米国のvapの現状 及びその対策 - vollman.com · 7/20/2010 1 米国のvapの現状...
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米国のVAPの現状米国のVAPの現状及びその対策及びその対策
Kathleen M. Vollman MSN, RN, CCNS, FCCM, FAANClinical Nurse Specialist / Educator / Consultant
ADVANCING [email protected]
Northville Michiganwww.vollman.com
©2010 ADVANCING NURSING LLC
米国でのコンサルティング企業米国でのコンサルティング企業
• Merck社: 教育サービス
• E.L. Lilly社:教育サービス
• Hill-Rom社:教育サービス & コンサルタント
• Sage Products社(口腔ケアキット:Qケアキット)
:教育サービス&コンサルタント
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講演内容
• 予防が鍵
• IPH (患者衛生への介入)モデル
• 看護ケアの役割が重要:–人工呼吸器関連肺炎/院内肺炎
口腔ケア• 口腔ケア• モビリティー• VAP バンドル
品質と安全に左右されること品質と安全に左右されること 医学研究所
• IOM 報告書• 職場文化の変化
ビデ に基づく実践の変化 エビデンスに基づく実践の変化 質保証の組織
• IHI/VHA:10万人の命を救うキャンペーン /500万人の命を救うキャンペーン
• 清潔なケアはより安全なケア /WHO • 日本(2007年4月): 医療法 (感染管理責務が 法律で定められた)
規制当局:• 日本看護協会による感染管理看護師の認定本看護協会 染管 看護師 認定
• 日本医療機能評価機構(JCQHC)
• 公的透明性 プロの看護: 伝統ではなくエビデンスに基づいて 経済性(お金)
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エビデンスに基づいたケアエビデンスに基づいたケア
入念に, 明確に, そして分別を持って,以下, , その点を勘案する
• 系統的な研究により得られる最も優れたエビデンス
• 個々の臨床知識
• 患者優先• 患者優先
ベッドサイドで実施する臨床診療の選択に当たって
品質と安全に左右されること品質と安全に左右されること 医学研究所
• IOM 報告書• 職場文化の変化
ビデ に基づく実践の変化 エビデンスに基づく実践の変化 質保証の組織
• IHI/VHA:10万人の命を救うキャンペーン /500万人の命を救うキャンペーン
• 清潔なケアはより安全なケア /WHO • 日本(2007年4月): 医療法 (感染管理責務が 法律で定められた)
規制当局:• 日本看護協会による感染管理看護師の認定本看護協会 染管 看護師 認定
• 日本医療機能評価機構(JCQHC)
• 公的透明性 プロの看護:伝統ではなくエビデンスに基づいて 経済性(お金)
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IHI/VHA IHI/VHA 戦略戦略==バンドルバンドル
• ケアバンドル
– 個々の症状、手順又は処置のためのケアの要素をグル プ化する要素をグループ化する
– 強い科学性、正しい方法論、簡素化
– バンドルの特徴
• 動かしがたいエビデンス
• 比較的容易で経済的
• 個々の構成事項が明確に定義されている個々の構成事項が明確に定義されている
• 簡素化された過程
– 全てのバンドル(ケアの全て)は成功裡になされなければならない。
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品質と安全に左右されること品質と安全に左右されること 医学研究所
• IOM 報告書• 職場文化の変化
ビデ に基づく実践の変化 エビデンスに基づく実践の変化 質保証の組織
• IHI/VHA:10万人の命を救うキャンペーン /500万人の命を救うキャンペーン
• 清潔なケアはより安全なケア /WHO • 日本(2007年4月): 医療法 (感染管理責務が 法律で定められた)
規制当局:• 日本看護協会による感染管理看護師の認定本看護協会 染管 看護師 認定
• 日本医療機能評価機構(JCQHC)
• 公的透明性 プロの看護:伝統ではなくエビデンスに基づいて 経済性(お金)
医療関連感染の医療関連感染の コストコスト実際の数字実際の数字 / / 実際の患者実際の患者
• 世界でICUに在室している患者の内、少なくとも4人に1人は、院内感染している。院内感染者250万人/年/米国• 院内感染者250万人/年/米国
• 米国では毎日, 247人が 院内感染の為死亡している。
• 米国の病院に入院している患者の5-10% は、毎年院内感染している。(10~20名に1名)
• 米国では死亡原因の6番目に位置している。• 専門知識の高い看護師の下では、院内肺炎の
感染は低い。
*Hugonnet S et al CCM 2007;35:76-81*Pronovost PJ et al JAMA 1999;281:1310-1317*Needleman J et al. N Engl of Med 2002;346:1715-1722
WHO 2005Yokoe DS, et al. Infect Control Hosp Epidemiol 2008;29:S12-S21.
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18591859年に出した声明年に出した声明
“変な を う う う も れな が“変なことを言うように思うかもしれないが,病院でもっとも大切なことは病人に危害を加えないことである”
フローレンス ナイチンゲール-フローレンス ナイチンゲール
変革を成功させるための3つの要素変革を成功させるための3つの要素
ケアにおいて
質の高い看護をもたらす能力に
やる気と責任
能力に影響する要因
Value結果指標
価値
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宿主防衛能力の強化宿主防衛能力の強化宿主防衛能力の強化宿主防衛能力の強化
患者の衛生面への介入を実行
患者衛生への介入患者衛生への介入((Intervention Patient Hygiene:IPHIntervention Patient Hygiene:IPH))
衛生
手指衛生
• ・衛生...
健康づくりと健康維持の科学と実践
• ・患者への介入
衛生…エビデンスに基づいた衛生ケアの方法を積極的に取り入れた,患者の宿主防御能強化に直接的に重点を置いた看護アクシ能強化に直接的に重点を置いた看護アクションプラン.
失禁関連皮膚炎の予防プログラム
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患者衛生への介入(患者衛生への介入(IPHIPH))
口腔ケア/
VAP
移動(mobility)
手指衛生
患者
カテーテルケア
カテーテル関連尿路感染 中心静脈カテーテル
関連血流感染
スキンケア/ 入浴/移動(mobility)
院内皮膚損傷手術創感染
院内肺炎(院内肺炎(HAPHAP)と)と人工呼吸器関連肺炎人工呼吸器関連肺炎((VAPVAP))
• VAPの粗死亡率 約10 〜 40 %
• 院内肺炎による粗死亡率 15~18%
• 全平均値 2 1(PICU)~10 7(熱傷ICU) /呼吸器使用1000日全平均値 2.1(PICU) 10.7(熱傷ICU) /呼吸器使用1000日
• 院内肺炎発生率 5~15/入院1000日
• 推定コスト VAP1件あたり $30、000-$40、000(300~400万円)
• ある文献ではVAPの経済的損失は1件当たり=$12.780(120万円)
• 平均在院日数の増加 最大4~14日
上記による全米の病院の年間持ち出しコスト $20億(2000億円)• 上記による全米の病院の年間持ち出しコスト $20億(2000億円)
Collard HR. Ann Intern Med. 2003;138:494-501Rello J. Chest. 2002;12:2115-2121ATS Guidelines for HealthCare Acquired Pneumonia 2006Coffin SE, et al. Infection Control & Hosp Epid, 2008;29(1):S31-S40
Chawla R. Am J Infec control, 2008;36:S93-100.Edwards JR, et al. Am J of Infect Control, 2007;35:290-301Kollef MH, et al. Chest, 2005:128:3854-3862
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日本感染対策サーベーランス日本感染対策サーベーランスICUICUにおけるにおけるVAPVAPとその影響とその影響
• 日本における28 ICU病院 > 200ベッド患者数21 909 人• 患者数21,909 人2002年6月から2004年6月の間にICUに入院していた16歳以上の患者
• ICUの在室日数24時間~1000時間
• VAP発症平均 12 6/呼吸器使用1000日
VAPは病院内の死亡率の増加に単独で関係し
ている (オッズ比 2.20; 95%信頼区間1.10-4.39; p=0.03)
Uno H. et al. Nagoya J Med Sci, 2007;69:29-36平均 12.6/呼吸器使用1000日• 在室日数増加
平均15.2 日 (薬剤耐性なし) 17.8 日 (薬剤耐性あり)
• 71.8 %が晩期VAPSuka M, et al. Infect Control Hosp Epidemiol, 2007;28:307-313
g y , ;
調査し、現状を明確にすることは重要である
目に見えるようにしないと人間はその問題を解決しない
Peter F. Druckerピーター・F・ドラッカー
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ベンチレーターバンドルからベンチレーターバンドルからVAPVAPバンドルへバンドルへ
• ベッド頭部(HOB)を30度上げるッド頭部(HOB)を30度上げる• 消化性潰瘍(PUD)の予防• 深部静脈血栓症(DVT)の予防• プロトコールに基づいた適正な鎮静剤の投与• ウイーニングのための(SBT)の毎日の評価。
改訂改訂• オーラルケア & モビリティー• EVAC チューブ(カフ上吸引可能気管チューブ)• 経口胃管(OG) vs.経鼻胃管チューブ(NGT)
ヨーロッパのヨーロッパの VAP VAP バンドルバンドル
• 特に指摘がなければ呼吸器の回路交換はしない
• アルコール製剤による手指消毒
• 適切に教育され訓練されたスタッフ
• 鎮静処置とウィーニングプロトコールの取りグプロトコ ルの取り込み
• 口腔ケア
Rello J, et al. Intensive Care Medicine, 2010;36:773-780
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VAPVAPを引き起こす危険因子を引き起こす危険因子
• 細菌の量又は細菌の定着を増加させる因子
• 誤嚥リスクを増加させる誤嚥リスクを増加させる因子
手指消毒は感染拡大防止の最も重要なファクターである。
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いつ手指を洗う?いつ手指を洗う?
Pittet D. Infect Control Hosp Epidemiol, 2009;30(7):611-622
正しく使用すること正しく使用することにより、コロニー形成単位(CFU)を90%減少できる。
一方正しく使用しないとCFU減少は単に60%。 1回当たり1-3mLが正しい量Lausten S, et al. Infect Control Hosp Epidemio, 2008;29:954-956
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手指衛生を浸透させることにより抗生物質手指衛生を浸透させることにより抗生物質の抵抗性を減少させることができるの抵抗性を減少させることができる
正しい手指衛生により33%削減
Trick et al. Infec Control Hosp Epidemiol, 2007;25:42-9
細菌の量又は定着を増加させる因子細菌の量又は定着を増加させる因子
• 新生児や高齢,重篤な基礎疾患/免疫抑制
• 口腔衛生の欠如あるいは効果的になされていない疾患/免疫抑制
• 抗生物質の投与
• 胃のpHを上昇させる薬剤
胃からの栄養注入の中止
効果的になされていない
• 動かさない
• 不十分な感染対策の実践
• 呼吸装置の汚染/汚染した凝縮液• 胃からの栄養注入の中止
• 人工呼吸
凝縮液
• 生理食塩水の投与
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口腔咽頭への細菌の定着口腔咽頭への細菌の定着
• 89 例の重症患者を対象
方法方法::• 89 例の重症患者を対象
• ICUに入室期間中,口腔咽頭部への細菌の定着を調査
• パルスフィールドゲル電気泳動法を用いて
染色体DNAを比較
(訳者注:口腔咽頭の細菌と肺炎の原因菌)結果結果::
Garrouste-Orgeas et. al. Am J Respir Crit Care Med. 1997;156:1647-1655
• 31例のVAPを確認• DNAの解析により、31例のVAPの内28例におい
てVAPの原因菌が口腔咽頭の細菌と一致した。
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歯垢(デンタルプラーク)歯垢(デンタルプラーク)
方法:• 病院へ入院した49名の高齢者施設の居
住者を対象
• 入院時の歯垢の付着度(プラークスコア)と歯垢中の細菌を調査
• パルスフィールドゲル電気泳動法を用いて,染色体DNAを比較
El-Solh AA. Chest. 2004;126:1575-1582
結果
• 49例中14例が肺炎を発症.• 14例の肺炎のうち10例で,DNA解析により肺炎の
原因菌がプラークと一致した。
唾液分泌の役割唾液分泌の役割
• 歯垢と微生物を物理的に除去する役割去する役割
• 先天的&特異的免疫成分(IgA、コルチゾール、ラクトフェリン)
• 人工呼吸器を装着している患者に口腔乾燥が観察され、それにより歯垢が蓄積し 唾液れにより歯垢が蓄積し、唾液中の免疫因子の分布が減少する。
Munro CL & Grap MJ. AJCC. 2004;13:25-34
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気管内気管内 / / 経鼻胃チューブ経鼻胃チューブ
• 挿管中の口腔咽頭細菌の移送• 気管内チューブ または 気管支のカフの密閉気管内チュ ブ または 気管支のカフの密閉
度が不完全• NGT は、副鼻腔炎/胃逆流のリスクを増加さ
せ、口腔咽頭における細菌の定着を増加する。• 気管内チューブ対鼻チューブ (Cat IB)• 経口胃チューブvs経鼻胃チューブ経口胃チュ ブvs経鼻胃チュ ブ
CDC. 2003 Guidelines for Prevention of Healthcare Associated Pneumonia; MMWR; 2004:53(no RR-3)Holzapfel, L., et al., Crit Care Med, 1993. 21(8): p. 1132-8. Holzapfel, L., et al., Am J Respir Crit Care Med, 1999. 159(3): p. 695-701.
副鼻腔炎の影響副鼻腔炎の影響
副鼻腔炎患者の院内肺炎の発生リスクは3倍
高い
リスクの要因として:経鼻挿管&経鼻胃チューブ vs. 経口腔、気管内、胃挿管& 頭部外傷
Holzapfel l. et al Crit Care Med, 1993;21(8):1132-8Bert F. et al Eur J Clin Microbiol Infect Dis, 1996;15(7):533-44Davis KA. J Intensive care Med, 2006;21(4):211-226Rouby JJ et al. Am J Respir Crit Care Med, 1994;150(3):776-783Muscedere J & Canadian Trails Group. J of Crit Care, 2008;23:126-137
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私たちのやり方は私たちのやり方は違います違います!!!!!!
まだまだこんなこんな口腔口腔ケアケアもされているもされている
• 硬い歯ブラシの使用
• 歯みがき粉の使用
• ポピドンヨードの使用
• 再使用可能なカテーテルでの吸引
• 二人掛かりで10分間かける口腔ケアケア
• 水道水によるフラッシング
水道管や蛇口の汚染水道管や蛇口の汚染バクテリアバクテリア バイオフィルムバイオフィルム
• 生存/非生存菌の集落を形成する
• 細胞外多糖類、栄養分&粒子をマトリックスの中で保護される。
活性材料に粘着する プ ビ グ• 不活性材料に粘着する (プランビング、気管内 チューブ)
• *バイオフィルムの70%は気管内チューブ に関連した口腔内細菌叢、6% は消化器
• バイオフィルムに含まれている細菌が、食物 氷 洗浄に用いられる水を介して食物、氷、洗浄に用いられる水を介して患者に伝染されるかもしれない。
Cervia JS, et al. Arch Intern Med, 2007;167:92-93*Perkins SD, et al. Inter J of Medical Microbiology, 2010; in press
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水道水による感染の研究水道水による感染の研究
• 病院内の水道水が病原菌の源になっていること
はよく見落とされている
• 29の根拠に基づいた研究によると、水系感染
が確かに発生することが証明されている
• 感染は、水道水を飲用、入浴、水道水で洗浄さ
れたものを介したり 周囲の汚染物との接触にれたものを介したり,周囲の汚染物との接触に
より伝染する
Anaissie E. et. al. Arch Int Med. 2002; 162:1483-92
水道水による感染の研究水道水による感染の研究
• 控えめな評価でも,水系病原菌による明らかな罹病 が 唆病と死亡が示唆される
• 免疫不全患者においてはそのリスクは最大
• 易感染性の患者ではリスクが最大
推奨1:病院内の水道水との曝露を最小限にする推奨1:病院内の水道水との曝露を最小限にする
– 滅菌水の使用
– パックされたディスポの清拭用不織布を使う
Anaissie E. et. al. Arch Int Med. 2002; 162:1483-92
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経口挿管患者における口腔内分泌物と吸引器具中経口挿管患者における口腔内分泌物と吸引器具中の細菌発育の細菌発育
方法– 24時間以上経口挿管している20名の患者– 試験開始時及び装置の変更時において採取したサンプル (唾
液 & 口腔内) – 唾液, 口腔内 と 器具のサンプルを24時間(n=18)と48時間
(n=10)で再培養
結果– 24時間において全ての患者で口腔内病原菌が観察された。– 67%の患者の 唾液では病原菌が陽性であった。
吸引器具においては 口腔内と同様の病原菌の発育が観
Sole ML et al. American J of Crit Care. 2002;11(2):141-149
– 吸引器具においては、口腔内と同様の病原菌の発育が観察された。
– 扁桃腺吸引器具の94%は、24 時間でコロニー形成が観察された。
– ほとんどの病原菌はグラム陽性菌であった。
口腔ケアの手技口腔ケアの手技: 2000 vs.2005 vs.2007: 2000 vs.2005 vs.2007
口腔ケアの手技は変化している!!!
Sole M.L. Am J of Crit Care. 2003;12(3):220-230Cason Cl, et al. Am J of Crit Care. 2007;16(1):28-36Feider LL, et al Am J of Crit Care, 2010;19(2):175-183
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・吸引ブラシによるブラッシング・吸引ブラシによるブラッシング・洗口液による殺菌・洗口液による殺菌・殺菌洗口液と吸引スワブによる清拭・殺菌洗口液と吸引スワブによる清拭・保湿・保湿・ヤンカー吸引・ヤンカー吸引
上記のすべて上記のすべて
歯磨きとスワブのみの清拭歯磨きとスワブのみの清拭
• 歯磨きの方が歯間部が77%よりきれい
歯磨きの方が歯肉溝部が44%きれい• 歯磨きの方が歯肉溝部が44%きれい
• ブラッシングの利点は,テクニックと直接関連していること
• フォーム状スワブでは,ブラシが届きにくい部分や歯間部の歯垢を除去できなかった
Pearson LS. et. al. J of Adv Nursing. 2002;39(5):480-489
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洗口液洗口液
グルコン酸コロルヘキシジン; grade B エビデンス, 重曹; 未解決, 過酸化水素; 未解決, 食塩水; 未解決; 水道水; 推奨しない,滅菌水; 未解決.滅菌水; 未解決
(Berry AM et al. AJCC, 2007;16:552-563)
歯科関連の文献は含まれていません
洗口液:塩化セチルピリジニウム洗口液:塩化セチルピリジニウム(CPC)(CPC)バイオティーンバイオティーン
CPC(塩化セチルピリジニウム)•いくつかの個別研究によると、CPCの使用は効果が高いことが証明されている
バイオティ ン
が高いことが証明されている•歯肉炎予防効果も示した
•市販の歯垢除去用リンスにも配合されている(リステリンなど) .
バイオティーン
・唾液と酵素が含有
・殺菌効果なし
West TL et. al. Journal of Peridontol. 1983; 54(6):339Tombes MA et. al. Nursing Research. 1993; 42(6):332-337Beck S. Cancer Nursing. 1979; 2:185-189.
Gunsolley JC.J Am Dent Assoc 2006;137(12):1649-57Gomes BC et.al. Clin Prev Dentistry. 1984; 6:21-25Boyd RL. et. al. J Clin Periodentol.1989; 16:557-563
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人工呼吸器患者における肺炎防止のための口腔内汚染除去:人工呼吸器患者における肺炎防止のための口腔内汚染除去:システマティックレヴューとメタアナリシスシステマティックレヴューとメタアナリシス
メタアナリシス
• 298文献をスクリーニング
• 11のRCTが採用• 患者3242名• 4つのRCT (患者1098名) では経口抗菌薬では明らかな差を認めず
• 7つのRCT(患者2144名)では 口腔 の洗口
Chan EY, et al. BMJ, 2007;334:889
名)では 口腔ヘの洗口液の使用でVAP発症率が有意に減少
• 死亡率,人工呼吸器使用期間、入院日数に減少なし
包括的口腔ケアプログラム包括的口腔ケアプログラムQケアシステムQケアシステム
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包括的口腔ケアプログラム(Qケア)包括的口腔ケアプログラム(Qケア)Good ShepherdGood Shepherd病院での研究病院での研究
方法手順:• 遡及的試験 内科 外科ICU(10床)• 遡及的試験 内科-外科ICU(10床)
• プロトコールによると: カバー付きヤンカーで非侵襲的口腔吸引、やわらかい吸引歯ブラシ、吸引オーラルスワブ、清拭のため1.5%過酸化水素水を含むマウスリンスを使用、声門下吸引カテー
テルを1日4回使用
他のすべてのケア条件を一定に保った状態で、VAPの発症率が、ベンチレーター使用延べ日数1000日あたり5.6から2.2に減少した。
テルを1日4回使用、
感染制御のために使いやすい口腔吸引ライン使用
• よく教育され,臨床もすばらしい
Schleder B. et al. J Advocate Health 2002;4(1):27-30
文献レビュー文献レビュー: : 口腔ケアによるVAP防止口腔ケアによるVAP防止
包括的口腔ケア:
• 塩化セチルピリジニウムの登場及び包括的口腔ケアの浸透により、VAP発生率が2005年の4.1から2006年の2.15まで減少した。( ベントバンドルとローテーションセラピーは既に行なわれていた。)
• 80%の口腔ケアコンプライアンスによりVAPが12から8まで減少した。(p=.060) ベントバンドルは既に行われていた。 コントロール又は試験群のために1538名の患者を無作為割付、結果として、挿管日数が下がり (p=.05), ICU の在室日数 も下がり(p=.05) VAPも下がり (p= <.001) 死亡率も下がった 。 (p=.05)
(Garcia R et al AJCC, 2009;18:523-534)
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体位交換に伴う口腔吸引体位交換に伴う口腔吸引
• 前向き、連続して行う非無作為試験
ント ル 237例(観察期間9か月)• コントロール 237例(観察期間9か月)
• 介入あり 227例(7か月間介入)
• 看護手順を唯一変えたのは,体位変換の前に口腔吸引を実施(11回の吸引を追加)
• 他の看護ケアはすべて同様
結果:結果: • VAP: 人工呼吸1000日あたり6.51から2.04へ減少( p<0.002 )
• 人工呼吸日数: 28.8 + 17.2 vs. 20.2 + 4.0 (p <0.009)
• ICU入室日数: 27.6 + 17 vs. 20.3 + 4.0 (p < 0.012)• 体位交換前の口腔吸引はVAPの減少に関連する唯一独立した要因(p=0.003)
Tsai, HH, et al. Am J of Med Sci, 2008;336;397-401
CPCを使用した口腔ケアプロトコールCPCを使用した口腔ケアプロトコール
1. 口腔咽頭 吸引
2. 洗口液(CPC)を用いて吸引ブラシで1~2分2. 洗口液(C C)を用いて吸引ブラシで 分間ブラッシングする
3. 舌のブラッシング4. 保湿剤による保湿5. 必要な場合、唇の保湿6. 2~4時間ごとに、吸引スワブ・洗口液
保湿剤を使用する・保湿剤を使用する
Schleder BJ, et al J Advocate Health Care, 2002. 4:27-30.; (Garcia R et al AJIC, 2006;34(5):E47-E48)
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包括的口腔ケアの実践包括的口腔ケアの実践
ベンチレーターバンドルとモビリティー
Fields LB. J Neurosci Nurs, 2008;40(5):291-298
口腔ケアのコンプライアンスにより口腔ケアのコンプライアンスにより差は出るの?差は出るの?
口腔ケアのコンプ腔ケライアンスとベンチレーターバンドルにより87.9%のVAPが減少した。
Hutchins K, et al. Presented at APIC Annual Conference June 2008
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カフ上吸引付き気管内チューブカフ上吸引付き気管内チューブ
• 無作為化対照試験
• 間歇的 SSD (q1hr) (n=169) vs コントロール (n=164)vs ント ル (n 164)
• 口腔ケア以外の全てのVAP防止策に関しては両グループ間に差は見られなかった
• 微生物学的に確認されたVAP
14 8% SSD vs 25 6% コント14.8% SSD vs. 25.6% コントロール (p=.02)
• 初期及び後期VAPに対する影響
Lacherade JC, et al. AJRCCM, 2010; published early
モビリティの問題モビリティの問題
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なぜモビリティが重要なのか?なぜモビリティが重要なのか?• 肺機能への影響
– 呼吸運動の低下
– 肺塞栓症リスクの上昇
就下性浮腫の増加– 就下性浮腫の増加
– 就下性浮腫部位へ体液の貯留
– 圧迫性無気肺
– 分泌物の移動の減少
• Integemumentary Systemへの影響
– 圧迫性潰瘍 (Reddy et al. 2006 JAMA:296)
– 創傷治癒の低下(Emery et al. 2005 JGerontol:60)
骨• 骨
– 劣化は6~8日以内に始まり、床上安静期間中継続する(Zhang et al. 2008 GenomProtBioinf: 6Kortebien et al. 2008 JGerontolMedSci: 63)
なぜモビリティが重要なのか?なぜモビリティが重要なのか?• 骨格筋の運動能力低下
– 床上安静時は毎週4~5%骨格筋の運動能力が低下する
– 筋肉は活動しないとタンパク質を失う
– 健常者が5日間 厳格な床上安静状態におかれると インスリン健常者が5日間、厳格な床上安静状態におかれると、インスリン抵抗性と心筋機能障害を生じる
– 2種類の筋萎縮
• 一次性:床上安静、宇宙飛行、肢ギプス固定
• 二次性:疾患
– 非可動性に関連して最も急速に筋力を失う筋肉群は、体勢、移動姿勢、および歩行を維持する筋肉である
– 1日の床上安静後、ベースライン時の筋力を回復するのに2週間
SiebensSiebens H, et al, J Am H, et al, J Am GeriatrGeriatr Soc 2000;48:1545Soc 2000;48:1545--5252ToppTopp R et al. Am J of R et al. Am J of CritCrit Care, 2002;13(2):263Care, 2002;13(2):263--7676WagenmakersWagenmakers AJM. AJM. ClinClin NutrNutr 2001;20(5):4512001;20(5):451--44
床 安静後、 ラ 時 筋 を回復す 週間の再調整を必要とする
CandowCandow DG, DG, ChilibickChilibick PD J PD J GerontolGerontol, 2005:60A:148, 2005:60A:148--155155Berg HE., et al. J of Berg HE., et al. J of ApplAppl PhysiolPhysiol, 1997;82(1):182, 1997;82(1):182--188188Homburg NM,. Homburg NM,. ArteriosclerArterioscler ThromboThrombo VascVasc BiolBiol, 2007;27(12):2650, 2007;27(12):2650--26562656
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健康に関する生活の質健康に関する生活の質//ARDSARDS
• SF-36を用いた5件の研究データのメタ分析• 年齢と性別以下の全8ドメインは、正常集団と一致• 精神状態および身体ドメインが最も影響を受けた• 精神状態および身体ドメインが最も影響を受けた• 身体の4ドメイン(身体機能、役割機能[身体]、身体の痛み、
全体的健康感)の減少がより顕著である• 事件の2年後まで、長期的な身体的および認識機能障害が
残存した
Dowdy DW et al. Intensive Care Med, 2006;32:1115-1124
Rubenfeld GD et al. Chest 2007; 131:554-562
我々は最低限のモビリテ 水準は達成我々は最低限のモビリテ 水準は達成我々は最低限のモビリティ水準は達成我々は最低限のモビリティ水準は達成しているのかしているのか……
「「 Q2 Q2 時間時間??」」
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体位体位: : 臨床実務臨床実務 対対 基準基準
• 方法
– 74名の患者/計566時間の観察
– 3箇所の三次医療病院
– 15分毎に体位変換の記録を行う
– 平均観察時間 7.7時間
– オンラインのMD調査
• 結果
– 観察時間の49.3%は体位の変換なし
– 2.7%がq2時間の体位変換
Krishnagopalan S. Crit Care Med 2002;30:2588-2592
– 80-90%がq2時間で体位変換がなされるべきであると考えているが、自分のICUで実際に行われていると考えているのは57%のみ
プログレッシブ・モビリティとはプログレッシブ・モビリティとは??
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定義定義
• 進行: – 前に進むこと
– 継続的でつながりを持つ連続性継続的でつながりを持つ連続性
• モビリティ:
– 移動する、またはさせられる能力があること
• プログレッシブ・モビリティ:
– 患者の現時点でのモビリティから始まり、ベースラインに戻るまでの計画された逐次的な動き
©ADVANCING NURSING LLC 2009
Vollman KM, et al. Critical Care Nurse, 2010;30(2):s1-s16
人工呼吸器関連肺炎の予防を目的とした、人工呼吸器関連肺炎の予防を目的とした、背臥位背臥位 対対 頭部を高くする角度の調査頭部を高くする角度の調査背臥位背臥位 対対 頭部を高くする角度の調査頭部を高くする角度の調査
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1 2
3 4
HOBHOBの調査の調査
• 86名の患者
•• 背臥位または背臥位またはHOB45HOB45°のいずれかに無作為に割り付け(°のいずれかに無作為に割り付け(3939名が名が半
方法:
•• 背臥位または背臥位またはHOB45HOB45 のいずれかに無作為に割り付け(のいずれかに無作為に割り付け(3939名が名が半臥位、47名が背臥位)背臥位)
• 臨床的疑いがあり微生物学的検査で確認された院内肺炎をモニタリング
結果:
• 微生物学検査で確認された院内肺炎は、半臥位群の方が背臥位群背臥位群よりより少なか た 2/39 名(5%) 対 11/47名 (23%)
Drakulovic MB. et. al. Lancet. 1999;354:1851-1858
よりより少なかった 2/39 名(5%) 対 11/47名 (23%)
•• 背臥位と背臥位と経腸栄養がVAPの独立したリスク因子であり、VAPの数が14/28名(50%)と最も多かった
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Goldhill DR et al. Amer J Crit Care, 2007;16:50-62
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VAPVAP予防のための予防のためのCLRTCLRT
• 単一施設の3箇所のICUにおける前向き無作為化比較試験• 人工呼吸が48時間未満で肺炎を呈しておらず、ALIまたはARDSの患者を
適格とした
方法
適格とした• 150名の患者を75名ずつ各群へ割付• 35名のCLRT患者を、吸引前の打診に割り付け• VAPの予防法は、HOBを含めて両群で標準化
結果: CLRT 対 対照群
VAP: 11% 対 23% p = .048
人工呼吸の継続期間: 8 + 5 日 対 14 + 23 日 p = .02 LOS: 25 + 22 対 39 + 45 日 p = .01 死亡率: 差はなし
Staudinger t, et al. Crit Care Med, 2010;38:486-490
ローテーション療法の導入と廃止にローテーション療法の導入と廃止に取り組むための系統的方法取り組むための系統的方法
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モビリティ戦略のスクリーニングモビリティ戦略のスクリーニング
• 入院直後に、もし手動で可動化が不可能であるか、またはVAPのリスク基準に合致する場合、CLRTを行うか、P/F率が100未満の場合は腹臥位を考慮する
• 手動の可動化が忍容できる場合、可能であればHOBを30°に設置し、2時間毎の手動の体位変換と受動的または能動的ROMを行う
• ICUへの入院48時間後に、ベースライン時のモビリティを次のレベルに上げる能力があるか、意識レベル、血行動態および肺機能を用いて確認する
準備状況を確認するモビリティ評価準備状況を確認するモビリティ評価
• ICU入院後24時間以内に、初回のモビリティスクリーニングを行う
• PaO2/FiO2 > 250• Peep <10• O2 Sat > 90%• RR 10-30• 新たな心不整脈や虚血の発症がない• HR >60 <120• MAP >55 <140• SBP >90 <180• 昇圧剤の新規注入または増加• 昇圧剤の新規注入または増加• RASS > -3
患者は安定。レベルIIから開始して進行
Yes
患者は不安定。レベルIから開始して進行
No
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ICUICUにおけるビーチチェア姿勢におけるビーチチェア姿勢©©
• 患者のベッド頭部(HOB)を70°上げ、ベッド脚部を-75°とすることと定義
• 早期可動化の方法
• 以下の理由で歩行やベッドから降りて椅子への移動が出来ない患者に適用:
1. 病態および/または生理的状態が重篤なため
2. 人工呼吸
3. 鎮静
4 血行動態の不安定性4. 血行動態の不安定性
Caraviello KA, Presented AACN New Orleans NTI May 2009 NTI
デザイン、被験者および設定デザイン、被験者および設定
• 非無作為化パイロット試験
• 単一の大学医療センター
目的 および における 率 および病院• 目的: STICUおよびNSICUにおける、VAP率、ICUおよび病院LOS、人工呼吸日数を減らすこと
• 選択および除外基準に適合した200名の患者を組み入れ、2008年6月6日に6ヶ月の介入を開始
• 介入群: ビーチチェア体位を60分単位で1日4回を目標とする
• 対照群: ICUで人工呼吸を受けた患者コホートの6ヶ月の後向き調査
Caraviello KA, Presented AACN New Orleans NTI May 2009 NTI
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早期早期ICUICUモビリティ療法モビリティ療法
• 前向きコホート研究• モビリティ・プロトコールがICU、ICU LOS、病院LOSで理学療法
を受けている患者数と経費に及ぼす影響を 通常のケアと比較
方法
を受けている患者数と経費に及ぼす影響を、通常のケアと比較して調べた
• 330名の人工呼吸器装着患者• モビリティチーム(看護師、物理療法士、准看護師)を介したプロ
トコール群は、挿管の48時間以内/ICUへの入院の72時間以内にプロトコールを開始
• 生理的状態に基づく、4段階の段階式モビリティ進行プ 患• 生存し退院したプロトコール群と通常治療の患者群で治療成績
を測定した
Morris PE, et al. Crit Care Med, 2008;36:2238-2243
Morris PE, et al. Crit Care Med, 2008;36:2238-2243
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早期早期ICUICUモビリティ療法モビリティ療法
• ベースライン特性は両群で同等
• プロトコール群:
通常 治療 なく も を受
結果
– 通常の治療に対して少なくとも1回のPTセッションを受けている (80% 対47%, p < .001)
– 起床が早い (5 対 11日, p < .001)
– ICUでの治療の頻度が高い (91% 対 13%, p < .001)
– ICU LOSが減少 (5.5日 対 6.9日, p=.025)
– 病院LOSが減少 (11.2日 対 14.5日, p =.006)
– 有害事象は見られず モビリティセッションを終了した理由で最も多い有害事象は見られず、モビリティセッションを終了した理由で最も多いのは疲労であった
– プロトコール/モビリティチームと通常治療群との間で費用の差はなし
Morris PE, et al. Crit Care Med, 2008;36:2238-2243
人工呼吸を行った患者における、早期の理学・作業療法人工呼吸を行った患者における、早期の理学・作業療法
• 2005~2007年に行った、前向き無作為化比較試験
• 1161名をスクリーニング、72時間未満の人工呼吸を受け、ベースライン時に機能的に独立していた104名の患者時に機能的に独立していた104名の患者
• 毎日の鎮静の中断時に早期から可動化の運動を行った患者群(49名)とプライマリーケアチームに指示された治療を鎮静の中断時に行った群(55名)に無作為に割り付けた
• 主要評価項目: 退院時に独立した機能状態(日常生活の活動を行うことができ、独力で歩行が可能)に戻った患者数
Schweickert WD, et al. Lancet, 2009; 373(9678):1874-82.
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人工呼吸を行った患者における、早期の理学・作業療法人工呼吸を行った患者における、早期の理学・作業療法
• 安全• 忍容性が高い
機能的• 機能的
• 成績• せん妄の
期間• VFD
Schweickert WD, et al. Lancet, 373(9678):1874-82
挿管されている患者を安全に可動化挿管されている患者を安全に可動化できるか?できるか?
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ARFARF患者では、早期の活動は安全で実現可能である患者では、早期の活動は安全で実現可能である
• 前向きコホート研究
方法
• 103名の患者/1449件の活動
• 人工呼吸の期間が4日を超える患者
• 気道: 気管切開と気管内チューブ
• 記録した活動と有害事象を評価
• 活動には以下が含まれる:
– ベッドに座る、椅子に座る、歩行
• 有害事象は以下のとおり定義:
– 転んで膝をつく、チューブが外れる、 SBP > 200 mmHg、 SBP < 90 mmHg、O2飽和度 < 80%、抜管
Bailey P, et al. Crit Care Med, 2007;35:139-145
ARFARF患者では、早期の活動は安全で実現可能である患者では、早期の活動は安全で実現可能である
• 調査に含めた活動:
ベ ドに座る (233例 16%)
結果:
– ベッドに座る (233例、16%)
– 椅子に座る (454例、31%)
– 歩行 (762例、53%)
• 気管内チューブの挿管:
– ベッドに座る、椅子に座る、歩行 (593例)
– 歩行 (249例、42%)
• 有害事象有害事象
– 活動に関する有害事象は1%未満(抜管例はなし)
– RICU退院時に、69%が100フィート超を歩行
Bailey P, et al. Crit Care Med, 2007;35:139-145
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血行動態の不安定性血行動態の不安定性
???体位決定の障壁となるか?体位決定の障壁となるか??
血行動態の状態血行動態の状態
• 背臥位と他の体位との間に血行動態の変数の差はなし
• 横への体位変換は、ベースラインに戻るのに5~10分を要するSVO2を3~9%減少させた
• 観察された不安定性のいずれにも、体位変換が最も大きな効果をもたらすようである
• 酸素の需要と供給の不均衡をもたらす要因を最小限に抑える
Winslow, E.H. Heart and Lung, 1990 Volume 19, 557-561.Price P. CACCN, 2006, 17(1):12-19.
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体位決定を忍容できないリスクを持つ患者体位決定を忍容できないリスクを持つ患者
• 高齢者高齢者
• 神経障害を合併した糖尿病患者
• 長期間の床上安静
• Hbと心血管予備能力が低い
• 長期間の重力平衡
Vollman KM. Crit Care Nurs Clin of North Amer, 2004;16(3):319-336.
慣習を変える戦略慣習を変える戦略
• 目標志向の鎮静管理
• 目を覚まし、呼吸をする
• 包括的なモビリティプロトコール
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安全性を確認する安全性を確認する
• モビリティの準備態勢の評価
• モビリティプロトコールの絶対的禁忌を決定する禁忌を決定する
• モビリティセッションを中止する基準
• 鎮静管理に関する慣習の変更
• 十分な資源と設備
適切な鎮静適切な鎮静: : VAPVAPへの効果への効果
• 信頼のおける有効なツールを用いた鎮静レベルの測定に基づくプロトコールによる24時間体制の鎮静は、人工呼吸、ICUおよび入院の期間、気管(切開)*の必要性を減らした
• 鎮静剤注入を毎日中断することで、ICUにおける人工呼吸とLOSの継続期間を減らす。毎日の中断を設けた群では、人工呼吸の期間は33%(2.4日)、ICU LOSは35%(3.5日)減少し、PTSDへの影響を抑えた
• 長期的鎮静におけるデクスメデトミジンは、ミダゾラムと比較した場合、抜管までの時間、ICU入院期間、せん妄の有病率をより低下させ、せん妄のない日数および徐脈の問題を上昇させた
• 「目を覚まし、呼吸する」プロトコールは、人工呼吸器を装着している時間、ICUと入院の期間、および1年死亡率を減少させた(NNT=7)ICUと入院の期間、および 年死亡率を減少させた(NNT 7)
Brook AD, et al. Crit Care Med, 1999;27:2609-2615Kress JP, et al. N Engl J Med. 2000;342:1471-1477Kress JP, et al. AM J Respir Crit Care Med, 2003;168:1457-1461Riker RR, et al. JAMA, 2009;301:489-499Girard TD, et al. Lancet, 2008;371-126-134
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自動的離脱プロトコールを整備し、人工呼吸患者は2段階プロセスを満たした場合、人工呼吸から離脱し自発呼吸を行う準備ができているか評価を行うべきである:
VAPVAPを軽減させる人工呼吸離脱プロトコールを軽減させる人工呼吸離脱プロトコール
• 離脱の準備ができているか: 覚醒しやすい、換気および終末呼気圧の必要事項が低い、重篤となり得る新規の症状がない、昇圧剤を用いずに血行動態が安定している、フェイスマスクや鼻カニューレを用いて補給可能なFiO2を必要とするのみである
• 自発呼吸試験を行う: 換気パターン、ガス交換、血行動態および快適性の評価を30~120分間行う
Esteban A. Am J Respir Crit Care 1999;159:512-18Esteban A. Am J Respir Crit Care 1997;156:459465Ely EW. N Engl J Med 1996;335:1864-69
MacIntyre N. Semin Resp Crit Care Med, 2006:27:396-403
人工呼吸器回路の交換人工呼吸器回路の交換
Hess DR et al, Respir Care 2003;48(9):869-879
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人工鼻の使用の推奨人工鼻の使用の推奨
Kola A. Intensive Care Med, 2005;31(1):5-11.
VAP VAP バンドルバンドル: : エビデンスに基づいた手技エビデンスに基づいた手技
• 1997~2007年のVAPバンドル手技に関する系統的文献レビュー
バ ド 構成 素 査• バンドルの構成要素の調査
• VAPを発症した重篤な症状の患者の臨床転帰
• 6件の研究を分析に含めた (6件中3件は口腔ケア)
結果: VAPバンドルの実施でVAPが減少結果: VAPバンドルの実施でVAPが減少
呼吸器使用日数、ICU LOSを減少させた
コンプライアンスとVAPの減少に強い相関性
O Keefe S, et al. Worldviews on Evidence-Based Nursing, 2008;193-204
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VAPバンドルは通用するVAPバンドルは通用する!!!!!!• 三次医療大学病院レベル1外傷セン
ター の2箇所のSICU
• 前向きに収集したデータを38ヶ月間で後ろ向きに分析
バンドルコンプライアンス
後ろ向きに分析
• VAPバンドルを実施
• バンドル前のVAP発症率 : 10.2 /1000 呼吸器使用日数
• バンドル後のVAP発症率: 3.4 /1000 呼吸器使用日数
• コンプライアンスは53%から91%へ上昇
VAP比率
• US$ 1,000,000(1億円) を超える経費削減
Bird D, et al. Arch Surg, 2010;145(5):465-470
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口腔ケアの方法の見直し口腔ケアの方法の見直し
• 患者は歯と歯肉を1日二回ブラッシングしていますか?
• 口腔内の分泌物を何を使って取り除いていますか?口腔ケア時だけではなく体位交換前など定期的に口腔内を吸引していますか?
• 口腔内の深いところの吸引は定期的にしていますか?
• CPC(塩化セチルピリジニウム)のような殺菌洗口液を使用していますか?
• 口腔ケアに関する方針 手順書/プロトコールはあるか?口腔ケアに関する方針、手順書/プロトコ ルはあるか?
• 必要な正しい製品はすべて揃えているか?
モビリティの実施について調査するモビリティの実施について調査する
• 患者のモビリティの準備状態を毎日評価しているか?
• 患者は、手動での体位変換に耐えられる場合、最低2時間に一度の体位変換を受けているか?体位変換を受けているか?
• 手動での体位変換に耐えられない場合、プロトコールと共にローテーション療法が用いられているか?
• HOBは30°を超えているか?
• ベッドから椅子、体重負荷、椅子、歩行の順でモビリティを段階的に増やす方法を用いているか?
• モビリティプロトコールはあるか?
• 必要な正しい製品(ベッド、椅子、リフト、歩行器 etc.)はすべて揃えているか?
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患者にとって安全な環境作り患者にとって安全な環境作り
毎日の病院内の看護活動により患者への負傷と感染のリスクを増加させる可能性がある……
伝統的なやり方を変え、エビデンスに基づいたやり方に変更してリスクを軽減しよう
勇敢になろう勇敢になろう
我々看護師は皆、患者の安全に対して責任を負う……問題を自分の事と考えよう
• “これでなければ何か??”• “今でなければいつ??”• “自分でなければ誰が??”
現状維持のままですか?
変革を行いますか?