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Microsoft SharePoint Server 2010 自習書インストールガイド(RTM版)

著作権

このドキュメントに記載されている情報 (URL 等のインターネット Web サイトに関する情報を含む) は、将来予告なしに変更することがあります。別途記載されていない場合、このソフトウェアおよび関連するドキュメントで使用している会社、組織、製品、ドメイン名、電子メール アドレス、ロゴ、人物、場所、出来事などの名称は架空のものです。実在する名称とは一切関係ありません。お客様ご自身の責任において、適用されるすべての著作権関連法規に従ったご使用を願います。マイクロソフトは、このドキュメントに記載されている内容に関し、特許、特許申請、商標、著作権、またはその他の無体財産権を有する場合があります。別途マイクロソフトのライセンス契約上に明示の規定のない限り、このドキュメントはこれらの特許、商標、著作権、またはその他の無体財産権に関する権利をお客様に許諾するものではありません。

2010 Microsoft Corporation. All rights reserved. 

SharePoint、Excel、Internet Explorer、 は、米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です。記載されている会社名、製品名には、各社の商標のものもあります。

はじめに

2010年5月、SharePoint Server 2010が正式に発表されました。新しいUI、新しい機能、どれもがエンドユーザーコンピューティングの生産性を高めるために設計され、改善されました。

サーバー構成も、特にファーム構成(複数台サーバーから構成される環境)はより柔軟な構成が可能になる様に再設計されているため、以前のバージョンの製品より冗長性、可容性にすぐれ、企業が安心して使用することのできるプラットフォームへと進化を遂げています。

本自習書では、SharePoint Server 2010をインストールし、直ぐに評価を始めることができるよう準備されました。まずは基本のインストール手順をご確認ください。また各所で実環境構築時に覚えておくと役立つTipsがあります。

随所にMicrosoft TechNet、MSDNへのリンクを掲載しています。より複雑な構成を行うときには、リンク先も確認されることをお勧めいたします。

尚、SharePoint Server 2010をインストールする手順には複数の手法が考えられます。本自習書でご紹介する例はあくまで一例であり、この通りにインストールしなければ動作しないということはありません。コマンドラインからインストールすることも可能ですし、インストール後の構成もSharePoint PowerShellからの構成など、様々な手法で効果的に展開することが可能です。本自習書では、SharePoint Server 2010が実装した高機能なインストーラーやウィザードを十分に生かし、スクリプトを必要とすることなくインストールができるよう解説しています。

なお、SharePoint Server 2010構築後の環境に対して、SharePoint Server 2010ベータ版(Beta2、RC)からのデーター移行(データベースアタッチアップグレード)はサポートされていません。これはコードレベルでブロックされております。RTM前に評価していたSharePoint Server 2010 BetaバージョンやRCバージョンの環境やコンテンツを再利用ではなく、コンテンツも新規構築をしてください。

アップグレードの詳細に関しては、別途SharePoint Server 2010自習書・アップグレード編で詳しく手法をご紹介しております。

変更履歴

バージョン

リリース時期

変更内容

Version 1.0

2010年6月

初版リリース

Version 1.1

2011年8月

P22にWindows Server 2008 R2 SP1 には ADO.NET データ サービス更新プログラムが同梱されているため、適用の必要がない旨追記

前提環境について

評価用のActive Directory環境と電子メールサーバーが既にあることを前提環境とします。

本自習書を記述する際に使用した前提環境は下記の通りです。

・Active Directory

 サーバーOS: Windows Server 2008 R2 (x64)

 サーバー名: DC2008

サーバーの役割:AD DS、DNS

ドメイン名: Contoso.com

 ドメイン機能レベル: Windows Server 2003ネイティブ

IPアドレス

192.168.1.100

サブネットマスク

255.255.255.0

DNS

127.0.0.1

 

・電子メールサーバー

 サーバーOS: Windows Server 2008 R2 (x64)

サーバー名: MAIL2010

 アプリケーション: Microsoft Exchange Server 2010

 インストール: Exchange Server の標準インストール(Hub、CAS、Mail Box、Exchange管理ツール)

IPアドレス

192.168.1.200

サブネットマスク

255.255.255.0

DNS

192.168.1.100

・SharePoint Server 2010インストールサーバー

サーバーOS: Windows Server 2008 R2 (x64)

 サーバー名: SP2010

SQL Server: SQL Server 2008 R2 (x64)

IPアドレス

192.168.1.110

サブネットマスク

255.255.255.0

DNS

192.168.1.100

本自習書では、一台のサーバーにSharePoint Server 2010とSQL Serverを同居させていますが、運用環境ではそれぞれを別サーバーで用意し、使用することにより、日常メンテナンス、データバックアップ、パフォーマンス向上を図るべきです。

Contents

Microsoft SharePoint Server 2010 自習書 インストールガイド(RTM版)1

はじめに3

変更履歴4

前提環境について5

Contents7

第1章インストール環境の構築8

1.1本自習書で行うSharePoint Server 2010インストール手順9

1.2推奨ハードウェアとソフトウェアの確認11

1.3サービスアカウントの準備13

1.4評価版ソフトウェアを使用する場合の注意事項とダウンロードポイント17

1.5修正コンポーネントのダウンロード22

1.6インストール サーバー OSの準備23

1.7インストール サーバー OSに必要な「機能」の追加28

1.8サーバーへ修正プログラムの適用35

1.9ドメインへ参加する36

1.10SQL Server 2008 R2のインストール43

1.11SQL Serverにサービスアカウントを登録する53

1.12(補足) SQL Serverに対するWindows Firewallの設定58

第2章SharePoint Server 2010のインストール61

2.1SharePoint Server 2010のインストール62

2.2SharePoint Server 2010をサーバーファーム構成でインストールする63

2.3SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行する65

2.4SharePointファームの初期設定を行う72

2.5SharePoint Server 2010サイトの機能の確認75

2.6インストールの最後に79

第3章Appendix (追加タスク)80

3.1ファーム構成を行うための2台目以降のサーバーの追加82

3.2Office Web Appsのインストールと機能有効化88

3.3Office 2010 Professional Plusのインストール97

3.4検索サービス用のサービスアカウントの設定100

3.5送信メールの設定104

3.6受信メールの設定113

3.7User Profile ServiceとUser Profile Syncの設定115

インストール環境の構築

本自習書で行うSharePoint Server 2010インストール手順

この評価環境では、可能な限り少ないサーバー台数でまず環境構築を行うことができるよう、SharePoint Server 2010とSQL Server 2008を一台の環境に展開します。運用環境、または高いパフォーマンスを求めるケースでは、SQL Serverは別サーバーとして準備し使用します。インストール時には、必要な追加モジュールのインストールのためにインターネットに接続されている環境が必要です。一度追加モジュールのインストールとダウンロードが終わったら、インターネット接続環境を切り離すことも可能です。

(フェデレーション検索機能や一部のWebパーツ、RSS機能などインターネット接続を常時必要とする機能を使用するのであれば、複数枚のネットワークカードが搭載されているサーバーを利用されることをお勧めいたします。)

SharePoint Server 2010では、Windows Server 2008 SP2と最新のWindows Server 2008 R2が基本OSとしてサポートされています。どちらも64ビット版のみのサポートです。インストールを開始する前に、それぞれのOSバージョンにおける全体の流れの違いを確認しておきましょう。

インストールOSの選択

Windows Server 2008 (x64)

ソフトウェア必須コンポーネントのインストール

インストーラーの起動 (splash.hta)

追加モジュールのダウンロード(オプション)

サーバー環境を評価向けに整える

Windows Server 2008 R2 (x64)

Service Pack 2の適用(必須)

サーバー環境を評価向けに整える

追加モジュールのダウンロード(オプション)

インストーラーの起動 (splash.hta)

ソフトウェア必須コンポーネントのインストール

サーバーのドメイン参加

メモ:

本自習書の手順では「ソフトウェア必須コンポーネントのインストール」実行が終了した時点で、インターネット接続はオフラインに出来ます。

サーバーのドメイン参加

SQL Server 2008 R2のインストール

SQL Serverに対するWindows Firewallの設定

SharePoint Server 2010のインストール

SharePoint Server 2010構成ウィザード実行

SharePoint Server 2010各種サービスの起動

最初のサイトコレクション作成

SharePoint Server 2010 稼働

必要に応じて追加のタスクを実行 (Appendix)

本自習書はWindows Server OS、SharePoint Server 2010、SQL Server 2008 R2はRTM製品版を使用し説明しています。

推奨ハードウェアとソフトウェアの確認

Microsoft SharePoint Server 2010 をインストールするサーバーのハードウェア、ソフトウェアの推奨要件は下記のとおりです。

ハードウェア要件:

プロセッサ

64 ビット、4コア

メモリ

スタンドアロンまたは評価用のインストールには 4 GB

運用で使用する単一サーバー ファーム インストールおよび複数サーバー ファーム インストールには 8 GB

ハードディスク

80 GB

その他

DVDドライブ

ソフトウェア要件:

ファーム内のデータベース サーバー

Microsoft SQL Server 2005 Service Pack 3 (SP3) または Microsoft SQL Server 2008 Service Pack 1 (SP1)と修正モジュール

スタンドアロン 構成

64 ビット版の Windows Server 2008 SP2、もしくは Windows Server 2008 R2

---下記コンポーネントはSharePoint 2010 PrerequisiteInstaller.exe ツールで自動構成可能

Web サーバー (IIS) の役割

アプリケーション サーバーの役割

Microsoft .NET Framework version 3.5 SP1

SQL Server 2008 Express with SP1

Microsoft Sync Framework Runtime v1.0 (x64)

Microsoft Filter Pack 2.0

Microsoft Chart Controls for the Microsoft .NET Framework 3.5

Windows PowerShell 2.0

SQL Server 2008 Native Client

Microsoft SQL Server 2008 Analysis Services ADOMD.NET

ADO.NET Data Services Update for .NET Framework 3.5 SP1

Windows Identity Foundation (WIF)

ファーム構成

64 ビット版の Windows Server 2008 SP2、もしくはWindows Server 2008 R2

---下記コンポーネントはSharePoint 2010 PrerequisiteInstaller.exe Installツールで自動構成可能

Web サーバー (IIS) の役割

アプリケーション サーバーの役割

Microsoft .NET Framework version 3.5 SP1

Microsoft Sync Framework Runtime v1.0 (x64)

Microsoft Filter Pack 2.0

Microsoft Chart Controls for the Microsoft .NET Framework 3.5

Windows PowerShell 2.0

SQL Server 2008 Native Client

Microsoft SQL Server 2008 Analysis Services ADOMD.NET

ADO.NET Data Services Update for .NET Framework 3.5 SP1

Windows Identity Foundation (WIF)

クライアント要件:

PC

SharePoint Server 2010でサポートされているブラウザを搭載していること

Silverlight 3

Tips:サポートされているブラウザは、下記のTechNet記事を参照してください。http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc263526.aspx

メモ:

一見すると、非常にハイスペックなハードウェアを搭載したサーバーが必要に思われますが、最低推奨ラインは4GBメモリと最近主流であるのマルチコアCPUです。最終的にどの程度のスペックのハードウェアが必要となるかは、使用するサービスや組織内でのSharePoint Serverの使用目的に関係します。

キャパシティープランニングに関してはTechNetを参照してください。

http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc261700.aspx

http://technet.microsoft.com/ja-jp/sharepoint/ff601870(en-us).aspx (Capacity Management Center)

本自習書では、下記スペックのサーバーで環境を構築しました。

SharePoint Server 2010機能評価環境:(評価用ドメインコントローラー、メールサーバーは別機)

CPU

Intel Core 2 Duo E8600

メモリ

8GB

ハードディスク

160GB

インストール内容

Windows Server 2008 R2 + SharePoint Server 2010 + SQL Server 2008 R2

Office 2010 Professional Plus + Office Web Apps

サービスアカウントの準備

SharePoint Server 2010のインストールを始める前に、必要なサービスアカウントをあらかじめ用意しておく必要があります。常にAdministratorアカウントを使用するのは、セキュリティ上適切とは言えません。サービスアカウントをどの程度数用意し、運用するかは組織で計画することができます。詳細にサービスアカウントを運用することにより高いセキュリティレベルを確保することができるでしょう。またトラブルシューティングも行いやすくなります。しかし同時に多くのサービスアカウントを運用するには、それに伴う管理時間、コストを考慮する必要があります。

SharePoint Server 2010を正しく動作させるために最低限準備すべきサービスアカウントは下記のとおりです。

・SharePoint Serverインストールアカウント

SharePointをインストールする際にOSログインするアカウントです。インストールアカウントを使用することにより、常に高い権限を持つAdministratorアカウントを使用する必要がなくなります。インストーラーを「実行」し、プログラムファイルをサーバーに対してインストールするため、サーバーOSのローカル「Administrators」グループに所属している必要があります。

・SharePoint Server ファームアカウント

SharePointファームで既定のサービスを実行するために共有するアカウント。SharePointファームは複数台のSharePoint Serverで構成されますが、それぞれのサーバーがバラバラのアカウントで構成されることはありません。ファーム内で共通のアカウントを一つ決め、それを使用します。またこのアカウントは既定で必要とされるいくつかのサービスの実行アカウントとなります(初期構成時)

・SharePoint Server 検索サービス用アカウント

インデクサーが対象コンテンツにアクセスするときに使用するアカウントです。SharePointは指定された検索サービス用アカウントに対し内部的に特別な権限を付与します。そのため、この検索サービス用アカウントはSharePoint Server ファーム用アカウントや、管理者アカウントなどと同一にすべきではありません。

セキュリティ トリミングを正しく働かせるために専用のアカウントを用意します。

その他、使用するサービスアプリケーションや組織の決定に基づいて用意するアカウント。

例:

・Webアプリケーション ワーカープロセス実行アカウント

Webアプリケーションごとにアプリケーションプールのワーカープロセス実行アカウントを分離することにより、Webアプリケーションの動きをモニターしやすくなります。ワーカープロセスは”W3WP.exe”というイメージ名で実行されていますが、タスクモニターなどからそれぞれのW3WP.exeを実行している実行アカウント、メモリ使用量などを確認できます。

・User Profile Syncサービスアプリケーション用サービスアカウント

User Profile Syncサービスアプリケーションはドメインコントローラーに対して同期をとるために必要な特別な権限をActive Directory側で付与する必要があります。

本自習書では、下記のようにサービスアカウントを用意し、使用します。

目的

アカウント名

パスワード

SharePointインストール

Spadmin

P@ssw0rd

SharePoint ファーム

Spfarm

P@ssw0rd

SharePoint 検索用

Spsearch

P@ssw0rd

テスト用ユーザーアカウント(山田太郎)

Yamada

P@ssw0rd

User Profile Sync

Spups

P@ssw0rd

※User Profile Sync は最後のAppendixで設定手法を扱います。

ドメインコントローラーで[スタート]から[管理ツール]をポイントし、[Active Directory ユーザーとコンピューター]を開きます。※可能であれば、一つSharePoint用の組織単位(OU)を作成することをお勧めします。※本自習書では「SharePoint」という名前のOUを作成してあります。

左ペインから、作成したOU(本自習書では「SharePoint」)を右クリックします。[新規作成] から [ユーザー] を選択します。

ユーザーアカウント(サービスアカウント)を作成します。わかりやすい姓名を入力し、ユーザー ログオン名を入力します。

パスワードを設定します。「パスワードを無期限にする」にチェックを入れます。[次へ] をクリックします。

設定を確認し[完了]をクリックします。

上記を繰り返し、必要なサービスアカウントを作成します。

個々のアカウントに対する、更に付加的な設定は、この後インストール作業を行いながら順に設定していきます。

評価版ソフトウェアを使用する場合の注意事項とダウンロードポイント

本自習書では、すべて製品版のServer OS、SharePoint Server 2010、Office Web Apps、SQL Server、Office Clientを使用します。製品版を使用する理由はOffice Web Appsを評価することを想定しているためです。 SharePoint Server 2010は評価版が準備されていますが、2010年6月現在、Office Web Appsの評価版は用意されていません。(Windows Live SkyDrive上での評価を推奨)

SharePoint環境では、「評価版」用の180日限定キーでインストールされた評価版SharePoint Server 2010に「製品版」のライセンスキーが必要なOffice Web Appsをインストールすることができません。

(Tips: 製品版キーと評価版キーの同一環境内での混在は許可されていません。)

もし、短期間の評価を行うためSharePoint Server環境を構築する目的で、マイクロソフトが用意する「評価版」ソフトウェアを使用して環境構築を行うのであれば、下記のような組み合わせが可能です。

Office Web Appsを評価する

Office Web Appsを評価しない

Windows Server 2008 R2

評価版可

Windows Server 2008 R2

評価版可

SQL Server 2008 R2

評価版可

SQL Server 2008 R2

評価版可

SharePoint Server 2010

製品版とライセンスキー

SharePoint Server 2010

評価版可

Office Web Apps

製品版とライセンスキー

全てを評価版で構築することが可能(180日間)

各評価版をダウンロードするには、下記のダウンロードポイントを参照してください。

1. Windows Server 2008 R2 180日評価版http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyID=ba571339-5436-4cf5-9c37-6ed7dab6f781&DisplayLang=jaISOイメージで用意されているため、DVD書き込みソフトウェア等を使用し、OSインストールディスクを作成します。

Microsoft SQL Server 2008 R2 Evaluation: IT プロフェッショナル用トライアル版を(64ビット版のダウンロード)http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?displaylang=ja&FamilyID=54ad6107-c552-4d47-b1a1-3f66460f71a9ISOイメージと自己解凍形式の実行可能ファイルの2種類が用意されていますが、環境に合わせて使用しやすい方をダウンロードします。自己解凍形式を選択する場合は、「Eval X64 実行可能ファイル」をダウンロードします。

Microsoft SharePoint Server Enterprise 2010 試用版http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?displaylang=ja&FamilyID=230ecdfb-89ec-4d4a-8a85-89fd98329f7b

Microsoft Office Professional Plus 2010(60日評価版のみ)http://technet.microsoft.com/ja-jp/evalcenter/ee390818.aspxLive IDを使用し、ユーザー登録後、プロダクトキーとダウンロードリンクが発行されます。 プロダクトキーを忘れずにメモもしくは印刷し、ダウンロードマネージャを使用してダウンロードを開始します。

Windows Live IDでログイン後、プロダクトキーが発行されます。また、32ビット版か64ビット版を選択することができます。64ビット版のサーバーにインストールするときでも、32ビット版を選択することもできますし、64ビットネイティブで動作する新しい64ビット版を使用することも可能です。

Microsoft SharePoint Designer 2010SharePoint DesignerはSharePoint Serverを使用する上で必要なクライアントアプリケーションです。SharePoint Server 2010ではSharePoint Designerと各所で連携できるよう、メニューが用意されています。必ずダウンロードし、使用することをお勧めいたします。 このアプリケーションはマイクロソフトダウンロードセンターで無償で提供されています。

32ビット版:http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?familyid=D88A1505-849B-4587-B854-A7054EE28D66&displaylang=ja64ビット版: http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?familyid=566D3F55-77A5-4298-BB9C-F55F096B125D&displaylang=ja&displaylang=ja

Tips:Microsoft Office Professional Plus 2010 の各製品はバージョンを必ず一致させる必要があります。32ビット版をダウンロードした場合は、SharePoint Designer 2010も32ビット版をダウンロードし使用してください。製品ごとに32ビット版と64ビット版を混在させることはできません。

(オプション) Microsoft Office Visio Premium 2010 、Project 2010などは下記の総合ページからダウンロード可能です。http://www.microsoft.com/japan/office/2010/trial/default.mspx

修正コンポーネントのダウンロード

SharePoint Server 2010は製品版としてRTMしているため、自身に関する修正コンポーネントは本自習書執筆時点ではありません。(2010年5月時点)しかし、SharePoint Server 2010が使用している周囲のテクノロジ、例えば .NET Framework 内の一部のコンポーネントはアップデートする必要があるものがあります。これらはSharePoint Server 2010のインストーラーで自動的に修正、アップデートはされません。なぜなら、 .NET Framework コンポーネントは汎用であり、環境によってはSharePoint以外のアプリケーションも使用している可能性があるためです。SharePointをインストールするサーバーは可能な限りSharePoint Server 2010だけをインストールし、必要な修正コンポーネントを適用してください。

1. ADO.NET データ サービス更新プログラム (必須)http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?displaylang=ja&FamilyID=79d7f6f8-d6e9-4b8c-8640-17f89452148eREST Web Serviceを正しく使用するためのアップデートです。

※Windows Server 2008 R2 SP1 には ADO.NET データ サービス更新プログラムが同梱されているため、適用の必要はございません。

1. Claim認証を使用する場合に必要なアップデート(オプション)http://support.microsoft.com/kb/979917http://code.msdn.microsoft.com/KB979917/Release/ProjectReleases.aspx?ReleaseId=4033

SQL Server 2008(除く2008 R2)を使用している場合SQL Server 2008を使用する場合は必ずSP1とCU2アップデートの両方を適用してください。

Tips:累積アップデートはCU2、もしくはCU5、それ以降を適用することが推奨されています。CU3、CU4は推奨されていません。 (http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc262485.aspx)

Tips:.NET Framework にまつわる修正プログラムは、 最新バージョンの「.NET Framework 4.0」をインストールしている場合は必要ない場合もあります。その場合、インストール時に「インストールができない」旨メッセージがでます。

インストール サーバー OSの準備

Windows Server 2008 R2をインストールします。OSインストールはサーバー環境により20分から1時間程度時間がかかります。OSのインストールが終了したら、環境を作成するために次の作業を行います。

1. OSインストールが完了すると [初期構成タスク] 画面が展開されます。

1. ダッシュボードの上位項目から順番に必要な構成タスクを行っていきます。

Windowsのライセンス認証

今は行わない

タイムゾーンの設定

既定

ネットワークの構成

今は行わない

コンピューター名とドメインの入力

行う (手順3を参照:コンピューター名はSP2010)

1. [コンピューター名の変更とドメインの入力] をクリックし、コンピューター名を入力します。本自習書ではコンピューター名を ”SP2010” とします。

1. 新しいコンピューター名を入力後、再起動が求められるので指示に従って[今すぐ再起動する] を選択します。

初期構成タスクを終了します。この際、[ログオン時にこのウィンドウを表示しない] にチェックをいれておきます。

初期構成タスクを終了すると、[サーバー マネージャー] が起動します。[セキュリティ情報] の欄で[IEセキュリティ強化の構成(ESC)] を構成します。左側のリンクから [IE ESCの構成] をクリックし、[Administratorsグループ] 、[Users グループ] 共に[オフ] にします。

※一連の設定が終わった後は、セキュリティ強化の設定をもとに戻すことをお勧めいたします。

(オプション手順)ローカルのAdministratorのパスワードを無期限に設定します。Windows Server 2008ではインストール直後にパスワードの設定を行っていますが、パスワードの期間が無制限になっていないため、既定のパスワードポリシーにより定期的にパスワードの変更が求められます。この動作はセキュリティの観点からは望まれた既定の動作です。また、最終的にはドメインに参加し、ドメインユーザーを使用するため、この作業は必ずしも行っていただく必要はありませんが、ローカルアカウントに戻ってサーバー作業するときのことを考え、設定手法を記載します。

サーバーマネージャの左ペインで[構成] を展開し、[ユーザー] を開きます。[Administrator] ユーザーをダブルクリックし、プロパティを開きます。[パスワードを無期限にする] にチェックを入れ、 [OK] をクリックします。

レジストリにDisableLoopbackCheck値を追加します。(KB896861参照)ホストヘッダーを使用するケースを想定し、ここで設定しておきます。[スタート] から [プログラム名を指定して実行] をクリックし、[regedit] と入力しレジストリエディタを起動します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Lsa にDisableLoopbackCheckのDWORDを作成し、値に [ 1 ] (16進) を入力します。

値を入力後、[OK] をクリックし編集を終了します。

インストール サーバー OSに必要な「機能」の追加

1. サーバーの役割追加を行います。[スタート] から [管理] をクリックし、 [サーバー マネージャー] をクリックします。[機能の追加] をクリックします。[機能の追加ウィザード] ウィンドウが開きます。[次へ] をクリックします。機能の追加では、以下の2つの役割を追加します。 ・Windows PowerShell Integrated Scripting Environment (ISE)※PowerShell 2.0はSharePoint Server 2010のインストーラーを利用しインストールすることができますが、ISE(エディタ)はインストールされません。そのため、ISEを機能追加しています。「SharePoint Server 2010 自習書 PowerShell/STSADM編」でもISEを使用したPowerShellスクリプトの実行を紹介しています。 ・デスクトップ エクスペリエンス※本自習書の環境では、SharePointサーバーにOffice Clientをインストールして検証できるようにするために、デスクトップ エクスペリエンスを追加しています。

チェックボックスを選択すると、それぞれの「機能」を実行させるのに必要な追加コンポーネントが表示されます。・.NET Framework 3.5・インクと手書きサービス

[必要な機能を追加] をクリックします。

インストールオプションの確認をし、[インストール] をクリックします。

インストール後はサーバーの再起動が必要となります。再起動が求められたら、[はい] をクリックします。

再起動後、インストールが正常に完了していることを確認し、[閉じる] をクリックします。

SharePoint Server 2010 ソフトウェア必須コンポーネントを実行します。SharePoint Server 2010 メディアDVDをサーバーに挿入します。[Splash.htaの実行] を選択するか、もしくはフォルダを開いて「splash.hta」を起動します。

SharePoint Server 2010 ソフトウェア必須コンポーネントが実行されると、下記メニューが起動します。[インストール] 項目の [ソフトウェア必須コンポーネントのインストール] を実行します。インターネットに接続されていることを確認してください。

「Microsoft SharePoint 2010 製品準備ツールへ ようこそ」ダイアログボックスが開きます。[次へ] をクリックします。

準備ツールを実行することにより、IISの構成、アプリケーション サーバーの役割構成、必要なコンポーネントのダウンロードとインストールが行われます。「使用許諾契約書の条項に同意します」にチェックを入れ、[次へ] をクリックします。

インストールが完了したら、必須コンポーネントの構成とインストールが正常に終了したことを確認し [完了] をクリックし、再起動します。

Tips:インストールが正常に終了していない場合は、まずインターネット接続を確認してください。インターネットからダウンロードできなかった場合は全て「失敗」で終了します。またローカルサーバーに対してのAdministrators権限があることを確認します。なお、インターネットに接続できない環境の場合は、必須コンポーネントを個別にダウンロードし、手動でインストールすることにより、SharePoint Server 2010をインストールする環境を準備することができます。手動でインストールするときは、下記のTechNetの資料を参照し、すべての必須コンポーネントを適用します。http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc262485.aspx#section4

再起動後、インストールが正常に完了したことを確認し、[完了] をクリックします。

サーバーへ修正プログラムの適用

最初のステップでダウンロード済みの修正モジュールを適用します。修正プログラムの適用は必ずSharePoint Server 2010のPrerequisiteInstaller.exe を実行した後に行ってください。

1. KB976127 を実行します。 (ADONETDataServices_v15_CTP2)ダウンロードしたKB976127修正プログラムをダブルクリックし、[はい] を選択しインストーラーを起動します。

注意: 環境により、最新の「.NET Framework 4.0」が適用されている環境では、すでに本件は修正されているためアップデートされない場合があります。

ドメインへ参加する

SharePoint Server 2010をインストールするサーバーの事前準備(特にインターネット接続が必要な準備項目)が終了したら、サーバーに固定IPアドレスを割り当て、ドメインへの参加、SQL Serverのインストールと構成、そしてSharePoint Server 2010のインストールを行います。本自習書では”Contoso”というドメイン名を使用しています。

1. サーバーに固定IPアドレスを設定します。[スタート] をクリックし、 [管理ツール] から[サーバー マネージャー] を選択します。

サーバー マネージャーの「サーバーの概要」から[ネットワーク接続の表示] をクリックします。

ネットワーク接続のウィンドウで、現在有効になっているネットワークディバイスを選択し、右クリックメニューから[プロパティ] を選択します。

Tips:本自習書の例では「ローカルエリア接続」が有効なネットワークになります。ネットワークカードの枚数によって、表示されるローカルエリア接続の数は異なります。有効なネットワークを確認してから作業を継続してください。

[プロパティ] で[インターネット プロトコル バージョン 4(TCP/IPv4)]を選択し、[プロパティ] をクリックします。

[次のIPアドレスを使う] を選択し、IPアドレスを入力します。同じように[次のDNSサーバーのアドレスを使う]を選択し、DNSサーバーを指定します。本自習書では下記のように設定します。

IPアドレス

192.168.1.110

サブネットマスク

255.255.255.0

優先DNSサーバー

192.168.1.100

ドメインに参加します。サーバー マネージャーから[システム プロパティの変更]をクリックします。

[システムのプロパティ] ダイアログの [変更] をクリックします。

[所属するグループ] で[ドメイン] を選択し、ドメイン名を入力します。本自習書ではContoso と入力します。

ドメイン参加に必要なアクセス許可があるアカウント名とパスワードを入力します。本自習書では以下のように入力します。・ユーザー名: contoso\spadmin・パスワード: P@ssw0rd

ドメインに参加した後、[後で再起動する] をクリックし、Contoso\spadminとContoso\spfarm をサーバーのAdministratorsグループに追加します。 

再起動する前に、サーバーマネージャを開き、Administratorsグループにアカウントを追加します。[スタート] から [管理ツール] を選択し、[サーバーマネージャー]を起動します。左ペインから [構成] を展開し、[ローカルユーザーとグループ] をクリックします。[グループ] をクリックし、グループ一覧から「Administrators」を選択しダブルクリックします。Contoso\spadmin、Contoso\spfarm を追加します。[追加] をクリックします。

[ユーザーの選択] ウィンドウでサービスアカウントを指定します。[場所] がローカルサーバーになっている場合は(例:SP2010)、[場所] をクリックし、Contosoドメインを選択します。

なお、追加時にネットワークパスワードを求められることがあります。その際には 「Contoso\Administrator」と「P@ssw0rd」を使用します。

インストール用アカウントとファーム用アカウントが正しくAdministratorsグループに追加されていることを確認します。

ここで一度再起動し、再起動後はContoso\spadmin (SharePointインストール用アカウント)でログオンします。

SQL Server 2008 R2のインストール

ドメインへ参加後、SQL Server 2008 R2をインストールし、構成します。

1. SQL Server 2008 R2のDVDメディアを準備します。自動再生から「SETUP.EXEの実行」をクリックします。

インストールセンターが開いたら、左ペインから[インストール] をクリックします。

[新規インストールを実行するか、既存のインストールに機能の追加します。] をクリックします。

プロダクトキー画面で適切なキーを入力し、[次へ] をクリックします。

[ライセンス条項に同意する] にチェックを入れ、[次へ] をクリックします。

セットアップサポートファイルをインストールします。一連のチェック項目状態が「合格」になっていることを確認します。この環境では、ファイアウォールの例外設定を行っていないため、「Windowsファイアウォール」に警告が出ますが、[次へ] をクリックし、続行します。

Tips: Windows ファイアウォール以外の項目で「警告」が出ている場合は、必ずハイパーリンクをクリックし、警告の原因を特定してからインストールを続けます。

セットアップロールを指定します。「SQL Server 機能のインストール」を選択し[次へ]をクリックします。

インストールする機能を選択します。本自習書では評価環境用に下記の機能をインストールします。

インスタンス

データベース エンジンサービス

SQL Server レプリケーション

フルテキスト検索

Analysis Services

Reporting Services

共有機能

Business Intelligence Development Studio

管理ツール - 基本、完全

Microsoft Sync Framework

Tips:ここで選択している全ての機能がSharePoint Server 2010の稼働に必須なわけではありません。しかし、BI、レポート、管理機能など、あとで使用する可能性のあるものは全てここでインストールしています。

必要な機能を選択し、[次へ] をクリックします。インスタンスの構成は既定値のまま[次へ] をクリックします。

必要なディスク領域を確認し、[次へ] をクリックします。

サービスアカウントの指定をします。[すべてのSQL Serverサービスで同じアカウントを使用する] をクリックします。

アカウント名のドロップダウンリストを表示し、Contoso\spadminを入力します。パスワードは「P@ssw0rd」を入力し、 [OK] をクリックします。

データベースエンジンの構成でSQL Server管理者を指定します。[現在のユーザーの追加] をクリックします。

(オプション)同じウィンドウにある [FILESTREAM]タブを開き、[Trasact-SQL アクセスに対してFILESTREAMを有効にする]チェックボックスと[ファイル I/O ストリームアクセスに対してFILESTREAMを有効にする] チェックボックスにチェックを入れます。[次へ] をクリックします。(BLOBを検証されるときに設定されてください)

Analysis Servicesの構成で、管理権限のあるアカウントを指定します。[現在のユーザーの追加] をクリックします。 

Reporting Servicesの構成では [SharePoint統合モードの規定の構成をインストールする] を選択し[次へ] をクリックします。

エラーレポートを確認し、インストール構成ルールを確認し、失敗、警告がないことを確認します。

インストールの準備完了ウィンドウで設定の確認をし、[インストール] をクリックします。

インストールが正常に完了したことを確認し、[閉じる] をクリックします。

SQL Serverにサービスアカウントを登録する

SQL Serverをインストール後、SharePoint Server 2010のファームアカウントであるContoso\spfarm に対して、SQL Serverに書き込みが行えるよう、アクセス権の設定を行います。

1. SQL Server Management Studioを開きます。[スタート] から [すべてのプログラム] を選択し、 [Microsoft SQL Server 2008 R2] 内の [SQL Server Management Studio] をクリックし起動します。

[サーバーへの接続] ダイアログボックスで下記のように設定し [接続] をクリックします。

サーバーの種類

データベース エンジン

サーバー名

SP2010

認証

Windows 認証

Management Studioの左ペインから [セキュリティ] を展開します。[ログイン] フォルダの上で右クリックをし [新しいログイン] メニューを選択します。

サービスアカウントを追加します。[検索] をクリックし、ログイン名「Contoso\spfarm」を選択します。

左ペインから [サーバーロール] を選択します。以下のサーバーロールを許可します。・dbcreator・SecurityAdmin・Public (既定)

チェックボックスを確認し、 [OK] をクリックします。

サーバーロールにContoso\spfarm アカウントが追加されていることを確認します。

Tips:サービスアカウントを細分化し、それらがデータベースへのアクセスが必要とする場合は、同様の手順でアカウントを登録し、必要なサーバーロールを設定します。本自習書で使用しているContoso\spfarm サービスアカウントはファーム全体のアカウントであり、構成データベースの作成を行うためにデータベースの作成、書き込み権が必要となります。またSharePoint Server 2010からは、各サービスアプリケーションが必要に応じてDBを作成します。本自習書の構成では既定のWebアプリケーション作成時にもContoso\spfarm を使用しています。(1つのWebアプリケーションに対して、最低1つのコンテンツDBが作成されます)

(補足) SQL Serverに対するWindows Firewallの設定

本自習書の環境では、SharePoint Server 2010とSQL Server 2008 R2を同一環境にインストールしているため問題は発生しませんが、実際の環境でSharePoint ServerとSQL Serverが別サーバーになっている場合(推奨)、ファイアウォールを経由して SQL Server のデータベースにアクセスするには、SQL Server を実行しているコンピューターで、アクセスを許可するようにファイアウォールを構成する必要があります。

1. SQL Serverをインストールしているサーバー側で受信規則を作成します。[スタート] から [管理ツール] を選択します。[セキュリティが強化された Windows ファイアウォール] をクリックします。

1. 左ペインから [受信の規則] を選択し、右の「操作ペイン」から「新しい規則」を選択します。[新規の受信の規則ウィザード] で [ポート] を選択します。

1. プロトコルとポートを選択します。プロトコル: TCP特定のローカルポート: 1433 (SQL Service)

1. 規則の適用を選択します。 [ドメイン] にチェックを入れ、次へ進みます。

1. 規則に名前を付け完了します。

必要に応じて、Analysis Services、Reporting Servicesに対しても必要なポート、もしくはプログラムに対して動的な解放設定を行います。上記の例ではSQL Serverの基本ポートのみを取り扱っておりますが、詳細はMSDNを参照し構成してください。http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/cc646023.aspx

SharePoint Server 2010のインストール

SharePoint Server 2010のインストール

SharePoint Server 2010をインストールする際、2つのインストール手法を選択することができます。

「スタンドアロン」と「サーバーファーム」です。

それぞれのインストールには下記のような特徴があります。本自習書ではサーバーファーム構成でインストールを行います

スタンドアロン

名前のとおり、SharePoint Server 2010を運用するのに必要なすべてのソフトウェア、機能を一台のサーバーにインストールします。スタンドアロンインストールは「自動構成スクリプト(Config.xml)」が用意されており、展開者は、マウスを数クリックするだけですべてのインストールを完了することができます。このため、時間をかけずに評価環境構築が必要な場合、機能評価を中心に行いたい場合、開発環境を構築する場合などには最適です。

しかし、下記のような制約もあります。

 ・SQL Server 2008 Express Editionが自動的にインストールされ、構成されます。

  (例え製品版のSQL Serverを持っていても、自動構成スクリプトが働くため、Express Editionがインストールされ、使用されます。Express Editionは4Gbの制限があります。)

 ・ドメインコントローラー上にインストールすることはできません。

  評価目的などでドメインコントローラー上にSharePoint Server 2010のインストーラーを起動すると、「スタンドアロン」インストールはグレーアウトし、選択できません。ドメインコントローラーにSQL Serverをインストールすることは推奨されていないため、スクリプトでブロックされます。

 ・ユーザープロファイル同期(User Profile Sync) は使用できません

  これはスタンドアロンインストールに関する制限です。

サーバーファーム

運用環境で勧められるもっとも適切なインストール手法です。

複数台のサーバーで構成することにより、冗長性、可用性を高めることができます。

また必要に応じてサーバーの追加、削除が自由に行えます。

SharePoint Server 2010が提供するすべての機能を使用することができます。

(ライセンスの範囲内)

SharePoint Server 2010をサーバーファーム構成でインストールする

SharePoint Server 2010をサーバーファーム構成(SharePoint Server 2010 + SQL Server 2008 R2)でインストールします。

1. SharePoint Server 2010メディアディスクをサーバーに入れ、 [setup.exe] を実行します。プロダクトキーの入力が求められるので、正規のプロダクトキーを入力し、[続行] をクリックします。

ライセンス条項を確認し、[「マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項」に同意します]のチェックボックスを選択した後、[続行] をクリックします。

インストールの種類を選択します。ファーム構成を行うため[サーバー ファーム]をクリックします。

サーバーの種類で[完全] を選択し、[今すぐインストール] をクリックします。

SharePoint Server 2010のインストールが開始されます。

インストール終了後、 [構成ウィザードの実行] が表示されます。[SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを今すぐ実行する] のチェックが入っているのを確認し、 [閉じる] をクリックします。

SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行する

SharePoint Server 2010インストール終了後は「構成ウィザード」を実行します。構成ウィザードを実行することにより、SharePointファームの構成情報が記録される「構成データベース」と各種機能(feature)のファームへのインストールと展開、「SharePointの全体管理」Webアプリケーションの準備がなされます。

1. [SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを今すぐ実行する] が選択されているのを確認し、 [閉じる] をクリックします。

[SharePoint 製品へようこそ] で [次へ] をクリックします。

構成ウィザード実行中にリセットされる可能性のあるサービス一覧を確認し、[はい] を選択します。

1. [サーバー ファームへの接続] で [新しいサーバー ファームの作成] を選択し、[次へ]をクリックします。

1. 構成データベースの設定を行います。本自習書では以下のように構成します。

データベース サーバー

SP2010

データベース名

既定値 [SharePoint_Config]

ユーザー名

Contoso\spfarm

パスワード

P@ssw0rd

ファームセキュリティ設定を行います。パスフレーズを求められるため、[P@ssw0rd] を入力します。[パスフレーズの確認] にも同等の[P@ssw0rd]を入力し、[次へ] をクリックします。

Tips:これまでは、既存のSharePointファームに新規のサーバーを追加する場合(例えば更に冗長化を行う場合など)、既存の構成データベースを指定するだけで追加することができましたが、SharePoint Server 2010では新たにサーバーをSharePoint ファームに追加する場合、もしくは構成ウィザードにより構成情報に変更が加えられる場合にはパスフレーズが要求され、ファーム構成のセキュリティを高めます。

SharePointサーバーの全体管理Webアプリケーションの構成を行います。SharePoint Server 2010をGUIで設定、管理するために使用する「SharePoint サーバーの全体管理」用Webアプリケーションのポート番号を指定し、Webアプリケーションの認証手法を指定します。既定ではポート番号は自動的にランダムな値が割り当てられますが、[ポート番号を指定する] にチェックを入れ、自分のわかりやすい任意のポートを指定することも可能です。本自習書では以下のように設定しています。

ポート番号を指定する

9999

認証プロバイダ

NTLM

注意:ポートは、任意のポートを割り当てることができますが、そのポートが「空いている」ことを確認する必要があります。

[次へ] をクリックします。

構成設定を確認後、[次へ] をクリックしSharePoint 製品構成ウィザードを実行します。このウィザードが完了するためには、10-15分程度時間がかかります。(サーバースペックによる)

[構成成功] が表示されたら、[完了] をクリックしウィザードを終了します。

構成ウィザード終了後、[ファーム構成の初期設定ウィザード] ウィンドウが起動します。[SharePoint の製品品質にご協力ください] ダイアログで [エラーレポートを自動的にMicrosoftにアップロードするため、カスタマーエクスペリエンス向上プログラムに参加する] が聞かれるため、 [参加する(推奨)] を選択し[OK] をクリックします。

SharePointファームの初期設定を行う

SharePoint Server 2010のインストール、構成ウィザードの実行が終了したら、ファームの初期構成を行います。初期構成では、インストール済みのサーバーがファーム内でどのような「役割」(サービス)を果たすのかを設定します。

ファーム構成の初期設定ウィザードはウィザード形式で行うことも、手動で行うこともできます。

選択ポイントは下記のとおりです。:

・ファームの最初の一台目のサーバーはウィザードを使用することにより、ファーム構成を続けるのに最低限必要な環境をすぐに構成することができる。

・ウィザードを使用すると、各サービスの起動を行うだけでなく、既定のサービスアプリケーションの設定、サービスアプリケーションプロキシの設定を行う。(必要なデータベース、サイトコレクションなども既定値で自動的に作成する)

・自分で構成したいサービスに関してはチェックを外すことによって自動構成ウィザードの対象外として指定できる。

(例:User Profile Service: このサービスをウィザードで起動すると、個人用サイトが既定のWebアプリケーション上に作成されます。別のWebアプリケーションを作成し、運用することを計画しているのであれば、チェックを外し自分で後程構成することができます。)

1. SharePoint ファーム構成を行います。手動を選択した場合は、「SharePoint 2010 サーバーの全体管理」が直ぐに開きます。本自習書ではウィザードを使用して構成します。

[このウィザードを使用してファームを構成する] を選択し、[ウィザードの開始] をクリックします。

1. サービスアカウントの設定を行います。 [既存の管理アカウントを使用する] を選択します。[次へ] をクリックします。

各種サービスの起動が開始されます。 (サーバースペックによっては時間がかかる場合があります)

一つ目のサイトコレクションを作成するウィンドウが表示されます。以下のように設定します。

タイトルと説明

全体ポータル

説明

空白

Webサイトのアドレス

http://サーバー名(SP2010)/  既定値のまま

テンプレートの選択

[グループ作業] の [チーム サイト]

値を入力後、[OK] をクリックします。

ファームの構成内容が表示されます。作成されたサイトコレクション、URL、起動されたサービスが表示されます。[完了] をクリックします。

サーバーの全体管理画面に戻ります。

SharePoint Server 2010サイトの機能の確認

ウィザードによって作成されたサイトを実際に起動し確認します。またテスト用のユーザーを追加します。

1. ブラウザーのアドレスバーに http://sp2010/ と入力します。 チームサイトが表示されます。

1. 左のナビゲーションから「共有ドキュメント」を選択します。 [新しいドキュメントの追加] をクリックすると、 [ドキュメントのアップロード] ダイアログが表示されます。[参照] をクリックし、ファイルを指定してから [OK] をクリックします。

フファイルが適切にアップロードされていることを確認します。

1. テスト用の「山田太郎(Contoso\Yamada)」にサイトのアクセス権を付与します。これにより、複数のアカウントを切り替えながらSharePoint サイトの動作確認ができます。必要であれば、さらにユーザーや、Active Directoryセキュリティグループを同様の手法で追加することができます。http://sp2010 に移動します。 [サイトの操作] を選択し、 [サイトの権限] をクリックします。

1. リボンタブの [アクセス許可の付与] をクリックします。[ユーザー/グループ]でContoso\yamada を入力します。[アクセス許可の付与] で「Contosoチームサイトの所有者」を選択します。 [OK]をクリックします。

1. 山田太郎が所有者グループに追加されたことを確認します。

インストールの最後に

一連の構成後、サーバーの全体管理画面にHealth Analyzerから警告が表示されるケースがあります。警告の中の一つには「ファームアカウントがローカル管理者グループアカウントとして登録されている」というものがあります。SharePoint Server 2010はインストール後、ファームの初期構成を行う際に、ローカル管理者グループの権限がなければ行えない作業を幾つか実行する必要があります。全ての構成が終了し、運用段階に入った時には、ローカル管理者グループからファームアカウントを抜くことも可能です。

Appendix (追加タスク)

SharePoint Server 2010のインストールはこれまでの手順で終了です。この後は組織のニーズに合わせて必要な追加作業を行います。本自習書は、インストール手法を主眼に作成されているため、SharePoint Server 2010インストール後に行わなければならない種々の設定のうち、どの環境でも行われる可能性のある幾つかの設定手法を紹介します。

ファーム構成を行うための2台目以降のサーバーの追加

Office Web Appsのインストールと機能有効化

受信メールの設定

User Profile ServiceとUser Profile Syncの設定

Office 2010 Professional Plusのインストール

検索サービス用のサービスアカウントの設定

送信メールの設定

ファーム構成を行うための2台目以降のサーバーの追加

冗長化、可用性を高めるためにSharePoint Serverを複数台で構成するのが「ファーム構成」と呼びます。

ファーム構成は新規インストールのSharePoint Server 2010の環境を作成し、それを既存の2010ファームに追加していきます。

手順の概要は下記のとおりです。

既存のSharePoint Server 2010ファーム

SharePoint Server 2010用にサーバーを準備する

SharePoint

「ソフトウェア必須コンポーネントのインストール」を実行し、必要なコンポーネントのインストールと構成を行う

追加

SharePoint Server 2010のインストールを行う

SQL Server

構成ウィザードを実行する

既存のファームに追加を選択する

追加後は、サービスアプリケーションの役割を割り当てるか、NLBを設定しWebフロントエンド冗長化の設定をします。

1. SharePoint Server 2010をインストールする環境まで準備し、SharePoint Server 2010のインストールを行います。インストール時に「サーバーファーム」を選択します。

1. サーバーの種類で「完全」を選択します。

1. インストール後、構成ウィザードを実行します。※注意: すでに既存のSharePoint ファームにOffice Web Appsがインストールされている場合には、構成ウィザードを実行する前にOffice Web Appsをインストールします。ファームサーバーの基本は全てのサーバーのコンディション(状態)と環境が共通になっていることです。Office Web Appsがインストールされているファームにインストール前のサーバーで構成ウィザードを実行すると、下記のような警告が出ます。

1. サーバーファームへの接続方法を選択します。すでに既定のサーバーファームができている中に追加するため「既存のサーバーファームへの接続」を選択し、 [次へ] をクリックします。

既存ファームの構成データベースを共有します。データーベースサーバー名を入力し、「データベース名の取得」をクリックします。構成データベース(既定:SharePoint_Config)が表示されているのを確認し、 [次へ]をクリックします。

1. ファームのパスフレーズを入力し(本自習書ではP@ssw0rd)、 [次へ]をクリックします。

構成情報を確認し、[次へ] をクリックしウィザードを実行します。

1. 構成成功後、 [完了] をクリックします。

完了後、「ファーム構成の初期設定ウィザード」が起動します。この時、最初にインストールした「http://sp2010:9999」のサーバー全体管理サイトが開いていることを確認してください

1. ウィザードを使用せずに自分で構成する「キャンセル」を選択し、ウィザードを終了します。その後、追加したサーバーの役割に応じて必要な構成を行います。なお、ファーム内でのサーバーの役割は「サーバーの全体管理」から左ペインで「システム設定」を選択し、[サーバー]のカテゴリーから[このファームのサーバーの管理] をクリックします。

ファーム内のサーバーがすべて表示されます。ここから設定をしたいサーバーをクリックし、役割に必要な構成を行います。

以上を繰り返し、SharePoint 2010ファームを構成していきます。

Office Web Appsのインストールと機能有効化

Office Web Appsをインストールすることにより、Webブラウザー上でドキュメントの編集が行えるようになります。

インストールはウィザードに沿って簡単に行うことができます。ポイントは、構成ウィザード終了後のファーム構成ウィザードと機能の有効化です。

1. Office Web Appsのインストールメディアを挿入します。 [SETUP.EXEの実行] を選択します。

1. 製品版のプロダクトキーを入力し、[続行] をクリックします。

1. ライセンス条項に同意します。 [マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項に同意します] にチェックを入れ、[続行] をクリックします。

1. [今すぐインストール] をクリックし、インストールを始めます。

1. インストール後、構成ウィザードを実行します。

1. ファームの「構成データベース」が正しいことを確認し、次へ進みます。

1. 構成ウィザードを実行し、成功完了したことを確認します。

1. ファーム構成の初期ウィザードを実行します。ここでは、[このウィザードを使用してファームを構成する] を選択紙、ウィザードを開始します。

1. ウィザードでは、下記の二つのサービスにチェックが入っていることを確認し、次へ進めます。・PowerPoint Services アプリケーション・Word Viewing Services

1. 新しいWebサイトの作成は [スキップ] します。

1. ファーム構成ウィザードを終了します。

1. Office Web Appsを使用可能にします。(機能をアクティブにする)インストールしただけでは、Office Web Appsは使用することができません。サイトコレクションレベルで機能のアクティブ化が必要です。http://sp2010 にアクセスし、 [サイトの操作] をクリックします。メニュー一覧から [サイトの設定]を選択します。

1. [サイトコレクションの管理] セクションから [サイトコレクションの機能] を選択します。

1. Office Web Appsを「アクティブ化」 ボタンをクリックし、アクティブにします。

1. Office Web Appsが動作するか確認します。 http://sp2010 へ移動します。「共有ドキュメント」ライブラリを開きます。

ドキュメントの追加をクリックし、お手元にあるドキュメントをアップロードします。※注意: Office Web Appsで取り扱うことができるファイルは、Office 2007以降のOpen XML形式で作成、保存されたファイルのみです。

アップロード後、ファイルのメニューに「ブラウザーで表示、ブラウザーで編集」メニューが表示されていることを確認します。

1. Office Web AppsでファイルがWebブラウザ上で開かれることを確認します。

Tips:Office Web Appsインストール後ファーム構成「ウィザード」を実行することにより、PowerPoint Services アプリケーションが既定の設定で構成されます。その際、PowerPoint 2010の新機能である「ブロードキャスト スライドショー」機能に必要なブロードキャストサービスの構成と、ブロードキャストサイトが自動的に作成されます。

Office 2010 Professional Plusのインストール

Office Professional Plus 2010はクライアントアプリケーション製品です。SharePoint Server 2010サーバー上にインストールして検証することも可能ですし、別のクライアントOS (Windows 7など)にインストールし、クライアントOS側からSharePoint Server 2010との連携を検証することもできます。SharePoint Server 2010サーバー上にOffice 2010をインストールするときは、Windows Server 2008の機能「デスクトップエクスペリエンス」を追加しておく必要があります。 (本自習書の手順では既にインストール済みの環境になっています。)Office 2010からは32ビット版と64ビット版が用意されています。組織にとってどちらが適切かを検討する際には、下記のTechNet資料が役に立ちます。http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ee681792.aspx

1. Office Professional Plus 2010 インストールメディアを挿入します。 [SETUP.EXE] を実行します。プロダクトキーを入力画面で製品版プロダクトキーを入力します。 

1. [インストールの種類を選択してください] で [今すぐインストール] をクリックします。

インストールが開始されます。 終了後[閉じる] をクリックします。

1. Office Professional Plus 2010が正しくインストールされたことを確認します。

Microsoft Office Visio 2010、 SharePoint Designer 2010も同様にインストールします。

検索サービス用のサービスアカウントの設定

インストール直後は検索用のサービスアカウントはファーム用のアカウントになっています。既定のアカウントを検索用に用意したサービスアカウントに切り替え、クロールを開始します。

1. まず、検索用サービスアカウントの設定を行います。[スタート] から [SharePoint 2010 サーバーの全体管理] をクリックします。

SharePoint Server 2010 サーバーの全体管理でサイドリンクバーから [システム設定] をクリックします。[サーバー] のカテゴリーから [サーバーのサービスの管理] をクリックします。

サーバーのサービスウィンドウが開きます。構成可能なサービスは「青いハイパーリンク」で表示されています。

1. サービス一覧から[SharePoint Search Service] をクリックします。[ファームレベルの検索管理] ページが開きます。その後[Search サービス アプリケーション] をクリックします。

1. Search サービスアプリケーション: 検索管理 ページが開き、[既定のコンテンツアクセスアカウント] をクリックします。

1. 検索用サービスアカウントを入力します。本自習書ではContoso\spsearch 、P@ssw0rdを使用します。

1. コンテンツのクロールを開始します。サイドリンクバーから [コンテンツ ソース] を選択します。[コンテンツ ソースの管理] ページで既定の [ローカルのSharePoint サイト] 右側に表示される [▼] をクリックし、メニューからフルクロールの開始を選択します。

これでSharePointサイト内の既定コンテンツに関しては、検索ができるようになりました。しかし、検索用サービスアカウントを変更したために、個人用サイトのクロールを実現するために、追加の手順が必要になります。 http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ee808863.aspx追加の検索に関する詳細設定に関しては、「SharePoint Server 2010 自習書 / エンタープライズ検索ガイド」をご一読ください。

送信メールの設定

送信メール機能を有効にすることによって、各種通知を電子メールにてユーザーに配信することができます。SharePoint Server 2010はExchange Serverを初めとする、汎用のSMTPサーバーに対応します。ここでは、SharePoint側の設定を紹介した後、Exchange Serve 2007、2010を使用した場合の追加設定を記載しています。

1. [スタート] から [SharePoint 2010 サーバーの全体管理] をクリックします。

SharePoint Server 2010 サーバーの全体管理でサイドリンクバーから [システム設定] をクリックします。[電子メールとテキストメッセージ(SMS)] のカテゴリーから [送信メール設定の構成] をクリックします。

1. 「メール設定」のウィンドウが開きます。送信SMTPサーバーを指定します。これはExchange Serverを初めとする汎用SMTPメールサーバーを指定することができます。「差出人アドレス」と「返信先アドレス」を指定します。管理者がモニター、返信できる電子メールアドレスを指定することができます。文字セットは既定のままにします。

[OK] をクリックして終了します。

1. ここからの手順はExchange Server 2007, 2010を対象に送信メールを有効にするための追加設定を説明します。Exchange Server 2007からはExchange組織に対して各Exchange Serverに明確な「役割」を設定します。境界ネットワークに配置する「エッジトランスポートサーバー」、Exchange組織の窓口となる「ハブトランスポートサーバー」、メールを管理する「メールボックスサーバー」、MAPI以外のすべての外部からの種類のプロトコルアクセスを可能にし、Active Syncなどの機能を提供にする「クライアントアクセスサーバー」などがあります。既定のExchange ServerのインストールではExchange組織内でのメールのやり取りは行うことができますが、組織外のサーバーとのやり取り行う「コネクタ」がないため通信できません。※「Exchange組織」を詳しく知りたい方はTechNetをご確認ください。「Exchange組織」という独特の用語を適切に理解していると、設定、トラブルシューティングが行いやすくなります。 (2007, 2010同様)http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/aa998891(EXCHG.80).aspx

1. 受信コネクタを作成します。[スタート] から [すべてのプログラム]、 [Microsoft Exchange Server 2010]を開き、 [Exchange Management Console] を開きます。Exchange管理コンソールが開きます。左ペインの [サーバーの構成] から [ハブトランスポート] を展開します。右側「操作」ペインから [受信コネクタの新規作成] を行います。

1. 受信コネクタの設定を行います。受信コネクタの新規作成ダイアログボックスに必要事項を入力していきます。名前は任意に入力をします。[この受信コネクタの使用目的の選択] では [カスタム] を選択します。

1. ローカルネットワーク設定を行います。ローカルIPアドレスは(使用可能なすべてのIPv4)、ポート25の既定値をそのまま受け入れます。 [次へ] をクリックします。

1. リーモートネットワーク設定を行います。 [編集] をクリックし、IPアドレスの範囲を合わせます。(※本自習書では192.168.1.110- )

1. 受信コネクタが出来上がります。

1. アクセス権の設定を行います。作成したSharePoint用の受信コネクタをダブルクリックし、開きます。

1. [許可グループ] タブを開きます。 [匿名ユーザー] にチェックを入れ [OK] をクリックします。

1. SharePoint Server で設定を確認します。例として、予定表リストに通知の設定を行いメールが送信されるか確認します。予定表を開き、リボンタブ [予定表ツール] の[予定表] タブを開きます。[通知] から [このリストに通知を設定] を選択します。

1. 通知する対象者を選択し、 [OK] します。

1. 予定表にアイテムを作成し、配信がされるかを確認します。リボンタブの [予定表ツール] から[イベント]タブを開きます。 [新しいイベント] をクリックし、テスト用のイベントを作成します。

1. Outlook 2010を起動し、通知が配信されているかを確認します。

受信メールの設定

SharePoint Server 2010では受信メールという機能を使用して、特定のライブラリやリストに対して電子メールでアイテムの作成、投稿ができる機能を持っています。この機能を使用するためには、SharePoint ServerのWebフロントエンドサーバーにSMTPサーバー機能が追加されている必要があります。

1. SharePoint ServerにSMTPサーバー機能を追加します。サーバーマネージャを開きます。左ペインから [機能] を選択し、[機能の追加] をクリックします。

1. SMTPサーバーにチェックを入れ、機能の追加を行います。

1. 受信メールの設定を行います。サイドリンクバーから[システム設定] をクリックします。[電子メールとテキスト メッセージ(SMS)] カテゴリーから[受信メール設定の構成] をクリックします。

[受信メールの有効化] セクションで [このサーバーのサイトで電子メールを受信できるようにする] で [はい] を選択します。 [OK] をクリックします。

Tips:受信メールは環境によって追加の設定が必要になる場合があります。SMTPサーバーの既定では %Systemroot%\inetpub\mailroot\dropbox にアイテムが格納されることになっていますが、詳細設定で場所を変更する場合もあります。またDirectory Management Serviceを使用する場合にはActive Directory 環境であれば、アカウントの設定も必要です。http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc262947.aspx を参照してください。

User Profile ServiceとUser Profile Syncの設定

User Profile Serviceを起動し、User Profile Syncを設定すると、LDAP準拠のデータベースと同期をとり、ユーザー情報を取得することができます。既定ではActive Directoryと連携を取るように設定されますが、同期ソースは後から変更することも可能です。

1. 同期用のサービスアカウントを構成します。ドメインコントローラーで [Active Directory ユーザーとコンピューター]を開きます。[表示] メニューから [拡張機能] をクリックし、詳細を表示します。

1. ドメインを右クリックします。(contoso.com) [プロパティ] を選択します。

1. 同期用に準備していたサービスアカウントを追加します。[セキュリティ] タブを開きます。 [追加] をクリックし、サービスアカウントの追加を行います。

1. Contoso\spups を追加します。

1. 追加した Contoso\spups アカウントに「ディレクトリの変更のレプリケート」アクセス許可をチェックします。

同期用のサービスアカウントの準備は以上です。(http://64.4.11.252/ja-jp/library/ff182925.aspx#section3)

1. [サーバーの全体管理] を開きます。 左ナビゲーションの[アプリケーション構成の管理] から[サービス アプリケーション]の[サーバーのサービスの管理] を選択します。

1. サービスの一覧から [User Profile Synchronization Service] (停止中)を [開始] します。

1. ユーザープロファイルアプリケーションは「ファーム構成の初期設定ウィザード」で作成された「User Profile Serviceアプリケーション」を選択し、パスワードを入力します。(P@ssw0rd)

 Tips: ファーム構成の初期設定ウィザードでUser Profile Serviceを構成した場合、アカウントはファームアカウントが使用されます。

[OK] をクリックすると、開始準備中になります。このサービスを開始するにはある程度時間がかかります。ブラウザーをリフレッシュして(F5)、[開始済み] になるまで、その他の操作をせずに待ちます。

サービスが開始済みになったことを確認します。

1. サービスが開始された後、必ず再起動します。再起動後、関連するサービスが確実に起動しているか確認します。 [スタート] から [管理ツール] を開き、 [サービス] をクリックします。2つのサービスを確認します。・Forefront Identity Manager Service・Forefront Identity Manager Synchronization Service

どちらも自動開始のサービスですが、再起動時、自動起動されていない場合もあります。起動されていない場合は手動で起動します。

1. [スタート] から [サーバーの全体管理] を開きます。「アプリケーションの構成」をクリックし、[サービスアプリケーションの管理]を選択します。

1. User Profile アプリケーションをクリックします。

1. 「同期」の項目にある [同期接続の構成] を選択します。

1. [新しい接続] をクリックし、接続を構成します。

1. 接続名をつけます。任意の名前を設定します。フォレスト名に “Contoso”を入力します。アカウント名に “Contoso\spups” 、パスワードに P@ssw0rd を入力します。

[コンテナーの作成] をクリックします。同期対象にしたいOUを選択します。選択後、 [OK] をクリックします。接続の定義が作成されたことを確認します。

1. ひとつ前の設定画面に戻り、[プロファイルの同期の開始] を選択します。

[完全同期の開始] を選択し、 [OK] をクリックします。LDAPソース(Active Directory)との同期が開始されます。同期が終了するまでには時間を要します。同期結果はUser Profile Services アプリケーションから確認できます。

1. 同期終了後、対象ユーザーの作成や、My Siteでの同僚の表示がなされるか確認します。