5社合同選考と採用変革への試み

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5社合同選考の取り組みに隠された変革への試み ~「合同」は、採用のあらたなアルゴリズムとなりうるか?~ 2013.07.24 @ COYOTE CLUB WORKSHOP http://coyo-te.co.jp/ アイティメディア株式会社 浦野平也

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2013/7/24 COYOTE WORKSHOPにて、「5社合同選考」の取り組みの話をさせていただきました。 http://coyo-te.co.jp/

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Page 1: 5社合同選考と採用変革への試み

5社合同選考の取り組みに隠された変革への試み

~「合同」は、採用のあらたなアルゴリズムとなりうるか?~

2013.07.24

@ COYOTE CLUB WORKSHOP

http://coyo-te.co.jp/

アイティメディア株式会社 浦野平也

Page 2: 5社合同選考と採用変革への試み

2014新卒採用において、5社で「説明会、一次選考まで合同で行う」という試みを行いました。 選考を企業が合同で行うのは、もしかしたら、日本で初めての試みかもしません。

なぜそんなことを行ったのか? その意味は? そして、どのように行われたのか? 今日は、そのあたりを、5社の人事より話しさせていただきます。

Page 3: 5社合同選考と採用変革への試み
Page 4: 5社合同選考と採用変革への試み

個人的なゴールは

「ここにいるみんなで何か企みますか」

Page 5: 5社合同選考と採用変革への試み

http://www.slideshare.net/itm11shin

Page 6: 5社合同選考と採用変革への試み

#webv5

Page 8: 5社合同選考と採用変革への試み

(自己紹介に替えて) 弊社の挑戦、取り組み

■2009~ ・Twitter採用アカウント ・手書き履歴書撲滅 ・説明会のライブ配信、twitter説明会、アーカイブ ■2010~ ・Facebook採用ページ ・ESのベータリリース ・Skype面接 ■2011~ ・面接しない選考 ■2012~ ・Web5社による合同業界説明会 ・母集団削減運動

■2013

・年齢制限なし

・5社合同選考 ←今日はここの話

ソーシャル 創成期

プロセス 変革期

ソーシャル 第二期

いろいろ、先駆けて、結果を出してきた(つもり)

Page 9: 5社合同選考と採用変革への試み

考えていることは3つだけ。

1. 僕らは採用弱者である 2. 「学生の共感」という活路 3. Webの思想を具体化すべき

Page 10: 5社合同選考と採用変革への試み

次の方向は1つ。

1社で出来ることを超える「レバレッジ」

Page 11: 5社合同選考と採用変革への試み

INDEX:

5社合同選考に照らして。

セオリー&実践。

0. 仕組み

・5社合同選考とは?

1. 僕らは採用弱者である ・まずは知ってもらう ・各社の告知・集客の得意・不得意

2. 「学生の共感」という活路 ・タイムリーor定番なトピックに対応 ・正しいメリット設定

3. Webの思想を具体化すべき ・横のつながり ・フラット、双方向 ・まず、やってみる

Page 12: 5社合同選考と採用変革への試み

0. 仕組み 5社合同選考とは?

Page 13: 5社合同選考と採用変革への試み

いわゆる合説(+面談会)で共同戦線

5社合同説明会

5社各ブースで告知。1社で面談◎なら、5社分◎

1回の説明会で5社の共通点・相違点がわかる

5社合同選考 1回で、5社すすむ 各社の個別判断、全社からフィードバック

各社選考

このイベントの 出展5社に声をかけたのが始まり

最後は取り合うのが健全

“どこかの1社に興味を持つと、5社に出会う。 ”

各社選考 各社選考 各社選考 各社選考

Page 14: 5社合同選考と採用変革への試み

いわゆる合説(+面談会)で共同戦線

5社合同説明会

5社合同選考

100名招待

80名参加

42名参加

2012.

12.12

2012.

12.27

2013.

1.27~

28名次へ

Cost: 6万円/1社

5社 ◎ 2割 1~4社◎ 6.5割 0社 ◎ 1.5割

数名の内定へ

各社選考 各社選考 各社選考 各社選考 各社選考

Page 15: 5社合同選考と採用変革への試み

■今回の目的: ・ 通常の自社エントリーで出会えない学生と、なるべく多く出会う ・ 各社の採用活動の認知向上

■アプローチする人物像: ベンチャーマインド(主体性、新しい感性、自信、挑戦行動)

■方法: 通常とは異なる方法で集客する → 「5社合同」の明確な打ち出し → 「説明会」だけではなく、「選考」までやりきる

※合同選考の内部資料(2012/11/29 第1回提案資料) より抜粋

企業側のねらい・メリット

Page 16: 5社合同選考と採用変革への試み

学生側のメリット (※5社合同選考の告知ページより抜粋)

「1回で 一次選考 5社分。 5社同時通過も、あり。 」

どの会社でも同じようなことを面接で聞かれ、何回もESを書いて。

そのたびに自筆の履歴書を準備して。

説明会にも何回も足を運ぶ。スケジュールをやりくりして、

電車賃をかけて。そして、そのたびに授業を休む。

企業の都合で就活生は大変だ。

説明会も、同じような一次選考も、各社合同でできないの?

本質論は、「各社の選考基準の違いと、たくさんのフィードバック」

Page 17: 5社合同選考と採用変革への試み

もう一つのメッセージ。(両者にとってのメリット)

「見つけられなかった企業」は、 あなたが「行くべき企業」だった かもしれない。

Page 18: 5社合同選考と採用変革への試み

すること 1. 告知・集客を相互補完 2. 情報提供の機会を創出 3. 選考プロセスの共有

期待効果 ■イノベーター、アーリーアダプタとの接触 ■広い告知効果

アピールポイント

「就活を、もっと良いかたちに。」

裏づけ ・ 就活の手間の削減 ・ 企業の判断理由を知る ・ 偶然だが意味のある出会い

やることの設計(まとめ)

Page 19: 5社合同選考と採用変革への試み

※のちほど、詳しく。(パネルディスカッションにて) 実際の運用

合同

説明会

・ 5社人事によるパネルトーク、事業説明 ・ 個別グループトーク ・ 選考希望者は、「プレゼンのサマリ」応募

合同 選考

・ プレゼン形式(1人30分)と質疑応答 ・ 全員に全社からフィードバックを送る ・ 各社の個別選考への再チャレンジOK

振り返り

・ 学生からの支持は得られた(と思う) ・ 今まで会ったことのないゾーンの人材と 出会えたのは確か ・ その人たちを引っ張りきれたか? 見直しが必要 ・ 告知効果は多々 ・ 採用担当者のリーダーシップ重要

Page 20: 5社合同選考と採用変革への試み

● 学生の無駄な手間の削減 ● マッチング機会の創出(最適な最大化) ● お互い理解しあう場づくり

1社では到達できない領域へ 本質的な問いに近づく(か?)

企業が合同することで、

Page 21: 5社合同選考と採用変革への試み

「みんなで、変える。」

Page 22: 5社合同選考と採用変革への試み

1. 僕らは採用弱者である

Page 23: 5社合同選考と採用変革への試み

Page 24: 5社合同選考と採用変革への試み

各社の告知・集客には、得意・不得意がある

アイティメディアって、合説に弱いんですよ。 ほんと、学生さん集まらない。

Page 25: 5社合同選考と採用変革への試み

アプローチできるゾーンに偏り。 ↓ 強いゾーンがあることも大事で、 「当社には合わないが、優秀な人材」も毎年いる。 ↓ いろいろな会社で相互補完という手は? 候補者を融通しあうとか、できないか??

Page 26: 5社合同選考と採用変革への試み

たぶんだけど、 大企業や有名企業の採用担当者って 「企業同士で手を組む」みたいな発想、しない。

Page 27: 5社合同選考と採用変革への試み

それ、新しいか? それ、正しいか?

Page 28: 5社合同選考と採用変革への試み

2. 「学生の共感」という活路

Page 29: 5社合同選考と採用変革への試み
Page 30: 5社合同選考と採用変革への試み

2つの共感戦略 1. 企業として正しい姿を毅然と示す

2. ユーザーのほうに、こちらから近づく

Page 31: 5社合同選考と採用変革への試み

マスアプローチ至上主義

いつもの問題

「個人軽視」につながってない?

Page 32: 5社合同選考と採用変革への試み

倫理憲章

新たな問題

文句言うだけ? 語るだけ?

Page 33: 5社合同選考と採用変革への試み

就活の時間がなくなる。

「まずは、人気・有名なところにエントリーしないと!」

各社それぞれ都合優先。 学生の時間を奪い合う。

「とにかく母集団集めて、囲い込み」

「第一志望か?いきなり試される」 「自社に合うか?ではなく、一般的に優秀か?が試される」

Page 34: 5社合同選考と採用変革への試み

もう、やるしかないよ

Page 35: 5社合同選考と採用変革への試み

【問題解決の仮説】

面接、SPI、

企業が手を組んで、 一緒にやる。

Page 36: 5社合同選考と採用変革への試み

そうすれば告知も 一緒にできる。

Page 37: 5社合同選考と採用変革への試み

【検証】 そこに共感を呼ぶ

正しさは あるか?

Page 38: 5社合同選考と採用変革への試み

・企業 -他社に応募した、自社向きの人材と直接接触できる -お互いの得意・不得意をカバーできる - 5社に興味がなかった人達を取り込める -話題になる -コストやリソースを折半 ・学生 -時間とお金の負担を軽減 -自分では出会えなかった、自分を評価してくれる企業を知る ・その他 - 5社のお陰で空いた時間を、別の企業に使える -事例(成功?失敗?)として、確認できる

まず、全員のメリットを想定。

Page 39: 5社合同選考と採用変革への試み

・企業 -自社の有力な候補者が、取られてしまうのではないか -最後は競合するのではないか ・学生 -興味のない会社がそこにいる -いちどに5社を相手にする、緊張や戸惑い ・その他 -(特になさそう)

デメリットも想定。

Page 40: 5社合同選考と採用変革への試み

採用活動の本質に近いところに来ている。 大筋でまちがいないはず。 ならば、やろう。

●「無駄の削減」と、 「マッチング機会の創出」。

●「メリットがデメリットを上回る」 と判断できる企業で合同するところから。

採用活動で企業が合同することは・・・

Page 41: 5社合同選考と採用変革への試み

神はいたるところに宿る。 つじつま

Page 42: 5社合同選考と採用変革への試み

3. Webの思想を具体化すべき

Page 43: 5社合同選考と採用変革への試み

自社最適化は悪影響をもたらさないか? 採用担当者が、企業の壁を越えて価値共有する姿が必要 ・まず最初の志望度は気にしない。 ・(当初予定)知人パスポート。

「横のつながりが価値を生む」

Page 44: 5社合同選考と採用変革への試み

個人軽視につながる「数の最大化」は、避ける 最適とは何か?を考える ・新しい試みに興味を持ってくれる人材へのアプローチ ・求める人物像/課題が近しい企業との合同

「最大化よりも、最適化」

Page 45: 5社合同選考と採用変革への試み

「フラット」「双方向」な関係づくりは、「選考」の最大の壁 ↓ 個人を尊重する。 会社を尊重する。 ・ 全社人事が同席、学生は1人ずつ ・ 30min.プレゼン形式の一次選考 ・ かならず結果のフィードバックを行う

「フラット、双方向」

Page 46: 5社合同選考と採用変革への試み

・ 「プレゼンのサマリを提出」 が エントリー条件

※100%ではなくても、骨格を決めて、まず発信する。

・ 無料ツールを多用。過度な準備よりもスタートしやすさ。

→短期間でスタートできる。

※USTREAM (説明会の配信) ※トントン (面接予約システム)

「完成させる、よりも、まず出してみる」

Page 47: 5社合同選考と採用変革への試み

戦略

戦術

自然と、Web企業が求める人材に

刺さるプロセスになっていく。

Page 48: 5社合同選考と採用変革への試み

・企業 -他社に応募した、自社向きの人材と直接接触できる -お互いの得意不得意をカバーできる - 5社に興味がなかった人達を取り込める -話題になる -コストやリソースを折半 -人事同士で学べる -つながりからの新たな展開への期待 ・学生 -時間とお金の負担を軽減 -自分では出会えなかった、自分を評価してくれる企業を知る - 5社それぞれの判断基準を、一度に理解できる -就職活動に対する指針(企業の視点)を得られる ・その他 - 5社のお陰で空いた時間を、別の企業に使える -事例(成功?失敗?)として、確認できる

メリットも増える。

Page 49: 5社合同選考と採用変革への試み

・ 当初予想を上回る学生に参加してもらえた。 ・ 後に続く企画も、いろいろ出てきた。 (巻き込みが始まった) ・ 実際の結果(内定)も、いくつか出せた。

Page 50: 5社合同選考と採用変革への試み

■ポイントまとめ

1. 僕らは採用弱者である。 これまでと違う取り組みに躊躇しない。(なんなら黙ってやっちゃう) 1社で力が足りないなら、何社かで力を合わせればいいのでは。

2. 「学生の共感」という活路を見出す。 「現状の不具合」にフォーカスし、具体的な対応策を立てる 企業・学生双方のメリットになるか、確認する (学生優先でもよいくらい)

3. Webの思想を具体化する 新しい時代のルールやロジックへの考察、全体~ディテールへの反映

Page 51: 5社合同選考と採用変革への試み

合同企画やってみようかな、と思っていただいた方々へ① ■私たちの反省: 説明会をもっときちんとやるべきだった (合同選考に参加する意味を固める) ■さらに付け加えたかったが出来なかったこと: 1) アフター施策 (コミュニティの継続) 2) 知人への展開

Page 52: 5社合同選考と採用変革への試み

合同企画やってみようかな、と思っていただいた方々へ② ■どんな企業と合同するか: 自社の強み・弱み、課題が明確で、 それらを共有できる ■採用担当者に求められること: 1) 自社は何を提供できるか?を常に意識する 2) 全員がリーダーとしてコミットする

Page 53: 5社合同選考と採用変革への試み

そもそも、私たちの使命は何か?

この使命に対し、どんなアルゴリズムを作れるか

企業が「合同」することは、新たなアルゴリズムにならないか

出会うべき人 と

出会うべき仕事(会社) を

どう結びつけるか?

が私たちの使命

Page 54: 5社合同選考と採用変革への試み

私たちが最初に認識すべきこと

Page 55: 5社合同選考と採用変革への試み

まだまだ、挑戦するべきことがある

採用弱者だから、やれることがある

Page 56: 5社合同選考と採用変革への試み

希望は残っているよ。どんなときにもね。

Page 57: 5社合同選考と採用変革への試み

おまけ

Page 58: 5社合同選考と採用変革への試み

「合同」、次の手も出てきています 業者による合同選考の仕掛け

25社の人事によるしかけ VENTURE’S LIVE 研修や人材交流などの場面でも、「合同」の施策は拡がっています。

http://social-recruiting.asia/press_release_all.php?id=12

http://ventures-live.jp/

Page 59: 5社合同選考と採用変革への試み

文責: アイティメディア株式会社 浦野平也 [email protected]