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社会システム論Ⅱ 最終 まとめ

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社会システム論Ⅱ 最終回 まとめ

広告

媒体別広告費 2009• テレビ : 1 兆 7139 億円 / 89. 8 %• インターネット : 7069 億円 / 101. 2 %– 媒体費は 5448 億円 / 残余は広告制作費– モバイル 1031 億円 / 検索連動型 1710 億円

• 新聞 : 6739 億円 / 81. 4 %• 雑誌 : 3034 億円 / 74. 4 %• ラジオ : 1370 億円 / 88. 4 %• 衛星メディア : 709 億円 / 104. 9 %

メディア・レップ• 広告会社の起こりは,新聞の広告スペースを販売する「仲介業務」 ( スペース・ブローカー )

• メディア企業から一定の「広告枠」を仕入れ,利用を希望する広告主に販売して,マージンを稼ぐ

• メディア・レップは「 1 業種多クライアント」が常態

総合広告会社• 広告 ( 広告物制作=クリエイティブ ) ,イベント, (SP セールス・プロモーション ) , PR,マーケティング・リサーチなど企業の宣伝・販促活動を全面的に支援する「総合広告会社」へ

• メディアの「代理店」から,広告主の「代理人」へ

• 「 1 業種 1 クライアント」が国際標準

寡占体質

• 電通,博報堂 DYホールディングス, (ADK アサツー・ディー・ケー ) の3 社で 48 %,上位 10 社で 55 %

• 1940 年体制の残存• メディア・レップとクリエイティブ / プランニングを 1 社 ( グループ) で兼営する

アカウント・エグゼクティブ

• 広告主の広告活動の「代理人」として,媒体利用計画,広告物制作などを総合的にプランニング

• 新製品開発など企業活動の機密事項に踏み込む限り,保秘が不可欠

• だが,寡占状況のなかでは「 1 業種 1 社」のアカウント・エグゼクティブ制度 ( )AE の導入は困難 ?

クロスメディア戦略

• マス媒体・ web・ソーシャルメディア・ SP・クチコミなどを多層的に組み合わせる「クロスメディア戦略」の巧拙が広告会社の成否を分ける時代に

• メディアの多くが広告に依存する限り,広告会社との付き合い方がメディアの浮沈のカギを握る

総括

メディアエコロジーの概念

• メディアは役割分担して棲み分け

• 競合メディアが登場すると,機能を変質させながら生き残る– テレビの登場とラジオ– テレビの登場と映画

• 一度は「支配的」だったメディアはそう簡単に消滅しない

消えたメディア

• 加入電信 ( テレックス ) ・ポケットベルなど「周辺的」メディアのみ

• 電話の登場で電報は「緊急連絡手段」としての役割を終えた

• 冠婚葬祭のグリーティング・ツールとして生き残る (NTTにとっては独占的な黒字事業 )

有用性と無用性

• メディアには本来的意義 ( 目的性 ) と習慣化による自己目的性が併存

• 何かの用を果たす手段だったものが,いつの間にか「依存メカニズム」が形成され,用もないのに消費してしまう目的へと変化する

メディア消費の自己目的化

• 暇つぶし ( レジャー ) の手段。一種の「依存症 / 偏執的」な消費

• 新聞や書籍を読む / 映画を観る/ 音楽を聴くなどの行為は,習慣が形成されると離脱が困難

• 自己目的化の究極は「おたく化」であり,一種のフェティシズム

利用態様は変化

• 絵物語出版 + 失業活動弁士=紙芝居 ( 一種の大道芸 )

– テレビの登場で商売としては絶滅したが,幼児教育現場ではいまも現役

• コミュニティの核としての貸本屋– 雑誌・書籍を購入する可処分所得がない時代の智慧 ( レンタルレコードと同じ )

– 公共図書館が設備・機能を充実させることで,貸本屋が果たしていた機能を吸収

メディアは簡単に消滅しない

• 同様の機能を果たす電子メディアが登場しても,在来メディアは生き残り続ける– 映画館での感動の共有体験は不変 ?

3→ D化による付加価値– 配信で楽曲や書籍が購入できても,所有欲やフェティシズムが充足されない

総需要不変の法則 ?• 可処分所得・可処分時間などを考えると,メディアを介した情報消費の総需要はそんなに変化しない ?

• 情報支出・利用時間で在来 / 電子メディアのトレードオフ関係

• 「無料」で液状化した市場を再び「有料」で回収できるか ?

メディアと民族性

• メディアは世界で普遍的に存在しているが,それをどう利用し,社会にどう組み込むかは,国民・民族によって差異が生じる

• 「メディアと社会システム」の普遍的なる法則は存在しない ?

アメリカ

• 「移民国家」アメリカはメディア利用の多様化が進む。地上波テレビの支配力は地に墜ちている。衛星利用でエスニシティなサービス

• 新聞の消滅はコミュニタリアニズムの空洞化の反映

• 映画が国民統合の最後の手段 ?

ヨーロッパ

• EU統合を機に「国境なきテレビ」へ。経済・政治的統合が進む反面,文化的独自性を守る砦として,公共放送・新聞・映画を位置づけ,政府が積極的に助成

• ただし高級新聞はもともと「階層的メディア」で少部数

東アジア ( 日本 )• 集団主義 ( 同調性 ) が根強いため,「みんなと同じ」「ふつう」の指標となるテレビの影響力が高い

• 新聞・テレビと政治権力の距離が近い

• スキャンダリズムによる排除の論理がメディア内容を支配

蟹は甲羅に似せて穴を掘る

• 電子メディアの社会的受容・社会の再編制においても,同様のメカニズムが作動し「普遍的法則」は存在しえない ?

• 実名主義 SNSの「 Fac ebook」と匿名主義 SNSの「 mi xi 」など

最終リポート• 近代社会の形成において,メディアはどんな役割を果たしたのか。新聞・出版・映画・音楽のうちいずれか一つのメディアに絞って論述せよ

• 分量 : 600 ~ 800 字• 締切 : 8 月 9 日 ( 月 )23: 59: 59• 提出先 : .r epor t @akaokoi chi j p