「鋼構造接合部設計指針」は,鋼構造建築の性能を左右する重要 … ·...

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第3版 「鋼構造接合部設計指針」は,鋼構造建築の性能を左右する重要な部位である接合部に関する設計 指針を可能な限り網羅的に明示し,そのえ方を記述することを目的とし,2001年に本会より刊行 された.その後,「解説」の充実と「設計例題」の充実を骨子とした改定が2006年に行われている. 第2次改定版が出版されてから5年が経過した.この間の調査・研究によって蓄積された新たな技 術的知見や関連JIS(日本工業規格)等の改定を鋼構造接合部の設計に反映させるために,ここに「鋼 構造接合部設計指針―第3版」として発刊するものである.主な改定内容は以下のとおりである. 接合要素と接合部の基本性状(2章)では,F14T級超高力ボルトを本文に記載するとともに解 説を充実させた.また,局所的なちぎれ破断耐力を算定する際に,支圧による変形を慮して 行うこととした. 柱梁接合部(4章)では,外ダイアフラム形式中空断面柱梁接合部の本文記載と解説の充実を 行った.また,上下階の角形鋼管の柱幅が異なる異幅接合形式箱形断面柱梁接合部および梁端 拡幅による破断防止のえ方を新たに加えた.さらに,溶接部ディテールと溶接施工について は,本会「建築工事標準仕様書・同解説JASS6鉄骨工事」および関連図書の改定が2007年に 行われており,その改定内容を取り入れている. 柱梁接合部パネル(5章)では,梁段違い形式接合部パネルについて,両側段違いの場合を含 む設計式に改めるとともに,設計例を追加した. ブレース接合部(6章)では,制振構造用座屈拘束ブレースの接合部に関する設計のえ方を 新たに記述するとともに,設計例を充実させた. 柱脚(7章)では,露出柱脚でアンカーボルトの塑性変形が期待できる場合には,最大耐力の かわりに骨組の保有水平耐力の算定に必要となる全塑性耐力を新たに定義した. なお,本改定指針では,本文・解説の主な改定部分に傍線を示し,旧版との継続性と旧版からの 改定がより明確になるように工夫している. 建築構造の安全性に対する国民の関心は高くなってきている.鋼構造建築の接合部の性能を確保 するうえで,本指針の果たす役割は非常に大きい.本改定指針が鋼構造建築の設計・施工に携わっ ておられる方々にとって有用なものとなることを期待するとともに,鋼構造建築の品質と信頼性の 向上に貢献することを願うものである.また,今後よりいっそうの充実をはかるために,多くのご 意見と助言を本会に寄せられることを読者にお願いしたい. 2012年3月 日本建築学会

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Page 1: 「鋼構造接合部設計指針」は,鋼構造建築の性能を左右する重要 … · た鋼構造接合部に関わる膨大な技術的知見を,1995年兵庫県南部地震における鋼構造建築物被害を

序第3版

「鋼構造接合部設計指針」は,鋼構造建築の性能を左右する重要な部位である接合部に関する設計

指針を可能な限り網羅的に明示し,その え方を記述することを目的とし,2001年に本会より刊行

された.その後,「解説」の充実と「設計例題」の充実を骨子とした改定が2006年に行われている.

第2次改定版が出版されてから5年が経過した.この間の調査・研究によって蓄積された新たな技

術的知見や関連JIS(日本工業規格)等の改定を鋼構造接合部の設計に反映させるために,ここに「鋼

構造接合部設計指針―第3版」として発刊するものである.主な改定内容は以下のとおりである.

① 接合要素と接合部の基本性状(2章)では,F14T級超高力ボルトを本文に記載するとともに解

説を充実させた.また,局所的なちぎれ破断耐力を算定する際に,支圧による変形を 慮して

行うこととした.

② 柱梁接合部(4章)では,外ダイアフラム形式中空断面柱梁接合部の本文記載と解説の充実を

行った.また,上下階の角形鋼管の柱幅が異なる異幅接合形式箱形断面柱梁接合部および梁端

拡幅による破断防止の え方を新たに加えた.さらに,溶接部ディテールと溶接施工について

は,本会「建築工事標準仕様書・同解説JASS6鉄骨工事」および関連図書の改定が2007年に

行われており,その改定内容を取り入れている.

③ 柱梁接合部パネル(5章)では,梁段違い形式接合部パネルについて,両側段違いの場合を含

む設計式に改めるとともに,設計例を追加した.

④ ブレース接合部(6章)では,制振構造用座屈拘束ブレースの接合部に関する設計の え方を

新たに記述するとともに,設計例を充実させた.

⑤ 柱脚(7章)では,露出柱脚でアンカーボルトの塑性変形が期待できる場合には,最大耐力の

かわりに骨組の保有水平耐力の算定に必要となる全塑性耐力を新たに定義した.

なお,本改定指針では,本文・解説の主な改定部分に傍線を示し,旧版との継続性と旧版からの

改定がより明確になるように工夫している.

建築構造の安全性に対する国民の関心は高くなってきている.鋼構造建築の接合部の性能を確保

するうえで,本指針の果たす役割は非常に大きい.本改定指針が鋼構造建築の設計・施工に携わっ

ておられる方々にとって有用なものとなることを期待するとともに,鋼構造建築の品質と信頼性の

向上に貢献することを願うものである.また,今後よりいっそうの充実をはかるために,多くのご

意見と助言を本会に寄せられることを読者にお願いしたい.

2012年3月

日 本 建 築 学 会

Page 2: 「鋼構造接合部設計指針」は,鋼構造建築の性能を左右する重要 … · た鋼構造接合部に関わる膨大な技術的知見を,1995年兵庫県南部地震における鋼構造建築物被害を

序2006年版

本会は,2001年に「鋼構造接合部設計指針」を刊行した.これは,長年にわたって蓄積されてき

た鋼構造接合部に関わる膨大な技術的知見を,1995年兵庫県南部地震における鋼構造建築物被害を

受けて全国的に展開された接合部研究開発の成果とも併せてまとめたもので,その経緯は初版(2001

年)の序に記されている.

本指針初版の刊行以来4年が経過した.初版の内容に対する読者からの多数のご意見,過去4年

間の研究開発の進展に鑑み,ここに本指針を改定し,「鋼構造接合部設計指針―2006年度版」として

刊行するものである.本改定では,最近の知見を採り入れた「解説」の充実と,読者からの要望が

強い「設計例題」の充実を,その骨子としている.具体的な改定内容は下記の通りである.

接合要素と接合部の基本性状(2章)では,局所的ちぎれ破断,斜方隅肉溶接継目耐力に関わる

解説を充実させた.継手(3章)では,高力ボルト接合部係数を再吟味し,係数を若干変更すると

ともにその根拠を解説に記述した.また,高力ボルトと溶接を用いた柱継手の設計例題を新たに加

えた.柱梁接合部(4章)では,接合部係数と梁端ウェブボルト接合に関わる解説を充実させ,高

力ボルトの破断で決まる接合部係数を見直した.また円形鋼管柱と,外ダイアフラム形式中空断面

柱梁接合部を新たに加え,その設計法を本文と解説に記述した.柱梁接合部パネル(5章)では,

H形断面柱の設計を強軸回りと弱軸回りに分けて説明するとともに,軸力比と偏心率の算定法を記

述した.また接合部パネルの設計例題と,節点モーメントの算定法を示す例題を新たに加えた.ブ

レース接合部(6章)では,山形鋼と溝形鋼ブレース接合部に関する設計例題,ガセットプレート

やブラケットの設計例題を新たに加えた.またガセットプレート接合に関する解説を充実させた.

柱脚(7章)では,露出柱脚,根巻き柱脚,埋込み柱脚に関わる解説を全体的に充実させた.露出

柱脚については,弾性剛性算定条件を追加し,アンカーボルトを十分に塑性変形させる方策に関す

る解説を補充するとともに,鋼管柱,リブ付きベースプレート柱脚の設計例題を新たに加えた.ま

た埋込み柱脚に関する接合部係数の え方を解説に付記した.

なお,本改定指針では,本文・解説の主な改正部分に傍線を示し,初版との継続性と初版からの

改正がより明確になるようにくふうしている.

今回改定した本指針が,初版に引き続き,鋼構造建築物の接合部設計・施工に携わっておられる

方々にとって有用であることを期待するとともに,鋼構造建築物の品質と信頼性向上に貢献するこ

とを願うものである.また今後よりいっそうの充実をはかるために,多くのご意見を本会に寄せら

れることを読者にお願いしたい.

2006年3月

日 本 建 築 学 会

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序第1版

鋼構造物の接合部に関しては,既に本会から1973年に「高力ボルト接合設計施工指針」が刊行さ

れており,その後これは2回の改定を経て現在に至っている.一方,溶接接合部や柱脚に関しては,

鋼構造関連の諸規準・指針のしかるべき箇所に含まれて記述されている.

接合部は部材とともに鋼構造建築物の性能を左右する主要な部位である.接合部は,その耐震性

能や施工性の向上を目指して常に研究開発の主要なターゲットとなっており,毎年多くの研究論文

が発表されている.特に,兵庫県南部地震による鋼構造接合部の様々な被害を教訓として,新しい

接合手段・方法・ え方,さらには補修・補強方法に関する研究成果が数多く公表されている.鋼

構造運営委員会では,現行の「高力ボルト接合設計施工指針(1993)」を包含し,さらにこれまでの

研究成果を踏まえて溶接接合や柱脚を含む接合部に関する設計指針を作成すべく小委員会を設けて

作業を進めてきた.5年にわたる検討の結果,「鋼構造接合部設計指針」としてここに公表するもの

である.

本指針の目的は,上記のように鋼構造関連の諸規準・指針に含まれる接合に関連した条項をとり

まとめ,溶接・高力ボルト・柱脚に関する接合部の設計指針を明示し,その え方を記述すること

である.骨組を構成する部材が種々の荷重・外力に対して有効に機能するためには,各部材の接合

部が所要の耐力を保持していなければならない.本指針では,接合部の耐力として,主に降伏耐力

と最大耐力を規定している.降伏耐力はほぼ弾性限界に対応する指標として位置づけており,これ

は従来の短期許容耐力に相当するものである.また,最大耐力は文字どおり接合部が伝達できる最

大の応力を示す指標と定義している.これは,鋼構造建築物の設計にいかなる設計法が適用されて

も,この2つの指標が様々な荷重・外力のレベルに対して接合部を設計する際の基本指標であると

の認識に基づいている.

本指針では,今日までの知見が集約されているものと えているが,接合部の耐力・靱性に関与

する鋼材や溶接部の実験・統計資料が十分に整備されていないところ,さらには接合部の力学特性

に関する研究が不足しているところも部分的にある.これら不備な点については今後の改定作業の

中で解決していきたいと えている.本指針が鋼構造物の接合部設計・施工に携わっておられる方々

にとって有用なものとなることを期待するとともに,鋼構造物の品質・信頼性の向上に貢献するこ

とを願うものである.また,今後よりいっそうの充実をはかるために,多くのご意見を本会に寄せ

られることを会員諸氏にお願いする次第である.

2001年11月

日 本 建 築 学 会

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本書作成関係委員―五十音順・敬称略―

構造委員会

委員長 中 島 正 愛

幹 事 大 森 博 司 塩 原 等 三 浦 賢 治

委 員 (省略)

鋼構造運営委員会

主 査 緑 川 光 正

幹 事 多 田 元 英 寺 田 岳 彦 西 山 功

委 員 井戸田 秀 樹 岡 本 哲 美 小 河 利 行 越 智 健 之

笠 井 和 彦 金 子 洋 文 河 野 昭 彦 桑 村 仁

向 野 聡 彦 河 野 守 吹 田 啓一郎 田 上 淳

田 川 泰 久 竹 内 徹 田 中 剛 玉 井 宏 章

中 込 忠 男 中 島 正 愛 成 原 弘 之 藤 澤 一 善

藤 田 正 則 伏 見 光 雅 山 田 丈 富

鋼構造接合小委員会

主 査 田 中 剛

幹 事 松 本 由 香

委 員 桑 原 進 佐 藤 篤 司 吹 田 啓一郎 鈴 木 孝 彦

田 代 靖 彦 椿 英 顯 寺 田 岳 彦 日 高 桃 子

藤 田 哲 也 増 田 浩 志 山 田 哲

*1前委員会・主査 *2前委員会・幹事

改定版見直し担当

1章 桑 原 進 鈴 木 孝 彦 田 中 剛 松 本 由 香

2章 桑 原 進 佐 藤 篤 司 椿 英 顯 藤 田 哲 也

松 本 由 香

3章 佐 藤 篤 司 増 田 浩 志

4章 鈴 木 孝 彦 田 中 剛 椿 英 顯 日 高 桃 子

山 田 哲

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5章 桑 原 進 山 田 哲

6章 佐 藤 篤 司 吹 田 啓一郎 田 代 靖 彦

7章 田 代 靖 彦 寺 田 岳 彦 増 田 浩 志 山 田 哲

Page 6: 「鋼構造接合部設計指針」は,鋼構造建築の性能を左右する重要 … · た鋼構造接合部に関わる膨大な技術的知見を,1995年兵庫県南部地震における鋼構造建築物被害を

第2版作成関係委員―五十音順・敬称略―

構造委員会(2005)

委員長 和 田 章

幹 事 倉 本 洋 福 和 伸 夫 緑 川 光 正

委 員 (省略)

鋼構造運営委員会(2005)

主 査 中 島 正 愛

幹 事 金 子 洋 文 田 川 泰 久 緑 川 光 正

委 員 井戸田 秀 樹 内 田 保 博 大 井 謙 一 小 河 利 行

笠 井 和 彦 河 野 昭 彦 桑 村 仁 今 野 和 近

吹 田 啓一郎 多 賀 謙 蔵 高 井 正 行 高 松 隆 夫

多 田 元 英 田 中 剛 中 込 忠 男 深 澤 隆

松 尾 彰 矢 部 喜 堂

鋼構造接合小委員会(2001~2004)

主 査 中 島 正 愛

幹 事 寺 田 岳 彦

委 員 宇 野 暢 芳 小 川 厚 治 吹 田 啓一郎 杉 本 浩 一

多 賀 謙 蔵 田 中 剛 田 沼 吉 伸 中 込 忠 男

増 田 浩 志 矢 部 喜 堂

協力委員 石 井 匠 打 越 瑞 昌 小 野 潤一郎 日 下 彰 宏

鈴 木 孝 彦

改定版見直し担当

1章 中 島 正 愛

2章 吹 田 啓一郎

3章 宇 野 暢 芳 吹 田 啓一郎

4章 石 井 匠 宇 野 暢 芳 小 川 厚 治 日 下 彰 宏

吹 田 啓一郎 鈴 木 孝 彦 田 中 剛 中 島 正 愛

5章 田 中 剛

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6章 宇 野 暢 芳 多 賀 謙 蔵

7章 打 越 瑞 昌 小 野 潤一郎 日 下 彰 宏 吹 田 啓一郎

田 沼 吉 伸 寺 田 岳 彦 増 田 浩 志

Page 8: 「鋼構造接合部設計指針」は,鋼構造建築の性能を左右する重要 … · た鋼構造接合部に関わる膨大な技術的知見を,1995年兵庫県南部地震における鋼構造建築物被害を

第1版作成関係委員―五十音順・敬称略―

構造委員会(2000)

委員長 高 梨 晃 一

幹 事 篠 崎 祐 三 松 崎 育 弘 森 田 耕 次

委 員 (省略)

鋼構造運営委員会(2000)

主 査 森 田 耕 次

幹 事 岩 田 衛 中 島 正 愛

委 員 青 木 博 文 井 上 一 朗 大 井 謙 一 大 竹 章 夫

小 野 徹 郎 木 村 衛 久保寺 勲 桑 村 仁

計 良 光一郎 甲 津 功 夫 鈴 木 弘 之 田 渕 基 嗣

辻 文 三 寺 本 隆 幸 長 尾 直 治 中 込 忠 男

牧 野 雄 二 松 尾 彰 森 野 捷 輔 矢 部 喜 堂

山 内 泰 之

鋼構造接合小委員会(1996~2000)

主 査 井 上 一 朗

幹 事 矢 部 喜 堂

委 員 宇 野 暢 芳 大 井 謙 一 吹 田 啓一郎 多 賀 謙 蔵

田 川 泰 久 田 中 淳 夫 田 沼 吉 伸 田 渕 基 嗣

中 込 忠 男 中 島 正 愛 松 尾 彰 丸 岡 義 臣

溶接接合ワーキンググループ

主 査 吹 田 啓一郎

幹 事 杉 本 浩 一

委 員 大 井 謙 一 坂 本 真 一 鈴 木 孝 彦 田 川 泰 久

田 中 淳 夫 田 渕 基 嗣 中 込 忠 男 中 島 正 愛

松 尾 彰 丸 岡 義 臣 森 田 耕 次 山 田 丈 富

協力委員 田 中 剛 桑 原 進

高力ボルト接合ワーキンググループ

主 査 宇 野 暢 芳

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幹 事 増 田 浩 志

委 員 井 上 一 朗 岡 田 久 志 多 賀 謙 蔵 田 中 淳 夫

平 井 敬 二

柱脚ワーキンググループ

主 査 田 沼 吉 伸

幹 事 寺 田 岳 彦

委 員 打 越 瑞 昌 田 川 泰 久 山 田 哲

協力委員 中 島 茂 壽 九 谷 和 秀

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鋼構造接合部設計指針

目 次

1章 基 本 事 項 ページ

1.1 適 用 1…………………………………………………………………………………………

1.1.1 背景と目的 1……………………………………………………………………………………

1.1.2 適 用 範 囲 2……………………………………………………………………………………

1.2 材 料 3…………………………………………………………………………………………

1.3 既往の諸規準・指針との関係 5……………………………………………………………………

1.4 接合部設計の概要と本指針における対応 8………………………………………………………

1.4.1 構造物と接合部 8………………………………………………………………………………

1.4.2 用語の解説 9……………………………………………………………………………………

1.4.3 接合部の特徴 10…………………………………………………………………………………

1.4.4 接合部の分類 11…………………………………………………………………………………

1.4.5 保有性能と要求性能 15…………………………………………………………………………

1.4.6 接合部に付与すべき能力 17……………………………………………………………………

参 文献 25………………………………………………………………………………………………

2章 接合要素と接合部の基本性状

2.1 高力ボルト接合部 26…………………………………………………………………………………

2.1.1 高力ボルト接合の基本事項 26…………………………………………………………………

2.1.2 板要素接合部の設計と耐力 44…………………………………………………………………

2.1.3 繰返し応力を受ける高力ボルト接合部 65……………………………………………………

2.2 溶接接合部 68…………………………………………………………………………………………

2.2.1 溶接継目の耐力 68………………………………………………………………………………

2.2.2 溶接の原理と方法 82……………………………………………………………………………

2.3 高力ボルトと溶接の併用継手 90……………………………………………………………………

参 文献 92………………………………………………………………………………………………

3章 継 手

3.1 高力ボルト摩擦接合によるH形断面梁継手の設計 96…………………………………………

3.1.1 基 本 事 項 96……………………………………………………………………………………

3.1.2 梁継手の降伏耐力 97……………………………………………………………………………

3.1.3 梁継手の最大耐力 101…………………………………………………………………………

3.2 柱継手の設計 106……………………………………………………………………………………

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3.2.1 基 本 事 項 106…………………………………………………………………………………

3.2.2 柱継手の高力ボルト摩擦接合 107……………………………………………………………

3.2.3 柱継手の溶接接合 111…………………………………………………………………………

3.3 高力ボルト鋼管フランジ継手の設計 113…………………………………………………………

3.3.1 リブなし鋼管フランジ継手の耐力 113………………………………………………………

3.3.2 リブ付き鋼管フランジ継手の耐力 115………………………………………………………

3.3.3 軸力・曲げ・せん断を受ける継手の設計 118………………………………………………

3.3.4 角形鋼管フランジ継手の設計 119……………………………………………………………

3.4 小梁端部の設計 121…………………………………………………………………………………

参 文献 122………………………………………………………………………………………………

4章 柱梁接合部

4.1 柱梁接合部の設計 124………………………………………………………………………………

4.1.1 柱梁接合部を構成する接合要素 124…………………………………………………………

4.1.2 梁端を剛接合とする接合形式 125……………………………………………………………

4.1.3 剛接合とする梁端接合部の必要曲げ耐力 126………………………………………………

4.1.4 溶接による梁端接合部の破壊 137……………………………………………………………

4.1.5 梁端を半剛接合とする接合形式 138…………………………………………………………

4.2 溶接による柱梁接合部の設計 138…………………………………………………………………

4.2.1 柱梁接合部の耐力 138…………………………………………………………………………

4.2.2 H形断面柱梁接合部の耐力 160………………………………………………………………

4.2.3 通しダイアフラム形式中空断面柱梁接合部 165……………………………………………

4.2.4 内ダイアフラム形式中空断面柱梁接合部 169………………………………………………

4.2.5 外ダイアフラム形式中空断面柱梁接合部 172………………………………………………

4.2.6 ノンダイアフラム形式中空断面柱梁接合部 180……………………………………………

4.2.7 異幅接合形式箱形断面柱梁接合部 189………………………………………………………

4.3 梁端接合部における破壊 192………………………………………………………………………

4.3.1 基 本 事 項 192…………………………………………………………………………………

4.3.2 材料の破壊靱性 193……………………………………………………………………………

4.3.3 接合部ディテールと溶接施工 196……………………………………………………………

4.3.4 破断防止を高く意識した接合部設計 204……………………………………………………

4.4 高力ボルト引張接合を用いた柱梁接合部の設計 209……………………………………………

4.4.1 高力ボルト引張接合を用いた柱梁接合部の形式 209………………………………………

4.4.2 スプリットティ形式柱梁接合部の耐力 210…………………………………………………

参 文献 218………………………………………………………………………………………………

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5章 柱梁接合部パネル

5.1 標準形式接合部パネル 225…………………………………………………………………………

5.2 異形接合部パネル 240………………………………………………………………………………

5.3 溶接組立箱形断面柱の接合部パネルの角溶接 251………………………………………………

参 文献 255………………………………………………………………………………………………

6章 ブレース接合部

6.1 ブレース接合部の設計 259…………………………………………………………………………

6.1.1 溶接によるブレース接合部の耐力 261………………………………………………………

6.1.2 高力ボルト摩擦接合によるブレース接合部の耐力 263……………………………………

6.2 制振構造用座屈拘束ブレース接合部の設計 267…………………………………………………

6.3 ガセットプレート,ブラケットと軸組部材の接合部の設計 271………………………………

6.4 その他の留意事項 276………………………………………………………………………………

参 文献 290………………………………………………………………………………………………

7章 柱 脚

7.1 柱脚の設計 291………………………………………………………………………………………

7.2 露出柱脚の設計 292…………………………………………………………………………………

7.3 根巻き柱脚の設計 326………………………………………………………………………………

7.4 埋込み柱脚の設計 336………………………………………………………………………………

参 文献 350………………………………………………………………………………………………

記 号 357……………………………………………………………………………………………………

付 録

付1 建築構造用鋼材の規格 367…………………………………………………………………………

付2 高力ボルトの設計耐力 371…………………………………………………………………………

付3 高力ボルトのピッチ・ゲージ 372…………………………………………………………………

付4 高力ボルトの耐火特性 374…………………………………………………………………………

参 文献 376………………………………………………………………………………………………

付5 高力ボルト遅れ破壊特性 377………………………………………………………………………

参 文献 378………………………………………………………………………………………………

付6 高力ワンサイドボルト 379…………………………………………………………………………

付7 すべり係数評価試験法 381…………………………………………………………………………

付8 接合部品を用いた柱梁接合形式(新しいダイアフラム形式) 384………………………………

参 文献 386………………………………………………………………………………………………

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付9 梁端をハンチ・変断面とした柱梁接合部 387……………………………………………………

参 文献 390………………………………………………………………………………………………

付10 耐震建築溶接構造用圧延鋼材 393…………………………………………………………………

付11 特殊な柱脚 395………………………………………………………………………………………

参 文献 399………………………………………………………………………………………………

付12 被覆コンクリートを有する露出柱脚 400…………………………………………………………

参 文献 404………………………………………………………………………………………………