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Page 1: ’論/卒論1123向井.docx · Web view4-1 SNSの普及 4-2ファストファッション 4-3 古着の流行 5.今後の流行 おわりに はじめに ファッション(fasion)とは、服飾における流行,または流行の服飾そのものを指す。その中でも特に服装を指し、他にも装飾品(帽子、アクセサリー

卒業論文11481135向井香織「流行りの形成過程~創るファッション・創られるファッション~」目次はじめに1.ファッション市場の現状1-1 国内のファッション市場1-2 世界のファッション市場1-3 今後の日本のファッション市場の動き2.アイコン型の流行2-1 著名人とファッション2-2 その時代のメディアテレビ・新聞2-33.コレクションからの流行3-1 コレクションから流れてくる流行3-2 雑誌のはたらき3-3 「みんなが持っている」から生まれる流行4.自分を表現するという流行4-1 SNS の普及4-2 ファストファッション4-3 古着の流行5.今後の流行おわりに

はじめに ファッション(fasion)とは、服飾における流行,または流行の服飾そのものを指す。その中でも特に服装を指し、他にも装飾品(帽子、アクセサリー、等)や美容(ヘアスタイル、化粧)、香水も含まれている。また、フランス語では、モード(mode )という言葉で表現されている。衣装は、個人を表現・主張するもの、変化や新しいものへの好奇心であるのと同時に、世の中の慣習に従い、社会に溶け込むものである。 ファッションにおける流行は、発生→伝播・拡大→頂点→衰退→消滅というプロセスで動いている。このプロセスをファッション・サイクル(ファッションの周期)と呼ばれている。しかし、ファッションは非常に複雑で幅広い。近年、このサイクルの発生から消滅まで期間は、ファストファッションの台頭により、短縮化傾向を辿っている。人々は、流行に敏感で、常に、次の新しいファッションを待ちわびているのだ。音楽も、ファッションも、その時代の雰囲気を反映した流行がある。消費者の選考・選択の結果として流行が生まれるが、消費者の選考・選択に影響を与え、その時々の流行を創ろうとする人達、仕掛けも様々に存在する。特にファッション業界は、流行の変化が激しい業界。では、流行は創ることができるのか。そもそもどのように流行が生まれるのか。ファッションにおける流行は、ファッション雑誌やコレクションを通じて、映画や人気女優により、あるいはSNS等、様々な要因で形成・拡散されていくと考える。 本論文では、流行の形成過程の中でも、ハイブランドから生まれる流行を中心に研究する。ハイブランドから生まれる流行は、コレクション、メディア、人物の3 つのチャンネルからどのようにして流行りが形成されるのか。この3点に着目して、調べる。

1.ファッション市場の現状 本章では、近年における国内外のファッション市場ついて、複数のグラフを用いながら、現状を把握する。

1-3 日本のファッション市場 日本ファッション市場は、ここ 10年緩やかに縮小傾向にある。図①より、2013年は 18 兆円規模(アクセサリー等含む)で、10年前と比べて 1%減少している。背景として、メルカリをはじめとする二次流通市場1の成長やファスト

1 一度販売された製品を購入した後、再び販売すること。C to Cビジネス。

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ファッション2ブームが考えられる。多くの日本ファッション企業が海外進出を目指しているが、ファーストリテイリングのように海外売上が 2 割を越える企業はない。国内上位企業の内、7 割以上の企業は海外比率が 10%未満で、海外進出は進んでいない。図 1  日本のファッション市場の推移・主要アパレル企業の海外進出状況

出典:経済産業省 ファッション業況調査

 図②より、ローランド・ベルガー社 i の分析によると、2014 年の国内アパレル小売市場は全体でおよそ9 兆円である。同社の予測では、今後も市場は横ばいの状態から、徐々に減少していくと考えられている。このように、アパレル市場全体が伸び悩んでいる背景としては、いくつかの理由が挙げられる。図③では、消費者がモノへの支出からサービスへの支出へシフトしたことがわかる。これより、ファッションにできるだけお金をかけないようにするために、ファストファッションのような低価格の衣料品を選択肢としている消費者が増加したことが挙げられる。他にも、先に述べたように二次流通市場の成長やメチャカリのような洋服のレンタル会社など衣料品の購入にいたるまでのプロセスが細分化されていることも理由のひとつだろう。

図 2 セグメント別国内アパレル市場規模推移

図 3  家計の消費支出はモノからサービスへシフト

2 流行を採り入れつつ低価格に抑えた衣料品を、大量生産し、短いサイクルで販売するブランドやその業態のこと。

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出典:消費者庁 平成 25年度版消費者白書 市場規模で 9 兆円の国内のアパレル市場であるが、その中身は大きく 3つの市場に分かれている。主要価格帯別に、上からラグジュアリー市場、トレンド市場、マス・ボリューム市場3である。これらの 3つの市場のターゲットとなる消費者と実際のブランドをさらに細かく見ていく。 ローランド社の解説によると、ラグジュアリー市場は、富裕層や可処分所得の多い女性層を狙った LVMHやGucciに代表されるハイエンドブランド4と、トレンド層の消費者の取り込みも狙ったアクセシブルラグジュアリー5の 2つに分かれる。トレンド市場では、流行に敏感な消費者層を相手に、ワールドやオンワードなどの総合アパレル企業系のブランドや、BEAMSやUnitedArrowsに代表されるセレクトショップなどが展開している。そして、マス・ボリューム市場では、より一般層を相手に事業を展開するユニクロ、しまむら、無印良品が代表的である。他にも、ZARA、H&Mなどの海外グローバル・ファストファッション企業は、マス・ボリューム市場だけでなくトレンド市場にも侵食してきているようだ。 そして、これら 3つの各市場の市場規模であるが、図④を見ると、2014年時点でラグジュアリー市場が 1 兆円、トレンド市場が 2.6 兆円、マス・ボリューム市場が 5.3 兆円となっている。

図 4  アパレル市場の構成及び市場規模

 市場全体としてはほぼ横ばいで推移する国内アパレル市場であるが、図②に戻り、上記3 つの市場毎に見ると、異なる動きが見られる。ラグジュアリー市場では、景気の回復と海外高級ブランドを中心としたラグジュアリー

3 これら3つの市場に分類するための基準は、本論文ではローランド・ベルガー社が定めた基準に合わせる。以下、基準についての説明である。シャツの価格を例にすると、ラグジュアリー市場ではシャツ 1 枚が 2 万円以上する高価格帯、トレンド市場では、1 枚 7,000 円~2 万円といった中価格帯、マス・ボリューム市場では、1 枚 7,000 円以下のボリュームゾーンである。4 高価格・高性能・高品質志向の商品、傾向そのものを指す。5 ブランドとしての付加価値を高く保ちながらも、マスマーケットの消費者にも買いやすい価格帯で商品を提供するのが特徴。

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ブランドの積極的な事業拡大により、マーケットは横ばいしている。また、マス・ボリューム市場についても、消費の二極化が進む中で変化は少ない。一方、トレンド市場は、唯一大きく減少傾向である。その結果として、トレンド市場におけるブランド間の競争が激化し、トレンド市場に軸足を置くアパレル各社の中には近年苦戦を強いられる企業が増えている。ローランド社の解説によると、例えば、2015 年に入り複数の総合アパレル企業において、大規模なブランドの廃止と店舗の閉鎖を発表されたが、これまでトレンド市場を牽引してきた企業にとっても極めて厳しい競争環境に変化しつつある。 こうしてトレンド市場全体が縮小し、トレンド市場を主戦場とする各社が苦戦を強いられる背景には、大きく2 つの要因が存在しているも。 第一に、消費者の価値観の多様化に伴い、トレンドが細分化したことだ。これまで、トレンド市場が成長した背景には、国内のアパレルにおける消費トレンドの一様性が存在していた。すなわち、ある一定規模の消費者が一斉にトレンドにのったブランド・アイテムを買い求める傾向があった。そのため、トレンド市場をターゲットにしたアパレル企業は、トレンドを意図的に作り出して、継続的に収益を上げるということが容易だった。しかし、2000 年頃を境に、消費者の価値観の多様化が一気に進んだ。消費者は自らのライフスタイルと価値観に合わせ、自分が好きなものを着るというスタイルに変化し、流されにくい消費者が一般的となった。すなわち、服はトレンドにのっていることを示すファッションではなく、自らのライフスタイルや価値観を示すファッションとなり、消費者はラグジュアリー、トレンド、マス・ボリューム市場のブランドまでのアイテムを自由に組み合わせて、自らを表現するように変化した。結果、アパレル企業は従来のようにトレンドを作り出し、消費者をまとめて取り込むということが難しくなってしまったと考えられる。一方で、消費者の多様化にあわせるべく、アパレル企業はブランドを増やし、ファストファッションの台頭も重なり、トレンド市場にはブランドが溢れ返るようになった。結果、小粒なブランドが増えた。これにより、ブランドあたりの投資効率は直近10 年で大きく低下してしまったようだ。 次に、第二の理由は、ファストファッション企業の台頭とマス・ボリューム市場のブランドの品質向上によりトレンド市場の単価が下落したことも挙げられる。ユニクロに代表されるSPA6 を行う企業が高品質で低価格なラインナップを増やし、加えてZARA やH&M が、今まさに街角で流行っている服装というのを比較的低価格で素早く市場に投入するようになり、もともとトレンド市場にいた流行に敏感な消費者層の価格に対する目線が下がってしまった。昔のようにトレンド商品を流行の起点であるコレクションブランドのみを意識した価格づけは困難となり、トレンド市場のブランドもファストファッション企業の価格を意識した値段設定にせざるを得ないのが現状である。

1-2世界のファッション市場 日本のファッション市場に続き、ここでは、世界のファッション市場を見ていく。図⑤より、世界のファッション市場をおける主要国におけるファッション市場規模は、2013年に 206 兆円、2020年には 325 兆円へ成長すると予想されている。地域別に見てみると、まず中華圏は 2020年までに 60 兆円拡大し、113 兆円の世界最大の市場へと成長すると見込まれている。また中華圏と同様に今後の成長が期待される東南アジア圏は大きく成長するも、2020年時点で8 兆円程度にとどまると考えられている。北米圏は堅調に成長し、2020年までに 10 兆円拡大し、63 兆円の市場規模になると予想される。そして、西欧圏は 2020年時点で 40 兆円と一定の市場規模があるものの、成長は限定的であると予測されている。 次に、価格帯別に見ていく。これから 2020年にかけて、ラグジュアリー帯が 14 兆円、ミドル帯が 66 兆円、ロー帯が 40 兆円拡大の見通しである。特に拡大著しいミドル帯の増分は、中国が約 5 割である。これらの要因として、1-1の日本のファッション市場と同様に、ファストファッション企業の台頭とマス・ボリューム市場のブランドの品質向上により、ミドル帯の増加につながっていると考えられる。今後さらに、成長が期待される価格帯であることが図から読み取れる。

図 5  主要国におけるファッションの市場規模

6 SPAとはs pecialty store retailer of p rivate label apparelの略で製造小売ともいう。企画から製造、小売までを一貫して行うアパレルのビジネスモデルを指す。消費者の嗜好の移り変わりを迅速に製品に反映させ在庫のコントロールが行いやすいなどのメリットがある。

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出典:経済産業省 ファッション業況調査

図 6  世界のアパレル市場推移

図 7  ブランド別ポジショニングマップ

1-3 今後の日本のファッション市場の動き 1-1 、1-2 より、国内外のファッション市場を見てきた。ここでは、今後のファッション市場に向けてどういったアプローチをしていこうとしているのかを見ていく。 以前、日本のアパレル企業の多くがグローバル化に遅れている事実に触れた。もちろん、グローバルSPA型のファーストリテイリングや良品計画のように、一部ではグローバル展開に成功する企業が台頭してきているものの、多くの企業が依然として国内市場に依拠している。高付加価値のラグジュアリー市場のブランドに至っては日本企業が最も苦手とする分野であり、サカイやコムでギャルソンのようなアパレル中心のデザイナーズブランドは存在するものの、カテゴリーを増やしてライフスタイルブランドとしてビジネスを成功させた例はない。

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 それでは、なぜこのような事態になってしまったのであろうか。その背景には大きく3 つの理由がある。図④に注目しながら説明していく。 第1 に、がラパゴス的な日本固有の市場・競争環境にある。アパレル市場を、価格帯別に大きく、ラグジュアリー、トレンド、マス・ボリュームの3つの市場に分けると、日本は海外と比較して、中間価格帯のトレンド市場が非常に大きかった。背景には、自らの価値観が希薄でトレンドに流されやすい中間層が存在していたことにある。日本のファッションビジネスは、百貨店、ショッピングセンターといったそれらの人々が集まりやすい場所に対する出店と、雑誌・メディアと一体となったプロモーションで成り立っている。いわば、その中間層に対し、毎シーズン業界をあげて新しいトレンドを作り、トレンド消費を煽るというビジネスを繰り返してきた。結果、ブランドの世界観やものづくりにおける独自性の追求が進まず、逆に同質化が進んでしまったと考えられる。

図 8  国内と海外の市場構造の違い

 しかし、消費社会の成熟化、デジタル化に伴い、現在この層に分裂してきている。中間層は様々なグループに分かれ、独自の価値観を持った消費者の集まりを形成し、それぞれ異なった消費行動をとり始めており、従来のファッションビジネスが通用しなくなっている。実は、この中間層の多様化はグローバルで見ると自然なことであり、海外では既に存在しているタイプの普遍的な消費者の集まりが日本国内にも出現してきているだけのようである。 中間層は、戦後の高度経済成長と人口ピラミッドの偏りが生んだ日本固有の巨大な消費者の集まりであり、国内アパレル企業のみならず百貨店などの流通業の多くが頼ってきた市場である。この市場が消費者の変化に伴い大きく変容していること、そして従来のファッションビジネス、ものづくりに慣れ親しんだ企業の多くがその変化に対応できていないことが、アパレル不振の原因であると考えられる。 これまで説明してきた通り、トレンド市場における競争環境は非常に厳しい。一言で言えば、ブランド過多の状況である。このような状況下では、同じ業態の中でもそのブランド力により勝ち負けがはっきりと分かれるようになる。これらの企業はこれまでの戦略は、店舗があってこそのブランド作りであった。百貨店、ファッションビル、ショッピングセンターなどの店舗ごとに、そこに集まる人々向けにブランド開発を行ってきた。従ってブランド作りの考え方としては、どうしても売り場があってこそとなり、消費者の価値観に合わなくなってしまう。結果として、個性の無い同じようなブランドが数多くでき、売れない小規模ブランドが生まれ、会社全体の収益の悪化を招いている。生き残るにはブランド力が求められる今、こうした企業はブランド作りのあり方を見直す必要に迫られている。

図 9 アパレル主要企業のブランド数と営業利益率の相関

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図 10  主要国のファッション市場規模 (商品カテゴリー別)

図 11  消費者の分類分け

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