6.調査資料収集の実施に関する事項...1)天パーソナル吹出し口の開発に関する事例紹介を受けた。既存ビ...

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6.調査資料収集の実施に関する事項 (1)学術調査研究事業 委員会名 開催 (委員長・主査) 回数 以下について協議を行った。 1.学術事業の統括に関する事項 2.委員会年次報告、計画、予算、委員候補者に関する事項 3.公募型研究委員会の実施に関する事項 4.国際交流事業(ASHRAE、CIBW062、CLIMA2016)の統合に関する事項 5.学術諮問の運営に関する事項 6.100周年記念事業の企画に関する事項 7.関連学協会への委員派遣および行事等に関する事項 1.調査研究委員会成果報告書のレビュー 1)レビューが完了していない委員会へ照会を行った。 2)レビューが完了した成果報告書を標準化運営委員会へ回付した。 3)標準化運営委員会より規格番号決定の報告を受けた。 2.委員会成果報告書の早期情報発信化に関する検討 1.管掌委員会に関する事項 1)常設委員会、傘下小委員会の構成について審議し承認した。 2)平成28年度年次報告書および平成29年度計画書、予算、委員候補の 審議、承認を行った。 3)委員会終了報告書(23件)、新規設置申請書(23件)の審議、承認 を行った。 2.研究助成候補者の推薦に関する事項 1)財団法人鹿島学術振興財団:2件 2)財団法人とうきゅう環境浄化財団:申請なし 3)財団法人給水工事技術振興財団:募集なし 4)独立行政法人日本学術振興会:申請なし 5)関係団体からの研究助成推薦依頼に関する検討:申請なし 本委員会は量的に再生可能であり、かつ安定した熱出力が期待できる 設備技術として木質系バイオマスと汚泥系バイオマスに着目し、今後の 研究上の情報収集や会員企業への情報提供を目的に活動している。 本年度は委員会の最終年にあたり、前年度までに不足していた講演会見学会、情報収集を追加した。また、前年度までに得られた成果を含め た報告書の作成を行った。 1.講演会 1)㈱タクマ 豊田薫氏:バイオマス施設のシステムについて 2)㈱リトル・トリ― 大野航輔氏 山梨県道志村におけるバイオマス 利用 3)三洋貿易㈱ クラウディウス・デッケルト氏:木質ペレットガス化 発電システム 4)矢崎エナジーシステム㈱ 山田昌宏氏:木質バイオマスに対する取 り組み 5)㈱森のエネルギー研究所 菅野明芳氏:木質バイオマスの導入 2.見学会 1)上野村バイオマスツアー 2)かぶちゃん村 森の発電所 3)エア・ウォーター安曇野バイオマス・エネルギーセンター(自由参 加) 4 研究委員会 大岡 龍三 7 木質・汚泥バイオマスの 建築設備的利用に関する 研究委員会 浅野 良晴 学術委員会 赤司 泰義 5 学術諮問委員会 竹部 友久 3 学術調査研究事業 63

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Page 1: 6.調査資料収集の実施に関する事項...1)天パーソナル吹出し口の開発に関する事例紹介を受けた。既存ビ ルへの展開も可能なベースのアネモ吹出し口と一体となったパーソ

6.調査資料収集の実施に関する事項

(1)学術調査研究事業

委員会名 開催(委員長・主査) 回数

以下について協議を行った。

1.学術事業の統括に関する事項

2.委員会年次報告、計画、予算、委員候補者に関する事項

3.公募型研究委員会の実施に関する事項

4.国際交流事業(ASHRAE、CIBW062、CLIMA2016)の統合に関する事項

5.学術諮問の運営に関する事項

6.100周年記念事業の企画に関する事項

7.関連学協会への委員派遣および行事等に関する事項

1.調査研究委員会成果報告書のレビュー

1)レビューが完了していない委員会へ照会を行った。

2)レビューが完了した成果報告書を標準化運営委員会へ回付した。

3)標準化運営委員会より規格番号決定の報告を受けた。

2.委員会成果報告書の早期情報発信化に関する検討

1.管掌委員会に関する事項

1)常設委員会、傘下小委員会の構成について審議し承認した。

2)平成28年度年次報告書および平成29年度計画書、予算、委員候補の

  審議、承認を行った。

3)委員会終了報告書(23件)、新規設置申請書(23件)の審議、承認

  を行った。

2.研究助成候補者の推薦に関する事項

1)財団法人鹿島学術振興財団:2件

2)財団法人とうきゅう環境浄化財団:申請なし

3)財団法人給水工事技術振興財団:募集なし

4)独立行政法人日本学術振興会:申請なし

5)関係団体からの研究助成推薦依頼に関する検討:申請なし

 本委員会は量的に再生可能であり、かつ安定した熱出力が期待できる

設備技術として木質系バイオマスと汚泥系バイオマスに着目し、今後の

研究上の情報収集や会員企業への情報提供を目的に活動している。

 本年度は委員会の最終年にあたり、前年度までに不足していた講演会、

見学会、情報収集を追加した。また、前年度までに得られた成果を含め

た報告書の作成を行った。

1.講演会

1)㈱タクマ 豊田薫氏:バイオマス施設のシステムについて

2)㈱リトル・トリ― 大野航輔氏 山梨県道志村におけるバイオマス

  利用

3)三洋貿易㈱ クラウディウス・デッケルト氏:木質ペレットガス化

  発電システム

4)矢崎エナジーシステム㈱ 山田昌宏氏:木質バイオマスに対する取

  り組み

5)㈱森のエネルギー研究所 菅野明芳氏:木質バイオマスの導入

2.見学会

1)上野村バイオマスツアー

2)かぶちゃん村 森の発電所

3)エア・ウォーター安曇野バイオマス・エネルギーセンター(自由参

  加)

4研究委員会大岡 龍三

7

木質・汚泥バイオマスの建築設備的利用に関する

研究委員会浅野 良晴

事 業 内 容

学術委員会赤司 泰義

5

学術諮問委員会竹部 友久

3

学術調査研究事業

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Page 2: 6.調査資料収集の実施に関する事項...1)天パーソナル吹出し口の開発に関する事例紹介を受けた。既存ビ ルへの展開も可能なベースのアネモ吹出し口と一体となったパーソ

委員会名 開催(委員長・主査) 回数

3.情報収集

1)スマートコミュニティー展(自由参加)

2)ペレット工場の一覧及び生産量調査(担当:矢ケ崎委員)

4.報告書

  報告書の骨子は以下のとおりである。

第1章 はじめに

第2章 建築でバイオマスを利用する理由

第3章 委員会の活動

第4章 委員会で実施した事例調査

第5章 文献による事例調査

第6章 事例調査をもとにした建築での利用可能性の検討

第7章 まとめ

7/26、10/26の計2回開催した。

審議内容は以下のとおりである。

1.各小委員会への付託事項とその方向性を確認した

2.各小委員会の運営・活動・その他諸問題について、協議・検討を行

  った

3.シンポジウムを企画・立案した

4.各小委員会の平成28年度事業計画・予算を検討した

 パーソナル空調は、ZEB化のようなエネルギー最小最適利用に有効な

手法である他、知的生産性など次世代ワークプレイスの新たな価値創造

として空調技術から貢献する重要なアイテムである。

 本小委員会では、その技術的な基盤情報や性能評価に関する情報収集

を目的としている。

 設置期間3ヵ年の最終年度にあたる今年度は、主に報告書作成に向け

まとめの作業を行った。

1.報告書まとめに向けた情報収集

1)天井パーソナル吹出し口の開発に関する事例紹介を受けた。既存ビ

  ルへの展開も可能なベースのアネモ吹出し口と一体となったパーソ

  ナル空調吹出し口であり、改修やC工事にて設置可能なことを目的と

  している。

  開発時は、居住者への気流速創出とともに騒音への配慮等もされて

  いる。

2)WELL Building Standardにおけるパーソナル空調関連の評価項目を

  調査し、ワーカーの健康促進に対し、フリーアドレス環境下で、積

  極的に3℃の温度幅を有する空間が設けられていることが評価され

  ており、パーソナル空調の評価にもつながる項目であることが確認

  された。

3)パーソナル空調の性能には、操作性の影響も大きい。また、昨今の

  センサー技術も発展しており、メーカーなど各社の事例を調査し、

  パーソナル空調システムへのサポート技術として収集した。

2.報告書の作成

   今までの事例をデータベース化し、更にパーソナル空調の操作、

  制御を担うセンサーについても一覧化され、パーソナル空調に関し

  て、はじめて技術・情報がまとめられたものとなった。

事 業 内 容

パーソナル空調性能評価検討小委員会佐々木 真人

4

空気調和設備委員会長井 達夫

4

木質・汚泥バイオマスの建築設備的利用に関する

研究委員会(続き)

学術調査研究事業

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委員会名 開催(委員長・主査) 回数

 空気調和設備に対する各種情報関連技術を調査について、技術開発状

況のヒアリング、最近竣工した建物における情報技術採用動向の調査、

専門研究者へのヒアリングなどを行い、情報技術の進展を空調調和シス

テムの設計、運用管理、性能検証にどのように活かしていくかについて

審議した。

1.最近竣工した建物における情報技術採用状況の調査

1)スマートコミュニティセンター(ラゾーナ川崎東芝ビル)

   外調機とビルマルチから構成される空調システムにおいて、外調

  機とビルマルチの負荷配分を最適化排熱利用することで、快適性を

  維持しながら消費エネルギーを削減するモデル空調制御を導入した

  スマートコミュニティセンターでの検証結果について説明を受けて、

  意見交換を行った。

2.空調情報技術の調査

1)AR技術で実現するスマートデバイスを活用した現場技術革新

   富士通の専門技術者からAR技術についての説明を受け、AR技術の

  施工現場、メンテナンス現場支援における活用状況の現状や今後の

  可能性について審議を行った。

   また、HMD(ヘッドマウントディスプレィ)の実演も行った。

2)中小ビルでの空調管理について

   東芝製ビル用マルチの空調管理システムについての説明を受け、

  エネルギーモニター機能、省エネ機能等の課題や今後の展望につい

  て審議を行った。

3)3DスキャナとBIM連携による新しいリニューアル施工について

   3Dスキャナで得られた点群データから設備BIMを作成する技術の

  現状や課題について審議を行った。

 本小委員会は、熱内部発熱のばらつきや温冷感の個人差に対応したロ

バスト空調設計と熱環境シミュレーションについて検討することを目的

として設置されたものである。最終年度の活動内容は以下のとおりであ

る。

1.内部発熱の実態に関する継続的な調査・分析

   東日本大震災以降の節電を契機に内部発熱が大分小さくなってき

  ている。過去の小委員会でも実態調査を行っているが、本小委員会

  でも継続的な調査が重要であると考えている。今年度は、昨年度ま

  での事務所ビルと商業施設の調査結果を分析を進め、事務室消費電

  力密度の確率分布として逆ガウス分布が適切であることを示した。

  また、面積による低減効果を評価する手法としてCTE(Conditional

  Tail Expectation)を導入した。

2.NewHASP/ACLDの機能追加方法の検討

   NewHASPの機能追加方法として、メタシミュレーション法(New

  HASPと詳細シミュレーションプログラムを相互に運用する方法)を

  提案し、具体的に換気回路網シミュレーションプログラムCVNECと相

  互運用した結果を示した。

3.窓、カーテンウォールの熱性能評価に関する検討

   サーモクロミック調光ガラス窓の住宅暖冷房負荷計算、フレーム

  を考慮したカーテンウォールの熱性能計算法に関する研究、日除け

  のある窓の日射熱取得計算について検討した。

4.最終報告書の作成

   これまでの委員会成果を「熱環境シミュレーションの最新動向」

  としてまとめた。

熱環境シミュレーション小委員会永田 明寛

4

空気調和設備における情報技術の活用小委員会

下田 吉之3

事 業 内 容

学術調査研究事業

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委員会名 開催(委員長・主査) 回数

1.国内におけるZEB化の動向と実情調査

   経済産業省を中心とした我が国の行政のZEBへのアプローチ状況、

  および、ZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築実証補助事業の実

  態等を明らかにした。

2.海外におけるZEB化の動向と実情調査

   米国、欧州、中国、韓国、東南アジア等、世界的なZEBの政策動向

  について、文献調査や現地ヒアリング結果等を通じて、把握した。

3.国内におけるZEB実現の取り組み事例調査

   国内の最先端の取り組み事例について、採用要素技術の詳細やZEB

  の達成状況をデータベース化し、それらを整理するとともに、日本

  のベストプラクティスとして国際会議等への発信を行った。

4.海外におけるZEB実現の取り組み事例調査

   米国、欧州、中国、台湾、韓国、東南アジア等、広範な海外最新

  事例をとりまとめ、整理した。

5.モデル建物におけるZEB実現可能性の検討

   モデル建物を想定し、前委員会(ZEB定義検討小委員会)の定義に

  沿って、ZEB実現の道筋を示し、シミュレーション等によりZEB実現

  の可能性を示した。また、省エネルギー法に基づくWebプログラムで

  の実現可能性のケーススタディ結果も示した。

6.ZEB実現のための要素技術の抽出

   ZEB実現のための重要要素技術について、省エネルギー技術、再生

  可能エネルギー利用技術、エネルギーマネジメント技術をいくつか

  抽出し、概説を行った。また、各種要素技術について、省エネルギ

  ー法のWebプログラムでの対応の可否についても調査、整理を行った。

7.ZEB実現のロードマップ検討

   経済産業省で検討されているZEB実現にむけた我が国のロードマッ

  プについてとりまとめた。

8.ZEB実現のための課題と普及効果

   ZEB実現のための今後の課題と普及方策、普及効果についてとりま

  とめた。

ZEB実現可能性検討小委員会丹羽 英治

10

事 業 内 容

学術調査研究事業

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委員会名 開催(委員長・主査) 回数

 平成28年4月、電力の小売りが完全自由化、熱供給事業は許可制から

登録制へと変更された。平成29年度には、ガス事業においても自由化が

進められる。このような社会的背景の中で熱供給事業を主体とした地域

エネルギーシステムから地域の電力融通、需要家ビルを含めた統合マネ

ジメント、地域の災害時機能継続など新たな動向が進展すると考えられ

る。そこで本小委員会では、これらの状況を踏まえた、今後の地域エネ

ルギーシステムの役割やあり方を整理、検討する。

 本小委員会は3年間の期間のうち平成28年度が初年度であり、合計5回

の小委員会を開催した。活動の内容としては、以下の情報収集および議

論を行った。

1.エネルギー自由化が地域エネルギーシステム(地域熱供給)に与え

  る影響について

2.地域の災害時機能継続ニーズの高まりと地域エネルギーシステムに

  ついて

3.ZEBと地域エネルギーシステムの関係について

 そのうえで、既存の地域熱供給事業区域内に設置されたコージェネレ

ーションシステム(CGS)の導入形態(所有関係、設置場所、電力の供

給先、熱の供給先、等)について調査・整理し、エネルギー供給事業者

の視点、需要家建物側の視点から、それぞれメリット・デメリットを整

理する作業を開始した。

1.各小委員会の研究テーマと調査の運営方法について、審議検討した。

2.各小委員会の平成29年度の計画と予算について検討してた。

3.小委員会の成果が、本学会の各種出版物等の内容に影響する部分を

  明らかにするための報告事項を審議した。

4.本学会の功績賞・篠原記念賞の推薦候補について審議した。

下記の活動を行った。

1.水負荷計算法による使用湯量への適応の検討

2.宿泊施設(ビジネスホテルと温泉旅館)の給湯負荷のデータ解析

3.用語の定義の検討

4.給湯枝管の管径の計算法の検討

5.配管と貯湯槽からの損失熱量の既往文献による対策の検討

6.成果報告書の作成

7.ASHRAE HANDBOOK HVAC Applications(2015年版)Chapter 50“SERVICE

  WATER HEATING”

 「9節 給湯負荷と機器設計」の翻訳と内容の検討

8.その他、給湯設備に関わる関連事項の情報提供等

次世代型地域エネルギーシステム検討小委員会

吉田 聡5

給排水衛生設備委員会大塚 雅之

4

給湯設備の計画・設計法小委員会

赤井 仁志7

事 業 内 容

学術調査研究事業

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委員会名 開催(委員長・主査) 回数

 昭和55年ごろから排水再利用や雨水利用が導入され、本学会の規準の

中に盛り込まれてきた。運用に当たってさまざまな問題があることが予

想されたので、現状の問題をアンケートを通して実施した。本研究を進

めている途中、平成26年に雨水法が制定され、本学会としても対応しな

ければならなくなったので、一年延長して研究を進めた。

 特に雨水利用施設の設計諸元の現状と問題点、維持管理の問題点につ

いてアンケート調査や現場調査を行った。

 得られた結果は、雨水利用施設の設計や稼働の実態が明らかとなった。

雨水利用処理フローは沈砂槽に貯留槽と沈砂槽に沈殿槽と貯留槽の組み

合わせが多くみられ、ろ過装置の水量に対しての容量、消毒剤の添加場

所、方法等に統一性がみられないので、学会として統一的な基準を作成

すべきと考えている。維持管理面では、維持管理者の最適な技術取得者

が現場対応していないので、維持管理技術者の養成が急務であること、

維持管理費用の算出根拠となる水量測定器の設置がないために費用の算

定が不十分な施設が多くみられたので水量管理できる機器の設置の必要

性があること、さらに集中豪雨対応や初期雨水排除の設備の故障対応や

維持管理の不十分さが目立っていた。

 特に活動結果を本学会大会平成28年度学術講演論文集に2編発表、さ

らに本学会論文集技術論文集に投稿している。

 今年度は最終年度となるため、最終報告書の記載内容について審議を

行った。下記の観点から報告書をまとめることとした。

1.建築技術者が、ろ過器を中心としたろ過システムの考え方、水質や

  施設の維持管理を正しく理解し、計画・設計を行うことができるこ

  とを目的とする。

2.設備機材について

1)ろ過器(砂式・けいそう土式・カートリッジ式)の構成と仕組み、

  消毒剤の種類と消毒剤ごとの注入装置の概要、高度処理装置につい

  て整理を行う。

2)温泉水に適した新しい消毒法としてモノクロラミン消毒を記載する。

3.計画設計について

1)当学会便覧の「水泳プール設備」の記載が概略的であることから詳

  細にまとめる。

2)ろ過循環の効率良い水流分布の重要性について記載する。また、そ

  のための具体的な手法(オーバーフローと層流の組合せ循環、トー

  ナメント配管やループ配管など)について触れる。

3)便覧に記載のない事項(循環ポンプの計画法、洗浄排水管の計画上

  の留意点、オーバーフロー水回収槽及びバラシングタンク計画時の

  検討すべき内容など)についてまとめる。

4)浴場設備の計画と設計の考え方、具体的な設計例や省エネルギー手

  法についてまとめる。

4.維持管理について

1)水質管理と設備管理の両面からまとめる。

2)病原微生物(レジオネラ属菌)や耐塩素性病原微生物、消毒副生成

  物について記述する。

3)日常的な現地での簡易水質検査法や、温泉の泉質と消毒剤の反応性

  の違いについて記述する。

4)ろ過システムの運転状況をモニタリング監視し、機器の予防保全や長

  寿命化、感染症リスクの低減を図ることの重要性について記載する。

雑用水設備小委員会岡田 誠之

事 業 内 容

8

水泳プール・浴場設備の計画・設計と維持管理

手法小委員会松村 佳明

5

学術調査研究事業

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委員会名 開催(委員長・主査) 回数

 排水通気システム設計において、節水化に対応する設計基準の反映す

る基礎データと通気設計に用いる通気抵抗に関する検討実験を実施した。

排水横主管の搬送性能と排水能力を把握し、設計法に資する基礎データ

の収集を行った。更に、近年の発泡力の高い洗剤の起泡力試験と洗剤排

水に関連した製品の市場調査を行った。これら内容については、”排水

通気システム設計基準の拡充に向けた研究”として委員会成果報告書に

まとめた。

1.研究の目的

   大規模厨房設備は、HACCP等の衛生管理基準に則って設計すること

  が必要である。食品納品から保管にわたる安全性と衛生面の管理、

  調理機材の性能と規模とそれらのレイアウト等の計画、製品の搬送

  計画、給食施設では食器などの洗浄装置のレイアウト等、施設の設

  計にあたって資料や設計事例が不足しているため、学会の設備の設

  計者には多大な負担となっている。現在、空気調和・衛生工学会か

  らもその様な資料が出ておらず、設計時に参照することができない

  状況である。そこで本小委員会では、実際の施工事例をまとめると

  共に関連する法律や用語を解説した上で計画の要点を説明し、メー

  カーの資料だけではわからない学会の設計理念を盛り込んだ事例集

  を作成する。

2.本年度の成果

   これまでの活動として、情報収集及び施設見学会を実施してきた。

1)情報収集

  主に、以下の内容について情報収集を行った。

 ①最適な厨房設計のためのガイドブックに基づく講演(NRTシステム㈱

  畑 治 代表取締役)

 ②厚生労働省及び文部科学省作成の厨房施設に関するマニュアルにつ

  いての解説(矢ケ崎 和貴 委員)

 ③空気調和・衛生工学会報告書の業務厨房における、換気・空調システ

  ムの評価・設計手法の課題と動向についての解説(荻田 俊輔 委員)

 ④電化厨房フォーラム21による、学校給食施設設計における計画の手

  順の解説(矢ケ崎 和貴 委員)

2)施設見学会

  以下の施設を見学し、最新の厨房施設について学んだ。

 ①神奈川県 海老名市食の創造館

 ②埼玉県 三芳町学校給食センター

3.今後の予定

   次年度以降は、さらに多くの施設の見学と資料の収集を実施する。

  これらの情報をデータベース化し、計画方法及び技術的課題につい

  ての整理を行う。具体的には、施設毎に、開設年、調理能力、導入

  機器、設計図書、関連資料等を一覧にしてまとめる。また、事業の

  管理運営に関するPFIや災害時におけるBCPに重点を置き、実際の取

  り組み状況、問題点の抽出等を行う。

   これらをまとめた上で、平成29年度内にシンポジウムを開催する

  予定である。

排水通気システム設計法の検討小委員会

本郷 智大6

大規模厨房設備設計検討小委員会浅野 良晴

6

事 業 内 容

学術調査研究事業

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委員会名 開催(委員長・主査) 回数

 第1年度の委員会活動として、各委員の要望調査のもとに、以下の点

を中心に検討を進めた(各項目とも継続中)。

1.給水給湯負荷データの収集と分析

1)DECCデータ(レベル1)による商業施設等の原単位の分析

2)DECCデータ(レベル3)による各種建物用途の時間給水負荷の収集

3)事務所、企業独身寮等に関する既実測データの収集・分析

4)大学、病院に関する既実測データの収集、その他建物用途について

  既実測データ収集の検討

2.動的給水給湯負荷算定法の検討

1)既に開発しているモンテカルロ・シミュレーション手法を応用した

  MSWCプログラムの開示と利用方法の説明

2)事務所ビルを対象に、MSWCプログラムを適用した算定結果と実測値

  の比較および精度検証

3)ホテル客室系統の給水給湯負荷算定モデルの構築と同上算定プログ

  ラムによる負荷予測

3.給水給湯システム設計法の検討

1)瞬時負荷の時間間隔のとり方について、実測とシミュレーションに

  よる検討

2)給水システムについて、負荷変動とポンプ容量・電力消費量等、お

  よび管径の関係について検討

3)ホテルを対象に、給湯負荷と貯湯槽容量・熱源容量の関係について

  検討

 今年度は、「サブシステム情報連動制御検討」および「既存BEMS保全・

更新検討」の2小委員会の活動を継続し、新たに「BCP対応型BEMS」お

よび「建物エネルギーシステムの運用最適化」を検討する2小委員会を

立ち上げて、合計4小委員会で活動を行った。

【親委員会としての活動】

1.4小委員会の活動に対し、意見交換し、方向性を調整した。

2.BEMSの動向およびこれを取りまく環境に関する情報交換を継続して

  実施した。

1)サブシステム情報連動制御検討小委員会(主査:原 英嗣)

   BEMSと連動していない建築設備のサブシステムや、従来建築設備

  の範疇ではなかった情報を、BEMSに取り込み解析や制御に活かすこ

  とを目的に調査・検討を行った。これらをまとめシンポジウムを開

  催、報告書を作成した。

2)既存BEMS保全・更新検討小委員会(主査:百田 真史)

   技術進歩の速いITに大きく依存するBEMSの保全更新方法を検討す

  るため、BEMSの改修事例、グラフ等の活用状況、機能劣化、中長期

  データの活用方法等について調査を行った。これらをまとめてシン

  ポジウムを開催した。

3)BCP対応型BEMS検討小委員会(主査:増田 幸宏)

   災害に強い建物の実現のため、BCPを支援し建物管理機能を強化す

  るBCP対応型BEMSを定義し、その機能を検討することを目的に、初年

  度は、事例を収集し、本BEMSに求められる機能の整理を行った。

4)建物エネルギーシステムの運用最適化検討小委員会(主査:大岡 

  龍三)

   熱源システムの運用最適化は、実際の建物に学術の理論的な成果

  が導入されている例がごくわずかである。この障壁などを明らかに

  するために、初年度は熱源システムの最適化事例の収集を行った。

最適給水システム小委員会村川 三郎

6

事 業 内 容

ビル管理システム委員会大島 一夫

5

学術調査研究事業

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委員会名 開催(委員長・主査) 回数

 今後のBEMSに係わる潮流の一つに、従来建築設備の範疇ではなかった

情報や、現状においてBEMSと連動していない建築設備のサブスシステム

が保有する情報の活用がある。これら新たな情報をBEMSに取り込み、解

析や制御に活かすことを検討するために、平成26年4月にビル管理シス

テム委員会の小委員会として、サブシステム情報連動制御検討小委員会

が発足し、当該年度が活動の最終年度に当たる。

 最終年度である本年度は、2016年8月にシンポジウムを開催し、11月

に報告書を提出する予定であったので、それらに向けた活動が、主たる

活動等であった。4月に開催した第14回小委員会では、シンポジウムの

発表資料として、「BEMS/BASのシステム構成とサブシステム情報活用の

現状」「ビル用マルチパッケージエアコン・サブシステムの保有情報と

活用」「在室者管理サブシステムの保有情報と活用」「熱源機器の保有

情報と活用」「サブシステム同士をBEMSに取り込むための技術的課題と

規格」に関する内容を確認した。5月に開催した第15回小委員会では、

前回の内容のブラッシュアップを行い、7月開催の第16回小委員会にお

いて、発表資料の最終確認を行った。

シンポジウムは、「BEMSの新たな活用を目指して~サブシステム保有

情報の活用と課題~」と題し、8月3日に開催した。参加人数は20名と、

やや目標人数に達しなかったが、発表後の質疑・応答では活発な議論が

行われた。

 10月開催の第17回小委員会では、報告書のスケジュール、内容に関す

る最終確認を行い、11月末に報告書を提出した。第18回は、報告書の査

読結果を受け、年度内に必要に応じて小委員会を開催する予定である。

 BEMSにPCが組み込まれることが一般的となり、PCの発展と並行して普

及が進んできたBEMSであるが、PCは世代交代が早いこともあり、基幹ソ

フトのサポート打ち切りやPCパーツの供給停止といった問題が顕在化し

つつある。また今後、建築物の保守管理ストックが増加することを考え

ると、上記問題のみならず、BEMS全体を見渡した「保全と更新」につい

て検討する時期に差し掛かっている。

 そこで本小委員会においては、現状における対処事例および方法に関

する調査を実施しつつ、BEMSを提供・使用・保守するそれぞれの立場に

おける課題の整理を行っている。またBEMS機能の経年劣化や中長期デー

タの活用方法について検討を行っている。最終的にはBEMSの保全・更新

の実践に資することを期待するものである。

 初年度にあたる平成27年度においては、1)BEMSの改修事例の取りま

とめ方法、2)BEMSのポイントやグラフの活用状況について、情報収集

および収集した情報の整理を行った。

 二年目にあたる平成28年度においては、1)現状における対処事例お

よび方法に関する調査、2)BEMSを提供・使用・保守するそれぞれの立

場における課題の整理、3)BEMS機能の経年劣化や中長期データの活用

方法、についての議論を重ねた。

 平成29年度は平成28年度末に実施するシンポジウムでの意見を反映し、

これまでの議論に基いてとりまとめを行っていく予定である。

サブシステム情報連動制御検討小委員会

原 英嗣5

事 業 内 容

既存BEMS保全・更新検討小委員会百田 真史

7

学術調査研究事業

-71-

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委員会名 開催(委員長・主査) 回数

 本小委員会は、災害に強い建物を実現するために、BCPを支援し建物

管理機能を強化するための「災害対応型の建物管理システム(BCP対応

型BEMS)」を定義し、その機能を検討することを目的とする。災害時の

対応力と建物管理機能を強化するためにはどのようなデータをどのよう

に取得し、いつどのような形で活用する必要があるのかについて、標準

的な方法論を検討する。(BEMSによるBCP)また災害時にBEMSが機能を維

持し、事業継続計画をサポートする役割を果たすために求められる条件

についても検討を行う。(BEMS自身のBCP:電源バックアップや耐震、瞬

低対応、災害時ネットワーク遮断時の遠隔監視方策他)

 平成28年度(初年度)は、委員が分担して事例を収集し、BCP対応型BEMS

に求められる機能の整理を行った。関連する技術動向の調査と検討を経

て、平成29年度(次年度)はBCP対応型BEMSに必要とされる情報(セン

サやデータ)やシステムの仕様について整理を行う予定である。建物管

理システムの機能を高度化することで、災害時の対応能力を高め、建物

の信頼性と付加価値の向上に寄与する検討が進められればと考えている。

 熱源システムの運用最適化は学術研究ベースでは長い蓄積があり、現

時点でも日本のみならず世界においても活発に研究が行われている。そ

の一方で、実際の建物熱源システムにそれら学術の理論的な成果が導入

されている例はごくわずかと言える。そこで、本小委員会では実際の事

例をもとにその原因を究明し、最適化の対象となり得る範囲と、現状で

は困難な範囲、そして最適化システム導入の障壁などを明らかにするこ

とを目的とする。またどのようにすれば最適化の知見を実用的なものに

できるかについて議論を深め、理論的な学術研究と実務の融合のための

基礎的な検討を行う。

 本小委員会の初年度となる本年度は、当初の予定通り、熱源システム

最適化に関する事例の収集を行った。小委員会メンバーには実際の建物

での知見を有している者が多く、各人の事例紹介を通じて、実務の現状、

最適化計算を行うにあたって考慮すべき項目などの知識を共有した。

 第1回は2016年5月19日に行われ、大岡主査から本小委員会の活動計画

の周知、加えて池田専門委員よりシミュレーションによる最適化に関す

る研究の現状を報告した。ここで、今後本小委員会にて明らかにする理

論と実務の乖離がどこに生じているのか、もしくは生じうるのかを確認

した。

 第2回は同年7月28日に行われ、前原委員による地冷プラント制御の概

要、池田専門委員による過去の需要予測ベンチマークテストの概要およ

び浅利委員による自社物件に導入された蓄熱槽制御の詳細を紹介した。

 第3回は同年9月21日に行われ、田中幹事による名古屋大学での蓄熱槽

最適運用の紹介、前原委員によるシンガポール地冷プラント最適化の紹

介、福井委員による超高層複合ビルにおける熱源システム最適化の紹介

が行われた。

 第4回は同年11月1日に行われ、浅利委員による実物件の見学会および

菊池委員による事例紹介が行われた。

 第5回は同年12月14日に行われ、塩谷委員から太陽熱集熱器や井水を

利用した熱源システムの事例紹介が行われた。

 平成29年度は、上記の事例をまとめると共に、理論的な最適化をどの

ように適用することが可能かに関するより具体的な議論を重ねる。また、

年度途中に実施するシンポジウムに向けて内容の集約を行うと共に、報

告書に向けたとりまとめも併せて行う予定である。 

事 業 内 容

BCP対応型BEMS検討小委員会増田 幸宏

4

建物エネルギーシステムの運用最適化検討

小委員会大岡 龍三

6

学術調査研究事業

-72-

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委員会名 開催(委員長・主査) 回数

1.以下の小委員会の活動計画と進捗状況を確認し、機能的に連携する

  様に助言を行った。また、

  各小委員会が終了に際して作成した成果報告書原稿を確認し、フィ

  ードバックを行った。

1)建物価値向上に向けたコミッショニングプロセス適用検討小委員会

2)機能性能試験標準仕様書策定検討小委員会

3)データマネジメント手法検討小委員会

4)BIM設備データ標準化小委員会

2.2016年6月にコミッショニングに関するシンポジウムを企画し、委

  員会活動に関する報告とパブリックコメントの収集を行った。

3.現状におけるコミッショニングの課題を整理して今後の研究活動の

  方向性を検討し、来期に設置する以下の小委員会に関する申請書の

  作成を支援した。

1)コミッショニング導入効果調査検討小委員会

2)CC法を活用したEHP式個別分散空調システムの機能性能試験検討小

  委員会

3)データマネジメント手法活用小委員会

4)ZEBシステムに関するコミッショニング手法検討小委員会

 当小委員会は、BIMをコミッショニングに活かすためのデータの体系

化について検討を行うものである。現状のBIMは、体系化されたIFC規格

があるものの設備に関する記述の仕方はIFCとしても明確に定まってい

ない状況である。BIMは設備設計・施工・運用管理において負荷計算、エ

ネルギーシミュレーション、CFD、積算、可視化、施設管理などの様々

なソフトウェアと連動してコミッショニング業務を劇的に効率能化する

可性を秘めている。そのためには、BIMにおける設備やコミッショニン

グ関連情報の体系的な記述方法を確立することが必要不可欠である。そ

こで、コミッショニングのためのBIMデータ体系を検討し、整理して提

示することを目的に活動を行ってきた。

 本年度は、昨年度から引き続きコミッショニングでのBIMの活用方法

について議論を進めた。また、実際の建物を対象にコミッショニングに

活用するためにBIMに収めるべき情報にどのようなものがあるかを整理

し、建物設備のデータをBIMに体系的に格納するためのデータ構造につ

いての検討を行った。

 また、これまでの3年に亘る小委員会での活動内容をシンポジウムで

発表し、最終報告書としてまとめた。

 今年度の小委員会の開催は下記の通りである。

第一回 2016年5月19日、第二回 2016年6月20日、第三回 2016年8月10日、

第四回 2016年10月3日、第五回 2017年3月実施予定(最終報告書査読結

    果の確認)

事 業 内 容

コミッショニング委員会高瀬 知章

5

BIM設備データ標準化小委員会山羽 基

5

学術調査研究事業

-73-

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委員会名 開催(委員長・主査) 回数

1.小委員会の目的

 コミッショニング(以下、Cx)においては、データ処理・分析は、課

題の抽出や改善検討の基になる重要な業務であるが、蓄積データの膨大

化や書式が蓄積装置で不統一であることなどから、非効率な業務となっ

ている。本小委員会では、データ処理業務の非効率性を解決するための

合理的な手法の検討を行うことを目的とした。

2.活動内容

 平成28年度は、小委員会を5回開催し、以下の内容について検討を行

った。(平成28年4月7日(東京)、5月26日(京都)、8月4日(東京)、10

月7日(北海道)、平成29年1月20日(京都))

1)「Cx共通形式」仕様書の作成

 ①様々なデータ収集装置(BEMS・ロガー)の蓄積データを共通に扱う

  ためのファイル形式や保持方法のを規定し、仕様書にまとめた。本

  規定を「Cx共通形式」と名付けた。

2)データ処理支援ツールの開発

 ①Cx共通形式に変換し、データベース化するツール「Cx共通形式変換

  ツール」とCx共通形式に変換・整理されたデータ群から必要なポイ

  ントデータを抽出する「Cx共通形式データ抽出ツール」を開発した。

 ②上記した2つのツールは、先代のCxツール活用小委員会(平成23~

  25年度、主査/赤司泰義教授)で構築した

3)データ整理手順の整備

 ①生データ受領から、分析に必要なデータを取り出すまでの具体的な

  作業手順(ツール活用含む)をまとめた。

4)CxのためのBEMS新設時のデータ構築指針の検討

 ①Cx実施時のデータ処理を合理化するためのデータ収集装置(主に

  BEMS)のデータ設計の指針を示した。

5)ワークショップの開催

 ①本小委員会で規定した「Cx共通形式」の仕様の紹介と開発ツールの

  取扱説明と演習を行うワークショップを北海道大学で実施した。(空

  気調和・衛生工学会北海道支部との共催、2016年10月7日)

6)報告書の作成

データマネジメント手法検討小委員会松下 直幹

5

事 業 内 容

学術調査研究事業

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委員会名 開催(委員長・主査) 回数

 平成28年度 年次計画書に基づき、以下の通り小委員会を開催した。

○小委員会開催日:第10回:4/12、第11回:5/11、第12回:8/9、第13

 回:9/23、第14回:1/27の計5回開催

1.機能性能試験の作業手順の整理

   前小委員会で検討した標準マニュアルをもとに、機能性能試験に

  関る作業内容と必要となる文書類を整理した。

   平成28年度では、最終報告書作成を念頭に、新たな文書の自動制

  御管理ドキュメントのサンプルを作成すべき情報の整理・収集を主

  に行い報告書作成に活用した。

2.機能性能試験の実施項目の整理

   機能性能試験における実際の実施項目を具体的に細分化し整理し

  た。

   平成28年度では、最終報告書作成を念頭に、熱源システム、空調

  システム、水・空気搬送システムに分類した

   各試験項目の抽出と整理を行い報告書に反映した。

3.最終的な小委員会の成果物である「空調設備の機能性能試験の標準仕

  様の提案」を作成

   前小委員会から発行された、機能性能試験の試験要領、さらに機

  能性能試験のマニュアルに続き、本章委員会として、機能性能試験

  を実施するために関係者に提示する、機能性能試験の標準仕様報告

  書として作成した。

1.コミッショニング実施プロジェクトの技術者と発注者へのヒアリング

   新大橋ビル、京都駅ビル、長崎県庁におけるコミッショニング実

  施プロジェクトに関して、コミッショニングチームの技術者や建築

  主にヒアリングをし、認証制度等へのコミッショニングの活用可能

  性や、建築主からみたコミッショニング導入効果と課題について明

  らかにした。

2.シンポジウムでの発表(コミッショニング委員会で6/8実施)

   これまでの研究成果を発表し、パブリックコメントを元に、報告

  書へ反映した。

3.報告書の作成

   これまでの研究成果をまとめ、最終報告書を作成した。

4.次年度からの小委員会活動方針の議論

   報告書をもとに次年度からの小委員会活動の方向性について議論

  した。

機能性能試験標準仕様書策定検討小委員会

上谷 勝洋5

建物価値向上に向けたコミッショニングプロセス適用検討小委員会

赤司 泰義

4

事 業 内 容

学術調査研究事業

-75-

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委員会名 開催(委員長・主査) 回数

1.第1回委員会(平成28年5月23日(月)於中部大学三浦記念館・8C講

  義室)

1)前回議事録の確認

2)平成28年度 省エネルギー委員会及び住宅/非住宅改定検討小委員

  会の活動内容について

  住宅 国際シンポジウム開催、非住宅 シンポジウム開催

3)住宅/非住宅 技術指針改定の方向性について

4)その他 予算についての確認

2.第2回委員会(平成28年12月5日(月)於中部大学三浦記念館・8C講

  義室)

1)次年度申請関係(年次計画書、新規設置申請書等)の確認

2)研究費の追加支出募集について特に申し出はなかった。

3)功績賞、篠原記念賞の確認

4)シンポジウム開催予定(住宅委員会のシンポジウム開催日は12月23

  日で決定済み)

5)その他

  小員会成果報告書の一般公開について、委員構成について

3.第3回委員会(平成28年2月6日(月)メール審議)

1)省エネルギー委員会および住宅/非住宅改定検討小委員会年次報告

  書について

2)住宅/非住宅改定検討小委員会委員の所属変更等の有無について

1.第1回委員会:平成28年6月17日(月)

1)今年度予定の大阪市とのタイアップ事業について意見交換を行った。

2)指針の更新について議論を行った。

3)沖縄の住宅に関する研修について議論を行った。

2.第2回委員会:平成28年8月29日(月)

1)沖縄の木造住宅の調査を行った。

2)今年度予定のシンポジウムの内容について議論を行った。

3)指針の更新の内容について議論を行った。

3.第3回委員会:平成28年12月23日(金)

1)次年度計画書について確認した。

2)大阪市とのタイアップ事業について反省会を行った。

4.第4回委員会:平成29年2月27日(月)(予定)

1)次年度の活動内容について議論を行う。

2)大阪市とのタイアップ事業についてアンケート結果を踏まえて反省

  を行う。

3)報告の査読結果の対応

住宅指針改訂検討小委員会岩前 篤

4

省エネルギー委員会相良 和伸

3

事 業 内 容

学術調査研究事業

-76-

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委員会名 開催(委員長・主査) 回数

第1回 小委員会 平成28年4月18日(月)

1)追補執筆状況の確認を行い、内容について議論した。

2)シンポジウム開催に向けて、必要事項の確認とスケジューリング・

  役割分担を行った。

第2回 小委員会 平成28年6月27日(月)

1)追補執筆状況の確認を行い、内容について議論・精査を行った。

2)開催するシンポジウムについて、講師依頼状況・会場の手配など進

  捗を確認し、開催準備を実施した。

  ○シンポジウム開催 平成28年8月30日(火)

1)出版予定の追補の内容説明、最新事例の紹介(3題)で構成される

  シンポジウムを開催し、学会員からの意見を募った。参加者は28名

  であった。

第3回 小委員会 平成28年8月30日(火)

1)シンポジウムで出された意見の確認、反映の仕方の議論を実施。報

  告書作成の最終確認を行った。

第4回 小委員会 平成28年11月16日(水)

1)成果報告書の提出完了報告、年次報告書の審議・最終確認、及び次

  年度以降の活動内容の議論を実施した。

第5回 小委員会 平成29年2月頃 予定

1)成果報告書の査読結果如何により、修正事項・修正案の検討を実施

  予定。

 住宅設備委員会は、住宅設備に関連する多くの諸問題を調査・研究し、

会員はもとよりエンドユーザーである一般の住まい手に対しても設備に

関連する情報を提供する事を目的としている。

 本年度は、4小委員会が活発に研究活動を行った。3小委員会は、本年

度終了する。

1.震災時のトイレに関する調査研究小委員会(主査;木村洋)

   平成26、27年度の調査結果に基づいて、震災時の水洗トイレ使用

  に関する検討に必要な検討事項をとりまとめ報告書を作成した。

2.住宅設備の設計テンプレート開発小委員会(主査;柿沼整三)

   設計テンプレートの情報内容の把握(住宅設備での必要事項)と

  して図面データと各機器、資材等のリンクやデータクラスの作成か

  らデータベース化を実施し、報告書としてとりまとめた。

3.住宅設備における再生可能エネルギーの利活用方法検討小委員会

  (主査;高村秀紀)

   太陽光発電、太陽熱、地中熱などの再生可能エネルギーの導入事

  例について調査し、これまでの収集した情報や実施したケーススタ

  ディなどの結果を整理して報告書の作成を行った。

4.住宅設備のリサイクル推進検討小委員会(主査;浅野良晴 継続)

   蓄家電リサイクル法や小型家電リサイクル法の対象となっている

  家電製品のリサイクルの実態調査、海外の住宅設備のリサイクル状

  況調査を踏まえ、リサイクルを推進する際の課題を検討した。

 28年度は最終年度として、報告書の分担執筆の担当を決めるとともに、

テンプレート開発のために以下の3つの活動を行なった。

1.ワークショップの開催により、テンプレートについての意見を求める

2.住宅設備機器の選定に関するアンケート実施とそのまとめ

3.成果報告書の執筆

住宅設備の設計テンプレート開発小委員会

柿沼 整三9

非住宅指針改訂検討小委員会齋藤 輝幸

5

住宅設備委員会小野 實信

3

事 業 内 容

学術調査研究事業

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委員会名 開催(委員長・主査) 回数

 本小委員会は戸建住宅と集合住宅を対象とし、太陽光発電、太陽熱、

地中熱などの再生可能エネルギーの導入事例について調査し、これら再

生可能エネルギーの利活用方法について検討することを主目的に平成26

年度は活動を行った。見学会、勉強会、情報収集により再生可能エネル

ギーの利活用に関する情報収集に努めた。結果、太陽光発電については

今後、発電抑制がかかる可能性や余剰電力の買い取り価格の低下が想定

されることから、太陽光発電の自家消費について検討を行うべきとの結

論に達したため、平成27年度は太陽光発電の自家消費に関する情報収集

やケーススタディを行った。平成28年度はこれまでの収集した情報や実

施したケーススタディなどの結果を整理して報告書の作成を行った。報

告書の内容は以下の通り。

 第1章 序論:1.1 はじめに、1.2 活動目的、1.3 委員会活動内容、

1.4 太陽エネルギー利用と社会動向、第2章 太陽光発電を取り巻く環

境:2.1 国内の太陽光発電の動向、2.2 国内の太陽光発電の導入量と

事例、2.3 海外の太陽光発電の動向、2.4 太陽光発電普及による課題、

第3章 太陽光発電の自家消費の要素技術と課題:3.1 蓄電池の導入と

課題、3.2 電気自動車(EV)の導入と課題、3.3 ヒートポンプ給湯機

の日中運転による効果と課題、3.4 直流電源の利用と課題、第4章 太

陽光発電の自家消費の提案とケーススタディ:4.1 ZEHについて、4.2

戸建住宅を対象としたケーススタディと提案、4.3 集合住宅を対象とし

た提案、4.4 自家消費量増加のための住まい方の工夫、4.5 在宅医療

にかかわる太陽光発電・蓄電システム、第5章 まとめ

 本小委員会では、震災時に集合住宅で在宅避難をするために、マンシ

ョン管理組合、管理会社、施工会社が協力して、「震災時の上手なトイ

レの使い方マニュアル」を作成するためのガイドブック(手引き書)の

作成を目的として、平成26年度~29年度検討を行ったものである。

 集合住宅の排水設備は共有設備であり、断水時、あるいは排水設備が

被災した場合に、一部の居住者の不適切な使用によって、最悪の場合、

集合住宅全体のトイレが使用できなくなる場合も想定される。本検討は、

そのようなことが起こらないように、事前にトイレの使用ルールを定め

ておき、震災時においても健康的な在宅避難が実現できるよう計画を立

てておくことが重要であると考え、手引書を作成したものである。

 報告書の内容は以下の通りである。

  第1章 はじめに

  第2章 マンションの排水設備を知ろう

  第3章 排水設備の被災事例

  第4章 排水設備はこんなところを点検しよう

  第5章 震災時のトイレの上手な使い方マニュアルを作ろう

  第6章 バケツ洗浄をやってみよう

  第7章 震災時の上手なトイレの使い方

  第8章 おわりに

  参考資料

住宅設備における再生可能エネルギーの利活用方

法検討小委員会高村 秀紀

6

事 業 内 容

震災時のトイレに関する調査研究小委員会

木村 洋7

学術調査研究事業

-78-

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委員会名 開催(委員長・主査) 回数

1.研究の目的

   本小委員会では、家電リサイクル法及び小型家電リサイクル法で

 対象となっている家電製品のリサイクルの回収実態を明らかにする

 と共に、適正処理に向けた対策を検討することを目的としている。

2.本年度の成果

   これまでの活動として、情報収集、引っ越し時における家電処理

 のアンケート調査、見学会を行った。

1)情報収集

  PV設備等のガラス高度再資源化システムに関する研究と展望(ガラ

  ス再資源化協議会:加藤 聡 代表幹事)及び特定家庭用機器廃棄

  物回収率目標達成アクションプラン(中島 賢一 委員)の講演を

  実施し、情報の収集を図った。

2)引っ越し時における家電処理のアンケート調査

  家電リサイクル法及び小型家電リサイクル法の対象となる家電製品

  のリサイクルの実態を明らかにするため、引っ越し時における処理

  方法に関するアンケート調査を実施した。具体的には、学生の卒業

  時や、社会人の転勤や新築における引っ越しの際に、所有していた

  家電製品をどの様に処分したかを、アンケートにより調査した。ア

  ンケートの内容は、処分した家電の種類、台数、方法について質問

  している。空気調和・衛生工学会のホームページ内に設けたフォー

  ムにアクセスする方法と、アンケート用紙を配布回収する方法で調

  査した。現在までに430件のアンケートが集まっており、今後も調

  査を継続する予定である。

3)見学会

  高俊興業㈱、㈱リーテム、ミサワホーム関東資源循環センターを見

  学し、最新の処理技術を学ぶ事ができた。

3.今後の予定

   平成29年3月29日13:30~15:00に空気調和・衛生工学会会議室にて、

 ”住宅設備のリサイクルの現状”のテーマでシンポジウムを開催する。

 その内容は、次のとおりである。

①趣旨説明               浅野 良晴(信州大学)

②家電リサイクルの実態         村上 洋二(三菱電機㈱)

③引越し時における家電処理のアンケート調査結果 

                     岩井 一博(信州大学)

④住宅設備のリサイクル推進検討小委員会の意義 

                     中島 賢一(㈱リーテム)

⑤ディスカッション及びまとめ(報告書原案)

                     浅野 良晴(信州大学)

住宅設備のリサイクル推進検討小委員会

浅野 良晴7

事 業 内 容

学術調査研究事業

-79-

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委員会名 開催(委員長・主査) 回数

 本委員会は、施工および保全業務における要素技術およびプロセスの

研究を行い、併せて学会の施工・保全分野に従事する会員への還元・貢

献を図る事を目的として、7小委員会の活動を承認した。

 今年度は、次の小委員会の活動に対する支援・指導を行った。

1.次の小委員会(H28年度終了)の報告書を受付けた。

  なお、成果報告書の遅れ(③④)があり、1月末に事務局に提出した。

1)工場における空調設備による汚染リスク検討小委員会(鳥濱主査)

2)品質向上のための設計へのフィードバック指針の実践的研究小委員

  会(小島主査)

3)施工・保全における安全・品質向上の手法検討小委員会(割石主査)

4)施工図作成ガイドライン検討小委員会(笠置主査)

2.次の小委員会の次年度継続を承認した

1)トラブル活用情報小委員会(継続)

2)未来都市・施設のためのSBCM小委員会(継続)

3.次の小委員会の次年度から新規活動開始を承認した。(H29年度~H31

  年度)

1)施工図ガイドライン小委員会(加藤主査)

2)取扱説明書作成ガイドライン検討小委員会(花房主査)

3)安全性を重視した建築・設備のリスク及び回避手法の定量化に関す

  る調査検討小委員会(割石主査)

4.本年度大会(鹿児島)において、施工・保全委員会としてOSを開催

  した。

5.功績賞に次の小委員会の成果報告書を推薦した。

1)成果報告書「腐食・劣化写真データベースの構築と空調配管の信頼

  性向上に関する研究」

 (空調配管の信頼性向上と腐食・劣化事例データベース作成小委員会、

  H25~H27年度)

 工場施設における建築・設備の汚染リスクについて、トラブノレが多

くリスクにつながりやすい換気を中心として、基礎的な調査研究を実施

した。

 また、多面的な見方から事例が把握しやすく、トラブルが多くリスク

につながりやすい事例を取り上げた。

 今後の課題としては、災害事例の調査・収集のなかで調査した事例の

詳細な分析結果から、工場における安全対策による災害リスクの低減を

まとめ、傾向と特徴を検討し、汚染リスクのみならず、工場におけるす

べてのリスクに通じる削減方法のために解析リスク評価の確立を図る。

 なお、今後の課題は関連の委員会に、引き継ぎ、議論する予定である。

事 業 内 容

工場における空調設備による汚染リスク

検討小委員鳥濱 博

9

施工・保全委員会飯田 徹

3

学術調査研究事業

-80-

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委員会名 開催(委員長・主査) 回数

1.平成28年度空気調和・衛生工学会大会(鹿児島大学)に以下の3編を

  施工・保全委員会OSで発表を行った。

1)第13報 最近の建築設備業における災害の傾向

2)第14報 建築設備業A社における熱中症発生状況の実態調査

3)第15報 建築施工・保全現場おける労働環境の熱中症予防に関する

  実験的研究

 ①上記の論文は、平成27年度「施工・保全における安全・品質向上の

  手法検討小委員会」の検討内容の結果をもとに内容の検討を加え作

  成された。

 ②発表に関する評価を行った。

2.当小委員会は今年度が最終年度になり、終了報告書の作成に取り掛

  かった。

  過去3年間度空気調和・衛生工学会大会にて講演発表した8~15編の

  論文を集約して報告書とすることとした。

 ①終了報告書、委員会終了申請書(委員会成果報告書概要)、平成28年

  度 年次報告書を作成

3.来年度新規小委員会の設置申請についてともに今年度終了する施工・

  保全における安全・品質向上の手法検討小委員会及び工場における

  空調設備による汚染リスク検討小委員会が合併して、来年度新規小

  委員会を発足することとした。

 ①新規設置申請書を作成

 施工図にどのような情報を記載しなければならないかを検討し、統一

したルールであるガイドライン案を作成することにより、作図者や経験

不足等による施工図のばらつきをなくし、施工後のトラブルを未然に防

ぐことを目指し、最終年度(設置期間:平成26年4月~平成29年3月)で

ある本年度は3つのワーキンググループの成果をまとめ、報告書を作成

した。ただし、期初に目標にしていたガイドライン案の作成にまでは至

らなかった。

1.現状把握のためのアンケート調査WG

  施工図作成に関するアンケート調査を「作図者・承諾者」と「施工者」

  に分けて実施した結果、施工図に関する作図者側と施工者側からの

  様々な意見や要望を収集することができ、施工図に記載すべき情報

  の抽出を行うことができた。

2.施工に係る手直し、トラブルの収集WG

  施工後の不具合事例を収集し、その中から施工図に起因すると思わ

  れる事例を抽出した。類似した不具合事例が多いことも確認された。

  不具合事例より、不具合を発生させないために「施工図に記載すべ

  き内容」の抽出を行い、施工図を作成する部位ごとにまとめた。

3.施工図の運用方法の検討WG

  アンケート結果より工期の短縮や施工図承諾の複雑化が施工図作図

  時間確保の妨げとなり、不備のある施工図を作成する一因であるこ

  とが判明した。模範的な施工図作成から承諾までの運用におけるル

  ールの検討を行った。

各ワーキンググループの成果を報告書としてまとめた。

施工図作成ガイドライン検討小員会笠置 雄次

11

事 業 内 容

施工・保全における安全・品質向上の手法

検討小委員会割石 浩幸

6

学術調査研究事業

-81-

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委員会名 開催(委員長・主査) 回数

 年次計画書に則り、以下の活動を行った。

1.他業界の設計へのフィードバック事例を、昨年度調査した自動車業

  界業界に加えて、昇降機設備および機械式立体駐車場設備の事故事

  例およびその後の安全対策について研究した。

2.設計に起因する多種・多様な品質不具合のうち、どのレベルをフィ

  ードバックするかの判断基準を定めた。

  その判断基準は、リスクの大・小や品質不具合の質ではなく、若年

  者の設計者が増加中であることを踏まえ、設計者の認知度50パーセ

  ント以下と決めた。

3.次に、フィードバックするための『情報収集シート』を作成する目

  的で、前回小委員会で収集したトラブル事例より抽出した、設計に

  フィードバックすべき61のトラブル重要事例シートを参考にしシー

  トに記載すべき項目を、11項目と決めた。

  そして、データー収集後検索できるよう、分類可能なシートと分類

  機能も足した。

4.実際に、『設計へのフィードバック情報収集シート』をトラブル10

  事例で使用して、そのシートの最終校正を行った。

5.この3年間の小委員会成果報告書を作成した。

 トラブルの防止を目的として、過去のトラブル事例を収集し、情報と

してまとめ学会員へ広める活動を行った。

 具体的な活動について、以下に示す。

1.トラブル情報の収集と情報シートの作成

   トラブル情報の収集を継続して実施し、トラブル情報シートやコ

  ラムとしてまとめた(作業継続中)。

2.情報の公開

   成果品であるトラブル事例シートやコラムを引き続き、学会誌に

  掲載した(作業継続中)。

   学会誌に掲載したトラブル情報シートを学会ホームページに継続

  的に追加公開した(作業継続中)。

品質向上のための設計へのフィードバック指針の実践的研究小委員会

小島 和人

7

トラブル情報活用小委員会前田 幸輝

9

事 業 内 容

学術調査研究事業

-82-

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委員会名 開催(委員長・主査) 回数

 年次計画書をベースにして、以下の活動を行った。

1.昨年度に実態調査を行った、スマート地区(アオーレ長岡、柏の葉

  スマートシティ、田町駅東口北市区についてSBCM(スマートなBCM)

  の観点でリスクを考察し、2020年の東京オリンピック・パラリンピ

  ックの事業者の視点で、開催後の関連地域のSBCMの要件などについ

  て議論した。

2.本委員会の前身である「施設運営のためのSBCM小委員会」で検討し

  たMM21(みなとみらい21)の成果を東京都の中心部業務地域に展開

  する手法を検討した。

3.東京都の中心部をターゲットとして、東京都の地域防災計画や長期

  ビジョンに基づき2050年の姿を想定しSBCMのための要件、リスク項

  目、利用技術、適用方法、事業継続の視点での評価などについて検

  討を開始した。

4.広範な検討対象(リスク、対応技術など)から専門性を生かせる範

  囲を絞り込む作業を開始した。

5.最終報告書として成果をまとめる準備を開始した。

 本小委員会の研究テーマの一つである「冷却水系統の設計・施工・維持

管理に関するガイドライン化の検討」を行うために、以下の活動を行っ

た。

1.情報の収集

1)冷凍機銅チューブに発生した腐食事例について、委員の情報を集め

  ることで現状の問題点を把握した。

2)熱交換器銅チューブの腐食に関わる文献について、1950年頃に報告

  された基本的なものから最新の情報が記されている2016年のものま

  で、23件収集した。(収集のみ)

2.工場見学

1)2/16に下記工場を見学し、銅チューブ製造時や熱交換器製作時にお

  ける現状の品質管理方法を確認した。

 ①㈱コベルコマテリアル銅管 秦野工場(神奈川県秦野市平沢65)

 ②新晃空調工業㈱ 神奈川工場(神奈川県秦野市菩提160番地の1)

3.メンバーの増強

1)新たに冷凍機メーカー、水処理メーカ、銅管業界団体などから、委

  員として参画していただいた。

未来都市施設SBCM小委員会藤井 修二

7

設備機器・配管の信頼性向上小委員会松川 安樹

9

事 業 内 容

学術調査研究事業

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委員会名 開催(委員長・主査) 回数

 平成28年度の活動内容は以下のとおり。

1.小委員会の研究内容について意見交換

  以下の3つの小委員会の研究内容について意見交換を行った。

1)環境負荷削減技術検討小委員会

2)環境配慮建築アクションプラン小委員会

3)環境配慮・防災併活用設備システム計画小委員会

2.その他の意見交換および情報交換

  以下の事項について意見交換および情報交換を行い、小委員会の活動

  方針との関連付けを検討した。

1)研究委員会の報告及び関連事項の審議

2)低炭素社会推進会議の内容報告(岩本委員)

3)学会設立100周年記念パンフレット 環境と空気・水・熱WGの状況報

  告(佐藤正章委員)

4)他団体の海外事例調査情報に関する意見交換(市川委員)

5)委員会ファイルページ(WEBコミュニケーションシステム)の運用方

  法の検討

6)委員会への若手・女性の委員参加に関する審議

  ほか

 本小委員会の活動計画は、前年度の環境配慮建築アクションプラン検

討小委の成果を踏まえて、

1.標準的な規模の事務所建築等を対象とした年間シミュレーションを

  基本的な方法とする。

2.2030年の建築設備として普及が期待される技術として、外気冷房、

  昼光利用、BEMS、照明自動消灯の4つとする。

3.自然エネルギー導入のポテンシャルをきめ細かく精度高く推定する

  こと、バックキャスティングによる将来の建築設備の想定の2点を

  今後の方針とし、地中熱・クールピット利用、オンデマンド制御、

  自然エネルギー使用に関する定量的知見を集めることとする。

4.低炭素社会推進会議やAIJ低炭素社会推進・技術分野WGなどと情報交

  換の4つを基本方針とする。

 平成28年度では、平成27年度の結果をうけて、パッシブ技術の省エネ

ルギー効果が小さいことから東西に長いプランを用いて、②・③におけ

る技術として外気冷房、昼光利用、照明自動消灯の3つを条件として、

具体的なシミュレーションによるケーススタディを行い、その省エネル

ギー効果を試算している。その他、全熱交換器、高効率ヒートポンプ、

窓面積率の変更や断熱強化、水平ルーバーによる日射遮へい、ナイトパ

ージ、二重屋根による最上階の日射遮へいとPV設置面積の向上を挙げて

検討を行った。

 平成28年度の空衛学会大会では中間報告を行ったが、そのおりに十分

紹介できなかった、低炭素社会推進会議の活動報告を報告書に取り入れ

る予定である。

 また、今年度の活動の一環として、市川委員から2016年5月の欧州に

おけるスマートエネルギーシステム視察結果と岩本主査から「生長の家

・森の中のオフィス」「ヤンマー本社ビル」見学について、勉強会を開

催した。

環境配慮建築アクションプラン小委員会

岩本 靜男5

地球環境委員会桂木 宏昌

5

事 業 内 容

学術調査研究事業

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委員会名 開催(委員長・主査) 回数

 本小委員会の目的は、最新の環境負荷削減技術の動向の調査、及び各

要素技術の情報収集、整理を通して、技術の開発、普及促進を図り、地

球温暖化対策を中心とした環境への取組みに学会として寄与することで

ある。環境負荷削減技術の進化は日進月歩であり地球環境だけでなく、

健康、社会、経済の要求に応じて大きく変化している。以下の活動を実

施する計画である。

【初年度】・環境負荷削減技術の情報収集。技術普及のための方策検討。

     ・環境負荷削減技術の解説シート作成方針の設定。

【2年度】 ・運用レベルの対策に見られる環境負荷削減技術の調査。

     ・環境負荷削減技術解説シートの作成。

【3年度】 ・環境負荷削減技術がもたらす便益について整理し体系化す

      る。

     ・環境負荷削減技術解説シートの完成。

 第2年度の平成28年度は、環境負荷削減技術の運用段階、その他の取

り組みについて情報を収集し、また、環境負荷削減技術解説シートの作

成に着手した。

 従来、建築設備計画では、地球環境問題を背景に省CO2化・省エネル

ギー化など、平常時の環境配慮技術が重要視されてきた。東日本大震災

を機にライフライン機能停止・低下時における建物の災害時機能継続技

術を重要視されてくるようになった。そして、その両者を考慮した設備

計画がなされた設備計画事例が増えてきた。そこで本小委員会では、そ

れらの事例を収集した後、そこに採用されている技術を体系的に整理し、

環境配慮・防災併用型設備システム計画のガイドラインあるいはマニュ

アルを作成することを目的としている。

 昨年度に引き続き、病院、庁舎、オフィスビル、スマートコミュニテ

ィ等の省エネ設備と非常時の機能維持設備の設計事例を収集した。次に、

事例技術を整理するためのフォーマットを作成した。これは縦軸:省エ

ネ設備技術(6中項目:負荷抑制、自然エネルギー利用、機器の高効率

化、再生可能・未利用エネルギー利用、節水、エネルギーマネジメント)

と横軸:機能維持設備技術(5中項目:環境・機能維持技術(2項目)、

ライフライン補完技術(2項目)、防災マネジメント)から構成される。

最後に、現在までの活動成果を以下の5項目に整理した。

1.環境配慮・防災併活用設備の動向と考え方

2.建物単体の設備設計事例

3.街区・地区の設備設計事例

4.技術の事例

5.環境配慮・防災併活用設備の整理

事 業 内 容

環境負荷削減技術検討小委員会村上 正吾

5

環境配慮・防災併活用設備システム計画

小委員会村上 公哉

5

学術調査研究事業

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Page 24: 6.調査資料収集の実施に関する事項...1)天パーソナル吹出し口の開発に関する事例紹介を受けた。既存ビ ルへの展開も可能なベースのアネモ吹出し口と一体となったパーソ

委員会名 開催(委員長・主査) 回数

1.設備耐震対策小委員会の活動内容の確認、作業進捗状況の確認と支援

【小委員会活動内容】

  以下の報告があり、質疑や議論を行った。

  本年度は、4月14日から16日にかけて発生した熊本地震に伴い、「平

 成28年 熊本地震災害状況調査団」を組織し関連学協会と連携し、7月

 11日から13日の期間に現地調査を実施した。

  調査先は、19件となり、2班構成で現地調査と施設管理者へのヒア

 リングを実施した。

  本年度の空気調和衛生工学会鹿児島大会において調査速報の発表を

 行った。

  調査報告書を執筆し、学会HPに掲載を行った。(現在最終チェック

 中)

  また、調査データは、会員のみ閲覧が可能な形で学会HPに掲載する

 予定である。

  更に関連団体と連携し熊本地震におけるアンケート調査も実施して

 おり、継続して整理を行い、設備耐震と地震後の設備機能継続に関す

 る知見をまとめる。

2.火災安全小委員会の活動内容の確認、作業進捗状況の確認と支援

【小委員会活動内容】

1)法適合に向けた既存建築物の排煙改修手法に関する課題の整理

   既存不適格建築物は建築基準法第86条の8に基づき、法適合に必

  要な段階的な改修を進めるための課題整理と具体化に向けた検討を

  行う動向がある。本小委員会では、法適合に向けた既存建築物の排

  煙改修の手法として着目されている階段加圧システムについて適用

  条件の整理を行い具体的な対応策についての議論を行った。

2)火災安全に関わる話題の共有

   継続議題である「防災機器類の管理運営上の課題」、「現行の排

  煙検査の課題」について、話題提供を行い、小委員会のメンバー間

  の情報共有を行った。

 本年度は、4月14日から16日にかけて発生した熊本地震に伴い、「平成

28年 熊本地震災害状況調査団」を組織し関連学協会と連携し、7月11日

から13日の期間に現地調査を実施した。

 調査先は、19件となり、2班構成で現地調査と施設管理者へのヒアリ

ングを実施した。

 本年度の空気調和衛生工学会鹿児島大会において調査速報の発表を行

った。

 調査報告書を執筆し、学会HPに掲載を行った。(現在最終チェック中)

 また、調査データは、会員のみ閲覧が可能な形で学会HPに掲載する予

定である。

 更に関連団体と連携し熊本地震におけるアンケート調査も実施してお

り、継続して整理を行い、設備耐震と地震後の設備機能継続に関する知

見をまとめる。

事 業 内 容

安全・防災委員会森山 修治

2

設備耐震対策小委員会木村 剛

10

学術調査研究事業

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委員会名 開催(委員長・主査) 回数

1.法適合に向けた既存建築物の排煙改修手法に関する課題の整理

   既存不適格建築物は大改修も増築もできない状況のため、建築基

  準法第86条の8に規定された制度に基づき、既存不適格建築物の法適

  合に必要な段階的な改修を進めるための課題整理、ルールの具体化

  に向けた検討を行う動向がある。

   そこで本小委員会では、法適合に向けた既存建築物の排煙改修の

  手法として着目されている階段加圧システムについて、まずは適用

  条件の整理を行うことにした。現時点での課題には階段部分の抵抗

  の設定、給気口の位置扉の開閉の影響、煙突効果の影響などがあり、

  それらの対応策について議論を行った。

2.火災安全に関わる話題の共有

   これまで本小委員会で話題として挙がった「防災設備機器類の管

  理運営における課題点」、「現行の排煙設備の課題(排煙検査など)」

  について、検査事例や測定対応等の話題提供を行い、本小委員会の

  メンバー間の情報共有を行った。

 当委員会では、以下の傘下の小委員会活動状況の確認と、親委員会(研

究委員会)からの情報伝達などを行った。

 また、委員会予算の執行状況の確認および功績賞の推薦に関わる審議

などを行った。

1.室内空気質小委員会

2.高効率換気システム小委員会

3.換気問題へのCFDの適用性検討小委員会

4.BIM・CFDパーツ開発応用小委員会

 本小委員会はこれまで12回の委員会(初年度5回、2年目5回、3年目2回)

を開催し、国内・海外関連文献計40点以上を収集し、①室内CO2濃度の実

態、②CO2による健康影響、③CO2濃度の基準値、④必要換気量設計のた

めのCO2濃度、⑤CO2濃度と知的生産性、について議論を重ねてきた。

 また、2016年7月11日にシンポジウム「必要換気量について考える」を

開催し、会場を埋め尽くす来場者があった。シンポジウムにおいて、演

者と参加者間で議論行い、“室内空気質のための設計換気量は室内・屋

外CO2濃度差700ppmの条件で行う”との共通認識を持つことができた。

 3か年の研究成果報告書を昨年10月に設備委員会のチェックを得て、

上部委員会に提出した。現在のそコメントを待っている状況である。修

正意見があれば、必要に応じて委員会内でメールでの審議を行い、適切

に対応できるようにする予定である。

室内空気質小委員会柳 宇

5

火災安全小委員会金谷 靖

5

事 業 内 容

換気設備委員会近藤 靖史

4

学術調査研究事業

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委員会名 開催(委員長・主査) 回数

 当年度は4回(うち1回は2017年2月7日実施予定)の活動を実施した。

各回における主な実施内容を以下に示す。

1.第1回(2016年6月9日実施)

 1) 当小委員会の活動方針に関する議論

 2) [話題提供] 業務用クリーニング工場内の温熱環境

2.第2回(2016年9月1日実施)

 1) 関連する改定小委員会の動向

 2) [話題提供] 置換換気方式を導入した食品工場の温熱環境

3.第3回(2016年12月15日実施)

 1) S102改定小委員会の活動状況

 2) [話題提供] 煎餅工場・データセンターを対象としたCFD解析、飲

  料工場等における換気対策事例

4.第4回(2017年2月6日実施予定)

 1) 基準化居住域濃度の測定事例集約(文献整理)

 本小委員会は本年度5回(年度内にもう1回開催予定)の委員会を開催

し、下記について議論・検討を行った。

1.CFDによる室内環境解析に関するガイドブック出版を目標に、各委員

  による原稿の執筆、委員間における内容のレビューを繰り返し実施し、

  内容の精査を行った。特に、初学者や実務者をターゲットとする事を

  念頭に、現在出版されている書籍の内容調査や企業所属の委員の意見

  を参考にしたチェックスキームの作成等、CFD初学者のために有益な

  情報提供が可能となるような内容の検討を行った。また、委員に関連

  のある出版社を数社選定し、現在、出版に向けて協議中である。

2.各委員が所有する実験結果・計算結果・知見等を持ち寄り、一般のCFD

  ユーザーが利用可能な室内環境のベンチマークテスト作成を行った。

  研究レベルではなく、初学者による計算条件・結果の確認等が可能と

  なるように委員間でレビューを繰り返し、内容の精査を行っている。

3.国際会議等で発表されたCFDによる換気・室内環境関連の研究論文や

  海外の研究機関で実施されているベンチマークテスト、理論的背景の

  記載のある国内論文等についての調査を行い、内容を委員間で共有し

  た。

高効率換気システム小委員会甲谷 寿史

5

換気問題へのCFDの適用性検討小委員会

倉渕 隆6

事 業 内 容

学術調査研究事業

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委員会名 開催(委員長・主査) 回数

 本小委員会では、前身のCFDパーツ化とBIM応用小委員会(平成25〜平

成27年度)の活動を引き継ぐ形で、傘下のBIMシミュレーションWGにおい

ては建物モデリング・熱負荷計算・CFDの連携に必要なデータ仕様の検討、

CFDパーツ化WGにおいては室内空気環境予測におけるCFDのための空調吹

き出し口パーツの作成を行っている。平成28年度は、以下を行った。

1.BIM連携シミュレーションのケース(事例)スタディ: 実務レベルに

  おけるBIMとシミュレーション連携の実証を目的に、実在ビルの1フロ

  アをモデルに、建物形状以外のBIM情報をCFDソフトウエアに連携させ

  るための検討を開始した。

2.更なるシミュレーションとの連携に向けたBIM仕様の検討: BIMと総

  合的な環境シミュレーションの連携に向け、BIMライブラリーコンソ

  ーシアムで作成中の標準仕様書に付加されることが望まれるシミュ

  レーション情報を網羅的に洗い出す検討を行った。また、各種のCAD、

  CFD、熱負荷計算ソフトウエアにおけるBIM連携の現状に関するリサ

  ーチを行った。

3.CFDパーツの公開に向けた作業:これまでに作成したライン型、4方

  向カセット型、アネモ型の3種の吹出し口のCFDパーツについて、公

  開に向けた案内文や免責事項も含めたホームページ文案の作成、お

  よび公開サーバスペースの準備を、親委員会の換気設備委員会およ

  び事務局と連携しながら行った。現在、案内文のテキストは概ね完

  成し、HTML形式ページの作成、CFDパーツデータのパッケージングな

  どを行っているところである。

4.モーメンタム法に基づいたCFDパーツの作成に向けた検討:1.で公

  開作業中のCFDパーツにおいては、境界面上の流速が直接的に与えら

  れるのに対し、運動量を体積力で与えることで到達距離などの精度

  の改善を図る、モーメンタム法に基づいた次世代パーツの開発を行

  っている。試作パーツを室内環境解析に適用し、複数のCFDソフトウ

  エアによる解析結果の相互比較、および実測との比較を含めた検証

  計算を行いながら、最適な運動量の付与方法を検討した。

BIM・CFDパーツ開発応用小委員会大嶋 拓也

5

事 業 内 容

学術調査研究事業

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