rプログラムも使えるjmpの活用法 ~ノンパラメトリッ …...10 機能仕様...
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Rプログラムも使えるJMPの活用法
~ノンパラメトリックDunnett型多重比較(ジョイントランキング法)の場合~
○原茂恵美子、佐藤拓哉、篠津和夫、佐藤耕一
(株式会社タクミインフォメーションテクノロジー)
要旨:
ノンパラメトリックDunnett型多重比較はJMPには実装されていない。JMPスクリプト言語には、関数が存在するが両側のみである。両側、片側検定を完備したノンパラメトリックDunnett型多重比較のアドイン開発の事例を紹介する。
キーワード:JMP, JSL, アドイン, 非臨床
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■目次
1. 背景
2. 機能仕様
3. 目的
4. 方法
5. 検証
6. Demonstration
7. まとめ
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■目次
1. 背景
2. 機能仕様
3. 目的
4. 方法
5. 検証
6. Demonstration
7. まとめ
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■背景
創薬研究 非臨床試験 臨床試験 審
査
JMP, SAS SAS 解析ソフト
非臨床におけるJMPニーズの高まり
① グラフとの動的な操作性で、探索的な解析が可能
② ノンプログラミング
… JMPはSASに比べて解析手法が少ない
非臨床試験で必要な解析手法を実装できれば、
さらにJMPのニーズが増える可能性
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■背景 探索的データ分析ソフトウェア:JMP
ドラッグアンドドロップで 探索的解析
JSLによるカスタマイズ
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■背景 探索的データ分析ソフトウェア:JMP
ドラッグアンドドロップで 探索的解析
JSLによるカスタマイズ
① JSLの利用
② JMPからRのコード実行
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■背景 ある日、ラボにて…
ノンパラメトリックDunnett 型多重比較(ジョイントランキング法)
を使いたいわ!
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■機能仕様
ノンパラメトリックDunnett 型多重比較(ジョイントランキング法)
要因が2群以上の場合に、対照群とその他の比較群の間に差があるかを順
位データに変換して比較する。本手法では、検定の初めに全群に対して元データの順位データへの変換を行う(ジョイントランキング法)。多重性の調整
方法として、Dunnettの方法を用いる。
セパレートランキング法 ジョイントランキング法
群間比較を行う組み合わせごとに順位データに置換。
例)A1群とA2群、 A1群とA3群…
検定のはじめに全てのサンプルを対象に順位データに置換。
→ Steel検定
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■機能仕様
ノンパラメトリックDunnett 型多重比較(ジョイントランキング法)
要因が2群以上の場合に、対照群とその他の比較群の間に差があるかを順
位データに変換して比較する。本手法では、検定の初めに全群に対して元データの順位データへの変換を行う(ジョイントランキング法)。多重性の調整
方法として、Dunnettの方法を用いる。
セパレートランキング法 ジョイントランキング法
群間比較を行う組み合わせごとに順位データに置換。
例)A1群とA2群、 A1群とA3群…
検定のはじめに全てのサンプルを対象に順位データに置換。
→ Steel検定
■目的
Steel検定なら
あるけれど… 両側なら
あるけれど…
ノンパラメトリックDunnett 型多重比較(ジョイントランキング法)で
両側検定も片側検定も使いたいの。
JMPでどうにかならない?
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■目的
(1) JMPに搭載されていない「ノンパラメトリックDunnett型多重比較(ジョイントランキング法)」を組み込む
(2) JMPの既存手法と同様に簡単なマウス操作で解析を実現する
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■目次
1. 背景
2. 機能仕様
3. 目的
4. 方法
5. 検証
6. Demonstration
7. まとめ
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■方法 解析手順
(1) ジョイントランキング法による順位データの算出
(2) 浜田・岸本 (1995) よりZ統計量の算出
群ごとのデータ数、平均順位及び、全順位データに対する分散を算出。
DATAステップで対照群(第一群)と比較群の間の検定統計量Z1jを求める。
算出式は以下の通り。
)11
(1
1
1
nnV
xxz
j
j
j
で算出した分散Vは
群のサンプル数は第
群の平均順位は第
)2(
jn
jx
j
j
浜田・岸本 (1995) SASによるノンパラメトリック多重比較. 計算機統計学会, 8, 1, 83-89
Yoshida, M. (1988) Exact probablities assiociated with Tukey's and Dunnett's multiple comparisons procedures in imbalanced one-way ANOVA. Journal of
the Japanese Society of Computional Statistics 1, 111-122
JSLで算出
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■方法 解析手順
(3) 浜田・岸本 (1995) よりP値の算出-1
次式により、λ2, λ3,・・・, λkを求める。
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NN
N
31
33
NN
N
k
kk
NN
N
1
)( :第k群の例数kN
浜田・岸本 (1995) SASによるノンパラメトリック多重比較. 計算機統計学会, 8, 1, 83-89
Yoshida, M. (1988) Exact probablities assiociated with Tukey's and Dunnett's multiple comparisons procedures in imbalanced one-way ANOVA. Journal of
the Japanese Society of Computional Statistics 1, 111-122
, , ・・・,
JSLで算出
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■方法 解析手順
(4) P値の算出-2
浜田・岸本 (1995) SASによるノンパラメトリック多重比較. 計算機統計学会, 8, 1, 83-89
Yoshida, M. (1988) Exact probablities assiociated with Tukey's and Dunnett's multiple comparisons procedures in imbalanced one-way ANOVA. Journal of
the Japanese Society of Computional Statistics 1, 111-122
検定の
方向
検定
統計量
調整済みP値 棄却限界値
下限 上限
両側 z1j Dunnett P Value( abs(Z1j) ,
nTrt , . , lambdaVec )
Dunnett Quantile( 1-alpha , nTrt , . ,
lambdaVec )
下側 z1j
左記の式にて計算を行い、指定した有意水準にもっとも近い値を出力。
-
上側 z1j
- 下側と同様
dyy
yk
j j
jj
12
1
1
z)(
dyy
yk
j j
jj
12
1
1
z)(
nTrtは比較群の数
lambdaVecは相関構造を表すパラメータのベクトル
は標準正規分布の確率密度関数
は累積分布関数
)(x
)(x
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■方法 解析手順
(4) P値の算出-2
浜田・岸本 (1995) SASによるノンパラメトリック多重比較. 計算機統計学会, 8, 1, 83-89
Yoshida, M. (1988) Exact probablities assiociated with Tukey's and Dunnett's multiple comparisons procedures in imbalanced one-way ANOVA. Journal of
the Japanese Society of Computional Statistics 1, 111-122
検定の
方向
検定
統計量
調整済みP値 棄却限界値
下限 上限
両側 z1j Dunnett P Value( abs(Z1j) ,
nTrt , . , lambdaVec )
Dunnett Quantile( 1-alpha , nTrt , . ,
lambdaVec )
下側 z1j
左記の式にて計算を行い、指定した有意水準にもっとも近い値を出力。
-
上側 z1j
- 下側と同様
dyy
yk
j j
jj
12
1
1
z)(
dyy
yk
j j
jj
12
1
1
z)(
JSLで算出
Rで算出
■方法 実装
JSL
JMP R
R コード R コード
Rの起動、
パラメータや
データテーブルなど
Rでの算出結果
① JSLの利用 ② JMPからRのコード実行
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■方法 Rで作成した片側の場合
Rでステートメントを実行
Rのコードを記載
JSL
R
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■方法 Rで作成した片側の場合
Rからデータを取得
Rを終了 JSL
R
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■目次
1. 背景
2. 機能仕様
3. 目的
4. 方法
5. 検証
6. Demonstration
7. まとめ
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■p値と棄却限界値の検証
SASのPROBMC関数による算出結果と比較
PROBMC("dunnett1", q, prob, df, nparms, parameters)
平均値の多重比較を行うために各種の分布から確率または分位点を返す
片側検定:SAS 9.4とR 3.1.0
両側検定:SAS 9.4とJMP 13
テストデータ例
4群:
対照群25例、低用量群22例、中用量群23例、高用量群30例
■検証結果例:上側検定
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Software 上側判定 棄却限界
Group1 Gruop2 p値 α =0.05 下側 上側
SAS 9.4 低用量 対照群 0.39308 - 2.06273
中用量 対照群 0.03913 * - 2.06273高用量 対照群 0.00543 * - 2.06273
R 3.1 .0 低用量 対照群 0.39308 - 2.06273中用量 対照群 0.03913 * - 2.06273高用量 対照群 0.00543 * - 2.06273
一致 一致
■検証結果例:両側検定
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→ 片側検定、両側検定ともに解析結果に問題はなく、
SASと同等の利用ができると判断
Software 両側判定 棄却限界
Group1 Gruop2 p値 α =0.05 下側 上側
SAS 9.4 低用量 対照群 0.74095 -2.34947 2.34947
中用量 対照群 0.07825 -2.34947 2.34947高用量 対照群 0.01087 * -2.34947 2.34947
JMP 13 低用量 対照群 0.74095 -2.34947 2.34947中用量 対照群 0.07825 -2.34947 2.34947高用量 対照群 0.01087 * -2.34947 2.34947
一致 一致
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■目次
1. 背景
2. 機能仕様
3. 目的
4. 方法
5. 検証
6. Demonstration
7. まとめ
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■目次
1. 背景
2. 機能仕様
3. 目的
4. 方法
5. 検証
6. Demonstration
7. まとめ
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■まとめ
① JSLの利用
② JMPからR言語のコード実行
• JMPに搭載されていない「ノンパラメトリックDunnett 型多重比較(ジョイントランキング法)」をアドイン開発した
• JMPの既存手法と同様に簡単なマウス操作で解析を実現した
JMPのメリット
1. 搭載されていない手法の開発が可能!
2. 操作性も問題なし!
3. 既に存在している他言語のコード資産を利用可!
JSLを利用すると…
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ご清聴頂きありがとうございました。
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