研 究 業 績 等 に 関 す る 事 項 発行所,発表雑誌等 又は 概 要 発 … ·...

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(著書(欧文)) 1. 2. 3. (著書(和文)) 1. 2. 『初期意思決定論』 単著 2006年3月 本の風景社 規範的意思決定研究が修士論文以来 識伝播等を包摂する1つの基礎理論 を提示した. の課題であった.意思決定の根本は, ない.またその円環を具体的単位と して構成し,その家族的関係におい て,構成要素たる個人は円環が実現 する位相的領域を特定することによ ができるような個人次元の小単位で 変容,自己革新,他者への接続,知 って自らが存在する.かつ,構成要 とである.このとき構成要素は,咀 嚼・学習・動機付け・支持の相互作 用を通じて,相互の自己能力を更新 する過程の円環を絶えず再生産し実 現しプロセスを共有しなければなら 己があるということを自覚すること 結果的に自己同一性の保持,構造 ここで社会的オートポイエーシス 単位とは,構成要素である人間を, 当事者能力を持った人材として産出 する過程の円環として,有機的に構 成された単位(擬似家族的関係)のこ ステム論を創った.これはBeerが提 唱し,しかし断念した融合である. 素は円環過程において自省すること ができ,またそれによって現在の自 明が主題である.そのために,経営 をシステム機能面から再解釈した. 的生存可能システムモ ているという視点からシステム論を デルの基礎的研究』 再構築すべきであると考え,オート ポイエーシス論と生存可能システム モデルを融合し新たな社会・経営シ 2004年3月 学文社 人も企業も社会も,秩序軸で関係し 著書,学術論文等の名称 単著, 共著の別 発行又は 発表の年月 発行所,発表雑誌等 又は 発表学会等の名称 生体システムで実現されている機構 の社会への写像に関する問題点の解 『オートポイエーシス 単著 あると定義されるべきものである.

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Page 1: 研 究 業 績 等 に 関 す る 事 項 発行所,発表雑誌等 又は 概 要 発 … · 2. 3. 4.「ファジイ情報の価 単著 1987年3月 『創価経営論集』11

(著書(欧文))

1.

2.

3.

(著書(和文))

1.

2.

『初期意思決定論』 単著 2006年3月 本の風景社 規範的意思決定研究が修士論文以来

識伝播等を包摂する1つの基礎理論

を提示した.

の課題であった.意思決定の根本は,

ない.またその円環を具体的単位と

して構成し,その家族的関係におい

て,構成要素たる個人は円環が実現

する位相的領域を特定することによ

ができるような個人次元の小単位で

変容,自己革新,他者への接続,知

って自らが存在する.かつ,構成要

とである.このとき構成要素は,咀

嚼・学習・動機付け・支持の相互作

用を通じて,相互の自己能力を更新

する過程の円環を絶えず再生産し実

現しプロセスを共有しなければなら

己があるということを自覚すること

結果的に自己同一性の保持,構造

ここで社会的オートポイエーシス

単位とは,構成要素である人間を,

当事者能力を持った人材として産出

する過程の円環として,有機的に構

成された単位(擬似家族的関係)のこ

ステム論を創った.これはBeerが提

唱し,しかし断念した融合である.

素は円環過程において自省すること

ができ,またそれによって現在の自

明が主題である.そのために,経営

をシステム機能面から再解釈した.

的生存可能システムモ ているという視点からシステム論を

デルの基礎的研究』 再構築すべきであると考え,オート

ポイエーシス論と生存可能システム

モデルを融合し新たな社会・経営シ

2004年3月 学文社 人も企業も社会も,秩序軸で関係し

研 究 業 績 等 に 関 す る 事 項

著書,学術論文等の名称単著,

共著の別発行又は

発表の年月

発行所,発表雑誌等又は

発表学会等の名称概     要

生体システムで実現されている機構

の社会への写像に関する問題点の解

『オートポイエーシス 単著

あると定義されるべきものである.

Page 2: 研 究 業 績 等 に 関 す る 事 項 発行所,発表雑誌等 又は 概 要 発 … · 2. 3. 4.「ファジイ情報の価 単著 1987年3月 『創価経営論集』11

(学術論文(欧文))

1.

2.

3.

ベーションと人材として生れ変わる

摂する概念として位置付けざるを得

ない.しかし,社会的オートポイエ

ーシス単位の連鎖から生存可能シス

テムが生じるとする立場では,イノ

いられるのは意味論的情報である故,

個人の主観と統計的証拠など客観性

との融合である.故に,情報量を直

観的に定義し直した.また決定に用

のように努力している店舗では経営

ファジィ情報を論じた.それにより

(John Wiley & Sons)

社会的オートポイエーシス単位の連

鎖が密に生じている店舗,またはそ

状態は改善に向かうことが明らかと

なった.類似の概念に知識経営のス

るが,それでは知識の伝達の説明は

測度論的再構築は割愛した.

「Autopoietic 単著 2006年2月 Wiley InterScience Hejlが提案した構成要素共同言及性

「Autopoietic 単著 2007年9月 Systems Research 上記の論文を紙媒体の専門誌に掲載

ということが問題なのである.構造

Viable System (www.interscience.を,逆に単位体に対して構成員が自

Model」 wiley.com)

己概念から,「拡大された自己」概

題的には50年代から80年代までの主

要なものに触れた.論文32で触れた

規範論と記述論の架橋を試みた.主

念を作り,社会的オートポイエーシ

己を認めるという2次構成要素共同

スである擬似家族的単位から生存可

能システムモデルへの創発の道筋を

言及性に拡張し,さらにAshby の自

の同型性ではないことを論じた.

Viable System and Behavioral したもの.

示した.生存可能システムモデルは

機能であり,その写像が可能か否か

(pp.333-346)

Model」 Science, Vol.24,

(日本情報経営学会)ることで理論の頑健性を検証した.

Viable System」 (pp.51-62) のある地域の店舗群の経営を考察す

「The properties 単著 2009年11月 『日本情報経営学会 オートポイエーシス的生存可能シス

of Autopoietic 誌』30巻2号 テムモデルを用いてセブン-イレブン

ということは必然的結果であるとい

モールワールド・ネットワークがあ

付くが,イノベーションはそれを包

うことを論じた.

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(学術論文(和文))

1.

2.

3.

4.

た評価基準群に任意に順位付けが可

(日本経営教育学会) 的な判断であるとの謗りも受け易い.

そこでAnalytic Hierarchy Process

を応用し,証拠理論による評価法を

考案した.利点は評価基準毎に人を

評価し総合化が可能な点であり,ま

る.このような組織情報流の実際を

「ファジィ人事考課 単著 1996年6月 『経営教育学会年 人事考課には,評価基準に階層関係

と同等の情報量を持つが無価値であ

法の一考察」 報』第15号 があることもあり,多面的評価と公

(pp.40-43) 平性が求められる.しかし時に主観

比例するということは言えない.報

知性の意味から,情報の価値の大小

で情報量の多寡を規定することも困

難な場合がある.最たるものは,完

全な嘘である.これは,確率的情報

値と量につての一考 報』第7号 価値の関係について論じた.実際の

察」 (pp.43-50) 組織情報の中心であるファジィ情報

(日本経営教育学会) の場合は,確率的情報とは異なり,

情報の価値の大小と情報量の多寡が

営サイバネティックスと冠する以前

の,Beerの経営サイエンス時代の考

え方を辿り,後年の組織サイバネテ

「ファジィ情報の価 単著 1988年5月 『経営教育学会年 嘘や不確かな情報の情報量と情報の

ィックスとの繋がりを考察した.

「経営サイバネティ 単著 1984年6月 『日本経営分析学会 経営分析の立場から,初期Beer思想

ックスと経営分析― 年報』第1号 を検討した.経営分析は,本来は経

S.Beerの視角から組 (pp.40-43) 営管理や人事,生産管理等経営全般

織設計への提案―」 (日本経営分析学会) の分析に及ぶべき領域である.サイ

バネティックスの提唱者の一人であ

るBeerは,長年企業経営やコンサル

ティングに携わってきた.著書に経

決定の基礎的研究」 162枚(400字詰原稿

「不確実性下の意思 単著 1983年3月 修士論文(創価大学) 意思決定は,合理的決定と主観的判

なる.本研究では,決定者の価値観

合理的決定がその基礎になければな

らない.ここに乖離がある場合,決

断の狭間にあるといえる.最高責任

用紙) 者の判断が優先される場合もあるが,

定状況の不確実性を助長することに

とを前提に,合理的決定論の立場か

ら,規範的意思決定論の基礎を論じ

た.

が一定であるということ,すなわち

情緒に流されることはないというこ

描写し,比較可能性の条件を論じた.

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5.

6.

特徴のある人選を可能とするととも

なわち,再帰構造の中にあるという

能であることである.これにより,

とができる.この関係性は,下位水

位の自律性を保障し,同時に教導す

ことは,上位水準に対しては,その

や業務までも変更し進化に繋げるこ

律的に制御することである.さらに,

ことができる故,自身のミッション

論集』第14集(進化 国・国際レベルに連なる再帰構造の

準との間においても同様であり,下

の行動を上位の秩序に沿うように自

次なる発展の鍵を上位水準から得る

同時に上位水準の発展のために自身

「企業システムの進 単著 2010年3月 『進化経済学会報告 企業をシステムとして捉えるとき,

化と倫理」

経済学会)CD 中に自身を置くことができるか否か

生存可能性の源は自身の事業であり,

が,倫理的かつ発展,そして進化の

可能性を鍵となることを論じた.す

うことも説明した.

「オートポイエーシ 単著 2003年7月 博士論文(早稲田大 生物学のオートポイエーシス論と社

者への接続,知識伝播等,社会組織

ス的生存可能システ

あるというBeerの言葉通り,社会シ

的組織サイバネティックスを作るた

論の不統一なることを克服し,基盤

ステムの構成要素は人間である.す

学)750枚 会システム論の1つである生存可能

ムモデルの基礎的研 (400字詰原稿用紙) システムモデルを融合し,社会学・

究」

的オーポイエーシス単位は各構成要

定義した.ここにおいて,自己同一

性の保持,構造変容,自己革新,他

素の周辺に形成される擬似家族的単

位であり,社会的オートポイエーシ

源として活用したのだが,自治体は

スとは相互に人材を産出することと

システムとして自立することは難し

く,良くて独立単位体に留まるとい

の諸特性を包摂し,企業分析を可能

 この中で,日鐵輪西による室蘭市

への寄付金を市当局は地域政策の財

に評価の冗長性を排除することが可

能となる.

めである.企業組織の核心は人間で

産業社会論的視点から新たなシステ

ム論を創った.経営学諸理論や組織

とする道具ができた.

なわち,社会的新陳代謝を行う社会

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(紀要論文)

1.

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3.

4. 「ファジイ情報の価 単著 1987年3月 『創価経営論集』11 意思決定の記述的側面における問題

値について」

た.

のであるということをEspejoから聞

その有効性と実現可能性は疑問視せ

ざるを得ない.サイバネティックス

には全体論的視点の必要性は明らか

中心として-」 概念がその成果である.但し,その

「経営サイバネティ 単著 1984年11月 『創価大学大学院紀 生存可能システムモデル提唱以前,

決定の基礎的研究」 要』第5集 論に絞って,その骨格を論じた.す

(pp.19-40) なわち,決定状況への決定者の主観

ることが自身の発展に寄与するので

「不確実性下の意思 単著 1983年11月 『創価大学大学院紀 上記論文を修正し,規範的意思決定

ある.これ等を論じた.

である.故にそれを批判し,生存可

能システムモデルの全体論的特長を

まとめた.しかしその後,Beerの所

論は,局在論と全体論を止揚するも

状況に関する追加的情報の利用と定

義,さらに一種の合理的手段を表す

実社会への写像を試みるものである.

その後の全体論的視点から見ると,

決定関数について,80年代初頭まで

察-S.Beerの理論を (pp.1-18)(創価大学)究にも携わっていた.Tマシン等の

ックスに関する一考 紀要』第6集 BeerはAshby等と同様,脳機能の研

概念の本質は脳機能の局在論に立ち,

(創価大学) の反映であるところの主観確率の修

正問題,意思決定者の性格と価値観

を表す効用関数の表現と性質,決定

「効率的経営計画の 単著 1985年11月 『創価大学大学院紀 組織において,モデルの手法として

生存可能システムモデルと一致する

組織構造を理想的組織と捉えており,

分けて論じた.但し,この時点では,

機能の表象としては考えていなかっ

ための組織構造」 要』第7集 の実際を知るため,経営計画の文脈

(pp.21-40) における生存可能システムモデルの

(創価大学) 有用性を論じた.特に内部現在問題

と呼ぶところのシステムⅢまでと外

部将来問題と呼ぶシステムⅤまでに

巻2号(pp.211-238) の原因として,決定主体の価値観の

(創価大学経営学部) 揺らぎとともに,状況把握の多基準

性と情報の曖昧性が上げられる.こ

の論点を整理した.

かされたが,この時点では知る由も

なかった.

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5.

6.

7.

8.

比較を行った.

効用関数の危険回避関数を定義し性

凸依存関係が生じるものとして,組

「ファジィ選好関係 単著 1989年3月 『創価経営論集』 規範論の記述論的拡張として,選択

関数で表現することにした.その上

で,利害が背反する場合を,個々の

効用関数間に逆凸依存関係が生じる

場合とし,逆に協力が可能な場合を

確率的情報を特殊な情報と捉え,フ

の内情報のファジィ性に関しては,

況の規範的表現の可能性を示した.

意味する.故に,決定者の性格・価

ァジィ情報を一般的情報として捉え

口語情報等では実際に散見され,意

味論的情報の観点から考察に値する.

しかし既存の規範論の枠組を拡張す

ることで対応可能である.すなわち

効用関数を用いるということは決定

主体の価値観に触れるということを

るべきなのである.その上で価値の

値観として,危険選好的であるか,

(創価大学経営学部) ある.そこで,多属性効用関数を用

いて定式化を行い,記述的な決定状

「多属性効用関数と 単著 1987年9月 『創価経営論集』12 論文4の他に,意思決定の記述的接

その危険回避につい 巻1号(pp.83-102) 近を必要とする原因に,多基準性が

て」

あるいは回避的であるのかを論じる

ために,規範論の立場から,多属性

「チームの決定」 単著 1988年7月 『創価経営論集』13 中小ベンチャー企業や産業クラスタ

質を論じた.

巻1号(pp.39-58) ーの内部の連携はチーム的と評され

(創価大学経営学部) ることが多い.そこでチームの性格

を分析するために,意思決定分析を

切口に,特に構成員の倫理的関係と

情報構造の問題を論じた.チームと

は,協力することで互いの利得を最

大化する組織形態である.対等性や

「グループ決定問題」 単著 1988年12月 『創価経営論集』 グループ決定問題の解法は定まって

謙譲等の関係によって,情報構造は

異なることを明らかにした.すなわ

う形で規定する試みである.

(創価大学経営学部) 観を効用関数表示し得るものとし,

グループ全体の価値観を多属性効用

13巻2号(pp.49-72) いない.グループ内の各個人の価値

ち,組織文化の差異を情報構造とい

織内の力学を表現した.

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8.

9.

10.

状況が多面的に解釈できる場合は,

決定に振幅が生じる.その解消には,スモールワールドを細分化すること

「Savageの期待効用 単著 1991年3月 『創価経営論集』

(創価大学経営学部) な部分を補強した.それは整合性を

とはならない.接近の土台自体が異

なっているのである.但し,人間の

思惟し得る範囲の考察という意味で

前提としたスモールワールドに関し

てである.倫理的に堅固な人でも,

について」 15巻3号(pp.113-137)所論に修正を与えるとともに,脆弱

規範的意思決定に関して,Savageの

いえる.

は,記述的かつ感度分析的であると

を検討した.Zadeh 等の本来のファジ

ィ決定分析は,全て帰属度関数に帰

着する問題として論じているため問

題を特殊化してしまう傾向があり,

一般の規範的決定分析の記述的拡張

法」 年記念論文集』 関数の比較やファジィ事象自体を通

(pp.296-304) 常事象として扱う場合等,これまで

(創価大学) 提案されているファジィ決定分析法

決定にはマイナスでしかない.この

ことから,情報量の比較条件を抽出

し論じた.台関係にある情報間の情

報量の比較条件は,価値の比較条件

「ファジィ決定の方 単著 1990年11月 『創価大学創立20周 ZadehやKacprzyk の掲示した帰属度

律,対称律,推移律,比較律等を満

たすが,従来の規範論における順序

の量」 14巻2号(pp.81-105) 報の情報量について,比較方法を考

「ファジィ情報とそ 単著 1990年2月 『創価経営論集』 一般的組織情報流であるファジィ情

より人間的選好に近づけることも可

その意味では,元の情報よりも報知

関係等を一般化することも可能とな

そのような場合でも反射律,非反射

に依存することが明らかになった.

る.つまり,関係性に許容可能な水

準を設けることや,選好の方向によ

る強弱の差等も表現することもでき,

(創価大学経営学部) 察した.確率的情報を台としながら,

解釈によってファジィ情報とする場

合,ファジィ情報は元の情報よりも

報知性は劣ることは明らかであり,

能となる.これ等の表現法を論じた.

性は劣るという点に一致する.

について」 13巻3号(pp.47-62) 対象間の関係がファジィ関係である

(創価大学経営学部) 場合の選好関係を論じた.すなわち,

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11.

12.

13.

高めるために多属性効用関数に拡張

からである.

系には適用できない等の制約がある

思決定への応用も可能となることを

して論じた.Fishburnの問題点は,

λ>α,λ≧1/2,λ≧β を前提にす

「SSBについて」 単著 1993年3月 『創価経営論集』 価値観の一定ならざる経営者が意思

17巻3号(pp.51-81) 決定を行う場合もある.それは多面

(創価大学経営学部) 的評価が求められる場合に多い.そ

の基礎論を提示するためにFishburn

のSSB 理論を修正し,かつ記述性を

方程式に帰着する.しかし,規範的

意思決定の拡張であるところの動的

計画法の方が,変分法よりも汎用性

は高い.何故ならば,変分法は離散

それを基に条件付き変分法と,動的

計画法における自然境界条件と最適

意しておく必要がある.そこで事象の

無限性に伴い確率の完全加法性を論

じるためにDeGroot等の公理を援用し,

確率・効用双方の独自の公理系を設

「動的計画法の中の 単著 1992年7月 『創価経営論集』 最適制御問題や動的計画法の基礎で

変分法」 17巻1号(pp.69-85) ある変分法についての考察を行った.

(創価大学経営学部) 汎関数が強または弱の極値を持つた

めの必要条件と十分条件を中心に,

理論の延長」 16巻1号(pp81-103) 個の選択肢や事象を検討する必要性

(創価大学経営学部) はない.無限個の選択肢は考慮不能

だからである.しかし,規範論では用

け,完全加法的期待効用理論を検討

した.

事象上の弱選好で統一されるべきも

「Savageの期待効用 単著 1991年12月 『創価経営論集』 実際の経営等の意思決定では,無限

があるが,その不整合な部分を修正

のであるからである.だがFishburn

は単純化したために,証明に不都合

が生じたのである.

制御にも触れた.何れもオイラーの

を論じた.また,スモールワールド

した.何故なら,Savageの主観確率は

の細分化に関してはFishburnの証明

で公理系の逸脱等の価値観の不安定

さを克服するしかない.その修正法

ることに起因している.そこで公理

系を変更し,β=1/2の場合や無差別

の場合も扱えるようにした.それに

より多属性決定問題や記述的経営意

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14.

15.

16.

19.

法であるといえる.

測度を提案した.

なる総合的不一致・不特定・混迷性

示した.

「ファジィ多段階意 単著 1993年7月 『創価経営論集』 経営の現実においては,意思決定が

思決定」 18巻1号(pp.61-75) 次の決定問題を引き起こす場合があ

(創価大学経営学部) る.特に,何らかの決定や政策の一部

が影響を残す場合が多い.このよう

な記述論的問題として扱われること

が多い連続的決定問題を,因果性を

明らかにするために,ファジィ決定

の内,特にBranch and bound 法に

論とも異なり,より素朴な方法であ

様々な条件を適用することにより考

察した.これは,一般的逐次決定理

Pl測度を決定に用いる場合は,不一

致性や混迷性,不特定性の問題が新

度が用いられている.それ以外にフ

(創価大学経営学部) ァジィ測度も多数提案されている.

しかも実際の意思決定等の判断では,

感情が理性的決定を覆す場合もある.

的接近のためにそれ等を総合して,

C(m)-E(m)=-Σm(A)logBel(A)/Pl(A)

るが,人間の扱える状況に応じた方

「証拠の不確実性」 単著 1994年3月 『創価経営論集』 一般に規範的意思決定には,確率測

18巻3号(pp.185-198)

故に記述論への規範論的接近では,

種々の測度のスイッチを考えなけれ

ばならないであろう.しかしそれ等

分析よりも決定者の嗜好を反映させ

の内,上界下界確率で知られるBel・

たに生じ,それ自体も測定する必要

がある.よって,記述論への規範論

19巻2号(pp.65-84) Shannonの情報量を用いることは困

定分析を用いた基礎付けが可能であ

る.さらに,順位付けにおける微妙

用いて尺度とし,従来の方法と比較

した.これにより,期待の高さと不

一般に,人が状況を判断する場合,

「AHPの中の調和Bel 単著 1994年7月 『創価経営論集』 多面的評価を要する経営問題におい

・Pl関数」 19巻1号(pp.33-49) て,評価基準に優先順位付けが可能

(創価大学経営学部) な場合,Saaty の提唱した階層的決

さを,論文15で用いたBel・Pl関数を

直観的情報量」

安の大きさを順位付けに取り込むこ

とが可能となる.従来の階層的決定

「ファジィ情報の 単著 1994年11月 『創価経営論集』

ることが可能となった.

Page 10: 研 究 業 績 等 に 関 す る 事 項 発行所,発表雑誌等 又は 概 要 発 … · 2. 3. 4.「ファジイ情報の価 単著 1987年3月 『創価経営論集』11

20.

21.

22.

遜色はなかった.

クスと一般システム論は峻別されな

を行った.Shannon の情報量に比べ,

「生存可能システム 単著 1995年11月 『創価経営論集』 経営学等において,時に一般システ

モデルについて:そ 20巻2号(pp.29-39) ム論をもってシステムと考えられる

の構成要素と諸原理」 (創価大学経営学部) ことがある.しかしサイバネティッ

報量の性質と有用性の基礎論的考察

し得ない場合,それを複合情報とし

て扱わなければならない.そのよう

な現実的な場合で,かつ曖昧な情報

であるとき,すなわち,複合ファジ

の直観的情報量」 19巻3号(pp.45-62) に対して,様々な角度から部分情報

(創価大学経営学部) が複数寄せられる場合がある.それ

等を総合しなければ決定問題に対処

ィ情報ε(E)×…×ε(M)の直観的情

「複合ファジィ情報 単著 1995年7月 『創価経営論集』 経営意思決定においては,ある問題

適用することでその頑健性と有用性

論文19で定義した直観的情報量をフ

ァジィ結合情報ε(E)∪…∪ε(M)に

を検討した.Shannon の情報量に比

べても遜色はなかった.

V(ε(M))⇒I(ε(E))>I(ε(M))も言

(創価大学経営学部) 難であろう.直観的に情報量の多寡

を判断することを好むのではないだ

率を取って情報量を定義した.その

上で従来の定義の情報量と正確性の

そこで事前確率と事後確率の単純比

Shannon 情報量ではなく直観的判断

⇔I(ε(E))>I(ε(M))が言えないこ

ともあるからである.さらに,価値

による規定,すなわちV(ε(E))>

えない場合があるからである.結論

観点で差異が生じるかを検討した.

を行う場合もあるであろう.そこで

の直観的情報量」 19巻3号(pp.45-62) て複数の情報が寄せられることがあ

(創価大学経営学部) る.それ等を総合して,決定者は心

証を形成する訳であるが,情報量の

観点でそれを考えるときは,やはり

的に,ここで述べた単純比の方が扱

係の比例,つまりV(ε(E))>V(ε(M))

報価値の大小関係と情報量の多寡関

「結合ファジィ情報 単著 1995年3月 『創価経営論集』 決定に際し,同一事象・問題に関し

い易く正確性においても支障はなか

った.

理由はファジィ情報を用いる場合は,

情報の信頼性・真偽性によって,情

Page 11: 研 究 業 績 等 に 関 す る 事 項 発行所,発表雑誌等 又は 概 要 発 … · 2. 3. 4.「ファジイ情報の価 単著 1987年3月 『創価経営論集』11

23.

24.

25.

た.

して,批判者とは逆に企業・社会シ

ステムのモデル化の必要性と可能性

岡部史信,土谷幸久分担 pp.127,

pp132-143)

スに依ることの有用性を述べた.

現在唯一のモデルであることを論じ

においてShannon の情報量に比べ,

(創価大学経営学部) 人間による情報量の判断というべき

直観的定義による情報量は,確率的

情報のみならず一般的情報であるフ

ァジィ情報に対しても,統計的推定

「直観的ファジィ情 単著 1996年3月 『創価経営論集』 論文19~21の直観的情報量が統計的

報と推定」 20巻3号(pp.41-56) 推定に耐えられるかの検討を行った.

何等遜色がないことがわかった.一

連の考察により,情報量の直観的多

度の整備,理解も必要である.しか

し,中小企業等では遵守されない傾

向が強く,今後は小規模事業所の実

(態を調査したいと思う.共著者:

(創価大学比較文化研ライアンスの基礎と言える.結論的

究所) に,大企業においては,女子労働者

側は社会的弱者というよりも,機会

を活かし切れていないことが明らか

「女子労働者をめぐ 共著 1996年3月 『創価大学比較文化 男女雇用機会均等法施行後の経営・

る企業の課題」 研究』13巻 法律的調査.均等法の遵守は,公正

(pp.127-143) と人権の原理に基づく企業内コンプ

を考察した.結論的に,生存可能シ

ステムモデルが生物学的観点からの

(pp.637-645) である.Beerによる神経系からモデ

(創価大学) ル化へ至る意味を考察した.特に,

UlrichやJackson 等のサイバネティ

ックス批判の立場から,それを検討

すべきである.但し,税制や社会制

となった.企業側の努力とともに,

女性側も積極的に同法の趣旨を活か

「生存可能システム 単著 1995年11月 『創価大学創立25周 生存可能システムモデルは,生体シ

モデルについて:そ 年記念論文集』 ステムに依拠した唯一の社会モデル

の考え方と解釈」

抽出と普遍化に主眼を置いているか

営を捉えるためには,サテイバネィ

ックスに依らなければならない.そ

れ等を区別して,サイバネティック

ければならない.一般システム論が

諸現象間の類似性に着目するのに対

して,サイバネティックスは原理の

らである.故に,システムとして経

Page 12: 研 究 業 績 等 に 関 す る 事 項 発行所,発表雑誌等 又は 概 要 発 … · 2. 3. 4.「ファジイ情報の価 単著 1987年3月 『創価経営論集』11

26.

29.

30.

であったが,その本質は確率的解釈

ではなく,真偽性と信頼性にその機

比較条件の関係性」

点から経営を観る利点がある.

が完成したことになる.

で,諸原理の経営管理における解釈

ステムモデルであり,その実現がシ

ステムである.これを踏まえ,論文

29で触れた諸管理論の複合を改善し

基盤を与える理論であるという意味

「生存可能システム 単著 1997年3月 『創価経営論集』 論文23を受け,生存可能システムモ

を論じた.これには,現在の管理論

モデルについて:そ 21巻3号(pp.59-82) デルとは,モデルと称しているが,

の諸原理と経営管理 (創価大学経営学部) 生体等に共通する機能であることを

上の意味(後)」 論じた.さらに,それを社会組織に

写像した場合のモデルが生存可能シ

なく,諸管理論の複合に基盤を与え

るものであり,システムの観点から,

組織間関係や内部機能そして環境が

語られるべきことを論じた.

加えられるべきことを意味している.

よって,モデルは組織構造ではなく

機能を指すものと解釈しなければな

らない.すなわち,組織論の代替では

体が多角的かつ重複して提示された

ことと,その多くを受け継いでいる

ことを示した.このことは,モデル

の諸機能の相互関係に多面的解釈が

は情報源の信頼性と情報の出現の確

報に拡張すると,比較条件の関係性

の諸原理と経営管理 (創価大学経営学部) した原理の解釈を論じた.諸原理自

ネティックスの諸原理でBeerが継承

「生存可能システム 単著 1996年11月 『創価経営論集』 論文22を受け,Ashby 以降のサイバ

モデルについて:そ 21巻2号(pp.79-92)

能の中心であることを明らかにした.

値と情報量に関する 21巻1号(pp.69-85) の関係性について,規範的意思決定

(創価大学経営学部) の立場から考察した.一連の研究か

ら,確率的情報ではなくファジィ情

寡を直接比較することの有効性が,

確率論的にも統計学的にも証明され

た.これにより新たな情報量の定義

率的性格の2つに大別されることに

なるが,それ等の混合によって実際

の情報が用いられていることが明ら

かである.従来,情報は無定義概念

の一面的立場とは異なり,総体的視

上の意味(前)」

「ファジィ情報の価 単著 1996年7月 『創価経営論集』 情報量と情報の価値の比較条件とそ

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31.

32.

33.

34.

示し性質SとReisz性の汎用性はよ

ファジィ測度が有効であると考えら

め,Beerの所論の細部を検討した.

連の情報研究の裏打ちでもある.

報こそ一般的情報であるとした一

定の測度論的再構成のために論じた.

「意思決定のための

と説いている.故にDe Finettiの

確率思想小史」 創刊号(pp.105-117) 客観確率・論理確率から主観確率

(創価大学通信教育 への確率思想の変遷について論じ

部) た.研究者の中で,DeFinetti は如

単著 1998年8月 『通信教育部論集』 規範的意思決定論の立場において,

れ,その関係性を論じる必要があっ

た.さて性質SとReisz性の関係性を

2号(pp.57-72)(創価 現在明らかにされつつある.以前か

示したのはWangとSun だが,彼等は

ショケ積分で関係性を証明した.こ

こでは菅野積分でも証し得ることを

何なる客観的世界においても主観

的解釈は存在すると述べ,今日的

大学通信教育部) ら課題であった記述的決定と規範的

主観確率の展開においては,ベイ

ジアン統計学の基礎を既に論じて

意味では主観説に立つべきである

いるのである.これは,曖昧な情

「性質Sについて」 単著 1999年8月 『通信教育部論集』 ファジィ測度と測度間の関係性は,

決定の乖離を埋める作業において,

為」 3号(pp.107-122) 論理を無視してでも実行することを

「ギーターと管理行 単著 2000年8月 『通信教育部論集』 Beerがギーターを引用する場面は,

り高いことを明らかにした.意思決

(創価大学通信教育 強調する場合である.それはある種,

部) 論理の限界や飛躍を示すかのようで

ある.何故そのような事態になった

のか,Beerの誤りを指摘した.根源

的解答はオートポイエーシスにある.

Beerはこのことに気付いていたと思

われるが示さなかった.Beer自身が

モデルの説明において,組織構造と

機能であるモデルの乖離・写像の困

難さから,構成要素である人間に負

ートポイエーシスの議論に繋げるた

なかったからかもしれない.後のオ

るのは,細部の考察が煮詰まってい

荷が掛かる現実から抜け出せずにい

「室蘭素描」 単著 2001年8月 『通信教育部論集』 明治期以降の室蘭の史的発展におい

4号(pp.98-149)(創 て,社会的な従属単位体にならずと

価大学通信教育部) も済む機会が幾度かあったというこ

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35.

36.

37.

を認めなければ,社会システムとは

理を必要とするのである.

孝次,土谷幸久(分担 pp.53-66)

とは明らかである.共著者:小林

可能システムモデルのような統合原

してのシステム双方に,主体的地位

ならない.よって生体と同様,生存

「生存可能システム 単著 2003年7月 『通信教育部論集』 コンティンジェンシー理論やバーナ

方法論であることも示した.

とがわかった.生存可能システムと

めない.また,生存可能システムモ

デルは,自治体の行動や企業等あら

ゆる組織体に必要な機能を示すもの

年間1万人も増減する状況では,税

収の算定すら困難であったことは否

であり,それ等の健全性を評価する

して,あるいはシステム機能はない

が財務的裏付けを持った独立単位体

として生き延びる方法もあったが,

補助金や寄附に頼ることで,その機

会を逸したのである.但し,人口が

のであり,その構成要素と単位体と

体の不可分な関係から規定されるも

ればならない.システムは要素と全

「ハリソン・ステ 共著 2002年3月 『創価経済論集』 科学研究費研究成果報告書におい

グラムにおける推移確率を同値に

すれば,カルマンフィルターに転

ィーブンスモデル XXXI(pp.53-71) て,バス会社の営業報告書の分析

の検証」 (創価大学経済学部) 用に自作したハリソン・スティー

ブンス・プログラムに対して,市

ならず,その構成要素は人間でなけ

販の時系列モデルとの優劣の検討

をした.データ数が少ない場合は,

規範的意思決定の応用であるベイ

ジアン統計学による方法,すなわ

ち自作のプログラムの方が有効で

あることを示した.また,同プロ

「オートポイエーシ 単著 2002年8月 『通信教育部論集』 社会システムへのオートポイエーシ

ス論」 5号(pp.154-211) ス論の展開を試みた.コミュニケー

用も可能であり,汎用性は高いこ

ケーションにおける場合とは別のオ

ートポイエーシスが存在しなければ

(創価大学通信教育 ションがコミュニケーションを産出

部) するというのがLuhmann流の解釈だ

が,それとは別に合意領域の形成を

論じた.社会システムにはコミュニ

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38.

39.

40.

は有機体の機能をモデル化したもの

解き明かした.

限定される傾向がある.しかし裾野

デルに求めるべきであることを論じ

なる理論が必要であり,それを同モ

た.

遍性という意味において同モデルの

(早稲田大学)

に産業クラスターの形成が企図され

た.但し,先端的技術を持つ企業に

「イノベーションと 単著 2007年1月 『仏教と経営倫理Ⅰ イノベーションは,単に技術革新に

起業」 特集号』(pp.25-41)

の視点の位置関係を明確にしながら

留まらず,製品・サービスを通じた

(国際仏教文化研究

ら発展してきたともいえる.視座と

「オートポイエーシ 単著 2004年7月 『ヒューマンサイエ 博士論文の要約.

ス的生存可能システ ンスリサーチ』第13

ムモデルの基礎的研 巻(pp.338-341)

究」

は各々1つの視角から組織とその行

動を語るものであり,組織サイバネ

さらに,経営学の理論史は,人間主

義と科学的管理法の両極に振れなが

ティックスに接近しつつあるが,普

6号(pp.84-116) ード,サイモン,ワイク,クーンツ

(創価大学通信教育 ・オドンネル等,経営管理論・組織

部) 論との対比から生存可能システムモ

デルの頑健性を検証した.同モデル

汎用的なることが明らかになった.

モデルの理論的検討」

であり,基盤として,経営戦略論や

管理論をモデル上で語ることができ

る.検討の結果,経営学関係の理論

社会変革を意味している.その両面

所) にわたり,起業家や経営者が果たす

役割は大きい.起業家達の機能の2

面性は,シュムペーターやドラッカ

ーの指摘する通りである.本稿は,

コアコンピタンスの確立,開発,生

産販売,組織改革,経営革新に至る

一連の過程において,経営者が果た

す役割の変容を,シュムペーター等

「産業政策と中小・ 単著 2007年2月 『四天王寺国際仏教 改正中小企業基本法により,中小企

ベンチャー企業:産 大学紀要』第44号 業・ベンチャー企業はその経営体と

業クラスターの基盤 (pp.39-56)(四天 しての独立性が強調され,産業政策

創出に向けて」 王寺国際仏教大学) の一翼に位置付けられることとなっ

た.一方,改正の狙いは,ベンチャ

ー企業の創出であり,大学等を中核

・関連分野なしの先端企業群の存在

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41.

42.

43.

ステム論であったことを論じ批判し

た.

の動機の公準,限定的経済自由の原

則,労働利得権の原則,複合的所有

新規事業の創出の鍵であることを論

じた.

はあり得ず,故に各中小・ベンチャ

条件としての貨幣的表示,計算期間,

の原理などが課せられる.故に企業

実体の公準が不明になる場合もあり,

会計単位等の公準は満たし,また会

計期間,貨幣的評価等の公準も満た

している.しかし宗教的制約として

社会的公正原理,配分優先の原則等

たシステム概念からも乖離した局所

てきたところではあるが,その根本

(四天王寺大学) あるということが以前より指摘され

(pp.35-56)

(四天王寺大学) における初期のパラダイムⅠを中心

に,全体論的視座等今日的システム

方法論の基盤は既に出揃っていたに

も拘らず,それが当時の想定してい

「イスラム会計の基 単著 2009年9月 『四天王寺大学紀 自己言及型社会の一例としてイスラ

は会計公準にある.すなわち,制度

察した.イスラム金融には揺らぎが

底」 要』第48号 ム社会における会計概念について考

「パラダイムⅠにつ 単著 2009年3月 『四天王寺大学紀 Checklandの“OR and The Systems

生じることを.VTR産業を例に論じた.

最適化の方法論,すなわちハードシ

いて:ハードシステ 要』第47号 Mappings and Conflicts”(1983)

ム思考批判」 (pp.17-30) なる論文のシステム研究運動の分類

直接的働き掛けと新たな選好の開拓

が必要となる.この重層関係の中で

戦略が実行される故に成功不成功が

方外的コンテクスト自体も,市場の

選好という器の中にある.これ等の

入れ子関係にあっては,戦略の実行

は技術のみならず,市場の選好への

ンテクストが形成される.企業や組

王寺国際仏教大学) 織の意志が構成する主観的内的コン

テクストは,外的なそれとの相互影

響を避けることはできない.何れか

が主流になり,他は傍流となる.一

べきなのであり,それが企業存続と

ー企業も自らクラスター化に関与す

「戦略のコンテクス 単著 2008年3月 『四天王寺国際仏教 戦略の基底は意志である.他者(社)

ト依存性についての 大学紀要』第45号 の意志と様々な状況等により外的コ

試論」 (pp.131-146(四天

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44.

45.

46.

らそれを検証した.さらに山岸俊

いうことを示した.

人間社会においては成立し得ないと

すなわち,個々人の微視的行為・

実践の連鎖が経営体を創っている

のである.オートポイエーシス的

生存可能システムモデルの立場か

て自身を秩序付けることであり,オ

ートポイエーシス的生存可能システ

ムモデルに一致する行動を取らなけ

(pp.259-276) が,利得が大きい,ということを

理念構造と行動様式」 要』第51号 信頼関係の構築を基礎に置いた方

ればならないということを論じた.

的企業は,利己的行動を取る場合よ

りも利得が大きいことをシステム論

の立場から明らかにした.すなわち,

倫理的とは信頼関係の構築である.

(四天王寺大学) イトーヨーカ堂の経営理念準拠型

経営を例に論じた.同社の経営は,

システム論的かつ倫理的である.

ける倫理」 要』第50号 なく哺乳類に共通する行為である.

(pp.73-90) ドーキンス(2006)により,再帰構造

(四天王寺大学) の中に自身を置くことのできる倫理

「イトーヨーカ堂の 単著 2011年3月 『四天王寺大学紀 機会利得の最大化を目指すよりも,

その上で,再帰構造の中に自身を置

くということは,信頼の関係によっ

「企業システムにお 単著 2010年9月 『四天王寺大学紀 利他的行動は人間に固有の行動では

システム思考の考察 (pp.283-303) 画を含めて,個々の方法論を概観す

―」 (四天王寺大学) るとともに通底する思想を検討した.

これ等の手法は,組織においては,

分析主体自身が共同産出関係のネッ

体的視野からのめメタ的調整が必要

となり,その意味からオートポイエ

ーシス的生存可能システムモデルな

ると考えられる.

どの一部に適用する限定的手法であ

「パラダイムⅡにつ 単著 2010年3月 『四天王寺大学紀 論文42の続篇として,Churchmanの

いて―Checkland型 要』第49号 社会システム設計,SAST,理想化計

チーム内では成立するのだが,組織

トワークの中に位置付けられている

ことになる.解釈主義的思考は分析

であり,真の意味での自己言及性は

狭間にあって揺らぎが生じているの

とを論じた.従って,自由と信仰の

において目的を共有するためには全

それが揺らぎの原因となっているこ

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49.

50.

51.

52.

た.

向けて支配力が増す様子を考察し

(四天王寺大学) その中心は買次商であった.特に

享保期からその力は絶大となり,

維新後も町の経済の中心であった.

言うなれば,仕事上の上下関係が

町政に投影された形である.その

える.

することが,成功の鍵であるとい

で高めたということができる.

ることで,同社は信頼を戦略にま

いうことを明らかにした.

同社のその後の発展に繋がったと

男『信頼の構造』の命題を,企業

の立場に拡張し再度検討した.結

業務改革:ストア・ 要』第52号 カ堂の業務改革について,それを

ロイヤリティーとは (pp.167-184) 開始するに至った理由,展開方法,

(pp.199-213) 中心とした同社とメーカー側の役

論として,創業者の経営理念を護

「イトーヨーカ堂の 単著 2011年9月 『四天王寺大学紀 1982年より開始されたイトーヨー

何か」 (四天王寺大学) 当初の結果などをA-VSMの観点か

ら分析し,結果的にそれは社員の

が成立するように両社がサポート

人材化を図り組織能力を付けるこ

と,またそれにより同社をシステ

ム化することであったということ

を考察した.特に,ストア・ロイ

ヤリティーを獲得する過程で社外

の顧客を組織化すること,すなわ

ことがわかった.そのような関係

に顧客を組み込むことを以って,

ち社会的オートポイエーシス単位

て」 要』第53号 造に関して,日本デリカフーズを

「チームMDについ 単著 2012年3月 『四天王寺大学紀 イトーヨーカドーグループのPB製

ーラインを1つの会社にしたよう

は,同社担当者を中心としメーカ

(四天王寺大学)

な1つのシステムが成立している

割分担を,VSMを基に論じた.それ

「機業地桐生の誕 単著 2013年3月 『四天王寺大学紀 上州桐生は不思議な町で,天領に

生」 要』第57号 続き分給地になったため,幕末ま

(pp.71-98) で商人自治が行われた地域である.

関係ができるまでの過程と幕末に

「桐生の仲間組織」 単著 2014年9月 『四天王寺大学紀 桐生に形成された内仲間の中で,

要』第57号 買次仲間に焦点を当て,如何に

(pp.33-58) 彼等が力を付けていったかを論じ

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53.

54.

55.

る.

を図式化した点が良かったと思う.

いるからである.宮本又次の理論

た彼等には最早権力はなくなって

いた.

緊迫した手紙が痛々しい限りであ

2016年3月 『いわき明星大学大 桐生で長く買次の中心であった佐

きず仕舞だった.結局,誰も近代

同社は一度も利益を出すこともで

序列関係は,幕末には2等地の足利

(四天王寺大学) た.しかし,享保期に確立された

学院人文学研究科紀 羽家が造った会社が日本織物会社

「日本織物会社「実 単著

買次にも門戸を開き,弱体化して

しまう.維新後も町政の中心に居

もわからずに見ていたに過ぎない.

最新式の機械を並べ,操作の仕方

経営とは何かをわからず,ただ単に

足利に市を開くことを認めざるを

得なくなる.同時に叢生する群小

座るが,歴史以外の後ろ盾を失っ

との長い抗争の末に衰え,終には

「佐羽家家訓に見る 単著 2016年3月 『いわき明星大学研 佐羽家は買次の中心であり,唯一

際報告書」「株主名

最後に下城が専務になって以降の,

会科学・情報学篇』 故,家訓の域まで達したのか,ど

ら見た同社清算の理 (いわき明星大学) 期して始めたのだが,結局倒産し

簿」「定款」などか 要』13(pp.34-60) である.買次から製造への転換を

1(pp.98-119) ういうスタンスで経営を行ってい

程を,実際報告書を基に論じた.

由」 てしまう.誕生から倒産までの過

幕末桐生の商人意 究紀要 人文学・社 家訓が残されている家である.何

識」

(いわき明星大学) たのかを考察した.この理由は,

家訓を定めた家長の子で家定を設

けた本人が,禁を破り,幕末開港

時に桐生を不況に陥れたからであ

る.結局儲けを全て炊き出しに出

さなければならなかった.それが

養学部における初年

維新後の買次の地位低下に繋がり,

引いては同家が新たな事業に乗り

出し破産することの遠因になって

「いわき明星大学教 共著 2016年3月 『いわき明星大学研 初年次教育として始めた取り組み

次教育の実践と考察 会科学・情報学篇』

明星大学)(共著者:

究紀要 人文学・社 と学生の反応を記録したもの.

佐藤拓,初見康行,

名取洋典,五十嵐幸

―1年目の取り組み 1(pp.3-16)(いわき

内容について」

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56.

57.

58.

ずに放置された.国の産業政策を整

(いわき明星大学) 永らく国の産業政策と県の予算でイ

ンフラ整備が進められてきたといっ

性もなかったが故に,旧町村が独自

に整備していた工業用地は活用され

が集中していることがわかり,その

「産業政策の中のい 単著 2017年3月 『いわき明星大学大 戦後東京オリンピックを機に常磐炭

わき(上)(下)」 学院人文学研究科紀 田は閉鎖に向かい,常磐・郡山地区

要』14(pp.11-33) は新産業都市指定を受け,いわき市

(pp.34-47) が誕生した.新生いわき市の歴史は,

によって管理されている.理想的な

理し,その中でいわき市は如何に恩

自律的管理体制といえる.但し組織

内情報流を図解すると,店舗に負荷

ても過言ではない.市に財源も主体

究紀要 人文学・社 した.同社の主要な戦略は社長の江

会科学・情報学篇』 尻氏に発している.しかしながら,

2(pp. 39-53) (いわ その細かな修正は社員によって行

き明星大学) われており,また社長の行動も社員

大原貴弘,高橋義

「大学初年次の学生 共著

根本直人,松本麻子,

橋裕樹,田中美和,

土田節子,中山英治,

換,佐原太一郎,高

究紀要 人文学・社 ンの3メジャーへの指向とその先の

の意識とキャリア意 会科学・情報学篇』 キャリアアップ意識について,アン

識の変化―いわき明

ズセミナーの取り組 著者:佐藤拓,初

山口憲二,平塚大輔)

2(pp.139-156) (い ケート等により調べたもの.

星大学フレッシャー わき明星大学)(共

原太一郎,高橋裕

一,菊池真弓,金世

た,社長の参照基準は自身の生活・

図が同社の組織改革に繋がった.ま

2017年3月 『いわき明星大学研 心理,社会,国際コミュニケーショ

の専門課程について

み―」 見康行,名取洋典,

津理香,高島翠,

五十嵐幸一,菊池

真弓,金世換,佐

樹,田中美和,大

孝,松本麻子,山

らどのように判断されるかというも

経営信条であり,それは地域社会か

のである.

口憲二,平塚大輔)

「ハニーズの原動 単著 2017年3月 『いわき明星大学研 ハニーズの行動原理をAVSM上で考察

力」

Page 21: 研 究 業 績 等 に 関 す る 事 項 発行所,発表雑誌等 又は 概 要 発 … · 2. 3. 4.「ファジイ情報の価 単著 1987年3月 『創価経営論集』11

59.

60.

61.

62.

63.

る.

関係にあることを確かめた.

(いわき明星大学) の範囲内で行 為が行われるのであ

恵を受けてきたかを論じた.

てきた.それは博士論文で考察した

ことと近似していた.つまり,①自

(pp.80-107) 「福島県銀行史」の検証を行った.

(pp.108-137) 同報告書では,①規模が零細・叢生,

以上に機能と知識・行動力に良い意

をシステム化すること,②は,職位

「福島県銀行小史」 単著 2018年3月 『いわき明星大学大

の中間考察である.

「シオヤ産業と内池 単著

要』15(pp.30-43) 間関係の希薄化,③日本酒の多様性

期に当たっており,漁具販売から建

材販売へと業容を転換し今日の基礎

を築いた時期であったからである.

社にとって都合良いように,取引先

家家訓」 究紀要 人文学・社 ら婿入りした関係で,内池永年の定

会科学・情報学篇』 めた内池家家訓を信奉している.そ

3(pp.81-95)(いわき の時代が,論文58で述べたいわき市

明星大学) 誕生と新産業都市としての発展の時

要』14(pp.48-62) 抱く時点で深層心理が形成され,そ

2018年3月 『いわき明星大学研 シオヤ産業は二代目寿夫が内池家か

「感情と組織化」 単著 2017年3月 『いわき明星大学大 イナクトメントの根本は行為ではな

学院人文学研究科紀 く感情にあることを論じた.感情を

のではないかということを提起した.

論文54の手法を用い,同社の経営理

酎割りを好む傾向があるなど,子供

念と内池家家訓を分析し,同型写像

「酒販量減少の原因 単著 2018年3月 『いわき明星大学大 福島県の酒蔵を回り調べた上で考察

は何か」 学院人文学研究科紀 し,①娯楽と価値観の多様化,②人

(いわき明星大学) の乏しさ,④味覚の記憶と結論付け

要』15(pp.44-54) べた結果,幾つかの類似点がわかっ

福島県学術教育振興財団から2年間

強みの一考察」

た.特に④は子供時代に愛飲した清

涼飲料水・ジュース類と同系統の焼

「福島県中堅企業の

時代に旨味の原型が形成されている

学院人文学研究科紀 研究助成金を頂き,様々な企業を調

(いわき明星大学)

単著 2018年3月 『いわき明星大学大

(いわき明星大学) ②オーバーローン,③政争に巻き込

まれたとしている.そこで①につい

味で偏重することである.3年計画

今日の福島県下三行の業績不振は風

要』15(pp.55-79) 1957年日本銀行福島支店がまとめた

(上)(中)(下) 学院人文学研究科紀 土的要素があるのではないかと思い,

ては,福島県に関係する銀行の変遷

Page 22: 研 究 業 績 等 に 関 す る 事 項 発行所,発表雑誌等 又は 概 要 発 … · 2. 3. 4.「ファジイ情報の価 単著 1987年3月 『創価経営論集』11

64.

65.

66.

産業が抱える個々の状況を把握する

会津はほぼ全てを満たすことがなか

ことが困難な状況にある.実際,イ

ノベーション・コースト構想は,経

ン・コースト構想最 学院人文学研究科紀 現場を知り得る地方自治体と意思決

大の困難と可能性に 要』16(pp.89-101) 定をする経済産業省の距離が遠い.

ついて」 (いわき明星大学) また,地方自治体側は仕事量が多く,

れば採択されなかったのである.

松本‐諏訪地方も,重要港湾以外の

「会津総合開発協議 単著

要』16(pp.61-88) った.「産業政策の中のいわき」を

(いわき明星大学) 書いた際には新産都市選定の基準は

4(pp.81-95)(いわき 業政策で行ったと同様に,被災地を

していない.2020年からは,ひと・

まち・じごと政策との摺り合わせが

行なわれ,実がある政策とならなけ

「福島イノベーショ 単著 2019年3月 『いわき明星大学研 東日本大震災からの復興において,

会」 学院人文学研究科紀 り手を挙げた.しかし指定されなか

明星大学) 企業に関係付けるための補助金の支

出であった.帰還者の雇用の受皿を

2019年3月 『いわき明星大学大 会津は,新産業都市選定に3回に渡

作るためである.しかしこの1年で

復興ビジョンの通りには事態は進行

わかった.③については,地方の政

争のみならず,中央の政争のための

資金源となっていたことがわかった.

額を見ると,多くがオーバーローン

条件は全てクリアしている.郡山‐

であり,かつ創業者の私的流用の露

幾つかの条件の内,9割満たさなけ

究紀要 人文学・社 政府が採った施策は,帰還人口を増

至った過程」

常磐は全て満たしている.しかし,

会科学・情報学篇』 やすことであった.そのためには産

見が事件化したケースもあることが

営革新や起業には向いているが,既

分からなかった.しかし,「会津総

合開発協議会」を書くに当たり,国

が基準としていたことが分かった.

げてきた.何故,外されたのかを解

「福島イノベーショ 単著 2019年3月 『いわき明星大学大

徐々に社会インフラを整えて行かざ

現在のイノベーション・コーストは

った.そこで,各首長が協力して

ことで会津に合った堅実な発展を遂

明した.

るを得なかった.しかしまた,その

ればならない.

を調べた.②は各行の預金高と貸出

ン・コースト構想に

Page 23: 研 究 業 績 等 に 関 す る 事 項 発行所,発表雑誌等 又は 概 要 発 … · 2. 3. 4.「ファジイ情報の価 単著 1987年3月 『創価経営論集』11

(辞書・翻訳書等)

1.

2.

1.

誤解する研究者もいるが,同モデ

視して説明している箇所がある.

ルはサブシステムと呼ぶ機能の有

訳者:関谷章,高松和幸,土谷幸久

分担:(pp.ⅰ~xⅲ, pp.107-152)

翻訳

但し説明の簡略化のためか,Beer

の翻訳.生存可能システムモデル

を企業の組織・経営診断に用いる

際の手順を解説したものである.

周年記念編纂委員 所論を加味した.②ホメオスタシス

持は,システムの内的安定性に不可

欠であることを解説した.

ではなく,理想的組織構造と同一

は,同モデルを純粋に機能として

『企業組織のシステ 単著 1994年4月 杉山書店 Stafford Beer のDiagnosing:

ム診断』 The system for Organizations

タシス」 本経営教育学会25 可能システムモデルに至ったBeerの

会誌』Vol.4, づく確信の度合としての主観確率の

No.10,p.122(日本 解説を行った.

辞書

学会)

会編集)学文社 すなわち動的過程による恒常性の維

知能情報ファジィ

①「サイバネティッ 単著 2006年6月 『経営教育事典』 ①サイバネティックスが学際科学で

クス」②「ホメオス (p.48 , p.92)(日 あることを踏まえるとともに,生存

「主観確率」 単著 1992年12月 『日本ファジィ学 合理的個人の経験や知識の総体に基

存企業の単なる補填を前提としてい

ない.つまり,体力のない企業は置

き去りにされる可能性があり,皆一

とを提案した.

で,両者をVSM上に載せて考察するこ

歩前へ進まなければならない.そこ

機構成でなければ,説明は成り立

たない.

Page 24: 研 究 業 績 等 に 関 す る 事 項 発行所,発表雑誌等 又は 概 要 発 … · 2. 3. 4.「ファジイ情報の価 単著 1987年3月 『創価経営論集』11

(報告書・会報等)

1.

2.

存在する企業群の調査結果である.

2に述べたように,いわき時代にもう

目が6つある.第1は維新時で,生糸

で乗切ったこと,第2は東北本線の開

これを整理し,教育研究業績書その

ある.第5は,論文58で触れた新産業

通である.第3は安積疎水の工事であ

る.これにより利水,電力供給が可

振興財団研究助成金 た.強みのある企業は,新産業都市

市企業編―」 研究成果報告書 指定時の優遇措置以降に興された企

業で,自力で伸びてきた会社のみで

福島県経済を語るとき,大きな節

ベーション・コースト構想である.

地域が新産業都市指定されて,いわ

き経済が造られ,それを基礎に今日

学生の就職でも,各社世話になっ

た.報告書は配ってしまったため,

能となった.第4は常磐炭田の隆盛で

本報告書では,第5の常磐・郡山

道子,関谷章著者:平館道子,関谷

一度製本し,教科書として活用した.

「いわき市・福島県 単著 2017年3月 平成28年度公益財団 福島県学術教育研究財団から助成金

の中堅・優良企業の 法人福島県学術教育 を頂き,いわき市内の企業を調査し

強みの研究―いわき

都市指定である.そして第6はイノ

道路建設やバス連絡協議会を設置す

る等,フィランソラピー活動を通して社会的責任を果たす企業であった.創業者時代の最後に漸く生存可能性

を獲得するが,その後は機能の有機

問題意識は,生存可能性の根源は何

モデルの理論と実践 (基盤研究C(1))研 点から室蘭地域経済と道内バスを例

についての研究」 究成果報告書 に企業や地域社会の生存可能性を考

課題番号11680455 察した.同社は一度会社更生法の適

構成を自ら破壊してしまう.同機能

研究代表者:土谷 用を受けている.誕生から倒産まで

幸久 の過程を追った.創業者時代には,

かということであった.その解は生

存可能システムの機能とオートポイ

エーシスにある.共同研究者:平館

の機能不全は社内秩序を乱し,終に

は倒産に至った.営業報告書等同社

に関する資料は,全て現地で調べた.

1章~第8章))

章,土谷幸久分担:(pp.55-450 (第

「生存可能システム 共著 2001年5月 科学研究費補助金 地方財政的・社会学的かつ経営的視

あった.

Page 25: 研 究 業 績 等 に 関 す る 事 項 発行所,発表雑誌等 又は 概 要 発 … · 2. 3. 4.「ファジイ情報の価 単著 1987年3月 『創価経営論集』11

3.

4.

した.例えば会津天宝醸造のように

ノベーション・コー 研究成果報告書

オヤ産業のように外部組織をシステ

の中堅・優良企業の 法人福島県学術教育 企業を中心に,会津の伝統産業など

「いわき市・福島県 単著 2019年3月 平成30年度公益財団 イノベーション・コースト構想参加

ム化して結合しているもの,シンテ

ックや品川通信計装サービスや福島

戦後生まれの企業もあるが,全て自

力で伸びてきた会社のみであった.

その資源は,アルテクロスやフミン

などの独自技術を持つものや,林精

企業編―」 研究成果報告書 史」でまとめた如く,中央政界の財

布として利用された企業や,財閥系

企業の草刈り場となるなどの歴史を

越えて生き延びた企業もあり,また

器,吉城光科学,ファインクリスタ

ルのように従来技術を極めた企業,

根本製作所のような組織力,峰の雪

のように製品開発に賭ける企業,シ

の中堅・優良企業の 法人福島県学術教育 を頂き,福島県内の企業を調査した.

強みの研究―福島県 振興財団研究助成金 強みのある企業は,「福島県銀行小

エコクリートのようにニッチに活路

を見出したものなど様々,多彩であ

時代の材料供給の主役になる企業が

インクリスタアルいわきのように5G

も加えて,企業の強みについて考察

強みの研究―福島イ

の強さの接続の問題などに展開した

る.組織力の強さとブランド競争力

「いわき市・福島県 単著 2018年3月 平成29年度公益財団 福島県学術教育研究財団から助成金

い.

多数あることがわかった.

振興財団研究助成金 昨年度考察が間に合わなかった企業

伝統の味噌を機能性食品にし,ファ

スト構想編―」

Page 26: 研 究 業 績 等 に 関 す る 事 項 発行所,発表雑誌等 又は 概 要 発 … · 2. 3. 4.「ファジイ情報の価 単著 1987年3月 『創価経営論集』11

(国際学会発表)

1.

(国内学会発表)

1.

2.

3.

季研究発表会(筑波 の一般効用関数の議論に対抗して提

ズ・リサーチ学会秋 た.FishburnのSSB 理論はMachina

「経営サイバネティ 単独 1983年6月 日本経営分析学会全 経営分析の立場から初期Beer思想を

「ファジィ情報の価 単独 1987年6月 日本経営教育学会第 嘘や不確かな情報の情報量と情報の

ックスと経営分析-

定義したように,社会次元では企

続の必要性を論じた.

業も地域社会も個々の利害や生存

欲に任せて社会全体の発展に対し

てはそれを歪に発展してしまった

ということを論じ,秩序軸を伴う

ら生存可能性と定義するオートポ

イエーシスを,Beerが生存欲と再

国大会(専修大学) 検討した.経営分析は財務分析と同

S.Beerの視角から組 等と解されるが,本来は経営管理や

織設計への提案-」 人事,生産等経営全般の分析に及ぶ

べき学問領域である.サイバネティ

携わってきた.その意味から,著書

「Autopoiesis of 単独 2000年7月 WAM2000 日米経 バス業界の勃興と衰退の早さを中

Asian Management」 営会議静岡大会(グ 心に,オートポイエーシス論の観

ランシップ静岡) 点から戦後の日本的経営を論じた.

に経営サイバネティックスと冠して

要があるということを述べた.特に,

いるのである.Beerの意味での経営

ックスの提唱者の一人であるBeerは,

長年企業経営とコンサルティングに

分析とサイバネティックスの繋がり

正確な情報の確率的頻度というより

「SSBと公理」

値と量についての一 16回全国大会「環境 価値の関係について論じた.嘘は,

考察」 変化と企業経営」 情報量は多くとも価値はない.故に,

(横浜商科大学) 文脈・意味論的視点から吟味する必

単独 1993年10月 日本オペレーション Fishburn の公理系を修正し,拡張し

ファジィ情報も情報の価値の観点か

らは規定可能であることを示した.

それが意味論的視点と一致するのは

情報の受け手の問題であり,従来の

発展の必要性と生存可能性との接

その際,Varelaが生物学の観点か

を論じた.

も,ファジィ情報の認識の必要性を

説明した.

論文4で述べた方法を用いて,情報

の価値の大小と情報量の多寡に触れ,

Page 27: 研 究 業 績 等 に 関 す る 事 項 発行所,発表雑誌等 又は 概 要 発 … · 2. 3. 4.「ファジイ情報の価 単著 1987年3月 『創価経営論集』11

4.

5.

6.

のハニーズや東洋システムは独自の

(東北大学) シオヤ産業等100年を超える企業は,

本業を守りながらも徐々に変化させ,

かつ周囲をシステム化して従属させ

ることに成功している.一方,新興

関係性は,下位水準との間において

「いわきの優良企業 単独 2016年12月 日本マネジメント学 いわき市の企業を調査して,共通項

に共通すること」 会東北・北海道部会 を挙げた.正木屋材木店,堀江工業,

ということは,上位水準に対しては,

ッションや業務までも変更し進化に

繋げることができるのである.この

に自身の行動を上位の秩序に沿うよ

うに自律的に制御することである.

さらに,次なる発展の鍵を上位水準

か否かが,倫理的かつ発展,そして

進化の可能性を鍵となることを論じ

を扱うためには修正しなければなら

それを指摘し修正を加えた.さ

らに,価値観に揺らぎのある決定

者が想定されたものである.故に,

化と倫理」 全国大会 国レベル・国際レベルに連なる再帰

「企業システムの進 単独 2010年3月 進化経済学会2010年 企業をシステムとして捉えるとき,

「ファジィ人事考課 単独 1995年6月 日本経営教育学会第 評価自体が曖昧性を含む場合の人事

関数を組み込むことで表した.従来

の階層分析も選択者の嗜好を反映す

大学) 示したものであるが,選好無差別等

法の一考察」 31回全国大会「経営 考課法について考察を行った.論文

倫理と経営教育」 16の応用としてAHP を用い総合的評

多面的評価問題を論じるために,

多属性効用関数を扱えるように拡

その生存可能性の源が自身の事業で

あり,同時に上位水準の発展のため

から得ることができる故,自身のミ

も同様であり,下位の自律性を保障し,

的評価を,階層的決定分析にBel・Pl

るように角度付け等が可能であった

が,より繊細な嗜好を表すとともに

た.すなわち,再帰構造の中にある

ない箇所がある.

張した.

整合的な評価法を提示した.

寄与するのである.これ等を論じた.

同時に教導することが自身の発展に

(四天王寺大学) 構造の中に自身を置くことができる

(和光大学) 価法を試みた.評価基準の順位付け

の微妙さや対象である候補者の多面

Page 28: 研 究 業 績 等 に 関 す る 事 項 発行所,発表雑誌等 又は 概 要 発 … · 2. 3. 4.「ファジイ情報の価 単著 1987年3月 『創価経営論集』11

7.

8.

9.

10.

11.

12. 「福島イノベーショ 単独 2019年9月 日本経営学会第93回 6月の部会における種々指摘を踏ま

ン・コースト構想で 全国大会東北部会発 え,南相馬・相馬市等に亘る旧相馬

浜通りは復興するの ワーショップ第二弾 中村藩域に,何故ロボット産業協議

何か」 可能性」(関西大学)

相馬のロボット産業協議会は,被災

地域で唯一自力で作られた協議会で

ある.このような組織を自発的に作

る地域ならば,必ず復興するはずで

産業の消長を論じた.この中で,南

「福島イノベーショ 単独 2019年6月 日本経営学会日本経 日本経営学会東北部会として,全国

ン・コースト構想で 営哲学会東北北海道 大会において,ワークショップを開

浜通りは復興するの

現場を知り得る地方自治体と意思決

心として―」 たことについて,AVSMの立場から論

大の困難と可能性に 定をする経済産業省の距離が遠い.

ついて」 そこで両者をVSM上に載せて考察する

攻勢型産業としての試作産業になっ

への横請を前提とした受注が行われ

ョン企業にそれぞれ担当となること

合同部会(青森県観光催することが決まり,その予行演習

究:オートポイエ で,開発と試作そして量産の各フェ

テック生存可能シス ーズの繋ぎ目をなくし,同時に人材

テムモデル上での考 開発にも繋げている様をオートポイ

察」

して」  東北各県1名の代表が,自身の県の

か:地域再生の鍵は ―「地方企業の持続 会が結成され自社のみならず,他社

「福島県関係企業の 単独 2018年12月 日本マネジメント学 菊池製作所のインキュベータ機能に

生存可能システムモ 会東北・北海道部会 ついて論じ,それが同社の,待機型

デル上での展開―菊 (東北大学) 産業としての金型から脱して,積極

池製作所の事例を中

として,若手社員がインキュベーシ

参加企業の強みの研 会(立教大学)

じた.

おいては中間地点である.

「福島イノベーショ 単独 2018年12月 日本経営学会東北部 現在のイノベーション・コーストは

ことを提案した.

ン・コースト構想最 会(AER仙台)

「福島県中堅企業の 単独 2017年10月 日本マネジメント学 福島の優良企業における組織学習な

であることがわかった.

強みについて」 会全国大会(広島経 ど,特徴的企業について報告した.

済大学) しかし論文62に述べた通り,研究に

システムと独自技術で市場を形成す

ることに成功している.この2通り

観点から論じた.

産業協議会を中心と 催された.

「福島イノベーショ 単独 2019年6月 日本マネジメント学 菊池製作所とハニーズの事例を中心

物産館アスパム) として部会が経営哲学会と合同で開

ン・コースト 構想 会第79回全国研究大

エテック生存可能システムモデルの

か:南相馬ロボット

あることを論じた.

Page 29: 研 究 業 績 等 に 関 す る 事 項 発行所,発表雑誌等 又は 概 要 発 … · 2. 3. 4.「ファジイ情報の価 単著 1987年3月 『創価経営論集』11

13.

(演奏会・展覧会等)

1.

2.

3.

4.

(招待講演・基調講演)

1.

2.

3.

4.

(受賞(学術賞等))

1.

2.

3.

4.

題をAVSMの観点から考察し,解決策

に連動していない点である.この問

を提示した.

困難は廃炉である.但し,その遂行

最大の困難と可能性 過程は,廃炉技術の確立という貴重

について」 な学習過程でもある.確立できれば,

の指導・資金から始まり,県行政,

市町村,企業までが,システミック

捗が異なている.

 困難なことはもう1つある.中央

ン・コース ト構想

等々を,相馬野馬追の歴史や報徳思.

「福島イノベーショ 単独 2019年9月 日本経営学会第93回 イノベーション・コーストの最大の

 一方,ロボット産業協議会等周辺

部の発展は状況は,一分野ごとに進

日本は廃炉ビジネスの最前線に立つ

全国大会(関西大学)

ているのか,またロボットに直接関

係しない企業が名を連ねているのか

想を堅持する観点から論じた

ことができる.

Page 30: 研 究 業 績 等 に 関 す る 事 項 発行所,発表雑誌等 又は 概 要 発 … · 2. 3. 4.「ファジイ情報の価 単著 1987年3月 『創価経営論集』11

(科学研究費採択)

1.

1.

2.

3.

4.

1.

2.

3.

4.

1.

2.

3.

4.

強みの研究―いわき 無借金,独自技術,危険分散等

の特徴が得られた.

「いわき市・福島県  代表2016-2017

いわき明星

(奨学・指定寄付金受入れ)

63万円

55万円 いわき市内の優良企業・中堅

いわき市を除く福島県内の優

福島イノベーション・コース

「いわき市・福島県  代表2017-2018

いわき明星60万円

「いわき市・福島県  代表2018-2019

いわき明星

市企業編―」(福島

モデルの理論と実践

にした.

VSM理論が実証に研究に値する170万円創価大学1999-2000

した.実証に使えることがわか

(競争的研究助成費獲得(科研費除く))

助成を受けた研究等の名称代表,分担等の別

基盤C(1)「生存可能システム  代表

についての研究」

か否かを①道南バスの倒産・

研  究  活  動  項  目

種 類 採択年度交付・受入元

交付・受入額

概     要

の中堅・優良企業の 大学 企業の強みと売りを調査した.

質へと変容する様を通して検証

県学術教育振興財団)

(共同研究・受託研究受入れ)

ついても考察した.

の中堅・優良企業の 大学 良企業・中堅企業の強みと売

強みの研究―福島県 りを調査した.無借金,独自

ノベーション・コー た.またAVSMの観点から,人

強みの研究―福島イ 中心に,強みと売りを考察し

の中堅・優良企業の

「福島イノベーショ  代表2019-2020

常磐大学 110万円 福島イノベーション・コース

ン・コースト構想で

団)

ト構想が地域再生に如何にし

浜通りは復興するの

再建,②室蘭市の寄付金依存体

り,その後の研究に用いること

学術教育振興財団) られた.

島県学術教育振興財

て接続するのかの検証研究.

大学 ト構想に参加している企業を

スト構想編―」(福

企業編―」(福島県 技術,危険分散等の特徴が得

材育成と将来への展開構想に

Page 31: 研 究 業 績 等 に 関 す る 事 項 発行所,発表雑誌等 又は 概 要 発 … · 2. 3. 4.「ファジイ情報の価 単著 1987年3月 『創価経営論集』11

1.

2.

3.

4.

1.

2.

3.

4.

1.

2.

3.

4.

(知的財産(特許・実用新案等))

(学内課題研究(各個研究))

(学内課題研究(共同研究))

社会政策が地域の持続可能性

に資するためには何が必要か

か」(三菱財団) 同時に,一般論として産業・

を模索するための研究.