20131101 検索エンジンの動向と検索の未来

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検索エンジン動向と検索の未来 ディーエムソリューションズ株式会社 木村 和央 1

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検索エンジン動向と検索の未来

ディーエムソリューションズ株式会社木村 和央

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Q.15月末のグーグルのアップデートによってどのような変化があったか

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A.1前評判ほどの順位に関する変動はなかった。5月末よりも5月初旬(※1ファントム)や、6月上旬(※パンダ・スパム)のほうが変動率は⼤きかった。

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2013年5月のキーワードの順位変動2013年5月の順位変動に関して• 1位~100位に表示されているキーワードの、Yahoo!及

びGoogleの順位変動率(元順位と現在順位との差÷現在順位=順位変動率)を計測。

• 順位変動は発生したものの、事前に予告されていた程の大きな変化はみられませんでした。当社が管理している約10000キーワードに関しても、変動はあったものの変動率は12%程度となっています。

• 順位変動でいえば、5月10日前後にあった※1「ファントム」と呼ばれる、Googleがアナウンスしていないアルゴリズムアップデートの⽅が順位変動率が15%を超えて、影響は大きかった。

• ⽇別の順位変動率詳細

※ 変動率: 100位以内で移動した案件における順位変動の大きさの指標(元順位×順位変動率=現在順位との差)40位⇒20位、40位⇒60位、4位⇒2位、4位⇒6位の移動の大きさをいずれも0.5と計算し(絶対値)、その平均値です。

順位変動率推移グラフ

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2013年のGoogleアルゴリズムの変更と順位変動率の推移2013年順位変動推移

アルゴリズムの変更リスト

① 2013年1月17日~18日にGoogleの公式アナウンスのないアップデートが⾏われる。② 2013年1月22日に24回目の「パンダアップデート#24」が⾏われる。③ 2013年3月14日に25回目の「パンダアップデート#25」が⾏われる。メインアルゴリズムに統合される④ 2013年5月9日にGoogleの公式アナウンスのないアップデートが⾏われる。通称「ファントム」⑤ 2013年5月21⽇に検索結果の多様性を制御する為に、「ドメインクラウディング」をアップデート。⑥ 2013年5月22日に「ペンギン2.0(#4)」をアップデート。⑦ 2013年6月11⽇に特定の質の低い検索結果のKWをターゲットにし※2「スパムアルゴリズム」をロールアウト。⑧ 2013年6月11日「パンダダンス」毎月※2パンダアップデートを⾏い、時間をかけて浸透させていく。(出典)http://moz.com/google-algorithm-change

① ④⑥

⑦ ⑧

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Q.2具体的に順位が下がったのはどんなサイトか、逆に上がったのはどんなサイトか

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A.2質の悪いリンク※3があったサイトの順位が下落したが、数は多くなかった。質の悪いリンクがあったサイトの順位が下がったので、質の悪いリンクがない(割合が少ない含む)サイトの順位が上昇した。

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※3質の悪いリンク• コンテンツとリンク先の関連性がないリンクドメイン及びページとリンク先との関連性がないリンクに対する評価の⾒直し。ペナルティやフィルタというよりも、リンク効果を無くした可能性が高い。※図1を参照• 順位上昇を目的とした記事広告風リンク無料ブログなどで記事広告のような、体裁だがキーワードの順位上昇を目的としたリンクに対する評価の⾒直し。

⽇本ではブログを利⽤したスパムリンクが多く、厳しく対処する為に、リンク効果を無くしただけではない可能性も。※図2を参照

順位が下落したサイトの外部リンクの傾向

外部リンクサンプル

図1(出典)http://hiraharu1006.blog121.fc2.com/page-1.html図2(出典)http://hoken-no-syoho.mass-produced-blog.net/

図1

図2

ペンギン2.0(#4)の考察• 前評判ほどではなかった影響5月22日前後のアップデートでは、日本語圏では、前評判ほどの順位の変動は起きませんでした。• アルゴリズムの変更点ペンギン2.0(#4)では、いままでサイト単位で適用していたルールを、ページ単位でより厳密に適用したと言われています。

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サイト毎の視認性の推移

順位変動(日本のSEOが成功している有数のサイト)検索結果での視認性の推移

視認性推移の考察• 価格COMに関しては、パンダアップデートが日本に導入された後は、順調に視認性が上昇している。

• 食べログは、価格COMよりも急激に視認性が回復、上昇しており、7月18日以降の一連のパンダアップデートにより高い評価を得たと推測できる。

• PIXIVに関しては、2012年10⽉以降、視認性は急激に上昇し、ゆるやかに下降しているものの、⾼いレベルの視認性を維持している。

• ネイバーまとめに関して、独自性がほとんどないキュレーション型メディアだが、ユーザーに対して価値を提供し、検索エンジンからの⾼い評価により、視認性の上昇はその他サイトを圧倒している。

PIXIV食べログ価格COM

ネイバーまとめ

2011年8月卯11日~2013年6月20日までのGoogleの検索結果の視認性の推移

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Q.3ECサイトでは、どんなサイトがあがったか、逆にどんなサイトがあがったか

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A.3基本的にはA.2と同じ。現状の検索エンジンの⽅向性を補⾜すると、権威のあるサイト(特定のカテゴリで有名なサイト。例、価格COM、食べログ、クックパッドなど)を優遇する評価を導入しているため、人気のあるサイトや、評判のサイトはSEO的に強い。権威がなく、外部リンクだけ、キーワードに対する最適化だけなどのサイトは、SEO的に厳しい。

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サイト毎の視認性の推移

順位変動(モール型)検索結果での視認性の推移

視認性推移の考察• 検索結果での視認性は、アマゾンが他を圧倒している。次いで楽天が

来ているものの、アマゾンとの差は歴然としている。Yahoo!ショッピング、DENAショッピングは、そもそも競争する土俵にすら乗っていない。

• 2013年の5⽉末に⾏われたアルゴリズム更新では、各⼤⼿モール型サイトに関しては多く影響は受けていないものの、アマゾン、楽天に関しては、パンダアップデートが日本に導入された2012年7月前後と、パンダアップデート#21導入前後に⼤きく視認性を落としている。

• Yahoo!ショッピングは、検索エンジンのオーソリティ重視の恩恵を受け、2012年3⽉以降⼤きく視認性を⾼めたが、2013年からは依然の視認性に戻っておりアルゴリズムに対応できていないと推測される。

Yahoo!ショッピング楽天アマゾン

DENAショッピング

2011年8月卯11日~2013年6月20日までのGoogleの検索結果の視認性の推移

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順位変動(大手ECサイト)検索結果での視認性の推移

視認性推移の考察• 大手ECサイトの検索結果での視認性は、2012年7月に導入された日本版のパンダアップデート以降、ほかのサイトをニッセンが緩やかに視認性を下降させたが、ベルメゾンは右肩上がりに視認性を上昇させ、ニッセンを超えた。

• 安定しているベルメゾンに対して、ニッセン、ベルーナは直近のアルゴリズムアップデートの影響を受け、視認性が激しく上昇、下降している。

• ディノスに関しては、パンダなどの影響は受けているものの、視認性が激しく上昇、下降していることから、URL構造やリンク構造、コンテンツ構造などに大きな課題を抱えている可能性がります。

サイト毎の視認性の推移2011年8月卯11日~2013年6月20日までのGoogleの検索結果の視認性の推移

ベルーナニッセンベルメゾン

ディノス13

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Q.4ECサイトが順位を上げるためにどういったことを⾏えばいいのか

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A.4ユーザーに有用なコンテンツを提供する。専門家の知⾒や購⼊者の商品レビュー、商品動画、メーカーの提供ではない高精細な画像など。有用なコンテンツはユーザーの満⾜度にもつながる。そしてもっとも重要なことは「ここで買う理由」を提供する事。そのためにメリットを分かり易く形で伝えることが重要になる。(アマゾンではなく、楽天ではなく、このサイトで買う理由が必要)

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Q.5今後、予想される変更は、またそれに対応するために⾏うべきことは

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A.5WEBサイトが、リンクだけではなく多様な要素で評価される。今後も多くの新しいアルゴリズムが実装され更新されるが、本質的な部分ではずっと変わっていない。検索エンジンは人間のありがちなミスに対しては救済するが、スパムに対しては今後も厳しい処罰が下されるでしょう。SEO会社に丸投げして順位をあげる時代は終わろうとしています。今後は地道で⼿間がかかりますが、検索利⽤者が望むコンテンツを用意することが、もっとも成果(順位)があがる方法になります。

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2013年5月13日、Googleのサーチクオリティーチームの責任者であるマット・カッツ(Matt Cutts)さんが今後のアルゴリズム更新予定について動画で解説しました。

① ペンギンアップデート ※5月23⽇実⾏済み② クラスタリングの抑制 ※5月22⽇実⾏済み③ パンダアップデートの影響を受けるべきでなかったサイトへの対処④ リンク獲得を目的としたアドバトリアル(記事広告)に対する厳罰化⑤ より⾼度なリンク分析システムの開発・実装⑥ ハッキングされたサイトの検知⼒の向上⑦ オーソリティ(特定の分野における権威・信頼度の⾼いサイト)の優遇⑧ グーグルウェブマスターツールにおける「メッセージ」をさらに詳細に記載する⑨ 評判の悪いECサイトの評価を下げるアルゴリズムの導入

検索エンジンが今後実装予定のアルゴリズム

主な更新予定

主な更新予定 What should we expect in the next few months in terms of SEO for Google?

(出典)http://www.youtube.com/watch?v=xQmQeKU

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516回アップデート/年

200個順位を決める要素 5000人

検索品質評価者

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検索にまつわる数字

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1.ユーザーに焦点を絞れば、他の物はみな後からついてくる。2. 1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。3.遅いより速いほうがいい。4.ウェブでも⺠主主義は機能する。5.情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。6.悪事を働かなくてもお⾦は稼げる。7.世の中にはまだまだ情報があふれている。8.情報のニーズはすべての国境を越える。9.スーツがなくても真剣に仕事はできる。10. 「すばらしい」では足りない。 (出典)http://www.google.co.jp/about/company/philosophy/

Googleが掲げる10の事実

Googleの⾏動理念

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•特定のキーワードの順位に頼らない競合性の⾼いビッグキーワードだけではなく、検索から購⼊に繋がった検索キーワードに注目する

• キーワードに最適化(過剰SEO)し過ぎない検索利⽤者への価値を提供することを目的とし、検索エンジン目的だけで対策を⾏わない

•エンゲージメントを重視する購入に繋がった検索キーワード、⼊⼝ページのエンゲージメント(検索利⽤者の意図の⼀致)に注目する

•検索キーワードに優先順位をつける平均価格(収益÷購⼊数)が⾼い検索キーワードに優先順位を置き対策を⾏う

• SEOが全てではない検索が⽣活者購買⾏動の⼀連のプロセスの⼀つだということを理解する

今後のSEO対策

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収益との相関関係の調査結果収益と相関が高い項目• 当社が管理するECサイト(複数)のGoogleアナリティクスのデータを、2012年1月1⽇〜2013年6月19日の期間に、無料の検索から流⼊した58,689KWのデータを取得し、収益と最も相関が高い項目を調査しました。

• 収益ともっとも相関が高いのが、購入数でついでページビュー数、エンゲージメント数、訪問者数と続いた。

• 当社の今までの経験から、既存のトラフィックからより多くの価値を得ることが、最も早く効果を得ることできることがわかっています。

調査の実施方法

(注)② 対象サイト:GoogleアナリティクスのEC設定済みのECサイト③ 無料の検索でのセグメントによるキーワードの抽出した。なお(not set)、(not provided)などの特殊なデータは除外した。

仕様ツール Google Analytics Core Reporting API Version 3.0データ取得期間 2012年1月1⽇〜2013年6月19日対象サイト ECサイト(10サイト)条件 無料の検索対象KW数 58,689調査項目 訪問数・訪問者数・新規訪問回数・リピート訪問回数・ページビュー数・サイト滞在時間・直帰数・エンゲージメント数・離脱数・購入数・収益

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購買⾏動ファンネル

⽣活者の購買⾏動ファンネル(EC)

ユーザーの74%が、購入まで複数のメディアを利⽤している。Awareness

認識Consideration

思考Intent

意図Decision

決定

ディスプレイ広告 Eメール ソーシャル その他広告 検索連動型広告 参照サイト 自然検索 直接流⼊

左に⾏くほどアシスト効果が⾼く、右に⾏くほど購⼊への効果が⾼い

日本のGoogleアナリティクスのアクセス解析データ(20,500,000CV、2000プロファイル)アシストクリック ラストクリック

(出典)http://think.withgoogle.com/customer-journey-to-purchase/

購入までのパス(クリック)

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64% 74%

ユーザーの64%が購入まで複数日かかっている。

ユーザーの74%が、購入まで複数のメディアを利⽤している。

購買⾏動ファンネル②

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「未来の検索をどう表現するかは⼈の好き好きに任せてよいと思いますが、いずれにしてもそれは、誰もが自分のそばに置いておきたいと考えるものになるでしょう。」

「それが情報を探す⼿伝いをしてくれますし、⾃分では意識すらせぬままに何かを必要としているときにそれを先回りして察知して、そっと差し出すなんてことさえしてくれるかもしれません」 Google サーチフェロー アミット・シンガルさん

検索の未来・・・

(出典)http://wired.jp/2013/04/10/knowledgegraph-vol7/4/ 25