第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

34
5 5 第 第第第第第第第第 第 第第第第第第第第 第 第第第第 第 第 第第第第 第

Upload: ahmed-benjamin

Post on 30-Dec-2015

44 views

Category:

Documents


0 download

DESCRIPTION

第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー. この章の内容. Ⅰ  家計に関する統計調査 家計収支・貯蓄に関する統計調査 消費の動向に関する統計調査 Ⅱ  家計調査の特徴と問題点 調査方法の特徴 家計調査における過少性の問題 Ⅲ  家計収支の分析 収支バランス 可処分所得・消費・貯蓄 Ⅳ  消費構造の分析 消費関数 エンゲル関数 Ⅴ  所得や資産の格差 ローレンツ曲線 ジニ係数. <おもなポイント> 家計に関する統計にどのようなものがあり、家計調査はどのような特徴をもつか。 - PowerPoint PPT Presentation

TRANSCRIPT

Page 1: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

第第 55 章 家計に関する統章 家計に関する統計計

経済統計 ー ー 経済統計 ー ー

Page 2: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

この章の内容この章の内容ⅠⅠ 家計に関する統計調査 家計に関する統計調査

a)a) 家計収支・貯蓄に関する統計調家計収支・貯蓄に関する統計調査査

b)b) 消費の動向に関する統計調査消費の動向に関する統計調査

ⅡⅡ 家計調査の特徴と問題点 家計調査の特徴と問題点a)a) 調査方法の特徴調査方法の特徴b)b) 家計調査における過少性の問題家計調査における過少性の問題

ⅢⅢ 家計収支の分析 家計収支の分析a)a) 収支バランス収支バランスb)b) 可処分所得・消費・貯蓄可処分所得・消費・貯蓄

ⅣⅣ  消費構造の分析 消費構造の分析a)a) 消費関数消費関数b)b) エンゲル関数エンゲル関数

ⅤⅤ 所得や資産の格差 所得や資産の格差a)a) ローレンツ曲線ローレンツ曲線b)b) ジニ係数ジニ係数

<おもなポイント>

•家計に関する統計にどのようなものがあり、家計調査はどのような特徴をもつか。

•家計調査の結果は、経済学における「所得・消費・貯蓄」にどのような対応しているか。

•家計調査を使った分析によって、どのようなことがわかるか。

•格差社会を表す指標としてどのようなものがあるか。     など

Page 3: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

ⅠⅠ 家計に関する統計調査 家計に関する統計調査 図 経済循環の概略

                                                     税金 政府の使う財・サービス

                                               公共サービス 税金

                  政府支出

                公共サービス

労働力、財・サービスの対価

賃金、財・サービス

政 府

世 帯(家 計)

企 業・

事 業 所

Page 4: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

a) a) 家計収支・貯蓄に関する統計調査家計収支・貯蓄に関する統計調査  経済学で   経済学で  YY (所得)=(所得)= CC (消費)+(消費)+ SS (貯蓄) という関(貯蓄) という関

係がある。最初に、所得が消費と貯蓄にどのように振り分けら係がある。最初に、所得が消費と貯蓄にどのように振り分けられるかの統計を取り上げる。れるかの統計を取り上げる。

家計調査家計調査(基幹統計、総務省統計局)(基幹統計、総務省統計局)• 全国約全国約 90009000 世帯を選び、毎月実施する。世帯を選び、毎月実施する。• 被調査者が家計簿をつけ、総務省統計局でこれを集計する。被調査者が家計簿をつけ、総務省統計局でこれを集計する。• 各世帯は各世帯は 66 ヶ月間(単身世帯はヶ月間(単身世帯は 33 ヶ月間)継続して調査され、毎ヶ月間)継続して調査され、毎

月月 66 分の分の 11 ずつ入れ替えられる。 → ずつ入れ替えられる。 → ローテーションシステローテーションシステムム

• 以前は以前は 22 人以上の非農林漁家世帯のみを対象としていたが、人以上の非農林漁家世帯のみを対象としていたが、近年の改正で調査対象が拡大された。で調査対象が拡大された。

Page 5: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

全国消費実態調査全国消費実態調査(基幹統計、総務省統計局)(基幹統計、総務省統計局)• 55 年に年に 11 度、西暦の末尾が度、西暦の末尾が 44 とと 99 の年のの年の 99 月から月から 1111 月までの月までの 33

か月間実施、全国約か月間実施、全国約 66 万世帯を選ぶ、大規模標本調査。万世帯を選ぶ、大規模標本調査。• 被調査者は、家計調査と同様に被調査者は、家計調査と同様に 33 ヶ月間(単身世帯はヶ月間(単身世帯は 22 ヶ月間)ヶ月間)

家計簿をつけるほか、貯蓄の状況、耐久消費財の購入状況などの家計簿をつけるほか、貯蓄の状況、耐久消費財の購入状況などの調査票にも記入する。調査票にも記入する。

Page 6: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

b) b) 消費の動向に関する統計調査消費の動向に関する統計調査  消費について、より詳細に見た調査を取り上げる。  消費について、より詳細に見た調査を取り上げる。 消費動向調査(消費動向調査(一般統計、内閣府)一般統計、内閣府)

• 毎月実施、毎月実施、 3, 6, 9, 123, 6, 9, 12 月は調査事項が増える。平成月は調査事項が増える。平成 1515 年度より年度より民間の調査機関に委託民間の調査機関に委託 (( 標本数 約標本数 約 67206720 世帯世帯 ))

• 消費者の意識に重点をおいた調査消費者の意識に重点をおいた調査 家計消費状況調査(家計消費状況調査(一般統計、総務省統計局)一般統計、総務省統計局)

• 毎月民間の調査機関に委託して実施毎月民間の調査機関に委託して実施 (( 標本数 約標本数 約 33 万世帯万世帯 ))• ITIT 関連商品・サービスや購入頻度の少ない高額商品の購入状況な関連商品・サービスや購入頻度の少ない高額商品の購入状況な

どを調査どを調査• 家計調査で十分把握できないものを補うための調査家計調査で十分把握できないものを補うための調査

Page 7: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

a) a) 調査方法の特徴調査方法の特徴

 家計調査の特徴として、おもに以下の 家計調査の特徴として、おもに以下の 22 点があるが、それぞれ問点があるが、それぞれ問題点もある。題点もある。

家計簿を自ら記入する方式家計簿を自ら記入する方式• 長所 - 消費支出の詳細なデータが得られる長所 - 消費支出の詳細なデータが得られる• 短所 - 記入者の負担が大きい短所 - 記入者の負担が大きい

66 ヶ月間継続し、ヶ月間継続し、 66 分の分の 11 ずつ入れ替えるローテーションシスずつ入れ替えるローテーションシステムテム

• 長所 - 標本の入れ替えによる変動が少ない長所 - 標本の入れ替えによる変動が少ない• 短所 - 学習効果による消費抑制 → 家計簿をつけていない他の世帯短所 - 学習効果による消費抑制 → 家計簿をつけていない他の世帯

とのズレとのズレ

ⅡⅡ 家計調査の特徴と問題点 家計調査の特徴と問題点

Page 8: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

b) b) 家計調査における過少性の問題家計調査における過少性の問題  

 家計調査における消費支出は過少性を持つといわれる。 家計調査における消費支出は過少性を持つといわれる。

• 被調査者の負担が大きく、消費のうちいくらかが抜け落ちる被調査者の負担が大きく、消費のうちいくらかが抜け落ちる → つけ忘れなどの影響もあるが、自動車などの高額な耐久消 → つけ忘れなどの影響もあるが、自動車などの高額な耐久消

費財を購入した場合などは、それを毎日の家計簿に書くこと費財を購入した場合などは、それを毎日の家計簿に書くことには抵抗感がある。そのため抜け落ちる可能性がある。には抵抗感がある。そのため抜け落ちる可能性がある。

 ⇒ 家計消費状況調査の結果をうまく用いることができれば、 ⇒ 家計消費状況調査の結果をうまく用いることができれば、補うことができるであろう。補うことができるであろう。

• 学習効果によってムダを抑える学習効果によってムダを抑える

 → この過少性の問題は、国民経済計算の結果と比較していわれる。 → この過少性の問題は、国民経済計算の結果と比較していわれる。

Page 9: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

ⅢⅢ 家計収支の分析 家計収支の分析

2 人以上世帯

単身世帯

総世帯

勤労者世帯

勤労者世帯以外

勤労者世帯 ( 世帯主がサラリーマン )  - 収入と支出の両面を調査勤労者世帯以外 ( 世帯主が自営業など ) - 支出と年間収入のみを調査

勤労者世帯

勤労者世帯以外

平成 19 年までは、 2 人以上世帯について、農林漁家世帯を含む結果と含まない結果が両方表象されていた。現在、農林漁家世帯を含まない結果は一部に残るのみである。

平成 19 年までは、勤労者世帯と勤労者世帯以外をあわせたものを、「全世帯」と表していた。

Page 10: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

aa ) 収支バランス) 収支バランス

収入総額 収入総額 = = 実収入 実収入 + + 実収入以外の収入 実収入以外の収入 + + 繰入繰入金金

(( 預貯金引出、保険配当金など預貯金引出、保険配当金など ))

∥∥

支出総額 支出総額 = = 実支出 実支出 + + 実支出以外の支出 実支出以外の支出 + + 繰越金繰越金 (( 預貯金、保険掛金など預貯金、保険掛金など ))

Page 11: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

bb ) 可処分所得、消費、貯蓄) 可処分所得、消費、貯蓄

 可処分所得  可処分所得 = = 実収入 実収入 - - 非消費支出非消費支出(税金、社会保険料(税金、社会保険料など)など)

可処分所得 可処分所得 = = 消費支出 消費支出 + + 貯蓄 貯蓄 (( 黒字黒字 )) 所得(所得( Y)Y)     消費(    消費( C)C)    貯蓄(   貯蓄( S)S)

( 各世帯が可処分所得のうち、消費にむける平均的な割合 )

100可処分所得消費支出

平均消費性向

100可処分所得黒字

黒字率

100可処分所得貯蓄純増

平均貯蓄率

( 経済学における貯蓄率に対応する )

Page 12: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

ⅣⅣ  消費構造の分析 消費構造の分析a) a) 消費関数消費関数家計収支の分析において、家計収支の分析において、 可処分所得  可処分所得 = = 消費支出 消費支出 + + 貯蓄 貯蓄 (( 黒字黒字 ))     所得(所得( YY ))        消費(消費( CC ))      貯蓄(貯蓄( SS ))

という関係をみた。経済学において、もうという関係をみた。経済学において、もう 11 つ次のよつ次のような関係がある。うな関係がある。            所得↑ → 消費↑            所得↑ → 消費↑

この関係を数学の用語を用いて表現すると、この関係を数学の用語を用いて表現すると、                  「消費は所得の関数である」「消費は所得の関数である」

といえる。といえる。

Page 13: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

これを数式の形で表したものが消費関数であこれを数式の形で表したものが消費関数であり、代表的なものがケインズ型消費関数であり、代表的なものがケインズ型消費関数である。る。Y(消費) = a + b X(所得)Y(消費) = a + b X(所得)↑↑              ↑              ↑

結果             原因結果             原因

X( 所得)

Y(

消費

Y=a+bX

Page 14: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

  家計調査のデータを用いれば、この消費関数の関係  家計調査のデータを用いれば、この消費関数の関係が成り立っているかどうかを検証することができる。が成り立っているかどうかを検証することができる。

1. 1. クロスセクション分析クロスセクション分析  年間収入階級別のデータなどを用いればクロスセ  年間収入階級別のデータなどを用いればクロスセクションの消費関数を求めることができる。クションの消費関数を求めることができる。

Y=74341+0.561X

0

100,000

200,000

300,000

400,000

500,000

600,000

0 200,000 400,000 600,000 800,000 1,000,000

消費

支出

可処分所得

年間収入階級別の所得と消費 (家計調査 平成21年平均)(全国・2人以上世帯のうち勤労者世帯・農林漁家世帯除く)

Page 15: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

    2. 2. 時系列分析時系列分析  毎年のデータなどを用いれば時系列の消費関数を  毎年のデータなどを用いれば時系列の消費関数を求めることができる。求めることができる。

  限界消費性向 -   限界消費性向 -  XX がが 11 単位増加するときの単位増加するときの YYの増分、この時系列分析ではの増分、この時系列分析では 0.7170.717 となる。となる。

Y=11062+0.717X

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

0 100000 200000 300000 400000 500000 600000

消費

支出

可処分所得

所得と消費の時系列データ (家計調査 1963年~2009年)(全国・2人以上世帯のうち勤労者世帯・農林漁家世帯除く)

Page 16: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

b) b) エンゲル関数エンゲル関数年間収入年間収入 55 分位階級別の消費支出のデータにつ分位階級別の消費支出のデータについて、各費目(大分類)について、折れ線グラいて、各費目(大分類)について、折れ線グラフを描いてみる。フを描いてみる。

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ

消費

支出

に占

める割合

(%)

収入階級

年間収入と消費支出(1) 食料費とその他の支出

食料

その他

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ

消費

支出

に占

める割合

(%)

収入階級

年間収入と消費支出(2)

住居

光熱・水道

家具・家事用品

被服及び履物

保健医療

交通・通信

教育

教養娯楽

Page 17: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

このグラフを見ることによって、各費目を分類すこのグラフを見ることによって、各費目を分類することができる。ることができる。所得が高いほど構成比が小さいもの(右下がりのグラフ)所得が高いほど構成比が小さいもの(右下がりのグラフ)    食料、住居、光熱・水道、保健医療 → 食料、住居、光熱・水道、保健医療 → 必需品必需品

所得が高いほど構成比が大きいもの(右上がりのグラフ)所得が高いほど構成比が大きいもの(右上がりのグラフ)    被服および履物、教育、教養・娯楽、その他 → 被服および履物、教育、教養・娯楽、その他 → ぜいたく品ぜいたく品

所得によって構成比が変わらないもの(横ばいのグラ所得によって構成比が変わらないもの(横ばいのグラフ)フ)    家具・家事用品、交通通信家具・家事用品、交通通信

※※ エンゲル係数 - 食料費の消費支出に占める割合 エンゲル係数 - 食料費の消費支出に占める割合 所得が高くなるほど、エンゲル係数が低くなるという 所得が高くなるほど、エンゲル係数が低くなるというエエンゲルの法則ンゲルの法則が成立している。が成立している。

Page 18: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

各費目について、より詳しく分析するために、各費目について、より詳しく分析するために、エンゲル関数を用いることができる。エンゲル関数を用いることができる。

エンゲル関数は消費支出を横軸に、各費目別支エンゲル関数は消費支出を横軸に、各費目別支出を縦軸にとり、回帰分析をおこなって求める。出を縦軸にとり、回帰分析をおこなって求める。

50000

55000

60000

65000

70000

75000

80000

85000

90000

95000

200000 250000 300000 350000 400000 450000 500000

食料

消費支出

食料費のエンゲル関数

階級 C)消費支出( E食料()Ⅰ 215959 53678Ⅱ 262169 61084Ⅲ 308426 68614Ⅳ 359329 76645Ⅴ 449417 90651

Page 19: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

この結果この結果E = 19581 + 0.158 CE = 19581 + 0.158 C

という関数が推計された。という関数が推計された。一般的に一般的に E = a + bC E = a + bC と表すと、と表すと、 a a や や b b の符の符号によって、各費目は次のように分類される。号によって、各費目は次のように分類される。傾き 傾き b b -消費支出が変化したとき、その費目に-消費支出が変化したとき、その費目にふり分けられる支出の割合ふり分けられる支出の割合

• b > 0 b > 0 のとき 消費↑ → 費目別支出↑ (正常のとき 消費↑ → 費目別支出↑ (正常財) 財) 

• b < 0 b < 0 のとき 消費↑ → 費目別支出↓ (劣等のとき 消費↑ → 費目別支出↓ (劣等財)財)

Page 20: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

切片切片 a a - - E = a + b C E = a + b C の両辺をの両辺を CC で割るとで割ると

となる。この左辺は各費目の構成比となる。となる。この左辺は各費目の構成比となる。 C>0C>0 ななので、ので、 CC が増加したとき、左辺の構成比が増加するが増加したとき、左辺の構成比が増加するかどうかはかどうかは aa の符号によって決まる。の符号によって決まる。

• a > 0 a > 0 のとき 消費↑ → 構成比↓  (必需品) のとき 消費↑ → 構成比↓  (必需品) • a < 0 a < 0 のとき 消費↑ → 構成比↑  (ぜいたく品)のとき 消費↑ → 構成比↑  (ぜいたく品)

以上の結果から以上の結果から必需品 食料、住居、光熱・水道、家具・家事用品、保健医療、交通・通必需品 食料、住居、光熱・水道、家具・家事用品、保健医療、交通・通信信ぜいたく品 被服および履物、教育、教養・娯楽、その他ぜいたく品 被服および履物、教育、教養・娯楽、その他 また、住居は劣等財である。 また、住居は劣等財である。

bC

a

C

E

Page 21: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

エンゲル関数の推計結果

食料 E = 19581 + 0.158 C η = 0.716住居 E = 23893 - 0.013 C η = - 0.227光熱・水道 E = 12067 + 0.029 C η = 0.434家具・家事用品 E = 690 + 0.030 C η = 0.983被服及び履物 E = - 6426 + 0.063 C η = 1.464保健医療 E = 2130 + 0.031 C η = 0.825交通・通信 E = 8591 + 0.121 C η = 0.860教育 E = - 17360 + 0.116 C η = 1.982教養娯楽 E = - 10849 + 0.138 C η = 1.340その他 E = - 32317 + 0.327 C η = 1.466

Page 22: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

食料費の支出弾力性 - 消費支出が食料費の支出弾力性 - 消費支出が 1%1% 増増加した時に、食料費が何加した時に、食料費が何 %% 増加するか増加するか (( ここここでは、それをでは、それを ηη で表す)。で表す)。

と求める。ただし、と求める。ただし、     ΔCΔC  消費支出の変化 消費支出の変化     ΔEΔE  これに対応する食料費の変化 これに対応する食料費の変化である。である。

C

C

E

E /

※※ 支出弾力性 支出弾力性

Page 23: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

(例) (例)   消費支出(  消費支出( CC ) )  3030 万円 → 万円 → 3535 万円 万円  ΔCΔC == 55 万円万円  食料費(  食料費( E)E)         88万円 → 万円 → 99 万円 万円  ΔΔE=E= 11 万円万円

75.04

3

30

5/

8

1

CEC

C

E

Elog/log/

よって、食料費の支出弾力性はよって、食料費の支出弾力性は 0.750.75 となる。となる。

ところで、ところで、

であり、これは であり、これは logE = a + b logC logE = a + b logC という回帰という回帰分析をおこなったときの、分析をおこなったときの、 bb の値である。の値である。

Page 24: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

支出弾力性は次のように解釈できる。支出弾力性は次のように解釈できる。 0<η<1: E0<η<1: E の増加率はの増加率は CC の増加率より小さい(必需の増加率より小さい(必需

品)品)    食料、光熱・水道、家具・家事用品、保健医療、交通・通信食料、光熱・水道、家具・家事用品、保健医療、交通・通信

η>1: Eη>1: E の増加率はの増加率は CC の増加率より大きい(ぜいたの増加率より大きい(ぜいたく品)く品)

    被服および履物、教育、教養・娯楽、その他被服および履物、教育、教養・娯楽、その他

η<0: Cη<0: C が増加するとが増加すると EE は減少する(劣等財)は減少する(劣等財)    住居住居

支出弾力性の解釈支出弾力性の解釈

Page 25: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

ⅤⅤ 所得・資産の格差 所得・資産の格差

0

2

4

6

8

10

225 325 425 525 625 725 825 925 1025 1125 1225 1325 1425

世帯割合

(%)

年間収入(万円)

年間収入分布のヒストグラム『平成21年 家計調査』より作成(2人以上世帯)

0

2

4

6

8

10

12

50 250 450 650 850 1050 1250 1450 1650 1850 2050 2250 2450 2650 2850 3050 3250 3450 3650 3850

世帯割合

(%)

貯蓄現在高(万円)

資産分布のヒストグラム『平成21年 家計調査』より作成(2人以上世帯)

Page 26: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

所得や資産のヒストグラムを見ると、所得や資産のヒストグラムを見ると、

「少数のお金持ちと多数の一般人」「少数のお金持ちと多数の一般人」

がいることが分かる。(特に資産の分布)がいることが分かる。(特に資産の分布)

このような状態はこのような状態は不平等不平等であると考える。であると考える。

すべての人の所得や資産が等しい状態をすべての人の所得や資産が等しい状態を平等平等ととし、そこからどの程度離れているかを知りたい。し、そこからどの程度離れているかを知りたい。

Page 27: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

55 人兄弟が遺産を相続するとき、人兄弟が遺産を相続するとき、 (a) (a) は、は、 55 人兄弟がそれぞれ人兄弟がそれぞれ 55 分の分の 11 ずつ相続するという例。ずつ相続するという例。 (b) (b) は、は、 55 人兄弟がそれぞれ異なった取り分を相続する例。人兄弟がそれぞれ異なった取り分を相続する例。 (c) (c) は、長男がすべての遺産を相続するという例。は、長男がすべての遺産を相続するという例。

取り分 取り分 取り分長男 1/ 5 長男 5/ 15 長男 1次男 1/ 5 次男 4/ 15 次男 0三男 1/ 5 三男 3/ 15 三男 0四男 1/ 5 四男 2/ 15 四男 0五男 1/ 5 五男 1/ 15 五男 0

(a) (b) (c)

(a) (a) は、は、 55 人が平等に相続しているのに対して、人が平等に相続しているのに対して、 (b)(b) やや(c) (c) は、不平等である。は、不平等である。

†† 55 人兄弟の遺産相続の例人兄弟の遺産相続の例

Page 28: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

このこの 33 つのパターンについて、取り分の小さい順に並つのパターンについて、取り分の小さい順に並べかえ、人数の比率と金額べかえ、人数の比率と金額 (( 遺産の取り分遺産の取り分 )) の比率のの比率の累積を計算してみた。累積を計算してみた。

累積人数比率 累積金額比率 累積人数比率 累積金額比率 累積人数比率 累積金額比率五男 1/ 5 1/ 5 五男 1/ 5 1/ 15 五男 1/ 5 0四男 2/ 5 2/ 5 四男 2/ 5 3/ 15 四男 2/ 5 0三男 3/ 5 3/ 5 三男 3/ 5 6/ 15 三男 3/ 5 0次男 4/ 5 4/ 5 次男 4/ 5 10/ 15 次男 4/ 5 0長男 1 1 長男 1 1 長男 5/ 5 1

(b) (c)(a)

累積-それ以前のものをすべて加えるということ。累積-それ以前のものをすべて加えるということ。(( 例例 ) (b)) (b) の三男の累積金額比率の三男の累積金額比率「五男の取り分」+「四男の取り分」+「三男の取り「五男の取り分」+「四男の取り分」+「三男の取り分」となるので、分」となるので、 1/15 + 2/15 + 3/15 = 6/15 1/15 + 2/15 + 3/15 = 6/15 となとなる。る。

Page 29: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

横軸に累積人数比率を、縦軸に累積金額比率をとり、横軸に累積人数比率を、縦軸に累積金額比率をとり、線でつないだものが下の図である。線でつないだものが下の図である。

遺産相続の例

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

累積人数比率

累積金

額比率

(a)(b)(c)

a)a)  ローレンツ曲線 ローレンツ曲線

この曲線は、この曲線は、ローレンツ曲線ローレンツ曲線とよとよばれ、不平等の度合いを表す曲線ばれ、不平等の度合いを表す曲線である。である。

4545 度線が度線が完全平等線完全平等線といわれる。といわれる。(( この例ではこの例では (a)(a) のグラフが該当すのグラフが該当する。る。 ))

不平等度が大きいほど、グラフが不平等度が大きいほど、グラフが完全平等線から右下方に離れる。完全平等線から右下方に離れる。

  → (b)より(c)の方が不  → (b)より(c)の方が不平等平等

Page 30: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

ローレンツ曲線の完全平等線からの離れぐあいローレンツ曲線の完全平等線からの離れぐあいを数値で表したものを数値で表したもの

完全平等線とローレンツ曲線で囲まれる部分の完全平等線とローレンツ曲線で囲まれる部分の面積を面積を 22 倍したもの倍したもの

遺産相続の例

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

累積人数比率

累積金

額比率

この面積の 2倍灰色の四角の面積が 1 なので、 0と 1 の間の値をとり、 1 に近いほど不平等度が大きい

b)b)  ジニ係数 ジニ係数

Page 31: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

残りの部分を台形に分割し、正方形から引く残りの部分を台形に分割し、正方形から引く

ジニ係数の計算方法ジニ係数の計算方法

台形の面積の公式台形の面積の公式(( 上底+下底上底+下底 )×)× 高さ高さ ÷÷22を使う。を使う。

上底

下底

高さ

Page 32: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

遺産相続の遺産相続の (b)(b) で、次のような台形がある。で、次のような台形がある。

 上底 - 三男までの累積金額比率( 上底 - 三男までの累積金額比率( 6/156/15 )) 下底 - 次男までの累積金額比率( 下底 - 次男までの累積金額比率( 10/1510/15 )) 高さ - 三男と次男の累積人数比率の差 高さ - 三男と次男の累積人数比率の差(( 1/51/5 ))

この台形の面積は この台形の面積は (6/15 + 10/15)×1/5÷2(6/15 + 10/15)×1/5÷2 = 8/75= 8/75

遺産相続の例

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

累積人数比率

累積金

額比率

累積人数比率 累積金額比率五男 1/ 5 1/ 15四男 2/ 5 3/ 15三男 3/ 5 6/ 15次男 4/ 5 10/ 15長男 1 1

遺産相続の例 遺産相続の例  (b)(b)

このような台形(このような台形( 11 番左は直角三角形)の面積を全部加え、その番左は直角三角形)の面積を全部加え、その 22 倍を倍を正方形から引く正方形から引く 11 -- (1/150 + 2/75 + 3/50 + 8/75 + 1/6) × 2(1/150 + 2/75 + 3/50 + 8/75 + 1/6) × 2

= 1= 1-- 11/30×211/30×2

= 4/15 == 4/15 = 0.26660.2666……

0.267

Page 33: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

(例 ) (0.00612+0.02165)×(0.06704-0.02426)÷2 = 0.00059

ジニ係数 1- 0.3515689×2 = 0.29662

年間収入の例  ( 平成 21 年 家計調査  2 人以上世帯 )階 級 集計世帯数 年間収入

- 200 190 157200 - 250 335 226250 - 300 482 275300 - 350 662 323350 - 400 690 373400 - 450 637 423450 - 500 578 473500 - 550 543 522550 - 600 461 573600 - 650 441 621650 - 700 360 672700 - 750 331 722750 - 800 288 772800 - 900 479 844900 - 1000 356 944

1000 - 1250 540 10981250 - 1500 223 13542000 - 235 1968

年収総額

2983075710

132550213826257370269451273394283446264153273861241920238982222336404276336064592920301942462480

累積世帯数 累積世帯比率0.00000

190 0.02426525 0.06704

1007 0.128591669 0.213132359 0.301242996 0.382583574 0.456394117 0.525734578 0.584605019 0.640915379 0.686895710 0.729155998 0.765936477 0.827106833 0.872567373 0.941517596 0.969997831 1.00000

累積年収総額 累積年収比率0.00000

29830 0.00612105540 0.02165238090 0.04884451916 0.09271709286 0.14551978737 0.20079

1252131 0.256871535577 0.315021799730 0.369212073591 0.425392315511 0.475022554493 0.524052776829 0.569663181105 0.652603517169 0.721544110089 0.843184412031 0.905124874511 1.00000

台形面積

0.000070.000590.002170.005980.010490.014080.016890.019830.020140.022370.020700.021110.020110.037380.031230.053950.024890.02859

計 0.35060

Page 34: 第 5 章 家計に関する統計 ー 経済統計 ー

ジニ係数

0.57375

資産のローレンツ曲線資産のローレンツ曲線所得のローレンツ曲線所得のローレンツ曲線

ジニ係数

0.29881

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

累積

所得比率

累積世帯比率

年間収入(全国・2人以上世帯)(家計調査 平成21年平均)

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

累積

資産比率

累積世帯比率

貯蓄現在高(全国・2人以上世帯)(家計調査 平成21年平均)