ミクロ経済学 基本講義 -...
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1 2020 ミクロ経済学・基本講義 第 2 回
ミクロ経済学 基本講義
第 2 回 企業行動 Ⅱ
Ⅰ.利潤りじゅん
最大化さいだいか
生産量の決定
※ 企業の利潤(π)を式にすると以下のようになる。
(1) 収 入しゅうにゅう
関数かんすう
・費用ひ よ う
関数かんすう
からのアプローチ
利潤(π) = 収入(R) - 費用(TC)
費用関数は、生産量と最小費用との関係を表すものですから、これを
前提に費用を考えるなら、費用最小化は実現されているといえます。
では、利潤(π)はもはや最大化されているのでは?
R
x O
R = P・x
P
TC
x O
TC=VC+FC
同じ平面上で重ね合わせる
収入関数 短期費用関数
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2 2020 ミクロ経済学・基本講義 第 2 回
◆ 生産量x0を選択した場合(原点Oからx1までの範囲)
◆ 利潤が最大となる生産量の下では、以下の条件が成立する。
⇒ 収入よりも費用の方が大きくなり、損失(赤字、マイナスの利潤)が発生してしまう。
⇒ 費用最小化が実現されたとしても、利潤最大化を実現するとは限らない。
収入が費用を上回り、プラスの利潤を確保できる領域はx1からx4までの範囲
(x1とx4では「収入=費用」となり、利潤はゼロ)
【 利潤最大化生産量の決定条件 ① 】(1階条件)
収入関数(直線)の“傾き● ●
” = 費用関数の“(接線の)傾き● ●
”
なぜ価格(P)と限界費用(MC)が一致するところで生産を行うべきなのか?
・ P > MCのとき(生産量x2) 生産量を増やすと利潤が増える(= 改善の余地あり)。
・ P < MCのとき(生産量x3) 生産量を減らすと利潤が増える(= 改善の余地あり)。
・ P = MCのとき(生産量x*) 生産量を変更しても、利潤は増加しない。
∴ もはや利潤について改善の余地のない状態
利潤最大
R、TC
x(生産量) O
●
x0
FC
R = P・x
TC=VC+FC
●
●
●
●
●
●
●
●
x1 x2 x* x3 x4
MC
P(一定)
●
π=0
π=0
P = MC
〔P:価格(一定)、MC:限界費用〕
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3 2020 ミクロ経済学・基本講義 第 2 回
※ ところが、P=MCという条件だけでは、「損失」が最大となる生産量も含まれてしまう。
R、TC
MC
P
R
x O
x
TC
MC
O x0
x0
x*
x*
P
P
MC
E F
●
●
●
●
● ●
MC逓増
(右上がり)
MC逓減
(右下がり)
損失最大
【 利潤最大化生産量の決定条件 ② 】(2階条件)
以下の条件を加えれば、損失が最大となる生産量を排除できる。
(MC曲線右上り● ● ●
) x*の決定 限界費用が逓増● ●
する
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4 2020 ミクロ経済学・基本講義 第 2 回
(2) 利潤りじゅん
関数かんすう
からのアプローチ
※ 収入(R)と費用(TC)の“差額”(= 利潤π)をグラフにしてみる。
関数πを
xで微分
⊿π
⊿x
= 1・P・x1-1 - = 0 ⊿TC
⊿x
⇔ P-MC = 0 ∴ P=MC
R、TC
π
R
x O
x
TC
MC
O x0
x0
x*
x*
最大利潤
P
利潤りじゅん
関数かんすう
(π=R-TC)
E
●
●
●
●
●
●
●
●
●
x1 x4
●
x1 x4
⊿π
⊿x =0
π = R - TC
=P・x - TC
これを生産量(x)で微分してゼロとおくと、
♬ 利潤関数の“頂上”では、「接線の傾きの大きさ」はゼロ
● ●
になっている。
∴ 利潤最大化生産量x*を求めるには、“利潤関数を微分してゼロ”とおけばよい。
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5 2020 ミクロ経済学・基本講義 第 2 回
~★ 計算練習 ★~ (V問題集 №006)
P=130 であるから、利潤最大化条件P=MCより、
130 = q2-7q+10 ⇔ q2-7q-120 = 0
⇔ (q-15)(q+8)= 0 ∴ q=15 (q=-8 はあり得ない)
π = R - TC
生産量qで微分してゼロとおくと、
完全競争市場において、ある企業の総費用関数TCは、財の生産量をqとすると次の式で与え
られる。財の市場価格を 130 としたとき、この企業の利潤を最大にする生産量として、正しい
のはどれか。
1. 5
2. 8
3. 10
4. 15
5. 17
MC = = 3・ q3-1-2・ q2-1+1・10q1-1+0 ⊿TC
⊿q
TC = q3- q2+10q+25 1
3
7
2
1
3
7
2
⇔ MC = q2-7q+10
= 130q -( q3- q2+10q+25) 1
3
7
2
⊿π
⊿q
⇔ 130-q2+7q-10 = 0 ⇔ q2-7q-120 = 0
= 1・130q1-1- 3・ q3-1+2・ q2-1-1・10q1-1-0 = 0 7
2
1
3
「掛けて-120、足して-7」
になる数の組み合わせを考える。
解法 1 : P=MCを使って解く
解法 2 :利潤関数をたてて、微分してゼロとおく
⇔ (q-15)(q+8)= 0 ∴ q=15 (q=-8 はあり得ない)
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6 2020 ミクロ経済学・基本講義 第 2 回
Ⅱ.短期た ん き
供 給きょうきゅう
曲線きょくせん
の導出
利潤最大化条件(P=MC)には固定費用(FC)が反映されない。
与えられた財価格(P)と平均費用(AC)との比較が必要となる。
そこで
いかなる財価格の下でも、企業はP=MCに従って財の供給を行って良いだろうか?
∵ 平均費用(AC)は、生産量 1 単位あたりの生産コスト
であるから、固定費用も含まれている。財価格が平均費用
を上回らなければ、プラスの利潤を得ることはできない。
損失(赤字)が発生する場合には、供給を止めてしまえば問題はないのか?
短期において、x=0(生産停止)とする場合、
可変費用(VC)はゼロにできるが、固定費用
(FC)はゼロにはできない。
TC
x O
TC=VC+FC
●
♬ 生産を停止するとき(x=0)、利潤(π)は、
π = R-(VC+FC)
= 0-0-FC ∴ π=-FC
となり、固定費用と同額だけの損失(= 赤字)が発生することになる。
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7 2020 ミクロ経済学・基本講義 第 2 回
♪ 以下で、与えられる価格について「場合分け」して考えていくことにする。
(1) P>ACのケース (財価格が平均費用の最低点を上回る場合)
◆ この図から、企業の「収入」と「費用」を“面積”で捉える。
収 入 : AEx*O (R=P・x*)
費 用 : CBx*O (TC=AC・x*)
利 潤 : AEBC (π=R-TC)
ⅰ).P=MCを満たす、改善の余地のない生産量を選択している。
ⅱ).P>ACとなっており、プラスの利潤を確保している
x*だけの財の供給を行う。
AC、AVC
MC、P
x(生産量) O
●
E
MC
●
● ●
x*
AC
AVC
A
P
B
C
● ●
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8 2020 ミクロ経済学・基本講義 第 2 回
(2) P<AVCのケース (財価格が平均可変費用の最低点を下回る場合)
◆ この図から、企業の「収入」と「費用」を“面積”で捉える。
生産を止めてしまった方がマシなので、
企業は財の生産を停止する。
C B
E A
x*の生産を
行った場合の損失
C B
F G
> 生産を停止(x=0)
した場合の損失
損 失 : CBEA (π=R-TC)
収 入 : AEx*O (R=P・x*)
費 用 : CBx*O (TC=AC・x*)
VC : GFx*O (VC=AVC・x*)
FC : CBFG (FC=TC-VC)
AC、AVC
MC、P
x(生産量) O
E
MC
●
● ●
●
x*
AC
AVC
A P
B C
●
●
F G
● ●
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9 2020 ミクロ経済学・基本講義 第 2 回
(3) AVC<P<ACのケース (財価格が“2つの最低点”の間にある場合)
◆ この図から、企業の「収入」と「費用」を“面積”で捉える。
収 入 : AEx*O (R=P・x*)
費 用 : CBx*O (TC=AC・x*)
損 失 : CBEA (π=R-TC)
VC : GFx*O (VC=AVC・x*)
FC : CBFG (FC=TC-VC)
C B
E A
x*の生産を
行った場合の損失
C B
F G
< 生産を停止(x=0)
した場合の損失
◆ 損失ではあっても、生産を行った方がマシ(= 損失が少ない)なので、
固定費用(FC)が削減できない短期においては、企業は財の生産を継続する。
● G
P
AC、AVC
MC、P
x(生産量) O
E
MC
●
●
● ●
x*
AC
AVC
A
B C
●
●
F
●
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10 2020 ミクロ経済学・基本講義 第 2 回
(4) 個別こ べ つ
企業きぎょう
の短期た ん き
供 給きょうきゅう
曲線きょくせん
~★ 練習問題 ★~ (V問題集 №024)
◆ 企業はP=MCに従って財の供給を行う(1 階条件)
◆ 限界げんかい
費用ひ よ う
曲線きょくせん
は“右上がり”でなければならない(2 階条件)
◆ 財価格が「操業そうぎょう
停止点ていしてん
」を上回れば、短期的には財の供給を行う
≒ 「操業停止点」を上回る、右上がりの限界● ●
費用● ●
曲線(MC)
P
x O
(AC)
(AVC)
H
I
短期供給曲線(≒ MC曲線)
損益そんえき
分岐点ぶんきてん
(AC=MC)
操業そうぎょう
停止点ていしてん
(AVC=MC)
●
●
黒字(π>0)
・供給する
赤字● ●
(π<0)
・供給する
赤字● ●
(π<0)
・供給しない
●
短期た ん き
供 給きょうきゅう
曲線きょくせん
完全競争市場における、ある企業の総費用関数TC(x)が次のように与えられている。
TC(x)=x3-2x2+5x+8
ここでx(>0)は生産量を表す。このとき、損益分岐点と操業停止点における価格の組み合
わせとして正しいのはどれか。
損益分岐点の価格 操業停止点の価格
1. 5
2. 5
3. 9
4. 9
5. 12
1
2
3
4
4
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11 2020 ミクロ経済学・基本講義 第 2 回
「価格」(= 縦軸の値)が問われていますが、まずは各点の「生産量」を計算します(各費用を表
す式が生産量で表されているからです)。次いで、この結果を各式に代入して「価格」をとります。
(1) 操業停止点の計算
操業停止点は平均可変費用曲線(AVC)の最低点に対応します。与えられた総費用関数から
平均可変費用(AVC)を計算すると、
となります。「最低点」では、平均可変費用曲線
(AVC)上にとった接線の傾きはゼロになる
ので、①式を微分してゼロとおきます。
この結果を①式に代入すると、縦軸の「価格」となります。
12-2・1+5=4 ∴ P(=AVC)=4
(2) 損益分岐点の計算
損益分岐点は平均費用曲線(AC)の最低点に対応します。与えられた総費用関数から平均費
用(AC)を計算すると、
となります。「最低点」では、平均費用曲線(AC)上にとった
接線の傾きはゼロになるので、★式を微分してゼロとおきます。
AC= = x2-2x+5+ … ② TC
x
AVC= = x2-2x+5 … ① VC
x
8
x
x
AVC
O
●
AVC
1
4
⊿AVC
⊿x =2x2-1-1・2x1-1+0 = 0
⇔ 2x-2=0 ∴ x=1
⊿AC
⊿x =2x2-1-1・2x1-1+ 0 -1・8x-1-1= 0
⇔ 2x-2-8x-2= 0 ⇔ 2x-2- = 0
= x2-2x+5+8x-1 … ★
公 式
◆ = x-1 1
x
◆ = x-2 1
x2
8
x2
解法 1 :最低点をとる方法(『解説』の方法)
⇔ x3-x2-4= 0
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12 2020 ミクロ経済学・基本講義 第 2 回
∴ x=2
この結果を②式に代入すると、縦軸の「価格」となります。
22-2・2+5+4=9 ∴ P(=AC)=9(肢 4 が正解)
(1) 操業停止点の計算
操業停止点は、平均可変費用曲線(AVC)と限界費用曲線(MC)との交点に対応します。
限界費用は以下のように計算できます。
(2) 損益分岐点の計算
損益分岐点は、平均費用曲線(AC)と限界費用曲線(MC)との交点に対応します。よって、
②式と③式からAC=MCを計算すると、
これを②式に代入すると(③式でも可)、
22-2・2+5+4=9 ∴ P(=AC)=9(肢 4 が正解)
MC= = 3・x3-1-2・2x2-1+1・5x1-1+0=3x2-4x+5 …… ③ ⊿TC
⊿x
x
AC
O
●
AC
2
9
⇔ x2(x-1)= 4 … ☆
♪ 左辺がx2と(x-1)の掛け算になっていて、右辺が
4 になっています。この場合、掛け算で 4 になる数字(整
数)の組み合わせを考えます。1×4、2×2、4×1 の 3
つです。このうち(x-1)=1 であるとするとx=2。
このときx2=4 となり、☆式のつじつまが合います。し
たがって、☆式を満たすxはx=2 と判断できます。
x2-2x+5+ = 3x2-4x+5 ⇔ 2x2-2x- = 0 8
x
8
x
⇔ x3-x2-4= 0 ⇔ x2(x-1)= 4 ∴ x=2
解法 2 : AVC=MC、AC=MCと式を立てて解く方法
ここで、①式と③式からAVC=MCを計算すると、
x2-2x+5=3x2-4x+5 ⇔ x(x-1)=0 ∴ x=1
これを①式に代入すると(③式でも可)、
12-2・1+5=4 ∴ P(=AVC)=4
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13 2020 ミクロ経済学・基本講義 第 2 回
(5) 供 給きょうきゅう
の価格か か く
弾力性だんりょくせい
【 参 考 】
① 変化率について
② 供給の価格弾力性(εS)
※ 式の変形について
供給の価格弾力性 : 価格が 1%変化した時に、供給量が何%変化するかを示す。
εS = = = ×
供給量の変化率
価格の変化率
⊿x
x
⊿P
P
⊿x
⊿P
P
x
弾力性 …… “反応”の大きさを示す概念
“変化率● ● ●
”の大きさで表現する
変化前
P0=200 円 価格の変化分● ● ●
(⊿P=-60)
60 円の下落 変化後
P1=140 円
価格の変化率 = = = 価格の変化分
元の価格
-60 円
200 円
⊿P
P
・反応が大きい ⇒ 弾力的
・反応が小さい ⇒ 非弾力的
= = = =
⊿x
x
⊿P
P
⊿P・x
P
⊿x・x
x
⊿P・x
P
⊿x
⊿P・x・P
P
⊿x・P
⊿P・x
⊿x・P
分子と分母にxを
掛けて約分する。
分子と分母にPを
掛けて約分する。
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14 2020 ミクロ経済学・基本講義 第 2 回
【 供給曲線の傾きと供給の価格弾力性の関係 】
※ 図形的に整理すると以下のようになる(E点を前提として計算する場合)。
ⅰ).供給曲線がプラスの縦軸切片を持つ直線であるケース
⇒ SBに比べて非弾力的
⇒ SAに比べて弾力的
P
x O
A
● ●
●
SA
SB
P1
P0
x0 xA1 xB1
◆ εS = × = × = ⊿x
⊿P
P
x
(B)
(A)
(B)
(C)
(C)
(A)
εS >1
同じ供給曲線上であれば、どの点で
計算しても供給の価格弾力性は必
ず 1 より大となる。
P
x
(A)
S
●
●
●
(B)
(C)
E
● O
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15 2020 ミクロ経済学・基本講義 第 2 回
ⅱ).供給曲線が原点を通る直線であるケース
ⅲ).供給曲線がマイナスの縦軸切片を持つ直線であるケース
εS =1
同じ供給曲線上であれば、どの点で
計算しても供給の価格弾力性は必
ず 1 となる。
εS <1
同じ供給曲線上であれば、どの点で
計算しても供給の価格弾力性は必
ず 1 より小となる。
P
x O
(A)
S
●
(B)
(C)
E
●
P
x O
(A)
S
(B)
(C)
E
●
● ●
●
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16 2020 ミクロ経済学・基本講義 第 2 回
~★ 練習問題 ★~ (V問題集 №009)
完全競争市場において、ある財を生産する企業の平均費用曲線が、次式で示され、財の価格が
100 である場合、利潤が最大になる生産量とその時の利潤の組み合わせとして、正しいのはど
れか。
AC=Y2-9Y+52
生産量 利潤
1. 4 272
2. 6 396
3. 6 566
4. 8 448
5. 8 756
AC:平均費用
Y:生産量
最低限解くべき問題
番 号 1 回目 2 回目 コメント
№ 006 / │ / │ 基本中の基本!
№ 009 / │ / │ これも大変良く見る出題パターンです。
№ 011 / │ / │ №008と大差ありません。
№ 013 / │ / │ はじめは飛ばしても構いませんが、練習になる良い問題です。
№ 016 / │ / │ 「利潤=収入-費用」です。
№ 019 / │ / │ 操業停止点の計算は絶対にできるようにしておきましょう!
№ 022 / │ / │ 必ず“操業停止点”を先に計算する湯にしましょう。
№ 023 / │ / │ これは「価格」ではなく「生産量」ですよ。
№ 024 / │ / │ 必ず“操業停止点”を先に計算です。
№ 030 / │ / │ 講義内容の確認に良いですね。
№ 032 / │ / │ ありがちな結論です。よく出ます。
№ 033 / │ / │ 誤りの選択肢も丁寧に考えてみましょう。
№ 036 / │ / │ 「短期供給曲線」の厳密な示し方の例です。
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17 2020 ミクロ経済学・基本講義 第 2 回
まず平均費用曲線(AC)から総費用曲線(TC)を導きます。
次に、①式を生産量で微分して限界費用(MC)を求めます。
ここで②式を使って利潤最大化条件(P=MC)を立てます。財価格(P)は 100ですから、
100=3Y2-18Y+52
⇔ 3Y2-18Y-48=0
⇔ Y2-6Y-16=0
⇔ (Y-8)(Y+2)=0 ∴ Y=8、-2(生産量はマイナスにはならない)
となります。
最後に利潤(π)を計算します。平均費用(AC)が問題文にあるので、『解説』にあるような計算
を行っても構いませんが、ここでは基本に立ち返って、利潤(π)を収入と費用(TC)(①式)の差
をとって計算します。
利潤(π)=収入(R)-費用(TC)
=100Y-(Y3-9Y2+52Y)=―Y3+9Y2+48Y …… ③
③式にY=8 を代入します。
π=―512+576+384 ∴ π=448(肢 4 が正解)
以 上
利潤最大化条件
P=MC
(100)
総費用曲線(TC) 平均費用曲線(AC)
× 生産量 TC
Y AC=
微 分
AC= ⇔ TC=Y・AC ⇔ TC=Y(Y2-9Y+52) TC
Y
∴ TC=Y3-9Y2+52Y …… ①
MC= = 3・Y3-1-2・9Y2-1+1・52Y1-1=3Y2-18Y+52 …… ② ⊿TC
⊿Y
「掛けて-16、足して-6」
になる数の組み合わせを考える。