犬におけるretrocaval ureterの1例

誌名誌名 日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association

ISSNISSN 04466454

著者著者鈴木, 健太三品, 美夏渡邊, 俊文

巻/号巻/号 64巻4号

掲載ページ掲載ページ p. 306-309

発行年月発行年月 2011年4月

農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センターTsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research CouncilSecretariat

|短報|

犬における retrocavalureter の 1 例

鈴木(述太 " -= 3.::'.>(:下弓 ~ ， n 日吉泳三五ι 波遁俊文:!1↑

1)千葉県 IJfJ 業(lllli ケ 111~i どうぶつ病院: 〒 299-0118 diJJjlih相手I!1124-1)

2 ) 附~;(Ij大:学ド付属動物病院(〒 2 52-5201 中1:1悦1J;(Tlil.I.'火区i!::間二辺 1-17-71)

(2010 {H 月J21:1 '.五1，J'. 2010年11JJ 1ト1'.::UjJ!)

要 約

5成m;'i， liJí のキヤバリア・キング・チャールズ・スパニエルが心精子長のため本 [:jしを受診した.各検1t~:ff来から心臓に

典'iitは認められなかったが，L日1!IJの水lj苛・水尿科・が認められた. }也古 í!主・ i'iJr !脈tU，]と路j主 ;;~'~1if!1t をわーったものの， JJ;U失j心

の保定には主 らなかったため，試験IRJJj包を尖施した. Ij~J!J主所見としては， KI尿管が後ブciHrlJ!氏の背il!lJを通過した後， I反転

し後大M!J)j(のliiITWを71::行していた.以上の所見から本列:jý~ を 1r:i1[lJ の retro caval ureter (人医学JIJMiにおける下大i'ii'r!J)j(後

収包) と罰金件げした.一一キーワード.犬， 邑|、大前十郎氏後尿管.

一一一一一一 一一一ー 一一一一一一一一一一一一一一 一一一一一一一一ー 円以会誌 64，306-309 (2011)

人|み1学における下A.i'jJr!派後!ぷ管とはー1")C!'所!派の発 ~ I :)J日

常にflう以ri:の走行42'市である [1-5].人における 1;大

ì1'rr!J)j(は犬の後大 l'iMJ氏に相当する.本j~~':J\、はJjtì ~UlJJ におけ

る i'" 大t'jJrJj)長の党公~lÞS'iW に 1包 1'.、|し，人で:' li その発生機!ナ;よ

りほとんどが右iJ!lJに発止する.ま た尿管の変位を伴うこ

とで杭先的に水'j'}. ;;Jd;j:と ~í~;・を引き起こす先天'I~I の決jLiで

ある [3，5 ]. 本 1j~':1ιの発~I:. は非常にまれであり.人にお

いての，:':I~告 は 350 例私自皮と少なく [6， 7].またよにおい

ても過去 1fYIJ N~告されているにすぎない [ 1 ]. 今回われ

われは犬において iご大i'i'ir1lIj( 1& !，]Z 'i・1とIfiJt(:のJ;j(:f:ir:の走行弘

常を試験IJ~J Jj主にて ;診断する機会を得たのでその概~.を仰

告する.なお獣医学f;t[J止における本扶忠は以後 retro-

caval ureterと表記する.

症 例

Jù' 例は 5 政 iq~ì. W lu:l4 k g. ldiのキャバリア・キン

グ・チ ヤールズ・スパニエルで近1みにて心拡大を指摘さ

れ心IJ成中市千正を lヨ (1なとしてオζ I~}'Iしに相介された.

本院初診H寺 (第1病 U)は;l!l.[;症状であり.手術既往l黙

としてtï:f!!lJ の J:::':A摘 11'，が災仰されていた.右側は版!t:~1勾

停官庁普段丸で摘出されていなかった. ー・自立身体杉tfrにおい

て41記所見は認められなかった. 会Ifll球算定で44常は認

めず. Jffl液生化学検有でも ALPの卜.!fI. (l907U/l) 以

タトに l;'i~. 'l;t-は?itめられなかった (BUN: 24.4mg/dl，

Cre : 0.6mg/ dl).

さらに心臓精炎のため，胸服部X紘・胸部超音波・心

↑述給責任者'波法俊文(麻布大学I;(t!t!¥動物病院)

';\1 1きI fifl1ì'を行ったところ， 心)J~~は .ïJ-:'i:\' W!i I!JI/)~ と 診断され

たが，円内に X線不透過性の災物が尚一 !I，立されたため，

ALP {if[J'.1i'の鑑別jも合め服部組音波検公とほ総何千jっ

た. Jj担 j"ilí ，也 高 波+if~:rf で、は， )JII誕 ~;rの不終が{泊・認され. さ

らに1，:'jザ:11:とL，:JIJ('i:i・のj)l:0M折見を認めた. JJjHif~1ì'では以

lli /'-1 (3 + ). )ノメ沈iftで‘は亦IfIリJと少;;!:の移行上皮を認め

たが.品fill71や高1111品|は認めなかった. またJjj(比1li:は1.035

以|と正常であった..l-:.uょの検査結以から，後 LI'I1i内』博

物除去と左iJ!lI水腎・水以Y'ì: に刻する 1'i~i1ì'を指示 した.

tf~ 5 :Jf!.) 1:1 i.i!'例はill米|出し， !J主{ti!)l¥i.純X~~íl ・!J主計日 7出 ~'!i'

j皮・ i~nr !J)j(tuポ路j立 lj:-:~検査を行った主Jj[;斉Ijにはイオヘキ

ソール (オムニパー ク300，約ーごJ七時半1，東京)を

2ml/kgにてjWI!l!j(1人.J1;t与した. )J紅白lí lìi*，~x おM~:rì'では，

11111内にxi7A不 j歪j品 I~i?肢が変わらず;認められたが，それ以

外に災常は認められなかった. Jj反 ~~: I) jtii':(Ij' j.皮検jftでは，メL

li?司1・ と尿管のjJl:~l<ミ を iitめ.近位以符符は 7.2m l11であっ

た.また j}l:~R した!ノr1(:('1:は ~.t!il)大動脈に近終し走行 してい

たが. ):r:， iJ!lJへのスキ ャンにおいて途1'1'からiNi!I'tI昼間ji，とな

った (1支11). IJ完l此開口 ;\ Ií{，j 近における以行の1Jl:~k所見は

認められなかった.イーlliifのfilJiuは]1-:常て、あった.j'jjr)J!削t

尿路造 1;~-; で、はZCiifずJ のtJl: ';J~ と L4-5 付近までの近位以科-

1J1: ';l~がiiE、め られた.ラテラル像にて L4 尾 il!lJ l\'I日立にて以

管の|却fiiiIf象が係認され， その前後から徐 に々キ111くなるiYi

見がT泊~~?!.された (@2 ) . VD f象ではJjj'<.管が同部位におい

てやや内似IJに移行するiYi'比をiif、めるものの，第5INHfj;航

突起と :m桜しIYj硲な走行 Ivr見は符られなかった.また尿

干25:2-5201 相模以 rj'j'I' 火 l亙 ilHl~f辺 1 1i-il ~ 042 -ï54 -ï111 FAX 042ーi69-2418

E-ll1ai1 : watanabe@azabu-lI.ac.jp

日以会弘、 64 306 -309 (2011) 一一-306一一一

鈴木健太ごdlI美夏波法俊文

[1<[ 1. Lt:尿ijミの必・品，ii主IYr凡 (第5がiド1)II : 1.正尿免除

jlaY=fからJ仏政したJ;J.;告を!己1I!i[へtNi11'，すると.友好とtlがJ1:".'.;K'ーよりも 大切~JJ 長 lこ近い{立 li~r を ;l行する i;j; j立が同=訟

できた また矢DT1(マ)より J:(f¥!lli'i[;位でj示符を{iM認す

ることはい、|難であった.

[ ~12 所 11 氏↑"[:J'Jと路:ìD: );;';T好見 (第511Ajト1.]<U象)

布 1'1主|は矢印(↑)の拡大 [~I

ムでiJNまれたj;[;{立:Lï: 'i~f ~!.;'・ ↑・ 1，:JjJ<. ii:i' m ~Ä. ii[; 1占.MIi，-告が IA-5 までtl1:iJJ~ .蛇ねしたねしているのが

附;Eできる. さらに矢nl(↑)のj;[;1占にて以告の|析liii

f~ がf，'!I: ~r. され.その J，(; f!!ll から f会々に剥11 くなっている

fド:~:の 1)(7p f'i 11位と忠われる位置で.半lij イ了 や外的J]:J自を疑う

fYiμは記、めなかった.さらにL，:~-i )~( iì~ì: は!万;;/1光三 ffJ ;:i:11のiF

'l;~' な f立 i世に 1m 口していた.

以上の検資所見よりオーナーと 1tl f;~~した結来，まずいl

悦鋭にて山内典物除去を尖施し， 1.;盟間後に右)11I!J':';内仲

間取丸摘1+'，とた水腎・水!尿京也管Pの j旅j片以i京o疾j丸~，:I忠よ

均験失IJ件川州;日削l打)J院主を行行.うこととなつた.

術中所見:1 ;0l lliJ後(第 ll :JM F[) 出例は ~IJ 来院し，

ii>~.1政!日1)1主と)J却l主内伴引率J.L摘1.1，'，を災胞した.

11~;IWはアトロピン (アトロピ ンイifrcNUíllUì:O.5mg ， ITIJll

こを製楽似，).大阪)O.025mg/kg SCにて前投与し，プ

ロポフオール(ラピノベット，シェリング・プラウア

l主[3 試l労WfJlI担1I!iのん二以符のjと行

*:後大MIJI民+: L王将.矢口[1(→): 1.，瓜Ui~ì'の走行.

ニマルヘルス(附)6mg/kg IVにて導入した.その後.会L

t;:伸行 しイソフルラン(イソフル.約円本1t友製薬~~，)，

大|坂)のl吸入麻酔で紙日した，

手術は 1II1 I:U， 1立にて I~~1じし， )JUi:i:111ヒ11'切!日!により IJfl)JU，

悦貯の刊行恥のためIm!iリ器にで1I:1i'1');'，'11111を鉱山したところ

カ: litf の)J前ブ、をji{ri i i!.!. した.腎 I"J;'j: líの以符は j}1;~H . lj(立行し，

J宅 í[[llへ追うと -tJlÆ~ した以:I'~: が|人Jfl!11 に変υ し後大 i'iJl!JJR l'f i[[ll

と大切~!JJ氏 )1包 í[[ll の 1111 を通過していた.その後以行は，後大

前)J反政i[[lJI自lへ反'11.;、 L，外i[[ll方[i'Jへと走行していた(j主|

3) .この (1，:1)位で、尿包-は後大~nl)J)長を外背í[[l)から内)J!lf[[Ilへと

巻き込むよう走行しその後はWí. t;-!J学的に l正常な位 I;~i:へ

と反り IWll光='ffJ庁1¥に終始した.ノj(ほうまは後大I'JjI)j)氏の背il!11

に入り込む ;'~:I)位まで ii(!'認され，後大î'iYI !JJR の)J!lil!ll白1¥以降で

は JE'tt~.であった.術'1 1 ， 1)グ作首11以降でも以:(i:の%1，l:IUJJlli動

はfr'IH認されたため木手術ではJ!!ri処 H';I: としイ'-j )J担)J~:.;内 ff;117

司:けしのみ摘11'，した.また他の服部臓器にlりIらかなiz'j;?は

認められなかったため 1~1)1担とした.

以上のiji見から本~;I:Wリを l，:í[[lJ の relrocaval ureterと

日会|析した.オーナーには本扶忠が先天性の保管走行興'ii?

であること，今後;J(腎1a'のj並行に1:1':し、I(ff:夜能が恐イヒする

可能性があることを ~!~lljJ し，治療として)足首・の外科的4往

復を蛇アJえした. しカか、し王珍現i礼u凶;(右~I乞Ulじιυ:，1ゴJ飢!i

不科科lト，処i世泣は希2塑イ担{されずず、終j過曲;ω矧tll記然千を千わIうこととなつた.

考 察

犬の後 Ai'iYIIDRにf:j'-う先天'1ゾ|扶忠には retrocaval

ureler .後大静)j)Rの欠如1(i'f]・静脈への述絞)・霊後後大

)'111)派 ~~~.;が Ni告されているが.いずれもその発生頻度は低

くまた'1'には臨床的意義の少ないものも存在するため.

先天性心疾辺、や!日j大 ì'iïl )J)Rの先天tl: tí~辺、と比較すると.~~

的ではない [8，9]. retrocaval ureterはわれわれのま11

るかぎり犬でKi!!lJ，1ù'i て、 ;(:îí!!lJ の発~I:，が iiJj外で、各 1 Wtlずつ

↑肘i;されているのみで， III内での発生訓告は認められて

一一一307一一一 日 :ì:Äi~ it ~:、 64 306 -309 (2011)

犬における retrocavalureterの1lylJ

2

(a)

2

u u

1 : ;til去二七百iト)J依l' : Lバ灸」二紛JJlfc

2 イヨ主TI1lり派

2' L己主下静JJIj(

1主14 後火古i'JJlfcとretrocavalUI・elerの発L七t1St(a) )J台児j引初期!の3:Xずの!日(，!vj(系

(b)後大iII'JJJfcTE常発生

(b)

2

3・{i主 Lfii'脈

:3': Uミi.:J二古手JUfc

u ・;{iIJR管

u'・Zに尿f詰

(c)

k :布刷版

k' :左l符)版

2

(c) T大静脈後l示包ーの発生|豆1: 腎!臓か ら)J引~J' T静脈まて、の領械における後大静脈が本来は;(-ï :1:.下静JJlj(がTE'l'に移動し形成

されるのに対し， ヰi後ミ1::静)J民が形成している.そのためjぷ告を巻き込み走行位置の奥7告が伴っている.

いない [1，2].

retrocaval ureterは後k静脈の発生に伴う先天性の

以~，~;・の7主行ihL常である. JJ台生WJにおける後大静WRのJJ臼彰

成は， 3対の静脈l吻合を十pう緩会Ifな過程で)1予j反されてい

る. 後主j!jï~IJIR .がrl1'1苛の背1l!1J ~WfXに最初jに現れ，その

後白主下静Jl応と・主上i!所IJIR'が発生する.この3対の

静脈のうち，右側の i'jj'~IVR系が正 ' .1' に移動・吻合 し後大静

IVRを形成する.正常な発生で、は後大静脈の腎臓より Wi側

音Ilf立を主下静脈， ii削減から脇件静IJIR までを ミiミよ í'i'í~J抗)防

官官ï~IIIR を後主古'í~IJIRが形成するといわれている.この|探右

ミt上前l派は腹古IlíE 'l lへの移動 II~J・ に尿管の走行 に対し ;j:';~~

を与えない. しかし右後主静脈が後大j~URの li奇 -IJ易甘静

脈領域を形成する場合， 右以管を|人11l!1J方II1Jへと変位させ

るといわれている(図4) [2-5].現在この発生機j宇の

枠組1は， 完全には解明 されていないが，人や犬で、は右1l¥1J

の静IJI氏系から発生すると いう点では同ー の見解である

[3-5].そのため人ではその発生機序か らl村山政逆位など

の特殊な例を除き.ほとんどの症例が右側に発生する

[2，4-6，9-11]. しかし犬 におけ る過去の 報告 1例と本

杭例では，ともに左側における発生であった.この2例

の左側における発生要凶は現在のところ不明で、ある.

また人では. 下大静IIIR後尿管の約 20%で先天性心jj~

忠・先天性淀、以器疾患 ・子tJfi1.il:.尿道下裂・過剰服役と

いった他の先天性疾患を併発すると報告されている [2，

7， 8].過去に報告されている犬の l例では門脈体循環シ

ャントをiJHをしていたが， 本i.il:WUで、は心j丈一忠も含め!J長)庄

内{-*:f.tt率九以外に呉常は認められなかった.

人における本が疾J乙，忠i止よ

初j刻則q引lに!J脇M防協伽is弘:IJI州¥!J版l血反幻財;引術il訂uや11問i日川lりj欠的なI胤h飢l尿をiJ併j月片f:一発する杭j度主で， 診断同

年齢は 30-40代が1:1"心であると被告されている [2，5，

6， 11]. 本症例でも診断JI寺の年齢は5歳と 1:1"年齢であり，

またJIlLI;}となどの泌尿器疾辺、を示11去する症状は認められな

かった.そのため本決忠は先天性疾忠であるが， 徐々に

進行する ことが予測され， 症状は/J(腎・水尿管の重症l主

により呉なると考えられた.

人医学における本f失忠の診断には， CT およびì~Y~脈性

liFと路造影における S 字 . あるいは ι~J り針， ;Ikの内仮11

に逸脱する尿管走行が特徴的であると いわれている (6，

7， 10， 11].本症例では，超音波検査にて拡張した以管

が大動IJI長に近政し，また古川氏tl:尿路造影では尿管が内似IJ

に迫~IJìí した後徐々に捌くなる所見が認め られた.これら

の悩像所見は本決忠、のjfj!f剖学的走行 と一致し， 診断H寺に

有mな所見であったと考えられた.また本症例では実施

しなかったが，以管走行の32常を検出する l二で、 CTも本

疾jtiの銑)JIJに有効で、あると考えられた.

しかし本疾患の確定診断には試験問腹が重要であると

考えられ，開IJ反下では目視下における尿管走行のf(1認と

外科処置を同11¥;'に笑施することがIIJ能である.外科治療

としては.指:忠似IJの腎1.JPi世能を認める|祭には以管の走行

雄復が有効と考えられる.

犬 における retrocavalureterの報告 はわれわれの知

るかぎり 本邦では初めてで非常にま れな疾忠である. 占'E

;Ikは!!正症状のことが多く， 診断JI奇の年齢によりその症状

が変化する ことが示唆された.そのため早期発見が院はu

1:1獣会誌 64 306 -309 (2011) 一一一308一一

鈴木健太 三品美夏 i皮逃俊文

であるが並行に伴い水ljrf症を引き起こす可能性があ

り，臨床上孟裂ながJ忠であると考えられた.

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Retrocaval ureter in a Dog

Kenta SUZUKIてMikaMISHINA ancl Toshihumi WATANABE j

* Anegasaki Animal Hospital， Siizu 1124-1， Itihara-si， 299-0118， Japan

SUMMARY

A 5-year-olcl， male Cavalier King Charles Spaniel was referrecl to our 'hospital for cletailecl carcliac examina

tion， No abnormality was founcl in carcliac tests， but there was eviclence of left-siclecl hyclronephrosis ancl

hyclroureter. As a primary clisease coulcl not be cleterminecl by ultrasouncl ancl intravenous urography，

exploratory laparotomy was perforl11ecl. Laparotol11y revealecl a left ureter passing clorsally to the cauclal vena

cava ancl then turning towarcl the ventral aspect of the cauclal vena cava. Frol11 these finclings， left-siclecl retro-

caval ureter was cliagnosecl.一一-Key worc1s : canine， retrocaval uretel

↑ Correspondence to : Toshiβt1l1i WATANABE (Department 01 Neplztology and Urology， Teaclzing Animal Hospital， Azabu

Ulliversity)

1-17-71 Fuchillobe， TyulIoll-ku， Saga171ihara， 252【 5201，Japan

TEL 042-754-7111 FAX 042ー769-2418 Email.ωatalzabe@azabu-u.ac.jp

]. Jpn. Vet. Med. Assoc.， 64， 306 ~ 309 (2011)

一一-309一ー一 1:1 j戦会誌 64 306 -309 (2011)