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読 谷 村 ゆ た さ む ら 推 進 計 画
読谷村むら・ひと・しごと創生に関する施策についての基本的な計画
平 成 2 8 年 3 月
沖 縄 県 読 谷 村
はじめに
我が国の人口は、平成20年(2008年)をピークに減少を続けており、経済社会に対
して大きな重荷となる懸念があります。また、地方と東京圏の経済格差の拡大が、若い世代
の地方からの流出と東京圏への一極集中を招き、日本全体の人口減少に結びついています。
この課題解決に向けて、政府では平成26年度に「まち・ひと・しごと創生法」を制定し、
同法に基づき、「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」を策定し人口の将来展望を示すと
ともに、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し今後の目標や施策の基本的な方向性、
主要な施策の取りまとめを行ってきました。
本村においては、大湾東地区、大木地区で土地区画整理事業を進めており、今後しばらく
は人口が増加することが見込まれますが、将来的には、全国的な傾向と同様に人口減少に転
じることが予測され、これまでにない大きな変化に対応していくことが求められます。
このため、本村においても、人口の現状分析と将来の姿を示し、今後目指すべき将来の方
向を示す「読谷村人口ビジョン」と「読谷村ゆたさむら推進計画」を策定しました。本村で
は、これまで文化村づくりを軸として、読谷村第4次総合計画の中で「ゆたさある風水 優
る肝心 咲き誇る文化や 健康の村」という目標を掲げ自然、歴史、文化を大切にしながら、
村民が一丸となって夢溢れる村づくりを進めてきたところです。「読谷村ゆたさむら推進計
画」においても、これまでの取り組みを生かしながら、村の伝統文化や産業の発展、交流人
口の拡大、また若い世代や子育て世代の希望をかなえるため、各種施策を実施してまいりま
す。
なお、これら施策の推進にあたっては、行政が一丸となって取り組んでいくとともに、引
き続き村民の皆さまや関係団体等の貴重なご意見やご協力を頂きながら、進めていく所存で
す。
最後に、本計画の策定にあたり、アンケート等により貴重なご意見やご提案を頂きました
村民の皆さま、ご審議頂きました読谷村まち・ひと・しごと創生審議会の委員の皆さまに対
し、厚く感謝申し上げ、あいさつといたします。
平成28年3月
読谷村長 石嶺 傳實
読谷村ゆたさむら推進計画 目次
1 総合戦略の基本的考え方 ...... . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1
(1)はじめに ............................................................................................................................................................................ 1
(2)計画の位置づけ ............................................................................................................................................................ 2
2 人口の現状及び将来の展望 ...... . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5
(1)現在の状況と将来の推計から見る課題............................................................................................................... 5
(2)目指すべき人口の将来展望 ................................................................................................................................. 10
3 施策の企画・実行にあたっての基本方針 ...... . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 14
(1)まち・ひと・しごとの創生に向けた政策5原則 ................................................................................................... 14
(2)連携による取り組み体制 ........................................................................................................................................ 15
(3)政策の検証 ................................................................................................................................................................. 15
4 基本目標 ...... . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 16
5 実現に向けた施策 ...... . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 19
5-1 施策の概要及び体系 ........................................................................................................................................ 19
5-2 具体的な施策・施策ごとの重要業績評価指標 ....................................................................................... 20
5-2-1『未来にはばたくゆんたんざ産業づくり』................................................................................................... 20
(1)伝統文化・産業の継承 ........................................................................................................................................... 20
(2)魅力ある農漁業の展開 ........................................................................................................................................... 21
(3)読谷村を支える産業の連携と魅力ある雇用の創出 ..................................................................................... 23
5-2-2『定住№1・交流№1のむらづくり』 ............................................................................................................. 26
(1)定住№1むらづくり ..................................................................................................................................................... 26
(2)交流№1むらづくり ..................................................................................................................................................... 28
5-2-3『生き活きがんじゅう・みんなが輝くむらづくり』 ...................................................................................... 30
(1)結婚・出産・子育て支援の充実 ........................................................................................................................... 30
(2)女性が輝く社会の実現 ............................................................................................................................................ 33
(3)みんなの笑顔あふれるむらづくり .......................................................................................................................... 34
5-2-4『安全・快適・潤いあるむら、自然と調和したむらづくり』 ................................................................... 35
(1)持続可能なむらづくり ............................................................................................................................................... 35
(2)人と人、むらとひとがつながるむらづくり .............................................................................................................. 37
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総合戦略の基本的考え方
(1)はじめに
①計画策定の背景
国は、平成 26年 12月に、まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、東京一極集中の歯止め、若い世代の就労・結婚・子育ての希望の実現、地域の特性に即した地域課題の
解決の3つの視点を基本に、魅力あふれる地方の創生を目指すこととしています。
読谷村においても国の方針を踏まえ、地域の特色や地域資源を生かしつつ、人口減少問
題に特化した施策の推進に向けて、「読谷村ゆたさむら推進計画」を策定します。
参考:まち・ひと・しごと創生が目指すもの(資料「まち・ひと・しごと創生「長期ビジョン」「総合
戦略」(内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局))
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②「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の基本的な考え方(国の基本的な考え)
(2)計画の位置づけ
①基本的な位置づけ
『読谷村ゆたさむら推進計画』は、「まち・ひと・しごと創生法」第 10 条に基づき、
まち・ひと・しごと創生総合戦略及び沖縄県人口増加計画改定版(沖縄県まち・ひ
と・しごと創生総合戦略)を勘案し、策定します。
人口減少社会の克服を目指し、45年後(2060 年)を見据えた将来展望を示す「人
口ビジョン」と、このビジョンを踏まえた今後 5年間の具体的な戦略を示す「総合
戦略」を一体的に策定します。
「人口ビジョン」及び「総合戦略」は、『読谷村第4次総合計画』を実現するため
の、横断的分野別計画及び戦略プロジェクトとして位置付け、我が国における人口
減少克服と地方創生における政策課題に対応した計画策定を進めます。
人口減少と地域経済縮小の克服
地方は、人口減少を契機に、「人口減少が地域経済の縮小を呼び、地域経済の
縮小が人口減少を加速させる」という負のスパイラルに陥るリスクが高い。
人口減少克服・地方創生のためには、3つの基本的視点から取り組むことが
重要
①「東京一極集中」の是正
②若い世代の就労・結婚・子育ての希望実現
③地域の特性に即した地域課題の解決
「しごと」が「ひと」を呼び、「ひと」が「しごと」を呼び込む好循環を確
立するとともに、その好循環を支える「まち」に活力を取り戻す。
①しごとの創生
・若い世代が安心して働ける「相応の賃金、安定した雇用形態、やりがいの
あるしごと」という「雇用の質」を重視した取り組みが重要。
②ひとの創生
・地方への新しい人の流れをつくるため、若者の地方での就労を促すととも
に、地方への移住・定着を促進する。
・安心して結婚・出産・子育てができるよう、切れ目ない支援を実現する。
③まちの創生
・地方で安心して暮らせるよう、中山間地域等、地方都市、大都市圏等の各
地域の特性に即して課題を解決する。
まち・ひと・しごとの創生の好循環の確立
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②計画期間
■人口ビジョン
国の「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」と整合させ、2060 年とします。
■総合戦略
国の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」と整合させ、平成 27年度(2015 年)から
平成 31 年度(2019 年)までとします。
③読谷村総合計画との関係
■読谷村第4次総合計画の横断的分野計画(戦略プロジェクト)の役割
『読谷村第4次総合計画』は、村として望ましい将来像を描くとともに、目標を達
成するために必要な施策の方向や具体的方策を定めた計画で、村政全般に及ぶ最上
位の計画となります。
この中で、「総合戦略」は、幅広くとらえると村全般の計画となりますが、まち・
ひと・しごと創生に関する施策を改めて深堀りし、特に重点的に取り組む施策を検
討しまとめる計画となります。
このため、「人口ビジョン」及び「総合戦略」は、読谷村第4次総合計画の中で実
施するまち・ひと・しごと創生を横断的に連携した施策と相互に連携・融合させる
取り組みとしてまとめます。
■読谷村第4次総合計画の深化
『読谷村第4次総合計画』では、「ゆたさある風水 優る肝心 咲き誇る文化や 健康
の村(ユタサアルフンシ マサルチムグクル サチフクルハナヤ ガンジュウヌシ
マ)」を目指し各施策に取り組んできたところです。
そこでは、人口・都市構造の変化、働く場の創出、また地域特性の発揮に向けた施
策を位置づけるなど、地方創生の流れを汲む各種施策を展開してきたところです。
しかし、国の地方創生における人口減少への対応、東京一極集中の是正等の新たな
方向の中で、計画の見直しを進める部分もあります。
そこで、前述の通り「総合戦略」については、読谷村第4次総合計画の横断的分野
計画として、施策の連携を図るとともに、国等の方向性、「人口ビジョン」等によ
る新たな課題を踏まえ、施策の深化を進めます。
参考:まち・ひと・しごと創生法第 10条(市町村まち・ひと・しごと創生総合戦略)
第十条 市町村(特別区を含む。以下この条において同じ。)は、まち・ひと・しごと創生総合
戦略(都道府県まち・ひと・しごと創生総合戦略が定められているときは、まち・ひと・しごと
創生総合戦略及び都道府県まち・ひと・しごと創生総合戦略)を勘案して、当該市町村の区
域の実情に応じたまち・ひと・しごと創生に関する施策についての基本的な計画(次項及び
第三項において「市町村まち・ひと・しごと創生総合戦略」という。)を定めるよう努めなけれ
ばならない。
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■次期計画との連携・整合
『読谷村第4次総合計画』は、平成 20 年から平成 29 年を計画年次としています。
このため、それぞれの計画において、計画対象期間のズレが発生するものとなりま
すが、各取り組みの連携・整合を図るとともに、次期総合計画(第5次)の策定に
あたって、方向性の整合を進めます。
図:読谷村第4次総合計画と読谷村ゆたさむら推進計画との関係
図:読谷村第4次総合計画と読谷村ゆたさむら推進計画の計画対象期間
読谷村第4次総合計画
・平成 29年度を目標
●基本構想(平成 20年度~29年度)
*あるべき姿(基本理念、目標、将来地域像)
*基本施策
読谷村ゆたさむら推進計画
●人口ビジョン
・2060 年を目標
*人口の現状及び将来人口の推計
*目標人口の位置づけ
●総合戦略
・平成 31 年度(2019年)までの 5 ヵ
年計画
*基本目標
*基本的方向
*施策、指標(KPI)
●基本計画
・前期(平成 20 年度~24 年度)
・後期(平成 25 年度~29 年度)
*施策
*施策
*施策
*施策
*施策
●実施計画
…
横断的・戦略的取り組み
連携・融合
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人口の現状及び将来の展望
(1)現在の状況と将来の推計から見る課題
「読谷村人口ビジョン」における人口の現況及び将来展望とともに、読谷村地方創生に係
るアンケート調査結果(平成 27年 11月)を整理します。①良好な定住環境の創出が求められる
読谷村の平成 22年人口(国勢調査)は、38,200人で、昭和 35年以降一貫して増加傾向にあります。これは、自然動態、社会動態ともにプラスを示し(出生数が死亡数を、
転入者数が転出者数を上回る)、若者の結婚、出生数を維持することで一定規模の人口
増加が進んできました。しかし、近年では若者の人口流出が大きく、社会動態において
も平成 24年は転出超過(転出者数が転入者数を上回る)となりました。また年少人口(0~14歳)は昭和 55年以降減少傾向にあり、生涯未婚率も増加するなど、読谷村においても人口減少が進むことが予想されます。このため、将来にわたって地域の活力や
文化を維持するため人口施策に取り組む必要があります。
読谷村の社会動態は、多くの若者が県外に進学、就職する 10代後半に大きく転出超過となりますが、その後 30代に転入超過、それ以降もゆるやかに転入増となる傾向があります。読谷村へ戻ってくる人、移住者が働ける場を確保するとともに、将来にわた
って読谷村に住み続けたいと感じるむらづくりを進める必要があります。そのためには、
先ず今住んでいる人がずっと住みたくなる、定住環境を整備していく事が重要と考えま
す。
加えて、村民を対象としたアンケート結果では、「読谷村に住んで良かったところ」
「読谷村を選んだ理由」として、沖縄の原風景を残す自然に魅せられて移住してくる人
が多いことがあげられます。このことから、豊かな自然を守り育てていくこと、都市と
自然が調和したむらづくりが求められます。
今住んでいる人がずっと住みたくなる生活環境の整備が必要
豊かな自然を守り育てながら、都市と自然が調和するむらづくりが必要
図:年齢別人口の推移 図:平成 17(2005)年から平成 22(2010)年の男女別年齢階級別人口移動
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②多様な働き方、住み方が達成できるむらづくりが求められる
前述の通り、読谷村では 10代後半から若者の流出が大きい社会構造となっていますが、これは沖縄県の特徴であり、沖縄県まち・ひと・しごと創生総合戦略でかかげる世
界に開かれた交流の促進を目指していくには、プラスの傾向と捉えます。また、沖縄は
歴史的にも、また県民性としても、多様な文化を受容する特性を有しています。このた
め、村民及び移住者が将来読谷村で活躍できる環境づくりを進める事が必要です。
特に読谷村では、「文化村づくり」を目標に、村民と連携しながら読谷山花織、陶芸
拠点としてのヤチムンの里建設、村民総参加による手作りのまつりである「読谷まつり」
など、人と地域が連携・交流しながら、新たな文化やしごとを生み出してきました。こ
れらの取り組みは、紅いも特産品開発、リゾートホテル誘致等地域資源を活用した観光
の展開、産業・経済開発へとつながり、サービス業、宿泊業や農業他、読谷村の働く場
を生み出しています。
このように、今ある読谷村の地域資源を活かしながら、村民、移住者が交流・連携し
ながら新しい働き方・しごと及び文化を創出していく事が必要となります。
村民及び移住者が読谷村で活躍できる環境づくりが必要
村民及び移住者が交流・連携しながら新しい働き方・しごと及び文化を創出して
いく事が必要
図:男女別産業人口及び産業特化係数
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③読谷村がもつ人と人、地域と人が繋がる環境を維持・発展していく事が求められる
平成 20年~平成 24年の読谷村の合計特殊出生率(※ )は、1.88となり、沖縄県1.86、全国 1.41と比べて突出して高くなっています。この要因の一つとして、子ども・子育てを大切にしようとする価値観・意識が強いことや「親族・地域の絆」が強く子育
てしやすい環境と思う人が多いことがあげられています(※ )。読谷村においても、人
と人とのつながりが非常に強く、また読谷まつり等を通じた世代間、地域間交流も展開
されています。このため、読谷村が守り・育ててきた人と人とのつながり、地域と人と
のつながりをこれからも大切に守っていくとともに、子育てしやすい社会環境の整備を
進める事が必要です。
また、全国に比べて合計特殊出生率が高い理由として、沖縄県では有配偶出生率が高
く結婚した夫婦が多くの子どもを産んでいることがあげられます。この数値は、県全体
として平成2年以降、横ばいないしは緩やかな増加傾向にあります。しかし一方で、有
配偶者率は低下すなわち未婚化・晩婚化が進行しており、これが経年的に合計特殊出生
率が低下している要因と考えられます。なお、村民アンケートでは、独身者の約 9割の方が「いずれ結婚したい」との回答であり、結婚したい人の希望が叶えられる環境を整
えていく事も必要となります。
人と人とのつながり、地域と人とのつながりをこれからも大切に守っていくとと
もに、子育てしやすい社会環境の整備を進める事が必要
結婚したい人の希望が叶えられる環境づくりが必要
図:合計特殊出生率の推移
※ 合計特殊出生率とは、その年次の15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので、1人の女性 が、仮にその年次の年齢別出生率で一生の間に子供を生むと仮定したときの子供数に相当する。 ※ 資料「都市と地方における子育て環境に関する調査(平成24年3月 内閣府政策統括官)」の中で、沖縄県、九州の合計特殊出生率が高い要因の一つとして、子ども・子育てを大切にしようとする価値観・意識が強いことや「親族・地域の絆」が強く子育てしやすい環境と思う人が多いことがあげられている
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④子どもを産み・育てやすい環境の創出が求められる
全国的にみて、夫婦が理想と考える子どもの数は減少傾向にあります。また、実際に
もつ予定の子どもの数においても、理想の子どもの数より少なくなっています。国立社
会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査によると、理想の子どもを持たない最大の
理由は、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」となっています。
村民アンケートにおいても、実際にもつ予定の子どもの数は、理想の子どもの数より
少なくなっています。この要因としては、全国同様に「子育てや教育にお金がかかりす
ぎること」に対する意見が多いほか、「家計の収入が不安定であること」「保育所など子
どもの預け先に関すること」「産休・育休・職場復帰に関すること」が上位の意見とし
てあがっています。特に、読谷村では、人口が増える一方で、待機児童の数も増えてお
り、待機児童の解消に向けた対策が求められます。加えて、出産したい人の希望を叶え
る環境を整備することが必要となりますが、これは経済的な不安要因を改善することや
産休・育休・職場復帰に関する女性の働き方や男性及び社会の体制を構築していく事が
求められます。
さらに、厚生労働省の平成 25 年国民生活基礎調査によると、子どもの貧困率は16.3%となり、全国では子どもの6人に1人が貧困状態で暮らしていることになります。また、子ども期の貧困は、子どもが大人になった後の就労、所得、生活水準にも悪影響
を与えると指摘されています。このため、結婚・出産・子育てに対する教育や一人親世
帯の働く環境改善に向けた取り組みが求められます。
待機児童の解消に向けた対策が必要
地域の「しごと」づくり、産休・育休・職場復帰に関する女性の働き方や男性及
び社会の協力体制を構築していく事が必要
結婚・出産・子育てに対する教育、一人親世帯の働く環境改善に向けた取り組み
が必要
図:理想の子ども数の推移(資料:平成 26 年度少子化の状況及び少子化への対処施策の概況(平成 27 年版少子高齢化対策白書)
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件数
821033453253621473774143515111663666
集計母数334
13.悩みを相談する相手が少ないこと
14.子どもはほしいがパートナーの同意が得られないこと
15.その他
無回答
計
集計除外5
7.不妊症・不育症に関すること
8.高齢出産に関すること
9.育児の心理的・肉体的な負担に関すること
10.保育所など子どもの預け先に関すること
11.医療機関や医師の不足に関すること
12.育児・家事の協力者がいないこと
1.家計の収入が不安定であること
2.子育てや教育にお金がかかりすぎること
3.自分の仕事に差し支えること
4.産休・育休・職場復帰に関すること
5.非正規の職員(派遣・嘱託・契約社員)のため将来の雇用に不安があること
6.産前・産後の体調変化に関すること
選択肢
24.6%
30.8%
10.2%
15.9%
7.5%
10.8%
6.3%
14.1%
11.1%
22.2%
4.2%
10.5%
4.5%
3.3%
4.8%
18.9%
0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35%
既婚者現在の子ども数
0人 1人 2人 3人 4人 5人 無回答 合計回答者数 26 90 95 74 27 6 18 318回答割合 8% 28% 30% 23% 8% 2% 6% 100%予定子こども数小計 0 90 190 222 108 30 0 640予定子ども数(平均) 2.013
予定子ども数(0人を除外)0人 1人 2人 3人 4人 5人 無回答 合計
回答者数 8 34 93 104 33 7 56 271回答割合 3% 13% 34% 38% 12% 3% 21% 100%予定子こども数小計 0 34 186 312 132 35 0 699予定子ども数(平均) 2.579
理想子ども数0人 1人 2人 3人 4人 5人 無回答 合計
回答者数 6 3 63 173 70 5 9 320回答割合 2% 1% 20% 54% 22% 2% 3% 1予定子こども数小計 0 3 126 519 280 25 0 953予定子ども数(平均) 2.978
独身者理想の子ども数
0人 1人 2人 3人 4人 5人 無回答 合計回答者数 4 10 73 93 19 3 5 202回答割合 2% 5% 36% 46% 9% 1% 2% 100%予定子こども数小計 0 10 146 279 76 15 0 526予定子ども数(平均) 2.604
資料:村民アンケート調査結果【結婚・出産・子育て】
【理想の子どもの数より、実際にこどもを設けた数が少ない要因】
【現在の子どもの数、予定の子どもの数、理想の子どもの数】
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(2)目指すべき人口の将来展望
①国・県の推計の考え方
国の「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」では、合計特殊出生率は、平成 32年(2020年)1.6、平成 42年(2030年)1.8、平成 52年(2040年) 2.07(人口置換水準)と位置付けられています。
また、県の「沖縄県人口増加計画(改定版)(沖縄県まち・ひと・しごと総合戦略)」で
は、現在の増加基調にある段階から積極的な人口増加施策を展開し、地域の活力と成長力
を維持・発展していく事を目指し、合計特殊出生率は、平成 47年(2035年)までに 2.3、それ以降 2.5と位置付けられています。さらに、人口移動は、現在の社会増(年 800人)が平成 47年(2035年)までに倍増
(年 1,600人)し、それ以降は 2,800人/年の増加と位置付けられています。読谷村においても、国や県の位置づけや考え等を踏まえ、合計特殊出生率、移動率の設
定を行い、人口の将来展望を行います。
※沖縄県の人口移動は、進学・就職する 10代後半に大きく転出超過となり、その後20代後半か
ら 40代にかけて転入超過となる傾向は、本県の社会構造を反映したものであり、今後も大きく
変わらないものと設定
表:国・県の人口の将来展望の設定の考え(合計特殊出生率及び移動率の設定)
平成 22年
(2010 年)
平成 32年
(2020 年)
平成 42年
(2030 年)
平成 47年
(2035 年)
平成 52年
(2040 年)
合計特殊
出生率
国 1.4 1.6 1.8 2.07
沖縄県 1.9 2.3 2.5
移動率
国 ― 移動率均衡※
沖縄県 800 人/年(30
代、40 代)
1,600 人/年
(30 代、40代)
2,800 人/年(30
代、40 代)
※ 移動率均衡とは、人口移動について、転入・転出数が同数となり、移動がゼロとなった場合
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②読谷村の人口の将来展望の考え方
読谷村においては、「2(1)現在の状況と将来の推計から見る課題」で整理した人口
動向等の課題に対し、本計画をはじめ、今後その対策を講じていくことで、現在の一定の
人口の流入を維持し、若い世代の結婚、出産、子育ての希望が実現されると仮定し、人口
の将来展望を行います。
(ⅰ)合計特殊出生率は、2035年までに 2.3(※概ね県と整合)、2040年までに 2.5(※概ね県と整合)へ上昇することを目指す
合計特殊出生率の設定においては、村民アンケート結果の理想の子ども数を達成する
こと、また前述のとおり、国や県の合計特殊出生率の設定の考えを踏まえ、少子高齢化
対策施策等について国や県との連携による施策、また村独自の取り組みを推進する事で、
合計特殊出生率を 2030 年までに 2.3(参1)、2040 年までに 2.5(参2)へ上昇するこ
とを目指します。
参 1:村民理想出生率及び県方針より設定
・国民希望出生率の考え方に準じて、有配偶者及び独身者の割合については国勢調査のデータ、理
想子ども数については、アンケート調査結果を用いて、村独自に算定したもの。
参2:村民理想出生率及び県方針より設定
・国及び県の人口ビジョンを踏まえ、2040 年までに合計特殊出生率を 2.5 へ上昇することを目指す。
数値設定について
・予定子ども数(村民理想出生率):「村民アンケート調査(2015)」における 18 歳~39 歳(女性)のう
ち、既婚者に尋ねた「理想的な子どもの人数」
・予定子ども数(村民予定出生率):「村民アンケート調査(2015)」における 18 歳~39 歳(女性)のう
ち、既婚者に尋ねた「予定している子どもの人数」
・独身者の希望子ども数(読谷村):「村民アンケート調査(2015)」における 18 歳~39 歳(女性)のう
ち、独身者に尋ねた「理想的な子どもの人数」
※ 離死別再婚効果係数とは、離死別、再婚による出生児数の変動を表す係数(「日本の将来人口推計(国立社会保障・人口問題研究所 2012 年推計)における出生中位の仮定に用いられた離死別等の影響)
①有配偶者割合②理想(予定)子ども数
③独身者割合(1-①)
④独身者のうち結婚希望者割合
⑤独身者の希望子ども数
⑥離死別再婚効果係数(※ )
国民希望出生率(①*②+③*④*⑤)*⑥
(%) (人) (%) (%) (人) (人)
38(%) 2.97(人) 62(%) 94(%) 2.60(人) 0.938
(2010国勢調査:読谷村・女性15~39歳)
(村民アンケート:女性19~39歳)
-(村民アンケート:女性19~39歳)
(村民アンケート:女性19~39歳)
(全国)
38(%) 2.57(人) 62(%) 94(%) 2.60(人) 0.938
(2010国勢調査:読谷村・女性15~39歳)
(村民アンケート:女性19~39歳)
-(村民アンケート:女性19~39歳)
(村民アンケート:女性19~39歳)
(全国)
34(%) 2.07(人) 66(%) 89(%) 2.12(人) 0.938
(2010国勢調査:全国・女性18~34歳)
(出生動向調査:全国・夫婦50歳未満)
-(出生動向調査:全国・女性18~34歳)
(出生動向調査:全国・女性18~34歳)
(全国)
34(%) 2.33(人) 66(%) 89(%) 2.26(人) 0.938
(2010国勢調査沖縄県・女性18~34歳)
(出生動向調査:九州・夫婦50歳未満)
-(出生動向調査:全国・女性18~34歳)
(出生動向調査:九州・女性18~34歳)
(全国)
34(%) 2.65(人) 66(%) 89(%) 2.26(人) 0.938
(2010国勢調査沖縄県・女性18~34歳)
(出生動向調査:九州・夫婦50歳未満)
-(出生動向調査:全国・女性18~34歳)
(出生動向調査:九州・女性18~34歳)
(全国)
読谷村(村民理想出生率)
2.48
読谷村(村民予定出生率)
2.34
全国 1.83
1.99沖縄県(九州)(県民希望出生率)
沖縄県(九州)(県民理想出生率)
2.09
- 12 -
(ⅱ)人口移動は、区画整理事業に伴う計画人口の増加を反映するとともに、都市全体の
移動率は国立社会保障・人口問題研究所の推計に基づく移動率を踏襲
■区画整理事業等による計画人口
本村では、軍用跡地利用の中で、読谷村大湾東土地区画整理、読谷村大木土地区画整
理の二つの計画的市街地開発が進んでいます。このため、将来人口の推計にあたっては、
当該事業の計画人口の増分(2,936 人(参1))を反映します。
■移動率について
本村は、多くの若者が県外に進学、就職する 10 代後半に大きく転出超過となります
が、その後 30 代に転入超過、それ以降も転入増の傾向で、村全体としては社会増加の
傾向を示しています。ただし、周辺市町村、県内外の少子高齢に伴う人口減少が進むこ
とから、社会動態の傾向は、転入が緩やかになることも予想されます。
そこで、上記に述べた土地区画整理事業による政策人口を除いた本村の移動率につい
ては、国立社会保障・人口問題研究所の推計に基づく移動率を踏襲し、平成 17(2005)~22(2010)年の国勢調査(実績)に基づいて算出された純移動率が、平成 27(2015)~32(2020)年までに定率で 0.5 倍に縮小し、その後はその値を平成 47(2035)~52(2040)年まで一定と仮定します。(定住の促進及び住みよい地域づくりを進める事で、現在の
転入増加が一定程度続いて行くと仮定)
参 1:読谷村人口ビジョンへ反映する計画人口の設定
・ 読谷村大湾東土地区画整理事業の計画人口は2,080人、読谷村大木土地区画整理事業
の計画人口は 1,590 人となる。
・ この内、約 8割が読谷村へ新たに転入する人口と計画している。
・ このため、本計画へ反映する計画人口は、計画人口の総数 3,670 人の内、8割の 2,936
人と設定する。
- 13 -
③読谷村の人口の将来展望
②の結果、2060 年読谷村の人口は、約43,700人となります。
今後、村民の理想の子ども数の達成、それに向けた結婚・出産・子育て環境の改善、ま
た、読谷村で住み働く人を維持・増加してくための整備を進めていく必要があります。し
かし、人口減少対策には、長期的な視点からの取り組みが必要となります。
そのため、本計画に位置付ける総合戦略の取り組みを継続的に実施し、人口の将来展望
の達成を進めます。
読谷村の
人口将来展望 ※区画整理事業による計
画人口を想定 平成 27年~平成 42年
- 14 -
施策の企画・実行にあたっての基本方針
(1)まち・ひと・しごとの創生に向けた政策5原則
国の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」においては、従来の政策の弊害を排除し、人
口減少の克服と地方創生を確実にするため、今後の政策を検討するにあたっての原則を定
め、その原則に基づき、関連施策を展開するとされています。
本村においても、その5原則を踏まえ、総合戦略に沿って施策を展開します。
まち・ひと・しごとの創生に向けた政策5原則を踏まえる
①自立性
・各施策を一過性の対症療法的なものにとどめず、構造的な問題に対処しう
るものにし、地域・事業者・個人等の自立につなげる。また、地域内外の
有用な人材の積極的な確保・育成を図る。
②将来性
・地域において、自主的かつ主体的に夢を持って前向きに取り組むことを支
援する施策に重点を置く。活力ある地域産業の維持・創出、中山間地域等
において地域の絆の中で心豊かに生活できる環境を実現する仕組み等も
含む。
③地域性
・画一的手法や「縦割り」的な支援ではなく、各地域の実態に合った施策を
展開する。客観的データに基づき、地域の実情や将来の分析を踏まえた施
策とする。
④直接性
・限られた財源や時間の中で、最大限の成果を上げるため、ひとの移転・し
ごとの創出やまちづくりを直接的に支援する施策に取り組む。また多様な
主体の連携を促し、政策の効果を高める。
⑤結果重視
・明確な PDCA メカニズムのもと、短期・中期の具体的な数値目標を設定し、
政策効果を客観的な指標により検証し、必要な改善を進める。
- 15 -
(2)連携による取り組み体制
①地域間の連携
国、県の地域連携施策を活用しつつ、近隣自治体をはじめ地域間の広域連携を積極
的に進めます。
②地域一丸となった取り組み
「総合戦略」における施策の展開にあたっては、複数の分野・主体の連携が重要と
なります。特に、「総合戦略」が、横断的分野計画及び戦略プロジェクトの役割を
担うことからも、各分野・主体が連携する仕組みを構築しながら施策を推進します。
地方創生は、行政のみならず、様々な企業や団体と連携して取り組む事が重要です。
このため、村民や産官学金労言の各主体の協力を得ながら、地域一丸となって地方
創生の取り組みを推進できる体制を構築します。
(3)政策の検証
■PDCAサイクルの構築と庁内外の推進体制の確立 地域課題に基づく適切な政策目標を設定し、「総合戦略」の進捗を検証し、改善する
PDCA サイクルの確立を進めます。このため、読谷村の特性(現況や課題)を的確に把
握するとともに、庁内の推進体制として「読谷村まち・ひと・しごと創生推進会議」で
検証を行います。
また、庁内推進体制のほか、産業界や行政機関、学識経験者、金融機関、住民団体等
で構成する「読谷村まち・ひと・しごと創生審議会」を設置し、本組織による定期的な
点検・検証を行い、必要に応じて施策や事業の追加・見直し等を行います。
サイクル
Plan 計画
Do 実行
Check 確認・評価
Action 見直し・改善
計画に基づく施策の実施
計画に定めた目標の達成
を確認・評価
確認・評価を受けて、次期
計画の策定に向けた改善
- 16 -
基本目標
「豊かな自然」「歴史」「文化」「平和」を礎とし、世代を超えた思いやり、ユイマール
精神、地域に伝わる伝統芸能、人と人との繋がりを誇りに、村民が主体となった生き活き
としたむらづくりに取り組んでいます。
「読谷村ゆたさむら推進計画」では、「しごと」が「ひと」を呼び、「ひと」が「しごと」
を呼び込む好循環を確立するとともに、その好循環を支える「むら」の活力を高めるため、
「読谷村人口ビジョン」及び国や県の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を踏まえ、次
の「基本目標」を設定します。
~安定した雇用の創出~
未来にはばたくゆんたんざ産業づくり
・沖縄を代表する「ヤチムン」「読谷山花織」の伝統文化・産業を活かすとと
もに、観光や農業等と連携することでイノベーションを生み出し、産業の発
展と、新たな雇用の創出を目指します。
・読谷村で働き、未来にはばたく若者や産業を生み出し、ひとも地域も元気に
なる取り組みを進めます。
~新しい人の流れをつくる~
定住№1・交流№1のむらづくり
・『日本一人口の多い村』、これからも住みやすい村№1を目指し、定住№1、
交流№1のむらづくりを目指します。
・一定の人口が増加している本村では、まずはずっと住みたくなる定住のむら
づくりを推進します。このため、流入人口の増加に向けても、読谷村の産業
を支える若者、沖縄らしい原風景や自然を守り・育む人の受け入れを促進し
ます。
・自然、観光、文化資源を活かし、読谷村らしい滞在型観光の振興やもてなし
環境を構築し、交流人口の拡大を目指します。加えて、「読谷まつり」をは
じめとした人と人、村内外における交流が活発な特性を活かし、様々な交流
の発展・創出を図ります。
- 17 -
~若い世代の結婚・出産・子育てへの希望をかなえる誰もが生き活き暮らすむらづくり~
生き活きがんじゅう・みんなが輝くむらづくり
・若い世代が安心して結婚・出産・育児をしやすい社会づくりを目指します。
・結婚・出産・子育て環境については、社会全体を取り巻く環境も重要である
ことから、国や県等における取り組みとの歩調をあわせ、連携しながら取り
組みます。
・子どもから大人(高齢者)まで、誰もが笑顔で生き活きと暮らし続ける事が
出来るむらづくりを進めます。
~時代に合った地域をつくり、安心なくらしを守るとともに地域と地域を結ぶ~
安全・快適・潤いあるむら、自然と調和したむらづくり
・沖縄の原風景を残す美しい自然を保全しながらも、地域で生活する人々の生
活や活動(産業)を支えるむらづくりを進めます。
・「しごと」と「ひと」の好循環は、それを支える「むら」に加え「ひと」が
魅力的であることが重要です。このため、沖縄の「結ゆ
い」のこころを大切に
育み、これからもひとや地域にやさしいむらづくりを進めます。
- 18 -
参考:国の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の基本目標
<基本目標①> 地方における安定した雇用を創出する
<基本目標②> 地方への新しいひとの流れをつくる
<基本目標③> 若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる
<基本目標④> 時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守るとともに、
地域と地域を連携する
参考:「沖縄県人口増加計画改訂版(沖縄県まち・ひと・しごと創生総合戦略」(H27.9)
沖縄が目指すべき社会
・安心して結婚し出産・子育てが出来る社会(自然増)
・世界に開かれた活力ある社会(社会増)
・バランスのとれた持続的な人口増加社会(離島・過疎地域)
- 19 -
実現に向けた施策
5-1 施策の概要及び体系
「読谷村ゆたさむら推進計画」の達成に向けて、『4.基本目標』に掲げた、4つの基
本目標の達成に向けて、各施策の実施を進めます。
図:施策の基本体系
~安定した雇用の創出~
1.未来にはばたくゆんたんざ産業づくり
(1)伝統文化・産業の継承
(2)魅力ある農漁業の展開
(3)読谷村を支える産業の連携と魅力ある雇用の創出
~新しい人の流れをつくる~
2.定住№1・交流№1のむらづくり
(2)交流№1むらづくり
(1)定住№1むらづくり
~若い世代の結婚・出産・子育てへの希望をかなえる、誰もが生き活き暮らすむらづくり~
3.生き活きがんじゅう・みんなが輝くむらづくり
(1)結婚・出産・子育て支援の充実
(2)女性が輝く社会の実現
(3)みんなの笑顔あふれるむらづくり
(1)持続可能なむらづくり
~時代に合った地域をつくり、安心なくらしを守るとともに地域と地域を結ぶ~
4.安全・快適・潤いあるむら、自然と調和したむらづくり
(2)人と人、むらとひとがつながるむらづくり
- 20 -
5-2 具体的な施策・施策ごとの重要業績評価指標
5-2-1『未来にはばたくゆんたんざ産業づくり』
(1)伝統文化・産業の継承
【施策】 手づくり工芸の継承と発展プロジェクト
基本的な
方向性
・ ヤチムン、琉球ガラス、読谷山花織は、沖縄や読谷村の美、地域
文化の継承や創出を図るものであるため、これら伝統産業の継承
と発展に向けた取り組みを進めます。
・ ヤチムンの里とその周辺については、文化的景観として保存を図
るなど、地域の文化の振興やその活動支援を進めます。
・ ヤチムン、琉球ガラス、読谷山花織に親しむ環境づくりや、それ
による伝統工芸の情報発信、また、後継者等の人材育成への展開
に向けて、学校教育や研修施設と連携した体験学習及び職業体験
の充実を図ります。
・ 読谷村で採れた野菜や海の幸をヤチムンで食べる事を通じ、読谷
村の風土から生まれる豊かな食文化や伝統産業の魅力を発見する
取り組みを進めます。取り組みにあたっては、『農漁業ブランド化
プロジェクト』(『 』は、本計画のプロジェクト名(具体的な施
策)を示す。以下同様)等と連携するとともに、読谷村の食文化
産業をはじめ、新たなしごとづくりの展開を目指します。
・ 生産体制の安定に向け、原材料の安定調達や販路拡充等への取り
組みを支援します。
・ これら取り組みにあたっては、『ゆんたんざ観光業創出プロジェク
ト』と連携しながら進めます。
想定される
施策の内容
○ヤチムンの里等の環境づくり
○文化的景観の保全
○後継者育成支援
●体験学習・生涯学習の充実
●イベント開催
●商品開発
○販路拡大
数値目標
指標 基準値 目標値(H31)
座喜味城跡歴史・文化環
境・景観保全エリアにおけ
る景観地区の指定
0地区(H27) 2地区
読谷山花織後継者育成事業
受講者数 5人/年(H26) 5人/年(継続)
読谷村工芸品プロモーション
活動におけるブース来場者数 2,000人(H27) 2,000人
※●は、他の分野の施策と連携する施策
- 21 -
(2)魅力ある農漁業の展開
【施策】 農漁業ブランド化プロジェクト
基本的な
方向性
・ 農漁業従事者の高齢化等が大きな課題となっているため、次世代
を担う若手従業者の確保、人材の創出に向けた取り組みを進めま
す。
・ 農漁業に従事したいと思えるよう、安定的な経営を支える仕組み
づくりを進めます。このため、就労者に対する、支援・サポート
を地域と連携して取り組むなど、継続的にできる仕事に従事でき
る環境、担い手の創出や育成を図ります。
・ 読谷農業については、整備された農業基盤を活用する中核的農家
から高齢者等の自給目的農家までを網羅し、それぞれの立ち位置
での担い手の所得向上などを含む“新たな農業像”の位置付けを
検討する時期を迎えています。
その際、大きなキーワードとなるのが、地域産業への波及効果が
期待される「6次産業化」があげられます。農漁業生産物の市場
出荷のみならず食品産業や観光関連産業との連携など、これまで
の読谷村が目指してきた「ゆんたんざ産業」づくりとも方向性が
重なるものです。
その中で、読谷村においても、健康づくりと「食」とのあり方、
増加する単身高齢者への「食」の支援、あるいは子育て支援の制
度改革に伴う「食」の提供など、地産地消の観点から「農(漁)・
食・福・医」の連携によるニーズが生まれつつあることから、農
漁業関係施設の機能強化や地域特性を活かした新たな営農の創
出、クラインガルデン等をはじめとした都市部との交流や生きが
い農業などを推進するとともに、環境に配慮した環境保全型農業
を進めます。
・ “新たな農業像”の実現にあたっては、家畜の排せつ物、さとう
きびなどを活用するなど、地域内のバイオマス資源の活用、IT技
術との連携によるスマートアグリの創造・育成に向けた検討を進
めるなど、新産業の創出に向けた取り組みを進めます。また、グ
リーンツーリズムだけでなく、健康や医療と連携した農業を活用
したヘルスツーリズムなど、新たな展開に向けた検討を進めます。
・ 農漁業の魅力アップに向けて、観光やその他産業との連携による
振興や販売促進、新たな「よみたんブランド」の創出、地産地消
の推進、6次産業化や農漁商工連携を進めます。
これら取り組みにあたっては、読谷村地域振興センターを核とし
て、「黄金(クガニ)花咲くアクションプロジェクト(※ )」の達
成に向けて、地域の自立、地域振興と交流の活性化を進めます。
・ 販売促進や PRの実施においては、様々なメディアや媒体、イベン
ト等を活用し、情報の発信や販売経路の拡大を進めます。
- 22 -
・ 読谷村で採れた野菜や海の幸をヤチムンで食べる事を通じ、読谷
村の風土から生まれる豊かな食文化や伝統産業の魅力を発見する
取り組みを進めます。(再掲)
・ これら、取り組みについては、『はばたく若者応援プロジェクト』
『ゆんたんざ観光業創出プロジェクト』との連携を通じ、雇用の
創出から新たな人の流れの創出へ展開します。
想定される
施策の内容
○農業経営の法人化推進
○返還軍用地の農業基盤整備
●就農支援(キャリア教育)
●地産地消の推進
●芋ほり大会(体験学習)
○販路拡大等推進事業
○インバウンド対策
●農漁業ブランド化推進事業
●商品開発
○農産物・海産物 PR 事業
●6次産業化支援
数値目標
指標 基準値 目標値(H31)
栽培施設支援導入農家数 3農家/年(H27) 3農家/年(継続)
地域振興センターの年間来
館者数
0人(H26)
※新規施設 168千人
※●は、他の分野の施策と連携する施策
※ :「読谷村地域振興センター(仮称)建設計画」(H25.5) 本計画は、人・物・文化が結ばれる拠点に、新たに整備する「読谷村地域振興センター」の基本構想(コンセプト・整備方針)、管理・運営手法等について整理
この中で、当該施設整備による地域振興と交流拠点づくりを目指したコンセプトとして、「黄金(クガニ)花咲くアクションプロジェクト」が位置付けられている。そこでは、以下の3つの拠点づくりを進め、それぞれの拠点・機能或いは分野が連携する事により、大きな花が咲き誇る事を目指している。 ①『ゆんたんざ6次産業化の拠点づくり(読谷ブランド・自立活力)』 ②『ちむ清らさ地域連携の拠点づくり(地域連携交流・情報発信)』 ③『ゆたさある田園都市の拠点づくり(ゲートウェイ・観光案内)』
地域振興イメージ図:黄金の花 この黄金の花の中心が地域振興センター(人の交流拠点、情報サービスの拠点) 他分野の連携により、大きな花となって咲き誇る。 各個性を緩やかに束ねるのが行政である。
総合戦略においても、核となる施設、拠点地区であり、様々な分野の連携等により、新たなしごとや人の流れを生み出していく
- 23 -
(3)読谷村を支える産業の連携と魅力ある雇用の創出
【施策】 ゆんたんざ観光業創出プロジェクト
基本的な
方向性
・ 読谷村の特徴である海・山・川の一体となった豊かな自然、農村
的な風情と都市的な利便性をあわせ持つ田園的空間を背景に、こ
れまで継承してきた芸能、工芸の地域文化、エコツーリズムや農
漁業等の体験学習などと複合した体験型ツーリズムなど、スロー
ライフな観光として読谷型観光の確立をはかります。
・ 読谷型観光の確立に向けて、村観光協会を中心に商工会、各種団
体と連携し、人・物・事が結ばれるユイ(結い)の体制づくりを
進めます。また、これら体制づくりを通じ、地域文化を伝えるガ
イドなどの人材育成や情報発信等の観光プロモーションの充実を
はかります。
・ ヤチムン、農産物をはじめとした特産品、また読谷村の美しい自
然景観を楽しむスローライフな観光に加え、読谷村の風土から生
まれる豊かな食文化の再発見等を通じたスローフード(※ )と連
携し、新たな観光の可能性を探ります。
・ 自然を保護する大切さを学ぶ環境学習への展開を図ります。
・ 沖縄県ではその環境を生かし、スポーツコンベンションの誘致に
取り組んでいます。読谷村は、西海岸のリゾート宿泊施設もあり、
誘致に対するポテンシャルが高い地域となります。そこで、スポ
ーツ振興を通じ、読谷村へ訪れる人の拡大を図るため、地域特性
を活かしたスポーツコンベンションを展開します。
・ 滞在型観光を通じて、読谷村に住む人を生み出すなど、『定住№1
のむらプロジェクト』との連携も進めます。
想定される
施策の内容
○リゾートウェディングの推進
○情報発信・観光プロモーション・情報基盤の強化
●滞在型観光の推進(グリーンツーリズム、ブルーツーリズム・エコ
ツーリズム)
●民泊の推進
●環境学習
○スポーツコンベンション(スポーツキャンプ、各種スポーツ大会の
誘致等)
数値目標
指標 基準値 目標値(H31)
観光客入込者数
(※主要観光施設を対象)
2,161千人/年
(H24) 2,450人/年
スポーツコンベンション集
客イベント来場者数
1.4千人/年
(H26) 2千人/年
※●は、他の分野の施策と連携する施策
※ :「スローフード」とは、食を中心とした地域の伝統的な文化を尊重しながら、生活の質の向上を目指す世界運動。「スローフード」の理念として、『おいしい(地域の中で守られてきた味)』『きれい(環境にいい)』『ただしい(生産者に対しての公正な評価)』が挙げられています。(スローフードジャパンより引用)
- 24 -
【施策】 新たなしごと(雇用)創出プロジェクト
基本的な
方向性
・ 読谷村では人口は増加しているものの、買い回り品(※総計 P42
商品を買うのにいろんな店を回って、比較して買うもの 洋服、
家電製品等)については近隣地域への流出が大きく、かつ生鮮食
料品、最寄り品等については大手スーパーやコンビニエンス・ス
トアーなどが進出し、車移動を基本とした買い物環境となってい
ます。今後高齢者等をはじめ交通弱者の増加が予想されることか
らも、商業環境の変化や多様な消費者ニーズに対応した環境づく
りが求められます。
・ このような変化を捉え、地域に密着した商業拠点の形成を進める
など、賑わいのある商業の振興を図ります。また、地域特性に応
じた商業環境の創出に向けて新たなしごとづくりと連携した取り
組みを進めます。
・ 『手づくり工芸の継承と発展プロジェクト』『農漁業ブランド化プ
ロジェクト』『ゆんたんざ観光業創出プロジェクト』等と連携し、
読谷村の人やもの、技術などの地域資源を生かし、農漁業と商工
業の連携による新商品開発・販売促進に向けて、読谷村の新たな
しごとづくりの支援、地域産業を支える新たな企業の誘致等の取
り組みを進めます。
・ JAおきなわ読谷ファーマーズマーケットやシルバー人材センタ
ー等の展開は、安定した生活を支える一助にもなっています。こ
のように、高齢者等が生きがいを持って読谷村で生活できる事に
加え、これまでの経験や知恵を活かして、地域の発展や魅力づく
りに展開できるよう、高齢者の働く場の創出を図ります。
想定される
施策の内容
○企業誘致・立地推進計画の検討
○シルバー人材センター等への支援
●高齢者・障がい者等の生きがい農業の推進
数値目標
指標 基準値 目標値(H31)
企業立地数(大湾東区画整
理地内出店数) 0件(H27) 15件
シルバー人材センター活用
数 156件(H27) 160件
※●は、他の分野の施策と連携する施策
- 25 -
【施策】 はばたく若者応援プロジェクト
基本的な
方向性
・ 読谷村に住む若者の雇用機会の創出をはかるとともに、村民が積
極的に求職活動を行える環境の提供等の取り組みを進めます。
・ 本計画で創出を目指す新たな産業等については、検討段階から若
者や地域の人材と連携した取り組みを進めます。
・ 『手づくり工芸の継承と発展プロジェクト』『農漁業ブランド化プ
ロジェクト』『ゆんたんざ観光業創出プロジェクト』を推進するこ
とによって、若い人が働きたくなる環境整備に努めます。
想定される
施策の内容
○地元企業へのインターンシップ
○地元企業と若者のマッチング
○地元企業・産業の情報発信
数値目標
指標 基準値 目標値(H31)
グッジョブ・サポート・読
谷(就職相談窓口)相談件
数
251件(H26) 326件
就職セミナー参加者数 209名(H26) 209名
図:就職を希望する地域(資料:読谷村に住む若者に対するアンケート調査結果(H27))
【就職予定:38 人】
・ 就職を希望する地域を選んだ理由(複数回答)
1 位:その地域に希望する就職先の企業があるから
2 位:自分の出身地だから
3 位:知らないまちで自分の力を試してみたいから
- 26 -
5-2-2『定住№1・交流№1のむらづくり』
(1)定住№1むらづくり
【施策】 定住№1のむらプロジェクト
基本的な
方向性
・ 読谷村は、東は読谷山岳を頂点とした緑の山並が連なり、西はエ
メラルドグリーンに輝くイノー(サンゴ礁池)に囲まれ、波濤が
打ち寄せる残波岬や自然海岸が連なる風光明媚な半島にありま
す。
この恵まれた自然の中で、大交易時代を切り開いた「泰期」、歌・
三線の祖と讃えられる「あかいんこ」、世界遺産である座喜味城を
築城した「護佐丸」などの先人たちが読谷村はじめ沖縄の歴史と
文化を築いています。
この自然と歴史の中で育まれてきた読谷山花織・ヤチムンをはじ
めとする個性的な文化と、村民の主体的なむらづくりが行われて
います。
・ この読谷村の魅力を活かし、『日本一人口の多い村』である読谷村
では、将来ずっと住みたくなる定住№1の地域づくりを進めます。
・ 定住環境の整備においては、現在進めている区画整理事業や軍用
跡地の利用など、計画的な土地利用を進めるものとし、『安全・快
適・潤いあるむら、自然と調和したむらづくり』と連携しながら、
自然環境との調和、安心・安全の都市環境を創出します。加えて、
『生き活きがんじゅう・みんなが輝くむらづくり』と連携し、子
育てしやすい環境を整える事で、定住を促進します。
・ 本村への移住者は、沖縄の原風景(豊かな自然)を求める方が多
く(※アンケート結果より)、これが本村の強みです。この強みを
維持し、定住を促進します。
・ 『ゆんたんざ観光業創出プロジェクト』との連携において、各種
滞在型観光を通じ読谷村への移住・定住へと繋がる仕組みや手法
について検討を進めます。
・ 新たな住まい方の創出として、2地域間居住の推進に向けた体制
づくりを進めます。
想定される
施策の内容
○読谷村PRパンフレット
○読谷村情報発信
○転入者とむらをつなげる体制構築
○空家活用の検討
数値目標
指標 基準値 目標値(H31)
読谷村ホームページの更新数 663回(H27) 680回
大湾東区画整理地内の住居
者数 0人(H27) 555人
- 27 -
図:転入するときに重要視したもの(資料:読谷村に住む若者に対するアンケート調
査結果(H27))
件数
36
78
51
43
2
38
31
12
8
8
18
5
7
11
50
44
7
1
9
9
7
22
69
28
29
26
2
651
16.治安が良い
17.金融機関が近くにある
18.娯楽施設が近くにある
19.飲食店が近くにある
20.図書館、スポーツ施設などの公共施設が近くにある
21.道路や下水道など都市基盤が整っている
22.自然災害が少ない
23.親・子ども・知人が近くにいる
24.生まれ育ったむらだから
25.住宅が用意されていたから(社宅、家族と同居、家族の持ち
家)
26.その他
無回答
計
選択肢
1.人や地域のつながりが豊か
2.自然が豊か
3.職場が近い
4.住宅価格や家賃が安い
5.物価が安い
6.買い物が便利である
7.交通が便利である
8.病院等が近くにある
9.子育て施設や体制が充実している
10.保育園や幼稚園が近くにある
11.小・中学校や高校が近くにある
12.教育環境や体制が充実している
13.高齢者や障がい者のための施設等が充実している
14.公園が近くにある
15.街並みや街の雰囲気が良い
22.0%
47.6%
31.1%
26.2%
1.2%
23.2%
18.9%
7.3%
4.9%
4.9%
11.0%
3.0%
4.3%
6.7%
30.5%
26.8%
4.3%
0.6%
5.5%
5.5%
4.3%
13.4%
42.1%
17.1%
17.7%
15.9%
1.2%
0% 10% 20% 30% 40% 50%
- 28 -
(2)交流№1むらづくり
【施策】 交流№1のむらプロジェクト
基本的な
方向性
・ 交流№1むらづくりに向けて、多様な交流の創出を図ります。特
に、本プロジェクトは、『ゆんたんざ観光業創出プロジェクト』『地
域の自慢プロジェクト』等と連携し、読谷村へ訪れる人の拡大、
人と人との交流の展開を図ります。
・ 読谷村では、伝統芸能の継承が各地域で積極的に行われ、その活
動は次世代の育成、地域交流といった広がりを持っています。ま
た、むらづくりの集大成である「読谷まつり」は、地域に埋もれ
た貴重な伝統芸能を掘り起こし、様々な文化活動の展開に寄与し
てきました。今後も読谷村の歴史と文化を継承・発展するため、
地域で受け継がれる伝統芸能等の継承・発展に努めるとともに、
人と人(地域、多様な世代の交流ほか)、人と地域の交流を活性化
します。
・ 「読谷まつり」は読谷村の魅力を発信する場でもあり、訪れる人、
他自治体や文化の交流にも展開しています。その他読谷村の各種
イベントを通じて、多様な交流の場の創出を図り、交流№1のむ
らづくりを進めます。
・ 『ゆんたんざ観光業創出プロジェクト』における、各種滞在型観
光やスポーツコンベンションの誘致を進め、交流人口の拡大を図
ります。
・ 交流№1のむらづくりのため、「ひと」「もの」「こと」の連携をさ
らに深めます。このため、交流人口を受け入れる体制の構築とし
て、観光協会の強化、読谷村へ訪れる人をもてなし、また訪れた
いと感じるソフト・ハードの整備を進めます。
・ 交流№1のむらプロジェクトは、地域の連携なくしては達成しま
せん。このため『村民の“わ”(環・和・輪)プロジェクト』と連
動しながら、地域活性化とコミュニティの充実を図ります。
想定される
施策の内容
○観光協会の強化
○多様な交流の場の創出
数値目標
指標 基準値 目標値(H31)
観光客入込者数
(※主要観光施設を対象)
(再掲)
2,161千人/年
(H24) 2,450人/年
読谷まつり来場者数 79千人(H25) 80千人
- 29 -
【施策】 地域の自慢プロジェクト
基本的な
方向性
・ 地域に伝わる伝統芸能や新たに創造される文化は、地域の独自性
や特性を支え、愛着心や誇りを育む地域活動の原動力となります。
このような地域活動は、人々の生きがいとなり、クオリティ・オ
ブ・ライフ、幸福度や生活の質の向上につながっていきます。加
えて地域への愛着心は、地域への定住、Uターン率を高めると言わ
れています。
・ そこで、地域活動の展開、地域の新たな魅力や独自性の創出に向
けて、地域自慢プロジェクトを推進します。
なお、これまでの取り組みを継承するとともに、新たな展開に向
けた仕組みづくりや体制づくりを整えます。
・ 「よみたん大学」(まちづくり大学)等を通じて、地域文化の掘り
起しや地域自慢の創出、また自慢が自慢を呼ぶ賑わいや活力の連
鎖を創出します。加えて、村内外の多様な人々や企業と連携する
ことで、村内外への情報発信、人や地域を繋ぐ取り組みを実施し
ます。
想定される
施策の内容
●文化財の保存と活用
●文化芸術活動の展開
●地域伝統芸能の掘り起しと保存・担い手育成(地域自慢の創出)
○県外、国外における伝統芸能披露
数値目標
指標 基準値 目標値(H31)
読谷山花織後継者育成事業
受講者数(再掲) 5 人/年(H26) 5人/年
農産物スーブ大会の開催 1品目 3品目
読谷村ノーベル平和賞を夢
みる村民基金助成事業申請
数
5件/年 5件/年
※●は、他の分野の施策と連携する施策
- 30 -
5-2-3『生き活きがんじゅう・みんなが輝くむらづくり』
(1)結婚・出産・子育て支援の充実
【施策】 結婚・出産・子育て支援プロジェクト
基本的な
方向性
・ 沖縄県は全国に比べ既婚率が低いことが課題となっています。こ
れは、読谷村においても同様です。しかし、一方でアンケート結
果では結婚希望者の割合は非常に高く、結婚しやすい環境を行政
としてサポートしていくことも重要です。
・ このため、地域のイベント、読谷村の特性(体験型観光等)と連
携しながら、若者の交流・出会いの機会の提供について検討を進
めます。
・ 既婚率は低い一方で、夫婦当たりの子どもの数が多く、子は宝の
地域風土があります。これは、子ども・子育てを大切にしようと
する価値観・意識が強いことや、「親族・地域の絆」が強く、子育
てしやすい環境と思う人が多いことが、要因の一つとしてあげら
れています。このため、これからも地域や人とのつながりを大切
にし、行政と地域が連携しながら地域における子育て支援体制を
構築するなど、子育てしやすい環境を維持・創出していきます。
・ 移住者の増加、少子化・核家族化の進行、夫婦の共働きなどによ
る子育て環境の変化に対応するため、子育て支援関連施設の充実
とともに、人材の確保、地域の中で子どもを支えあえる体制づく
りを進めます。また、移住者が地域のコミュニティ、子育て支援
施設等を円滑に利用できるようなサービスの提供を検討します。
・ 将来を担う子どもたちと子育て世代が住み・学びやすい環境づく
りのため、多様なニーズに応じた子育てを応援する環境づくりを
進めます。また、ソフト事業に加えて、子どもが安全・安心に遊
べる身近な公園の整備や遊具・施設の充実など、『自然と調和した
むらづくりプロジェクト』等と連携しながら、住み続けたいと感
じる居住環境の整備を進めます。
想定される
施策の内容
○子育て支援の充実
○子育て支援拠点事業
○病児病後児保育事業、地域サポーター養成講座
数値目標 指標 基準値 目標値(H31)
ファミリーサポートセンタ
ー事業における「まかせて
会員」の登録者数
200人(H27) 230人
地域子育て支援拠点事業利
用者数 14,384人(H26) 16,776人
- 31 -
図:結婚・出産・子育てに対するアンケート調査結果(H27)※19~39 歳女性
【理想の子どもの数より、実際にこどもを設けた数が少ない要因】
【読谷村は子育てしやすいまちか】
【読谷村の子育て支援に関する現状の満足度と今後の重要度】
・ 子育てしやすいと思う理由(複数回答)
1 位:安心して子どもを育てることができる教育機関(小中学校、高校等)等が整っている(40%)
2 位:安心して子どもを育てることができる保育園・幼稚園等が整っている(35%)
3位:子どもが安心して遊ぶことができる環境が充実している(34%)
件数
821033453253621473774143515111663666
13.悩みを相談する相手が少ないこと
14.子どもはほしいがパートナーの同意が得られないこと
15.その他
無回答
計
7.不妊症・不育症に関すること
8.高齢出産に関すること
9.育児の心理的・肉体的な負担に関すること
10.保育所など子どもの預け先に関すること
11.医療機関や医師の不足に関すること
12.育児・家事の協力者がいないこと
1.家計の収入が不安定であること
2.子育てや教育にお金がかかりすぎること
3.自分の仕事に差し支えること
4.産休・育休・職場復帰に関すること
5.非正規の職員(派遣・嘱託・契約社員)のため将来の雇用に不安があること
6.産前・産後の体調変化に関すること
選択肢
24.6%
30.8%
10.2%
15.9%
7.5%
10.8%
6.3%
14.1%
11.1%
22.2%
4.2%
10.5%
4.5%
3.3%
4.8%
18.9%
0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35%
- 32 -
【施策】 子ども未来応援プロジェクト
基本的な
方向性
・ 未来を担う子ども達が、元気にすくすく育つ環境づくりを進めま
す。
・ 沖縄県では、待機児童が大きな問題となっており、読谷村におい
ても大きな問題です。待機児童ゼロに向けた対策を図り、安心し
て子どもを産み、育てられる環境を整えます。
・ 待機児童の対策においては、国や県と連携し、待機児童対策特別
事業、安心こども基金事業等の活用により待機児童等の解消を図
ります。
・ 待機児童の解消に向けては、保育所及び認可保育園等の施設を増
やす方法に加え、地域や企業と連携しながら総合的な対応を進め
る事も有効です。このため、多様な保育サービスの展開に向けた
取り組みを進めます。
・ 家庭・学校・地域の連携を強化し、社会全体で子どもと子育て世
帯を支援していく取り組みを進めます。特に、読谷村をはじめ沖
縄県では、地域公民館を拠点に、地域の大人たちが子どもを見守
り、育てる地域環境が残っています。この環境を将来も継続して
いくための支援・取り組みを推進します。
・ 地域における学習教室の充実、地域の大人及び読谷村ならではの
産業や文化と子どもが触れ合う場の創出を図ります。これら取り
組みについては、『村民の“わ”(環・和・輪)プロジェクト』と
の連携を通して、地域コミュニティや繋がりを深めていきます。
想定される
施策の内容
○保育サービスの充実
○家庭・地域・学校の連携推進事業
○地域子ども教室支援
○放課後子ども教室
数値目標
指標 基準値 目標値(H31)
村立・認可保育所数 9園(H27) 11園
児童館利用者件数 76人/日(H27) 90人/日
- 33 -
(2)女性が輝く社会の実現
【施策】 女性が輝く社会実現プロジェクト
基本的な
方向性
・ 女性が輝き、働きやすい社会づくりを、地域や企業と連携しなが
ら進めます。
・ 子育て支援、育休等の制度整備は進んでいますが、アンケート調
査等においても、子育てに優しい社会の達成には至っていません。
このため、男女共同参画に向けた意識改革を進め、男女ともに個
性と能力を十分発揮できる社会の実現を目指します。
・ 働くことを希望する女性が、男性とともにその能力を十分に発揮
でき、生き活きと働き続けられるよう、企業経営者等の意識改革
を促進するとともに、企業の環境整備を支援します。
想定される
施策の内容
○男女共同参画講座
○ワークショップの開催
○専門家による講演等勉強会の開催
数値目標
指標 基準値 目標値(H31)
男女共同参画講座数 1 講座/年(H27) 1講座/年
子育て親育て応援セミナー
講座数 2 講座/年(H27) 2 講座/年
- 34 -
(3)みんなの笑顔あふれるむらづくり
【施策】 健康むらづくりプロジェクト
基本的な
方向性
・ 明るく活力のある社会をつくりあげていくための基礎となるの
は、村民一人ひとりの心身の健康です。村民一人ひとりが健康に
過ごせるよう、健康に関する意識の啓発や医療サービスの充実等
により、健康の維持・増進を目指します。
・ 「沖縄県まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、目指す人口ビ
ジョンの実現に向けて、「健康長寿おきなわの推進」を位置付けて
います。かつて長寿全国一であった沖縄も食生活の欧米化が進む
とともに、生活習慣の変化により、健康状態が悪化し、平均寿命
が下がっています。読谷村においても 65 歳未満死亡率が全国の平
均より高くなっています。
・ このため、健康・食事・運動に関する教育の実施や生活習慣病な
ど予防対策の充実、また医療サービスの充実等を図ります。
・ 在宅医療を推進し、地域密着型の医療サービスの充実を図ります。
・ また、地域医療サービスは、生活利便性の充実、ひいては読谷村
で住むことの満足度向上においても重要な取り組みとなります。
そのため、『自然と調和したむらづくりプロジェクト』と連携しな
がら取り組みを進めます。
想定される
施策の内容
○在宅医療の推進
○地域医療体制の検討
○介護予防の推進
○健康づくりの推進
数値目標
指標 基準値 目標値(H31)
読谷村診療所における在宅
診療の件数 661件(H27) 1,200件
特定検診受診率 43.1% 60%
- 35 -
5-2-4『安全・快適・潤いあるむら、自然と調和したむらづくり』
(1)持続可能なむらづくり
【施策】 自然と調和したむらづくりプロジェクト
基本的な
方向性
・ 高齢者や子育て世代にとって、安心できる健康で快適な生活環境
を実現し、財政面及び経済面において持続可能なむらづくりを進
めます。
・ 持続可能なむらづくりに向けては、市街地を取り囲む緑・自然を
保全し無秩序な開発を抑制するとともに、村民の生活利便性の確
保や、様々な賑わいを形成する拠点と拠点を結ぶネットワークの
形成が重要となります。
・ 読谷村では「鳳計画」の中で、地球的な視野に立った、自然と共
に生きる安定した地域社会建設の重要性を位置付けています。こ
れら実現に向けて、景観計画に基づき、豊かな自然、歴史の刻ま
れた本村固有の景観の保全、都市と農村が調和する魅力的で良好
な景観の形成を推進します。
・ 軍用地の跡地利用等による計画的市街化整備を推進し、無秩序な
市街化を防止するとともに、公共施設の整備を行うなど、地域特
性を活かした健全で快適な住環境の形成を図ります。
・ 地域の核となる生活拠点の機能を維持・向上していくため、必要
な機能の集積を誘導する取り組みを進めます。また、各地域や拠
点を結ぶ公共交通路線の検討を進めます。
・ 読谷村では病院、日常品の買い物等において、生活利便性の満足
度が低い(村民アンケート結果より)状況にあります。そこで、
周辺市町村と連携しながら、各種都市機能を補完していくなど、
広域連携に向けた検討を進めます。また、沖縄自動車道とのアク
セスや緊急医療施設へのアクセスなどを可能にする中央残波線の
東への延伸などの実現に向けて取り組みます。
想定される
施策の内容
○自然環境の保全
○公共交通路線の検討
○公共施設等総合管理計画策定
数値目標
指標 基準値 目標値(H31)
公共施設等総合管理計画策
定 ― 策定
景観形成重点地区における
景観保全手法の選定 1地区(H27) 3地区
地球温暖化対策実行計画
(事務事業)の策定 ― 策定
- 36 -
【施策】 安心・安全むらづくりプロジェクト
基本的な
方向性
・ 災害から村民の暮らしを守るため、関係機関との連携を図り、村
民の防災意識を高めるとともに、安全・安心の地域づくりを支え
る都市基盤整備や公共施設の耐震化を図ります。
・ 犯罪などから村民の暮らしを守るため、住民の協働や警察など関
係機関との連携により、「地域の目を活かした防犯・安全体制」の
確立を図ります。
・ これら安全・安心の地域づくりを進めるためには、住民との協働
が特に重要になることから、自助・共助・公助による地域づくり
を推進し、地域コミュニティの連携による地域防災力の向上を図
ります。
・ 米軍基地から派生する様々な問題に対し、村民及び関係機関と連
携して対応策を講じるとともに、日米両政府へ対策を求めます。
想定される
施策の内容
○自主防災組織への支援強化
○避難訓練等の実施
○交通安全関係団体の支援
数値目標
指標 基準値 目標値(H31)
防犯灯設置件数 1,686基(H27) 1,714基
防災訓練参加者数(人) 650人(H27) 750人
- 37 -
(2)人と人、むらとひとがつながるむらづくり
【施策】 村民の“わ”(環・和・輪)プロジェクト
基本的な
方向性
・ 「豊かな自然」「歴史」「文化」「平和」を礎とし、世代を超えた思
いやり、ユイマール精神、地域に伝わる伝統芸能、人と人との繋
がりを誇りに村民が主体となった生き活きとしたむらづくりに取
り組んでいます。
・ しかし、社会情勢の変化に伴い、個人の生き方が多様化するなか、
地域行事への参加者が減り、地域のコミュニティ活動そのものが
衰退しつつあります。読谷村においても自治会加入率が低下し、
地域の繋がりが希薄になるなどの問題も発生しています。
・ 地域コミュニティの衰退は、地域の防災力・防犯力の低下、地域
活動の低下による活力や賑わいの衰退、また地域の文化等が維持
できなくなる恐れもあります。
・ 地域による自主的なむらづくり活動を活性化するため、各種団体
や NPO などによる活動を支援します。また、これら団体や活動を
有機的に繋ぎ、地域コミュニティを維持し、地域の賑わいを創出
することで、村民の顔が見える、笑顔あふれる地域づくりを進め
ます。
・ これら取り組みは、『交流№1のむらプロジェクト』『地域の自慢
プロジェクト』と連動しながら、人や地域を繋ぐ取り組みを進め
ます。
・ また、地域ぐるみで子ども達を育てる取り組みをはじめ、『生き活
きがんじゅう・みんなが輝くむらづくり』に位置付けた各種プロ
ジェクトと連動していきます。
想定される
施策の内容
●文化芸術活動の展開
●地域伝統芸能の掘り起しと保存・担い手育成(地域自慢の創出)
○地域コミュニティ組織に対する助成・活動支援
数値目標
指標 基準値 目標値(H31)
ふれあい交流館稼働率 100%(H26) 100%
読谷まつり参加者数 8千人(H27) 8千人
字別構想推進事業交付申請
数 1件/年(H27) 2件/年
※●は、他の分野の施策と連携する施策
「読谷村ゆたさむら推進計画」
発行:読谷村 総務企画部企画財政課
〒904-0392 沖縄県中頭郡読谷村字座喜味 2901番地
http://www.yomitan.jp/
TEL 098-982-9205
編集協力:玉野総合コンサルタント株式会社