木の花ファミリー通信 vol.68 - 2013年4月

3 3 68 © 3 94 86 使[4]木の花ファミリー通信 Vol.68 2013 年 4 月号 1 1 映画「確固たる居場所」試写会 アップリンク(東京・渋谷)で開催 木の花ファミリーのドキュメンタリー映画「確固 たる居場所」の試写会を東京・渋谷のアップリン クで開催します! 映画では、富士のふもとで 100 人の家族と生きる ことを選んだファミリーメンバーたちのありのま まの日常やインタビュー、心の病の回復のために 「ケア滞在」をする人々の変化していく様子などが リアルに描かれています。 上映後は、監督の澤則雄さんとファミリーのいさ どん他による質疑応答の時間を設けています。映 画を題材に、それぞれの中にある想いを共に深め ていけたらと思っています。ゴールデンウィーク の一日、ぜひ、お越しください! * 日時:2013 年 5 月 5 日(日)14:45 〜 17:45 * 会場:アップリンク(東京・渋谷) * 参加費:1 人 1,000 円/ 20 歳未満無料 * お申し込み:木の花ファミリー http://url.konohana-family.org/evt130505 TEL 0544-66-0250 FAX 0544-66-0810 【 お知らせ掲示板】 1 畑で休憩のひととき

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木の花ファミリー通信 Vol.68 - 2013年4月

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木の花ファミリー通信

2013年3月号・第68号

編集・制作/木の花ファミリー

©2013

木の花ファミリー

★木の花ファミリーとは

94年創立、富士山の麓で自然農法による

自給自足を生活の基盤に86人が血縁を超

えた家族として生活を営む共同体です。

 

このニューズレターはクリエイティ

ブ・コモンズにもとづき、原著作者の

クレジットを表示し、改変せず、非営

利目的で使用する限りにおいて、自由

に複製、頒布、展示することができます。

[4]木の花ファミリー通信 Vol.68 2013 年 4 月号

 

皆さん、こんにちは!畑隊のひろ

みです。今年もまたこの季節を迎え、

気が引き締まると同時に、どんな年

になるのか、楽しみに思っています。

 

今日は久しぶりの雨になり、乾き

きった畑の土に、ありがたいおしめ

りです。植えたばかりの苗たちは、

今頃、からだ全体で雨水を受けてい

るだろうか、でも、こんなに冷たい

雨では、小さな作物たちは「寒い、

寒い」と言っていないかしらと、思

畑だより

いを巡らせています。けれど、あれ

これと思うのは人ばかりで、作物は

置かれた環境をただただ受け入れ、

生長し、子孫を残すという営みを、

たんたんと行っているだけです。だ

からこそ、畑の中で作物たちがご機

嫌に過ごすことができるよう、今年

も心を込めて、お世話させていただ

こうと思っています。

 

さて、ファミリーの兄弟ビレッジ

である大町ビレッジ(長野県)がス

タートして、そろそろ1ヶ月になり

ます。春の訪れが富士山の麓よりも

1ヶ月ほど遅い大町では、畑の暦も

レッジにしてもらったりと、より豊

かな世界が思い浮かびます。

 

そんな大きな展望のことを思って、

再び目の前の畑や作物のことを思う

と、やはり、日々を着実に積み上げ

ていくことの大切さに立ち返ります。

 

今年の畑チームは、今まで畑のリー

ダーだったこうちゃんが大町ビレッ

ジに行くことになり、オフィスチー

ムから移ってきたメンバーが加わっ

て、新たなスタートを切りました。

お互いに補い合いながら、それぞれ

の役割をはたしていくことで、皆で

美しい畑を表現していきたいと思い

ます。

(文/ひろみ)

映画「確固たる居場所」試写会アップリンク(東京・渋谷)で開催

木の花ファミリーのドキュメンタリー映画「確固たる居場所」の試写会を東京・渋谷のアップリンクで開催します!映画では、富士のふもとで 100 人の家族と生きることを選んだファミリーメンバーたちのありのままの日常やインタビュー、心の病の回復のために

「ケア滞在」をする人々の変化していく様子などがリアルに描かれています。上映後は、監督の澤則雄さんとファミリーのいさどん他による質疑応答の時間を設けています。映画を題材に、それぞれの中にある想いを共に深めていけたらと思っています。ゴールデンウィークの一日、ぜひ、お越しください!

* 日時:2013 年 5 月 5 日(日)14:45 〜 17:45* 会場:アップリンク(東京・渋谷) * 参加費:1 人 1,000 円/ 20 歳未満無料* お申し込み:木の花ファミリー

http://url.konohana-family.org/evt130505 TEL 0544-66-0250 FAX 0544-66-0810

【 お知らせ掲示板】

1ヶ月遅れで、まずは、農機具小屋

を建てたり、土地を探したりと、少

しずつ取り組みが始まっているよう

です。

 

今年、大町ビレッジでは、ソバ、

小麦、小豆、花豆、金時豆、ヤーコ

ンなどを栽培していく予定です。ゆ

くゆくは、大豆なども大町をメイン

に栽培していきたいと考えています。

今後、こうしたネットワークが広がっ

ていけば、それぞれの地域に合った

作物を分担して栽培し、足りないも

のがあれば他のビレッジから補って

もらったり、生産物の加工を他のビ 畑で休憩のひととき

[3]木の花ファミリー通信 Vol.68 2013 年 4 月号

今年の春の卒業・進学、

そして新入園

 

ファミリーでは、今年の春も卒業

や進学など新たな出発があり、3月

につながる自分の心の傾向を客観的

に捉えられるようになった、という

ことがあります。ここではみんなが、

相手について観えるものをそれぞれ

の視点から伝え合い、学び合ってい

る。もっとここに滞在して、心の学

びを続けたいと思ったんです」。そし

てこの3月、専門学校に無事合格し、

アルバイトを続けながら通信教育で

勉強を始めることになりました。

 

大学では人間科学を専攻し、もと

もと哲学や心理学に興味があったゆ

かりちゃん。精神保健福祉士を選ん

だ理由は「ファミリーのケアの取り

組みと社会との架け橋になりたいと

思ったから」と言います。「自分は実

際にここでケアを受けて、この取り

組みをもっと世の中に広げていきた

いと思った。それで、社会の中でそ

れに近い職種を探したんです。既存

の精神医学の考え方と、ここの独自

の取り組みを両面から捉えてクライ

アントに伝え、回復のお手伝いをし

たい」。

 

実際に病気を乗り越えた自分だか

らこそできる役割があると思う、と

語るゆかりちゃん。彼女の体験記は

昨年出版された『血縁を超える自給

自足の大家族』でも紹介され、それ

を読んでファミリーを訪れて実際に

ケアを受ける人も現れ始めました。

資格を取得したら、ケアを卒業した

人たちが社会復帰する時のサポート

もしたい、と言います。

 

持ち前のエネルギーでアルバイト

と勉強を両立し、ファミリーの家事

もこなすゆかりちゃんは、精神医療

の未来に希望を描いています。「薬だ

けで治そうとするのではなく、その

人の個性を生かすような働きかけを

第一に置いたものになればいい。自

分が回復できたのも、そんなみんな

の愛に包まれていたから。一人ひと

りが善意で支え合うこの取り組みの

先に、きっと、平和な社会を築いて

いくことができると思うんです」。

(インタビューと文/ともこ)

末に盛大なパーティーを開いてみん

なでお祝いしました。

 

パーティーで門出を祝福されたの

は、玲れ

か衣花と咲さ

や久夜、龍り

ゅうと音

、そして

まりねえの甥っ子であり、いさどん

が名付け親になった大阪在住の明め

いけい敬

の4人です。4人が生まれてからこ

れまでの成長をともちゃんがパソコ

ンでスライドショーに仕立て、みん

なで楽しみました。感動で涙する

人もたくさんいて、

パーティーに出席し

た玲衣花のおともだ

ちは、「こんなの作っ

てもらうなんて、い

いなあ」とうらやま

しがっていたそうで

す。

 

先月号でも紹介し

たとおり、高校を卒

業した玲衣花は美容

師を目指して大阪の

専門学校に進学、寮

生活を始めてファミ

リーを離れました。

玲衣花と双子のよう

に育った咲久夜は、

(左上)めいけい(右上)れいかの旅立ちを見送るえいこばあちゃんとのりちゃん(左下)りゅうと(中下)さくや(右下)保育園入園ばんざーい!

昨年の12月に長男を出産して入籍、

お母さんになったばかりです。龍音

は中学生になり、明敬は灘高校から

東京大学の文科三類に進学しました。

 

また、まりん、あやな、すまいる

の3人が保育園に入園しました。毎

朝、「行ってきまーす!」という元気

いっぱいのあいさつで、ファミリー

のみんなを和ませています。

(文/いさお)

木の花ファミリー通信 Vol.68 2013 年 4 月号[2]

ゆかりちゃんの挑戦

 

ファミリーでは、心の病を持つ人

を受け入れる「ケア滞在(自然療法

プログラム)」を提供しています。こ

の春、ケアの卒業生であるゆかりちゃ

んが、精神保健福祉士の資格を取得

するための専門学校に進学すること

になりました。

 

精神保健福祉士は、精神障害を持

つ人の社会復帰をサポートするため

みんなの暮らし

るが、それを率直に伝えてもらい、

自分も正直な気持ちをどんどん出し

て、新たな自分との出会いを進めて

いきたい。

† 

† 

 

少人数の暮らしでは、ひとりひと

りの心の動きがすぐに全体に影響す

るので、自分のことよりも全体のこ

とを優先して考えることを実践しや

すいように思います。日常の小さな

出来事から学び合い、成長していく

ことを実感するとともに、互いに相

手を想う心を育んでもらっているこ

とを感じています。それぞれが心の

の国家資格です。23歳の時に心の病

を患い、5年間の闘病生活の末に入

院を勧められたゆかりちゃんは、以

前テレビ番組で見かけたファミリー

のことを思い出して3年前にやって

来ました。いさどんとの初めての面

談で自分の本質をズバリと言い当て

られ「ここなら信頼できる」と確信し、

ケア滞在することを決意。3ヶ月半

の滞在で見事に病を克服し、ケア卒

業後もファミリーに滞在しながら外

にアルバイトに行くという生活を続

けていました。「病気を克服できた理

由の一つに、病気を引き起こすこと

パエリア

【材料】(4 人分)玄米 3 合、玉ねぎ 90g、にんじん 60g、にんにく小さじ 1、ブロッコリー 100g、大豆 1/2 カップ<スパイス> ターメリック 9cc、ガラムマサラ6cc、クミン 9cc、塩大さじ 1、こしょう少々

【作り方】1. 玄米と大豆は洗って 1.2 倍の水に 1 時間ほ

ど浸し、ザルにあける(水はあとで使う)。2. 玉ねぎとにんにく、にんじんはみじん切り

にする。3. オリーブ油大さじ 2 を熱してにんにくを炒

め、玉ねぎ、にんじんを入れて炒める。4. 水気を切った玄米と小房に分けたブロッコ

リーを入れて炒め、油がなじんだらスパイスを入れる。

5. 圧力鍋に 4 と 1 の水を入れて、中火にかける。圧力がかかったら、弱火にして6分炊く。

6. 圧力が抜けたらさっくりと混ぜ、好みでパセリをふりかける。

今月の木の花菜食レシピ

調理:のんちゃん

癖を手放して、メンバー同士の信頼

関係を確認しあいながら、5人でやっ

ていくための足並みが揃ってきたと

感じています。

 

濃密な5人家族の時間を共有する

中で思うのは、木の花ファミリーの

皆と距離は離れていても、心の学び

を通して一緒に歩んでいる実感があ

るということ。ファミリーをお手本

に歩み始めた大町ビレッジですが、

大町ビレッジの歩みが、ファミリー

の見本にもなれる。そんな実感を持っ

て歩んでいます!

(文/くに)

合格通知書を手ににっこり!ゆかりちゃん

「大町ビレッジ」がいよいよ

始動しました!

 

こんにちは。「大町ビレッジ」のく

にです。4月4日、木の花ファミリー

と同じ志を持ち、地域を超えて「ひ

とつの財布」で暮らす兄弟コミュニ

ティが長野県大町市に誕生しました。

それが「大町ビレッジ」です。ビレッ

ジの創立メンバーは、僕とこうちゃ

ん、みほさん、ラブちゃん、とおる

くんの5人。皆で「血縁を超えた家族」

としての歩みを始めています。

 

先日は春の陽気から一転して、朝

目覚めると美しい雪景色!あまりの

寒さにズボン下を復活させました。

農作業では荷物の整理や畑の片付け

から着手し、パイプハウスの農機具

小屋を建設したり、新しく借りる農

地を探したりと、何かと忙しく動い

ています。

 

そんな新たな生活の中で、今、5

人のメンバーたちが感じていること

を皆様にご紹介します。

Vol.68

木の花ファミリー通信

トピックス

世界中でさまざまなニュースが飛び交い、ますますこれからの時代にふさわしい生き方が求められていることを実感する今日このごろ。そんな中で、私たちの果たすべき役割について確認しあいながら、日常の中で実践する日々を送っています。(ようこ)

2013 年 4 月号

[1]木の花ファミリー通信 Vol.68 2013 年 4 月号

木の花ファミリー/特定非営利活動法人ぐりーんぐらす  電話 : 0544(66)0250 FAX : 0544(66)0810

〒 419-0302 静岡県富士宮市猫沢 238-1 おひさまハウスひまわり

ホームページ : http://www.konohana-family.org メールアドレス : [email protected]

こうちゃん

 

作業に対する緻密さが足りない時

があることを感じている。雑念があ

ると作業が乱れて流れが悪くなる

が、それぞれが全体を思う気持ちを

大事にしていれば、一番いい着地点

が見えてくる。全体をファシリテー

トしていく視点を持つ事で、新しい

自分との出会いも進んでいる。

くにさん

 

自分は何かあるとすぐに感情的に

なって、その感情を持ち越してきた。

それは相手を思う心が足りないとい

うことで、そんな自分を自覚したら、

ただ相手を思うことを優先するだ

け。今は場面が変わった時に、自ら

気持ちを切り替えて伝えるべきこと

を伝えられるようになった。

みほさん

 

一日を通じて、気づいたことや見

えたことを率直に伝え合うことので

きる日々を味わっている。自分では

なかなか見えない自分自身の姿を具

体的に伝えてもらい、伝えてくれる

相手を信じてそれを受け取る心地良

さを実感すると同時に、自分を変え

ていくという自覚がまだまだ足りな

いので、その点を意識して日々を過

ごしている。

ラブちゃん

 

なにせ5人で何もかもやらなくて

はいけないので、台所に立ったり、

漬け物樽を引っかきまわしたり、い

ろいろ経験できて、毎日が新鮮!以

前は自分からの目線でしか人のこと

を理解できなかったが、自我をなく

す事で自然に周りの人を想えるよう

な感覚がある。

とおるくん

 

みんなのちょっとした言葉に反応

して感情を溜め込んでしまい、スト

レスになるクセがある。作業の精度

も低く、小さなミスが出ることもあ

(左から)くにさん、とおるくん、ラブちゃん、こうちゃん、みほさん