はじめに 第 章 1 - home | hamamatsu photonics

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はじめに 第  章1

1-1 光1-2 光半導体素子

光と光半導体素子1

光半導体素子のラインアップ2

光半導体素子の製造工程3

1章

はじめに

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1章

はじめに

はじめに

光と光半導体素子1.

1 - 1 光

光の定義

 光は、電波と同様に電磁波の一種です。一般的に光とは、可視光と、可視光よりも波長の短い紫外線と波長の長い赤外線を示します。

波長

 電磁波は、波長によって帯域を分類すると、短波長からγ線・X線・紫外線・可視光・近赤外線・中赤外線・遠赤外線・電波に分かれます [図1‐1]。 γ線・X線は粒子の性質を強くもち、高いエネルギーをもっています。電波は、サブミリ波・ミリ波・センチ波・UHF・VHF・短波・中波・長波・超長波に分かれます。なおテラヘルツ波は、周波数 1 THz前後の電磁波です。 電磁波は、波としての性質と粒子 (フォトン)としての性質をもちます。波長 λの1個のフォトンのエネルギー Eは式 (1)で表されます。

E = h ν = h c / λ [J] .......... (1)

 h: プランク定数 (6.626 × 10-34 J・s) ν: 光の振動数 [Hz] c: 真空中の光速 (2.998 × 108 m/s) λ: 波長 [m]

 フォトンのエネルギー (E)の単位をeV、波長 (λ)の単位をµmとすると、フォトンのエネルギーは式 (2)でも表されます。

E = [eV] ……… (2)1.24λ

 人の目が感じることができる光を色で表すと、波長 400 nmの紫、藍、青、緑、黄、橙、そして700 nmの赤の虹の7色に分かれます。人の目は、その組織の構造によって可視光において555 nmの光を最も強く感じ取ります。人と同様に多くの生物は、この波長に視覚のピーク波長

をもっています。なお、蛍・夜光虫・ホタルイカなどの発光は、500 nm前後の黄緑色に発光スペクトルのピーク波長があります。

光量

 光量は、1秒当たりのフォトン数を使うと式 (3)で表されます。

W = N E = N h ν = N h c / λ ……… (3)

 W: 光量 [W]  N: 1秒当たりのフォトン数 [個/s]

 なお単位面積、単位時間におけるフォトン数によって光量を表すこともあります [単位の例: 個/(mm2・s)]。 この他にも光量にはさまざまな表し方があり、大きく分類すると放射量と測光量に分かれます。放射量は、光量を電磁波の物理量として純粋に示すものです。一方、測光量は、人の目がとらえる光量を示します。 放射量と測光量のそれぞれには、さまざまな条件に対応した種類があります [表1-1]。 光量に対応する光センサの例を図1-2に示します。われわれが普通に生活できる明るさは、数lxから数千lxです。部屋の明るさは数百lxまでで、勉強や料理をする場合、500 lxあれば十分であるといわれています。なお人の目がもつ通常のダイナミックレンジは、3~4桁程度です。 半導体受光素子 (Siフォトダイオードなど)や光電子増倍管は、通常は人の目よりも広いダイナミックレンジをもっています。弱い光の検出には、光電子増倍管やMPPCが適しています。Siフォトダイオードは、光電子増倍管やMPPCよりも明るい光を検出する場合に用いられます。 画像センサとしては、光が弱い場合は冷却型CCDイメージセンサが向いています。冷却型CCDイメージセンサは、晴れの星座や月の撮影に適しています。室内照明程度の明るさの撮影には、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサが適しています。

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1章

はじめに

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1章

はじめに

[図1-1] 波長と光センサ・光源

[図1-2] 光量と光センサ

KOTHC0010JB

KOTHC0011JB

1. 光と光半導体素子

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1章

はじめに

す。また、気体分子にレーザ光を当てて分子の速度を下げることによって気体を冷やすレーザ冷却が研究されています。その他、宇宙空間における移動方法として、光子ロケットが考えられています。

光を用いた計測

 光を用いた計測には、アクティブ方式とパッシブ方

式があります。アクティブ方式は、光源から対象物に光

を当てて反射光・透過光・散乱光などを検出する方法

です。一方、パッシブ方式は、物質自体から放射してい

る光を検出する方法です。

 光を用いると時間や距離などの測定をすることがで

きます。パルス光を対象物に当てて反射して戻ってくる

までの時間を測定することにより、対象物までの距離

を測ることができます [TOF (Time-of-Flight) 法]。

 その他、光の位相、波長分光などを利用することに

よって、さまざまな物質の状態を調べることができます。

光の性質

 光は波として振る舞い、フォトンと呼ばれる粒子としても振る舞います。 CDやDVDではデータ面の反射光が虹色に見えることがありますが、これは光が波であるためディスク表面の凹凸によって回折光が干渉を起こすことによります。また、光が物質に入射して電子が発生する現象を光電効果と呼びますが、これは光が粒子であるために起こる現象です。 光を波としてとらえた場合、光の振動数 (ν)は式 (4)で表されます。

ν = ……… (4)

c: 真空中の光速 (2.998 × 108 m/s)λ: 波長 [m]

[Hz]

 たとえばλ=555 nmの光の振動数は、5.4 × 1014 Hzです。 一方、光の粒子であるフォトンは、その振動数に相当するエネルギー hνをもっています (h: プランク定数 6.626 × 10-34 J・s)。 レーザ光は光の進行方向・波長・位相をそろえた光 (コヒーレント光)であり、鉄板の切断や溶接、半導体を切断するステルスダイシングなどに利用されています。バイオテクノロジーにおいては、特定の細胞にレーザ光を照射することで細胞をつかまえる光ピンセットとして使われています。光ピンセットのように光は物質に力を及ぼすことができま

光量の条件放射量 測光量

光量名 単位 光量名 単位

光源から放射される光エネルギーの単位時間内の総和 放射束 W 光束 lm (ルーメン)

点光源から単位立体角に放射されるエネルギー量 放射強度 W/sr 光度 cd (カンデラ)

発光面積をもつ光源の単位面積当たりの放射エネルギー 放射発散度 W/m2 光束発散度 lm/m2

発光面積をもつ光源の単位面積と単位立体角当たりの放射エネルギー 放射輝度 W/(m2・sr) 輝度 cd/m2

光が照らされた単位面積当たりの放射束または光束 放射照度 W/m2 照度 lx (ルクス)

[表1-1] 光量の表し方

ルクス フォト フートキャンドル ワット/平方センチ*2

lx (lm/m2) ph (lm/cm2) fc (lm/ft2) W/cm2

1 1.0 × 10-4 9.290 × 10-2 5.0 × 10-6

1.0 × 104 1 9.290 × 102 5.0 × 10-2

1.076 × 10 1.076 × 10-3 1 5.4 × 10-5

2.0 × 105 2.0 × 10 1.9 × 104 1

*1: 人の目の感度特性に限定した分光感度特性 (CIE準拠)をもつセンサで測定したときの明るさの度合い*2: CIE標準光源のA光源 (色温度 2856 K)による全放射照度 (実測値)

[表1-2] 照度*1の単位換算表

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1章

はじめに

物として入れるとP型に、最外殻電子を6個もつTeを入れるとN型になります。また不純物として最外殻電子を4個もつSiを入れた場合、これがGaと置換されるとN型に、Asと置換されるとP型になります。

光半導体素子

 半導体には、光を電気に変換したり、その逆に電気を光に変換する機能をもつものがあります。この機能をもった半導体を光半導体素子といいます。 当社は、「2. 光半導体素子のラインアップ」に掲載されている幅広い光半導体素子を用意しています。

光センサの分類

 光センサは、光電効果 (物質が光を吸収して電子を放出する)を利用したものと熱型に分かれます [表1-4]。 光電効果は、光半導体素子の内部で生じる内部光電効果と、光電子増倍管の光電面のように外部に電子を放出する外部光電効果に分かれます。内部光電効果には、入射光によってPN接合部に電圧が現れる光起電力型と内部抵抗値が変化する光導電型があります。 熱型には、熱を起電力に変換する起電力型、熱を導電率に変換する導電型、熱を表面電荷に変換する表面電荷型があります。熱型の光センサには、感度の波長依存性がなく冷却が不要という特長がありますが、応答速度が遅く検出能力が低いという短所もあります。

1 - 2 光半導体素子

半導体

 物質には、金属のように電気を通しやすい物質 (導体)と、ガラスのように電気を通しにくい物質 (絶縁体)があります。半導体は導体と絶縁体の中間の性質があり、そのままの状態では電気を通しにくいものですが、光や熱を加えたり、不純物を混ぜることによって電気を通しやすくなる性質をもっています。 よく知られている半導体にSi (シリコン)やGe (ゲルマニウム)があります。純粋なSi、Geだけからできている半導体を真性半導体といいます。真性半導体に不純物として別の元素を混ぜたものを不純物半導体といい、不純物半導体にはN (Negative)型半導体とP (Positive)型半導体があります。真性半導体を構成する原子よりも最外殻電子 (価電子)が多い元素を不純物として混ぜると、電子が1つ余ってこれが自由に動くようになり、N型半導体になります。一方、真性半導体を構成する原子よりも最外殻電子が少ない元素を不純物として混ぜると、電子が1つ不足して正の電荷を帯びた正孔 (ホール)として自由に動くようになり、P型半導体になります。 N型半導体とP型半導体を1つの半導体の中に接する形で作り込むと、それぞれの半導体がもつフェルミレベル (電子の存在確率が1/2である電気的ポテンシャル)が同じエネルギーレベルのため、界面においてはPN接合と呼ばれる電気的ポテンシャルの差が生じ、その部分には空乏層 (電子や正孔がない領域)ができます。空乏層には不純物がイオン化して存在するため、内部に電界が生じます。半導体に光が入射して電子や正孔が発生し、空乏層まで拡散すると、内部に生じた電界により電子や正孔はそれぞれ逆の方向に押しやられて、電流が流れることになります。

[図1-3] PN接合

 半導体には、単一の元素から成るSiやGeといった単一元素半導体に加えて、InGaAs (インジウム・ガリウム・ヒ素)やGaAs (ガリウム・ヒ素)など複数の元素から成る半導体があります。これを化合物半導体といいます。 化合物半導体にもN型半導体とP型半導体があります。GaAsの場合には、Gaは最外殻電子が3個で、Asは最外殻電子が5個です。この中に最外殻電子を2個もつZnを不純

KPDC0033JA

1. 光と光半導体素子

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1章

はじめに

種類 半導体の例 特徴

単一元素半導体 Si, Ge

● 埋蔵量が豊富 (Si)● 結晶構造が単純● プロセスが比較的容易● 高純度化が可能

化合物半導体 InGaAs, GaAs, GaAlAs, InP

● 高速応答● 発光する物質がある● バンドギャップの変更が可能

[表1-3] 半導体の種類

定数 記号 定数値 単位

電子の電荷 q 1.602 × 10-19 C

真空中の光速 c 2.998 × 108 m/s

プランク定数 h 6.626 × 10-34 J · s

ボルツマン定数 k 1.381 × 10-23 J/K

室温の熱エネルギー kT 0.0259 (300 K) eV

1 eVのエネルギー eV 1.602 × 10-19 J

1 eVに対応する真空中の波長 - 1240 nm

真空の誘電率 εo 8.854 × 10-12 F/m

Siの比誘電率 εsi 約12 -

Si酸化膜の比誘電率 εox 約4 -

Siのバンドギャップエネルギー Eg 約1.12 (25 ℃) eV

[表1-5] 光や光半導体素子に関する物理定数

種類 光センサの例 特徴

内部光電効果

光起電力型

フォトダイオードAPD, MPPCフォトICPSD (位置検出素子)イメージセンサ

● 高速応答● 感度波長範囲: 紫外~近赤外域● 小型● 集積化が容易

光導電型PbS/PbSe光導電素子MCT光導電素子撮像管

● 感度波長範囲: 可視域または赤外域● 一般に応答が遅い

外部光電効果光電管光電子増倍管イメージ管

● 高感度● 高速応答● 感度波長範囲: 紫外~近赤外域● 受光面積の大きなものに対応可能

熱型

起電力型 サーモパイル

● 感度の波長依存性がない● 応答が遅い導電型 ボロメータ

表面電荷型 焦電素子

[表1-4] 光センサの種類

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1章

はじめに

1. 光と光半導体素子 2. 光半導体素子のラインアップ

光半導体素子のラインアップ

2.

[図2-1] 波長別セレクションガイド

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はじめに

光半導体素子の製造工程3.

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はじめに

3. 光半導体素子の製造工程

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はじめに

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はじめに

3. 光半導体素子の製造工程

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はじめに