節電に対する人々の意識~東日本大震災が与えた影響~
TRANSCRIPT
アドベンチャー杯にかける意気込み
• 情報と科学の授業を受けるうちに次第に統計学に興味を惹かれ、たくさんの人が納得して心を動かされるような分析を自分でも行ってみたいと考えた。
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(本項目については、本選でのプレゼンテーション発表での説明を省略可とします。)
分析のプロセス
• JSTタイプAの日経BP社雑誌記事データをExcelで表示し、言葉ごとにフィルターをかけて出現の時期と頻度を調べた
• 「節電」という言葉がみられる記事数について調べた
• 消費電力量の多い電化製品「エアコン」「冷蔵庫」「テレビ」「LED」という言葉がみられる記事数について調べた
• 節電と関連があるとして、「省エネ」という言葉がみられる記事数について調べた
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(複数ページにわたっても構いません。本項目については、本選でのプレゼンテーション発表での説明を省略可とします。)
「節電」という言葉がみられる記事数
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10
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2010年 2011年 2012年
「節電」という言葉がみられる記事数
プリンターの
節電モードについての記事
・技術開発に関する記事・電力不足を懸念する、またその対策についての記事
(↑2010年にはみられない)
以後、2011年と2012年を中心に比較
「節電」に対する意識の変化①
• 2010年から2011年にかけて
記事数が急激に増加している
• 2010年と2011年以降の
記事では趣旨が異なる
理由として
• 2011年3月の
東日本大震災が影響
していると考えられる
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1
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0
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2010年 2011年 2012年
「節電」という言葉がみられる記事数
急激に増加!
「節電」に対する意識の変化②
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• 2011年から2012年にかけて
記事数は半数以下に減少している
人々が忘却して
しまったのではないか
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2010年 2011年 2012年
「節電」という言葉がみられる記事数
半数以下に減少
震災以降で「節電」という言葉がみられる記事数
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0
5
10
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20
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30
2月 4月 6月 8月 10月12月 2月 4月 6月 8月 10月12月 2月 4月 6月 8月 10月12月
月ごとの記事数の変化
2011年 2012年2010年
2011年7月に最も記事数が多い
2011年12月の記事数は10これに対して
2012年12月の記事数は0
震災後の節電に対する意識
• 記事が多く掲載されたのは2011年7月
冷房の使用などで消費電力の多くなる夏を前にして電力不足が懸念されたため
• 2011年12月に記事数が増加
1年間を振り返り総括する記事が多く書かれたため
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0
5
10
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2月 4月 6月 8月 10月 12月 2月 4月 6月 8月 10月 12月 2月 4月 6月 8月 10月 12月
月ごとの記事数の変化
出典:
資源エネルギー庁平成22年度
省エネルギー政策分析調査事業
「家庭におけるエネルギー消費実態について」
全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト
(http://www.jccca.org/)より
電化製品の消費電力量に対する割合
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消費電力量の多い
電気冷蔵庫 エアコンテレビ 照明器具
について調べてみよう!
「節電」と「エアコン」についての記事数を比較
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0
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3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
節電
エアコン
記事数は同じよう
に変化している
月ごとの記事数の変化
2011年 2012年
「節電」と「冷蔵庫」についての記事数を比較
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0
5
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3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
節電
冷蔵庫
2011年
冷蔵庫と節電の記事数の変化に共通点は見当たらない
月ごとの記事数の変化
2012年
節電において「冷蔵庫」が注目されなかった理由
• エアコンとは異なり、「冷蔵庫」は食べ物を保存するために一日中電気を使用しなければならない
つまり、設定温度を変えるというような
簡単な操作で節電することは難しい
• 節電効果がエアコンほどは期待されなかった
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「節電」と「テレビ」についての記事数を比較
0
5
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1月 3月 5月 7月 9月 11月 1月 3月 5月 7月 9月 11月 1月 3月 5月 7月 9月 11月
節電
テレビ
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2010年 2011年 2012年
月ごとの記事数の変化
テレビの記事数に多少の増減はあるが節電との共通点はみられない
節電において「テレビ」が注目されなかった理由
• 情報を得るために「テレビ」は必要である
• 消費電力について考えること自体が少ない
• しかし、「テレビ」の観賞時間を減らすことでも節電効果が期待できるのではないか
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「節電」と「LED」についての記事数を比較
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1月 3月 5月 7月 9月 11月 1月 3月 5月 7月 9月 11月 1月 3月 5月 7月 9月 11月
節電
LED
2010年 2011年 2012年
LEDの記事数は震災前後でこれといった
変化が見られない
月ごとの記事数の変化
「LED」に関する記事の内容の変化
同じ「LED」であっても扱い方が変化「技術の進化」の象徴から「節電方法の紹介」へ
震災前の例
• 米Apple社は2010年6月7日,新型のスマートフォン「iPhone 4」を発表した。16Gバイトおよび32Gバイトのフラッシュ・メモリを搭載した2機種を用意する。16Gバイト品の米国価格は199米ドル,32Gバイト品は299米ドル。日本ではソフトバンクモバイルが同月24日に発売する。 3.5型のIPS液晶ディスプレイ,LEDバックライトを搭載する。
(Mon, 28 Jun 2010 日経エレクトロニクス ニュース・ランキング)
震災後の例
• 2011年3月11日に東日本を襲った地震と津波の影響により、関東地方や東北地方は深刻な電力不足に陥った。停止した原子力発電所を補うべく新たな発電設備の必要性が高まるとともに、電力消費の抑制が喫緊の課題になっている。 中でも、即効性があるとして関心が高まっているのが、照明の“LED化”だ。照明は、日本全体の電力使用量の約2割を占める。
(Mon, 30 May 2011 日経エレクトロニクス
第1部<総論> 史上最高効率と最安が目前に 特集LEDすべてを照らす)
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「節電」と「省エネ」についての記事数を比較
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1月 3月 5月 7月 9月 11月 1月 3月 5月 7月 9月 11月 1月 3月 5月 7月 9月 11月
節電
省エネ省エネの記事数は震災前後で変化がみられない
月ごとの記事数の変化
2010年 2011年 2012年
「省エネ」に関する記事の内容の変化
震災の影響を受けた「省エネ」「より良い暮らし」から「電力不足への対策」のために
震災前の例
• 建機メーカーの製品カタログにはこうした言葉が並び、自社製品の改良や省エネ性を訴えている。しかし、その横には小さく「当社従来機比」「社内基準で試算」の文字。同じメーカーの従来機とは比べられるが、競合メーカーの製品との違いは分からない。これは、各社の燃費測定方法が共通しておらず、表示が統一されていないためだ。 ただ、「低燃費」の追求には各社余念がない。
(Mon, 05 Apr 2010 日経ビジネス 時事深層:曖昧な建機の燃費基準)
震災後の例
• 開発期間わずか3カ月。震災後に着手し、異例の速さで商品化した東芝のテレビに注文が殺到している。来るべき夏場の電力不足問題によって、消費者の節電に対する意識はこれまでになく高まっている。だが、実際に売れているのは、LED電球や扇風機など省電力を売りにした一部の商品のみだ。 テレビの場合、バックライトのLED化が一巡して以降は、大きな省エネの進化は望めない。
(Mon, 06 Jun 2011 日経ビジネス
先行企業に学ぶ 震災は逆風ではない 特集 消費者こう変わる 全国5000人意識調査)
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節電の記事数と比較したもの まとめ
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比較したもの 結果
エアコン 節電とともに注目度が高まった→節電効果が期待できる
冷蔵庫 変化なし→節電の効果があまり期待できないのではないか
テレビ 変化なし→人々の意識によっては節電効果が期待できたのではないか
LED 変化なし→記事の内容、LEDの扱い方が変化
省エネ 変化なし→記事の内容、省エネの目的が変化
まとめ
• 東日本大震災によって、人々の節電に対する意識が高まった。
• 節電に伴い、消費電力量の多い「エアコン」に注目が集まった。
• 震災前後で雑誌の記事数に変化が見られない言葉であっても、東日本大震災の影響を受けて紹介のされ方や扱い方が変化した。
↓しかし、人々は忘却してしまう。
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