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集合と確率 経営統計I の補足資料 2019122金沢学院大学経営情報学部 藤本祥二

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集合と確率

経営統計Iの補足資料

2019年12月2日金沢学院大学経営情報学部

藤本祥二

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確率論の始まり

• 16世紀頃、ルネサンス、大航海時代の後のヨーロッパ

• 登場人物◦ ジローラモ・カルダーノ(1501-1576):ミラノ生まれ、ローマで没、本業は医者、占星術師、哲学者3次方程式の解の公式で有名

◦ ブレーズ・パスカル(1623-1662):フランスの数学者、物理学者、哲学者、思想家、宗教学者、神学者

◦ ピエール・ド・フェルマー(1607-1665):南フランストゥールーズ、本業は法律家、フェルマーの最終定理が有名

• カルダーノの本「サイコロ遊びについて」(1560年代,未発表の本)1663年発行

◦ 「ギャンブラーにとっては、全くギャンブルをしないことが最大の利益となる」

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• ギャンブラーのメレが数学者パスカルに様々な質問を投げかける(1654年パリ)

◦ 「AとBとの間である賭けをしていて、その賭けは最終

的に勝った方が全ての賭け金をもらえる」というギャンブルである。もし、このゲームを途中で止めた場合、中間結果を見て賭け金をどのように配分すればよいのだろうか?

◦ 「1 つのサイコロを 4 回投げて、6 の目が出れば自分

の勝ち」という賭けをしたときは、ほとんど勝てたが、「2 つのサイコロを 24 回投げて、6, 6 のゾロ目が出れ

ば自分の勝ち」という賭けをしたときは、勝てなくなったのはなぜか?

• これがきっかけでパスカルがフェルマーに手紙で相談し、その時の往復書簡が確率論の始まり

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現代確率論

• 集合論(set theory)

◦ (1880年代)ドイツのカントールが創始者

◦ 「物」や「事」の集まりに関する演算ができるようになり、あらゆる物事や概念が数学の対象になった

◦ 後に集合論が数学や論理学の基礎理論となる

• 公理論的確率論

◦ (1930年代)ソ連のコルモゴロフが集合論を基礎に公理論的確率論を構築

◦ それまで個別の具体的現象に関して適用されてた確率論がもっと一般的に扱えるようになった

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試行と事象

• 試行(trial)「サイコロを振る」等の偶然の結果を伴う行為• 事象(event)不確実な事柄(試行の結果と考えても良い)◦ コインを振って表が出る◦ サイコロを振って3の目が出る◦ トランプ,麻雀,パチンコ,競馬◦ ワールドカップのサッカーの決勝の勝敗◦ 明日の天気◦ お見合いの成功・失敗◦ 試験に受かるか落ちるか

• 「事象」や「事象の組み合わせ」を集合で表現する• 「事象の起こりやすさ」を確率(0~1の割合)で表現する

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全事象と根元事象

• 全事象(標本空間,sample space, universe)◦ 想定してる問題で起こり得る全ての事象

◦ 記号Ωで表す

• 根元事象(elementary event)◦ 互いに同時に起こることがない最小単位の事象

◦ 記号 𝜔𝑖 などで表す

• 全事象は全ての根元事象の集合𝑛個の根元事象の例

Ω = 𝜔1, 𝜔2, ⋯ , 𝜔𝑛

Ω

𝜔𝑛𝜔2

集合を表す ∙ を使った数式で表現

Venn図で表現

𝜔1⋯

ギリシャ文字のオメガ大文字:Ω,小文字:𝜔

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サイコロ1個の出目の例

• サイコロを1個振った時

◦ 「1の目が出る」という根元事象を 𝜔1

◦ 「2の目が出る」という根元事象を 𝜔2

◦ 「3の目が出る」という根元事象を 𝜔3

◦ 「4の目が出る」という根元事象を 𝜔4

◦ 「5の目が出る」という根元事象を 𝜔5

◦ 「6の目が出る」という根元事象を 𝜔6

で表すことにする

Ω = 𝜔1, 𝜔2, 𝜔3, 𝜔4, 𝜔5, 𝜔6

Ω

𝜔3

𝜔2

𝜔1𝜔4

𝜔5

𝜔6

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事象と余事象

• 根元事象を組み合わせて事象を表現

◦ 内包的表現(条件を書いて表現)𝐴 = 偶数の目が出る事象

◦ 外延的表現(要素の列挙で表現)𝐴 = 𝜔2, 𝜔4, 𝜔6

• 余事象 (complementary event)

(補集合 complementary set)

◦ 𝐴に属さない事象(集合)𝐴𝑐 = 𝜔1, 𝜔3 , 𝜔5

ヴェン図で表現Ω

𝜔1

𝜔5

𝜔3𝐴𝜔2

𝜔4

補集合は ҧ𝐴や¬𝐴等の記号で表す時もある

𝜔6

𝐴

Ω

𝐴𝑐

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事象の組み合わせ

• サイコロの例Ω = 𝜔1, 𝜔2, 𝜔3, 𝜔4, 𝜔5, 𝜔6

𝐴 = 偶数の目が出る = 𝜔2, 𝜔4, 𝜔6

𝐵 = 4以下の目が出る = 𝜔1, 𝜔2, 𝜔3, 𝜔4

Ω

𝐴

𝜔2

𝜔4𝜔6

𝜔1

𝜔3

𝜔5𝐵

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和事象

• 和事象は和集合(union set)で表現できる◦ 和というより合併(union)と考えた方が良い

◦ カップ(cup)演算子∪で計算

◦ 𝐴と𝐵の和集合を次のように書く

𝐴 ∪ 𝐵例)𝐴 = 𝜔2, 𝜔4, 𝜔6𝐵 = 𝜔1, 𝜔2, 𝜔3, 𝜔4

𝐴 ∪ 𝐵 = 𝜔1, 𝜔2, 𝜔3, 𝜔4, 𝜔6

𝐴

Ω

𝐵

灰色部分が𝐴 ∪ 𝐵

or演算子(「又は」演算子)とも言う

𝐴または𝐵のどちらかに所属してる要素

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積事象

• 積事象は積集合(intersection set)で表現◦ 積というよりも共通部分(intersection)

◦ キャップ(cap)演算子∩で計算

◦ 𝐴と𝐵の積集合を次のように書く

𝐴 ∩ 𝐵例)𝐴 = 𝜔2, 𝜔4, 𝜔6𝐵 = 𝜔1, 𝜔2, 𝜔3, 𝜔4

𝐴 ∩ 𝐵 = 𝜔2, 𝜔4

𝐴

Ω

𝐵

灰色部分が𝐴 ∩ 𝐵

and演算子(「かつ」演算子)とも言う

𝐴かつ𝐵の両方に所属してる要素

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空事象と排反事象

• 空事象(empty event)

◦ 要素が全くない事象のこと空集合{ }で表現

◦ 記号∅で表す(ゼロにスラッシュを入れた記号で,発音は「ファイ」)

∅ = { }

• 排反事象(exclusive event)

◦ お互い共通部分が全くない2つ以上の事象のこと

◦ 排反事象𝐴と𝐵

𝐴 ∩ 𝐵 = ∅ 𝐴

Ω

𝐵

𝐴かつ𝐵の共通部分が空集合𝐴かつ𝐵の両方に所属してる要素はない

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集合の演算

• 補集合の補集合𝐴𝑐 𝑐 = 𝐴

• 交換則𝐴 ∪ 𝐵 = 𝐵 ∪ 𝐴𝐴 ∩ 𝐵 = 𝐵 ∩ 𝐴

• 結合則𝐴 ∪ 𝐵 ∪ 𝐶 = 𝐴 ∪ 𝐵 ∪ 𝐶𝐴 ∩ 𝐵 ∩ 𝐶 = 𝐴 ∩ 𝐵 ∩ 𝐶

• 分配則𝐴 ∩ 𝐵 ∪ 𝐶 = 𝐴 ∩ 𝐵 ∪ 𝐴 ∩ 𝐶𝐴 ∪ 𝐵 ∩ 𝐶 = 𝐴 ∪ 𝐵 ∩ 𝐴 ∪ 𝐶

• ド・モルガンの法則𝐴 ∪ 𝐵 𝑐 = 𝐴𝑐 ∩ 𝐵𝑐

𝐴 ∩ 𝐵 𝑐 = 𝐴𝑐 ∪ 𝐵𝑐

ヴェン図を描いてイメージで納得すると良い

掛け算、足し算の分配則𝑎 × 𝑏 + 𝑐 = 𝑎 × 𝑏 + 𝑎 × 𝑐と似てる

足し算、掛け算の結合則𝑎 + 𝑏 + 𝑐 = 𝑎 + 𝑏 + 𝑐𝑎 × 𝑏 × 𝑐 = 𝑎 × 𝑏 × 𝑐

と似てる

足し算、掛け算の交換則𝑎 + 𝑏 = 𝑏 + a𝑎 × 𝑏 = 𝑏 × 𝑎

と似てる

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集合の結合則のヴェン図イメージ

∪ =

𝐴 ∪ 𝐵

∪ =

𝐶 𝐴 ∪ 𝐵 ∪ 𝐶

𝐴 𝐵 ∪ 𝐶 𝐴 ∪ 𝐵 ∪ 𝐶

𝐴 ∩ 𝐵 𝐶 𝐴 ∩ 𝐵 ∩ 𝐶

∩ =

𝐴 ∩ 𝐵 ∩ 𝐶

∩ =

𝐴 𝐵 ∩ 𝐶

𝐴

𝐵 𝐶

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集合の分配則のヴェン図イメージ

∩ =

∪ =

𝐴 ∩ 𝐵 ∪ 𝐶

𝐴 ∩ 𝐶 𝐴 ∩ 𝐵 ∪ 𝐴 ∪ 𝐶

𝐴 ∪ 𝐵 ∩ 𝐶

∪ =

𝐴 ∪ 𝐵 ∩ 𝐴 ∪ 𝐶

∩ =

𝐴 ∪ 𝐶

𝐴 𝐵 ∪ 𝐶

𝐴 ∩ 𝐵

𝐴 𝐵 ∩ 𝐶

𝐴 ∪ 𝐵

𝐴

𝐵 𝐶

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ド・モルガンの法則のヴェン図イメージ

𝐴𝑐

∩ =

𝐵𝑐 𝐴𝑐 ∩ 𝐵𝑐

∪ =

𝐴 𝐵

𝐴 ∪ 𝐵 𝐴 ∪ 𝐵 𝑐

𝐴 ∩ 𝐵 𝐴 ∩ 𝐵 𝑐

𝐴𝑐 𝐵𝑐 𝐴𝑐 ∪ 𝐵𝑐

𝑐

𝑐

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確率

• 確率(probability)確率とは「確からしさ」を「率(割合)」で表現したもの。「確からしさ」とは「事象の起こりやすさ」のこと。

0 0% 絶対に起こらない

1 100% 絶対に起こる

0.5 50% 半々の可能性で起こる

0.25 25%

0.75 75%

確率は0以上1以下の値(超重要)確率0.1 (10%)とは 0.1=1/1010回に1回程度起こる確からしさ10回やれば絶対に1回起こるわけではない(実際には0回や2回にもなる可能性もある)

1/10=10/100=100/1000のように母数を多くして考えた方が良い

100回に10回程度起こる(9回や11回にもなる可能性も高い)

1000回に100回程度起こる(101回や99回になる可能性も高い)

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確率の書き方

• ある事象𝐴が起こる確率を𝑃(𝐴)を使って表現◦ 本によっては𝑃 ∙ , Pr ∙ , 𝑃𝑟{∙}など様々な書き方の流儀がある.

◦ 𝑃(∙)は関数(function)を拡張した写像(mapping)というもの.関数: 数値を入力して数値を出力写像: 数値だけでなく集合も扱えるように拡張した概念

入力(事象)

𝐴出力(確率)

𝑃(𝐴)(集合) (数値)

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確率の書き方の例

• 例1)「公平なサイコロを振って1の目が出る確率は1/6」ということを次のように表現する.事象𝐴を「公平なサイコロを振って1の目が出る」とすると

𝑃 𝐴 =1

6• 例2)「歪みのないコインを振って表が出る確率は1/2」と言うことを次のように表現する.事象𝐵を「歪みのないコインを振って表が出る」とすると

𝑃 𝐵 =1

2

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公理と定理

• 「公理(axiom)」とは証明なしに真だと仮定した命題,「お約束」

• 「定理(theorem)」とは公理の組み合わせから真だと証明される命題(公理も定理に含まれる)

• 集合論の公理と確率論の公理から様々な確率の定理が証明される

• コルモゴロフは確率論に必要な最小限の公理を考えた人物(確率の本質を見抜いた)

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確率論の公理(3つ)

• 確率は0から1の値を取る任意の事象𝐴に関して

0 ≤ 𝑃 𝐴 ≤ 1

• 全事象のどれかは必ず起こる𝑃 Ω = 1

• 排反事象の和の公理𝐴, 𝐵が互いに排反事象𝐴 ∩ 𝐵 = ∅だとすると

𝑃 𝐴 ∪ 𝐵 = 𝑃 𝐴 + 𝑃(𝐵)

0 ≤ ≤ 1

ヴェン図のイメージ(面積で確率をイメージする)

= +

= 1

面積をそのまま足すイメージ

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公理から導かれる重要な定理

• 空事象の確率は0𝑃 ∅ = 0

• 和事象の確率𝑃 𝐴 ∪ 𝐵 = 𝑃 𝐴 + 𝑃 𝐵 − 𝑃 𝐴 ∩ 𝐵

• 余事象の確率𝑃 𝐴𝑐 = 1 − 𝑃(𝐴)

= + −

= −

共通部分を2重に足したので1回引く

全体(面積1)から引く

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サイコロ1個の試行1

• 何ページか前に設定した根元事象Ω = 𝜔1, 𝜔2, 𝜔3, 𝜔4, 𝜔5, 𝜔6

1 = 𝑃 Ω= 𝑃 𝜔1 + 𝑃 𝜔2 + 𝑃 𝜔3

+𝑃 𝜔4 + 𝑃 𝜔5 + 𝑃 𝜔6

全ての根元事象が「同様に確からしい(等確率)」と仮定すると

𝑃 𝜔1 = 𝑃 𝜔2 = ⋯ = 𝑃 𝜔6 =1

6

根元事象は同時に起きない互いに排反事象

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サイコロ1個の試行2

• 𝐴 = 𝜔2, 𝜔4, 𝜔6 , 𝐵 = 𝜔1, 𝜔2, 𝜔3, 𝜔4

𝑃 𝐴 = 𝑃 𝜔2 + 𝑃 𝜔4 + 𝑃 𝜔6

=1

6+1

6+1

6=3

6=1

2

𝑃 𝐵 =4

6=2

3• 𝐴, 𝐵の組み合わせを要素で計算

𝑃 𝐴 ∪ 𝐵 = 𝑃 𝜔1, 𝜔2, 𝜔3, 𝜔4, 𝜔6 =5

6𝑃 𝐴 ∩ 𝐵 = 𝑃 𝜔2, 𝜔4 =

2

6• 和事象の定理の確認

𝑃 𝐴 ∪ 𝐵 = 𝑃 𝐴 + 𝑃 𝐵 − 𝑃 𝐴 ∩ 𝐵5

6=3

6+4

6−2

6

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サイコロ1個の試行3

• 𝐴𝑐 = 𝜔1, 𝜔3, 𝜔5 , 𝐵𝑐 = 𝜔5, 𝜔6

𝑃 𝐴𝑐 =3

6=1

2, 𝑃 𝐵𝑐 =

2

6=1

3

𝑃 𝐴𝑐 ∪ 𝐵𝑐 = 𝑃 𝜔1, 𝜔3, 𝜔5, 𝜔6 =4

6=2

3

𝑃 𝐴𝑐 ∩ 𝐵𝑐 = 𝑃 𝜔5 =1

6• ド・モルガンの法則の確認

𝑃 𝐴 ∩ 𝐵 𝑐 = 1 − 𝑃 𝐴 ∪ 𝐵 = 1 −2

6=4

6= 𝑃 𝐴𝑐 ∪ 𝐵𝑐