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ソシオネットワーク戦略ディスカッションペーパーシリーズ ISSN 1884-9946 4 2011 1 RISS Discussion Paper Series No.4 January, 2011 文部科学大臣認定 共同利用・共同研究拠点 関西大学ソシオネットワーク戦略研究機構 The Research Institute for Socionetwork Strategies, Kansai University Joint Usage / Research Center, MEXT, Japan Suita, Osaka, 564-8680, Japan URL: http://www.kansai-u.ac.jp/riss/index.html e-mail: [email protected] tel: 06-6368-1228 fax. 06-6330-3304 正確な年金知識の獲得は 年金制度への信頼度を回復させるか? 村上雅俊・四方理人・駒村康平・稲垣誠一

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ソシオネットワーク戦略ディスカッションペーパーシリーズ ISSN 1884-9946

第 4 号 2011 年 1 月

RISS Discussion Paper Series

No.4 January, 2011

文部科学大臣認定 共同利用・共同研究拠点

関西大学ソシオネットワーク戦略研究機構

The Research Institute for Socionetwork Strategies, Kansai University

Joint Usage / Research Center, MEXT, Japan

Suita, Osaka, 564-8680, Japan

URL: http://www.kansai-u.ac.jp/riss/index.html

e-mail: [email protected]

tel: 06-6368-1228

fax. 06-6330-3304

正確な年金知識の獲得は

年金制度への信頼度を回復させるか?

村上雅俊・四方理人・駒村康平・稲垣誠一

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文部科学大臣認定 共同利用・共同研究拠点

関西大学ソシオネットワーク戦略研究機構

The Research Institute for Socionetwork Strategies, Kansai University

Joint Usage / Research Center, MEXT, Japan

Suita, Osaka, 564-8680, Japan

URL: http://www.kansai-u.ac.jp/riss/index.html

e-mail: [email protected]

tel: 06-6368-1228

fax. 06-6330-3304

正確な年金知識の獲得は

年金制度への信頼度を回復させるか?

村上雅俊・四方理人・駒村康平・稲垣誠一

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正確な年金知識の獲得は年金制度への信頼度を回復させるか?*

村上雅俊 †・四方理人 ‡・駒村康平 §・稲垣誠一 **

概要 本稿の目的は,現行の年金制度に関する正確な知識がある層とない層の間で年金制度へ

の信頼度に統計学的に有意な差があるかどうかを検討することである。本稿の目的のため

に,インターネット調査会社を通じて,2010 年 1 月と 3 月に,同一個人に対して 2 度にわ

たって Web 調査(以下,RISS 調査と略記する)を行い,得られたデータから調査対象者の年

金制度に対する信頼度の変化ならびに差を見た。 上記目的のために,2 回目の RISS 調査において調査対象者を 2 群に分け,年金制度に関

するクイズを出し,一方の群には正解と・解説(正確な年金知識)を表示し,もう一方の群に

は表示しなかった。この両群の間で制度信頼度に差が出るかを検定した。分析の結果,2 時

点間で全体的に年金制度への信頼度が低下する中で,正確な年金知識の獲得は,年金制度

に対する信頼度の低下に一定程度の歯止めをかけたことを確認した。年金クイズの正解と

年金制度に関する解説を表示した群とそうでない群との間で,年金制度に対する信頼度に

有意な差が見られた。また,年金クイズの正解と年金制度に関する解説を表示した群の中

では,解説に対する理解(納得)度が高いほど制度信頼度が高まることを確認した。 年金制度に関する十分な理解なしに,漠然と不信感を持つのみでは,年金制度の本当の

問題点はみえてこないであろう。年金教育や年金制度の仕組みの周知が政策上重要である

ことが示唆される。

Keywords: 公的年金制度,年金クイズ,年金教育,制度信頼度,熟議

* 本研究は,平成 20 年度-21 年度文部科学省「人文学及び社会科学における共同研究拠点の整備の推進

事業」および平成 22 年度「特色ある共同研究拠点の整備の推進事業」による委託を受けて行った研究成果

である。 † 関西大学ソシオネットワーク戦略研究機構 助教 E-mail: [email protected] ‡ 慶應義塾大学先導研究センター・研究員 関西大学ソシオネットワーク戦略研究機構 リサーチアシスタント E-mail: [email protected]

§ 慶應義塾大学 経済学部 教授 E-mail: [email protected] ** 一橋大学 経済研究所 世代間問題研究機構 教授 関西大学ソシオネットワーク戦略研究機構 研究員 E-mail: [email protected]

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Do Acquirement of Accurate Knowledge Related to Japanese Public

Pension System Increase Confidence in It?*

Masatoshi MURAKAMI†・Masato SHIKATA‡・Kohei KOMAMURA§・Seiichi INAGAKI**

Abstract

The purpose of this study is to clarify the difference in degree of confidence related to Japanese

public pension system between people who have accurate knowledge of it and those who do not. For

the sake of this purpose, we have conducted a follow-up web survey and tested the difference in

degree of confidence between people who have accurate knowledge of it and those who do not. In

part two of this survey, respondents are assigned to two groups and answer quiz question about

Japanese public pension system. Half of respondents are in a group, in which they gain accurate

knowledge related to Japanese public pension system from answers to quizzes and expositions of

them. Other half of respondents were in a group, in which they don’t gain it. We tested the difference

in degree of confidence related to Japanese public pension system between these two groups.

The following results are obtained. We can see a general lowering of confidence in Japanese

public pension system. However, a lowering of confidence that respondents who gain accurate

knowledge is brought under control. The degrees of confidence show a statistically-significant

difference between two groups. In addition, in a group which respondents gain accurate knowledge,

the deeper the degree of understanding is, the higher the degree of confidence is. The results of this

study lead to the suggestion that pension education and spreading the information about the

mechanism of Japanese public pension system assume critical importance in pension policy.

Keywords: Public Pension System, Pension Quiz, Pension Education, Degree of Confidence, Public

deliberation

* This work was supported by "a Promotion Project for Joint Research between the Humanities and Social Science" from the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology (MEXT), 2008 - 2009 and "a Promotion Project for Distinctive Joint Research" from MEXT, 2010 -. † Assistant Professor, The Research Institute for Socionetwork Strategies, Kansai University

E-mail: [email protected] ‡ Researcher, Keio Advanced Research Centers, Keio University

Research Assistant, The Research Institute for Socionetwork Strategies, Kansai University E-mail: [email protected]

§ Professor, Faculty of Economics, Keio University E-mail: [email protected]

**Professor, Center for Intergenerational Studies, Institute of Economic Research, Hitotsubashi University Researcher, The Research Institute for Socionetwork Strategies, Kansai University E-mail: [email protected]

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1. はじめに

本稿の目的は,現行の年金制度に関する正確な知識がある層とない層の間で年金制度へ

の信頼度に差が出るかを見ることである。本稿の目的のために,インターネット調査会社

を通じて,2010 年 1 月と 3 月に,同一個人に対して 2 度にわたって Web 調査(以下,RISS調査と略記する)を行い,得られたデータから調査対象者の年金制度に対する信頼度の変化

ならびに差を見た。 本稿では,第一に,RISS 調査の概要を述べる。その際,標本の代表性についても述べる

こととする。第二に,本稿で設定する仮説について述べる。第三に,分析方法と分析結果

について述べる。そして最後に,本稿の分析結果の持つ政策的インプリケーションと今後

の課題について述べることとする。 2. RISS 調査の概要

RISS調査の概要は表 1 のようになる 1

Web 調査であるため,調査対象者は,Web 調査会社に登録しているモニターとなる。Web調査は,郵送調査等と比較して,低価格で迅速に調査を行えるというメリットはあるが,

標本の代表性という問題が解決されている調査方法ではない。また,「2 回目の調査に回答

可能である対象者」というフィルタがあること,すなわち,2 回目の調査には協力できない

と回答した登録モニターが調査対象から除外されている点に注意を要する。

。RISS調査は,2010 年 1 月と 3 月に実施された。

同一個人を対象に 2 度行ったWebパネル調査である。あらかじめ,1 回目の調査時に,2 回

目の調査にも回答可能か否かを尋ね,2 回目の調査に回答可能である対象者を選定し,調査

を行った。

表 1 RISS調査の概要

第1回目 第2回目

調査期日2010年1月15日~2010年1月28日

(サンプル割り当てのための事前調査を含む)2010年3月10日~2010年3月15日

(サンプル割り当てのための事前調査を含む)調査対象

調査対象者の年齢標本規模 6919 5226調査会社 マクロミル

20~59歳国民年金第1号・第2号・第3号被保険者(学生を除く)

標本の代表性を出来るだけ失わないようにするための処置として,標本の属性分布が枠

母集団(この場合,国民年金第 1 号~第 3 号被保険者)の属性分布に適合するように,事前に

性・年齢・被保険者番号別に個票の目標回収数を定め,定めた回収数まで登録モニターの

回答を受け付けるという方法を採用した 2

1 RISS 調査に用いた質問票は,RISS データアーカイブ

【http://www.kansai-u.ac.jp/riss/shareduse/database.html】の「公的年金に関する意識調査(第 1 回)」「公的年

金に関する意識調査(第 2 回)」よりダウンロードできる。

。また,1 回目の調査において,2 回目の調査に

回答可能な調査対象者を選定しているが,実際の 2 回目の調査時に回答しない対象者が現

2 目標回収数に関しては,四方・村上・駒村・稲垣(2010),p.8 を参照。

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れることから,1 回目の調査時に目標回収数を多めに設定し,2 回目の調査時に標本規模

5000 を確保できるようにした。なお,国民年金第 1 号・第 2 号・第 3 号の割付は,登録モ

ニターに表 2 にある事前調査に回答してもらい,図 1 のフローに従って行った。 表 2 事前調査の調査項目

問1 回答1 2号被保険者

回答2 →→→→→→ 問2 回答1 3号被保険者

回答3 対象から除外 回答2 →→→→→→ 回答1 対象から除外

回答3 →→→→→→ 回答2 1号被保険者

回答4 対象から除外

問3

図 1 割付のフロー

3. 仮説と課題

2009 年 11 月末の国民年金保険料の納付率 58%に見られるように 3

保険料の納付行動に影響する要因は様々考えられるが,本稿では,保険料未納率上昇の

背景に年金制度への信頼度の揺らぎがあると仮定する

,国民年金保険料未

納率の上昇に歯止めがかかっていない。国民年金納付行動の要因分析のために,これまで

に低所得や低貯蓄による「流動性制約」仮説,「本人の予想寿命との関係から生じる逆選択」

「世代間の不公平間」仮説等が提起され検証されてきた。

4。そして,本来,盛山(2007)が指摘

するように,「国民年金も厚生年金も入って損はしないようにできている。」5

公的年金制度に対する「周知度」として,これまで厚生労働省が『国民年金被保険者実

態調査』において調査を行っており,「早割制度,基礎年金の国庫負担,任意加入,追納制

にも関わらず,

未納率の上昇に歯止めがかからないのは,国民が年金制度に関して正確な知識を持ってい

ないからではないかという仮説を設定する。すなわち,年金制度に関する正確な知識の獲

得は,年金保険料を納付することは損ではないという認識につながり,年金制度への信頼

度を回復させ,納付率を上昇させるという仮説を設定する。

3 厚生労働省ホームページ【http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000003sa6.html】参照。 4 いくつかの実証研究では,年金制度に対する不信感が未納・未加入に及ぼす影響について,異なる結果

を示している。 5 盛山(2007),p.13 より引用。

問 1 あなたは,厚生年金もしくは共済年金に加入しておられますか。 1. ( )はい 2. ( )いいえ 3. ( ) わからない

問 2 あなたは,専業主婦もしくは専業主夫であり,かつ,配偶者は厚生年金もしくは

共済年金に加入しておられますか。 1. ( )はい 2. ( )いいえ 3.( ) 配偶者はいない 4.( ) わからない

問 3 あなたは,大学生もしくは大学院生ですか。 1. ( )はい 2. ( )いいえ

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度及び若年者納付猶予については周知度が 40%以下と低い」と指摘している 6。最近では,

駒村(2008)が,年金知識に関する詳細な分析の中で,年金制度に対する知識量が世代によっ

て大きく異なり,50 歳代が最もよく理解しているとした上で,年金制度に対する体系的な

情報の普及など,年金改革のための適切な「議論のルール」の確立が不可欠としている 7

また,佐々木(2007)は,年金保険料未納の要因として,「親の関与度」に注目し,親の関

与度が大きいほど子の年金未納確率が顕著に低くなることを確認した上で,未納者個人に

対する年金政策の限界と「家族単位での年金未納対策」「金融・年金教育の強化」の必要性

を指摘している

8

さらに,近年,熟議民主主義として,一般市民が政策の形成過程に参加する試みが見ら

れる。文部科学省は,教育問題に関して熟議を,「多くの当事者による「熟慮」と「討議」

を重ねながら政策を形成していく」とし,そのプロセスは,「1. 多くの当事者が集まって,

2. 課題について学習・熟慮し,討議をすることにより,3. 互いの立場や果たすべき役割へ

の理解が深まるとともに,4. 解決策が洗練され,5. 個々人が納得して自分の役割を果たす

ようになる」としている

9

。これらを,年金制度問題に対する熟議とする場合,上記 2.の「学

習・熟慮」がどの程度なされるかによって,年金制度への認識は当然異なることとなり,

結果として,後のプロセスが変わっていくことが予想される。

4. 分析の方法

ここでは,分析の手法について述べることとする。2010 年 1 月と 3 月の RISS 調査でそ

れぞれ,以下のような設問を設けた。

6 厚生労働省ホームページ,『平成 20 年国民年金被保険者実態調査』,平成 20 年国民年金被保険者実態

調査結果のポイント参照。 7 駒村(2008)を参照。 8 佐々木(2007)を参照。他に,若年層に対する年金教育の重要性を指摘している文献として,都村(2006),佐々木(2008),石田(2007),坂口(2005)がある。都村(2006)は学校教育における年金教育の重要性を,特

に,世代間の連帯という点から述べている。各地の社会保険事務所が行っている年金セミナーの内容を紹

介し,そこでとられているアンケートの内容を分析している。また,石田(2007)は,大学生を対象に行っ

た年金セミナーについて解説している。加えて坂口(2005)は,高校生に対して行った年金教育について述

べ,年金教育が若年層に対する「単なる加入率と収納率向上対策のためであってはならない」とし,同時

に「これまでの年金政策の問題点を総括し,今後の改革の方向を見据える視点を提示することも必要」と

述べている。 9 文科省政策創造エンジン熟議カケアイ【http://jukugi.mext.go.jp/】を参照。

Q 日本の公的年金制度に対するあなたの信頼度についておうかがいします。あてはま

るものを 1 つだけお選びください。 1. 全く信頼できない 2. あまり信頼できない 3. どちらでもない 4. ある程度信頼できる 5. 完全に信頼できる

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調査対象者

回答と説明を

表示する群N=2613

回答と説明を

表示しない群N=2613

ランダムに

割り振り

図 2 フロー図

加えて,第 2 回目の RISS 調査では,調査対象者をランダムに 2 群に分け,各群に属す

る調査対象者に年金制度に関するクイズ(以下,年金クイズとする)に○×で答えてもらった。 図 2 にあるように,2 群で異なるのは,一方にはクイズに答えてもらった後,正解とそれ

に関連する解説を表示し,もう一方は,正解ならびにそれに関連する解説を表示しないと

いう点である。 年金クイズは合計で 10問である。具体的には表 3のようになる。全てのクイズに関して,

1.○,2.×,3.まったくわからない,の選択肢を設けた。 年金クイズの正解と解説を表示した群で見ると,全てのクイズに正解した調査対象者は,

60 名で,2.3%であった。いかに年金制度に対する理解が低いかということが分かる。各設

問に対する正答率は図 3 のようになる。Q3,Q6,Q8 で正答率が低くなっている。漠然と,

厚生年金に加入した場合は国民年金から脱退し,自身が払った保険料よりも給付額が少な

く,低い納付率による財政悪化で給付額が少なくなると認識している者が多いということ

になる 10

表 3 年金クイズと正解・解説

10 なお,図からも分かるとおり,Q5,Q7,Q9,Q10 においても正答率は 6 割程度であった。

Q1 保険料を払っている間に障害状態になると、高齢者になる前に年金が支給される。 A1 前問の正解は、○です。老齢年金の他に、老齢年金の受給開始年齢の前に障害が発

生した場合に障害年金が支給されます。 Q2 老齢年金は、受給者が死亡するまで給付される。 A2 前問の正解は、○です。公的年金の特徴のひとつは、受給者が死亡するまで年金を

給付するという終身給付です。

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表 3 年金クイズと正解・解説(続き)

Q3 民間被用者(サラリーマン)は厚生年金保険に加入したときに、国民年金から脱退

することになる。 A3 前問の正解は、×です。民間被用者(サラリーマン)は厚生年金保険に加入すると同

時に、国民年金にも加入しています。ただし、国民年金保険料を直接納付する必要

はありません。ですので、民間被用者であった者は、老後に、国民年金から老齢基

礎年金、厚生年金保険から老齢厚生年金の二つの老齢年金が支給されます。 Q4 公的年金の保険料を払い終わらない間に死亡すると、あなたもあなたの配偶者も年

金を受け取ることはできない。 A4 前問の正解は、×です。公的年金には遺族年金があり、被保険者本人が亡くなった

場合には、所得が低いなど一定の要件を満たしている配偶者や子どもに遺族年金が

支給されます。(遺族厚生年金にも所得要件があります) Q5 日本の公的年金の老齢年金は、原則として、保険料納付済期間(保険料免除期間や

保険料猶予期間)が 25 年に満たないと支給される年金額はゼロとなる。 A5 前問題の正解は、○です。日本の公的年金では、あらかじめ、一定期間(25 年以上)、

保険料を納付した人あるいは免除・猶予を受けた人だけに年金が支給されます。 Q6 現在の高齢者は,自身が支払った保険料より受け取ることのできる年金が多いが,

現在保険料を支払っている人々は,自身が支払った保険料より受け取ることのでき

る年金が少ない。平均寿命まで生きた場合の総額でお考えください。 A6 前問の正解は,×です。基礎年金には給付額の 2 分の 1 に国庫負担が行われること,

厚生年金は事業主が保険料の 2 分の 1 を負担することから,本人が支払った保険料

よりも受給する年金額が多くなります。 Q7 公的年金の給付の水準は、物価上昇や平均賃金の上昇により引き上げられる。 A7 前問の正解は、○です。すでに受給している年金額は、物価が上昇した場合、基本

的にスライドして上昇します。物価が上昇しても、年金額も上昇するので、受給し

た年金の実質的な価値が下がらないように設計されています。また、厚生年金にお

いて現役世代で働いている人たちの保険料は、最近の賃金の伸びで再評価されま

す。このことにより、働いている期間中に大幅な経済成長が起こり、一般的な生活

水準が上昇しても、これまで払ってきた保険料の水準は、その平均的な生活水準に

あわせたものに評価し直され、老後は一般的な生活水準の上昇に対応したものにな

ります。

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表 3 年金クイズと正解・解説(続き)

0% 20% 40% 60% 80% 100%

Q1

Q2

Q3

Q4

Q5

Q6

Q7

Q8

Q9

Q10

正解 不正解

図 3 各問題の正答率

Q8 現在の国民年金保険料の納付率は約 6 割です。このような低い納付率により、国民

年金の財政が悪化することで、現在年金を受け取っている高齢者の年金の給付額は

今後引き下げられる。 A8 前問の正解は、×です。国民年金の第 1 号被保険者は、国民全体からみると人数が

少なく、その保険料の納付率が低くても、年金財政全体に与える影響は大きくあり

ません。また、保険料を納付しなかった人には年金が支給されません。まったく影

響がないとはいえませんが、そのことによって、年金額が引き下げられることはあ

りません。 Q9 今の若い世代が納付している公的年金の保険料の大部分は、将来、彼(彼女)らが

年を取ったときに支払われる年金の財源として積み立てられている。 A9 前問の正解は、×です。今の若い世代が納付する保険料の大部分は、今の高齢者に

支払われている年金の財源として使われています。この財政方式を賦課方式と呼び

ます。 Q10 今後、少子化が進むと、その少子化の度合いに対応して公的年金の一人当たりの保

険料(率)は引き上げられるが、その引き上げられる水準の上限が法律によって決め

られている。 A10 前問の正解は、○です。出生率が低下すると、将来年金保険料を納める人々が減少

するため、一人当たりの保険料は引き上げられます。しかし、若年層を中心として、

負担がどこまでも上昇してしまうのではないかとの不安が大きいことから、将来に

わたっての保険料水準を固定することが、法律に明記されています。

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さらに,駒村(2008)が指摘した,「年金制度に対する不信は年金に対する知識不足からで

はなく,むしろ知識がある人の方が制度に対する不満を持つ傾向がある」11という点を本稿

のデータで確かめておく。図 4 は年金クイズに対する正答数をスコア化 12

図 4 にあるように,本稿のデータからは,年齢が高いほど正答スコアは上昇する傾向に

あるが,年金制度に関する知識が高いほど不満を持つ(不信感を持つ)傾向は見られない。年

金制度を「ある程度信頼している」層の正答スコアが他と比較して高くなっている

したものと,年

金制度に対する信頼度の関係を年齢別にみたものである。

13

図 4 年金クイズの正答スコアと制度信頼度との関係

では,年金クイズとその正解・解説の表示によって,年金制度に関する知識を獲得した

層とクイズに解答したのみの層で信頼度が異なることとなるのか。それを以下で見ること

とする。 5. 分析結果

第一に,第 1 回目のRISS調査から,そもそも 2 群の間で年金制度への信頼度に差があっ

11 駒村(2008),p.39 を参照。 12 正解の場合を 1 点,不正解の場合を 0 点として,全 10 問について合計した。 13 偶然による正答の可能性は否定できない。駒村(2008)では,これを避けるために回答の「確信度」を尋

ねている。また,駒村(2008)では,「これまで年金制度に問題があったと思いますか」と聞いており,本

稿では、「日本の公的年金制度に対するあなたの信頼度についておうかがいします」と聞いている。設問項

目の内容,不満と信頼度との違いがあることに注意を要する。駒村(2008),p.47 参照。

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10

たのかを,ウィルコクスンの順位和検定(有意水準 5%)で見ることとする 14

。年金クイズを

出す前に,2 つの群の間で,年金制度への信頼度に差が出ているようであれば,結果の意味

合いは異なることとなる。年金制度への信頼度がもともと異なる群同士を比較しても,年

金制度に関する知識の獲得の効果は見えてこない。検定結果は,表 4 である。表 4 を見て

も分かるとおり,帰無仮説は棄却されず,2 つの群の年金制度の信頼度には差がないと言え

る。

表 4 年金クイズに解答する前の年金制度信頼度の差の検定

年金クイズの正解・解説の表示・非表示

N 平均ランク 順位和

正解・解説非表示群 2613 2606.78 6811521正解・解説表示群 2613 2620.22 6846630

合計 5226

順位

制度信頼度(1回目)

制度信頼度(1回目)Mann-Whitney の U 3396330Wilcoxon の W 6811521Z -0.346漸近有意確率 (両側) 0.729a. グループ化変数: 年金知識の有無

検定統計量a

表 5 正解・解説非表示群の年金制度信頼度の差の検定

N 平均ランク 順位和制度信頼度(2回目) - 制度信頼度(1回目) 負の順位 663

a 536.97 356009.5

正の順位 407b 533.11 216975.5

同順位 1543c

合計 2613a. 制度信頼度(2回目) < 制度信頼度(1回目)

b. 制度信頼度(2回目) > 制度信頼度(1回目)

c. 制度信頼度(2回目) = 制度信頼度(1回目)

順位

制度信頼度(2回目) -制度信頼度(1回目)

Z -7.277a

漸近有意確率 (両側) 0.00a. 正の順位に基づく

b. Wilcoxon の符号付き順位検定

検定統計量b

次に,RISS 調査の 1 回目と 2 回目で,年金制度に対する信頼度に変化があったかを見て

おく。年金クイズの正解・解説の表示を行っていない群で変化があったか否かを見る。す

なわち,RISS 調査の 1 回目調査と 2 回目調査の間に何らかのイベントがあり,その影響を

受けて年金制度に対する信頼度に変化があったか否かを見るのである。この場合,年金ク

14 5%有意水準で,データの正規性はないと判断できたため,ノンパラメトリック検定を用いた。

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イズの正解・解説を提示しなかった群で見るのが適当だろう。なぜなら,1 回目の RISS 調

査では 2 群の間で年金制度に対する信頼度に差がなく,年金クイズの正解・解説を表示す

るか否かはランダムに決められているからである。年金クイズの正解・解説が表示された

群においても,もし年金クイズの解答・解説が表示されなかった場合は,同様の傾向が現

れることとなる。ウィルコクスンの符号付き順位和検定を行った。結果は表 5 に示される。 表 5 を見ても分かるとおり,1 回目と 2 回目の RISS 調査の実施間隔は,約 2 ヶ月程度と

短いが,2 回目の調査の方が,全体的に,年金制度に対する信頼度が低下していることが分

かる。検定の結果(有意水準 5%),1 回目調査と 2 回目調査において年金制度に対する信頼

度に差が出ている。 では,年金クイズの正解・解説が表示された群ではどうだろうか。以下でそれを確認す

ることとする。結果は,表 6 となる。

表 6 正解・解説表示群の年金制度信頼度の差の検定

N 平均ランク 順位和制度信頼度(2回目) - 制度信頼度(1回目) 負の順位 608

a 524.42 318850

正の順位 483b 573.16 276836

同順位 1522c

合計 2613a. 制度信頼度(2回目) < 制度信頼度(1回目)

b. 制度信頼度(2回目) > 制度信頼度(1回目)

c. 制度信頼度(2回目) = 制度信頼度(1回目)

順位

制度信頼度(2回目)- 制度信頼度(1回目)

Z -2.140a

漸近有意確率 (両側) 0.03a. 正の順位に基づく

b. Wilcoxon の符号付き順位検定

検定統計量b

表 7 年金クイズ回答後の 2群の年金制度信頼度の差の検定

年金クイズの正解・解説の表示・非表示

N 平均ランク 順位和

正解・解説非表示群 2613 2553.70 6672824.5正解・解説表示群 2613 2673.30 6985326.5

合計 5226

順位

制度信頼度(2回目)

制度信頼度(2回目)Mann-Whitney の U 3257633.5Wilcoxon の W 6672824.5Z -3.061漸近有意確率 (両側) 0.002a. グループ化変数: 年金知識の有無

検定統計量a

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表 6 より,正解・解説を表示した群において,2 回目の調査における年金制度に対する信

頼度は 1 回目の調査のそれより低下した(5%有意水準)といえるが,1%有意水準では,年金

制度への信頼度の低下は否定される。 年金制度に対する信頼度の低下の度合いは,年金クイズの正解・解説を表示しない群よ

りも小さいようである。実際に,2 回目の調査における 2 群の年金制度への信頼度の差を見

たのが,表 7 である。 表 7 を見ても分かるとおり,年金クイズに回答し,正解と解説を付け加え,一定の年金

制度に関する知識を得た群の年金制度に対する信頼度は,知識を得ていない群よりも高く,

検定の結果,有意に差が出ていることが分かる。 以上より,年金クイズに対する正解と解説を表示した群の方が,そうでない群よりも年

金制度に対する信頼度が回復していることが分かる。年金知識の獲得の効果だと言えよう。 では,正解と解説を表示した群の内部はどのようになっているのだろうか。単に,正解

と解説を表示したのみでは,本当に調査対象者がそれを理解,あるいは,納得した上で制

度に対する自らの信頼度を変化させたのかが分からない。そこで,以下のように年金制度

に対する理解度・納得度の違いによって制度信頼度に差が出るのかを見た。 2 回目のRISS調査では,年金クイズに関する回答と解説を表示した後に,解説について

「納得したか」あるいは「理解したか」を,「全く理解(納得)できない」から「完全に理解(納得)できる」の 6 段階で尋ねた。各クイズの選択肢のうち,1~3 を選んだ対象者を「理解(納得)度低」群とし,4~6 を選んだ対象者を「理解(納得)度高」群として,年金制度に対する

理解度(納得度)を年金クイズ全 10 問について点数化した 15

そして,最高点である 10 点を獲得した層とそれ以外の層,すなわち,年金制度に対して

十分に理解・納得した層と十分には理解・納得していない層で,年金制度に対する信頼度

に差が出るかを見た。ウィルコクスンの順位和検定で見たのが表 8 である。表 8 を見ても

。なお,各クイズの理解・納得

度を図にしたものが,図 5 である。先の表 3 にあるQ6,Q8,Q9,すなわち,本人が支払

う保険料と将来的に受け取る年金額,納付率と受給額の関係,賦課方式に関しての解説に

対して,理解・納得した者が少なかったようである。

15 「理解(納得)した」場合に 1 点,「理解(納得)できなかった」場合に 0 点を与え,全 10 問について合計

した。合計は最高で10点となり,最低点は0点となる。ちなみに,最高点から最低点まで,回答者の度数

分布は以下のようになる。 点数 度数 パーセント

0 17 0.71 14 0.52 32 1.23 47 1.84 76 2.95 142 5.46 186 7.17 212 8.18 320 12.29 409 15.7

10 1158 44.3合計 2613 100.0

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分かるとおり,年金制度に対する制度信頼度は,回答・解説について十分理解(納得)した層

の方が高く,有意水準 5%で両者の間の制度信頼度に差があると言える。

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

Q1

Q2

Q3

Q4

Q5

Q6

Q7

Q8

Q9

Q10

理解(納得)した。 理解(納得)していない。

図 5 設問別の理解度(納得度)の分布

表 8 年金制度の理解度(納得度)別の制度信頼度の差の検定

理解度納得度2分類 N 平均ランク 順位和制度信頼度(2回目) 理解度・納得度低 1455 1140.34 1659198

理解度・納得度高 1158 1516.4 1755994合計 2613

順位

制度信頼度(2回目)Mann-Whitney の U 599957.5Wilcoxon の W 1659197.5Z -13.438漸近有意確率 (両側) 0.00a. グループ化変数: 理解度納得度2分類

検定統計量a

表 9 年金制度の理解度(納得度)点数の制度信頼度の差の検定

理解度納得度 N 平均ランク制度信頼度(2回目) 0 17 796.79

1 14 892.932 32 951.773 47 865.784 76 939.535 142 951.266 186 1029.787 212 1087.998 320 1187.769 409 1352.67

10 1158 1516.4合計 2613

順位

制度信頼度(2回目)カイ 2 乗 255.243自由度 10漸近有意確率 0.000a. Kruskal Wallis 検定

b. グループ化変数: 理解度納得度

検定統計量a,b

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これに加えて,理解度・納得度を二値分類せず,点数ごとに制度信頼度の差を見たのが,

表 9 となる。検定方法にクラスカル-ウォリスの検定を用いた。表 9 を見ても分かるとおり,

理解度(納得度)のスコアが高いほど,年金制度に対する信頼度は平均的に上昇しており,5%有意水準で,有意に差が出ていることが分かる。 6. むすびにかえて

以上,本稿では,年金制度に関する正確な知識の獲得が年金制度に対する信頼度を回復

させるかを見てきた。ここでは,本稿で得られた結果についてまとめ,本稿の結果が持つ

政策的インプリケーションと今後の課題を述べることでむすびとしたい。 2010 年 1 月と 3 月に実施された RISS 調査の分析の結果,全体的に年金制度に対する信

頼度が低下する中で,正確な年金知識の獲得は,年金制度に対する信頼度の低下に一定程

度の歯止めをかけたことが確認できた。年金クイズの正解と年金制度に関する解説を表示

した群とそうでない群との間で,年金制度に対する信頼度に有意な差が見られた。また,

年金クイズの正解と年金制度に関する解説を付け加えた群の中では,解説に対する理解(納得)度が高いほど制度信頼度が高まることを確認した。 先に述べたとおり,一般市民が,年金制度に対する熟議という形で政策決定過程に参入

する場合,年金制度の学習・熟慮は欠かせない。年金制度の複雑さという点もあるだろう

が,本稿で年金クイズの正答率を見ると,調査回答者の年金制度に関する知識が不足して

いる感は否めない。年金制度に関する十分な理解なしに,年金制度の本当の問題点はみえ

てこないであろう。これまでの研究蓄積において指摘されているように,年金教育や年金

制度に関する体系的な情報の普及が政策上重要になると思われる。 本稿では,1 回限りの年金クイズを出したのみで,また,設問数も 10 問で,年金制度に

対する信頼度が回復するのかを見た。これは,年金教育や年金制度に関する体系的な情報

の普及という点では不十分であろう。調査対象者が理解(納得)するまで,様々な年金クイズ

を複数回にわたって出し続けた結果,年金制度に対する信頼度はどうなるか。この点の分

析は今後の課題としたい。

【参考文献・資料】

[1] 石田重森(2007)「大学生に対する年金セミナー」,『週刊社会保障』,Vol.61,No.2420,pp.30-31,

法研.

[2] 厚生労働省ホームページ【http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000003sa6.html】

[3] 厚生労働省『平成 20 年国民年金被保険者実態調査』

[4] 駒村康平(2008)「公的年金に対する国民の知識・評価に関する分析」『年金と経済』,第 25 巻第 4 号(通

巻 100 号),pp.36-47,財団法人 年金シニアプラン総合研究機構.

[5] 坂口正之(2005)「年金教育と情報提供の充実」,『週刊社会保障』,Vol.59,No.2348,pp.46-49,法

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研.

[6] 佐々木一郎(2007)「年金未納行動と親の影響」,『ファイナンシャル・レビュー』,平成 19 年(2007 年)

第 1 号(通巻 87 号),pp.100-118,財務総合政策研究所.

[7] 佐々木一郎(2008)「若者と年金問題」,『保険学雑誌』,第 603 号,pp.69-86,日本保険学会.

[8] 四方理人・村上雅俊・駒村康平・稲垣誠一(2010)「国民年金保険料の未納・免除・猶予・追納の意思

決定についての分析」,『RCSS ディスカッションペーパーシリーズ』,第 105 号.

[9] 盛山和夫(2007)『年金問題の正しい考え方-福祉国家は持続可能か』,中央公論新社.

[10] 都村敦子(2006)「学校教育における年金教育」,『年金と経済』,第 25 巻第 1 号(通巻 97 号),pp.4-12,

財団法人 年金総合研究センター.

[11] 文科省政策創造エンジン熟議カケアイ【http://jukugi.mext.go.jp/】