群馬大学名誉教授 株式会社シバヤギ技術顧問ˆ(cv)は223~3%で...

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感度から見たELISA 感度から見たELISA 群馬大学名誉教授 群馬大学名誉教授 株式会社シバヤギ技術顧問 1

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Page 1: 群馬大学名誉教授 株式会社シバヤギ技術顧問ˆ(CV)は223~3%で それほどで、それほど 大きく違わない(左の黒丸グラ フ). しかし バラツキを測定値しかしこのバラツキを測定値

感度から見たELISA感度から見たELISA

群馬大学名誉教授群馬大学名誉教授

株式会社シバヤギ技術顧問

若 林 克 己若 林 克 己

1

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まえがき

ELISAをおこなう研究者にとって,ELISAキット提供者

が意図したキットの性能を充分に発揮させることは最もが意図したキットの性能を充分に発揮させることは最も

基本的な問題です.

その中で,検体を余裕をもった測定感度で

測定できることも期待される性能の一つです.測定できることも期待される性能の つです.

この PPT は測定感度に関連する要因について検討し,

使用者のご理解を得,必要な要件の実行をお願いするた

めに解説としてご提供するものです.

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抗原と抗体との結合について

イムノアッセイは抗原と抗体の結合に基づいている

抗原と抗体の結合反応は可逆反応である.

Ag + Ab ⇔ Ag-Ab (Ag:抗原、AB:抗体)

Ka(結合定数) =[Ag-AB]/[Ag][Ab][ g ] [ g][ ]あるモル濃度の抗原と抗体を混合して結合反応が平衡に達した時、

結合物の濃度と遊離の抗原、抗体濃度の関係は上の式のようになる

(抗原、抗体がそれぞれ1価であると仮定、単純化した系)

結合物の解離の方向から見れば

Kd(解離定数)= 1/Ka

一般的に抗体の Ka は 1010~1011M-1 である

(Kdでいえば10~100pM となる)

今後,親和性についてはもっぱら解離定数 Kdを使用します.

Kdは小さいほど親和性が高いことになります.

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抗体と抗原との結合量体 結合

Kd: 解離定数 R:抗体初濃度

H 抗原初濃度 b 結合量(濃度)H:抗原初濃度 b:結合量(濃度)

前提条件抗原、抗体、共に一価と仮定溶液状態で反応が行われるとする溶液状態で反応が行われるとする.

前ページの反応式を抗原と抗体の初濃度をそれぞれ,H及びRとし,結合量をbとして書き直し 結合量bを計算する方程式を作ると結合量をbとして書き直し,結合量bを計算する方程式を作ると,このように2次方程式の解を求めることになる.

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抗原、抗体の濃度と結合率の関係を試算してみる

96.89100

抗原-抗体濃度と結合率

Kd = 1 pM の場合

90.49

72.88

60

70

80

90

38.2

20

30

40

50

60結

合率

8.394.550.98

0

10

20

0.01 0.1 1 10 100

抗原=抗体濃度, pM

抗原と抗体を同じ濃度で反応させた時の両者の結合率をグラフにしたもの.解離定数は1pM 結合定数にすれば1012M-1と仮定して計算した解離定数は1pM,結合定数にすれば10 M と仮定して計算した.高濃度すなわち解離定数の100倍程度では90%ほどの結合率.濃度が下がり,解離定数と同じくらいにまで低下するとわずか38%,その10分の1では8%になってしまう.このことがイムノアッセイの泣き所でもある.低濃度の抗原を効率よくキャプチャーするには,結合反応が可逆反応であることを利用して,たとえば抗体の量を大きく増やしてやればよい.

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ELISAの特徴

●ELISAでは大量の抗体を固相化し、低濃度での結合率の低下防止を意図している防止を意図している。

● ELISAでは結合抗原を検出するための抗体を酵素標識する。す 抗体 酵素標識す 。

●サンドイッチ結合は抗原を二か所で認識することになるので測定 特異性が優れ測定の特異性が優れている。

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●酵素による立体障害を防ぐ目的 検出抗体を小分子 標●酵素による立体障害を防ぐ目的で検出抗体を小分子Biotinで標識し、これと非常に高い親和性(Kd=10-15M)のある蛋白Avidinを酵素標識して結合させることも多く行われる。検出抗体にBiotinを多く結合させたりする増幅効果で感度の上昇も期待される.

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Biotin:分子量244.3.

どの細胞にも存在する一種の成長因子で,

ビタミンB複合体のひとつで、ビタミンHとも呼ばれる.

炭酸固定やカルボキシル基転移反応に関与する酵素の

補酵素として作用するのでCoenzyme Rともいう.

脂肪酸 糖代謝に関与 欠乏すると皮膚炎になる脂肪酸、糖代謝に関与し、欠乏すると皮膚炎になる.

肝、腎、膵、イースト、ミルクなどに多く存在する.体内ではほとんどが側鎖のカルボキシル基とlysine の ε-アミノが結体内ではほとんどが側鎖のカルボキシル基とlysine の ε アミノが結合したビオシチン(biocytin) の形でタンパクと結合している.

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Avidin:生の卵白から単離された塩基性糖タンパク質で

分子量は約68 000である分子量は約68,000である.

鳥類、両生類の卵管で作られる.

4 個 本質的に同じアミノ酸128個からなる単鎖(N端アラ4 個の本質的に同じアミノ酸128個からなる単鎖(N端アラニン,

C端グルタミン酸)のサブユニットで形成される.

熱処理や放射線照射で破壊される熱処理や放射線照射で破壊される.

Avidinはビオチンと結合し、ビオチンを不活性化する.

それぞれのサブ トは1個のビオチンを結合できるそれぞれのサブユニットは1個のビオチンを結合できる.

解離定数 Kd=10-15M(抗体よりもはるかに強い親和性である).

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ELISA の標準曲線 -縦、横軸共に対数スケールの場合-

両対数方眼紙を用 ると標準点は縦 横 共にほぼ等間隔に並び両対数方眼紙を用いると標準点は縦、横、共にほぼ等間隔に並びマニュアル計算が可能となる. パソコンなどを使った回帰計算もよくフィットするようになる.

低濃度領域と高濃度領域でやや勾配が小さくなっていることに注意! 10

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ELISAの測定感度に関連する要ELISAの測定感度に関連する要因を列挙してみると

○ 低濃度領域での測定精度

○ 抗体の親和性○ 抗体の親和性

○ 固相化抗体量の増加

○ 低濃度での結合反応の低下

○ エッジ現象

○ 非特異的吸着○ 非特異的吸着

○ 増幅効果

(赤字は低下要因)11

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○ 低濃度領域での測定精度改善○ 低濃度領域での測定精度改善

低濃度でのバラツキの大きさは低濃度でのバラツキの大きさは

実用的測定感度に大きく影響する

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RIAでの放射能のバラツ

キと測定値のバラツキ

●RIAでは各標準点での放射能

の標準偏差の平均値に対する割合(CV)は2~3%で それほど合(CV)は2 3%で、それほど

大きく違わない(左の黒丸グラフ).

●しかし バラツキを測定値●しかしこのバラツキを測定値のバラツキに換算すると、右の白丸グラフのように低濃度領域では非常に大きくな てしまうでは非常に大きくなってしまう.これは標準曲線の勾配が低濃度領域では小さくなっているためであるである.

●RIAでは、抗体、標識抗原、標準品/検体の全てについてピペットのバラつきが影響しそれらのバラつきが累積して測定値のバラつきとなる.更に放射能測定 バラツキが加わる測定のバラツキが加わる.

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ELISA での吸光度の絶対的、相対的バラツキ

●吸光度 絶対的バラツキは吸光度とともに増大するが吸光度に対●吸光度の絶対的バラツキは吸光度とともに増大するが吸光度に対する相対的バラツキは逆に減少する.しかし相対的バラツキの範囲はそれほど大きくならず、せいぜい 2 倍程度である.

SD and CV of Absorbance (10Replicates assay)

0 035

0.04 3

0.025

0.03

0.035

bance 2

2.5

0.015

0.02

SD

of ab

sorb

1

1.5

CV

, %

SD

0

0.005

0.01

S

0

0.5CV%

0

2.48 1.29 0.61 0.28 0.15 0.09 0.07 0.06Absorbance of each Std point

0

ELISAでは標準品または検体を加える過程にのみピペットのバラELISAでは標準品または検体を加える過程にのみピペットのバラツキが影響する.他の試薬は大過剰に加えるため,ピペッティングの影響は少ない.RIAよりも有利な点である. 14

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ELISA では吸光度のバラツキは測定値にどう反映するか

●吸光度が2%増加したと仮定した場合の増各標準点での測定値増加率試算 (レビス ラットインスリン S タイプ)

RIA と比べて、ELISAにおける縦軸,すなわち吸光度のバラツキは低濃度領

域でも測定値のバラツキに対する影響ははるかに小さい しかし標準曲線の中域でも測定値のバラツキに対する影響ははるかに小さい.しかし標準曲線の中間に比べ、低濃度領域と高濃度領域では大きくなる傾向があり,最低濃度ではほぼ2倍に増幅される.

STD濃度 吸光度 計算値 吸光度2%↑ 計算値 ⊿%

0.1 0.063 0.1004 0.06426 0.1047 4.28

0.25 0.105 0.2496 0.1071 0.2572 3.04

0.5 0.199 0.5018 2.034 0.5124 2.11

1 0.426 0.9977 0.4345 1.0159 1.82

2.5 1.173 2.5119 1.1965 2.5612 1.96

5 2.206 4.9683 2.25 5.0902 2.49

10 3.558 10.0479 3.629 10.4286 3.79

ピペットの選択,ピペッティングの手法の改善で低濃度のバラツキを出来るだけ小さくすることが感度アップのカギである. 15

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○ 抗体の親和性

高親和性の抗体選択の必要性

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●RIAでは抗体の親和性は測定感度に大きく影響するKd が大きい(低親和性)と結合率は下がり 標準曲線は右に移動し測定感度は悪くなるKd が大きい(低親和性)と結合率は下がり、標準曲線は右に移動し測定感度は悪くなる.

つまり親和性が低いと標準品添加による抗体への結合増大効果が大きくなるからである.

Ag:標識抗原濃度

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ELISAにおいて固相化抗体濃度を

10000pMと一定にした時10000pMと 定にした時,

解離定数と抗原結合量との関係を試算してみたのが

次の表です.

すなわちELISAの標準曲線に相当します.す 標準曲線 相当 す

この場合とりあえず,抗原と抗体はどちらも

溶液状態 反応すると仮定し ます溶液状態で反応すると仮定しています.

実際には抗体が固相化されているので結合量はその影響を受けます.

これについては後で解説します.

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抗体の親和性と抗原結合量抗体の親和性と抗原結合量

Std. 1 Std. 2 Std. 3 Std. 4 Std. 5 Std. 6 Std. 7 Std. 8 Std. 9

S lidSolidAb Kd 10pM 20 40 80 160 320 640 1280 2560

9.901 19.802 39.60 79.20 158.39 316.73 633.24 1265.51 2526.210000 100 99.0% 99.0 99.0 99.0 99.0 99.0 98.9 98.9 98.7

10000 3009.708

97.1%19.416

97.138.8397.1

77.6597.1

155.2797.0

310.3997.0

620.1696.9

1237.6396.7

2462.0296.210000 300 97.1% 97.1 97.1 97.1 97.0 97.0 96.9 96.7 96.2

10000 10009.090

90.9%18.179

90.936.3590.9

72.6890.9

145.2690.8

290.1290.7

578.5990.5

1150.0589.8

2266.8688.5

10000 30007.691

76.9%15.379

76.930.7576.9

61.4576.8

122.7376.7

244.7476.5

486.5676.0

961.0475.1

1869.9773.0

4 999 9 995 19 98 39 92 79 68 158 72 314 88 619 54 1198 4110000 10000

4.99950.0%

9.99550.0

19.9850.0

39.9249.9

79.6849.8

158.7249.6

314.8849.2

619.5448.4

1198.4146.8

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前ページの表を両対数グラフで表現した。解説は次ページ20

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両軸を対数で表現すると両軸を対数で表現すると

それぞれの標準曲線は平行線に近くなり

感度の差は平行線の水平距離で示されます感度の差は平行線の水平距離で示されます.

親和性が100倍違っても

標準曲線は1段(2倍)右方向(感度の悪くなる方向)に

平行移動する程度です.

すなわち固相化抗体量がたっぷりある状態で,

親和性がある程度以上高ければそれほど影響は大きくない親和性 程度以 高 影響

ということになります.(Kdとしては1000pM以下)

このことは親和性の低いモノクローン抗体を使用するのにこのことは親和性の低いモノクロ ン抗体を使用するのに

有利です.

もちろん親和性が良いに越したことはないのですがもちろん親和性が良いに越したことはないのですが.

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○ 固相化抗体量○ 固相化抗体量

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固相化する抗体の量が少ないと抗原結合量は低下し,測定の感度は低下するが、ある程度以上多ければ,たとえば 5000pM と10000pM ではこのグラフに示されるように ほとんど差が無くなる示されるように、ほとんど差が無くなる.

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固相化抗体量はある程度以上(ここでは5000pM以上)

多量であることが望ましいと言えます.

固相化抗体の量を増加させるには 精製された抗体分画を固相化抗体の量を増加させるには,精製された抗体分画を

固相化することでかなえられます.

すなわちIgG画分への精製で抗体タンパク濃度を高めすなわちIgG画分への精製で抗体タンパク濃度を高め,

更にはアフィニティークロマトによるモノスペシフィック抗体への

精製などにより抗原との結合能力を持つ抗体の純度を高めるのです精製などにより抗原との結合能力を持つ抗体の純度を高めるのです.

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○ 低濃度での結合反応の低下

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今までのお話は溶液での反応を仮定して計算した場合でした計算した場合でした.

傾向は分かるにしても,たとえば溶液中での反応を仮定して計算された標準曲線はほとんど直線に見えますが,先にELISAの標準曲線の例でお示ししましたように先にELISAの標準曲線の例でお示ししましたように実際にはそうではありません.

抗体が固相化されているときには反応にどのような影響が出るのでしょうか.

そこで実験してみました・・・・・

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ELISA では各標準点で実際にどのくらい添ELISA では各標準点で実際にどのくらい添

加抗原が固相化抗体にキャプチャーされているのだろうか?

●或る量の抗原を添加した時,それが実際にどの程度固相化抗体と結合したのかを調べるには,抗体と結合したのかを調 るには,

一定量の標準品を抗体固相化ウェルに反応させた後,反応液を他の抗体固相化ウ ルに移すことによ て反応液を他の抗体固相化ウェルに移すことによって「反応し残りの抗原量」を測定すれば判明する.

レビスインスリンキットラットT を用いて試してみた.反応①:通常通り反応反応②:反応①のBi tin STD 2hr反応後の各STDを反応②:反応①のBiotin,STD 2hr反応後の各STDを

100μl/wellずつ別のウェル移し、反応させ、その後は通常通りの測定過程を行う。

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検量線

3 0各標準点での抗原の

2.0

2.5

3.0

nm

反応①

反応②

結合量と結合率

1.0

1.5

abs.

450(⊿

620)n

●最高添加量(10ng/ml)での結合率は90%であったが、添加量の減少と共に

0.0

0.5

0 1 1 10

たが、添加量 減少と共に結合率は低下し,最少標準点では約45%,つまり結合率は半分となった.

0.1 1 10

Insulin(ng/ml)

添加量ng/ml 残渣測定値ng/ml 残渣(%) 結合率(%) 結合量ng/mlg g

10 0.9672 9.7 90.3 9.035 0.8273 16.55 83.45 4.17

2.5 0.588 23.52 76.48 1.9122.51.25 0.4844 38.75 61.25 0.7656

0.625 0.2868 45.89 54.11 0.33810 313 0.1444 46.21 53.79 0.16810.3130.156 0.086 55.13 44.87 0.07

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溶液中結合と固相化抗体への結合

100

60

80

100

(%)

20

40

60

結合

率 

0

20

Std.7 Std.6 Std.5 Std.4 Std.3 Std.2 Std.1

Standard

結合率(%) 溶液中結合理論値

インスリン測定系の場合50ng/mlでプラトーに達する事がわかっている.これはインスリンの場合約10,000pMに相当する.すなわち抗体は10,000pM程度が固相化されていると考えてよいであろう.

溶液中で反応すると仮定し,Kd は1000pMとして計算してみると結合率は赤線のようになる.

この濃度範囲では結合率は抗原濃度が低くてもこの濃度範囲では結合率は抗原濃度が低くても90%以上で一定になる筈であるが,実際には黒線のようにインスリン濃度が下がると結合率は減少する.

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添加濃度と結合率との関係

結合率 添加濃度 数 例す 第 因●結合率は添加濃度の対数に比例する 第1因子

結合率=0.1244Ln(x)+0.075

添加インスリンの結合率

100

70

80

90

100

40

50

60

70

結合

率,

10

20

30

40

0

10

0.1 1 10

添加インスリン濃度 ng/ml添加インスリン濃度,ng/ml

説明は次ページ 30

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結合率を添加抗原濃度の対数に対してプロットすると

ほぼ直線的な関係があるのが分かります.

つまり固相化されて運動しない抗体に対して

抗原だけが自由運動をして抗体と結合するという抗原だけが自由運動をして抗体と結合するという

ハンディキャップを示しています.

仮にこれを結合抑制の第1因子と呼ぶことにします.

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とすると,キャプチャーされた抗原に対して

酵素標識抗体が結合する場合にも同じ現象が酵素標識抗体が結合する場合にも同じ現象が

生じていいはずです.

固相化抗体に結合した全ての抗原に酵素標識アビジンが

結合しているなら結合しているなら,

酵素活性(吸光度)/結合抗原量 = 一定

となる筈ですが計算すると一定にはなっていません.

ここでも当然結合抑制が働いているのです.も当然結合抑制 働 る す

これを第2因子と呼ぶことにしましょう.

32

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結合抗原あたりの吸光度 すなわち吸光度率も添加抗結合抗原あたりの吸光度、すなわち吸光度率も添加抗原量の対数に比例する (説明前ページ) ・・・第2因子

添加抗原量と吸光度率

1 2

添加抗原の最高濃度を吸光度率100%としている.

y = 0.1641Ln(x) - 0.0724

R2 = 0.9073

1

1.2

0.6

0.8

吸光

度率

0.2

0.4吸

0

10 100 1000

添加抗原 M添加抗原, pM

33

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添加抗原量と吸光度との標準曲線をシミュレートするには抗原抗体反応式から得られた値に結合効率低下第1 因子を掛けて結合量を補正し,更に単位吸光度 吸光度率(結合効率低下第2 因子)を掛けなければならない位吸光度x吸光度率(結合効率低下第2 因子)を掛けなければならない.

シミュレーションと実際

1

10

0.1

Abs

.

Simulated

Observed

0.01

0.156 0.3125 0.625 1.25 2.5 5 10

標準 濃度標準品濃度,ng/ml

実際にラットインスリンTキットについて,

固相化抗体 と解離定数 の組み合わせでの添加抗原固相化抗体10000pMと解離定数1000pMの組み合わせでの添加抗原0.156~10ng/ml即ち27~1724pMの範囲で溶液状態での結合量を計算し,それに結合率低下因子1と

添加抗原量10ng/mlの吸光度(pMあたりに換算したもの)を掛け,

更に結合効率低下因子2を掛けて計算した標準曲線と実際の標準曲線を重ねて見た.

両曲線は良好な重なりを示した.34

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○ エッジ現象

ジ現象 防 感度改善 道 とエッジ現象の予防は感度改善への道のひとつ

35

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Edge 現象(Edge効果)g 現象( g 効果)

ウェルプレートの外周部にあるウェルが周囲の温度の影響を受けて他のウェルより反応が進行(あるいの影響を受けて他のウェルより反応が進行(あるいは遅延) してしまう現象

原 因

●ウェルプレートや試薬類が充分室温化されていない(冷蔵庫から出してすぐ使用)

●室温になっていても外部熱源(人体も含めて)からの輻射、伝導で熱が伝わる含めて)からの輻射、伝導で熱が伝わる

●エアコンの冷風/温風があたる

●陽の当たる窓際で測定

●冬季の朝測定室が冷え切っていると室温化に時間がかかることに気付かない

36

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初心者のエッジ現象 Blank absorbance obtained by 2operators

0 14

0.16

m

0.08

0.1

0.12

0.14

0(⊿

620)nm

0.02

0.04

0.06

0.08

Abs. 450

0

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9Well  pos ition A‐1 to H1初心者と熟練者が同じ測定キットを使用して

ブランクと標準曲線を比べたものである.初心者には ジ現象が現れ標準曲線 低濃度

S tandard curves  obtained by  2 operators10

nm

心者にはエッジ現象が現れ標準曲線の低濃度領域は使用に耐えない.

初心者では上の写真のようにプレートを指でし かりホ ルドしてしまうことが多く 体

1

50(⊿

620)しっかりホールドしてしまうことが多く,体

温が指の近くのウェルに伝わって反応を進行させてしまう(特に発色試薬添加中). 初心者は試薬添加に時間が掛かるので尚更影響が大

0 01

0.1Abs

 45は試薬添加に時間が掛かるので尚更影響が大

きくなる.

このことが唯一の原因とは言えないにしてもピペッティングの際プレートに手を触れないことが望まし

0.01

10 100 1000 10000Insulin concentration, pg/ml

い.

標準品系列のウェルには発色試薬を最後に加えるようにするのも一案. 37

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○ 非特異的吸着

Blankの吸光度増加

ELISAにおけるもっとも重要な点の一つは標識抗体の非特異的吸着である標識抗体の非特異的吸着である.

これによってブランクや低濃度領域の吸光度を増大させ測定感度 悪 さ う測定感度を悪化させてしまうのである.

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検出抗体の修飾による吸着低下

IgG ⇒ F(ab’)2, Fab’その対策としては,酵素標識抗体の吸着しやす 部位を除去し しまう吸着しやすい部位を除去してしまうこと.

すなわち,Fc と呼ばれるheavy chainの部分を酵素処理で切り取り,F(ab’)2とするか,さらにヒンジの部分で2分してFab’としてから酵素標識を行って

洗浄による吸着低下

分 酵素標識 行使用することである.

洗浄による吸着低下もうひとつ手軽に効果を上げる方法としては洗浄回数を増やすことである.強く洗浄するのは固相化抗体をはがしてしまう恐れがあり好ましくない.優 く 繰り返 を増やす とが大切 ある優しく,繰り返しを増やすことが大切である.次ページにその実例を示す.

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Washing repetition and blank absorbance(Mean & SD)(Mean & SD)

0.1180 140

0.160

0.180

) nm

0.097

0.100

0.120

0.140

⊿45

0(62

0)

0 040

0.060

0.080

banc

e ⊿

0.000

0.020

0.040

Absr

ob

1Washing 4 times Washing 8 times例1

Assay kit: Mouse insulin ELISA KIT (U-type)Difference of mean absorbance: p<0.065 Difference of variance:p<0.1

洗浄回数を緩やかな洗浄液の添加と共に回数を倍にした時洗浄回数を緩やかな洗浄液の添加と共に回数を倍にした時,ブランクの吸光度は確実に低下する.更にバラツキが有効に小さくなることが期待される.

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Washing repetition on blank absobance(mean&SD)(mean&SD)

0.10200.0880

0.1000

0.1200

20nm

0.0600

0.0800 4

50⊿

62

0 0200

0.0400

0.0600sr

obance,

0.0000

0.0200

1

Abs

Washing 4 times Washing 8 times例2 1g g

Assay kit: Rat TSH ELISA KITDifference of mean absorbance: p<0.03 Difference of variance: p<0.25

例2

p p

緩やかな洗浄回数の増加は必ずしもすべての洗浄過程で行う必要はなく,

標識抗体を加えて反応させた後の洗浄過程で行えばよい.

標準曲線の他の部分ではこのような効果は殆ど見られない.

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○ 増幅効果○ 増幅効果低濃度領域でごく少量しか結合していない抗原を効率よく検出することは高感度測定の必須条件である.

Biotin-avidin系の採用 (前出)

酵素の選択と可視光⇒蛍光基質の変換効率が良い酵素と,基質の選択.

基質に関しては.可視光色素を形成する基質よりも蛍光色素を形成する基質の方が検出効率は,はるかに優れている.

D galactosidase-D-galactosidase4-methylumbelliferyl--D-galactoside2 it h l D l t id2-nitrophenyl--D-galactoside

Horseradish peroxidaseo se ad s pe o dase3-(4-hydroxyphenyl)propionic acid

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これまでのまとめ その1これまでのまとめ その1

○ 低濃度領域での測定精度

ELISA はRIA と比べると低濃度領域でははるかに測定精度が優れているELISA はRIA と比べると低濃度領域でははるかに測定精度が優れている.

しかし現実として低濃度領域では標準曲線の中央部と比べ吸光度でCVは1.5倍,

検体濃度に直すとその2倍,すなわち3倍程度のCVとなる.

○ 抗体の親和性

ある程度の高い親和性のある(Kd:1000pM以下)抗体なら影響は少ない.

○ 固相化抗体量の増加

ある程度の量(例えば5000-10000pM)が固相化されていれば,影響は少ない.

○ 低濃度での結合反応の低下

低濃度での結合反応の低下に伴う標準曲線のたわみ(下に凹)は吸光度から

測定値への変換に際してCVを大きくさせ感度を低下させる 結合低下の原因測定値への変換に際してCVを大きくさせ感度を低下させる.結合低下の原因

は,キャプチャー抗体が固相化されていること,およびキャプチャー抗体に

結合することで抗原が動けなくなることの二つである.

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これまでのまとめ その2○ エ ジ現象○ エッジ現象

エッジ現象によりブランクの吸光度が増大し,低濃度標準点の吸光度よりも

高くなり,感度が発揮されない.エッジ現象を極力防止すること.高くなり,感度 発揮 れな ッ 現象を極力防 する

やむを得ない場合はブランクの吸光度を無視するかあるいは適当な

数値に変えて計算する (測定値は最低と最高標準品濃度の範囲でしか

)保証されないのだから).

○ 非特異的吸着

非特異的吸着はブランクや低濃度領域の吸光度を不必要に押し上げてしまい

感度低下させる.対策としては,

●酵素(avidin)標識抗体のFc部分を除去した形(Fab’ F(ab’)2)として使用する●酵素(avidin)標識抗体のFc部分を除去した形(Fab ,F(ab )2)として使用する.

●酵素標識抗体および酵素標識avidin添加-反応後の洗浄を緩和に,

回数を増やして洗浄する.

○ 増幅効果

抗原の結合が少量でも検出感度を上げることによって測定感度は改善される.

●基質変換効率の高い酵素を選択する.

●蛍光色素となる基質を選択する. まとめ終わり44

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ELISAでの血清・血漿検体の測定トラブルトラブル

●血液成分(高蛋白濃度)による固相化抗体への結合反応を遅延・妨害する可能性がある妨害する可能性がある

●保存料の影響●麻酔薬の影響●抗凝固剤の影響●抗凝固剤の影響●タンパク・ペプチド分解酵素の影響●溶血の影響●乳糜(にゅうび h l )の影響●乳糜(にゅうび,chyle)の影響取り扱い説明書に記されている検体条件を必ず読むこと

検討線●希釈直線性を検討する

●添加回収試験を実施する(高濃度標準液少量を検体に加えてみる.次のページ参照)

対策●影響を与える原因を探し,取り除く●血清成分を加えた標準液で血清(血漿)検体との解離を相殺する●血清成分を加えた標準液で血清(血漿)検体との解離を相殺する

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測定試料の適合性テスト測定試料の適合性テスト

まず標準溶液の系列を作ります.適当に選んだ代表的試料,たとえば対象群の

試料の一つ,から90l を小試験管に採り分けます

(採った試料の番号を記録しておいてください.仮にNo. Cとします.)

次に標準曲線の最高濃度の液を10l 採って小試験管内の試料に加え,

よく攪拌します.この標準品入りの試料を他の試料と共に測定します.

この測定値を試料 No. C の測定値を試料 No. C

測定結果と比べて見て下さい.

次ペ ジに続きます次ページに続きます.

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仮にNo. Cの測定値がAng/mlであったとしますと標準品入り試料

の測定値は,測定精度の範囲内で,

Ax0.9+(最高標準溶液濃度x0.1)ng/mlになっている筈です.

要するに簡単な添加回収試験ですね要するに簡単な添加回収試験ですね.

あなたの測定試料でこの計算値に近い値が得られれば,シバヤ

ギキ ト 測定系が試料に対して満足に機能して る とが証ギキットの測定系が試料に対して満足に機能していることが証

明されるわけです.

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以上で終わります以上で終わります

2009/04/30

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