bmi/bciの研究の現状 - jst

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Page 1: BMI/BCIの研究の現状 - JST

解説:ミニ特集障害者支援のためのインターフェイス

BMI/BCIの研究の現状

山ノ井 髙 洋**北海学園大学工学部生命工学科 北海道札幌市中央区南 26 条西 11-1-1*Div. Life Science & Tech., Fac. Eng. Hokkai-Gakuen Univ., W11, S26,

Central ward, Sapporo, Hokkaido, Japan*E-mail: [email protected]

キーワード:脳波 (electroencephalogram),事象関連電位 (event reratedpotential),等価電流双極子推定法 (equivalent current dipole localizationmethod),正準判別分析 (canonical discriminant analysis).JL 0002/16/5502–0107 C©2016 SICE

1. はじめに朝日新聞 2015年 11月 11日の朝刊に,ヒトの身体に装着して歩行能力を高める補助装置「ロボットスーツHAL」が 11月 10日の厚生労働省専門家会議で,全身の筋力が低下した難病患者のための医療機器として承認することを了承したとの記事が掲載された.肢体不自由者の政府による支援の一歩が始まったと言える.HALという名前は,ご存じのように,IBMのアルファベットの順番ではそれぞれ一文字先で,IBMに先んずるという意味で,スタンレー・キューブリックによって映画化された「2001年宇宙の旅」のロボットに名づけられたコンピュータHAL9000

が最初である.ロボットスーツHALの補助目的が示すように,ヒトが高齢になると生体のハードウェアは故障が多くなる.そして,脳死判定と言う言葉が象徴するように,ヒトが生きている限り,その機能が最終的に維持されるのは脳である.シェークスピアは戯曲ハムレットの中で主人公ハムレット王子に「生きるべきか,死ぬべきか,それが問題だ」と悩ませて見せた.われわれにとっての「生か死か」の問題の判定には現在は脳波 Electroencephalogram(EEG)

が使われている.したがって,脳波が生死の判断も含めてヒトとヒトとのコミュニケーションの最終あるいは究極の手段であろう.

2. BMI/BCIとはこの分野の研究ではブレイン・マシン・インターフェィス (BMI)という言葉が先行していた.BMIといっても一般によく知られているBody・Mass・Indexではない.ここでの BMIとは,脳波の微細な信号を計測によって取り出し,操作対象である機械 (マシン)との間で,ヒトとのインターフフェースを取るというものである.最近は,ほとんどのマシンがコンピュータを介しているので,ブレイン・コンピュータ・インターフェィス (BCI)と呼ばれるようになっている.この分野では米国 John Donoghue氏のグループの一連の研究が先駆的であった.一方,国内においても,株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (ATR)川人光男氏のグループを中心として,EEGと機能的MRI (fMRI)を用いた大規模なBCIの研究を進めている.また,直接の脳

からの信号ではないが,2011年にTIME世界の発明 50

に選出された玉城絵美氏のポゼストハンド (Possessed-

Hand)も見逃せない.これは,脳からの指を動作する電気信号とほぼ等価な電気刺激を腕につけたバンドから上腕の筋に与えることで指を動かすというものである.BCIの研究は,1999年に Donoghue氏が設立し,後にブラウン脳科学研究所となったブラウン脳科学計画から始まったと言って良いであろう.2001 年には,ブラウン大学からスピンオフし,パイロット臨床試験のために Cyberkinetics社が設立された.この会社は後に Cy-

berkinetics Neurotechnology Systemsとなり,現在はBrainGate社として活動を行っている.当初,ブラウン大学で開発されたのは,BrainGate Neural Interface Sys-

temであり,脳に剣山型の微小電極を埋め込み,神経信号を直接侵襲的に取り出し,解析し,制御信号を送るものであった.これは,神経動作人工器官 (NMP)と呼ばれ,神経系の損傷を受けた部分の周辺において,脳から外部機器に運動関連の信号を出力することによって,ヒトで失われた麻痺している運動機能を代行するか,あるいは復元しようとするものであった.さらにまた,NMPは,ヒトの意志によるニューロン活動を制御信号に変えて,役に立つ仕事を可能とさせる目的であった.BrainGateを用いた研究は,パイロット実験であり,NMPを四肢麻痺のヒトに対して用いていた.脳の運動野に挿入された 96個の電極をもつ直径 5mm未満の微小剣山型電極を通して,被験者が意図した手の運動のニューロン活動が取り出された.ボランティアMNは,脊髄損傷の 3年後にもかかわらず,皮質のスパイク・パターンを形成することができた.彼が会話中でも,操作用に準備されたテレビ画面に表示された,シミュレーション電子メールを開き,また『神経カーソル』を動かすことができた.さらに,彼は,人工義手を開閉して,基本行動を実行する目的で作られた,マルチリンクのロボットアームを神経からの出力で制御することもできた.この一連の John Donoghue氏らの研究プロジェクトの中でも,BCIの研究が大きく人々の目を惹いたのは,2015 年 5 月に Nature に掲載された BrainGate2 のプロジェクトの記事であろう.Nature のこの記事によると,1997年に脳卒中で身体麻痺を起した患者が,2005

計測と制御 第 55巻 第 2号 2016 年 2月号 107

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年に BrainGate2の埋め込み手術を受けた.この患者はDEKA Research and Development Corporationの開発したロボットアームを操作し,46%の成功率でスポンジボールを拾い,66%の成功率でコーヒーボトルを握り,口にもってゆくことに成功した2).さらに 2006年に麻痺状態になり 6年後にこの電極埋め込み手術を受けた患者は,上述のロボットアームを介して 62%の成功率でスポンジボールを拾うことが可能となった3).しかしながら,この動作速度は一般の成人が行う動作とは異なり遅かった.このロボットアームを開発した DEKAはアクセルやブレーキ操作なしに重心移動によってその動きを制御する Segwayを開発した会社でもある.

3. 米国のBCIに関する主な研究機関とその研究内容

BCIの研究に現在は多くの研究機関が関心を寄せているが,ここでは,2013年 2月に独立行政法人情報通信研究機構が調査した米国における脳情報通信技術分野等の研究開発動向の調査1)を参考に,前述のブラウン大学ブラウン脳科学研究所以外の米国のBCI分野に関する研究開発を行っている主な研究所等とその研究内容を紹介しよう.3.1 感覚運動神経工学のための研究センター (Center

for Sensorimotor Neural Engineering: CSNE)この研究所は,障害をもつ人々を支援し,脳を技術的に接続することにより,ヒューマン―コンピュータ・インタラクションの新しいモードを開発することを目的としている.同研究所は,脳からの信号を研究し,支援機器の使用を含む神経リハビリテーションのために,脳からの情報を利用している.ここでは,閉ループ共適応双方向ブレイン・マシン・インターフェィス (BBCI)を作成することを目指してシステムを研究している.このシステムは,神経可塑性を促進する回復を強化し,感覚機能を回復するために中枢神経系を記録・刺激可能となっている.このセンターは,当時ワシントン大学コンピュータ科学・工学担当准教授であった Yoky Matsuoka氏の研究から誕生した.彼女は筋肉の動きを支配する神経ネットワークに関して研究し,そのキャリアの初期に,本物の手に近い腱を備えたヒトの手のロボット・レプリカを作成した.その後,彼女の研究は評価され,マッカーサー財団から “Genius”助成金を 2007年に獲得している.彼女は,その後インターネット対応ホーム・オートメーションシステム開発企業NESTの副社長に就任するためワシントン大学を退職し,現在はTwitterの副社長となっている.

3.2 人工神経のための制御・感覚フィードバック改善に関するNSF (米国科学財団)共同研究プロジェクト (NSF Collaborative Research Project on Im-proved Control and Sensory Feedback for Neu-roscience)

ここは受け入れ機関をライス大学として,ほかにメリーランド大学,ドレクセル大学,ミシガン大学の 3大学が参加している.4大学のうちライス大学は,筋肉制御と感覚運動タスクの能力についてヒトが学習する段階をモデル化している長期的計画の拠点であった.メリーランド大学は,患者の頭部に装着し,筋肉の動きに関連する脳活動を検出する EEGセンサーの外部アレイを開発していた.ミシガン大学では,コンピュータのための触覚学と力フィードバック制御に関する研究を実施し,さらに脳信号を検出する近赤外線分光法 (NIRS)の技術を開発した.これらのグループはNSFの「 人間中心コンピューティング」 計画を共同提案した.共同研究班は,義手を制御する新しいシステム開発に取り組み,EEG信号を使うデコーダーの構築により,EEG検出システムとマルチチャンネルの機能的NIRSである fNIRスキャナから収集されるデータとの統合を試み,患者の脳信号を実際の腕の動きに換えると同時に,一連の感覚フィードバックメカニズムと振動デバイスによって患者にフィードバックを与え,それを受け取った患者がこれらのメカニズムを用いて,自分の意図する腕の動きへと修正を行うものである.3.3 ジョンズ・ホプキンス大学神経工学・生体計測研究

所 (John Hopkins University Neuroengineering& Biomedical Instrumentation Laboratory)

2010年から神経工学・生体計測研究所は運動機能を表わす脳信号を検出し,モジュラー型義手 (MPL)の動きに変換するシステムの開発を進めている.このシステムでは,状況に応じて侵襲的および非侵襲的技術双方を利用する.麻痺患者の場合,運動制御の EEGパターンを検出する目的で,制御システムを身体に挿入しなければならない場合がある.一方,四肢切断患者では,脊髄と上腕の神経活動を検出する非侵襲的システムが利用可能である.同研究所では人工装具の応用を視野に入れ,大脳皮質電気活動をターゲットに複数の研究を行っている.特に大脳皮質電気活動のパターンが,物体認識や運動制御などの異なる種類の機能的相互作用を示すタイミングを測定するモデルの構築,またMPLのための大脳皮質脳波検査 (ECoG)制御システムを開発し,実演している.このシステムでは,腕の動きの視覚認識,運動制御機能のECoG信号,そしてMLPを動かす指令としての信号化処理というフィードバック・ループを生成する.上記のECoGシステムテーマとしては,非侵襲EEG,ローカル電位 (Local Field Potential: LFP),単一と多重ユニット活動記録等がある. 

108 計測と制御 第 55巻 第 2号 2016 年 2月号

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3.4 デューク大学神経工学センター (Duke UniversityCenter for Neuroengineering)

同センターはジョンズ・ホプキンス大学と同じくDARPA,NIH とさらにマイケル・J・フォックス基金の援助を受けている.このセンターは,生体工学,心理学と神経科学,ならびに神経生物学の教授であるMiguel

Nicolelisが中心となっている.病気やケガが原因で神経機能を失った患者を支援する目的で,動物神経システムの分析や神経可塑性,BCIの研究を行っている.彼は 2001

年に医療センターにおけるBCI研究の拠点としてこのセンターを設立した.ここでは,同研究所でアバターの手を移動し,仮想物体の質感を識別するために訓練した 2

匹の猿を用いて,霊長類の脳と仮想ボディ間の双方向のインタラクションを実演した.同研究所のホームページには,「近い将来,四肢麻痺患者は,彼の腕と手を動かし再び歩くだけではなく,彼らの手に置かれた物体の質感を感じ,その形の微妙な変化も体験可能となるであろう.彼は,ウェアラブル・ロボット外骨格の助けを借りて,散歩可能となる.」こう書かれている.ここでの主な研究はつぎの 2つの分野で,1つは BCI

で,同センターが開発したシステムを用い,サルの脳に電極を挿入し,コンピュータ画面上で,仮想の腕を制御することに成功した.その後のプロジェクトでは,BCI

システムを没入型仮想現実環境で開発し,仮想空間に対する脳活動を研究するとともに,ヒトの麻痺患者が仮想環境で相互作用が行えるかどうかを試験している.2つめは人工神経で,脳制御外骨格を開発し,麻痺患者が車いすの補助なしで,一人で歩行可能を目指す多国間研究「再歩行プロジェクト」にも取り組んでいる.またマイケル・J・フォックス基金とあるように,パーキンソン病の症状治療のための脊髄挿入インプラントを開発中である.

4. 山ノ井の最近のBCIの研究紹介最後に,僭越ながら最近の山ノ井の研究室にて行われている研究を紹介する.4.1 研究経緯ヒト脳機能に関するさまざまな研究によると,視覚刺激に関する処理はまず後頭葉で行われ,その後の高次処理の機能は左脳と右脳とに分化されていると言われる4)~7).著者らは先行研究8), 9) 等において言語および空間認知に関する脳活動部位の推定を行い,詳細な時空間的脳活動のモデルを得た.さらに上下あるいは左右,逆向きに直線移動する視覚刺激を与えた際の脳活動の比較の結果,事象関連電位 (event related potential: ERP)のピークで極性が逆であること,また高次脳活動での中前頭回での脳活動を確認した10).さらに著者らは,向きを示す単語と記号にかんする脳内処理部位の推定および比較を行うため,被験者が視覚刺激として提示された向きを示す単語 (漢字:上,下,左,右)

図 1 向きを表わす漢字観察時の事象関連電位の比較:上図「右」,下図「左」

と記号 (矢印:↑,↓,←,→)とを観察する際のEEGを計測し,等価電流双極子推定 (equivalent current dipole

source localization: ECDL)法11) を試み,脳活動の時空間的な比較を行った12).この結果,潜時 500ミリ秒前後で漢字と矢印とで共通した脳活動が前頭葉において観察された.これらの潜時で逆の向きを示す視覚刺激に対して得られたERPを比較した結果,ERPのピーク極性の反転と(図 1)が確認されたことから,著者らは,ERPのポテンシャル極性の反転を検知することで,被験者がイメージした矢印の種類を判別できると考えBCIへの応用を試みた10).これらの一連の研究において,国際 10-20 法に基づいた 19chの脳波電極を用いて EEGを計測し,得られたデータに対して ECDL法を試み,脳内の活動の時空間的解析を行ってきた.しかしながら,BCIの目的のためには 19chのデータすべてを判別に使用することは効率的でない.先行研究においては,ERPのピーク極性反転と右前頭葉の活動の関連性が ECDL法により示された.向きを示す単語の想起時に各被験者に黙読をするという教示を追加したところ推定された脳内処理過程は漢字・矢印ともに一致した.中心前回以降の推定されたECDの時空間的推移は右前頭葉を通り,意味的処理が行われると言われる左右の角回を経て,発話性言語野であるBroca野から右前頭回に至り,この後,左右の前頭回では相互の情報のやり取りも行われることが明らかとなった(図 2)12).著者らが着目した中前頭回は,ワーキングメモリの「中央実行系」と飛ばれる機能に関係していることが,病巣研究および fMRIなどから明らかになっている.ワーキングメモリの中央実行系とは,外界の情報の取捨選択,一時的な保持,後続するほかの機能への指令,その結果の評価,先に一時的に保存していた情報の消去の決定と指令等,いわば,高次の脳機能の司令部の役割をしているシステムと想定されている.この知見に着目し,当初,判別に用いる EEGのチャンネルはこれらの部位である上前頭回に対応する 4,6,12ch の 3 チャンネル分とした.その結果,全被験者で

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図 2 向きを表わす漢字・矢印黙読時の中心前回 (PrCG)以後の ECD経路

図 3 提示された身体部位の図の例

図 4 提示された四足動物の図の例

80%程度の判別率を得た.その後,判別率向上を目指し,潜時 400ミリ秒以降の部分で数種類のタイプの判別に有効なチャネルを探り,上前頭回に対応する 4,6,12ch

に加え 2chを追加し 4チャネルの信号を利用することとした.以下,判別用 EEGデータの前処理法および正準判別法による分析結果について略述する. 4.2 判別用 EEGデータの前処理図 3と図 4に提示画像として用いた身体部位と四足動物の線画の一例を示す.さらに画像提示のフローチャートを図 5に,身体部位画像の想起実験で得られたシングルトライアル EEGデータの例を図 6にそれぞれ示す.前述のチャネル選択に従い,シングルトライアルEEGs

の 400ミリ秒から 900ミリ秒の間を 25ミリ秒間隔でサンプリングし (図 7),各チャネルから 21個の要素を抽出した.さらに,これらを 1トライアルごとに横 1列のデータとし,84次元のベクトルデータとした.EEGs本来は時系列データであるが,今回の解析ではチャネルごとに 21点のデータが順不同で対応しているとみなした.したがって,1つのシングルトライアル EEGsが 84次元データに対応する.これをデータ 1と呼ぶこととする.本研究では,いわゆるジャックナイフ (クロスバリデーション)法を適用するため,データを増やすことを考えた.すなわちデータ 1のサンプリング時点を−1ミリ秒

図 5 提示実験の流れ図

図 6 身体部位に関するシングルトライアル EEG (上から「口」「指」「耳」「足」の場合)

図 7 シングルトライアル EEGデータからのサンプリング

前方にずらして,25ミリ秒間隔でサンプリングを行った.同様にサンプリング時点を−2ミリ秒前方にずらし,25

ミリ秒間隔でサンプリングを行なった.これらをデータ1に加え,データ数をデータ 1単独の 3倍の 360個,84

次元ベクトルデータとした.これをデータ 2と呼ぶこととする. 4.3 前処理された EEGデータに対する正準判別分析被験者は正常な視覚を有する 22歳の男子 HFと YN,女子 YSで,提示された線画を想起時の EEGを計測した.なお,全員の利き手は右であった.また,いくつかの実験は,データの再現性を確認する目的から,2名は日を改めて合計 2回実験を行った.これらをHF1とHF2,YN1,YN2と区別する.提示画像は,4種類の身体部位,四足動物,10種類の四足動物,家電製品,果物である.それぞれのデータに対し 84個の説明変量をもつ 360個のデータとして,4群あるいは 10群に対する多変量統計的データ解析の一手法である多群に対するマハラノビス距離の最小化を規準とする正準判別分析を試みた.この際に,ジャックナイフ統計法をそれぞれのデータに対して行った.この結果,いずれの被験者に対しても 4種類の想起に関しての判別率が 95%以上 (表 1~6)13),10種類の想起に関してもほぼ 80% (表 7~9)となる結果を得た14).

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表 1 4種の身体部位画像に対する EEG正準判別結果の例(判別率 97.50%被験者HF1)

Obs./Pred. mouth finger ear foot Total

mouth 59 0 0 1 60

finger 0 60 0 0 60

ear 1 0 57 2 60

foot 0 0r 2 58 60

Total 60 60 59 61 240

表 2 4種の身体部位画像に対する EEG正準判別結果の例(判別率 99.17%被験者HF2)

Obs./Pred. mouth finger ear foot Total

mouth 59 0 0 1 60

finger 0 60 0 0 60

ear 0 0 60 0 60

foot 0 1 0 59 60

Total 59 61 60 60 240

表 3 4種の身体部位画像に対する EEG正準判別結果の例(判別率 100.00%被験者YN1)

Obs./Pred. mouth finger ear foot Total

mouth 60 0 0 0 60

finger 0 60 0 0 60

ear 0 0 60 0 60

foot 0 0 0 60 60

Total 60 60 60 60 240

表 4 4種の身体部位画像に対する EEG正準判別結果の例(判別率 98.75%被験者YN2)

Obs./Pred. mouth finger ear foot Total

mouth 59 0 0 1 60

finger 2 58 0 0 60

ear 0 0 60 0 60

foot 0 0 0 60 60

Total 61 58 60 61 240

表 5 4種の四足動物画像に対する EEG正準判別結果の例(判別率 96.67%被験者HF)

Obs./Pred. dog giraffe bear lion Total

dog 59 0 0 1 60

giraffe 0 56 1 3 60

bear 0 0 60 0 60

lion 0 3 0 57 60

Total 59 59 61 61 240

4.4 山ノ井研究室の BCI紹介のまとめ提示されたさまざまな線画を想起する際の被験者の

EEG について,特に上前頭回に対応する 2ch(Fp2),

4ch(F4), 6ch(C4), 12ch(F8)の 4チャネルに着目し,得られたデータに対して以下に示す前処理を施した.潜時 400ミリ秒から 900ミリ秒までの EEGを 25ミリ秒間隔でサンプリングし,4チャネル分をならべ,84

変量のベクトル空間の多変量データとした.

表 6 4種の四足動物画像に対する EEG正準判別結果の例(判別率 98.33%被験者YN)

Obs./Pred. dog giraffe bear lion Total

dog 59 0 1 0 60

giraffe 1 59 0 0 60

bear 0 0 60 0 60

lion 0 1 1 58 60

Total 60 60 62 58 240

表 7 10種の四足動物画像に対するEEG正準判別結果の例(判別率 77.10%被験者YS)

Obs./Pred. dog cow horse giraffe bear rhino

dog 17 2 1 0 0 1

cow 0 19 3 1 0 0

horse 0 1 20 2 1 0

giraffe 0 1 0 20 1 0

bear 0 0 0 0 19 0

rhino 0 0 0 0 1 20

deer 0 1 2 0 3 1

sheep 0 1 2 0 0 1

lion 0 2 1 1 0 0

camel 0 1 3 0 1 0

Total 17 28 32 24 26 23

Obs./Pred. deer sheep lion camel Total -

dog 3 0 0 0 24 -

cow 1 0 0 0 24 -

horse 0 0 0 0 24 -

giraffe 0 0 1 1 24 -

bear 1 0 4 0 24 -

rhino 1 1 1 0 24 -

deer 17 0 0 0 24 -

sheep 2 18 0 0 24 -

lion 1 0 18 1 24 -

camel 1 0 1 17 24 -

Total 27 19 25 19 240 -

さらに学習データ数を増加させるため,計測したシングルトライアルEEGデータをさらに 399ミリ秒から 899

ミリ秒まで,ならびに 398ミリ秒から 898ミリ秒までについて同様に 25ミリ秒間隔でサンプリングし,データ数を 3倍とした.このデータに対し,多変量統計的データ解析の一手法である正準判別分析を試みたところ 4種類の線画想起時 EEGの判別率はすべて 95%以上であった.さらに一人の被験者のみではあるが 10種の線画想起時 EEGの判別率はほぼ 80%であった.これらの結果より,4パターンの線画画像の名称想起に関しては,それぞれ 30回の想起時のEEG計測を行えば,その学習データで 95%以上の判別率で何を想起したか推定が可能となり,10パターンの線画に関しても 80%近くの判別率で推定が可能となる.この判別結果をロボットの動作それぞれに対応させて信号として送れば,BCIとしてロボット制御が可能となる.本研究室では,マイクロロボット e-puckの 10種類の動作に,上記の 10種類の画像想起時の脳波判別結果を対応させて,Blue tooth

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表 8 10種の家電製品画像に対するEEG正準判別結果の例(判別率 80.40%被験者YS)

Obs./Pred. iron toaster dryer sewing rice fan

iron 19 0 2 1 0 0

toaster 0 19 1 0 2 0

dryer 0 0 18 0 3 0

sewing 0 0 1 21 1 0

rice 0 0 1 0 18 0

fan 0 0 1 1 1 19

wash 0 1 0 0 2 1

vacuum 0 0 3 0 1 0

micro 0 0 1 0 1 1

refrig 0 0 0 0 2 1

Total 19 20 28 23 31 21

Obs./Pred. wash vacuum micro refrig Total -

iron 2 0 0 0 24 -

toaster 2 0 0 0 24 -

dryer 2 0 1 0 24 -

sewing 1 0 0 0 24 -

rice 5 0 0 0 24 -

fan 1 0 1 0 24 -

wash 20 0 0 0 24 -

vacuum 1 19 0 0 24 -

micro 1 0 20 0 24 -

refrig 1 0 0 20 24 -

Total 36 19 22 20 240 -

表 9 10種の果物画像に対する EEG正準判別結果の例 (判別率 77.10%被験者YS)

Obs./Pred. strawberry persimmon cherrywater

melonpineapple banana

strawberry 18 1 1 0 1 1

persimmon 0 18 0 0 2 0

cherry 1 0 20 0 0 0

water

melon1 2 0 16 1 1

pineapple 5 0 0 0 17 0

banana 0 0 0 0 2 18

grape 2 0 0 1 1 0

melon 1 1 0 0 0 0

peach 1 1 1 0 0 0

apple 1 0 0 0 1 0

Total 30 23 22 17 25 20

Obs./Pred. grape melon peach apple Total -

strawberry 1 0 0 1 24 -

persimmon 2 0 0 2 24 -

cherry 0 0 0 3 24 -

water

melon1 0 1 1 24 -

pineapple 0 0 0 2 24 -

banana 3 0 0 1 24 -

grape 19 0 1 0 24 -

melon 2 19 0 1 24 -

peach 1 0 20 0 24 -

apple 4 0 0 18 24 -

Total 33 19 22 29 240 -

信号として送り出し,オフラインのプロトタイプながら10種類の動作制御を行っている.

5. おわりにここで紹介したBCIの研究は,ヒトがスクリーンのアルファベットを見ている脳波から単語生成したり,サルが歩行している時の脳神経活動を測定し,その出力をインターネットで遠隔地に送り,ロボットに歩行させたり,サル記録した脳神経活動によってロボットアームを操作し,自分の口に餌を供給させたり,と応用はさまざまである.これらを始めさまざまな研究機関で行われている結果に関しては,YouTubeで多くの動画が公開されているので,そちらを参照されたい.しかしながら侵襲的なBCIは,脳波計測デバイスそのものをサル等の脳に挿入し,その出力を利用するもので,初期の実験では,ボランティアが挿入された電極からの感染症でなくなった例もある.われわれの研究室では,非侵襲的に医学診断でEEGを計測するのと同様な方法で,実験と研究を行っているが,手前みそながら,将来は非侵襲的BCIへそしてコードレスへと研究の主流は移ってゆくと思われる.

(2015 年 11 月 16 日受付)

参 考 文 献

1)「米国における脳情報通信技術分野等の研究開発動向の調査」独立行政法人情報通信研究機構 2013 年 2 月

2) L.R. Hochberg et al.: Neuronal ensemble control of prosthetic

devices by a human with tetraplegia, Nature, 442, 164/171

(2006)

3) L.R. Hochberg et al.: Reach and grasp by people with tetraple-

gia using a neurally controlled robotic arm, Nature, 485,

372/375 (2013)

4) Geschwind and A.M. Galaburda: Cerebral Lateralization, The

Genetical Theory of Natural Selection, Clarendon Press, Ox-

ford (1987)

5) K. Parmer, P.C. Hansen, M.L. Kiringelbach, I. Holliday, G.

Barnes, A. Hillebrand, K.H. Singh, and P.L. Cornelissen: Vi-

sual word recognition: the first half second, NuroImage, 22–4,

1819/1825 (2004)

6) J. Pinel: Biopsychology, 5th Edition, Allyn & Bacon (2002)

7) Mark F. Bear, Barry W. Connors, and Michael A. Paradiso:

Neuroscience: Exploring the Brain, 3th Edition, Lippincott

Williams & Wilkins (2006)

8) T. Yamanoi, T. Yamazaki, J.L. Vercher, E. Sanchez, and

M. Sugeno: Dominance of recognition of words presented on

right or left eye –Comparison of Kanji and Hiragana–, Mod-

ern Information Processing, From Theory to Applications, B.

Bouchon-Meunier, G. Coletti and R.R. Yager Eds., Elsevier

Science B.V., 407/416 (2006)

9) M. Sugeno and T. Yamanoi: Spatiotemporal analysis of brain

activity during understanding honorific expressions, Journal

of Advanced Computational Intelligence and Intelligent In-

formatics, 15–9, 1211/1220 (2011)

10) T. Yamanoi, H. Toyoshima, T. Yamazaki, S. Ohnishi, M.

Sugeno, and E. Sanchez: Micro Robot Control by use of Elec-

troencephalograms from Right Frontal Area, Journal of Ad-

vanced Computational Intelligence and Intelligent Informat-

ics, 13–2, 68/75 (2009)

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Page 7: BMI/BCIの研究の現状 - JST

11) T.Yamazaki, K. Kamijo, and A. Kenmochi: Accuracy of

Multiple Equivalent Current Dipole Source Localization from

EEG in Terms of Confidence Limits for Radial Distances,Bio

Medical Engineering,37–4, 336/341 (1999)

12) 豊島 恒,山ノ井髙洋,山﨑敏正,大西真一,菅野道夫:向きを表す単語と記号に対する時空間的脳活動の比較,知能と情報 (日本知能情報ファジィ学会誌),18–3,425/433 (2006)

13) 山ノ井髙洋,田中良典,豊島 恒,山﨑敏正,大槻美佳,菅野道夫:複数画像認知・イメージング時 EEG による BCI,第 29 回ファジィシステムシンポジウム予稿集,179/182 (2013)

14) 山ノ井髙洋,豊島 恒,山﨑敏正,大槻美佳,菅野道夫:十種の画像イメージング時 EEG による BCI,第 30 回ファジィシステムシンポジウム予稿集,278/281 (2014)

[著 者 紹 介]やま

山の

ノい

井たか

髙ひろ

洋 君(正会員)1949年生,74年相模工業大学 (現湘南工科大学)

数理工学科卒業,76年北海道大学大学院工学研究科情報工学専攻修士課程修了,79年北海道大学工学研究科情報工学専攻博士後期課程修了,工学博士 (北海道大学),79年北海道大学工学部助手,83年仏国ボルドー第 1大学在外研究員,87年北海学園大学工学部電子情報工学科助教授,90年北海学園大学工学部電子情報工学科教授,99年仏国エクス・マルセイ

ユ大学医学部客員教授,02年~06年北海学園大学入試部長,08年~11

年北海学園大学工学部長,12年北海学園大学工学部生命工学科教授.視覚の数理モデル,統計的データ解析,視覚にかかわる脳内処理の時空間的解析と BCI への応用などの研究に従事.日本知能情報ファジィ学会,日本 ME 学会,IEEE,電子情報通信学会,情報処理学会などの会員.

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