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Autodesk Inventor 2008

Autodesk Inventor 2008 プロジェクトファイル完全マスター

2007/08/31 Rev 1

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Autodesk Inventor 2008 プロジェクトファイル完全マスター

本ドキュメントについて

ドキュメントはAutodesk Inventor 2008におけるプロジェクトファイルの概要説明および、一般的なプロ

ジェクトファイルの活用方法について演習を交えて紹介しています。

オートデスクが国内外のユーザに実際に適用したものから、一般的な項目のみを記載しています。

従って、この中の項目すべてが貴社に適用できるわけではありません。また、不足する項目もあります。

本ドキュメント中の記載内容は技術情報であり、明示的にオートデスクが保証するものではありません。

目次 Autodesk Inventor 2008 プロジェクトファイル完全マスター ....................................... i 1 プロジェクトファイルについて .......................................................................................................................................................................... 1

1.1. プロジェクトファイルとは ..................................................................................... 1 1.2. プロジェクトファイルの必要性 .............................................................................. 2 1.3. プロジェクトファイルで設定できる項目 .................................................................. 3 1.4. プロジェクトファイルの利便性 .............................................................................. 5

2 プロジェクトファイル作成例 ........................................................................................................................................................................... 7 2.1. クライアント単独環境でのプロジェクトファイル ........................................................ 7 2.2. マルチユーザ環境でのプロジェクトファイル(Vault無し) ........................................ 11 2.3. マルチユーザ環境でのプロジェクトファイル(Vault有り) ......................................... 13

3 ライブラリについて ...........................................................................................................................................................................................16 3.1. ライブラリの指定 ............................................................................................. 16 3.2. ライブラリファイルの移動 .................................................................................. 16

4 プロジェクトフォルダ ........................................................................................................................................................................................18 5 ファイルの検索について ................................................................................................................................................................................19

5.1. アセンブリのファイル参照 ................................................................................. 19 5.2. サブフォルダのパスについて ............................................................................ 20 5.3. 検索プロセス .................................................................................................. 20 5.4. ファイルが見つからない場合 ............................................................................. 22

6 練習問題 ........................................................................................................................................................................................................27

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1 プロジェクトファイルについて

1.1. プロジェクトファイルとは

Autodesk Inventor は、製品設計を構成するファイルを格納するための有効な場所を識別し、構築す

る手段としてプロジェクトファイルを使用しています。Autodesk Inventor がファイルを検索するときに

は、【アクティブなプロジェクトファイル】で定義された場所を探します。アクティブなプロジェクトファイル

と検索先は下図のようなイメージで表すことができます。

プロジェクト ファイルはきわめて柔軟性が高く、小さなアセンブリを取り扱うシングル ユーザの単純なニ

ーズにも、何千ものパーツで構成されたアセンブリを取り扱う大規模なマルチユーザ チームのニーズに

も対応することができます。

Autodesk Inventor を初めてインストールすると、5つのプロジェクトファイルが組み込まれます。

【Default】プロジェクト

これを使用すると、何も設定しなくても単純なパーツで構成されるアセンブリを作成することができます。

【Samples】プロジェクト

Autodesk Inventor に含まれているすべてのサンプル ファイルを簡単に利用できます。

【Tutorials】プロジェクト

これは、Autodesk Inventor の基本的な設計ワークフローを習得するために使用するものです。

【Designs】プロジェクト

これはSampleファイル内のPadlockを確認するためのプロジェクトファイルです。

ファイルオープン

アクティブな

プロジェクトファイル

検索先

検索先

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1.2. プロジェクトファイルの必要性

プロジェクトを使用すると、Autodesk Inventor で設計した製品をファイル システムからほぼ独立させる

ことができます。独立させることによって、プロジェクトを定義する一連のファイルを別の場所に移動しや

すくなるとともにアーカイブが容易になり、さらに設計の進捗に伴ってネットワーク内のレイアウトを簡単

に再構築できるようになります。設計の開始時には、ほとんどの場合、1 つのディレクトリに設計内容が

格納されますが、設計が進むにつれてより多くの設計者が関与するようになると、複数のディレクトリ、デ

ィスク、およびサーバに格納できます。

プロジェクトのもう 1 つの利点は、設計チーム用の共通のフレームワークを利用できるという点です。設

計チームの各メンバは、共通のプロジェクトを参照することになるので、ファイル管理という観点からは、

設計について共通の認識を持つことができ、Autodesk Inventor の基本設定をその設計に従事するす

べてのユーザの間で確実に共用できるようになります。

Autodesk Inventor では、各パーツとアセンブリは別々のファイルに含まれています。サブアセンブリ

は、ファイルに含まれるパーツやサブアセンブリへの参照を格納することで、定義されています。このよう

なファイル参照によって、新しいパーツは他のパーツから【派生】できるのです。図面は、図面ファイル

内でドキュメント化しているファイルを参照します。したがって、製品設計が 1,000 のパーツ、100 のサ

ブアセンブリ、および 1,100 の図面で構成されている場合、少なくとも 2,200 の Autodesk Inventor ファイルが存在し、互いに参照し合うことになります。また、これらの中には標準部品や規格部品など他の

製品に流用される可能性がある部品も含まれています。これらのファイルをひとつのフォルダ直下です

べて効率的に管理することはできません。このようにInventorのファイルを管理するためには、プロジェ

クトファイルの管理が必要になります。

標準部品・規格部品など

膨大な設計データを管理

• テンプレート

• デザインデータ(スタイル)

• コンテンツセンターライブラリ

• ライブラリ

共通のフレームワーク

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1.3. プロジェクトファイルで設定できる項目

ジェクトファイルではファイルを管理するために、様々な項目を設定することができます。以下ではその

項目について説明します。

タイプ

シングルユーザまたはVaultから選択します。Vaultを導入していない環境ではシングルユーザプロジェ

クトを使用し、Vaultが導入されている環境ではVaultプロジェクトを使用します。

※アプリケーションオプションを設定することで、共有/半独立マスターなどのプロジェクトファイルを使用

することができますが、今後のバージョンでサポートされなくなります。コラボレーション設計や、ファイル

管理をしたい場合はVaultを導入し、Vaultプロジェクトでの運用を推奨します。

位置

プロジェクトファイルを作成する場所が表示されます。

インクルードファイル

設定ファイルなどマルチユーザ環境で共有したい場合、一つのプロジェクトファイルにテンプレートやラ

イブラリなどを設定します。そのプロジェクトファイルをインクルードファイルとして、他のプロジェクトで使

用します。

※Vaultプロジェクトでは使用できません。ファイル管理、マルチユーザ環境でのInventorを使用する場

合はVaultを導入することを推奨します。

スタイルライブラリを使用

材料や色、照明などを定義するライブラリファイルです。プロジェクトファイルでスタイルライブラリを使用

するかどうかを設定します。スタイルライブラリを読み取り専用で使用する運用方法を推奨します。

設定方法など詳細についてはbootcamp資料(大規模アセンブリ)を参照ください。

作業スペース

ファイルの作成・編集・保存を行う場所を指定します。デフォルトではプロジェクトファイルの位置が割り

当てられるため、表示されません。

作業グループ検索パス

マルチユーザ環境で作業する共有の場所を指定します。

※半独立マスター・共有プロジェクトで使用してきましたが、マルチユーザ環境ではVaultでの運用を推

奨しますので、作業グループ検索パスは使用しません。

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ライブラリ

標準パーツ・規格部品・コンテンツセンターライブラリ等のパスを指定します。ライブラリとして設定された

フォルダは読み取り専用になり、編集することができません。

頻繁に利用するサブフォルダ

ここで指定されるサブフォルダはファイルオープン時にショートカットとして、オープンダイアログの左欄

に表示されます。検索のパフォーマンス等には影響しません。

フォルダオプション

下記のフォルダを設定します。

デザインデータ ・・・ スタイルライブラリへのパスを設定します

テンプレート ・・・ テンプレートパーツの格納場所へのパスを設定します

コンテンツセンターファイル ・・・ コンテンツセンターライブラリの保管場所

オプション

一意のファイル名を使用 ・・・ 重複するファイル名をプロジェクトファイル内で許可しませ

ん。

オールドバージョン ・・・過去バージョンのファイルを残す数を設定します。

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1.4. プロジェクトファイルの利便性

プロジェクトファイルを利用することで、仕向地別製品開発のための設定や、客先図面枠による切り替え

プロジェクトを準備して図面作成を行なう設定などをすることができます。

以下ではユースケースとして、いくつかの使用例を元にプロジェクトファイルの利便性について説明しま

す。

<ユースケース1> 開発用プロジェクトから詳細設計用プロジェクトへの移行

プロジェクトの初期の開発状態では、必要ファイルは個人の管理下におかれることが多く、開発終了後

の詳細設計フェーズになると、共有のスペースに移動することがあります。

開発中であってもライブラリは社内標準を使用することが多いので、ライブラリ以外の設計データを移動

できる環境が必要となります。

・開発中のデータは個人PC

に保存

・ライブラリは社内標準を

使用

・サーバの共有保存フォルダ

へ移動

・ライブラリは引き続き、社

内標準を使用

作業スペース

C:\WorkSpase

開発用プロジェクトファイル 標準プロジェクトファイル

作業スペース

\\Server\Project ServerClient

Server ライブラリ

\\Server\Lib Server ライブラリ

\\Server\Lib

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<ユースケース2> 仕向地別製品開発用プロジェクト

この場合、例えば製品の出荷先がアジア・欧州などと異なると、準拠する規格も異なります。仕向地別

製品の設計をする際に、アプリケーションオプションを直接設定したり、テンプレートファイルを選択仕分

けしたりするような運用は、人為的ミスが発生し易いので、仕向地別のプロジェクトファイルを作成し、切

り替えられるよう管理しておくのが、良いと言えます。

<ユースケース2> 部門別運用プロジェクト

同じ社内においても、使用するライブラリ部品・標準規格部品が異なる場合、プロジェクトを分けることで

同一サーバ内でも別環境として使用することができます。製品特性がまったく異なるような複数の開発

部門が同じサーバを利用する場合にはプロジェクトファイルをわけることで、ユーザの混乱を回避するこ

とが出来ます。

・テンプレートフォルダ

単位系 mm・Kgの設定

・デザインデータ

規格 ISO など

・ライブラリフォルダ

アジア用ライブラリ部品

・テンプレートフォルダ

単位系 Inch-lbmの設定

・デザインデータ

規格 DIN など

・ライブラリフォルダ

欧州用ライブラリ部品

作業スペース

アジア向けプロジェクトファイル 欧州向けプロジェクトファイル

作業スペース

部門Aライブラリフォルダ 部門Bライブラリフォルダ

部門Aプロジェクトファイル 部門Bプロジェクトファイル

作業スペース

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<ユースケース3> 顧客別設定プロジェクト

業務を請け負う場合など、客先指定の図面枠や標準部品などを使用する必要があります。複数の客先

仕様データを扱う場合、プロジェクトを分けることで管理を明確にします。

2 プロジェクトファイル作成例

2.1. クライアント単独環境でのプロジェクトファイル

クライアント単独環境での設計作業を進める場合を想定して、シングルユーザプロジェクトを作成しま

す。クライアント単独環境では他のユーザと連携する必要がないので、設計データやライブラリ・テンプ

レートファイルなどの設定ファイルはローカルフォルダにあります。以下でproduct_aを作成していくため

のプロジェクトファイルを作成します。

顧客Aライブラリ

テンプレートフォルダ

図面テンプレート

顧客Bライブラリ

テンプレートフォルダ

図面テンプレート

顧客Aプロジェクトファイル 顧客Bプロジェクトファイル

Client

C:\product_data

C:\

C:\Program Files\Autodesk\Inventor 2008

template

Design Data

C:\library

C:\ Content Center Files

template

Design Data

product_a

product_b

プロジェクトファイルの位置

作業スペース

ライブラリ

コンテンツセンターライブラリ

テンプレート

デザインデータ

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① 新規シングルユーザプロジェクトの作成

プロジェクトエディタより新規作成を選択し、【新規シングルユーザプロジェクト】を選択して【次へ】をクリ

ックします。

② プロジェクトファイル作成場所の設定

プロジェクトフォルダは アイコンをクリックして選択します。場所はc:\product_dataです。

【名前】にproduct_aを入力して、【次へ】をクリックします。

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③ ライブラリの選択

ライブラリは他のプロジェクトで使用されているパスが表示されています。ここでは何も選択しないで、

【終了】をクリックします。

④ 修正

ここでは以下の項目を修正します。 アイコンをクリックすると全体が表示されます。修正する場合は項

目を選択してから アイコンをクリックして修正します。パスを追加する場合は、 をクリックして項目

を追加します。

• 作業スペース ・・・ c:\ptoduct_data\product_a

作業スペースを選択し、 アイコンをクリックします。 をクリックして上記のフォルダを選択します。

ここで設定したフォルダに、今後作成するファイルが保存されます。

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• ライブラリ ・・・ c:\library

ライブラリフォルダとして使用するフォルダを指定します。ライブラリを選択し アイコンをクリックしま

す。ここでは上記フォルダを選択してください。ライブラリ名は左欄に記述できるので、libraryとします

ライブラリとして指定されたフォルダは読み取り専用になりますので、ここにあるファイルはInventorから

修正できません。

• フォルダオプション

デザインデータ、テンプレート、コンテンツセンターファイルが保管されるフォルダを選択します。デザイ

ンデータ、テンプレートについては既定のままで使用します。規定値がInventorのインストールフォルダ

になっていることを確認してください。

コンテンツセンターファイルについてはc:\Contents Center Filesにフォルダを設定します。

⑤ 適用

以上で設定完了です。【適用】をクリックすることで、プロジェクトファイルがアクティブになります。

⑥ ファイルオープン

ファイルのオープンをすると作業スペースに割り当てられているフォルダからオープンできるようになりま

す。またライブラリを設定すると左欄にショートカットが表示されます。

⑦ プロジェクトの編集

アクティブなプロジェクトに対して、モデルをInventorで開いている場合、下記のメッセージが出てプロ

ジェクトファイルは編集できません。プロジェクトファイルを編集する場合はInventorでモデルが開かれ

ていない状態で作業する必要があります。

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2.2. マルチユーザ環境でのプロジェクトファイル(Vault 無し)

マルチユーザ環境の場合、設計者間でライブラリ・テンプレートファイルなどの設定ファイルを共有する

必要があります。このため、サーバもしくは共有できる端末に設定ファイルを作成しておき、プロジェクト

ファイルではそのデータを参照するように設定します。ここでは下図のようなフォルダ構成のプロジェクト

ファイルを作成します。

Client

C:\product_data

C:\

C:\Program Files\Autodesk\Inventor 2008

template

Design Data

template

Design Data

product_a

product_b

library

Content Center Files

Server

\\192.168.24.58

ネットワーク環境

作業スペース

プロジェクトファイルの位置

設定ファイル

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① 新規シングルユーザプロジェクトの作成

プロジェクトファイル作成①~⑤までの手順は前項と同様です。プロジェクトファイル名は

【multi_product_a】とします。

② 修正

下記の項目について修正します。

• 作業スペース ・・・ c:\ptoduct_data\product_a

• ライブラリ ・・・ \\192.168.24.58\library

ライブラリファイルはクライアント間で共有したいので、サーバ上のライブラリフォルダを選択します。

• フォルダオプション

デザインデータ ・・・ \\192.168.24.58\Design data

テンプレート ・・・ \\192.168.24.58\template

コンテンツセンターファイル ・・・ \\192.168.24.58\Contens Center Files

デザインデータ、テンプレート、コンテンツセンターファイルが保管されるサーバ上のフォルダを指定し

ます。ライブラリファイル同様にクライアント間で同じ設定ファイルを使用することができます。下図のよう

にサーバ名+フォルダ名で指定することが可能です。

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2.3. マルチユーザ環境でのプロジェクトファイル(Vault 有り)

Vaultが導入されている環境についてもプロジェクトファイルの作成方法は変わりません。しかしVaultでファイル管理を行うため、プロジェクトファイルはひとつのみ作成し、運用することができます。ここでは

Vault($)\product_data直下にプロジェクトファイルを作成し、それぞれ関連するフォルダをVaultとマッ

ピングする方法を説明します。フォルダ構成は以下のようになります。

Client

C:\product_data

C:\

C:\Program Files\Autodesk\Inventor 2008

template

Design Data

template

Design Data

product_a

product_b

library

Content Center Files

Server

\\192.168.24.58

\\192.168.24.58\Vault($)

product_a

product_b

product_data

library

設定ファイル

Vault領域

プロジェクトファイルの位置

作業スペース

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① 新規Vaultプロジェクトの作成

新規のVaultプロジェクトを作成します。作成する場所はこれまで同様にc:\ product_data直下に作成しま

す。プロジェクト名は【vault_product_a】とします。

② 修正・適用

ライブラリ・フォルダオプションはマルチユーザ環境での設定と同様にします。

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③ フォルダのマッピング

Vaultと設定したフォルダを関連付けるために、フォルダのマッピングを行います。Inventorから

Productstream/Vaultを起動しログインします。

ログイン後、ファイル/Vault/【フォルダをマッピング】を実行します。

プロジェクトルートにはVault($)直下にproduct_dataフォルダを作成してマッピングします。プロジェクト

ルートとはプロジェクトファイルが作成されている場所です(c:\product_data)。

ライブラリをVault($)直下にlibraryフォルダを作成してマッピングします。このときライブラリとして認識させ

るためにダイアログボックスでライブラリにチェックを入れます。

フォルダをマッピング後、作成した部品をVaultに追加するとローカルと同じフォルダ構成でVaultにファイ

ルが追加されます。

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3 ライブラリについて

3.1. ライブラリの指定

ライブラリ パーツは読み取り専用のパーツであり、編集することはできません。Inventor内で編集をしよ

うとすると下図のように警告メッセージが表示されます。

ライブラリに含まれるパーツはたいていの場合、複数のプロジェクトで共有されています。つまり、このパ

ーツは多数の製品設計の中で使われています。 も一般的には、締結部品などの標準ハードウェア、

あるいはモータや油圧シリンダなどの購入部品がライブラリに含まれます。複数の設計グループによっ

て取り扱われるような非常に大きなアセンブリの場合(構造、電気、油圧など)、ライブラリには、別の設

計グループの基準となる作業が含まれることもあります。

このようなライブラリパーツが充実していることで設計の効率化や、設計品質の向上が期待されます。ラ

イブラリを運用していくために、ライブラリの保管場所を決定し、プロジェクトファイルで指定します。プロ

ジェクトファイルでライブラリを指定するには、プロジェクトエディタでプロジェクトファイルのライブラリを選

択します。 アイコンをクリックしライブラリの保管場所を検索します。

3.2. ライブラリファイルの移動

ライブラリファイルをアセンブリで使用する場合、アセンブリはライブラリの絶対パスを認識しているため、

ライブラリフォルダの名前変更などを行なうと、エラーが発生します。この場合プロジェクトファイルのライ

ブラリパスを変更する必要があります。

また、ライブラリファイルを移動する場合も同様で、ライブラリファイルはプロジェクトファイルのパス定義

により、絶対パス(サーバ名を含むパス)を認識しているので、サーバの移動などを行なう場合は、プロ

ジェクトファイルのライブラリパスを変更する必要があります。

これは、ライブラリファイルを含む設計セットを同じライブラリパス(ライブラリファイルを保存しているサー

バへのアクセス)を利用できない環境において、設計セットを確実に読み込むことが可能になります。

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協力会社にライブラリをあらかじめ配布しておき、詳細設計を依頼する場合に利用することができます。

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4 プロジェクトフォルダ

【プロジェクト】ダイアログ ボックスには、【新規作成】を使用して作成した、あるいは【参照】を使用して参

照した、Autodesk Inventor のすべてのプロジェクトの一覧が表示されます。プロジェクトを定義してい

る各ファイルが通常、それが管理するデータ セットとともに格納されている場合、Autodesk Inventor はどのようにしてプロジェクトのリストを構築する方法を認識するのでしょうか?

Autodesk Inventor は、プロジェクト ファイルへのショートカットを探すことにより、一覧を構築します。こ

のショートカットは、Autodesk Inventor の【オプション】ダイアログ ボックスの【ファイル】タブで定義した

プロジェクト フォルダに格納されています。

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5 ファイルの検索について

5.1. アセンブリのファイル参照

Autodesk Inventor は、ファイルを検索する必要があると、アクティブなプロジェクトを使用してファイル

を検索します。このプロジェクトには、Autodesk Inventor のファイル管理機能を制御するためのオプシ

ョンが定義されています。また、Autodesk Inventor がファイルを検索する場所を定義する格納場所が

記述されています。Autodesk Inventor は、ライブラリを除き、プロジェクト ファイルに定義された順番で

格納場所を検索します。Autodesk Inventor のファイル内に格納されるファイル参照の形態は、ライブ

ラリと非ライブラリのいずれかになります。下図のようなファイル構成の場合、【Suspension.ipt】は非ライ

ブラリ参照、【Suspension_spring.ipt】はライブラリ参照となります。

次にライブラリ参照と非ライブラリ参照によってどのような情報を持つのかを説明します。

ライブラリ参照

Autodesk Inventor は、ライブラリ ドキュメントのプロパティを利用してパフォーマンスを向上していま

す。Autodesk Inventor ファイルがライブラリ ドキュメントを参照する場合は、以下を格納します。例え

ば、上図のような単純なフォルダ構成の場合、アセンブリファイル【Suspension.iam】が持つ構成部品

【Suspension_spring.ipt】のファイル情報は構成部品のライブラリ名とファイル名になります。

このようにライブラリパーツを参照する場合は以下のようなパスをアセンブリファイルが持つことになりま

す。

• ライブラリ名 : library

• ファイル名 : Suspension_spring

• サブフォルダのパス(該当する場合のみ) : /spring

<構成部品情報>

shock absolver front.iam

Suspention_spring.ipt

サブフォルダパス:\Suspension

ファイル名:Suspension.ipt

C:\

ライブラリ 名【library】

Suspention.ipt

<構成部品情報> ライブラリ名:library

サブフォルダパス:/spring

ファイル名:Suspension_spring

ライブラリ参照

非ライブラリ参照

\\server

プロジェクトファイルの位置

作業スペース

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非ライブラリ参照

Autodesk Inventor ファイルが、ライブラリに含まれていないドキュメント【Suspension.ipt】を参照する場

合は、以下を格納します。

• ファイル名 : Suspension

• サブフォルダのパス(該当する場合のみ) : /Suspension

5.2. サブフォルダのパスについて

プロジェクト ファイルは、あるファイルが別のファイルによって参照される場合に、Autodesk Inventor がそのファイルを検索する格納場所を定義しています。他に付随する情報がなければ、Autodesk Inventor は、格納場所によって定義されているフォルダの中だけを検索します。したがって、サブフォ

ルダがあってもその中は検索しません。これは、1 つの格納場所の中にサブフォルダ構造を構築して、

さまざまな方法で設計ファイルを分類する場合に便利です。

この場合、Autodesk Inventor はどのようにしてサブフォルダの中を検索するのでしょうか?

パーツをアセンブリに配置すると、Autodesk Inventor は【逆解決】という処理を実行します。パーツが

アセンブリに配置された時点で、Autodesk Inventor はパーツの場所を正確に認識します。ただし【絶

対パス】はアセンブリには保存されません。逆解決を使用することで、Autodesk Inventor は、該当する

格納場所を見つけ、この格納場所を基準として【サブフォルダの場所】を判断します。

例として、前の図に示したプロジェクト ファイルの情報を使用してパーツSuspention_spring.ipt をアセ

ンブリに配置する場合を考えてみましょう。

Autodesk Inventor は、下記のような絶対場所を認識します。

\\server\library\spring\Suspension_spring.ipt

Autodesk Inventor は、この場所を【逆解決】することで、その場所が右に示す格納場所を持った Library1 に対応していることを把握します。

library ← \\server\library\

次に、これが下記に示すサブフォルダのパスにあることを認識します。

\spring

これを【サブフォルダ パス】と呼びます

これにより、アセンブリに格納されるファイルの解決情報は、次のようになります。

• ライブラリ名 : library

• ファイル名 : Suspension_spring

• サブフォルダのパス : \spring

なぜ Autodesk Inventor は、格納場所とそのすべてのサブフォルダを検索するだけで、【サブフォルダ

の場所】を保存しないのでしょうか? それはパフォーマンス向上のためです。

Autodesk Inventor は、何千ものパーツからなるアセンブリを処理できるように設計されています。

Autodesk Inventor が各パーツごとに格納場所を検索することになると、[ファイルを開く - ファイルを選

択して開く]のパフォーマンスに影響する可能性があります。ただし、Autodesk Inventor は、サブフォル

ダの場所を格納すると、検索する場所を正確に認識できます。

5.3. 検索プロセス

検索プロセスの中で も重要な点は、ライブラリや検索パスのいずれにもファイルが見つからなかった

場合に Autodesk Inventor はどうするのかということでしょう。これは、Default プロジェクトを使用する場

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合に発生する状況です。この状況では、Autodesk Inventor は、親ファイルを含んだ場所を調べます。

それでも、ファイルを見つけることができなかった場合、Autodesk Inventor はその場所をユーザに尋

ねます。

ライブラリ内にファイルが見つからなかった場合に、Autodesk Inventor が親ファイルのある場所を探す

のは、少し奇妙に思われるかもしれません。これは、Autodesk Inventor のデータ セットを別の場所に

移動しやすくするためです。親ファイルを含んだ場所を常に調べることにより、設計を定義するすべて

のファイルを集めて、単一の場所に配置することが可能となります。これを実行すると、Autodesk Inventor はすべてのファイルを見つけることができます。この機能により、Autodesk Inventor のデータ セットを容易に下請け業者にメールで送信することができます。また、履歴を保存したり法的要件を満た

したりするために、アーカイブを簡単に作成できるようになります。(Pack&Goコマンドの“同レベルのフ

ォルダにコピー”オプション) 重要なことですが、ファイル名は重複しないようにしてください。重複すると、ドキュメントが上書きされま

す。一般に、異なるドキュメントには同じファイル名を付けないようにすることが賢明です。

ライブラリ参照に対する検索プロセス

Autodesk Inventor がドキュメントを検索する際は、 初に参照を記述した情報を調べて、これがライブ

ラリ ドキュメントかどうかを確認します。ライブラリ名が存在するかどうかを調べて確認します。ライブラリ

名が存在する場合、Autodesk Inventor はアクティブなプロジェクト内でその名前を検索し、対応する

格納場所を見つけます。

Autodesk Inventor のファイル検索は、次の手順に従って行われます。

① Autodesk Inventor は、 初にサブフォルダの場所 \\server\library\spring\ を調べます。

② ファイルが見つからなければ、Autodesk Inventor は \\server\library を調べます。

③ ファイルが見つからなければ、Autodesk Inventor は親ファイルを含んだ格納場所を調べます。

非ライブラリ参照に対する検索プロセス

Autodesk Inventor がファイルを検索する際は、 初に参照を記述した情報を調べて、ファイル名とサ

ブフォルダの場所(サブフォルダがある場合)を取得します。アクティブなプロジェクトにリストされた順番

に従って、Autodesk Inventor は、定義された格納場所を検索します。

Autodesk Inventor は、リストされた順番で、各格納場所のファイルを検索します。格納場所の検索は、

次の ステップで行われます。

① サブフォルダのパスが定義されている場合、Autodesk Inventor は 初にこのパスを使用し、格納

場所を基準として検索を行います。例として【product_a】を格納場所とすると、そのサブフォルダ パスが【/Suspension】であれば、Autodesk Inventor は 初に C:\product_data\product_a\assemblies\Suspension の中を検索します。

② 見つからなければ、次に Autodesk Inventor は【c:\product_data\product_a】の中を検索しま

す。サブフォルダまで検索するかはプロジェクトファイルの“一意のファイル名を使用”オプションの

設定により異なります。

③ アクティブなプロジェクトに定義されたいずれの格納場所にもファイルが見つからなければ、

Autodesk Inventor は次に、親ファイルを含んだ格納場所を調べます。

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5.4. ファイルが見つからない場合

Autodesk Inventor がアクティブなプロジェクトを使用してファイルを見つけることができなかった場合、

[リンクを解決]ダイアログ ボックスが表示されます。[リンクを解決]ダイアログでは、アクティブなプロジェク

ト内での参照されるファイルの現在位置を指定することができます。Autodesk Inventor がファイルを見

つけると、次回の保存時に、参照を格納するファイルに新しい情報を書き込みます。この結果、次回に

参照ファイルを開くと、このファイルが見つかります。

以下に示すようないくつかの状況では、Autodesk Inventor はファイルを見つけることができません。

• アクティブなプロジェクトに定義されたいずれの格納場所にもファイルが存在しない場合

• あるライブラリから別のライブラリにファイルが移動された場合

• 格納場所またはライブラリ内で、あるサブフォルダから別のサブフォルダにファイルが移動された場

合(“一意のファイル名を使用“オプションにより異なる)

• ネットワークやサーバに問題が存在する場合

• データセットが共有ライブラリを持たない【ホーム】に置かれている場合。これは容認されてはいま

すが、ダイアログが表示されて[すべてスキップ]のオプションが選択されています。

ここでは、以下のようなファイル構成のアセンブリのライブラリが移動した場合について説明します。

ライブラリ部品であるSuspension_spring.iptをライブラリのサブフォルダ【spring_new】にエクスプロー

ラで移動します。

<構成部品情報>

shock absolver front.iam

Suspention_spring.ipt

サブフォルダパス:\Suspension

ファイル名:Suspension.ipt

C:\

ライブラリ 名【library】

Suspention.ipt

移動

ライブラリ名:library

サブフォルダパス:/spring

ファイル名:Suspension_spring ライブラリ参照

非ライブラリ参照

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移動後、アセンブリ【shock absolver front.iam】を開くと【リンクを解決】のダイアログが表示されます。こ

れはアセンブリが【Suspension_spring.ipt】のサブフォルダをライブラリ【library】の【\spring】と認識して

いて、その場所にパーツがないために表示されます。ここでは【spring_new】フォルダから移動された

パーツを選択し【開く】をクリックすることで、リンクが解決されます。

[リンクを解決]ダイアログ ボックスに表示される情報は、Autodesk Inventor がファイルを見つけられな

かった理由を診断するのに役立ちます。

• [ファイル名]: 参照されるファイルの名前。ファイルの名前が変更されている可能性があります。

• [サブフォルダのパス]: これは、Autodesk Inventor が アクティブなプロジェクト内に定義された各

格納場所を基準として調べるサブディレクトリです。

• [ライブラリ]: ライブラリからファイルが配置されている場合、このフィールドには、そのライブラリ名が

表示されます。プロジェクト ファイルが編集されてライブラリが削除されたか、その名前が変更され

ている可能性があります。

ライブラリサブフォルダ【/spring】から

ファイルを検索するがない状態

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Autodesk Inventor がファイルを見つけられなかった理由に応じて、いろいろな是正措置を講じること

ができます。

• アクティブなプロジェクトが対象とする範囲の場所にファイルを移動する。格納場所のサブフォルダ

にファイルを移動した場合は、さらに[リンクを解決]ダイアログを使用してファイルの場所を Autodesk Inventor に通知し(一度だけ)、正しいサブフォルダのパスを確立する必要があります。

• アクティブなプロジェクトが対象とする範囲の場所にファイルが存在する場合には、[リンクを解決]ダイアログ ボックスを使用して、その場所を Autodesk Inventor に通知します。

ほとんどの場合、Autodesk Inventor がある 1 つのファイルを見つけられない理由は、ファイルのセット

を見つけられない理由と同じです。たとえば、ライブラリ名が変更された場合、そのライブラリから配置さ

れたファイルはいずれも見つかりません。

同じ理由ですべてのファイルが見つからないとき、見つからなかった各ファイルの場所をその都度指定

するのは退屈な作業です。この問題に対処するため、Autodesk Inventor には、いわゆる【置き換え規

則】というものが用意されています。新しい場所を参照すると、Autodesk Inventor は自動的に簡単な

置き換え規則を作成するので、まったく同じ理由で見つからなかった他のファイルを見つけることができ

るようになります。

[リンクを解決]ダイアログ ボックスの[詳細]ボタン をクリックすると、Autodesk Inventor が自動で作成

する置き換え規則を確認できます。状況によっては、置き換え規則を編集することにより(通常はパスの

末尾の一部を削除する)、Autodesk Inventor がファイルの検索場所について尋ねる回数を削減できる

場合があります。下図では、ユーザがフォルダの名前をspring からspring_new に変更しようとしていま

す。

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次に、リンク解決時に同一名称のファイルが複数ある場合を説明します。下図のようにpitston.iptが【comp_1】フォルダにあるとします。このとき、アセンブリ【shock_absolver_front.iam】はpistonパーツ

の情報として、サブフォルダのパスとファイル名を持っています。このpiston.iptをcomp_2、comp_3の

フォルダに移動した場合を考えます。それぞれのフォルダには同じデータがあります。

この場合、プロジェクトファイルの【オプション】で【一意のファイル名を使用 = はい】としておくと、リンク

を解決ダイアログから、複数ある部品名がリストされます。この中から使用する構成部品を選択し、リンク

の問題を解決します。

shock absolver front.iam

C:\

piston.ipt

移動

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プロジェクトファイルで【一意のファイル名を使用 = いいえ】としておくと、プロジェクトファイルからの検

索対象内で、同一名称のファイル名が許可されます。そのため同様の場合、リンクを解決では重複名

称のファイルがわからないので、データの保管場所を探す必要があります。また、見つけられたとして

も、それ以外に同一名称のファイルがある可能性があるので、 新のデータであるか確認しなければな

りません。

このように、プロジェクトファイルの【一意のファイル名を使用 = はい】にすることで、ファイル移動時の

検索精度、ファイルの管理に有効であるため、【はい】に設定する運用を推奨します。

他のサブフォルダを検索しないで、ユー

ザにリンクを解決させようとする

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6 練習問題

① プロジェクトファイルの作成・・・クライアント単独環境

クライアント単独環境でのプロジェクトファイルを作成します。cドライブに下記フォルダを作成してくださ

い。

• c:\product_data\product_a

• c:\library/spring

• c:\Contents Center Files

上記フォルダを作成後、新規プロジェクトファイルを作成します。プロジェクトファイルは下記のように設

定してください。

• 新規シングルユーザプロジェクト

• プロジェクト名 : product_a

• 位置 : c:\product_data

• 作業スペース : c:\product_data\product_a

• ライブラリ : c:\library

• ライブラリ名 : Library

• コンテンツセンターライブラリ : c:\Contents Center Files

• 一意のファイル名を使用 = はい

上記項目以外はデフォルト値のままにします。

①-答

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② プロジェクトファイルの作成・・・マルチユーザ環境

仮想サーバのフォルダとして以下を作成します。

• c:\server

• c:\server\library,Design Data,Template,Contents Center Files

作成したフォルダを共有フォルダにします。フォルダを選択し、右クリック/プロパティをクリックし共有に

設定します。

準備が終了した後に、新規のプロジェクトファイルを作成します。プロジェクトファイルは下記のように設

定してください。

• 新規シングルユーザプロジェクト

• プロジェクト名 : multi_product_a

• 位置 : c:\product_data

• 作業スペース : c:\product_data\product_a

• ライブラリ : \\ホスト名またはIPアドレス\library

• ライブラリ名:server_library

• デザインデータ : \\ホスト名またはIPアドレス\Design Data

• テンプレート : \\ホスト名またはIPアドレス\Template

• コンテンツセンターライブラリ : \\ホスト名またはIPアドレス\Contents Center Files

• 一意のファイル名を使用 = はい

上記項目以外はデフォルト値のままにします。

②-答

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③ プロジェクトファイルの作成・・・Vault導入済み環境

①・②で使用したフォルダ構成をもとにVaultプロジェクトを作成します。

プロジェクトファイルを下記のように設定してください。

• 新規Vaultプロジェクト

• プロジェクト名 : vault_product_a

• 位置 : c:\product_data

• 作業スペース : c:\product_data\product_a

• ライブラリ : \\ホスト名またはIPアドレス\library

• ライブラリ名:server_library

• デザインデータ : \\ホスト名またはIPアドレス\Design Data

• テンプレート : \\ホスト名またはIPアドレス\Template

• コンテンツセンターライブラリ : \\ホスト名またはIPアドレス\Contents Center Files

• 一意のファイル名を使用 = はい

上記項目以外はデフォルト値のままにします。

③-答

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④ Vaultプロジェクトのフォルダマッピング

VaultプロジェクトとVault内のフォルダをマッピングします。下記の設定でフォルダをマッピングしてくだ

さい。

• プロジェクトルート ⇔ Vault($)/product_data

• server_library ⇔ Vault($)/library

④-答

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⑤ リンクを解決

サンプルファイルを使用して【リンクを解決】の演習を行います。まずローカルフォルダにサンプルファイ

ルをコピーしてください。

[サンプルファイル]

Shock Absorber Front.iam

Shock Spring Adjustment Nut.ipt

Suspension_Spring.ipt

Ball End.ipt

Piston.ipt

Shock Body 1.3 Length.ipt

Shock Shaft.ipt

Spring Cup.ipt

• c:\product_data\product_a → アセンブリファイルをコピーします。

• c:\product_data\product_a\comp_1 → 構成部品をコピーします。

• c:\server\library\spring → Suspension_Spring.iptをコピーします。

上記フォルダにコピー後、Inventorでアセンブリファイルをオープンします。

オープンする際のプロジェクトファイルは【multi_product_a.ipj】を使用します。

オープンできたら、そのまま保存せず、モデルを閉じます。次からリンクを解決の演習を行います。

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(ア) エクスプローラ上でのファイルの移動

構成部品であるpiston.iptを作成したサブフォルダ【comp_2】に移動します。

移動後、アセンブリ【Shock Absorber Front.iam】を開きます。

問題なくファイルが開くことを確認し、ファイルを閉じます。

次にプロジェクトファイルの【一意の名前を使用する = はい】を【いいえ】に変更し、アセンブリをオー

プンします。

【リンクを解決】ダイアログが表示されるので、【comp_2】から【piston.ipt】を選択します。

保存してファイルを閉じます。

(イ) ライブラリフォルダの名前変更

次に【spring】フォルダを【spring_new】に名前変更をします。

アセンブリをオープンすると、【リンクを解決】ダイアログが表示されます。

【Suspension_spring】をspring_newから選択し、問題を解決します。問題が解決しファイルをオープ

ンしたら、そのまま保存せずにファイルを閉じます。

(ウ) 重複するファイルがある場合

後に【comp_3】フォルダを作成し、【piston.ipt】をコピーします。さら【comp_2】フォルダから

【comp_1】フォルダに【piston.ipt】を移動します。この状態で、プロジェクトファイルの【一意の名前を使

用する】が【はい】と【いいえ】の場合で、どのように【リンクを解決】が違うかを比較してください。

(ウ)-答

【はい】 → 重複するファイルを検出

【いいえ】 → piston.iptの【リンクを解決】

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⑥ Vaultへのファイルの追加

プロジェクトファイル【vault_product_a.jpj】をアクティブにします。

次に【comp_1】フォルダから【piston.ipt】を読み込むようにしてアセンブリをオープンします。

プロジェクトを追加で、サンプルファイルをvaultに追加します。追加後vaultフォルダの構成を確認してく

ださい。

⑥-答

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