関連本推薦による 立ち読み支援システム
DESCRIPTION
関連本推薦による 立ち読み支援システム. 北陸先端科学技術大学院大学 中田豊久,金井秀明,國藤進. Retrieval と Browsing. 情報検索の分野では,人の情報取得行動を Retrieval と Browsing に分類する. 本研究では,書店や図書館での本の立ち読みを, Browsing に相当する行為であると定義する.. Retrieval. Browsing. 探したい情報は特定できるが本の名前は特定できない. 探したい本の名前が特定できる. 本研究でいう立ち読み. 本の Browsing. - PowerPoint PPT PresentationTRANSCRIPT
2005/6/15 JSAI 2005
1
関連本推薦による立ち読み支援システム
北陸先端科学技術大学院大学中田豊久,金井秀明,國藤進
2005/6/15 JSAI 2005
2
Retrieval と Browsing
• 情報検索の分野では,人の情報取得行動をRetrieval と Browsing に分類する.
• 本研究では,書店や図書館での本の立ち読みを,Browsing に相当する行為であると定義する.
Retrieval Browsing
探したい本の名前が特定できる
探したい情報は特定できるが本の名前は特定できない
本研究でいう立ち読み
2005/6/15 JSAI 2005
3
本の Browsing
• Browsing は曖昧な情報の探索であり,その目的は興味ある情報を見つけることと考える.
• 購入したい本の名称が決まっている Retrieval では Amazon.com が便利だが, Browsing については実空間の本屋の方が良い面もある.
Web 本屋 実本屋Browsingには適している
2005/6/15 JSAI 2005
4
背景と目的• Amazon.com の情報を実空間へ
• 立ち読みを支援することにより,情報への興味の増加を期待することができる.
• 情報への興味が増加することは,知的活動を促進することにつながる.
関連本売り上げランキング
2005/6/15 JSAI 2005
5
システム概要
スポットライトによる位置の通知
隠れた物を探し出す位置の計測
高精度な位置の計測
パーティクルフィルタによる位置情報の統合
ロボットアームの座標逆変換を利用した照射位置の計算
2005/6/15 JSAI 2005
6
1
2
.... ....
立ち読みを支援する 2 つの機能• 関連本推薦
– 1 つの本を指定し,その本に関連する本をシステムが提示する.
• ランキング表示– 複数の本を指定し,それらの本のランキングを表示す
る.
2005/6/15 JSAI 2005
7
関連本推薦機能• 関連本ネットワークを予め構築してお
く. Amazon.com の Web Service を使用する.
• 以下の順に関連本を検索する.– 関連本ネットワーク上の最も近い本(最短パス数).– 推薦の履歴情報.推薦した本をユーザが手にした回数.– 関連本ネットワーク上の PageRank .– Amazon.com での売り上げランキング.
2005/6/15 JSAI 2005
8
ランキング表示機能• 関連本ネットワーク上の PageRank によりランキ
ングを表示する.– ユーザが指定した本の周りの関連本ネットワーク上で
の PageRank は,売り上げランキングに比べて,よりユーザに適したランキングを表示可能である.
n1n2
n3 n4 n5PageRank Node
0.456 n2
0.432 n3
0.0402 n4
0.0402 n5
0.0311 n1
2005/6/15 JSAI 2005
9
デモビデオ
入門 独立成分分析
パターン認識と学習の統計学
1. 話せば分かる2. セマンティック Web 入門3. 入門 独立成分分析
2005/6/15 JSAI 2005
10
評価実験• 目的
– スポットライトによる位置の通知が有効であるか,本への興味が増加するかを調査し, Web 本屋との比較を行う.
• 被験者と環境– 大学院学生 15 人に 13 冊の本を用意した立ち読み支援シ
ステムを使用してもらう.• スポットライトの有効性と, Web 本屋との比較
– システム使用後に,アンケートにより調査した.• 興味の変動
– システム使用前に本を見ながらその本に対する興味を記入してもらい,システム利用後に再度興味を調査した.
2005/6/15 JSAI 2005
11
結果:スポットライトと興味の変動• スポットライトによる位置の通知は有効か?
(5. とても有効 4. 有効 3. 分からない 2. 有効でない 1. まったく有効でない )
– 平均 4.47 標準偏差 0.64
• 興味の変動(5. とても興味がある 4. 興味がある 3. 分からない 2. 興味がない 1.全く
興味がない )
– システム使用前 平均 3.33 標準偏差 0.073
– システム利用後 平均 3.48 標準偏差 0.078平均値検定 1%水準で有意差あり
2005/6/15 JSAI 2005
12
結果:興味を増加させる要因• システム使用後に興味が増加した本は延べ 195
冊中に 29 冊あった.• この 29 冊とそれ以外の本の違いを調査した.
– 調査項目は,対象となる本自体の興味とランキング,およびその対象の本の関連本に対する興味とランキング.
• 中距離の興味のみに平均値検定で有意差がでる.
興味ランキング
興味ランキング
興味ランキング
興味ランキング
興味ランキング
興味ランキング
興味ランキング
近距離 (1-3) 中距離 (4-6) 遠距離 (7-9) それ以上 (10-)
興味ランキング
興味ランキング
2005/6/15 JSAI 2005
13
結果: Web 本屋と実本屋• Web 本屋と実本屋での立ち読みの面白さについ
て(5. とても面白い 4. 面白い 3. 分からない 2. 面白くない 1. とても面白く
ない )
– Web 本屋 平均 3.47 標準偏差 0.26
– 実本屋(立ち読み支援なし) 平均 3.47 標準偏差 0.26
– 実本屋(立ち読み支援あり) 平均 4.40 標準偏差 0.16
分散分析 5%水準で有意差あり
2005/6/15 JSAI 2005
14
考察• スポットライトによる本の提示には有効性があ
ると示された.アンケート結果には,「ベテランの店員が本を推薦してくれるようだ」という意見もあった.
• 興味の増加に影響を与えている要素は,中距離の関連本に対する興味であった.近距離は既知,遠距離は関連性の不明瞭が原因と考える.
• Web 本屋に対して面白さで有意差を得た要因として,「Web では本の中身が見れない」「紙媒体の方が見やすい」などの意見があった.
2005/6/15 JSAI 2005
15
関連研究• Pinhanez, IBM The Everywhere Display Project, 2003
– 可動プロジェクタで店舗での商品探しなどを支援.• Butz, SearchLight – A lightweight Search Function for
Pervasive Environments, 2004– 可動プロジェクタで図書館での本探しを支援.
• Reitmayr, Location based applications for mobile augmented reality, 2003– HMD により図書館での拡張現実を実現.
• Raskar, iLamps: Geometrically Aware and Self-Configuring Projectors, 2003– プロジェクタを手に持って拡張現実を実現.
2005/6/15 JSAI 2005
16
まとめ• 実空間での本のブラウジングにあたる「立ち読
み」を支援するシステムを構築した.• 評価実験から,立ち読み支援システムによって
興味が増加することを確認した.• 立ち読み支援システムを使うことによって,実
空間での立ち読みが Web でのブラウジング以上の面白さを得ることを示唆する結果を得た.
• 今後も実空間と情報空間( Web )とのリンクを結ぶ機能を付加していきたいと考える.