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環境省・みずほ情報総研 SBT(企業版2℃⽬標) について -賢い 選択-

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環境省・みずほ情報総研

SBT(企業版2℃⽬標)について

- 賢 い選 択 -

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⽬ 次1. SBTとは?2. いま、なぜSBTなのか?3. SBTを取⼊れた環境経営の例4. SBTの参加企業5. SBTの設⽴・運営機関6. SBTの認定基準7. SBTの⼿続き8. SBTの設定⼿法9. SBTの設定のサンプル例10.SBT認定とCDP質問書との関係【別冊参考資料①】SBT認定基準詳細【別冊参考資料②】SBTの認定事例

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44667276828698

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1. SBTとは?

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SBT(Science Based Targets)とは、産業⾰命時期⽐の気温上昇を「2℃未満」にするために、企業が気候科学(IPCC)に基づく削減シナリオと整合した削減⽬標を設定。

SBTとは?

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排出量

年2010 2025〜2030 2050

2050年に49〜72%削減を⽬安として、2025年〜30年頃の⽬標を設定するもの。

2010年⽐49%削減(必須※)=毎年同率とすると年1.7%削減

2010年⽐72%削減(推奨)=毎年同率とすると年3.1%削減

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SBTのイメージ

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事業者⾃らの排出だけでなく、事業活動に関係するあらゆる排出を合計した排出量

サプライチェーン排出量

= Scope1排出量

+ Scope2排出量

+ Scope3排出量

燃料の燃焼、⼯業プロセス等、事業者⾃らによる温室効果ガスの直接排出

他者から供給された電気・熱・蒸気の使⽤に伴う間接排出

その他間接排出(算定事業者の活動に関連する他社の排出)15のカテゴリに分類 5

サプライチェーン排出量とは

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2. いま、なぜSBTなのか?

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理由1:地球温暖化の深刻化

対策の主役は⾮政府主体

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(℃)

0.85℃上昇

0.85℃上昇

産業⾰命時期と⽐べて産業⾰命時期と⽐べて

出典:AR5 WG1 政策決定者向け要約 Fig SPM.1(年)

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地球温暖化の進⾏状況

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(℃)

厳しい対策をとれば、産業⾰命時期⽐で0.9〜2.3℃上昇

(出所)AR5 SYR 図SPM.6

現状を上回る対策をとらないと、産業⾰命時期⽐で3.2〜5.4℃上昇

【世界平均地上気温変化(1986〜2005年平均との差)】(年)

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地球温暖化のさらなる進⾏の⾒込み(IPCC)

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(1861〜1880年と⽐較)

⾚帯:CO2以外の温室効果ガスも含めた場合灰帯:CO2の増加のみの結果

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1

0

(10億トン、CO2換算、 1870年以降)

⼈為起源のCO2の累積排出量

気温の上昇

(℃)

過去の期間のモデル結果RCPによるシミュレーションの幅年率1%増シミュレーション年率1%増シミュレーションの幅

出典:IPCC AR5 WG1 政策決定者向け要約、WG3 政策決定者向け要約より試算

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温暖化の度合いは、排出の「累積量」で決まる

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累積CO2排出約3兆トンで、地球全体の平均温度は2℃上昇(IPCC)。既に約2兆トン排出、残り約1兆トン(現⾏ペースで約30年)。化⽯燃料の埋蔵量を全て燃やすと約3兆トン排出相当、つまり3分の2は単純には燃焼できない。

出所 OECD “Divestment and Stranded Assets in the Low-carbon Transition”, p.4, 2015年10⽉(化⽯燃料の可採埋蔵量についてはCarbon Tracker Initiative and The Grantham Research Institute, LSE “Unburnable Carbon 2013: Wasted capital and stranded assets”が原著)を基に環境省作成

1.89兆トン

1.74兆トン

既に排出

2℃⽬標を達成するための累積許容CO2排出量3.01兆トン

2.86兆トン化⽯燃料の可採埋蔵量に

含まれるCO2排出量

燃焼できる量=1.12兆トン

=残る許容排出量

燃焼できない

1.12兆トン 1.12兆トン

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あとどのくらいCO2を排出できるのか〜累積許容CO2排出量と化⽯燃料の可採埋蔵量に含まれるCO2排出量~

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(出所)「2015 年度の温室効果ガス排出量(確報値)」及び「地球温暖化対策計画」から作成 12

2℃⽬標達成に向けた我が国の道⾏き

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温度上昇は2℃までに抑える(パリ協定)

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① 世界全体の平均気温の上昇を⼯業化以前よりも摂⽒⼆度⾼い⽔準を⼗分に下回るものに抑えること並びに世界全体の平均気温の上昇を⼯業化以前よりも摂⽒⼀・五度⾼い⽔準までのものに制限するための努⼒を、この努⼒が気候変動のリスク及び影響を著しく減少させることとなるものであることを認識しつつ、継続すること。

②⾷糧の⽣産を脅かさないような⽅法で、気候変動の悪影響に適応する能⼒並びに気候に対する強靱性を⾼め、及び温室効果ガスについて低排出型の発展を促進する能⼒を向上させること。

③温室効果ガスについて低排出型であり、及び気候に対して強靱である発展に向けた⽅針に資⾦の流れを適合させること。

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パリ協定の3つの⽬的

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理由2:気候リスクは経営のリスク

対応が遅れれば、資⾦調達が細くなるおそれ

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○グローバルリスクの上位に気候変動が5年連続ランクイン○2.5℃上昇で⾦融資産に約300兆円の損害(ロンドン⼤学)○アメリカでは、「4年ごとの国防⾒直し(QDR)」でも、気候変動に

よる安全保障リスクやその対応の⾏動計画を取りまとめ

(出所)World Economic Forum The Global Risks Report 2017 12th Edition 17

気候変動関連リスクに対する意識

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アジア(除く⽇本)0.05兆⽶ドル

(世界の0.2%)

アメリカ合衆国8.7兆⽶ドル

(世界の38.1%)

カナダ1.1兆⽶ドル

(世界の4.7%)

ヨーロッパ12.0兆⽶ドル

(世界の52.6%)

豪州・NZ0.5兆⽶ドル

(世界の2.3%)

出典:Global Sustainable Investment Review 2016(GSIA)より環境省作成

アメリカ合衆国やヨーロッパが、世界におけるESG投資額の約40%から50%程度を占めるのに対し、⽇本は2%にしか満たない。

⽇本0.5兆⽶ドル

(世界の2.1%)

世界におけるESG投資額の規模

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国連責任投資原則(PRI)は、投資決定にESGを組み込む原則。2016年6⽉末時点で1,515機関(うち⽇本は45)が署名。平成27年9⽉、⽇本の年⾦積⽴⾦管理運⽤法⼈(GPIF)が署名。

平成27年9⽉27⽇ 国連サミット 安倍総理スピーチ(抄)…この度、世界最⼤、1兆ドル規模の年⾦積⽴⾦を運⽤する我が国のGPIFが、国連の責任投資原則に署名しました。これは、持続可能な開発の実現にも貢献することとなるでしょう。

【PRI署名年⾦基⾦と資産規模】

(出所)JSIF資料。環境省修正。

公的年⾦によるPRI署名

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平成27年9⽉、世界最⼤の年⾦資産規模を持つ年⾦積⽴⾦管理運⽤法⼈(GPIF)が、責任投資原則(PRI)に加盟。

本年7⽉にESG指数を選定し、その指数と連動する運⽤を開始。GPIF保有の国内株の3%に相当する約1兆円が充てられる。ESG指数の構成銘柄に選ばれれば、1兆円の運⽤先になる。

今後、GPIFを核として、ESG投資が、⽇本国内の投資家を始め、投資先となる企業にも広まっていくことが期待される。

2014.5 日本版スチュワードシップ・コードの受入れを表明し、「スチュワードシップ責任を果たすための方針」を公表

2015.3 「投資原則」を公表

2015.9 国連投資原則に加盟

2016.1 「平成27年日本版スチュワードシップ・コードへの対応状況について」を公表

2016.4 「機関投資家のスチュワードシップ活動に関する上場企業向けアンケート集計結果」を公表

2016.7 国内株式を対象とした環境・社会・ガバナンス(ESG)指数の公募開始

2016.7 「企業・アセットオーナーフォーラム」「グローバル・アセットオーナーフォーラム」設立を公表

2016.10 「スチュワードシップ推進課」の設置(専任者2名を含む7名体制)

2016.11 海外における企業及び機関投資家の女性活躍推進の取組の情報収集を目的として、英国30%Club、米国ThirtyPercentCoalitionに加盟

2017.7 ESG指数の公表

GPIFのこれまでの主な取組

Government Pension Investment Fundの公表資料より環境省作成 20

⽇本におけるESG投資巡る動き

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2℃⽬標を達成する世界を想定して、海外では、⽯炭等の化⽯燃料を「座礁資産」と捉え、投融資を引き揚げる動き(ダイベストメント)が起きている。

世界の⼤⼿の銀⾏グループにおいても、こうした潮流にのった取り組みを進める動きが起こっている。

平成29年5⽉、カナダ五⼤銀⾏の⼀つであるモントリオール銀⾏の運⽤⼦会社であるBMOグローバル・アセット・マネジメントは、化⽯燃料保有企業からダイベストメントを⾏う旨発表。

最近のダイベストメントの事例

平成29年1⽉、⼤⼿⾦融機関のドイツ銀⾏が、新たな⽯炭発電所の建設や拡張への投融資を⾏わない等の⽅針を公表。

平成29年6⽉、オランダ⾦融⼤⼿INGグループは、⽶国とカナダで環境破壊等が社会問題となっているカナダでの主要なオイルサンドのパイプラインプロジェクトからのダイベストメントを決定。

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化⽯燃料資産のダイベストメントの動き

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●海外では既に、⾦融機関、機関投資家等が、気候変動が企業価値に影響を与えるリスクを評価し、投融資活動に反映する動きが⾒られる。

●⽯炭等の化⽯燃料を「座礁資産」(2℃⽬標の達成のための措置により使⽤できなくなるリスクがある資産)と捉え、投融資を引き揚げる動き(ダイベストメント)が、⼤⼿機関を含めて始まっている。

2015年6⽉5⽇、ノルウェー公的年⾦基⾦(GPFG)※が保有する⽯炭関連株式をすべて売却する⽅針を、ノルウェー議会が正式に承認。

出典:QUICK ESG研究所※約104兆円(平成27年3⽉末時点)の資産規模を有する世界有数の年⾦基⾦。我が国の年⾦積⽴⾦管理運⽤独⽴⾏政法⼈(GPIF)の資産規模は、約138兆円。

出典:12⽉3⽇ ⽇本経済新聞

エンゲージメントの動き

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エンゲージメントとは、機関投資家が、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づく建設的な「⽬的を持った対話」を⾏うこと。

エンゲージメントの動き

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海外では、2℃⽬標の実現に向けた対応をビジネスチャンスととらえ、中⻑期的な視点から戦略的に再⽣可能エネルギー等への融資に取り組む動きがみられる。

JPMorgan Chase(⽶)は、2020年までに再⽣可能エネルギー100%での事業運営を⾏い、また、2025年までに2千億ドルをグリーンビジネス向けに融資すると発表。

⾦融機関による再⽣可能エネルギー等への融資に関する海外の取組

世界有数の投資銀⾏であるGoldman Sachs(⽶)は、平成24年に410億ドル規模で、融資等のグリーンファイナンスを実施。平成37年までに1500億ドルまで規模を拡⼤することを想定。

Bank of America(⽶)は、2020年までにカーボン・ニュートラルを達成すること、また、事業で使⽤する電⼒を100%再⽣可能エネルギーで調達するとともに、2025年までに低炭素で持続可能なビジネスに1,250億ドルを融資することを発表。

KBC(ベルギー)は、2030年までにKBC全体のエネルギークレジットポートフォリオ全体における再⽣可能エネルギーのシェアを50%まで拡⼤することを発表。

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グリーン・ファイナンスの動き

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平成29年7⽉、世界の12の主要銀⾏は、気候関連財務情報開⽰タスクフォース(TCFD)の最終報告書が公表されたことを受け、UNEPFIと協調して、気候変動関連情報の開⽰に向けた⼿法の開発に取り組むことを発表。

TCFDの最終報告書の勧告のみにとどまらず、実践的なアプローチを共同で開拓する旨を⽰した画期的なプロジェクトであるが、⽇本からの同プロジェクトへの参加はなかった。

G20の財務⼤⾂・中央銀⾏総裁は、⾦融安定理事会(FSB)に対し、⾦融セクターが気候関連課題をどのように考慮すべきか検討するよう要請。これを受け、 FSBはCOP21の開催期間中に、⺠間主導による気候関連財務情報開⽰タスクフォース (TCFD)を設置。

⾦融機関等にとって有⽤な、⼀貫性、⽐較可能性、信頼性、明確性、効率性を備えたボランタリーな企業開⽰のあり⽅に関する提⾔を2017年6⽉に公表。

BHPビリトン, ロイヤル・ダッチ・シェル, ユニリーバ, BNPパリバ, シティグループ,カリフォルニア州職員退職年⾦基⾦(CalPERS), S&Pグローバル, ロンドン証券取引所を含む103の企業や⾦融機関、機関投資家、格付機関、証券取引所等が賛同の署名を⾏っており他国の⾦融機関が気候変動関連財務情報の開⽰に積極的に取り組む⼀⽅、⽇本の⾦融機関の署名はなかった(平成29年6⽉時点)。

プロジェクトへの参加⾏(2017年7⽉時点)

出展元:United Nations Environment Programme -Finance Initiativeの公表データより環境省作成

TCFD提⾔の発展・普及に関する取組

TCFDとは

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気候関連財務ディスクロージャー・タスクフォース(TCFD)への対応

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気候変動は以下の三つの経路から⾦融システムの安定を損なう恐れがある。 物理的リスク: 洪⽔、暴⾵⾬等の気象事象によってもたらされる財

物損壊等の直接的インパクト、グローバルサプライチェーンの中断や資源枯渇等の間接的インパクト。

賠償責任リスク: 気候変動による損失を被った当事者が他者の賠償責任を問い、回収を図ることによって⽣じるリスク。

移⾏リスク: 低炭素経済への移⾏に伴い、GHG排出量の⼤きい⾦融資産の再評価によりもたらされるリスク。

⾦融安定理事会(FSB)議⻑・英国中央銀⾏総裁(Mark Carney)スピーチ(2015年9⽉)

(出所)2015年9⽉30⽇付電⼦版Financial Times

G20財務⼤⾂・中央銀⾏総裁会議において、FSBに対して発表された声明の中で、気候変動リスクが財務⾯に影響を与え、⾦融システムの不安定化へとつながる点を明⽰

テーマは総論から産業部⾨における各論へ

2015年4⽉

TCFD設置 G20サミット(ドイツ・ハンブルグ)へ最終報告書提出

最終報告書を公表FSB議⻑・英国中央銀⾏総裁のスピーチ

9⽉ 12⽉ 7⽉2017年6⽉

G20の財務⼤⾂・中央銀⾏総裁は、FSBに対し、⾦融セクターが気候関連課題をどのように考慮すべきか検討するよう要請。これを受け、 FSBはCOP21の開催期間中に、⺠間主導による気候関連財務情報開⽰タスクフォース (TheTask Force on Climate-related FinancialDisclosures, TCFD)を設置。

FSBは、⾦融セクターにおける気候関連リスク・機会の理解と分析を促す上で、投資/融資/保険引受の判断に資する情報の必要性を認識。そのもとで、⾦融機関等にとって有⽤な、⼀貫性、⽐較可能性、信頼性、明確性、効率性を備えたボランタリーな企業開⽰のあり⽅に関する提⾔を策定することとし、2016年12⽉、勧告案を公表。

TCFDの32⼈のメンバーは世界各地から業種横断的に構成(東京海上⽇動⽕災保険(株)経営企画部部⻑兼CSR室⻑ ⻑村政明⽒ は⽇本⼈唯⼀のメンバー)。

⾦融安定理事会(FSB)によるタスクフォース:TCFDの設置(2015年12⽉)

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TCFDの設置と最終報告書提出までの主な経緯

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<気候関連リスク・機会がもたらす財務的インパクト>

【提⾔概要】 企業を念頭に、既存の財務情報開⽰と同様、気候関連財務情報を経営として把握すること、年次財務報告書と併せ

て開⽰し内部監査等の対象とすること等を強調。情報開⽰分野の新たなメインストリーム化を⽬指す。そのもとで、⾦融関係者による評価等に資する要素として、上記の「ガバナンス」のほか、「戦略」、「リスク管理」、「気候関連リスク・機会を評価・管理するために使⽤する指標及び⽬標」をそれぞれ重視。

2℃等の気候シナリオのもと、バックキャスティングのアプローチから企業が抱え得る潜在的な経営課題等を掘り起こし、それに対して「戦略、リスク管理、指標・⽬標」を駆使して企業の持続可能性を⾼めることを推奨(TCFDは、そうした取り組みを可能とすべく、気候シナリオ分析⼒の強化を重視)。気候会社等に促す。

< G20主要各国の動き(H29年3⽉30⽇時点)>

フランスエネルギー移⾏法173条により、2016事業年度より気候関連財務情報開⽰の法制化実施済。

ドイツG20議⻑国として、気候変動対策を優先課題として表明。(TCFD提案内容の普及には積極的と⾒られる。)

豪州2017年2⽉、豪州⾦融監督当局(APRA)が気候関連リスクをシステム上の影響を孕む財務リスクと認識する旨、表明。

⽶国カリフォルニア州保険⻑官が州内保険会社に対し、炭素関連資産の集中度を開⽰するよう、勧告。

中国2016年G20議⻑国として、グリーンファイナンスにおけるリーダーシップを強調。

欧州委員会サステナブルファイナンス推進に向けたハイレベル有識者会合(HLEG)を発⾜、2017年末までにEU⾦融政策改⾰に向け、TCFD提案も考慮した総合的な政策ロードマップを策定予定。

財務的インパクト

移⾏リスク

物理的リスク

政策と法律

市場

評判

短期的

⻑期的

技術資源効率性

資産負債

エネルギー源

製品・サービス

市場

レジリエンス

資本資⾦調達

収益

費⽤

リスク 機会

損益計算書

貸借対照表

戦略的計画危機管理

キャッシュフロー計算書

投資家・企業双⽅が腹落ちするポイント

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TCFD提⾔の概要

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投資家も、中⻑期的な安定資産運⽤のために、財務情報だけでは⾒えないリスクを、⾮財務情報であるESGで判断する動き。特に、⻑期投資を⾏う機関投資家もESG投資に乗り出

している。例えば、GPIF(年⾦積⽴⾦管理運⽤独⽴⾏政法⼈)が約1兆円をESGに配慮しながら⽇本株へ投資。SBTは機関投資家への情報開⽰を⽬的としているCDP

での加点項⽬。SBTに参加することが機関投資家の評価向上につながる!

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気候リスク対応が資⾦調達の鍵を握る

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理由3:リスクはチャンス

イノベーションによりエネルギー⽣産性を向上

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注 分⺟:製造業鉱⼯業⽣産指数(付加価値ウェイト)、分⼦:最終エネルギー消費量にて原単位を算定し、1973年度を100として指数に変換指数とは、同じ種類の統計数値の⼤⼩関係を⽐率の形にして表わしたもの

出所 資源エネルギー庁、「平成27年度エネルギーに関する年次報告」(エネルギー⽩書2016)、146ページ

⽇本の製造業のエネルギー消費原単位指数は⽯油ショック以降、80年代後半までは低減。90年以降、現在に⾄るまではほぼ横這いに推移。この背景には、国際原油価格の低迷による上昇や環境意識の⾼まりによる低減など時代状況に応じた企業取組の変化がある。

過去20年間において⽇本の製造業エネルギー消費原単位は横ばい。

フランス⽶国

ドイツ

英国

⽇本

(⽯油換算トン/億⽶ドル)

主要国の製造業粗付加価値額あたりのエネルギー消費量の推移⽇本の製造業の鉱⼯業⽣産指数当たりのエネルギー消費原単位指数の推移

注 分⺟:製造業粗付加価値額、分⼦:最終エネルギー消費量にて原単位を算定付加価値額とエネルギー消費量の出所が異なるため、集計範囲が異なる

出所 製造業粗付加価値額:国際連合、National Accounts Main Aggregates Database最終エネルギー消費:IEA (International Energy Agency, 国際エネルギー機関), World Energy Balances (世界エネルギー収⽀)データベース

最終エネルギー消費量

製造業⼯業⽣産指数(製造業の活動状況を総合的に表す指標。

経済産業省が作成)

エネルギー消費原単位指数 =

我が国の省エネ動向

30

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実質GDPとエネルギー起源CO2排出量について、2000年代初頭までは同様の傾向の伸びを⽰してきたが、最近3年程度はデカップリング傾向が顕著になりつつある。

80

85

90

95

100

105

110

115

120

125

130

1990

1991

1992

1993

1994

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

(199

0年度

=100)

(年度)

GDP (実質)

123 (+4.4%) [+0.9%]

エネルギー起源CO2排出量

108 (▲5.8%) [▲3.5%]

GDP当たりエネルギー起源

CO2排出量

87 (▲9.7%) [▲4.4%]

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GHGとGDPのデカップリング(2015年度速報値)

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<出典>平成22年度⼆酸化炭素削減ポテンシャル診断事業結果

対策実施率(%)

※初期投資を3年で償却すると仮定。

メリット(エネルギー費⽤削減)がコスト(初期投資)を上回る多くの対策が未着⼿。多くの⼯場で、10%以上の削減が可能。

主要な排出削減対策のコストと実施率

トン当たり万円

メリットがコストを上回るが実施率の低い対策○ ⾼断熱材を⽤いた⼯業炉の導⼊による断熱保温○ コンプレッサ排熱の有効利⽤○ 潜熱回収⼩型ボイラ○ 吸収式冷温⽔機の⾼効率化○ CO2濃度機器による外気導⼊量制御○ ボイラブロー⽔の顕熱回収(給⽔予熱)装置○ 台数制御装置のパラメータ変更等の運⽤改善

得になる対策の多くが未着⼿

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• 1990年代には世界最⾼⽔準だった我が国の付加価値ベースの炭素⽣産性(温室効果ガス排出量当たりのGDP)は、2000年頃を境に国際的な順位が低下していった(左図)。 世界のトップレベルから離れている傾向は、基準年為替実質GDPベース、購買⼒平価ベースで観察した場合、また、

⼆次産業と⼆次産業以外に区分して観察した場合にも同様に確認できる(参考資料)。• 為替と物価の影響を除くために⾃国通貨・実質GDPベースの改善率を観察すると、我が国の改善率は、震

災以前から主要国と⽐べて低い状態であった(右図)。

OECD Statistics「National Accounts」、UNFCCC より作成 33

炭素⽣産性の推移(全体)

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• 1990年代には世界最⾼⽔準だった我が国の付加価値ベースのエネルギー⽣産性(エネルギー消費量当たりのGDP)は、2000年頃を境に国際的な順位が低下していった(左図)。 世界のトップレベルから離れている傾向は、基準年為替実質GDPベース、購買⼒平価ベースで観察した場合、また、

⼆次産業と⼆次産業以外に区分して観察した場合にも同様に確認できる(参考資料)。 他⽅で、物的ベースのエネルギー⽣産性は、⼀部の業種では依然として世界最⾼⽔準である(参考資料)。

• 為替と物価の影響を除くために⾃国通貨・実質GDPベースの改善率を観察すると、我が国は、1990年代から主要国と⽐べて低い状態であった。他⽅、震災後は、我が国の改善率は上昇している。(右図)

OECD Statistics「National Accounts」、IEA「World Energy Balances 2016」 より作成 ※⽇本の2012年から2013年までの変化は、為替の影響が⼤きい(2012年79.8円→2013年97.6円)

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エネルギー⽣産性の推移(全体)

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我が国が京都議定書を締結した頃(2002年)から、OECD諸国において、⼀⼈当たりGDPで我が国を追い抜いた国(現在⼀⼈当たりGDPが我が国より⾼い国)では、⼤半の国が、⾼い温室効果ガス削減率と経済成⻑を実現していた。

(出所)GHG Data(UNFCCC), World Economic Outlook Database(IMF), 平成27年度国⺠経済計算年次推計(平成23年基準改定値)(フロー編)ポイント(内閣府)より作成 35

GDP成⻑率と温室効果ガス総量変化率

GDP成⻑率とGHG総量変化率(⽇本が京都議定書を締結した2002年〜2014年)

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• 新興国と⽐較では、我が国のエネルギー⽣産性は依然として優位の状況にある。• 他⽅、為替と物価の影響を排除した改善率では、中国が我が国を⼤幅に上回っている。

OECD Statistics「National Accounts」、IEA「World Energy Balances 2016」 より作成 36

エネルギー⽣産性の推移(新興国との⽐較)

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• 我が国の炭素⽣産性(GDP/CO2排出量)は、1995年の段階では世界最⾼⽔準であったが、その後の伸びは低迷した。

• その要因として、経済成⻑率の低さに加え、2011年以降は原発停⽌の影響が⼤きいが、それ以前から、⽯炭⽕⼒の⼤幅な増加、再⽣可能エネルギーの伸び率の低迷が挙げられる。他⽅で、震災後に短期間で約1割の省エネを達成している(原発の運転停⽌によるCO2増をほぼ相殺する程度)。

OECD Statistics「National Accounts」、IEA「Energy Balances of Countries] 、UNFCCC より作成 37

炭素⽣産性低迷に関する要因分析①

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1990年以降のGDP成⻑率の低迷の背景として、投資とイノベーションの不⾜が挙げられる。

成⻑会計分析の結果によれば、我が国の平均的な成⻑率は、1980年代から1990年代にかけて、4.4%から0.9%へと3.5%ポイント程度低下した。こうした成⻑率の低下は、TFP、資本、労働の寄与がそれぞれ1.5、0.9、1.1%ポイント低下したことによるものであり、TFP上昇率の低迷が成⻑率の低下にもっとも寄与していたことが分かる。これは、過剰設備の調整が進む中で資本形成が抑えられ、また、労働慣⾏の変化が⽣じる中で労働時間が短縮されたにもかかわらず、こうした稀うる⽣産資源を効率よく⽣産活動に活⽤できなかったためと考えられる。1990年代から2000年代にかけても、平均的な成⻑率に⼤きな変化はみられず、2000年代の実質GDP成⻑率は0.7%と引き続き低迷することとなった。2000年代に⼊り、TFP上昇率には若⼲の改善がみられたものの⼈⼝減少を背景に労働投⼊が引き続きマイナスに寄与する中、資本の寄与が更に縮⼩した。

グラフ、⽂章いずれも、内閣府「平成27年版年次経済財政報告」より抜粋

1990年以降の実質GDP成⻑率の低迷とその背景

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炭素⽣産性低迷に関する要因分析②

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• 2000年代は、製造業の付加価値労働⽣産性の伸びが物的労働⽣産性の伸びを下回る。これは、製品単価の引き下げなどによって製品1単位当たりの付加価値率が低下したこと⽰している。

• 製品の製造と炭素・エネルギー投⼊の関係は深いため、製品1単位当たりの付加価値率が低下したということは、炭素・エネルギー投⼊当たりの付加価値率も低下する⽅向に働いたと考えられる。

⽇本の企業は、新興国製品との競争が激化する中で、主として製造⼯程の効率化などのプロセス・イノベーションや海外⽣産を通じた価格引下げによって競争⼒を保持しようとしたのに対し、⽶国では、新規事業の創造などで収益性を⾼め、欧州では、製品のブランドを作り上げることで、⾼価格を維持してきたことも挙げられる。実際、我が国の製造業の付加価値⽣産性と

物的⽣産性の推移をみると、2000 年代には、付加価値⽣産性の上昇率が物的⽣産性の上昇率を下回っている。(内閣府「経済の好循環実現検討専⾨チーム中間報告」平成25年11⽉22⽇)

炭素⽣産性低迷に関する要因分析③

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• 2000年代の原油価格の⾼騰の際、我が国は、輸出価格に転嫁ができず、交易条件が⼤きく低下した。他⽅、輸出価格に転嫁ができたドイツの交易条件はほとんど変化しなかった。

• ブランド⼒などの⾮価格競争⼒の不⾜が、炭素⽣産性の分⼦である付加価値率の低下につながったと考えられる。

(略)⽇本の輸出品の中には、技術⼒を背景にした品質の⾼さによる⾮価格競争⼒で、世界で圧倒的なシェアを持つものもある。しかしながら、⾮価格競争⼒が⼗分に発揮されていない分野では韓国メーカー等との価格競争もあり、原材料価格の上昇を転嫁することは容易ではない。以上の事例から分かるように、製品差別化に

より⾮価格競争⼒を伸ばし、⼀次産品価格が⾼騰しても輸出価格に転嫁ができるような⼒を蓄えなければ、国内で⽣み出される付加価値とそれによって得られる所得がかい離し、経済全体としては消耗戦になるおそれがある。(内閣府「世界経済の潮流 2011年 I」より抜粋(平成23年5⽉)

【⽇独の交易条件推移】

50

60

70

80

90

100

110

120

1995 2000 2005 2010 2015

ドイツ ⽇本

2015年97.6

2015年65.2

(1995年=100)

(注1)交易条件とは、輸出価格指数を輸⼊価格指数で除した⽐率。輸⼊価格に⽐して輸出価格が上昇する場合には、交易条件は改善し、⾃国にとって貿易を⾏うことが有利となる。(注2)使⽤データは次のとおり。【⽇本】輸出価格指数:財貨・サービスの輸出、輸⼊価格指数:(控除)財貨・サービスの輸⼊。【ドイツ】輸出価格指数:Index of export prices-

Overall index、輸⼊価格指数: Index of import prices-Overall indexの暦年値。(出典)内閣府「2015年度国⺠経済計算(2011年基準・2008SNA)」、ドイツ統計局「GENESIS- Datenbank」

炭素⽣産性低迷に関する要因分析④

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国内においては、特に⺠⽣部⾨や運輸部⾨等では⻑期⼤幅削減の⼤きな余地。消費⾏動の変⾰と低炭素な製品への買い換え促進、

住宅・建築物のゼロエミッション化、都市・地域構造の変⾰、⾃⽴分散型エネルギーの普及等により低炭素投資を促し、国内で巨⼤な市場を⽣み出しながら、⻑期⼤幅削減を実現。我が国の経済・社会的諸課題の同時解決を⽬指す

(デフレ脱却と新しい経済成⻑、地⽅創⽣、国⼟強靭化等)。

出典:⻑期低炭素ビジョン(平成29年3⽉環境省) 41

巨⼤な低炭素市場をつくり投資を呼び込む

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⼆⼗⼀世紀に⼊って⼗五年。安い労働⼒、緩い環境規制、「より安く」⽣産できる地を求め、新興国への投資が拡⼤しました。⼯業化は、⼈々を豊かにし、新興国に⼤きなマーケットを⽣み出しました。しかし、経済が成⻑すれば、労働コストは上がる。公害も発⽣します。「より安く」を追い求める、デフレ型の経済成⻑には、⾃ずと限界があります。そのリスクが顕在化する前に、世界が⽬指すべき、新しい成⻑

軌道を創らねばなりません。イノベーションによって新しい付加価値を⽣み出し、持続的な成⻑を確保する。「より安く」ではなく、「より良い」に挑戦する、イノベーション型の経済成⻑へと転換しなければなりません。第百九⼗回国会における安倍内閣総理⼤⾂施政⽅針演説(抄)

より安くから、よりよいものへ

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SBTという意欲的な削減⽬標は、省エネ、働き⽅改⾰、業務効率化等の⽣産性向上推進の動機づけとなる!⽣産性向上に向けた取り組みの⼀つとしてとらえることで、成果指

標としてSBTを活⽤できる。海外では再エネ調達がコストメリットを有する場合も出始めている。

積極的な再エネの導⼊がコスト削減につながる可能性がある。⾃社のエネルギー調達を安価でクリーンなものにするために、SBTを利⽤したい企業もある。SBTで求められる⽔準の削減は、既存の技術のみで実現できるも

のは少ない。AI、IoTなどの新たなるテクノロジーをいち早く取り⼊れイノベーションを促進することができる!

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SBTは⽣産性向上の指標になる

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3. SBTを取⼊れた環境経営の例

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A電機の場合

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A ELECTRICA電機の事業概要

ディスプレイ分野

事業領域

電⼦デバイス分野

⽣活家電分野

ビジネスソリューション分野

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A ELECTRIC環境⽬標と経営戦略

環境課題の解決はコスト削減と表裏⼀体であり、環境対策は企業価値向上に直結するという考え。そのため、経営計画の中で環境⽬標の設定が必要であった。

SBT2℃⽬標という⽬指すべき将来⽬標に基づくSBTに共感。SBTを達成するために、SBTに沿った製品の省エネ⽬標、再

エネ導⼊⽬標、⼯場の省エネ⽬標を設定。

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A ELECTRICSBT達成に向けた戦略① 〜製品の省エネ〜

SBTからバックキャスティング⽅式で、製品の省エネ⽬標を2030年までに2015年⽐で30%と設定。従来の液晶ディスプレイでは実現できない⽔準のため、次世代

型のマイクロLEDディスプレイの開発に注⼒。

製品の省エネは、Scope3のカテゴリ11(販売した製品の使⽤)の削減。次世代ディスプレイは新規の需要を喚起すると考えられ、売上向上も期待できる。

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A ELECTRICSBT達成に向けた戦略② 〜再エネ導⼊〜

化⽯燃料の規制リスクを考慮すると、再エネ導⼊は持続可能な発展には不可⽋。そこで、再エネ電⼒導⼊100%を⽬指し、RE100にコミットメント。その結果、再エネ電⼒の販売したいという、多数の営業を引き付ける宣伝になる。電⼒価格の安さと販売量の⼤きさから、テキサス州の⾵⼒発電会社であるSylphide社と契約。年間約1億kWhの再エネ電⼒調達に。

北⽶拠点でのScope2排出量ゼロを達成。系統電⼒の価格よりも安く再エネ電⼒を調達。コスト削減も達成。 49

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A ELECTRICSBT達成に向けた戦略③ 〜製造効率化〜

⼯場の省エネ⽬標達成のために、⽣産性の向上に注⼒。そこで、AIによる製造計画最適化ソフトA-Optを開発。神⼾⼯場に初めて導⼊し、⽣産性を3%向上させた。将来的には全ての⼯場にA-Optを導⼊。各⼯場間の⽣産状況をIoTでリアルタイムに把握し、需要予測と合わせてより精度の⾼い最適⽣産を⽬指す。

Scope1+2排出量の5%削減が⾒込まれる。また、この取組みをサプライヤーに広げることで、サプライヤーのScope1+2を削減。つまり当社のScope3削減につなげる。

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A ELECTRIC

2015年 2030年Scope3 Scope2 Scope1

排出量

SBT達成の経路イメージ【Scope1,2の削減】・再エネ電⼒調達・ビックデータを⽣かした需要予測・AIによる最適製造計画

【Scope3の削減】省エネ製品の開発

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B⾷品の場合

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B⾷品の事業概要B FOODS

売上⾼

4,000億円

酒類部⾨1,800億円

清涼飲料部⾨1,400億円

冷凍⾷品部⾨750億円

その他50億円

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気候変動対策に対する考え【気候変動対策に取組む意義】気候変動が引き起こす、穀物収穫量の低下や⽣産地域の変化は、

当社製品の安全で⾼品質な原料の⻑期的な調達に影響を与える。つまり、⾃社の事業継続リスクそのものである。

また、“⾃然の恵み”を消費者に届けることが企業価値の源泉。⾃然の恵みを守る積極的な環境取組みが、企業・製品のイメージを⾼める。

【課題】 どの程度の気候変動対策を⾏えば、リスクを低減し、⾃然の恵みを

守るといえるのか、指標がなかった。

B FOODS

SBTが気候変動対策の達成指標になった!54

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Scope1の削減 バイオマス燃焼当社は⾷料品製造時の熱需要が⼤きく、Scope1排出

量の削減が課題。また、⾷を扱う企業として、⾷料品の残渣を減らす取組み

を推進している。そこで、製造⼯程で出る廃棄物由来のバイオマスを燃料

として活⽤。

B FOODS

2030年までに化⽯燃料の使⽤量の30%を

バイオマス由来に切替える!55

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Scope3の削減① ⾃販機の省エネScope3の中でも⾃動販売機(カテゴリ13)由来の排

出割合が⼤きい。また、⾃販機は消費者と企業の接する機会であり、⾃社

の取組みのアピール場⾯。そこで、徹底的な省エネ取組みを実施。照明のLED化、

ヒートポンプ式加温を導⼊。さらに、本体の屋根に太陽光発電を搭載し、⾃販機でも再エネを利⽤。

B FOODS

2030年までに⾃動販売機由来の排出量を

2015年⽐で30%削減!56

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Scope3の削減② 新規容器の開発Scope3の中で最も⼤きな割合を占めるカテゴリ1の削減

対策として、容器に注⽬。そこでペットボトルのサプライヤーである、X化学⼯業と共同

して新規容器の開発に取組み、従来型から10%軽量化。軽量化容器は、製造時の排出量削減だけでなく、輸送

時の排出量や廃棄時の排出量の低減にも貢献。

B FOODS

2030年までにペットボトル製造時の排出量を

2015年⽐で30%削減!57

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C建設の場合

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国内のビル建設を主に、⼟⽊⼯事、道路舗装等も扱う。また、輸送会社、資材製造会社、不動産会社等を傘下に持つ。売上⾼4,000億円。震災復興や東京オリンピックなど短期的に需要は伸びているが、⼈⼝減少に

より将来的な国内需要は落ち込むと想定される。海外展開はできていない。

59

仮想企業(C建設)の場合

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サプライチェーン排出量算定、SBT設定の意義ZEB物件建設を拡⼤すれば、顧客のエネルギーコストを⼤幅に削減でき、

付加価値も上がる。これは、顧客のCO2排出量削減に⼤いに貢献。これは、C建設のScope3排出量の削減につながる。

C建設の経営戦略ZEB物件の建設を拡⼤し、付加価値の⾼い建築により需要減に対抗!建設廃棄物をリサイクルすることで、持続可能な開発を実現。

60

仮想企業(C建設)の経営戦略と環境⽬標

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⽬標達成による付加価値向上2030年に新築物件のZEB化率50%、2050年には80%の達成。ZEB単価が3割増と仮定すると、販売棟数1割減でも売上4%増!

CO2排出の少ないZEBの販売が増えれば、カテゴリ11(販売した製品の使⽤)も削減

事前にコンクリートを形成するプレキャスト⼯法により、コンクリート使⽤量を削減。カテゴリ1(購⼊した製品・サービス)の排出削減とコスト減を達成!

ZEB物件の普及によるカテゴリ11(販売した製品の使⽤)削減イメージ

カテゴリ5事業から出る廃棄物

カテゴリ12販売した製品の廃棄 カテゴリ1

購⼊した製品・サービスカテゴリ11

販売した製品の使⽤

カテゴリ4輸送・配送(上流)

カテゴリ5事業から出る廃棄物

カテゴリ12販売した製品の廃棄 カテゴリ1

購⼊した製品・サービス

カテゴリ11販売した製品の使⽤

カテゴリ4輸送・配送(上流)

61

仮想企業(C建設)の⽬標達成イメージ

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D百貨店の場合

62

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若者向けファッションを中⼼に扱う中堅百貨店。近年、百貨店業界の状況は厳しく、コンビニエンスストアチェーンを買収し

事業を多⾓化させることで業績の⼤幅改善を⽬指している。

買収

63

仮想企業(D百貨店)の場合

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サプライチェーン排出量算定、SBT設定の意義他社買収により⼤きく排出量が増えることが想定される中、徹底した省エネ

と太陽光パネルの導⼊で電⼒料⾦を減少させる動機づけにする。これはScope2の削減に⼤きく寄与

D⾷品の経営戦略百貨店業界の苦境を受け、まだ成⻑余地があるコンビニエンスストアを傘下に

⼊れることで、経営を多⾓化。電⼒需要が⼤きい業界特性を省エネと再エネ導⼊でコスト減を⽬指す。

64

仮想企業(D百貨店)の経営戦略と環境⽬標

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⽬標実現による付加価値の向上省エネ・再エネの積極導⼊で、コストとScope1・2のCO2を同時削減 店舗の照明・空調を⾼効率なものに交換 屋根等に太陽光パネルの設置 余剰電⼒はEV充電ステーションにも活⽤。

裾野の広い⼩売業界のサプライヤーエンゲージメント(対話)により、サプライチェーン全体の排出削減しつつ、製品・サービスの品質を向上。

65

仮想企業(D百貨店)の⽬標達成イメージ

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4. SBTの参加企業

66

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SBT認定取得済は世界全体で86社,⽇本は14社Adobe Systems/AMD/AstraZeneca/Atos SE/Auckland Airport/Autodesk/Biogen/BT plc/ Capgemini Group/Capgemini UK/ Carlsberg Group/CEWE Stiftung & Co. KGaA/Coca-Cola European Partners/Coca-Cola HBC AG/Colgate Palmolive Company/CTT-Correios de Portugal SA/第⼀三共/Danone/Dell Inc./電通/Diageo/DONG Energy A/S/EDP - Energias de Portugal S.A./Eneco/Enel/EVRY ASA/Farmer Bros. Co./Ferrovial/富⼠フイルム/富⼠通/Gecina/General Mills Inc./Givaudan SA/Hewlett Packard Enterprise/HK Electric Investments(HKEI)/Host Hotels & Resorts, Inc./ HP Inc/HUBER・SUHNER Group/ Husqvarna AB/Ingersoll-Rand Co. Ltd./International Post Corporation (IPC)/川崎汽船/Kellogg Company/Kering/Kesko /キリン/コマツ/コニカミノルタ/Koninklijke KPN NV (Royal KPN)/Land Securities/Las Vegas Sands/Level 3 Communications/リクシル/Lundbeck A/S/Marks and Spencer plc/Mars/Muntons/ナブテスコ/Nestlé/Nokia Oyj/NRG Energy Inc/Panalpina /パナソニック/PepsiCo, Inc./Pfizer /Philip Morris International/PostNord AB/Procter & Gamble Company/Proximus/リコー/SAP/ Singtel/ソニー/ Sopra Steria Group/Swisscom/Symrise AG/TELEFONICA/Tesco/Tetra Pak/Thalys/⼾⽥建設/UBM/Unilever plc/Verbund AG/Walmart/Österreichische Post AG

(出典)Science Based Targetsホームページ資料より作成 http://sciencebasedtargets.org/companies-taking-action/ 67

2017年12⽉18⽇現在

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17 17 17 22 3685 89

123 136 151 166221 232

0 0 0 0 3

10 1217 21

3240

5465

0

50

100

150

200

250

300

350

コミット企業数 認定企業数

SBTに参加する企業は世界全体で年々増加

(出典)Science Based Targetsホームページ資料より作成 http://sciencebasedtargets.org/companies-taking-action/

2017年9⽉4⽇現在

68

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3 3 3 3 3 4 612 12 12 14

25 26

0 0 0 00 1 1

12 2

5

611

0

5

10

15

20

25

30

35

40

⽇本 コミット企業数 ⽇本 認定企業数

SBTに参加する⽇本企業は2017年度急増

(出典)Science Based Targetsホームページ資料より作成 http://sciencebasedtargets.org/companies-taking-action/ 69

2017年9⽉4⽇現在

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2年以内のSBT設定をコミットしているのは世界全体で244社、⽇本企業は26社

(出典)Science Based Targetsホームページ資料より作成 http://sciencebasedtargets.org/companies-taking-action/ 70

2017年12⽉18⽇現在

⽇本企業[26社]:アサヒグループホールディングス/アシックス/ NTTドコモ/ MS&ADインシュアランスグループホールディングス/花王/KDDI/サントリー/清⽔建設/住友林業/セイコーエプソン/積⽔ハウス/ダイキン⼯業/⼤成建設/⼤東建託/⼤⽇本印刷/武⽥薬品⼯業/トヨタ⾃動⾞/⽇産⾃動⾞/⽇本ゼオン/野村総合研究所/⽇⽴建機/⽇⽴製作所/本⽥技研⼯業/ユニチャーム/UK-NSI(⽇本精機)/横浜ゴム*下線付:環境省SBT策定支援事業参加企業

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○SBTの策定(63社)旭硝⼦、アシックス、味の素、アスクル、アステラス製薬、ウシオ電機、MS&ADインシュアランス グループ ホールディング

ス、NTTドコモ、⼤塚製薬(⼤塚ホールディングス)、⼤林組、オムロン、花王、⿅島建設、京セラ、グローリー、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、コクヨ、サンメッセ、ジェイテクト、塩野義製薬、シスメックス、スズキ、住友ゴム⼯業、住友林業、積⽔化学⼯業、積⽔ハウス、セコム、SOMPOホールディングス、ダイキン⼯業、⼤成建設、⼤東建託、⼤⽇本印刷、ダイフク、⼤和ハウス⼯業、テイ・エス テック、東急不動産ホールディングス、東芝、凸版印刷、豊⽥合成、豊⽥⾃動織機、ニチレイ、⽇産化学⼯業、⽇東電⼯、⽇本ゼオン、⽇本通運、⽇本電気、⽇本郵船、野村総合研究所、⽇⽴キャピタル、⽇⽴建機、ファンケル、フジクラ、富⼠フイルムホールディングス、古河電気⼯業、ベネッセコーポレーション、マツダ、丸井グループ、三菱ガス化学、三菱⾃動⾞⼯業、三菱電機、明電舎、横浜ゴム、YKK

○サプライチェーン排出量の算定(全28社)旭硝⼦、MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス、カシオ計算機、キヤノンマーケティングジャパン、京セラ、

コカ・コーラ ボトラーズジャパン、サンメッセ、シスメックス、住友ゴム⼯業、ダイキン⼯業、タムロン、テイ・エス テック、凸版印刷、豊⽥合成、豊⽥⾃動織機、トヨタ⾞体、⽇産化学⼯業、⽇東電⼯、⽇本ゼオン、⽇本通運、⽇⽴キャピタル、⽇⽴建機、⽇⽴物流、ファンケル、フォスター電機、マツダ、三菱ガス化学、横河電機

※両⽅応募した企業(21社)旭硝⼦、MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス、京セラ、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、サンメッセ、シスメックス、住友ゴム⼯業、ダイキン⼯業、テイ・エス テック、凸版印刷、豊⽥合成、豊⽥⾃動織機、⽇産化学⼯業、⽇東電⼯、⽇本ゼオン、⽇本通運、⽇⽴キャピタル、⽇⽴建機、ファンケル、マツダ、三菱ガス化学

環境省 SBT(企業版2℃⽬標)策定・サプライチェーン排出算定⽀援事業参加企業70社⼀覧 ※五⼗⾳順

71

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5. SBTの設⽴・運営機関

72

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2016年のCDP質問書からSBTに関する質問が追加され、評価の対象となっている。

73

SBTイニシアチブの設⽴・運営機関

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74

SBTイニシアチブの設⽴・運営機関の詳細

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【参考】We Mean BusinessとSBT

75

We Mean Businessは、企業や投資家の温暖化対策を推進している国際機関やシンクタンク、NGO等が構成機関となって運営しているプラットフォーム。構成機関は、このプラットフォームを通じて連携しながら、7つの領域で企業による取組12種を広める活動を推進。 2017年12⽉18⽇現在、648の企業が参加。 SBTは、企業取り組み10種の⼀つであり、SBTイニシアティブ(CDP等4機関が設⽴)もプラットフォームの1構成機関との位置づけ。

※その他World Bank, IETA,等合計44者

The Climate Group

※その他BSR, CERES,等合計7者

※その他CGIAR,NBi等合計13者

CDP

WWFUN Global Compact

WBCSD

WRI

SBTイニシアティブ

Coalition Partners

Network Partners

Implementation Partners

Japan-CLP CLC PRI Teri UNEP Fi

RE100

GHGProtocol

※WMBの対象取組ではない

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6. SBTの認定基準

76

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2010年⽐49%削減(必須※)

2010 2022〜2032

2010年⽐72%削減(推奨)

2050

④⽬標値の決定

③SBT⽬標年を公表年より5年〜15年

の範囲から選択GHG排出量

(参考)SBTの基本的な削減経路

SBTの削減⽬標設定(特にScope1+2)は下記の経路が基本 Scope1,2,3についての⽬標設定の必要がある Scope1,2の削減経路はほぼ限定されており、原則「総量」削減とする必要がある Scope3の⽬標に数値⽔準はなく、は企業ごとの事業特性を踏まえて「野⼼的」な⽬標

を設定する事業セクターによっては、セクターの特性を踏まえた算定⼿法も⽤意されている(SDA)

①削減シナリオを選択

②削減経路を算出

77

SBTの考え⽅

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*親会社のみの⽬標設定を推奨。ただし、⼦会社が独⾃に設定することも可能。**⻑期⽬標(例えば2050年⽬標)の提出も推奨。 78

SBT認定の基準概要 1/2

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※SBT認定基準の詳細は別冊参照。 79

SBT認定の基準概要 2/2

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(必須事項) 世界の気温上昇を2℃以下に抑える⽔準での削減⽬標を

最低限構築し、可能であれば1.5℃以下に抑える。

原則として総量で⽬標を設定する。

原単位で⽬標を設定することも認められているが、条件がある。気候変動は排出累積総量に⽐例するため、総量を無視することはできない。このため、設定された原単位⽬標に売り上げなどの想定量を掛け算した排出総量の想定量が、認定された2℃シナリオ以下となる場合が求められる(公表は不要だが、SBT事務局にそのことを説明することが求められる)。

※原単位⽬標を算出する際は、SBT事務局が指定した⽅法論(SDA等)を⽤いればよい。 80

SBTの基本要件 ⽬標⽔準

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(必須事項)⽬標は、最新の⽅法やツールよって計算されていなくてはならない。

古いバージョンのツールや⽅法を利⽤して計算した⽬標については、改訂6か⽉以内に正式提出をしたときのみ有効

Scopeを複数合算(例えば、1+2、または1+2+3)した⽬標設定が可能。ただし、Scope1+2はSBT⽔準を満たすことが前提。※Scope1+2は⽔準未満、Scope3は⽔準を超える削減、合算してScope1+2+3で⽔準を満たす、では認められない。

(推奨事項) ⼿法の選択:SBT事務局としては、早期に削減し、累積排出が最も少ない

削減シナリオの利⽤を推奨 他者のクレジット(排出権)の取得による削減(カーボン・オフセット)は、

企業のSBT達成のための削減に算⼊できない。ただし、SBT達成を超えた貢献をしたいという場合のみ、認める。

2017年4⽉16⽇〜追加事項

81

SBTの基本要件 ⽬標⽔準

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7. SBTの⼿続き

82

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②⽬標を設定し、SBT認定を申請

①【任意】Commitment Letterを事務局に提出・2年以内にSBT設定するという宣⾔・SBT事務局、CDP、WMBのウェブサイトにて公表

③SBT事務局による⽬標のクオリティチェック・回答・事務局は認定基準への該否を審査し、メールで回答(否定する場合は、理由も含む)

④認定された場合は、SBT等のウェブサイトにて公表

・Target Submission Formを事務局に提出

⑤排出量と対策の進捗状況を、年⼀回報告し、開⽰

⑥定期的に、⽬標の妥当性の確認・⼤きな変化が⽣じた場合は必要に応じ⽬標を再設定(少なくとも5年に1度は再評価) 83

SBTの検討から実施までの⼀連の⼿続き

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• 企業名• 連絡先• 企業の説明• ⽇付とサイン

–サインはだれでもOK

SBTトップページ(http://www.sciencebasedtargets.org/)SET A TARGET Step‐by‐step guideからダウンロードできます。

84

【参考】Commitment Letter

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• 基本情報(企業名、代表者名など)• GHG 項⽬(GHGプロトコルへの準拠)• インベントリ• 削減⽬標(数値)• 削減に向けた取り組みなど• 補⾜資料

※妥当性確認は公式、⾮公式、2つから選択できる。ただし、CDP質問への回答でSBTと認められるためには公式にチェックを⼊れなければならない。

85

【参考】Target Submission Form(⽬標認定申請書)

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8. SBTの設定⼿法

86

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SBTの設定⼿法(このうち⼀つを選択)※これはScope1・2を前提としている。

87

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SBTにおいては以下4つの排出シナリオを選択可能

※1 温室効果ガス濃度を、450ppmCO2換算で安定化させるための排出経路

88

SBT設定のための排出シナリオ

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IPCC AR5(気候変動に関する政府間パネル、第5次評価報告書)

1.⼤幅なオーバーシュート(温室効果ガス濃度の超過)が起こらない(Overshoot <0.4W/m2)

オーバーシュートとは・・・・ 今世紀中のピーク濃度が⼀時的に2100年の濃度を超えること。

放射強制⼒が0.4W/m2以上の状態を指す。・ 放射強制⼒は平衡状態にある⼤気と地表とのエネルギーのバランスが、

温室効果ガスの濃度変化などの要因により変化した際、その変化量を圏界⾯(対流圏と成層圏の境界⾯)における単位⾯積あたりの放射量の変化であらわす指標。(1平⽅メートルあたりのワット数)

・ 正の放射強制⼒は地表⾯を暖め、負の放射強制⼒は地表⾯を冷やす。すなわち放射強制⼒が⼤きいほど、温暖化を引き起こす効果が⼤きい。

89

IPCC AR5シナリオの特徴 1/2

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IPCC AR5(気候変動に関する政府間パネル、第5次評価報告書)

2. 温室効果ガス濃度が低位安定しており、将来の放射強制⼒が⼩さい(RCP2.6)

RCPとは・・・・ Representative Concentration Pathway(代表的削減経路) の略。将来の温室効果ガス安定化レベルと、そこに⾄るまでの経路のうち、代表的なものを選んだシナリオであり、“RCP”に続く数値が⼩さいほど、2100年における放射強制⼒が⼩さい。

RCP2.6低位安定化シナリオ

2000 2020 2040 2060 2080 2100

140120100

806040200

-20

RCP8.5

RCP6.0

RCP4.5

RCP2.6

年間G

HG

排出量[G

tCO

2換算/

年] 90

IPCC AR5シナリオの特徴 2/2

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IEA 2DS(International Energy Agency 2℃シナリオ)

少なくとも50%の確率で、平均気温の増加を2℃以内に抑制できる、エネルギーシステムとCO2排出量の推移

2DSにおけるCO2排出量削減シナリオ ・2DSでは2014年⽐、2060年までにCO2排出量70%削減という⽬標設定・2013年から2050年までの累積排出量は約1,000Gtにとどまる⾒込み。・この排出量を各セクターに配分。・この⽬標達成のために、化⽯燃料の消費や産業部⾨におけるCO2排出量は2050年以降も、カーボンニュートラルを達成するまで、削減を継続する必要がある。

70%削減

91

IEA 2DSの特徴

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⼿法その1 総量削減(Absolute Emissions Contraction)

2050年に向けた世界全体の排出シナリオの4種類のうち⼀つを選択

基準年からシナリオと同じレベルで2050年に向けて削減していく想定で、現在から5〜15年後の⽬標を設定

シナリオと同じレベルの削減率を達成するための削減経路は、「同率削減」、「同量削減」の2パターン

※シナリオ:IPCC AR5 (Overshoot < 0.4W/m2) の場合⇒ 2050年までに2010年⽐49%〜72%削減⇒ 毎年1.7%〜3.1%の削減率で削減すればSBT!

92

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①総量同率削減: 毎年の削減率を⼀定とするパス②総量同量削減: 毎年の削減量を⼀定とするパス

このシナリオでは年率1.7%の削減が必要

2050年に2010年⽐で49%削減するシナリオの削減経路(SBT認定において最低限必要な基準)

93

【参考】「同率削減」と「同量削減」

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総量削減アプローチでは、世界全体の排出シナリオをそのまま各企業に当てはめるものであるが、当然、部⾨・業種・業態によって、排出の実態やこれまでの削減取組みの進捗も異なる。

このため、SBTではいくつかの部⾨について、2050年の、何らかの活動量当たりの原単位の低減⽔準を設定し、その部⾨に該当する企業は、その原単位まで下げるという⽬標を設定するアプローチも⽤意している。

⇒ Sectoral Decarbonaization Approach(SDA)

※具体的な2050年の部⾨ごとの原単位⽬標は、IEAが実施した最適化計算による原単位予測をベースにして、SBT事務局にて設定している。 94

⼿法その2 SDA(部⾨別脱炭素化アプローチ)

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SDAの設定ではSBT事務局が公開している計算ツールを利⽤。計算ツールに「部⾨」、「基準年・⽬標年」、「事業活動・排出量

に関するデータ」を⼊⼒すれば、⽬標とする原単位の改善率、削減量、削減率、削減経路が⾃動で計算される!

※単⼀の財やサービスを提供していない部⾨(例えば機械製造業など)は、「その他製造業」としてまとめて、かつ原単位ではなく総量同率削減にて設定している(この削減率は、世界全体のものとは若⼲異なる)。

※最新のSDA計算ツール(Ver.8)では、⾃動⾞製造業のScope3計算、化学・⽯油化学部⾨のScope1、2計算には利⽤できない。 95

⼿法その2 SDA(部⾨別脱炭素化アプローチ)

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※農林部⾨、他の⼟地利⽤変化、⽯油・ガス製造、熱供給、産業⽤エネルギー利⽤、家庭⽤建築物については扱っていない。

以下セクターに対してSDAが⽤意されている

96

SDAが設定されている部⾨

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Source: Pedro Faria and Nicole Labutong, “A Review of Climate Science Based GHG Target Setting Methodologies for Companies”, March, 2015

各部⾨ごとの2050年までの原単位改善経路(SBT事務局が設定)

セメント化学・⽯油化学鉄鋼紙・パルプアルミその他製造業サービス・商業ビル乗⽤⾞バス鉄道航空電⼒その他輸送

2010 20502020 2030 20400

1.2

1.0

0.8

0.6

0.4

0.2

97

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9. SBTの設定のサンプル例

98

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排出量データScope別排出量

排出量の特徴排出量の⼤半はScope3である。

カテゴリ1(購⼊した製品・サービス)約25%:プラスチック等の資材の調達カテゴリ11(販売した製品の使⽤)約45%:液晶パネルや家電の電⼒消費Scope2がScope1よりも多く、⼯場の製造ラインの電⼒消費量が⼤きい。

カテゴリ別排出量

カテゴリ11販売した製品の使⽤

Scope2

カテゴリ4輸送・配送(上流)

Scope1

カテゴリ1購⼊した製品・サービス

99

SBT設定のサンプル ーA電機ー

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Scope1・2⽬標排出シナリオ:IEAの2DSに基づく、その他製造業のシナリオSBT⼿法:SDA(セクター:Other Industry)セクター特性を踏まえた削減⽬標を設定するため、SDA(Sectoral Decarbonization approach)を⽤いて設定SDAツールで算出し、2030年に2015年⽐31%削減

Scope3⽬標Scope3⽬標は、排出量の2/3以上を占めるカテゴリ1、11がターゲットScope3⽬標:2030年までに製品ポートフォリオのエネルギー効率を

2015年⽐30%向上。2030年までに直接取引のあるサプライヤーの調達⾦額当たり排出原単位を2015年⽐20%低下。

100

SBT設定のサンプル ーA電機ー

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仮想企業排出量データScope別排出量

排出量の特徴製造⼯程での熱需要が⼤きく、Scope1・2が⽐較的多い排出量の約半分を占めるカテゴリ1(購⼊した製品・サービス)は、

原料(農作物等)と容器資材(プラ、鉄、アルミ、ガラス)が半々。排出量の約8%を占めるカテゴリ13(下流のリース資産)は⾃動販売機の

利⽤による排出。

カテゴリ別排出量

101

SBT設定のサンプル ーB⾷品ー

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Scope1・2⽬標認定排出シナリオ:IPCC AR5 における2℃未満シナリオ

⇒2050年に2010年⽐56.5%削減(SBT推奨⽔準)SBT⼿法:世界全体の削減率と歩調を合わせて削減していく⽬標を

⽰すため、総量同率削減を選択。⇒2030年に2015年⽐27%削減

Scope3⽬標排出量の上位3カテゴリのカテゴリ1(購⼊した製品・サービス)、4(上流

の輸送)、13(下流のリース資産)で⽬標設定。Scope3⽬標:上位3カテゴリで2030年に2015年⽐15%削減

102

SBT設定のサンプル ーB⾷品ー

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仮想企業排出量データScope別排出量

排出量の特徴排出量の⼤半はScope3である。カテゴリ1(購⼊した製品・サービス)約30%:コンクリート、鉄⾻等の建築材の調達カテゴリ5(事業から出る廃棄物)約15%:がれき類のリサイクル及び最終処分カテゴリ11(販売した製品の使⽤)約20%:ビル、ホテルといった建築物の使⽤Scope1がScope2よりも多く、特に建設現場での重機の燃料消費が⼤きい。

カテゴリ別排出量

カテゴリ5事業から出る廃棄物

カテゴリ12販売した製品の廃棄

カテゴリ1購⼊した製品・サービス

カテゴリ11販売した製品の使⽤

カテゴリ4輸送・配送(上流)

103

SBT設定のサンプル ーC建設ー

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Scope1・2⽬標認定排出シナリオ:IPCC AR5 における2℃未満シナリオ

⇒2050年に2010年⽐49%削減(SBTの最低⽔準)SBT⼿法:世界全体の削減率と歩調を合わせて削減していく⽬標を

⽰すため、総量同率削減を選択。⇒2030年に2015年⽐22%削減

Scope3⽬標Scope1,2と同じ総量同率削減の考え⽅に基づきタイムスケール、

同じ削減率とした。2030年に2015年⽐22%削減

104

SBT設定のサンプル ーC建設ー

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仮想企業排出量データScope別排出量

排出量の特徴電⼒需要が⼤きく、Scope2が⽐較的多い⼩売業であるため、仕⼊れが多くカテゴリ1(購⼊した製品・サービス)の

排出量が全体の半分以上を占める。物流をすべて他社に委託しているため、カテゴリ4(上流の輸送)も10%と

⽐較的⼤きい。

カテゴリ別排出量

105

SBT設定のサンプル ーD百貨店ー

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Scope3⽬標排出量の9割以上を占めるカテゴリ1(購⼊した製品・サービス)、4(上

流の輸送)で⽬標設定。企業買収によって事業構造の変化により排出量が⼤きく変化することが想

定されるため、定性的な⽬標とする。Scope3⽬標:2025年までに、カテゴリ1・4に該当する調達先の⾦額

上位70%に、SBT⽔準の削減⽬標を設定してもらう。

Scope1,2⽬標認定排出シナリオ:IEAの2DSに基づく商業ビル業界のシナリオSDA⼿法:セクター特性を踏まえた削減⽬標を設定するため、

SDA(セクター:サービス/商業ビル)を⽤いて設定する⇒ 2025年に2015年⽐床⾯積当たり排出量を44%改善(買収などにより、床⾯積が約5割増える前提で、総量16%削減)

106

SBT設定のサンプル ーD百貨店ー

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10.SBT認定とCDP質問書との関係

107

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2016年のCDP質問書からSBTに関する質問が追加され、評価の対象となっている。 SBT認定を受けていると、CDPでも「リーダーシップ」の得点を獲得することができる。

総量⽬標でSBT認定を受けている場合:3.1aでフルポイント原単位⽬標でSBT認定を受けている場合: 3.1bでフルポイント

リーダーシップ(Leadership)

管理(Management)

認識(Awareness)

開⽰(Disclosure)

正式な認定 または CDP質問書回答より評価

その削減⽬標はSBT(科学と整合した⽬標設定)ですか?※3.1a, 3.1bの両⽅またはいずれかにてフルポイントYesNo, but we anticipate setting one in the next 2 years

YesDonʼt knowNo, but we are reporting another target which is science-basedNo, but we anticipate setting one in the next 2 yearsNo, and we do not anticipate setting one in the next 2 years

※3.1a総量⽬標のみ※3.1a, 3.1bの両⽅またはいずれかにてフルポイント2点

0.5点

1点

【スコープ内における⽬標対象排出量割合、⽬標年、基準年、基準年排出量、基準年からの削減割合】を全て回答し、2.5点をとれていることが条件

CC3.1のディスクロ―ジャーレベルで満点をとっていることが条件

以下のすべての要件を満たすスコープ内における削減⽬標対象排出量割合が70%以上⽬標がスコープ1と2両⽅を対象にしている中期⽬標を設定している(⽬標年が2020-2035年)⻑期⽬標を設定している(⽬標年が2035年以降)基準年から⽬標年に渡って年平均削減率が最低2.1%※リーダーシップスコアを獲得するためには、中期⽬標と⻑期⽬標の両⽅をカバーするため複数の⽬標設定が必要です。

SBT認定を受けていると、CDPでも得点が上がる

108

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3.1a 総量⽬標の詳細について回答してください。 (記述式)

(ⅰ)対象スコープScope 2(location-based):ロケーション基準⼿法Scope 2(market-based):マーケット基準⼿法

(ⅱ)スコープ総量に対する削減⽬標対象排出量の割合 (ⅲ)基準年からの削減率 (ⅳ)基準年 (ⅴ)基準年排出量 (ⅵ)⽬標年 (ⅶ)科学的根拠に基づいた排出削減⽬標(Science-Based Target)かどうか

•YESの選択肢が2つにパターン化(SBTだがSBTイニシアチブに認められていない/SBTイニシアチブに認められている)•⾃社セクターにおけるSBTの基準がないことが、設定していない理由の選択肢として追加された(例:⾦融サービスセクター)

109

CDP気候変動2017 C3.1削減⽬標

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CDP気候変動2017 C3.1a総量⽬標 3.1a 総量⽬標の詳細について回答してください。 (記述式)

3.1aと3.1b両⽅選択・⼊⼒の場合、⾼得点を採⽤2種類の削減⽬標を設定している場合、⽬標ごとに⽬標に合った(総量⽬標または原単位⽬標)評価基準で評価される。最も⾼得点となった⽬標が最終的に点数に採⽤される。

基準年から⽬標年に渡って年平均削減率が最低2.1%の根拠⇒SBTの根拠となるのが、IPCC第5次評価報告書のRCP2.6のシナリオ。これでは、2050年に2010年⽐41-72%減で、平均56.5%減を求めている。この56.5%減について、毎年の平均削減率を算定した結果が2.06%となり、本質問での評価の「2.1%」に繋がる。

110

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3.1b 原単位⽬標の詳細について回答してください。 (記述式)

原単位⽬標の場合は、SBT⽬標として公式に認められていることが、リーダーシップスコア獲得の要件。

原単位⽬標の、マネジメントスコアは最⾼でも2点。(総量⽬標のマネジメントスコアは最⾼で3点)。⇒マネジメントスコアでは、総量⽬標が優位。

3.1aと3.1b両⽅選択・⼊⼒の場合、⾼得点を採⽤2種類の削減⽬標を設定している場合、⽬標ごとに⽬標に合った(総量⽬標または原単位⽬標)評価基準で評価される。最も⾼得点となった⽬標が最終的に点数に採⽤される。 111

CDP気候変動2017 C3.1b原単位⽬標

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3.1c (原単位⽬標を選択した場合)排出総量の変化について回答してください。(ⅰ)⽬標達成時のスコープ1+2排出総量の変化予測(ⅱ)スコープ1+2排出総量の変化量予測(%)(ⅲ)⽬標達成時のスコープ3排出総量の変化予測(ⅳ)スコープ3排出総量の変化量予測(%)

「増加」、「減少」、「変化なし」から選択。

3.1b(ⅰ)で回答したスコープについて回答。スコープ3に関する⽬標設定を⾏っていなければ(ⅲ)、(ⅳ)を回答する必要はない。

112

CDP気候変動2017 C3.1c排出総量の変化

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参考資料• (環境省)グリーンバリューチェーンプラットフォーム

– https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/

• SBT事務局ウェブサイト– http://sciencebasedtargets.org/こちらには、SBTマニュアル(常に改訂中),基準,企業

事例,⽬標⼀覧など全公開情報が掲載されています。

113

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みずほ情報総研株式会社環境エネルギー第2部電話番号:03-5281-5329E-mail: [email protected]

連絡先環境省地球環境局 地球温暖化対策課電話番号:03-3581-3351(内線:6779)

114

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【別冊参考資料①】SBT認定基準詳細

※4⽉16⽇より基準改定があった項⽬には と記載2017年4⽉16⽇〜追加事項

115

Page 117: -賢い選択- - 環境省へようこそ!Ž’ 出 量 年 2010 2025〜2030 2050 2050年に49〜72%削減を 安として、 2025年〜30年頃の 標を設定するもの。2010年

(必須事項) GHGプロトコル企業基準に則った、企業全体(⼦会社含む)のScope1、

2の排出量をおさえる必要がある。 Scope1と2の排出量の5%程度(実績と⽬標の両者)を除外

してもよい。ただし、除外の理由については説明が必要。 GHGプロトコル企業基準において必要とされるすべての温室効果

ガス※についてカバーすること。(推奨事項) ⼦会社:親会社のみが⽬標を提出することを推奨。⼦会社が希望する場合、別途⽬標の

提出も可。両者提出している場合は、親会社の⽬標に⼦会社の⽬標が含まれるかどうかを明⽰する必要。

排出回避量(削減貢献量) :企業のインベントリそのものではないため、⽬標設定に算⼊するのは不可。

※対象ガス:CO2、CH4、N2O、PFCs、HFCs、SF6、NF3

116

SBTの基本要件1. 範囲設定(バウンダリ)

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グローバルルール(GHGプロトコル)では、⾃社=⾃グループ。 「⽀配⼒基準」と「出資⽐率基準」の2種類のグループ範囲がある。

【⽀配⼒基準】 関連会社の中で、

• ⽀配⼒を及ぼしている先については、相⼿先企業の排出量の100%を⾃社の排出量として計上、

• ⽀配⼒を及ぼしていない先については、相⼿先企業の排出量は、⾃社の排出量と⾒なさない、とする考え⽅。

「⽀配⼒」は、株式保有割合を基準とする「財務⽀配⼒」と、実質的な経営の意思決定への影響⼒を基準とする「経営⽀配⼒」に分類される。• 連結対象までを⾃社とする場合は、「財務⽀配⼒基準」に該当。⇒ 企業範囲について⾃社+連結対象事業者と考えればよい 117

GHGプロトコルにおける企業範囲とは?

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グローバルルール(GHGプロトコル)では、⾃社=⾃グループ。 「⽀配⼒基準」と「出資⽐率基準」の2種類のグループ範囲がある。

【出資⽐率基準】 株式保有している企業全てについて、対象企業の排出量の出資⽐率相

当分を⾃社の排出量とする考え⽅。

118

GHGプロトコルにおける企業範囲とは?

Page 120: -賢い選択- - 環境省へようこそ!Ž’ 出 量 年 2010 2025〜2030 2050 2050年に49〜72%削減を 安として、 2025年〜30年頃の 標を設定するもの。2010年

単体

⽀配⼒内の関係会社の排出量は100%⾃社分に計上

(⽀配⼒外は0%計上)

関係会社

⽀配⼒

単体

出資⽐率

出資先の排出量は、出資⽐率に⽐例して⾃社分として計上

関係会社

⽀配⼒基準(財務⽀配or経営⽀配の2種)

出資⽐率基準

企業範囲のイメージ

119

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従来使⽤されていた製品・サービスを⾃社製品・サービスで代替する、というバリューチェーン上の出来事により排出が回避される排出量

<例> 「エコカー」による「ガソリン⾃動⾞」の代替 「超軽量材料」が「従来材料」を代替することによる最終製品の燃費向上

A社のバリューチェーン

B社のバリューチェーン

C-1 C-2C-3

カテゴリ1(C-1)

C-2C-3

C-11販売した製品の使⽤

C-11販売した製品の使⽤

C-12 C-13

C-12C-13 A社の製品がB社の製

品を代替するとき、B社の製品使⽤時のGHG

排出が回避された

120

排出回避量(削減貢献量)とは?

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(必須事項) 全⽬標はSBT事務局に

公式提出時から5年以上先、15年以内の⽬標である必要がある。※2017年前期に提出したものは2021-2031が可能であり、2017年後期については2022-2032であることが必要。

提出期⽇までに既に達成している場合、SBT⽬標として認定されない。

(推奨事項) 基準年:データが存在する最新年を基準年とすることを推奨(未来の年を設定すること

は認められていない) ⽬標年:中期⽬標に加えて⻑期⽬標(例えば2050年⽬標)を開発することを推奨 整合性:中期⽬標と⻑期⽬標は、基準年が同じ年であることが望ましい これまでの成果:⽬標は、これまで達成した削減ではなく、先を⾒据えたこれからの努⼒を

⽰すことが望ましい 121

SBTの基本要件2. 基準年・⽬標年

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SBT事務局提出時

基準年を設定できる範囲

⽬標年を設定できる範囲

2017年 2022年(5年後)

2032年(15年後)

2016年(排出量のデータが

存在する直近年を基準年とすることを推奨)

基準年と⽬標年のイメージ

122

SBTの基本要件2. 基準年・⽬標年

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(必須事項) 世界の気温上昇を2℃以下に抑える⽔準での削減⽬標を

最低限構築し、可能であれば1.5℃以下に抑える。

原則として総量で⽬標を設定する。

原単位で⽬標を設定することも認められているが、条件がある。気候変動は排出累積総量に⽐例するため、総量を無視することはできない。このため、設定された原単位⽬標に売り上げなどの想定量を掛け算した排出総量の想定量が、認定された2℃シナリオ以下となる場合が求められる(公表は不要だが、SBT事務局にそのことを説明することが求められる)。

※原単位⽬標を算出する際は、SBT事務局が指定した⽅法論(SDA等)を⽤いればよい。 123

SBTの基本要件3. ⽬標⽔準

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(必須事項)⽬標は、最新の⽅法やツールよって計算されていなくてはならない。

古いバージョンのツールや⽅法を利⽤して計算した⽬標については、改訂後6か⽉以内に正式提出をしたときのみ有効。

Scopeを複数合算(例えば、1+2、または1+2+3)した⽬標設定が可能。ただし、Scope1+2はSBT⽔準を満たすことが前提。※Scope1+2は⽔準未満、Scope3は⽔準を超える削減、合算してScope1+2+3で⽔準を満たす、では認められない。

(推奨事項) ⼿法の選択:SBT事務局としては、早期に削減し、累積排出が最も少ない

削減シナリオの利⽤を推奨。 他者のクレジット(排出権)の取得による削減(カーボン・オフセット)は、

企業のSBT達成のための削減に算⼊できない。ただし、SBT達成を超えた貢献をしたいという場合のみ、認める。

2017年4⽉16⽇〜追加事項

124

SBTの基本要件3. ⽬標⽔準

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クレジット(排出権)は、あるプロジェクト(排出削減対策)を実施したことで認定された⽅法で設定されたベースライン対して追加的とみなされた削減分、⼜は定められた排出枠(キャップ)に対する削減分。

他者のクレジットを⾃社に移転する⾏為は、地球全体の排出量は削減したことにはならない。つまり、他者のクレジットを取得することによる⾃らの削減は、総量削減を求めるSBT達成のための削減には使えないという整理。

ただし、SBTが要求する以上の削減を実施し、排出量をゼロ(カーボン・ニュートラル)を⽬指す企業がクレジットを使うことは⽀持。

ベースライン排出量(削減対策を⾏わなかった場合の架空の排出量)

プロジェクト排出量(削減対策を⾏った場合

の現実の排出量)

クレジット他社に移転ができるが、地球全体の排出量は減らない

125

クレジットを取得した削減について

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(必須事項)企業は基準年やSBT達成の度合を検証するために、GHGプロト

コルScope2ガイダンスのロケーション基準、マーケット基準のどちらを利⽤しているのか開⽰が必要。

(推奨事項) 熱・蒸気:熱と蒸気による排出は直接排出(Scope1)として計算。 ⽬標年における電⼒の排出係数を設定することが必要な場合、電⼒セク

ターも2℃シナリオに沿ったSBT⽔準の排出削減を⾏うことを想定して、設定することを推奨。

2017年4⽉16⽇〜追加事項

126

SBTの基本要件4. Scope2への対応

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基準年の排出量を算定する際は、GHGプロトコルScope2ガイダンスのロケーション基準⼜はマーケット基準のどちらか⼀⽅を選択。

国・地域によらず基準は統⼀する必要がある。 マーケット基準を選択したものの、マーケット基準で適⽤する排出係数がな

い国・地域(電⼒⾃由化等が未実施)は⾃動的にロケーション基準の排出係数となる。

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Scope2排出量の報告⽅法

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Scope2排出量を算定する際に適⽤する排出係数として、⽇本では温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度における「電気事業者別排出係数」が利⽤できる。

ロケーション基準⼿法を選択する場合、「代替値」を参照し、マーケット基準⼿法を選択する場合、「実排出係数」⼜は「調整後排出係数」を参照する。

※ただし、電気事業者別排出係数との対応関係はCDP JAPANの暫定案であることに注意。

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Scope2排出量算定で適⽤する排出係数

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(必須事項)バウンダリ: GHGプロトコル企業バリューチェーン(Scope3)算定報告基準に

則って概算した企業のScope3排出量がScope1,2,3を合わせた量の40%以上を占める場合、Scope3の⽬標の設定が必要。Scope3⽬標のバウンダリは、バリューチェーンを通じた排出量の多く

を含む必要。多く、とは、トップ3カテゴリの排出の全てをカバーまたはScope3排出量全体の3分の2の量をカバーを指す。

⽬標: Scope3の⽬標は「野⼼的」であることが求められる。「野⼼的」

であることを⽰すために、どのように排出削減に取組むかを⽰し、それが現状の最⼤限の取組みであるということの明⽰が必要。129

SBTの基本要件5. Scope3への対応

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(必須事項)化⽯燃料を販売している発電事業者:天然ガスなどの化⽯燃料を販売している場合は、電⼒の発電事業

者であっても、販売した製品の使⽤(カテゴリ11)についてのScope3⽬標の設定が必要。

Scope3期間設定:基準年と⽬標年についての前述の要件(Scope1、2)を参照

(推奨事項)Scope3の⽬標設定にSBT⼿法を活⽤することについて:現在のSBT設定⼿法は、(SDAにおける乗⽤⾞製造業について以外は)

Scope1・2排出量を想定して開発されているが、この⼿法を適⽤可能な場合にScope3⽬標に活⽤することを考慮してほしい。

2017年4⽉16⽇〜追加事項

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SBTの基本要件5. Scope3への対応

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(必須事項) 企業は企業全体のGHG排出量インベントリと⽬標に対する

進捗を年に1度報告しなくてはいけない。

(推奨事項) 開⽰の場所:インベントリの開⽰場所について、公開である

限り特定の要件はない。推奨としては、年次報告、サステナビリティ報告書、企業のWEBサイト、または、CDP質問書への回答など。

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SBTの基本要件6. 報告

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(推奨事項と新規ガイドライン) ⽬標の再計算:削減実績を整合的に追跡するために、⽬標の整合性

や妥当性に影響あるような⼤きな変化があった場合は必要に応じて⽬標を再計算しなくてはならない。

企業が年に1度⽬標について妥当性を確認することを推奨。最低でも、⽬標は5年に1度は再評価をしなくてはならない。企業は⼤きな変更があった場合、SBT事務局にその旨を知らせ、その変化について必要に応じて公開する必要がある。

※以下のような場合、⽬標の再計算の検討をすることが望ましい・企業の組織変更(例えば、買収、売却、合併、仕事の企業内部化、外注)・成⻑予測・⽬標設定に利⽤したデータの変更(例えば、⼤規模な間違いを⾒つけたり、⼩さな間違いが積み重なって⼤きな規模の修正になっているもの)

・排出インベントリの計算⽅法の変更(基準年のインベントリの再計算も必要になってくる)

・それ以外のSBT設定⼿法で利⽤した予測や想定の変更

2017年4⽉16⽇〜追加事項

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SBTの基本要件7. 再計算

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【別冊参考資料②】SBTの認定事例

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SBT認定取得済は世界全体で86社,⽇本は14社

(出典)Science Based Targetsホームページ資料より作成 http://sciencebasedtargets.org/companies-taking-action/134

Adobe Systems/AMD/AstraZeneca/Atos SE/Auckland Airport/Autodesk/Biogen/BT plc/ Capgemini Group/Capgemini UK/ Carlsberg Group/CEWE Stiftung & Co. KGaA/Coca-Cola European Partners/Coca-Cola HBC AG/Colgate Palmolive Company/CTT-Correios de Portugal SA/第⼀三共/Danone/Dell Inc./電通/Diageo/DONG Energy A/S/EDP - Energias de Portugal S.A./Eneco/Enel/EVRY ASA/Farmer Bros. Co./Ferrovial/富⼠フイルム/富⼠通/Gecina/General Mills Inc./Givaudan SA/Hewlett Packard Enterprise/HK Electric Investments(HKEI)/Host Hotels & Resorts, Inc./ HP Inc/HUBER・SUHNER Group/Husqvarna AB/Ingersoll-Rand Co. Ltd./International Post Corporation (IPC)/川崎汽船/Kellogg Company/Kering/Kesko /キリン/コマツ/コニカミノルタ/Koninklijke KPN NV (Royal KPN)/Land Securities/Las Vegas Sands/Level 3 Communications/リクシル/Lundbeck A/S/Marks and Spencer plc/Mars/Muntons/ナブテスコ/Nestlé/Nokia Oyj/NRG Energy Inc/Panalpina /パナソニック/PepsiCo, Inc./Pfizer /Philip Morris International/PostNord AB/Procter & Gamble Company/Proximus/リコー/SAP/ Singtel/ソニー/ Sopra Steria Group/Swisscom/Symrise AG/TELEFONICA/Tesco/Tetra Pak/Thalys/⼾⽥建設/UBM/Unilever plc/Verbund AG/Walmart/Österreichische Post AG

2017年12⽉18⽇現在

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コミット経緯 サプライチェーン上流・下流(特に下流の顧客側)でのGHG排出量への対応の重要

性を認識し、⾃社⽬標を検討してきた 2015年に、サステナビリティ戦略⾒直しの⼀環としてSBTへコミット 顧客の製品機能等への要望を踏まえるとGHG排出は増えるため、

“顧客需要を満たすことと排出削減の両⽴”が論点に SBT設定メリット ⾃社のサステナビリティ確保と、将来ビジネスニーズ(顧客からの期待)への対応となる 潜在的な技術課題とその解決策を理解し、進捗状況を測る機能への投資となる135

海外企業事例 -①DELL-

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コミット経緯 2015年後半、機関投資家から持続可能性⽬標についての問合せあり 不動産業界での持続可能性分野のリーダーとなるべく、CEOが⽬標設定へ挑戦すると判

断 社内向けの会議やワークショップを開催。「リーダーシップとは何か?」をキーワードに、⾃⾝

が変化することがチャンスに繋がることを⽰し、理解者を増やしていった Scope3の⽬標設定が難航(社内で承認を得た⽬標がSBTの基準を満たさず)

SBT設定メリット 投資家との関係強化ができ、⻑期的投資の⾒通しが⽴った SBT認定を受けたことで、業界内でフォロワーの⽴場から、リーダーの⽴場に変わり

社内的に⾃信が得られた 136

海外企業事例 -②Land Securities-

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コミット経緯 環境医学グループ、環境法グループ、グローバル⼯学グループの3つの部会を⽴ち上げ グローバル⼯学グループが、省エネと再エネの促進がコスト的に負担ではなくメリットを⽣

み出すと捉え、社内調整に尽⼒ 取締役会で⽬標が承認された後は、社内調整がスムーズに

SBT設定メリット エネルギー節約の⾒える化ができた(設備単位での効果は⼩さいが、2000年以降

3300のプロジェクトを合算すると年間150億円の節約となっている) 社内からエネルギー節約アイデアを募り、SBTに関わる社員も増えている 137

海外企業事例 -③Pfizer-

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SBT認定取得済み⽇本企業14社 1/3企業名 Scope 基準年 ⽬標年 単位 概要

川崎汽船1 2011年 2030年 原単位 輸送単位あたりの排出量を25%削減1 2011年 2050年 原単位 輸送単位あたりの排出量を50%削減

キリン1+2 2015年 2030年 総量 排出量を30%削減

3 2015年 2030年 総量 Scope1+2と同様に、排出量を30%削減

コマツ1+2 2010年 2030年 原単位 製造1単位あたりの排出量を49%削減

3 2012年 2030年 総量 排出量を46%削減コニカミノルタ 1+2+3 2005年 2030年 総量 排出量を60%削減

ソニー1+2 2000年 2020年 総量 事業活動の排出量を42%削減

1+2+3 2008年 2050年 総量 2050年環境フットプリントゼロに向け、90%削減

第⼀三共1+2 2015年 2030年 総量 事業活動の排出量を27%削減

3 - 2020年 - 主要サプライヤーの90%に削減⽬標を設定させる

2017年12⽉18⽇現在

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SBT認定取得済み⽇本企業14社 2/3企業名 Scope 基準年 ⽬標年 単位 概要

電通1+2 2014年 2030年 総量 排出量を24%削減

3 2015年 2050年 原単位 1⼈あたりの出張に係る排出量を25%削減

⼾⽥建設

1+2 2010年 2030年 総量 排出量を35%削減1+2 2010年 2050年 総量 排出量を57%削減

3 2010年 2050年 原単位 床⾯積(施⼯、竣⼯した物件)あたりの原単位を55%改善

ナブテスコ

1+2 2015年 2030年 総量 排出量を30%削減1+2 2015年 2050年 総量 排出量を80%削減

3 - 2030年 - 主要サプライヤーの70%にSBTを⽬指した削減⽬標を設定させる

パナソニック1+2 2013年 2030年 総量 排出量を30%削減1+2 2013年 2050年 総量 排出量をゼロ

3 2013年 2030年 総量 販売した製品の使⽤による排出量を30%削減

2017年12⽉18⽇現在

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SBT認定取得済み⽇本企業14社 3/3企業名 Scope 基準年 ⽬標年 単位 概要

富⼠通1+2 2013年 2030年 総量 排出量を33%削減1+2 2013年 2050年 総量 排出量を80%削減

3 2013年 2030年 総量 排出量を30%削減富⼠フイルム 1+2+3 2013年 2030年 総量 排出量を30%削減

リクシル1+2 2015年 2030年 総量 排出量を30%削減

3 2015年 2030年 総量 販売した製品の使⽤による排出量を15%削減

リコー1+2 2015年 2030年 総量 排出量を30%削減1+2 2015年 2050年 総量 ネット排出量をゼロ

3 2015年 2030年 総量 排出量を15%削減

2017年12⽉18⽇現在