの状態 ON-OFF
O N :ドアコントロールスイッチASSY ON
OFF:ドアコントロールスイッチASSY OFF
ドアコントロールスイッチASSY系統が異常
結 果 飛び先スイッチ操作に応じて、データモニタの表記が正常の場合 GTSデータ(タッチセンサ)読み取り(修理書参照)スイッチ操作に応じて、データモニタの表記が異常の場合 ドアコントロールスイッチASSY単体点検
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トヨタ
ドアコントロールスイッチASSY単体点検(図-29)
①ドアコントロールスイッチASSYを取り外す。②ドアコントロールスイッチASSYの単体点検を行う。
図-29 ドアコントロールスイッチASSYの単体点検
コネクター端子間の抵抗値を測定する。・抵抗値(LH側スライドドアスイッチ)
点検端子 点検条件 基準値6(LCLS)-8(E) スイッチを押したとき“CLOSE”スイッチON 1Ω未満6(LCLS)-8(E) スイッチを押していないとき“CLOSE”スイッチOFF 10kΩ以上3(LOPN)-8(E) スイッチを押したとき“OPEN”スイッチON 1Ω未満3(LOPN)-8(E) スイッチを押していないとき“OPEN”スイッチOFF 10kΩ以上
・抵抗値(パワースライドドアメインスイッチ)
点検端子(端子記号) 点検条件 基準値4(MSW)-8(E) スイッチを押したときパワースライドドアメインスイッチON 1Ω未満4(MSW)-8(E) スイッチを押していないときパワースライドドアメインスイッチOFF 10kΩ以上
参考 基準外の場合は、ドアコントロールスイッチASSYを交換する。
結 果 飛び先
O K ワイヤハーネス及びコネクター点検(ドアコントロールスイッチASSY-スライドドアモータユニットLH(パワースライドドアECU LH)及びボデーアース)(修理書参照)
N G ドアコントロールスイッチASSY交換
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トヨタ
⑶ パワースライドドアセンサ系統異常(図-30)
パワースライドドアセンサASSY LH内部断線
図-30 回路図
≪GTSによる診断≫
DTC No. 診断項目 DTC検出条件 点検部位
B222D RL席PSDタッチセンサ系統 パワースライドドアセンサASSY LHの異常検知
・ワイヤハーネスまたはコネクター・パワースライドドアセンサASSY LH・スライドドアモータユニットLH(パワースライドドアECU LH)
イ 症 状
スライドドアが自動閉作動しない。ロ 故障内容
パワースライドドアセンサ回路断線により、スライドドアの自動閉作動ができない。(フェイルセーフ制御)ハ 点検方法
ダイアグコード消去
GTSを使用して、ダイアグコードを消去する。[ボデー>RL席ドア>ダイアグコード(消去)]
結 果 飛び先次 へ ダイアグコード確認
ダイアグコード確認
GTSを使用して、ダイアグコードを確認する。[ボデー>RL席ドア>ダイアグコード(読み取り)]
結 果 飛び先B222Dが出力しない 不具合現象シミュレーション方法へ(修理書参照)B222Dが出力する GTSデータ読み取り
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トヨタ
GTSデータ読み取り
GTSを使用して、画面表示に従って“データモニタ”画面を表示させ、点検する。[ボデー>RL席ドア>データモニタ]
項目名 項目説明 表示範囲 標準値 備 考
PSDタッチセンサ
パワースライドドアセンサASSY LHの状態
ON-OFF-異常
O N :パワースライドドアセンサASSY LH ON時(センサを押し込んでいる)
OFF :パワースライドドアセンサASSY LH OFF時(センサを離している)
異常 :パワースライドドアセンサASSY LH系統異常時
パワースライドドアセンサASSY LH系統が異常
結 果 飛び先センサの状態に応じて、データモニタの表記が正常の場合 スライドドアモータユニットLH(パワースライドドアECU LH)交換
センサの状態に応じて、データモニタの表記が切り替わらない、または“異常”と表示されている パワースライドドアセンサASSY LH単体点検
パワースライドドアセンサASSY LH単体点検(図-31)
①パワースライドドアセンサASSY LHを取り外す。②パワースライドドアセンサASSY LHの単体点検を行う。
図-31 パワースライドドアセンサASSY LHの単体点検
コネクター端子間の抵抗値を測定する。
点検端子 点検条件 基準値1(OSG)-2(OS) パワースライドドアセンサ非圧縮状態 約1kΩ1(OSG)-2(OS) パワースライドドアセンサ圧縮状態 約100Ω以下
参考 基準値外の場合は、パワースライドドアセンサASSYを交換する。
結 果 飛び先
O K ワイヤハーネス及びコネクター点検(スライドドアモータユニットLH(パワースライドドアECU LH)-パワースライドドアセンサASSY LH)(修理書参照)
N G パワースライドドアセンサASSY LH交換