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最適レギュレータ (最適フィードバック)

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Page 1: 最適レギュレータ - 岡山理科大学shiwasu.ee.ous.ac.jp/control/SR.pdf · 状態変数 とおくと(状態変数に誤差を選んでいる) 状態方程式 出力方程式

最適レギュレータ(最適フィードバック)

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評価関数評価関数:制御系の応答の良さを定量的に評価する関数

例:過渡応答の評価

どんな過渡応答が良いか1.整定時間:短い2.オーバーシュート:小さい3.誤差2乗面積:小さい→最適レギュレータ

整定時間

オーバーシュート

誤差2乗面積

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評価関数評価関数の例

評価関数の条件:最小値が存在すること

:極小値が存在しない場合があるので、不可

←最もよく使われる

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例題2次系:下の図12.3

減衰係数ζの値を変えて、5種類の評価関数の値を計算→図12.4

評価関数によって、最小となるζの値が異なる。

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微分すると となるリャプノフ関数を求める。このPはリャプノフ方程式

このとき、誤差2乗面積は

より、 で計算される。

線形系 出力 について、誤差2乗面積を計算する

誤差2乗面積の計算

5

オーバーシュート

誤差2乗面積

xx A xy CdtyyydtJ m

T 222

0

21

0

yy

)0()0( xx PJ T

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例題1右下図の系に単位ステップ入力が入るとき二乗誤差面積を求めよ。また、これが最小になるようにζの値を定めよ。

(a) r(t)からe(t)への伝達関数を求めよ。(b) r(t)=単位ステップ入力、e(t)=出力とする、状態方程式を求めよ。

とし、状態変数を(c) 単位ステップ入力が入るときの二乗誤差面積Jを求めよ。状態変数の初期値 とする。(d) Jが最小になるようにζの値を定めよ

左の制御系にステップ入力r(t)が入るときの誤差2乗面積 を計算

0)0(,0)(,1)0( rtrr

0)0()0(,1)0()0( 21 exex

)()(),()( 21 tetxtetx

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状態変数 とおくと(状態変数に誤差を選んでいる)

状態方程式 出力方程式

よって、 、 で、リャプノフ方程式は

これを解いて、

よって、誤差2乗面積は

ステップ入力よりx1(0)=1,x2(0)=07

線形系の例題

xx 011 Cxe

00

2 dtCCdteJ TTxx

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初期状態 、ステップ入力のとき、

J

に を代入して

誤差最小のζを求める

より ζ=0.5の時,誤差が最小

8

線形系の例題

0)0(,1)0()0( 21 xex

0)0(,0)0( cc

ςςJ

4

1

ζ=0.5

ζ=0.2

ζ=1.0

ζ=2.0

04

14

4

11

2

2

2

ς

ς

ςξd

dJ

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評価関数の計算法

制御対象状態フィードバック

閉ループ系

入力r=0のとき

評価関数

フィードバック入力 を代入

(12.1)

(12.2)

(12.3)

(12.17)

(12.18)

(12.17)

0

dtQTxx

WKWKCCQ TTT

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評価関数の計算法閉ループ系

評価関数

フィードバック入力 を代入→評価関数

第4回の講義で、と置き換えると、リャプノフの方程式

評価関数

評価関数値が最小となるK→最適フィードバック

(12.17)

(12.18)

(12.16)

WKWKCCCC TTTT BKAA

CCPAPA TT

WKWKCCBKAPPBKA TTTT

(12.19)

(12.20)

(12.21) 0xx PT

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最適フィードバック評価関数

評価関数値が最小となるK→最適フィードバック

評価関数:初期値x(0)に依存→これを最小とするゲインK:初期値に依存するように見えるが実際は、初期値に無関係の定数行列となる。

ある定数Kによって、最適フィードバックu=-Kxでいつも、評価関数Jは最小となる。→最適なKの求め方:行列リカッチ方程式

(12.21)

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例題2制御対象:図12.5

初期値:x1(0)=1、 x2(0)=0

評価関数 (1)

最小とするフィードバック係数k1、k2を求める。状態方程式

状態フィードバック

係数行列

(2)

(3)

(4)

xK

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例題2評価関数の計算

係数行列

リャプノフ方程式の解を

とおいて、リャプノフ方程式

解くと

(6)

(12.24)

(7)

(1)

(5)

WKWKCCBKAPPBKA TTTT

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例題2評価関数の値

これを最小とするフィードバック係数k1、k2は

この値は(8)式を最小にするよう求めたが、すなわち、初期値x1(0)=1、 x2(0)=0の時最小となるように求めた実際には全ての初期値 x1(0)、 x2(0)の値に対して最小となる。

(8)

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リカッチ方程式評価関数値が最小となる最適フィードバック係数Kの計算法制御対象

評価関数

を最小とするKの計算法行列リカッチ方程式

の解:正定値行列Pをもちいて、状態フィードバック

行列リカッチ方程式の解き方:解法1:代数的に解く方法解法2:微分方程式を終端条件 で解く。

(12.22)

(12.23)

(12.24)

PBWWK TT 1

(12.25)

(12.26)

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例題

例題1について、リカッチ方程式を解く。係数行列

リカッチ微分方程式(12.26)へ代入

終端条件 で解く代わりに、初期条件 で繰り返し計算

で解く

図12.6→正しい解状態フィードバックフィードバック係数

(1)

(2)

(2)

(4)

(5)