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機械設計製図 (第四回目:図面の基本知識)

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機械設計製図(第四回目:図面の基本知識)

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基準面 基準面

基準面のない場合

1.寸法の基準面、基準位置

参考寸法参考寸法

基準とは?

基準面のある場合

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2.寸法を重複して記入してはいけない

×74

参考寸法

○ (74)

理由: 寸法74を(12+12+4+19+13+14=74)

により算出できるので、寸法74は重複記入している。

74○

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3.中心線を基準とする軸寸法の記入法

中心線

R2

5× R2

○ ○

(以上のような記入法は軸の中心線を基準にしていることを意味する)

(以上は誤った記入法である)

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中心線を使って穴やねじの位置を指定し、Φで直径を表す方法

中心線を使わないで、穴やねじの位置を指定する方法

4.穴の中心線の位置を示す方法

よく使う方法 あまり使わない方法

○ ×

円心の位置と半径を図示する

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振り分け寸法(対称構造に限定)

( )内の寸法は参考寸法です。( )はないと、重複寸法となる

中心線は基準 側面は基準

5.長さ寸法の記入法(振分け寸法)

( )カッコ寸法

よく使う方法 あまり使わない方法

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寸法記入の具体例

正しい図例

書く必要がない振分け寸法中心線=基準

参考寸法

片矢寸法

Z軸方向の基準面 X軸方向の基準面

Y軸方向の基準面

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誤った図例

① ②

①:重複寸法、基準面不明

②と③:重複寸法⇒振り分け寸法に変更

上半分=断面図

上半分=外形図

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6.寸法と寸法公差の記入法

Φ50 -0.025Φ50+0.015

50:基準寸法Φ :直径

-0.02550+0.015

0Φ50+0.035

-0.030Φ500

±0.025Φ50

公差の上限

公差の下限

寸法

図面において、寸法値と公差値の単位はmmであり、単位を図面に記入する必要がない。

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7.寸法の重複記入について(2010年改定)

2010年改定: 寸法の重複記入をしてもよい。ただし、寸法の前に黒丸を付ける必要がある。

一般的に寸法記入は重複してはいけない

振り分け寸法 ● 重複寸法

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8.寸法基準面の決め方の基礎

通常の記入法:(中心線を基準面に)

摺動機構においての参考例しゅうどう

振分け寸法中心線=基準

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機能を考慮した記入法:(接触面を基準面に)

記入法1:

記入法2: 記入法3:

±0.2

±0.2

普通寸法公差:6~30mm⇒±0.2(中級)

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最小二乗法の定義(公差の加法の法則)

9.寸法の累積公差の計算法:

寸法累積公差の最大値と最小値

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寸法累積公差計算の練習:

20 30 40+0.2 +0.25 +0.3-0.1 -0.15 -0.2

90+0.439-0.269

439.0)3.0()25.0()2.0( 222

269.0)2.0()15.0()1.0( 222

公差の上限=

(-0.1)+(-0.15)+(-0.2)=-0.45公差の下限=

(+0.2)+(+0.25)+(+0.3)=+0.75

公差の上限=

公差の下限=

平方根法:

線形方法:

+0.75-0.45

(最大値と最小値)

(分布範囲)

(あまり使わない)

(よく使う)

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組立図面における長さ寸法の累積公差の計算

実際の設計・計算例:

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軸に配置されている各部品をうまく組み立てられるようにするために、各部品の寸法公差により、183というGearboxの外壁の長さ寸法の累積公差を算出する必要がある。即ち、183寸法の公差は各部品の長さ寸法(1.5, 20, 50, 60, 30, 20, 1.5)の累積公差により決まること。

50 60 30 2020

183

1,5 1,5

183

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10.累積公差が最小になる寸法記入法

累積公差の影響を考えた記入例 累積許容差の影響を考えなくてもよい記入例

直接記入

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他の寸法公差の影響を避けた記入例

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重要な所への記入例

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11.直列、並列と累積寸法の記入法

(1)直列寸法記入法

外形全長寸法は必ず記入

直列寸法、基準なし。 参考寸法

深さの新しい記号

4×φ5深さ15

古い記入法:

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(2)並列寸法記入法

寸法基準

寸法基準

穴の中心線は基準面Aに対する平行度は0.02

意味=この面を基準Aにする

A

データム記号

基準面を示す記号

正面図

平面図

底面図

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軸の加工(寸法)基準の示し方(データム記号の記入法):

A

A

A

A

×

軸の加工や寸法測定をするときには、軸の中心線を基準にするということを意味する

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:○と片矢寸法線の使用

59.1

(3)累進寸法記入法

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累進寸法記入法は、以下のような記入もできる。

角度の累進記入法

寸法を縦書きにする

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(4)その他の記入法

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12.便利な描き方

(1)矢示法

(2)略画法

(3)遠くに見える部分の省略

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(1)矢示法

取付金具の例(1)

紙面の都合で投影図が本来の場所に配置できない場合には 矢示法を使用。

任意の空いているスペースに配置できる。

特徴:

B B

矢示法の特徴:

AA

A方向から見た形状を任意の位置に配置

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取付金具の例(3)取付金具の例(2)

取付金具の例(4)

G

G

A

H

A

H

正面図 右側面図

矢示法

正面図 矢示法

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軸穴がスプラインの例

Note: 正しい寸法ですべての細部を示

すようなスプライン継手の完全な図示は不要で、細部はJISで決められているので、型番を示せばよい。

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(2)略画法(あまり使わない方が良い)円柱どうしの相貫の例

一般的な曲面相互または曲面と平面が交わる部分の相貫線

曲面相互または曲面と平面が交わる部分で相貫する部分の寸法差が少ない場合

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形状を省略する例

•円筒と継手の場合

•球面と継手の場合

実形略画法

略画法実形

円筒

球面

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(3)遠くに見える部分の省略

見える形状をすべて描いた例

遠くに見える部分を省略した例

さらに省略して必要な部分のみを描いた例

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図例(取付台の場合)