今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】...

49
県立学校改革推進プラン策定懇談会 福 祉 専 門 部 会 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】

Upload: others

Post on 11-Mar-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

県立学校改革推進プラン策定懇談会

福 祉 専 門 部 会

今後の福祉教育(高校)について

【報 告】

Page 2: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

目 次

Ⅰ 検討課題と協議経過

1 検討すべき課題とキーワードの抽出について ・・・・・・1

2 検討経過について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・2

Ⅱ 協議結果

1 拠点校化について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

2 人材育成について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

3 健康福祉施策や社会福祉団体との連携について ・・・・・5

4 地域の福祉・生活課題への対応について ・・・・・・・・6

【資料編】 資料1 基礎資料 資料2 会議資料 資料3 会議記録 資料4 委員名簿

Page 3: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

- 1 -

Ⅰ 検討課題と協議経過

1.検討すべき課題とキーワードの抽出について

本県では近年の少子高齢化の進展や社会・経済状況の変化により地域社会は「地域力」

の低下等の地域課題にさらされ、「互いに支えあい、安心して暮らせる地域社会」の構築

が必要となっている。 また、福祉・介護ニーズの増大が見込まれることから、福祉・介護の職場のイメージ

アップや労働環境を含めた総合的な人材の確保・定着対策が喫緊の課題となっている。 福祉系高校では、社会福祉に関する基礎的・基本的な知識と技術を総合的,体験的に

習得させ,社会福祉の理念と意義を理解させるとともに,社会福祉に関する諸課題を主

体的に解決し,社会福祉の増進に寄与する創造的な能力と実践的な態度を育てることを

目標としている。 一方、国においては、近年の福祉・介護ニーズの多様化・高度化に対応するために、

介護福祉士の質的向上と量的確保を両立させるための方策が検討され、高等学校の介護

福祉士を目指す生徒の資質向上を図ることが求められている。 本県の福祉教育もこのような状況を踏まえながら、社会や地域のニーズに対応してい

く必要があることから、 ○ 県内全体の福祉教育のレベルアップを図るための拠点校の設置 ○ 介護福祉士等の受験資格の取得など将来の社会福祉従事者を養成するための専門

教育の実施

○ 福祉を志す生徒が将来、福祉の仕事に就くことができるための、社会福祉施設や

関係機関との連携の強化

○ 互いが助け合い、支えあう地域社会を作るためには、地域の問題を理解し、どの

ように関わるか理解し、お互いに助け合うことの重要性を認識する教育の実施など

の取組みを進めるべきである。

これらの具体的な方策について、当専門部会では、「拠点校化」、「人材育成」、「健康福

祉施策や社会福祉団体との連携」、「地域の福祉・生活課題への対応」をキーワードとし、

更に検討を重ねることとした。

Page 4: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

- 2 -

2.検討経過について

第1回 平成22年8月6日(金)開催(於:千葉県スポーツ科学センター) 【議題】 1 部会長及び副部会長の選出について 2 福祉教育(高校)の現状と課題について 3 福祉教育(高校)の今後の検討課題について ほか

第2回 平成22年10月20日(水)開催(於:千葉県総合教育センター) 【議題】 1 前回までの議事概要の確認について 2 「千葉県の福祉人材確保・定着の施策」について 3 今後の福祉教育(高校)について ① 拠点校の設置

② 健康福祉施策や社会福祉団体との連携 ③ 人材育成 ④ 地域の福祉・生活課題への対応 ほか

第3回 平成22年11月22日(月)開催(於:新都市ビル7F会議室) 【議題】 1 前回までの議事概要の確認について 2 今後の福祉教育(高校)について ① 拠点校の設置

② 健康福祉施策や社会福祉団体との連携 ③ 人材育成 ④ 地域の福祉・生活課題への対応 ほか

第4回 平成22年12月15日(水)開催(於:千葉県総合教育センター) 【議題】 1 前回までの議事概要の確認について 2 今後の福祉教育(高校)について

Page 5: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

- 3 -

Ⅱ 協議結果

1 拠点校化

○ 福祉に関する様々な知識や技術を集積し、教員のスキル向上や、福祉教育の普及と啓

発を行うための拠点校を設置する必要がある。

○ 拠点校と福祉コースを設置する高校間のネットワークの構築を行い、福祉に関する知

識や技術を共有し、福祉専門教育のレベルアップを図る必要がある。

○ 拠点校を設置するに当たっては、既存の施設・設備を最大限に有効活用するとともに、

施設設備の充実と教員の確保が必要である。

○ なお、福祉コースを設置する高校は、近隣の高校と連携し、そこに在籍する生徒に対

して、福祉に関する啓発や、福祉教育の支援などを行うべきである。

◎ 拠点校と福祉コースを設置する高校間のネットワーク(イメージ)

・県内福祉教育の中心 ・介護福祉士の養成 ・福祉教育に関する知識・

技術等の集積

拠点校

福祉コース

地域の福祉教育 の中心

福祉コース

福祉コース

知識・技術等の共有

進学の支援

《近隣の高校》

情報の共有 情報の共有

就職の支援 職場体験の支援

Page 6: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

- 4 -

【委員意見(抜粋)】

○ 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

あるが,通常の高校教育の中でも福祉の視点を取り入れることも必要ではないか。

○ 今、資質向上ということがいわれており、きちんと介護福祉士なりを持っているという方向に

はなっているので、福祉コースで福祉の基礎を学んでいただいて、次の専門学校や福祉系の大学

などにつなげていってもらうという形でやっていければ良い。

○ 矢切高校に限らず福祉コースの所で学校から発信するシステムというか、仕組みというのは

あっても良いのではないか。

○ 魅力ある学校を作るためには、学校からPRしていくというのは大事である。

○ 拠点校化に関して、一つにはあった方が良いというのが方向性の一つだが、そうは言っても

ハード面ソフト面の整備、若しくは教員の確保というのも必要だ。

○ 拠点校では、介護福祉だけではなく、福祉全般について考える能力を作る学校にして欲しい。

○ ヘルパーの場合、希望のある生徒にそういう門戸を開いてあげるとか。若しくは、1 校でやる

のは難しいとしても、拠点校ではないが、いくつかの学校で協力しながら、そういう生徒に集中

講義などを行って養成してはどうか。

○ 拠点校化の発想というのも、一つの方法としてだが、個々の学校の中だけで解決するのでは

なく、その周辺の学校を巻き込んで取り組むという視点があっても良いのではないか。

○ 裾野を広げると、福祉に興味や関心があるけれども普通高校に行っている生徒もフォローでき

るし、場合によってはそこから進学して、福祉分野の人材確保にもつながるのではないか。

○ 拠点校には、近隣校への社会教育レベルの福祉に関する情報発信の面と、専門分野の高いもの

をめざすという2面性がある。

Page 7: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

- 5 -

2 人材育成

○ 小・中学生やその保護者に対しても、実習体験や授業公開を行い、高校の福祉教育の

PRに努め、福祉に関する興味関心を育てていく必要がある。

○ 福祉を専門的に学びたい、将来福祉の職業に就きたいという生徒のニーズに合った福

祉コースや学科の設置が必要である。

○ 大学や専門学校との連携により、福祉教育の質を高め、さらには進学にも結びつけて

いく取り組みが必要である。

○ 福祉教育推進校指定を一層充実させ、多くの生徒に福祉問題に対する理解と関心を高

め、思いやりの心とノーマライゼーション意識の醸成に努めていく必要がある。

【委員意見(抜粋)】

○ 地元の人材の確保という点では,地域に学校があるのに人材が地域に戻らないという現状は,

工業,農業だけでなく,福祉も同じ状況である。

○ 福祉教育の現状と学校の設置状況と、いわゆる施設や介護事業所の部分がミスマッチを

起こしてしまうと、進学をしてから地元に戻っての就職というところになかなか繋がって

いかないのではないか。

○ ヘルパー2 級の申請が、平成 18 年がピークだった。やはり高校とか小中学校の段階で関心を

持ってもらわないと、目が向いていかないのではないかと感じる。

○ 高校の福祉課程はこういうことをやっている、ということをもっとPRする必要がある。

○ 中学校の先生は、高校の進路指導についてはあまり知らないことが多い。

○ 長期的な人の確保という所で、小・中学校の段階から、ボランティア活動や施設体験などを

通じて、福祉の心を形成していく。その中から、福祉の職場を目指す人が出てきたら、それを

きちんと受け止められるような高校の教育というのが必要である。

○ 人材確保のためにも、地域活性化のためにも、高校生が就職できるような高校にして欲しいし、

そのためには、魅力のある、特色のある福祉教養科にしなければいけないと思う。そのためには、

大学の教員養成課程とこれがどういうふうに結びつけなければいけないか考える必要がある。

○ 小・中は地域が同じでつながりがあるが、高校になると関係が薄くなってしまうところがある。

小・中・高の縦の連携を作ることも必要。

○ 小・中・高の交流はモデル的事業になる。専門的人材育成ではなく福祉マインドを育成する

イメージ人材育成につながっていけばよい。

Page 8: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

- 6 -

3 健康福祉施策や社会福祉団体との連携

○ 福祉を学び、福祉を目指す生徒が将来、福祉の職に就くことができる仕組みを高校と

関係機関や社会福祉施設が連携して作る必要がある。

○ 講師などの人材の確保や、生徒の実習の受け入れ先を確保するためには、地域の社会

福祉団体や、社会福祉施設のネットワークを活用する必要がある。

また、このためには、学校のニーズと社会福祉施設が持つ技術や人材、設備とのマッ

チングを的確に行うための仕組みを作ることが必要である。

【委員意見(抜粋)】 ○ オール千葉県として地域福祉支援計画と教育分野がどこまで連携できるかが課題である。

○ 県では、東葛エリアや安房エリア、東総エリアで、当然地域の事情が異なるだろうということ

で、地域単位で人材確保に向けた事業を、県内を 12 のブロックに分けて、地域単位の取組を

やってもらっている。

○ 昨年、12 地域で検討をしているときにそのエリアの各高等学校の方にも入っていただいたが、

外部の講師を招くにしても、人材の確保が難しいという話があった。その辺も、地域の施設の

人たちも当然その中に参加し、ネットワークも出来上がっているので、学校で行う場合の支援も

出来ていくと思う。

○ 千葉県福祉人材センターと連携した福祉に関する具体的職業の体験は、一般の方を中心に

やっているが、場合によっては 12 地区の協議会、高校なども連携をしながら、具体的に体験や

実習などを行うのも連携の一つの方策ではないか。

○ 県では、新たな人材の確保という部分について、小・中学校、高校もそうだが、福祉について

の理解を深めてもらう、福祉の職場を知ってもらう、という働きかけを行っている。

○ 教育委員会としては、商工労働部や健康福祉部と協議をして、福祉科の生徒は必ず就職を

受けると。例えば健康福祉部の傘下の団体があるが、そこに受け入れる基準を作らせて、そこで、

商工労働部の就職担当を入れて、高校時代頑張って福祉教育を受けた者については、必ず就職

可能だというルートを確実に作るなど、そうすれば途中で抜けずに最後まで頑張ってみようかと

思うかもしれない。

○ 高校にコーディネート能力がない。高校が福祉実習を施設に無理矢理お願いした例がある。

どこかにルートやコーディネートする能力は重要である。

○ 社会福祉協議会などと連係して受け入れの仕組みづくりを進めることは可能ではないか。

Page 9: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

- 7 -

4 地域の福祉・生活課題への対応

【委員意見(抜粋)】

○ 早い機会に様々な障害のある人との接点を持ち,福祉の心を育てる必要があり,このような

取り組みを行うことで,福祉の心が育てられると考えられる。

○ 生徒・子ども達の社会体験では 1回ではなくて、最低 2回から 3回で、人が変わってきてくれ

るので、ぜひ継続していただきたい。

○ 教育を含めて福祉というのは、助け合う気持ちを醸成するのが福祉教育だと思う。

○ 福祉の町作りというのは、やってもらうのではなく、自分たちで良い町を作ろうとやっていく

のが福祉教育だと思っている。

私から言わせれば、「お互いに助け合う互助の精神を醸成するのが重要です。」と言いたい。

○ みんなが地域のどの問題に関わるか、お互いに助け合うということがどんなに重要で、一人

では出来ないことが出来るということを、教えるのが福祉教育であり、それが友達とか学校とか

地域につながっていくのが大事であり、お互いに助け合う精神とか、お互いに自分が出来ること

をやっていく動機付けなどが福祉教育だと思う。

○ 学校側から地域を巻き込むすべを何か考えていかないと、地域を巻き込んでとか、拠点と

いっても、なかなかなしえるものではないのかなと思う。

○ 地域の中の学校であり、学校の中の地域であるということを、少しでも広げられると、これは

福祉に限ったことではないけれども、生活をするという場面で考えたときにはつながるのではな

いか。

○ 福祉の現場の方々と学校との間の協議の場というものが必要ではないか。

○ 福祉課題に対応するため、教科教育の中で取り組むという視点があって良い。

○ 高齢者が多い地域、子どもが多い地域で抱える福祉の課題も異なる。福祉というと高齢者、

障害者に目がいきがちになるが、子どもが多い地域なら児童福祉や、家庭科の範疇になるが保育

や託児の問題などから科目設定することも面白いと思う。

○ 地域に根ざした福祉教育を推進するためには、高校においても、地域の社会福祉団体

や社会福祉施設が解決を必要としている福祉・生活課題に関する学びを取り入れること

が必要である。

○ 高校も地域の中の学校であるという視点に立ち、ボランティア活動や福祉に関する学

校開放講座を充実し、地域社会との相互交流を積極的に行うことが必要である。

Page 10: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

県立学校改革推進プラン策定懇談会

福 祉 専 門 部 会

今後の福祉教育(高校)について

【報 告】資料編

Page 11: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

県立学校改革推進プラン策定懇談会

【福 祉 専 門 部 会 基 礎 資 料】

1 法令等

(1)高等学校学習指導要領・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

(2)介護サービスに関するこれまでの国の動き・・・・・・・・・・・・3

2 千葉県の福祉教育の現状

(1)厚生科(福祉系)の再編計画と配置図・・・・・・・・・・・・・・4

(2)福祉に関する資格を取得可能な学校・・・・・・・・・・・・・・・5

(3)松戸矢切高校・福祉教養科の現状・・・・・・・・・・・・・・・・6

3 再編計画の評価及び魅力ある高等学校づくり検討委員会からの報告

(1)前期分に係る評価(最終報告)・・・・・・・・・・・・・・・・・7

(2)魅力ある高等学校づくり検討委員会からの「報告」・・・・・・・・7

【参考】魅力ある高等学校づくり検討委員会記録より(抜粋)・・・・・・8

資料1 基礎資料

Page 12: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

基礎資料-1-

1.法令等

(1)高等学校学習指導要領(平成 21年 3月改正) 第8節福祉

〈目標〉

社会福祉に関する基礎的・基本的な知識と技術を総合的、体験的に習得させ、

社会福祉の理念と意義を理解させるとともに、社会福祉に関する諸課題を主体的

に解決し、社会福祉の増進に寄与する創造的な能力と実践的な態度を育てる。

〈改訂のポイント〉

○ 急速に進展する高齢化に伴う介護分野における多様で質の高い福祉サービス

を提供できる人材の育成や介護福祉士に係る制度改正への対応などを考慮し、福

祉に関する基礎的・基本的な知識と技術を確実に習得させるため、科目構成を見

直すことなどの改善を図った。

・「生活支援技術」、「介護過程」及び「こころとからだの理解」の3科目を新設

・「社会福祉基礎」と「社会福祉制度」の内容を「社会福祉基礎」に整理統合

・「基礎介護」を「介護福祉基礎」

・「社会福祉援助技術」を「コミュニケーション技術」

・「社会福祉演習」を「介護総合演習」

・「社会福祉実習」を「介護実習」

・「福祉情報処理」を「福祉情報活用」

とし、従前の7科目を9科目に改めた。

○ 福祉科については、社会福祉士及び介護福祉士法の一部改正に伴う新しい介護

福祉士養成制度が、平成 21 年4月から実施されることを踏まえ、各学校の判断

により平成 21 年度以降に入学する生徒から、その全部又は一部を新しい学習指

導要領によることができるようにしている。

名称変更

Page 13: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

基礎資料-2-

〈福祉に関する科目〉

各科目 目 標

第1 社会福祉基礎 社会福祉に関する基礎的な知識を習得させ、現

代社会における社会福祉の意義や役割を理解さ

せるとともに、人間としての尊厳の認識を深め、

社会福祉の向上を図る能力と態度を育てる。 第2 介護福祉基礎 介護を必要とする人の尊厳の保持や自立支援

など介護の意義と役割を理解させ、介護を適切に

行う能力と態度を育てる。 第3 コミュニケーション技術 コミュニケーションに関する基礎的な知識と

技術を習得させ、介護福祉援助活動で活用する能

力と態度を育てる。 第4 生活支援技術 自立を尊重した生活を支援するための介護の

役割を理解させ、基礎的な介護の知識と技術を習

得させるとともに、様々な介護場面において適切

かつ安全に支援できる能力と態度を育てる。 第5 介護過程 人間としての尊厳の保持と自立生活支援の観

点から介護過程の意義と役割を理解し、介護過程

が展開できる能力と態度を育てる。 第6 介護総合演習 介護演習や事例研究などの学習を通して、専門

的な知識と技術の深化、総合化を図るとともに、

課題解決の能力や自発的、創造的な学習態度を育

てる。 第7 介護実習 介護に関する体験的な学習を多様な介護の場

において行い、知識と技術を統合させ、介護従事

者としての役割を理解させるとともに、適切かつ

安全な介護ができる実践的な能力と態度を育て

る。 第8 こころとからだの理解 自立生活を支援するために必要なこころとか

らだの基礎的な知識を習得させ、介護実践に適切

に活用できる能力を育てる。 第9 福祉情報活用 社会における情報化の進展と情報の意義や役

割を理解させるとともに、情報活用に関する知識

と技術を習得させ、福祉の各分野で情報及び情報

手段を主体的に活用する能力と態度を育てる。

Page 14: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

基礎資料-3-

(2)介護サービスに関するこれまでの国の動き

○ 平成16年7月30日 社会保険審議会介護部会

「介護保険制度見直しに関する意見」

・介護職員については、先ず、資格要件の観点からは、将来的には任用資格は

介護福祉士を基本とすべきである。

・ホームヘルパーについては、当面は研修の強化により2級ヘルパーの資質向

上を図ることを検討する必要がある。

○ 11月10日 全国介護保険担当者課長会議

「介護サービス従事者の研修体系のあり方に関する研究事業について」

(中間まとめ)

・現行のホームヘルパー養成研修は、一定の期間を設けた上で、介護職員基礎

研修(仮称)に一元化し、本研修修了を介護職員の基礎就業要件とすること

を目指すべき。

○ 平成18年1月31日 厚生労働省

・介護福祉のあり方及びその養成プロセスの見直し等に関する検討会を 開催

し、介護福祉のあり方と介護福祉士養成プロセス・介護福祉資格取得の要件

についての検討に入り、平成18年7月3日に報告書が提出されている。

○ 平成19年12月

「社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案」国会で可決。

○ 平成21年度から、

介護福祉士の受験資格に係る時間数が、1、190時間から1、800時間

程度に変更された。

Page 15: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

基礎資料-4-

2.千葉県の福祉教育の現状

(1)厚生科(福祉系)の再編計画と配置図(H22.4.1現在)

ア)県立高等学校再編計画

福祉系学科については、高齢社会を迎えニーズが高まっており、学科の設置や

総合学科等に系列・類型を設置するなどして拡充を図る。

イ)第3期実施プログラム

平成23年度に松戸秋山高校と松戸矢切高校を統合し、福祉に関する学科を設

置する。

凡 例

:資格の取得が可能

:福祉に関する系列・コース・科目を設置

:福祉科設置校

船橋豊富 普通科・福祉コース

松 尾 普通科・福祉コース

鶴舞桜が丘 総合ビジネス科,食とみどり科

福祉コース 訪問介護員2級

勝浦若潮 総合学科・生活福祉系列

松戸矢切 福祉教養科

介護福祉士受験資格 訪問介護員2級

H23 松戸秋山と統合 福祉教養科の設置

君津青葉 総合学科・生活系列 訪問介護員2級

Page 16: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

基礎資料-5-

(2)福祉に関する資格を取得可能な学校

現在、介護福祉士の受験資格を取得できる学校は、松戸矢切高校・福祉教養科

の1校のみ。

また、訪問介護員2級の資格を取得できる学校は、松戸矢切高校、君津青葉高

校、鶴舞桜が丘高校の3校。

福祉に関する学科等の設置状況・取得可能資格一覧(平成22年度)

学 校 名 学科等設置状況 取得可能科目 備 考

松 戸 矢 切 福祉教養科 介護福祉士受験資格

訪問介護員2級

船 橋 豊 富 普通科 福祉コース

松 尾 普通科 福祉コース

勝 浦 若 潮 総合学科 生活福祉系列

君 津 青 葉 総合学科 生活系列 訪問介護員2級

鶴舞桜が丘 総合ビジネス科、食とみどり科

福祉に関する科目設置 訪問介護員2級

【参考】訪問介護員の資格取得に必要な要件

福祉学科や福祉コース等を修了することによって、訪問介護員の資格が得られ

るようにするためには、国の定めるカリキュラムに沿った講座等を開設し、県に

対して養成機関認定の申請を行い、認定を受ける必要がある。 訪問介護員2級に必要な講義等の時間は、実習を含めて130時間とされてい

る。

区 分 講 義 実 技 実 習 総時間数

2 級 58時間 42時間 30時間 130時間

Page 17: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

基礎資料-6-

(3)松戸矢切高校・福祉教養科の現状

ア)松戸矢切高校・福祉教養科の卒業生の進路状況(H21)

区 分 人 数 主な進路先等

大学・短大 12 立教大学、淑徳大学、植草学園大学、麗澤大学、

大東文化大学 ほか

専門学校 6 東京医療専門学校、

東京リハビリテーション専門学校 ほか

就 職 14 特別養護老人ホーム、老人保健施設、

有料老人ホーム ほか

そ の 他 2

合 計 34

イ)体験的な学習の実施状況

卒業後すぐに介護のスタッフとして働くことができる実践力を養うことを目

的として、1年次から段階的・系統的に行っている。

[1年次]☆福祉施設(高齢者・障害者)見学実習(5日間)

[2年次]☆訪問介護同行訪問(2日間)

☆福祉施設(高齢者・障害者)見学実習(7日間)

☆特別養護老人ホーム実習(15日間)

[3年次]☆特別養護老人ホーム実習(15日間×2)

Page 18: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

基礎資料-7-

3.再編計画の評価及び魅力ある高等学校づくり検討委員会からの報告

(1)前期分に係る評価(最終報告)

○ 福祉系コースの設置(松尾高校 H18)

高齢化社会を迎え、福祉教育に対するニーズが高まっている。社会福祉で活躍したい生徒

に、すべての人を尊重し、思いやりの心を持って助け合う態度を育成するため、平成 18年度に共学化を契機に松尾高校に福祉コースを設置した。 福祉コースでは、新たに設置された「社会福祉基礎」「基礎介護」「社会福祉実習」等の科

目を学習している。 訪問介護員等の資格取得については、今後国の福祉政策に係る動向を注視する必要がある。

(2)魅力ある高等学校づくり検討委員会からの「報告」

自立した人材の育成(キャリア教育・職業教育)

○ キャリア教育・職業教育の充実は本県発展のために重要で、県全体の政策と整合性をと

りながら新たな視点で戦略的に進める必要があり、再編計画には、その方向性や理念を具

体的に明記する必要があると考える。 ○ 千葉県の産業構造と高校教育の整合性に配慮し、不足する分野(農業、工業、福祉等)

の人材育成など、社会や地域のニーズに対応する必要があると考える。例えば、横浜のサ

イエンスフロンティア高校のような産業教育の拠点となる、新たな発想の高校や高専など

も考えられる。 【意見】 ・ 福祉・介護分野の人材が非常に不足している。地元で就職できるよう、福祉・介護分野

を学べる環境が必要である。 ・ 第二次千葉県地域福祉支援計画(案)では、「県立高等学校の再編」として、「超高齢社

会の到来でニーズが高まっている県立高等学校における福祉に関する学習については、

学科やコース設置、総合学科への系列の設置など充実を図っています」とある。キャリ

ア教育のひとつとして、福祉・介護分野の施策等との整合性を図りつつ、充実強化が必

要である。

その他

【意見】 ・ 昭和 52年度より、県内小・中・高等学校を福祉教育推進校として指定している。また、学校と地域との連携を図りながら福祉教育を推進するため、地区社会福祉協議会等を福

祉教育推進団体として指定し、学校と地域が連携して地域の実状に合わせた福祉教育を

推進している。地域連携アクティブスクールのみならず、すべての高校が地域と連携し

た教育活動を展開できるよう、地域と学校をつなぐ「コーディネーター」の配置や、地

域と連携した学習カリキュラムの研究開発などの支援が必要である。

Page 19: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

基礎資料-8-

○ 魅力ある高等学校づくり検討委員会記録より抜粋

1 福祉・介護人材の確保対策について

千葉県においては、今後急激な高齢化等を背景に福祉・介護ニーズの増大が見込まれますが、

福祉・介護職員の賃金の低さ等から人材を確保することが困難な状況となっており、制度の根

幹を揺るがす喫緊な問題となっています。 こうした状況を受けて、平成20年9月に「千葉県福祉人材確保・定着対策本部」を県庁内

に設置し、部局横断的に取り組みを検討・推進しています。 また、第二次千葉県地域福祉支援計画(案)では、千葉県が取り組むべき施策として、「県立

高等学校の再編」として、「超高齢社会の到来でニーズが高まっている県立高等学校における福

祉に関する学習については、学科やコース設置、総合学科への系列の設置など充実を図ってい

ます。」とあります。 長期的な視点に立って、キャリア教育のひとつとして、福祉・介護分野の施策等との整合性

を図りつつ、充実強化が必要であると思います。 2 地域と連携する取り組みについて

千葉県においては、他のモデルとなる福祉教育実践活動を促進し、広く普及を図ることによ

り、本県の福祉教育を推進し、もって、次代を担う児童、生徒が福祉教育をとおして豊かな体

験を積み、思いやりの心を育て、助けあいと連携の意識を培うことを目的として、昭和52年

度より「福祉教育推進校」を指定しています。 ところが、学校独自で福祉教育を推進していたため、次のような課題が明らかになってきま

した。 ①推進校の小学校で福祉教育を受けた児童が、進学先の推進校の指定を受けていない中学校で

は福祉教育が受けられないこと。 ②小学校と中学校の間で福祉教育の進め方に連動性がないために、児童・生徒の成長に合わせ

た段階的な福祉教育が展開できないこと。 ③福祉教育の担当者が多忙な中ひとりで抱え込み、教科教育・学力重視の間で悩み、地域の関

係者と連携しながら充分な福祉教育を実施できないこと。 そこで、平成19年度からは、福祉教育推進校の指定方式を変更し、福祉教育推進校間の連

携を図るとともに子どもの発達段階に応じた福祉教育の実践をより効果的にすすめるため、中

学校区の小・中学校をパッケージで指定し、併せて近隣の高等学校も指定することとしました。 また、学校と地域との連携を図りながら福祉教育をより効果的に推進するため、中学校区指

定校が所在する地区社会福祉協議会等を福祉教育推進団体として指定し、学校と地域が連携し

て地域の実情に合わせた福祉教育を推進しています。 ところで、上記の「福祉教育パッケージ指定方式」による取り組みの中で、さまざまな声を

聞くことがあります。 ○地域住民の方が学校に訪問しても、先生方は忙しいようでなかなか対応してもらえない。 ○学校に相談するにしても、どなたに訪問・対応してもらえればいいのかがわからない、相談

しても受け入れてもらえない。

【参 考】

Page 20: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

基礎資料-9-

○「開かれた学校づくり」といわれているが、空き教室などを貸してもらえない。 ○地域で教育活動を展開しようと思っても、何からはじめたら良いのかがわからないし、地域

住民のどなたに声をかけていいかがわからない。 ○学校現場の業務や生徒指導が忙しく、とても対応できる余裕はない。 ○地域と連携した学習カリキュラムを作成するうえで、どんな人に相談したらよいのかがわか

らない。 ○地域社会に貢献する役割が学校にあるといわれても、具体的なイメージがわからない。 今後、学校と地域が連携していくためには、3つの場が必要と思われます。 ①学校の先生・生徒と地域住民との「出会いの場」 ②教育活動を含めた活動間の調整や問題の共有、新たな解決策の模索などを行う「協議の場」 ③具体的に問題を解決・支援するために活動をする「協働の場」 さらに、地域住民と協働した学習を推進するためには、先生方の意識の変容も必要と思われ

ます。学校現場の業務や生徒指導が忙しいのは理解できますが、学校が全ての責任を抱えるの

ではなく、視点を変えて、地域住民を含めたさまざまな個人・団体と関係を構築しながら教育

活動や生徒指導をすすめることも必要となると思います 地域連携アクティブスクール校のみならず、すべての高等学校が地域と連携した教育活動や

生徒指導を展開できるよう、地域と学校をつなぐ「コーディネーター」の配置や先進事例の紹

介、地域と連携した学習カリキュラムの研究開発などの支援も必要となると思います。 3 普通科コース制のあり方について

県立高等学校のうち、専門学科以外に普通科コース制を採用している学校があります。県民

(受験生の親)からの要請や通学範囲の関係、カリキュラムを考慮しての設定であるかもしれ

ませんが、なぜ「普通科」でなくてはいけないのか、素朴な疑問です。 福祉分野は、「福祉教養科」と独立した学科を設定している学校と「普通科福祉コース」を設

定している学校があります。 もし、現状において、千葉県の公立高等学校で「福祉」を本格的に学びたいと思う中学生が

いたら、「福祉教養科」と「普通科福祉コース」のどちらを選択するのでしょうか。 委員会でも「スタンダードな学校とスペシャリティな学校があってもいい」との意見があり

ましたが、「スタンダード」がベースにあって、その上に「スペシャリティ」という付加価値を

付ける、というのではなく、各学校の「特色」を前面に打ち出し、「スタンダード」と「スペシ

ャリティ」を明確にすること、各高等学校間でいい意味での競争原理(学力を高めるという意

味ではなく)を働かせることが必要ではないでしょうか。 魅力ある高等学校づくりを進めるには、各高等学校の「魅力」をいかに構築し、発信し、学

習する場になるかがポイントになると思います。

Page 21: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議資料 - 1 -

1 福祉を志す生徒の夢が実現できる高校 2 小中学校・地域と連携して福祉教育を推進する高校 3 「福祉の心」が醸成され、福祉について理解が深まる高校 4 社会福祉従事者が養成できる高校 5 地域の福祉課題と密接に結びつき、福祉を担う、地域に貢献できる人材を

育てる高校

今後の福祉教育(高校)について 1 目指すべき方向性

そのためには何をすべきか

今後の福祉教育(高校)のあり方

健康福祉施策や

社会福祉団体と

の 連 携

拠 点 校 化

人 材 育 成 地域の福祉・生活

課 題 へ の 対 応

・介護福祉士受験資格取得 ・福祉の技術と知識の集積 ・福祉教育のレベルアップ

・「地域福祉支援計画」、「千葉県福祉

人材確保・定着対策」との連携 ・社会福祉協議会との連携

・生徒の職業観の育成 ・地域の介護福祉士等の養成

校と連携

・「福祉の心」の醸成 ・地元企業や産業と連携 ・地域の福祉活動への参画

資料2 会議資料

Page 22: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議資料 - 2 -

2 拠点校化

《千葉県教育振興基本計画 『みんなで取り組む「教育立県ちば」プラン』》 豊かな学びを支える学校づくり (1)魅力ある高等学校づくり

これからの千葉県を支える人材を育成する進学重点校や将来の専門的職業人を育成

する農業・工業・福祉等の拠点校、様々な機能を備え地域に貢献する地元の中心校など、

社会の変化に対応し、活力があり、生徒それぞれの豊かな学びを支え、地域のニーズに

こたえる、魅力ある県立高等学校づくりを目指します。

拠点校のモデル(例)

① 介護福祉士等の受験資格の取得など社会福祉従事者としての専門教育

② 福祉の様々な分野への対応

③ 福祉に関する知識や技術、問題解決能力の県内の福祉関係校へのフィードバック

④ 小・中学校の教員に対し専門高校の授業を公開するなど,義務教育段階でのキャ

リア教育の充実をサポートする取り組み

3 人材育成

《魅力ある高等学校づくり検討委員会 報告 『今後の魅力ある高等学校づくりの

在り方について』》から (3)自立した人材の育成(キャリア教育・職業教育)

千葉県の産業構造と高校教育の整合性に配慮し、不足する分野(農業、工業、福祉等)

の人材育成など、社会や地域のニーズに対応する必要がある。

人材育成に向けた方策(例)

① 生徒の福祉に対する職業観の育成

② 全県的視野に立ち、地域が必要とする福祉課題に関する科目学科やコースの設置

③ 千葉県福祉人材確保・定着対策進路選択学生等支援事業の活用

④ 福祉に関する体験学習の積極的な導入(普通科・コース)

⑤ 地域の介護福祉士等の養成校と連携した将来の福祉従事者の養成への取組み

Page 23: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議資料 - 3 -

4 健康福祉施策や社会福祉団体との連携

《魅力ある高等学校づくり検討委員会 報告 『今後の魅力ある高等学校づくりの

在り方について』》から (3)自立した人材の育成(キャリア教育・職業教育)

キャリア教育・職業教育の充実は本県発展のために重要で、県全体の政策と整合性を

とりながら新たな視点で戦略的に進める必要があり、再編計画には、その方向性や理念

を具体的に明記する必要があると考える。

連携の方策(例)

① 地域福祉支援計画と整合した教育の取組み

② 小域地域福祉圏の推進体制(小地域福祉フォーラム)への参画

③ 千葉県福祉人材センターと連携した福祉に関する具体的職業の体験

④ 大学や養成校と連携した高校の教職員の研究活動や高校生の学習等への支援

5 地域の福祉・生活課題への対応

福祉・生活課題への対応(例)

① 「福祉の心」醸成への取り組み

② 地区社会福祉協議会等と連携するとともに、小域福祉圏へ積極的に参画し、地域に根

ざした学校への取組み。

③ 地域の社会福祉施設との交流や地域への奉仕活動などが実施でき生徒が体験を通し

して地域の福祉・生活課題への理解を深められる取組み

《第二次千葉県地域福祉支援計画 『「互いに支え合い、安心して暮らせる地域社会」

を目指して』》から 2.生涯を通じた福祉教育と地域福祉を支える人材の育成 (1)現在の取組みと課題 ① 福祉教育の推進

県では昭和52年から平成21年までの間に延べ656校の小中高等学校を福祉教育

推進校に指定し、各学校独自の工夫において、思いやりの心と「ノーマライゼーション

(平常化、常態化)」意識の醸成に努めてきました。「地域力」の低下が課題となってい

る状況を踏まえ、これまでの実績、ノウハウを活かし、将来の福祉人材の育成という観

点からも、これまで以上に地域を巻き込んだ福祉教育の取組みが重要です。

Page 24: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 1 -

第1回福祉専門部会記録

1 日 時 平成22年8月6日(金)15時25分から16時55分

2 場 所 千葉県スポーツ科学総合センター 第1研修室

3 出席委員 5名/9名

4 概 要

(1) 部会長,副部会長の選出

部会長に鈴木委員、副部会長に石塚委員、佐川委員を選任した。

(2) 福祉教育(高校)の現状と課題について

《主な質問・意見》 ・社会福祉士及び介護福祉士法等の一部改正を受け,福祉関連学科は,平成25年度の新学習指

導要領の適用が前倒しとなっている。 ・高校で介護福祉士の受検資格を得るための,必要時間数が1,190時間から 1、820時間となり,授業時数の6割を福祉に充てなければならず非常に厳しい。 ・介護職員の報酬の引き上げは,現場のレベルアップには必要なものである。 ・2級ヘルパーは約1ヶ月の期間で取得可能であるが,高校の段階で必要な教育を受けて来た者

との実力差は大きく,これに追いつくためには,現場では2年はかかる。 ・2級取得に必要な実習,講義等の時間は130時間であり,介護福祉士受験資格取得を目指す

場合は,1,820時間を要するため,実力差は出る。 ・松戸矢切高校の体験学習を受け入れているが,実習が終わると1時間ほど「福祉の心」という

内容で生徒に話を行っている。 ・早い機会に様々な障害のある人との接点を持ち,福祉の心を育てる必要があり,このような取

り組みを行うことで,福祉の心が育てられると考えられる。 ・松戸市の小学生の福祉関連の体験学習では,障害のある人との接点を持つと,小学生段階から,

福祉の心が芽生えているので,この心を育てていくことが必要である。 ・介護福祉分野の人材が不足している。 ・地元の人材の確保という点では,地域に学校があるのに人材が地域に戻らないという現状があ

って,これは,工業,農業だけでなく,福祉も同じ状況である。 オール千葉県として地域福祉支援計画と教育分野がどこまで連携できるかが課題である。 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉 コースがあるが,通常の高校教育の中でも福祉の視点を取り入れることも必要ではないか。ま

た,できるのではないか。 ・総合学科を置く勝浦若潮高校では,1年次に週3時間「産業社会と人間」という科目があり,

ここで,実習や体験を行い,その後,希望を何度か取りながら最終的に2年,3年で「福祉系

列」を選択している。

資料3 会議記録(要旨)

Page 25: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 2 -

・福祉は向き不向きがあり,現場は厳しいこともあるので,就職の問題だけで福祉の仕事に就く

者と,福祉をやりたくて福祉の仕事に就く者とでは大きな差が出る。 ・現場の体験が短期間だと向き不向きはわかりにくい。 ・福祉の仕事もプロとしての意識や,人の命を預かるという意識を培っていくことが必要 命を救うことが第1であるので,やる気のある職員には進んで,技術の習得や体験をさせるよ

うに心がけている。 (3) 福祉教育(高校)の今後の検討課題について

・以前は福祉関連の養成校が比較的多くあったが,不況の影響からか,縮小や減少が相次いでい

る。 ・進路の指導でも,安易に福祉は賃金が安い或いは,食っていけないと言っているのが現状では

ないか。 ・福祉には魅力ある将来があると教えることが必要であり,人材が確保できていけば,将来の賃

金改善が見えてくると考えられる。 ・福祉については楽しく,やりがいがあるということを,小・中・高の子供たちに早く理解して

もらいたい。

Page 26: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 3 -

第2回福祉専門部会 記録

1 日 時 平成22年10月20日(水)

2 場 所 千葉県総合教育センター

3 出席委員 6/9

4 概 要

(1)前回の議事概要の確認について

(2) 「千葉県の福祉人材確保・定着の施策」について(健康福祉指導課)

千葉県の高齢化は、今年の 4月で 65歳以上の高齢者が 20.5%だが、全国は 21%を超えているという状況である。 まだ若い県ではあるが、これから東葛エリアで急激に高齢化が進み、埼玉県に次いで 2 番目のスピードで高齢化が進むということで、5年後には 25%を超え、4人に 1人が 65歳以上となる。さらに 10年後(15年後)、平成 37年には、30%を超え、介護の職員は現在の 2倍の職員が必要になってくる。 高齢化がまだ低いレベルということもあり、介護施設の整備状況については全国で 40番台のレ

ベルであることから、高齢化に併せて施設の整備も、急ピッチで進められている。 19 年度・20 年度あたりで、介護人材の不足から、国でも対策を講じるという動きがあった。ちょうどリーマンショックが重なって、その際の経済対策と併せて、介護人材の確保・定着の様々

な事業が行われている。 雇用対策の方でも、職安で求職者に対して職業訓練という形で、ヘルパーや介護福祉士の資格

を取るということが行われている。 県では、新たな人材の確保という部分について、小・中学校、高校もそうだが、福祉について

の理解を深めてもらう、福祉の職場を知ってもらう、という働きかけを行っている。学生だけで

はなく、子育てを終わった主婦の方や、団塊の世代の退職をしている方なども対象として、福祉

に参入してもらうという取組も行っている。 定着の対策として、処遇改善、給料を上げていくための交付金や、介護報酬もアップなど、ま

だまだ一般の企業と肩を並べる額というわけではないが、少し改善がされてきている。それから

資質向上のための研修等も無料で出来るようにしている。 また、県では、東葛エリアや安房エリア、東総エリアで、当然地域の事情が異なるだろうとい

うことで、地域単位で人材確保に向けた事業を、地域単位で考えてもらって、研修や就職の説明

会などの働きかけなどをやってもらおうということから、県内を 12のブロックに分けて、地域単位の取組をやってもらっている。 県では、20年 9月に福祉人材確保の対策本部を設置して対策を進めてきているが、一番大きい

のが、リーマンショックで一般企業の雇用が非常に不安定だということで、福祉分野に、今は人

が少し流れ込んで来ている。このため、福祉分野の離職率は、以前は 24.7%という離職率(1 年間に 4人に 1人は辞めていた)だったが、昨年の調査では 17%だった。一般企業は 15%なので、これにかなり近くなってきている。求人の倍率も 3年前は 3倍だったものが、今は 1.3倍である。福祉の人材というのは、かなり他産業の景気に左右される部分があって、リーマンショック前で

Page 27: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 4 -

介護人材から人が離れていったというのは、他産業の景気が良くてそちらに流れてしまった結果

である。今は、景気が悪いので流れ込んで来ているが、景気が良くなれば、またいなくなってし

まう可能性はかなり高い。この辺できちんと、処遇等を改善して、景気に左右されないで人材が

確保できるという形にしていかなければいけないと思っている。 長期的な人の確保という所で、小・中学校の段階から、ボランティア活動や施設体験などを通

じて、福祉の心を形成していく。その中から、福祉の職場を目指す人が出てきたら、それをきち

んと受け止められるような高校の教育というのが必要である。 現在は、松戸矢切高校が、介護福祉士受験資格が取得できる課程となっている。それを増やす

というのはなかなか難しいかもしれないが、各エリアに介護福祉の養成が出来る高校を設置でき

れば、それが理想なのかもしれない。 それが出来なくても、福祉コースが設置されている所がある。今、資質向上ということがいわ

れており、きちんと介護福祉士なりを持っているという方向にはなっているので、福祉コースで

福祉の基礎を学んでいただいて、次の専門学校や福祉系の大学などにつなげていってもらうとい

う形でやっていければ良いと思う。 昨年、12地域で検討をしているときに、そのエリアの各高等学校の方にも入っていただいたが、外部の講師を招くにしても、人材の確保が難しいという話があった。その辺も、地域の施設の人

たちも当然その中に参加し、ネットワークも出来上がっているので、 学校で行う場合の支援も

出来ていくと思う。このような会議を通じて、就業体験などについても受け入れてもらえると思

うので、なるべく多くの学生が福祉を職業として選んでもらえるようにしていきたいと考えてい

る。

(3) 今後の福祉教育について

<主な質問・意見> ・ 福祉系である程度単位を取ったら、実務経験を少し軽減するとか、専門学校の単位に加えら

れるとかということはできないか。 中学校への説明では、福祉は色々な体験が出来るし、喜びの声が上がっている、とは言える

が、資格は2級ヘルパーだけであるので、アピールするのが難しい。 ・ 2級のヘルパーと高校生が学んできた内容とは、かなり基礎知識が違う。そういう意味から

するともう少し高校卒業生に対する学びの時間を考慮して、経験を重視すべきである。 高校生が実務ということで、もう少し単位を増やしながら、あえてもう少し少ない学科の勉

強でも良いと思う。 介護職員には医療的な知識も必要になってくると思う。それは別の勉強ということで、介護

福祉士を取る資格と、医療行為の出来る介護福祉士というのは分けてやるべきである。 高校生は、現場での実習を増やしていくことが必要だという思いがある。

・ 保育士と介護福祉士を 3 年間で取れる学校が東京にはある。保育士の授業と介護福祉士の授業が重なり、2年間で保育士を取らせ、次の 1年間で介護福祉士を取らせて、3年間で両方取らせる。

Page 28: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 5 -

・ 介護福祉士の専門学校は定員の 50%、場合によっては 50%を切るという状況があって、さらに保育の方も結構、千葉県内いくつかあるが、やはり厳しい。介護に限らず、保育の分野で

もなかなか厳しい。 ・ 今年度の教員採用試験で 2名が合格したので、福祉担当の先生方も増えていく傾向にはある。

小中との連携の福祉教育の推進ということだが、県立高校として平成 22年度 15校が推進校の指定を受けて実際に活動している。3年の実施なので、毎年 5校ずつ指定し、3年目の学校が5校、2年目の学校が 5校、そして今年指定を受けた学校が 5校ということで、平成 22年度は15校が実際に推進校として活動している。 ・ 夢というのが良く出てくる。なかなか夢を追わせる進路指導というのが、表現するときには

非常に良いが、進路指導をやればやるほど難しい言葉だと感じてしまう。それよりも、親に迷

惑をかけないように一人で生活できるようになろうと、子ども達にまず言いたい。それがもし

夢と重なっていたらいいねと言いたい所である。夢以外に何があるかというと難しいが。 ・ 小中学校・地域と連携では、現在、地元の小学校からの社会体験を受け入れているが、それ

が大成功で、子ども達にとっても、「僕が、僕が」「私が、私が」が、逆に学校に帰ってから、

おじいちゃん、おばあちゃん達に何かをしてあげたいという言葉になってきた。 また、車いすを押せるような指導では、「君たちが町の中で、もし障害を持ったおじいさん、

おばあさんが信号待ちをしていたら、君たちはなにができるかな」というと、とても福祉に目

覚めた発言をする。これが、心優しい、思いやりのある子に育てていくきっかけ作りに大きく

貢献していくのではないかな、というかすかな希望を持っている。 生徒・子ども達の社会体験では 1回ではなくて、最低 2回から 3回で、人が変わってきてく

れるので、ぜひ継続していただきたい。生徒・子ども達の社会体験を継続していただければあ

りがたい。 ・ 小中学校、社会福祉施設と地域というような形も一つの方法ではないか。 「社会福祉施設・地域」みたいな形にして、少し明確化するとよいのか。 社会福祉従事者が養成できる高校というところで、実は施設の従事者も学びが出来るという、

いわゆる相互の学び、双方向の関係というような部分もどこかに入れられると良い。 高校の役割として、従事者を養成するだけではなくて、いわゆる従事者の方も高校生と関わ

ることで気づきがあったり、学びがあったりという双方向の関係もあるのではないか。 ・ 介護関係の事業所の数は基本的には、人口に併せてという形になってくると思うので、地価

が安いからと田舎の方にどんどん数が多くできてくるというわけでもない、ある程度介護保険

の計画に則っていってできてくるので、そんなに極端にエリアが偏るということにはならない。 また、傾向とすると、地域密着で小さい、実際経営的に厳しいのかもしれないが、地域毎に

小さい特養を作るという方向がある。 ・ 福祉教育の現状の学校の設置の状況と、いわゆる施設や介護事業所の部分がミスマッチを起

こしてしまうと、進学をしてから地元に戻っての就職というところになかなか繋がっていかな

いのではないか。

Page 29: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 6 -

・ 人口的にいえば、極端に言うと 300人、200人、100人というようなところにも人材が必要で、それをいかに確保するかという部分もあるので、学校の配置や拠点校などを考えるときに、

そういう視点も必要なのかなということを感じた。 ・ 都市部と農村部ということについて、農村部では、100 歳であろうと、何歳であろうと、自分の家で面倒を見ようとする。つまり施設が間に入ること自体を家族が未だにいやがる。家族

自体、どんなに辛くても面倒見るものと、そういうことを当たり前に考えている人が未だに多

い。 実際に経営をしていて、サラリーマンの方やお勤めの方々は抵抗が比較的少ないが、昔から

農家やっているところは、どんなに子どもが少なくて面倒見られなくても我慢してしまうので

はないか。 東葛や葛南のあたりというのは、都内への勤めが多いので、預ける人達も多いというのが現

状。 ・ 福祉施設の側からすると、地域とのニーズのあるものを掘り起こしていかなければいけない

というのも一つだ。 ・ 拠点はたくさんあった方が良いだろうが、現実問題、建てるとなればお金の面もあり難しい

かもしれない。ただ、そういう役割も高校という社会資源の中にあっても良いのではないかと

いうところを感じた。 ・ 拠点校化の位置づけだが、どちらかというと農業・工業については拠点校化して、そこをモ

デルにして盛り上げていこうという発想だと思うが、福祉はなかなかどうしても、学校分布か

らいって、松戸矢切高校というと、場所的な部分、拠点校は軸になる部分なので、新たに福祉

についての学校を作って、そこを拠点校化していくのかな、というふうに捉えることもできる

し、今現在あるところの学校を拠点校化して福祉教育を盛り上げていくんだというふうにも捉

えられる。捉え方がいろいろあるのかなと思う。農業であれば、いくつかある農業高校の中で、

農業高校を拠点にして千葉県の農業教育を考えていこうというのがあるが、福祉だと、松戸矢

切というと、県の端であり、全県区ではあるが、すべての生徒がいけるとは限らない。全県の

生徒がいける所に作るべきだという部分もある。 松戸矢切は、遠くは君津から通っている生徒もいると聞いた。しかし、場所的には厳しいと

ころであり、本当にあそこが拠点校で良いのかという単純な質問も出て来るのではないか。 本当は、福祉の学科が 2 校程度あれば、全県がカバーできるという言い方もできるが。あと

は個々に構想を持っているといえば納得いくと思うが、現状ではなかなか拠点校化というのは

福祉については厳しい言葉だと単純に思う。 ・ 拠点校という捉え方を少し整理しないといけない。松戸矢切とか福祉系の学校という捉え方

で行くのか、もしくは福祉教育推進校などもある意味拠点校になりえるのかもしれない。また、

それ以外にも取り組んでいる学校も多分たくさんあるんだろうな、と、そうするとどれが拠点

校なのかというのは、一回整理をしていく必要があるのではないか。 ・ 地域毎に人材がどれくらい不足しているかが分かれば、学校を増やしていこうということが

見えるのかなとも思った。

Page 30: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 7 -

・ 各地域でこれから高齢化がこう進んで、地域の人口がどうなっていって、その中のこれくら

いの人が介護の職員になってくれればやっていけるのか、ということを検討して行く必要があ

るという話はあった。 ・ 介護の職員を雇う側の人の話を聞くと、近場の人を雇う。 ・ 南の方だと人口がどんどん減っていくし、農業もやって行かなくてはいけない、漁業もやっ

て行かなくてはいけない、介護の人もとなると、労働力はどんどん減っていくという中で、ど

うするとかというのは見えない。 ・ 福祉の求人倍率は昔から比べると減っている。 ・ 定着するための一つの要因としては、地域の地元に就職するというのも方法なのではないか ・ 地域の中で人材をいかに育て、確保できるかというのが、福祉の分野でも言えるのではない

か。 ・ 学校も計画的に点在させるべきではないか。 これからの 5年・10年を考えたときに、時代も変わってくるので、地域的なところを拠点と

するのであれば、3つ、4つのしっかりした配置が必要なのかなと思う。 ・ 千葉県福祉人材センターと連携した福祉に関する具体的職業の体験は、一般の方を中心にや

っているが、場合によっては 12地区の協議会、高校なども連携をしながら、具体的に体験や実習などを行うのも連携の一つの方策ではないか。

・ 高校の視点で考えたときに、中学に対してのアプローチも連携の中では必要なのではないか、

というのを感じた。 ・ 中学校の先生は、高校の進路指導についてはあまり知らないことが多い。福祉系に限らずだ

が。社会福祉士と社会福祉主事と社会介護福祉士とヘルパーの違いを説明できる人は、高校で

も少ないが、中学校ではもっといない。高校の先生が行って、サポートするというのはあって

も良いのかなと思う。高校の先生が生徒を連れて行っても良い。 ・ 実習に行くときに、車に乗せられないので、生徒を電車やバスで行かせるが、旅費が負担に

なってしまう。現場では、そういう悩みがある。 ・ 実際には、実習にもお金がかかっている。 コースを作る場合は、実習費も掛かるということを知って、立ち上げなければいけない。ま

た、資格取得の関係で、実質時間を欠くことができないということから、職員は出張もできな

い。先生方の配置・人数も別枠で考えないとやっていけない。実習でも、生徒を出せば出しっ

ぱなしで良いかというと、全部見回りもしなければいけない。当然、事前打合せもしなければ

いけない。授業に見えない部分はすごく大変ある。実時間の関係で、長期休業中も授業をやら

なければいけない場合もある。 これらを十分配慮した中で、新しい学校や学科、コースを立ち上げるときの前提条件として

やっていかなければいけない。

Page 31: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 8 -

第3回福祉専門部会 記録

1 日 時 平成22年11月22日(月)

2 場 所 新都市ビル7階会議室

3 出席委員 7/9

4 前回までの議事概要確認

5 松戸矢切高校の状況について

(委員) ・ 千葉県は東京から近い、地価が安い、気候が温暖ということで、福祉施設は増えるのに、対

応できる人がいない。 ・ 南房総から九十九里、銚子に至るまでの地区では、私立の高校よりも県立高校のウエイトが

非常に高い。そのような中で、地域活性化のためにも、増えた福祉施設を一つの材料に、若年

者の就職先というか、地域の活性化につながれば良いと考えている。 ・ 将来、15 年・20 年先の求人の動向に対して、どうやって人材を送り込んでいくかという中で、一番知りたいことの一つは、高卒の福祉関係で勉強した方が、どういう国家資格が取れて、

どういう改善点があればどういう資格が取れて、より就職し易くなるのか。そうすることによ

って、工業や農業、水産も重要だが、それと同じくらい考えようによっては魅力がある重要な

福祉専門部会と位置づけ、考えている。 (委員) ・ 平成 21年度入学生から新カリキュラムが適用され、現在 2年生になっている。 ・ 旧カリキュラムでは、国家試験なしのルートと、国家試験ありのルートの 2 系統になっていたが、新カリキュラムでは、全部の養成施設あるいは実務経験のある人でも、国家試験を受け

て、介護福祉士の国家資格を取得という形に変更になっている。 ・ それに伴い、松戸矢切高校も、旧カリキュラムでは 1190時間履修・修得があれば、国家試験を受ける資格が与えられたが、新カリキュラムになり 1820 時間ということで大幅に履修・修得の時間数が増えている。 ・ その中でも一番厳しいと思われるものが、教員の要件である。旧カリキュラムの場合には、

私どもが福祉系の学校で教鞭を執るには、このような免許資格が必要だったのだが、新カリキ

ュラムになり、条件が厳しくなった。特に「介護」というところと、「心と体の理解」を教える

ことの出来る教員は、今までの教科福祉の免許状に加えて、介護福祉士の資格であるとか、介

護福祉士としての 5年の実務経験などを持っている教員でないと教鞭が執れなくなった。「心と体の理解」という所では、福祉の免許を持っているのは当然だが、医師か保健師、助産師、看

護師の資格を持ち、更に医師か保健師、助産師、看護師として 5 年の勤務経験があるものということで、厳しくなっている。この中でも「心と体の理解」の教員の要件が非常に厳しく、全

国の中でもこれをきちんとそろえている高校というのは、多くないのかもしれない。この部分

が一番難しい。 ・ 福祉系の高校のルートには、特例高校というのがある。特例高校と福祉系の高校の違いだが、

Page 32: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 9 -

福祉系の高校というのは、1820時間やらなければいけない高校で、全国で 107校ある。特例高校というのは、1190 時間の学校で、全国に 57 校ある。どこが違うかというと、もちろん時間数が違うのだが、特例高校の場合、1190時間をやり、さらに実務経験を 9ヶ月やった後に国家試験を受けるという制度の高校になっている。ただし、特例高校は 5 年間の期限付きになっている。5 年終わった後に、それをそのままの形で続けるのか、あるいは福祉系の高校にバージョンアップするのか、あるいは介護福祉士の養成をやめてしまうのか、それはまだ何とも言え

ない所だと思うが、期限付きでやっているという状況がある。 ・ 福祉系高校を卒業し、福祉分野に就職した者の離職率というのを調査したものだが、平成 17年の 4 月で 4.7%だった。これを同じように高校全体あるいは大学と比べてみると、高校全体では 24.8%、大学でも 15.0%とかなり大きな数字である。

(委員) ・ 矢切高校の平成 21 年度の進学の状況があるが、34 人の内、半分くらいが就職で、半分くらいが進学という状況だが、高校生から見て、すぐ就職を希望して地元で働きたいという方と、

逆に進学してステップアップしてからという、その辺の意識はどうか。 (委員) ・ 意識は年々高くなっている気がする。年齢的に若いので、実習などで色々な刺激を受けてく

る。その中で、「もう少し力を付けたい」とか「もうちょっと違う分野を見たい」などの希望を

持つ生徒が年々増えている気がする。ただ、経済的に難しい家庭もあるので、いったんは就職

しようという生徒も中にはいる。 (委員) ・ 生徒の通っている範囲は概ねどの辺か。一番遠いところでどの辺から通っているのか。前は

君津からという話も聞いたが。 (委員) ・ 君津の生徒は卒業したのではないか。千葉市はいる。 (委員) ・ 体験的な学習の実習状況ということで、施設実習などがあるが、うまく実習策が確保できな

いとか、生徒にとって実習がうまくいかないとか、などはあるか。 (委員) ・ 実習施設の確保については、色々な施設に協力をいただき、その点は大きな苦労はなかった

が、ただし、一つの施設に 2名から 3名の生徒なので、40人いるので 40カ所近くになる。そうすると、教科指導という形で施設をまわって、生徒の動きや今の思いなどを把握したいのだ

が、そこがなかなか授業をやりながら施設をまわるという、その稼働量がキャパシティーを超

えてしまう部分があるので、そこが今の一番の悩みである。 (委員) ・ 一定の教員の確保というのが必要だということか。 ・ 高校生が、入ったのは良いが、実習や体験をする中で、ちょっと福祉はという生徒も中には

いるのか。

Page 33: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 10 -

(委員) ・ 中学校 3 年生の時に福祉をやろうと思って、来た子達なので、色々な場面を見て、例えば具体的にいうと、排泄の場面などを見て、やはり自分はちょっとと思う生徒は少なからずいると

思う。 (委員) ・ 授業について行けないとかそういうのがいやで、ということで辞める生徒はあまりない。 (委員) ・ 平成 21年度卒の 34名ということは、最初から比べると 6名減っていることになる。やはり、資質や本人のやる気などでちょっと難しい生徒はいる。 (委員) ・ 福祉学科に入った以上、他の道を選ぶのは難しいのか。 (委員) ・ 言葉は悪いが、いわゆる「つぶしがきかない」ということになってしまうので、もしここを

やめてという場合、一番多いパターンが単位を取れるだけ取って、通信に入るということで、

高校の卒業資格を取る子が多い。 (委員) ・ 普通科への転科が難しいのか。 (委員) ・ 新カリキュラムになってからは、普通科目の単位数が随分減るので、途中での進路変更が生

徒にとって、とても損なことである。 (委員) ・ 1820時間に増えて、普通高校の生徒と比べて、実習の部分が夏休みなどにかかるということは、生徒のモチベーションは高いところにあるのか。 (委員) ・ 1年生・2年生は夏休みに実習に出るが、入学試験を受ける前に、そういう形で夏休みに実習があるということを説明してあるので、そういう意味ではあまり生徒の中から「夏休み?」と

いう声は聞こえてこない。仕方がないと思ってやっていると思う。 (委員) ・ 夏休みの実習は何日間やるのか。 (委員) ・ 1年生は 5日間、2年生は 9日間行く。冬休みや春休みはなく、夏休みだけである。 (委員) ・ 忙しいという実態について聞きたい。 (委員) ・ 例えば、定期考査の時、普通科は午前中 3 科目やり、その後は放課となるが、福祉教養科は試験をやって、その後 6 時間目まで特別授業をやる。それが一番生徒はきついようである。普通科は毎日 6時間目が終わると放課になるが、福祉科は 7限目がある日が何日間かある。それの不満も大きい。

Page 34: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 11 -

・かわいそうだが、部活動も普通科の生徒と足並みが合わないのが現状である。 (委員) ・ そこまでやらないと 1820時間という時間数をクリアーできないということか。 (委員) ・ その通りである。 (委員) ・ 矢切高校に限らず、福祉コースを設けている学校からも専門の教員がいないとか、実習や体

験をさせたいが、非常勤だったりすると出張に出せないなど、生徒のやる気や希望を削ぐとい

う話もあって、マンパワーを含めたハード面の整備もしないといけないのかなと思うが、正直

なところ実態としてどうか。 (委員) ・ 生徒の目線と同じになってしまうが、普通科の先生は良いな、と思うことは多々ある。 ・ また、夏休み実習が入っているので、打ち合わせや事務連絡などに時間が取られるので、体

が疲れてくる。 ・ 教材研究の時間もそれなりに必要になってくるので、かなり拘束時間が長い。 (委員) ・ 時間数が増えたことによって教育内容は充実しているのか。これを今後高校教育の中でやる

のは大変なのか、それとも今後も高校でやった方がよいのか。 (委員) ・ 中学 3 年の時にこの世界に入ろうと思うこの気持ちというのは、かなり揺れているものもあるのだが、ただ、だんだん育っていくのを見ていると、若い生徒達がお年寄りのお世話をした

り、色々なお話をする中で、その子達自身がすごく育っているなと感じる。そうすると、とて

も厳しいが、人を育てるには、この福祉教養科という学科は非常に良いと思っている。ただ、

やはり生徒に良い教育をしたいというか、理想というのは譲れないと思う。その理想を実現さ

せるには、今のソフト面ではちょっと難しく、生徒も教員も共倒れになってしまうのではない

かという気はする。 (委員) ・ 具体的にこうした方が良いという具体策があれば聞きたい。 (委員) ・ 教員の数を増やしてほしい。カリキュラム自体は、とても良いカリキュラムだと思っている。

内容は難しいが、これを若い生徒達が身に付けていくというのはとても良いことだと思うので、

教員の数さえ増えていけば、とても良いシステムなのではないかと思っている。 (委員) ・ カリキュラム自体は、福祉を学ぶ場合生徒にとって必要だということか。 (委員) ・ 生徒にとっても、1820時間というのはものすごくきついと思う。ただ、旧カリキュラムの時の生徒と比べれば、きっと(新カリキュラムで学んだ)この子達は、就職したときには今まで

以上にかなり即戦力として生きていくのではないかと思う。それだけ、この 1820 時間という

Page 35: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 12 -

のは非常に厳しいが、中味はものすごく濃いし、生徒にとっては良いと思う。 (委員) ・ 実務経験 5年というのは厳しいのではないか。 (委員) ・ 介護の所だが、介護福祉士として 5 年の実務経験または実務研修というのがあるが、実務経験を持っている教員はほとんどいないと思う。ただ、国もこのような要件を出してきたので、

実務経験に代わるものとして、実務研修というのをやっている。 (委員) ・ 人材確保のためにも、地域活性化のためにも、高校生が就職できるような高校にして欲しい

し、そのためには、魅力のある、特色のある福祉教養科にしなければいけないと思う。そのた

めには、大学の教員養成課程とこれがどういうふうに結びつけなければいけないか考える必要

がある。 ・ 大学の教育学部の教員養成課程とこの部会が懇談会を持って、こういう教員が必要なんだと

いう、接点を持たせても、どうやって魅力をというのが現場になければ、教員養成課程の福祉

の教員が増えるかどうかという問題があるが、この辺を考えていくと、10年以内にどうやって、高校を卒業する生徒に資格をいくらか与える。福祉関連は、有資格者に資格手当を導入しなけ

ればいけないと、昨年から言っている。資格手当を出すことによって、これからの高校生達は

資格が取れれば・・・。これでいくと、数年の間に先生の困っている問題に、私たちはどうい

う手助けできるだろうか。教員を増やして、魅力のある学校、福祉教養課程にする。子ども達

が部活もやり、高校を卒業して夢を持って多少でも良い条件で就職させられるかというものを

作るにはどうすれば良いか。福祉団体との接点や受け入れ体制を緩和する方法などを考えてい

かなければ解決しないのではないか。 (委員) ・ これは千葉県だけの問題ではなく、全国的にも同じ状況だろうと思う。福祉に関する学科の

設置は、全国で 164校ある。おそらくどこも同じような悩みを持っているのだろうと思う。 ・ 教育委員会で調べられればで良いが、福祉の教員免許が取れる学校数が千葉県内でどれくら

いあるのだろうか。私の知っている範囲でそんなに数はないと思うが、教員養成の部分でヒン

トになればと思う。 ・ 福祉教養科は千葉県で 1校だが、もう 1校とか 2校とか拡大する方向性の方が、生徒にとって学びやすい環境になると思うか、それとも松戸矢切を拠点として、その他に例えばホームヘ

ルパー2級などの資格が取れるような環境がよいのか、率直なところどうか。 (委員) ・ もう 1 校介護福祉士の資格が取れる学校があれば、学校間で色々な話が出来るし、連携も出来るし、生徒達の交流も生まれるので、すごく良いことかと思う。地理的にも 2 カ所くらいあれば良いと思うが、やはり中味の問題。 (委員) ・ 今は 1校しかないので、福祉コースは 5つ学校があるが、その辺とは連携ではないが、情報交換など先生の間でやっているか。

Page 36: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 13 -

(委員) ・ 年に 1回やっている。 (委員) ・ そういう機会があれば、教員の質も上がるのではないか。 (委員) ・ ヘルパー2 級で、今年実際やっているのは、松戸矢切高校と君津青葉高校と鶴舞桜が丘高校だけである。松尾高校は通信制でやっているし、勝浦若潮高校は廃止と言うことになっている。

船橋豊富高校は平成 24年度からと聞いている。 (委員) ・ 特例高校が 57校あるが、通常の範囲では無理なのでこれを選んだのかと思う。5年後、場合によってはやめてしまうところもあるのではないか。 (委員) ・ 5年間かけて、1820時間にバージョンアップできる準備を出来れば良いとは思うが、それが無理な学校はやめるしかないと思う。 (委員) ・ 国は、そう考えると、高校で福祉科増やして欲しいという方向ではないという感じがする。 (委員) ・ 受け入れ団体側の厚生労働省では、この程度の勉強してこないと受けないという形があると

思う。そこに根本的な問題があると思う。 (委員) ・ 人を増やしてと言っていたが、1820時間という規定の中では、生徒の負担は変わらないのではないか。 (委員) ・ 介護福祉士の養成ルートが今、減少傾向にあるという所があって、福祉系高等学校の設置状

況についても地域に欠くことの出来ない人材養成供給の場になっているとはいえ、やはり減少

しているという状況がある。 (委員) ・ 福祉の課程を選んだ子ども達は、一般の高校生を同じ高校生活を送るのは最初から無理な境

遇にあると言うことか。 (委員) ・ 出来るだけ体育祭や文化祭など、いわゆる高校行事に出してあげたいという思いがあるが、

そうするとどうしても 7 限の授業をやらなければいけなかったり、夏休みに実習に行かなければいけなかったりというのがある。なので、学校行事をすべて福祉の子達は無しということに

なれば、もう少し楽になるが、ただしそれは良いこととは思わない。 (委員) ・ そういう境遇であれば、高校を卒業した暁には、他の学生よりも多少何かプラスアルファが

あるというものを作らない限り無理。 ・ 教育委員会としては、商工労働部や健康福祉部と協議をして、福祉科の生徒は必ず就職を受

Page 37: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 14 -

けると。例えば健康福祉部の傘下の団体があるが、そこに受け入れる基準を作らせて、そこで、

商工労働部の就職担当を入れて、高校時代頑張って福祉教育を受けた者については、必ず就職

可能だというルートを確実に作るなど、そうすれば途中で抜けずに最後まで頑張ってみようか

と思うかもしれない。 ・ そういったことをやりながら、何とか魅力のある福祉教養科にしたい。恩典がないといけな

い。 ・ 過疎地で、子どもの数確保のためにも、高校を減らす、あるいは学級数を減らすというとき

に福祉科を作ることによって、地元の貢献度を高くなるような県立高校の在り方があるのでは

ないかという理想を持っていたが、福祉教養科を魅力あるものにして、プラスアルファのある

ものにしないと・・・。 (委員) ・ 生徒にとって魅力ある、例えば資格が取れるとか、就職や進学につながるというある意味生

徒にとってメリットであって、学校側のメリットとして福祉に取り組むことで、例えばうちの

生徒は心優しい生徒、子どもの成長が他の普通科より高くなるなど、人を育てるという視点で

学校経営をしているというなどは学校側の魅力の一つだろうし、実習などで地域と連携をして

いるというのもメリットかなと。その辺をうまくバランスを取りながら、魅力ある高校にして

いくというのがすごく大事な視点なのだろう。それを具体的にどうするかは別の議論も必要に

なってくるのではないか。 (委員) ・ 今まで福祉は 3k、つまり悪いことばかりの条件で、就職したって、安いんだよ、きついんだよ、汚いんだよ、というような言葉で、それからあまりにもメディアがそういうことを言っ

ていたがために、就職する人たちではなく、学校そのものがみんな生徒が来なくなってしまっ

た。 ・ 中学校から高校、高校から大学へ行くときに、福祉はやめなさいという言葉が出てきてしま

っている状態の中で、介護というものを全く知らないまま、今日まで来ていた。しかし、昨日

のような生き生きした子達、あれはもっとみんなに知ってもらうべきだと思う。介護の実践で、

子ども達が生き生きしている。こういうものをもっとみんなに見てもらいたい。そうすると、

中学生や高校達が、改めて福祉というものについて、それから一般の介護福祉士の合格率が

50.3%くらいなので、矢切高校を卒業した子達は 73%くらいということで、非常に高い。それも出ていたが、そう意味で、もともと優しい子が、自分をアピールするということが、どちら

かというと下手な方だと思う。そういう意味では、私学と違って、県立はそういう所をしっか

りと、社会で足りない部分を補うくらいの環境を学校で作ってあげるようにしていかなければ

いけないのではないかと思う。地域社会で必要な人材を育てるというのは、県の役目だと思っ

ている。私学はそうではないが。県立は、これからの 5年、10年先を見据えた中で、生徒達をどう楽しく、生き甲斐を持って学び、そして就職に就くかということを、これは県が考えてい

くべきであろうと。これは先生方に押しつけるのではなくて、先生を交えて県がもっと考えて

いかなければいけない。

Page 38: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 15 -

・ 何のために学んでもらうか、将来どういう人材が必要なのかというのは、国や県が考えるこ

とであって、それを先生方にこういう教育でどうだろうかという提案をし、先生から現場の声

としてあげていく。そういう社会になっていかないと。今の環境で考えていくという小さい器

で進んではいけないのではないか。 ・ これからの学生のためにセミナーを開こうということで、2月 17日。それはこういう福祉の学校の生徒達を 50 名から 80 名くらい無料で招待して、ユニットケアとは何かということで、こんなに素晴らしいのだということを知ってもらうということで、県からの助成金が確保でき

そうである。 (委員) ・ そういうバックアップシステムを作らない限り、魅力のある課程にならないと思う。 (委員) ・ 福祉施設・団体が、皆さん卒業したら我々が面倒見るよと、だから高校生として楽しくやっ

てきてくれれば、不足分は自分の所で実務研修をやって、一人前にしてやるから、高校では福

祉課程をきちっと来てくださいと、あなた方の将来は明るい、という動きをすればトンネルの

向こうが見えてくると思う。 (委員) ・ 卒業した子で就職を希望していて駄目という生徒はいないということで良いか。 (委員) ・ 現実に、私の所で毎年 5 人ずつ矢切高校の生徒に来てもらっているが、実習が足りないと思う。もう少し深い実習をさせないと無理なのかなと思う。

(委員) ・ 受ける側からすると、資格を持った完全に役に立つ人材が欲しいわけだが、それを高校 3 年間やっただけの子にそれを望むということが、私は無理だと思う。そこの所のコンセンサスが

うまくいけばよいのだが。 (委員) ・ 私の所では、2 年間は現場でどういう育て方をするかプログラムがあるので、人として、遅刻をする場合は電話をしなさいという所から教えている。なおかつ、現場ではこういう流れで

先輩から教わったものは、まず素直に受け入れてやってごらんという形でやっていて、だいた

い 2 年間は、どちらかというとその子に合わせた指導の仕方で持って行っている。そして、3年目になると、ユニットリーダーになってみないかと。 (委員) ・ 卒業生の 7 割が資格を取って、でも進学をするという生徒がいる。例えば、介護福祉士を取得して、進学をして、その先に例えば社会福祉士とか精神保健福祉士など、また違った資格を

取るという希望で進学をする生徒が多いのか、それとも、違った道をという生徒が多いのか、

進路の関係で聞きたい。

Page 39: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 16 -

(委員) ・ 上の学校に進む生徒は、介護福祉士の資格プラス社会福祉士が欲しいとか精神保健福祉士が

欲しいとか、あるいは保育士が欲しいとか、そういう形である。中には音楽の方に進むなど、

そういう生徒もいるが、プラスアルファの資格が取りたいという気持ちがあって、上の学校に

行く生徒の方が多い。 (委員) ・ 普通科目が少ない中で、受験で不利ということはないか。 (委員) ・ 一般入試では不利だと思うが、ほとんどが指定校の枠などで進学している。 (委員) ・ この子達は、就職できないから進学ということではない。 6今後の福祉教育について

(1)拠点校関係

・ 福祉教育の関係で松尾高校とつながりがあり、別件で伺う機会があったので、ヒアリングを

させていただいた。その中で、矢切高校のような福祉教養科という科があると、それ以外が福

祉コースという形で設置されている。特に、福祉教養科の場合は目的がはっきりしている。介

護福祉士の資格を目指して頑張っている所であるが、福祉コースという、1 年生は普通の教科学習をして、2 年生からコースに分かれて行うと。福祉に対して理解してもらうとか、興味・関心を持ってもらうという程度のコース制にするのか、それともある程度専門職科、例えば、

ヘルパー2 級であるとか、あるいは介護福祉士の資格まではいかなくても、例えば実習時間であるとか、体験する時間を増やして、ある程度専門職科というか、そういうのを色濃く出して

いくかによっても、福祉コースの在り方もこの中で、拠点校として、前回の議論の中で拠点校

となり得るのではないかという話があったが、実態としてはなかなかそこまでのカリキュラム

の問題も出てくるので、どうなのかという話も聞いてきた。 ・ 拠点校化のイメージという話があったが、農業・工業とは違って、そのあたりも議論になる

のではないかと思うが、拠点校のイメージについてどうか。 ・ 拠点という言葉が十分つかめていないが、教育とか興味を持つ生徒が、現実にはあまりいな

いのだろうと、そのためにこういうクラスそのものも縮小化されているのだろうと。つまり、

この素晴らしいものを、皆さんが知らなすぎる。介護の素晴らしさ、それから自分が人の役に

立つということが、多分喜びになっている。そういうことを早く、誰かが知らせるような方法

をとらないと、興味は持たないと思う。まずそこが第一だと思う。そこから、福祉は1クラス

では足りないということになってくるのではないか。それによって、拠点となり得るものが必

然的に地域社会や子ども達から認められてくるわけである。 ・ まず大切なのは、福祉というのはどういうものなのかもっと知ってもらう。例えば、中学校

で、楽しそうに学んでいる姿のDVDで見せてあげるなど。そうすることによって、違う方に

向いている子達がちょっとのぞいてみようかなということになるのではないか。

Page 40: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 17 -

・ 学校にある、介護の設備などを地域の方々や中学生などに、福祉のことを種まきするような、

例えば、学校の施設を使って何かをやるとか、ちょっとした介護教室をやるなどの取組はやっ

ているか。 ・ 今週の土曜日もあるのだが、学校開放講座というものがあり、高校生と学ぶ福祉の基礎とい

うのを今年は 2回やる。 ・ その内容は、実習も入る。例えば、介護食を実際に食べてもらったり、食べさせたり、食べ

させてもらったりなどの体験であるとか、足浴という足を洗うとか、畳の上からの起き上がり

方だとか、障害のある方の衣服の着脱のお手伝いだとかをやっている。あと、車いす体験など。 ・ そういうのを学校から発信するのはすごく大事だが、聞いたから学校開放でそういうことを

やっているのを知ったのだが、矢切高校に限らず福祉コースの所で学校から発信するシステム

というか、仕組みというのはあっても良いのではないか。先生にとっては負担になるので、そ

こはフォローしなくてはいけないというのは難点ではあるが。魅力ある学校を作るためには、

学校からPRしていくというのは大事なのかな。それがある意味、拠点校化になるかどうかは

分からないが、介護のことだったらここの高校に行くと何か聞けるよということがあっても良

いのかなと思った。 ・ 中学校の先生方は、職場体験という言葉に飢えている。地域の企業から声がかかることを望

んでいると思う。学校側から行くというのは敷居が高いらしい。矢切高校も、もしよろしかっ

たら定期的に交流をしないかということであれば、喜んで参加してくれると思う。 ・ 学校としては、色々なところを見た方が良い。13施設あるので、生徒をそういう所にいったん預ける。それぞれの施設に平等に体験させるのが良いのかなと思う。 ・ 拠点校化に関して、前回も様々な議論があったが、一つにはあった方が良いというのが方向

性が一つ、ただ、そうは言ってもハード面ソフト面の整備、若しくは教員の確保というのも必

要だよというのが前回の議論の中には結構あったのかなというとことだが。 ・ 矢切高校の話を聞いてなければ、拠点校のモデル例の③④、福祉関係校へのフィードバック

とか、あるいは小中学校の教員に対してのサポートなどが拠点校としての望みなのだろうが、

ただ、拠点校と言うからには、もう少し幅を広げて、今、福祉教育というのが高校の場合は、

介護福祉に特に限定しているような状況である。世の中のたくさんある分野の中で福祉がほん

の一つの分野にしか過ぎない、だから福祉が理解されないわけだが、更にその中で介護福祉に

偏ったというか、やっていくと、拠点校というよりも、福祉を目指す皆さんにとって、非常に

限定的なものになってしまう。もう少し福祉というものを広い意味に捉えて、大変なのは分か

るが。福祉はご存じの通り、元の言葉はみんなの幸せということだから、幸福が止まると福祉

が充実するのだ、幸福を止める努力をするかどうかだ。福祉に携わるということは、これをや

ることによってみんなが良くなるというような部分をもうちょっと高校生達に、あるいは教員

の方に、拠点校という位置づけをしながら、もうちょっと広い意味での福祉というのをうたわ

せたい。いくらかでも気持ちの余裕が出るのではないか。介護福祉に限定し、資格を取らなけ

ればいけない、というのを高校生にやるのは大変。福祉全般を捉えるようにした方が良いので

はないかと感じる。拠点校といったら、介護福祉ではなく、福祉全般について考える能力を作

る学校にして欲しい。

Page 41: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 18 -

・ 戦後まもなくの福祉は、例えば、施設を建てたり、ヘルパーを増やしたりなど、いわゆる、

貧困の対策であったりとか、身体的な介護が中心で、そういう方向性で戦後まもなくから来て

いたが、今となってみると、実はそれだけでは福祉は支えられなくなってきていて、地域の住

民の生活のしづらさとか、生きづらさをどう解決していくのか。でもそれは、別に大人がやる

話ではなく、高校生であっても、極端にいうと、小学生や中学生であっても出来ることだと思

う。どうしても今、介護福祉士の養成校というのがあるので、消極的社会福祉の視点というの

はぬぐいきれない部分はあるのだが、出来ることなら、そういう所から一歩飛び出して、積極

的に関わっていく、広げていくという方向というのはある意味大事なのかな。ただ、これ拠点

校の話なので、後半の部分で地域との連携の部分でもう少し肉付けが出来れば良いかなと思う。 (3)地域の福祉・生活課題への対応関連 ・ 今、県立高校が 120数校ある中で、福祉に特化したような矢切高校やいくつかの福祉コースの学校だけでなく、120 数校の県立学校の皆さんが共通して取り組める、若しくは共通した視点を持って、それこそ広い意味での福祉のとらえ方が出来るのではないかと感じた。 ・ 市川でいくつかの複合型の拠点ということで、社会福祉施設の複合化をしているケースがあ

る。小中ならある。 ・ 小地域の福祉活動の中に、拠点として学校の存在というのがある。高校の福祉教育の指定校

の中でも、地域の自治会の方々と学校とで、災害があったときに応援出来る体制を作ろうとい

う動きがあったり、そういう学校と地域との関係性を持とうとしている、若しくは、場合によ

っては拠点を提供したりというのもある。 ・ 6 年前に市川市が「福祉の町作り」というのを市長が掲げた。これの根本は、良く災害で皆さんご存じだと思うが、福祉の町作りの根幹というのは、災害で自分を助ける自助というのが

あり、それから助け合う共助というのがあり、それから自衛隊などに代表されるように公助が

ある。福祉教育というのは、教育を含めて福祉というのは、助け合う気持ちを醸成するのが福

祉教育だと思う。だから、福祉の町作りというのは、やってもらうのではなく、自分たちで良

い町を作ろうとやっていくのが福祉教育だと思っている。そういう点では、資料の 5 ページ、これはこれで良いのだが、囲みの中の一番最後、これまで以上に地域を巻き込んだ、福祉教育

の取組が重要です、と書いてあるが、私から言わせれば、お互いに助け合う互助の精神を醸成

するのが重要ですと言いたい。 ・ 何故これにこだわるかと言うと、アメリカにサービスラーニングという考え方がある。この

サービスというのは日本語のサービスではなく、福祉である。キリスト教でいう奉仕というの

か、奉仕のことである。これは幼稚園から、小中高・大学、一般社会まで、何を学ぶかという

と、奉仕をして学ぶというのは、幼稚園・小学校から自分の住んでいる地域で何が問題なのか

というのに取り組ませる。それぞれの家庭で、自分の住んでいる地域にどんな問題があって、

自分はどれに関わっていくべきかということを、小学校からずっとやる。これが、お互いに助

け合う精神と愛国心につながると、アメリカでは信じて、これを 1980年代からやっている。

Page 42: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 19 -

・ 福祉教育が、みんなが地域のどの問題に関わるか、お互いに助け合うということがどんなに

重要で、一人では出来ないことが出来るということを教えるのが福祉教育だと考えているので、

それが友達とか学校とか地域につながっていくのが大事。 ・ ここに、お互いに助け合う精神とか、お互いに自分が出来ることをやっていく動機付けなど

が福祉教育だと思う。 ・ 例えば、学校で、小中というのは、子ども達や学校運営というのは地域の協力が結構あると

いうことは理解されている。ですから、ミニ集会などがあると、地域の民生委員や町会長など

を呼んで、学校に対する要望など地域の中での声が聞かれる。しかし、高校となると、以外と

それが皆無なのではないか。地域に根ざしたといっても、学校というのは地域からすると敷居

が高い。子ども達がPTAでお母さんが行くというのは、以外に気楽にまだ行けるのだが、地

域とは全く違うところから来ている人たちが多い、そこに地域を巻き込んでといっても、なか

なか、何かの大きなメリットがないと、介護の技術を体験してもらいましょうといっても、普

段から地域の方々が来ていないので難しい部分があるのかなと。それで今回、矢切高校から、

ミニ集会に参加しないかという案内をいただいたので、ぜひいってみようと思っている。そう

いう意味で、学校側から地域を巻き込むすべを何か考えていかないと、地域を巻き込んでとか、

拠点といっても、なかなかなしえるものではないのかなと思う。 ・ 大網高校は元農業高校だった。その時は完全に地域とは、離れていた。所が、福祉教育をや

るようになって、花の苗を大網高校が作って、近くの小中学校がその苗をもらって、例えば道

路際のグリーンベルトや公園に、小中学校がもらった苗を植えるようになった。そこで、それ

を交通整理のために、地元の社会福祉協議会の人が応援し、農業団体が肥料を渡すなど、高校

が苗を作ったことが地域に広がって、そこで交流が生じた。その結果、そこの文化祭には地元

の人たちが集まるようになって、地元の交流が出来るようになったという、素晴らしい事例が

ある。 ・ 矢切高校も、そういう形で、もう少し広く近隣の小中学校を含めてそういう所にもやるよう

にするともう少し広がるのではないか。 ・ 福祉教育の推進校の活動など見ていると、最初は、何故高校が一緒になってやらなければ行

けないの、くらいの導入である。3年間の取組なので、3年目になると、こういうことが大事だったんだと、高校にとってみれば、中学校が地元の高校に進むということの魅力というのを感

じるようになったというのを良く聞く話である。 ・ 松戸六実高校と周辺の地域が指定になって、今取り組んでいるところだが、そこも中学校を

拠点としてやっているが、中学校と高校、若しくは地域の住民と高校生がタイアップして色々

な形で関わっている、若しくは、場合によっては、六実地区の地域を地域って一体どんな地域

なんだろうということを、高校生が自分たちの地域と捉えて考えていたりする。そういうよう

なことで、学校も地域にある程度貢献できるし、地域も学校に関わることが出来るというよう

な変化が出てきている。 ・ 地域の中の学校であり、学校の中の地域であるということを、少しでも広げられると、これ

は福祉に限ったことではないけれども、生活をするという場面で考えたときにはつながるので

はないかと思う。結構そういう事例が少しずつだが変化が出てきているというのがある。

Page 43: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 20 -

・ 福祉の側から学校にもっとこうしたらというのがあればお願いしたい。 ・ ヘルパー2級の申請が、平成 18年がピークだった。今年の 4月に開業する事業所が 70前後合ったが、8 月頃から中止する所が増えてきて、今 50 くらいしか申請が上がってきていない。だから、大人の方で、福祉の資格というか、勉強してみようという方はだいたいもう取られて

しまっているのではないかというのもあって、これから興味を持たれるのは、卒業してくる高

校生とか若い方達なのだから、やはり高校とか小中学校の段階で関心を持ってもらわないと、

目が向いていかないのではないかと感じる。 ・ ヘルパーの講習時間は 130時間であり、1ヶ月から 2ヶ月くらいで、詰め込めば取れる。 ・ 学校の中では詰め込むというのは、カリキュラム的には難しいのか。福祉コースなどは別と

して、例えば希望のある生徒にそういう門戸を開いてあげるとか。若しくは、県立高校の 3 校とか 5校とか周辺の学校をまとめると、例えば 50人くらいになるからそれでやってみようかという発想が、ヘルパーの場合はあっても良いのかもしれない。1校でやるのは難しいとしても、拠点校ではないが、周辺校 3つ・4つ併せて。

・ それこそ拠点校があるわけなので、拠点校の周辺の学校、例えば君津青葉高校の周辺だった

ら、君津・木更津あたりから、通えれば夏休みとかを使って。興味のある子が 130時間をクリアーするなど。

・ 福祉の現場の方々と学校との間の協議の場というものが必要かもしれない。 ・ 拠点校化の発想というのも、一つの方法としてだが、個々の学校の中だけで解決するのでは

なく、その周辺の学校を巻き込んで取り組むという視点があっても良いのではないか。そうす

ると、教員の負担の問題もあるかもしれないが、視点としてはあっても良いのではないか。 ・ そうすると、福祉に興味や関心があるけれども普通高校に行っている生徒もフォローできる

し、場合によってはそこから進学して、福祉分野の人材確保にもつながるのではないかという

イメージも出来るのではないか。そうすると、拠点校化のイメージというのが、その学校だけ

じゃない拠点校化という広がりが見えてくるような気がする。 ・ 高校の福祉課程というのはこういうことをやっている、ということをもっとPRする必要が

あると思う。ご苦労だけされていないで、福祉教育の実態をもう少しPRして、一般の学生や

教員にも理解していただくことが重要なのではないか。 ・ 一部の先生が悩んで苦労しているだけでは進まないと思う。

Page 44: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 21 -

第4回福祉専門部会記録

1 日 時 平成22年12月15日(水)

2 場 所 千葉県総合教育センター A313

3 出席委員 5/9

4 概 要

(1)前回の議事概要の確認

(2)拠点校化について

・ 福祉教育推進校は普通高校に限ってないので、普通科を設置した高校と捉えてしまわないよ

う、「高校」と表現してはどうか。 ・ 従来の小・中学校を含めた福祉教育は社会教育の一環と捉えることができ、普通の高校で実

施するのは社会教養のような福祉教育であった。ここで議論しているのは、福祉のプロを養成

する専門性を持った福祉教育である。それを踏まえるなら、今の解釈のとおり、学科に関係な

く、福祉の素地をつくるということで良い。福祉の理解を深めるのは、拠点校の仕事とすれば

よい。 ・ 福祉は、表面上は「福祉は大事である。」「誰でもお世話になる。」と言っても、業界の中に差

別の根があったり、3K,4Kという目で見られているという実態があるなら、そうならない

ための啓発は意味があると思う。 やがて誰もが障害を持つようになるかもしれない。福祉が理解される社会をつくるという意

味で、全ての高校で福祉に関する啓発をするということであろう。福祉には他の教科と違う側

面、重要な役割がある。 ・ 拠点校には、近隣校への社会教育レベルの福祉に関する情報発信の面と、専門分野の高いも

のをめざすという2面性がある。 ・ 松戸矢切高校普通科の3年文系クラスで、専門科目の一つである社会福祉基礎を選択できる

が、希望している生徒は少ない。統合後の松戸向陽高校でも、普通科文系コースで福祉基礎を

選択できるようになっているが、こちらは希望者数が多いと聞いている。 ・ 松戸矢切高校は併置校なので、福祉教養科から普通科の生徒に対してもボールを投げている

というか、選択科目を設定するなど働きかけをしている。ボランティアの募集も福祉教養科単

独でなく、普通科にも呼びかけて一緒にやっている。 ・ 幕張総合高校は校舎も離れているので、物理的に難しい。 ・ 普通科にコースを作ることはクラス数が減ったとき、空き教室に看護科のベッドを持ち込ん

で普通科選択の一つとする案がなかったわけではない。しかし、難しい面もあり実現しなかっ

た。 ・ 松戸向陽高校での可能性は、社会貢献ができる福祉マインドを持った人材を育てるというコ

ンセプトである以上、具体的な形で進めていかなくてはならないとは思っているが、統合を控

えいろいろ準備が大変なので、落ち着いてからと考えている。

Page 45: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 22 -

・ 松戸矢切高校の福祉棟の廊下には、ボランティアの募集だけでなく、活動報告、結果,感想

など掲示されている。普通科の生徒に対しても興味をそそる内容になっており、福祉の拠点校

から情報発信する役割はあると思う。 (3)人材育成について

・ 東金商業では1年生全員が福祉体験をしている。文部科学省の研究開発学校の指定を受けて

キャリア教育をテーマに3年間取り組んできた。中間発表ではいい影響があるとの報告があり、

その中にヒントがあるかもしれない。 ・ 大網高校が花の苗を育て、近隣の学校に配ってみんなで苗を植える活動をしている例を報告

したが、小・中学生が文化祭に来るようになったと聞いている。小・中・高のたてのつながり

を持つと良いかもしれない。関心が無い高校生も関心を持つようになるかもしれない。 ・ 小・中は地域が同じでつながりがあるが、高校になると関係が薄くなってしまうところがあ

る。小・中・高の縦の連携を作ることも必要。 ・ 指導課が所管している小・中・高連携の特別授業という事業がある。あってもおかしくない

のに、福祉の授業は見たことがない。学科やコースを設置している学校に働きかけて実施を促

すことは容易にできる。 ・ 小・中・高の交流はモデル的事業になる。専門的人材育成ではなく福祉マインドを育成する

イメージで人材育成につながっていけばよい。 ・ コースや学科で専門知識や技術を学ぶ側面と、120数校全体で福祉マインドを育て裾野を

広げる二面性がある。福祉マインドと専門教育という2つの側面の視点で整理すると見えてく

る。拠点校化も同じ整理ができる。 ・ 繰り返しになるが、生徒に優しいカリキュラムであって欲しい。余裕のないところで人を思

いやるこころを育てるのは矛盾がある。専門性を育てるという面での課題は、ゆとりある育て

方だと思う。 ・ 人材育成といったとき、小・中学校の段階からというのが大事だと思う。 ・ 小・中学生に興味を持たせる、福祉関係に進学したいと思わせるような魅力を発信できるの

は設置校だけである。部会としては、両方表に出すことが必要。 ・ PRについてうまく表現できると良い。 ・ 高校の福祉教育はこんなことをやっているというPRと、高校の福祉教育に興味を持たせる

PRの2面性ある。 ・ 福祉、介護以外にできることがある。小・中学校の例を挙げれば、隣近所のあいさつや敬老

会でのかかわりがある。高校生も混じれば良い。保護者にもうけが良いし、あの高校に行けば

優しい気持ちが育つ、と感じてもらえるのでは。 ・ 中学校の教員がどれだけ理解しているか不明であり、中学校の教員向けの周知が重要。 ・ 看護・介護を希望する動機として、祖父母との経験をあげる子が多い。 すべての教員がHPをアップロードできるようになっている。学校評価の結果から見ると、

残念ながら生徒、保護者はあまりHPを見ていない。本校の場合は、HPがどれほど効果を上

げているか疑問である。

Page 46: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 23 -

・ 子どもが小学校で車いすを使用している方の話を聞いた。車いすで東京マラソンに出るとい

う話を聞き、コースまで見に行った。実際に見てみると興味関心を持つのではないか。 ・ 以前車いすバスケットの選手を招いて講演会を開き、実技も見せていただいたと聞いた。子

どもにはインパクトあったようだ。直に見て話を聞くのは効果が大きいかもしれない。 ・ 先月、学校開放講座を2回やった。対象を定めなかったが、毎年中学生も多い。介護をして

いる、あるいは介護が必要な事情を抱えた大人のニーズに応えるのか、若い世代に対する福祉

への興味関心に応えるのかが議論になる。対象をはっきり小・中学生と定め、車いすの操作の

仕方、食事の手伝いの仕方などをわかるように実施するのも意味があるのではないか。実習の

公開に特化してしまう面はあるが。 ・ ある委員も、小・中学生で経験するとものすごく変わると言っていた。 ・ 小学校の段階で何らかの経験をすることで、引いてしまっていた子が、気持ちのバリアが無

くなり、入っていきやすくなる。将来の人材育成につながるのではないか。

(4)健康福祉政策や社会福祉団体との連携について

・ 高齢者施設協会などもある。学校の周辺の施設を紹介して接点を持たせることができる。 ・ 市町村単位で協議会を持っている例がある。体験したいときに、市内にある既存のネットワ

ーク(協議会)に働きかけ、日程などの調整することが考えられる。実習先はどうやって開拓

しているのか。→ 直接交渉している。 ・ 高校にコーディネート能力がない。八日市場市にある高校が福祉実習を計画して施設に依頼

したが、「教員が全くの素人だと施設の職員がかかりっきりになって仕事にならないので、不慣

れな教員が引率するなら断る」と言われ、私が知っている施設に無理矢理お願いした例がある。

どこかにルートやコーディネートする能力は重要である。実習の内容や指導者のレベルで見合

う施設は異なってくる。 ・ 社会福祉協議会でも可能である。実際に実習の受け入れの調整の役割をすることもある。N

HK学園の社会福祉専攻科の実習先の調整を担っている。 ・ できて時間がたつと良いものになってくる可能性はある。実習を依頼している看護師は教育

の視点を持った方である。実習では教員とチームを組むが、若手看護師も同行するので、若手

看護師に教えさせたり、若手に教え方を学ばせたりするなど、相乗効果がありうまくいってい

る。 一方で、介護している保護者から、経験を高校生に話したいと申し出があったが。「安易な人

材活用は逆効果である」と担当者から説明を受けた。どのような生徒を相手にするのか把握し

ないまま、いいたいことだけ話してもうまくいかない。もし、実施するならば手順を踏んで十

分時間をかけて進めるべきである。育てる視点を持っているかを判断せず、人をかき集めてく

るだけでは、特に福祉分野では危険である。 ・ 社会福祉協議会などと連係して受け入れの仕組みづくりを進めることは可能ではないか。教

員免許を取るときは7日間の介護等体験授業が義務づけられているが、県の社会福祉協議会が

コーディネートしている。学校任せにせず、仕組みを作ることが大事。そうすれば学校の評価

があがり人材確保につながることもある。

Page 47: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 24 -

・ 実習時間が決まっていて、希望者数などが事前に把握できれば調整可能である。コンタクト

をとるのも大変だし、実習に伴うルールも施設毎に異なる。教員一人が担当するのは大変であ

る。 ・ 12地域のエリアは人材確保定着対策の協議会だから、あくまでも就職の方へシフトしてい

る。新たにつくるか、既存のものを活用してシステムを作ることで回る気がする。受け入れの

しくみづくりは学校にもメリットがあるし、施設にとってもバラバラに依頼がくるよりかえっ

て良いかもしれない。 大学、短大、専門学校の場合、実習先は学生が自分で探すが、施設間でも受け入れに格差が

あるのが実態である。格差を解消するとともに、生徒がスムーズに現場に入れるしくみをつく

るのは、既存の組織を活用しうまくつなげるとできるのではないか。コーディネートを誰がや

るのかが最大のネックになる。何でもかんでも受け入れるわけにもいかない現場の事情もある。

バランスをうまくとる必要がある。 ・ 実習に来たけれど、同じことを何度も聞いたり、メモもとらないなど、やる気があるのが疑

問に感じる例があると聞く。現場に負担をかけるだけになりかねない。 ・ 介護体験に来た学生に関心がなく、施設の片隅で寝ていたという例もあった。

(5)地域の福祉・生活課題への対応について

・ 例えば、障害も優しい道具をつくるなど、教科教育の中でも福祉の視点を持つことができる。

英語では人権の演説を活用したり、国語では作文、短歌、俳句で福祉の視点を取り上げること

もできる。福祉課題に対応するため、教科教育の中で取り組むという視点があって良い。 ・ カリフォルニアのサービスラーニングというシステムは、地域のなかで何が問題になってい

るか話をさせるものである。地域も問題点を分析させ、自分たちで対応を考えさせたり討論さ

せたりするものである。地域のニーズに合わせることは理想である。 ・ 教材開発は大変になるが、地域と一緒になって作りあげていくプロセスも大事かもしれない。 ・ 高齢者が多い地域、子どもが多い地域で抱える福祉の課題も異なる。福祉というと高齢者、

障害者に目がいきがちになるが、子どもが多い地域なら児童福祉や、家庭科の範疇になるが保

育や託児の問題などから科目設定することも面白いと思う。テキストを用意するのは難しいが。

生徒を保育所に連れて行って紙芝居させたりしている教員もいる。 ・ 妊婦体験を男性が取り組んでいる学校があった。地域の問題として、子ども、命に関わる実

践である。 ・ 地域のニーズや研究課題というとらえ方でよいのではないか。 ・ 拠点校だけでなく、福祉教育のネットワークをつくり、研究課題や教材開発を相互にするこ

とで周りの高校の発信する双方向性があってもおもしろい。将来千葉に住むこどもにとってみ

れば、優しい気持ちを持って生活することは大切。 ・ 懇談会で、工業高校の課題に対し、現代産業科学館の活用を提案した。優秀な職員や支援企

業を活用しない手はない。工業高校が無理をせずとも、人材派遣を依頼するなど接点を持つこ

とが将来の就職にもつながる話をした。福祉も同じである。

Page 48: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

会議記録(要旨) - 25 -

・ 学校から地域への支援では技術を教えているが、学校で教える技術と現場の技術には温度差

があり、溝を埋めたいと考えていた。施設で働いている人を招いて技術を生徒におしえていただ

く、教員が教えていただき、すり合わせて、生徒に還元していきたいと思ったことがある。 ・ 企業では大学院卒を採用しているが意図するレベルに達していない学生が多い。それなら工

業高校を卒業したまじめな生徒をしっかり育てた方が役に立つので、工業高校との接点を深め

たいという意見が出ている。 福祉も同じであり、早い時期に学校と協議会などが接点を持てば就職にもつながる。

・ 表現の調整が必要かもしれない。大学、短大、専門学校など上位校との連携が出ていない。

大学、短大、専門学校との接点を持つと、発展的になる可能性ある。 ・ 提案が2つある。拠点校についてよくわかった。表向きはこれでよいが、松戸矢切をモデル

ケースとしてベストな事例として残すため、教員はどのくらい必要か、どのようなカリキュラ

ムにすれば子どもに余裕が生まれるかなど検討し、名ばかりの拠点校にならないよう県をあげ

て成功事例にして欲しい。 もう一点は、身近なところ、例えば千葉大学や淑徳大学などに福祉教員の養成コースをつく

る働きかけをすべきと思う。

Page 49: 今後の福祉教育(高校)について 【報 告】...-4 - 【委員意見(抜粋)】 松戸矢切高校の福祉教養科だけでは足りない。県立高校には,普通科コース制で福祉コースが

福祉専門部会委員名簿

策定懇談会担当委員:石川委員

№ 区 分 氏 名 所 属・職 名

1 星野 進 特別養護老人ホーム

明尽苑 施設長

民 間

鈴木 鉄也 千葉県社会福祉協議会

地域福祉推進部 班長

3 石塚 和美 県立勝浦若潮高等学校 教頭

学 校

清水 弘恵 県立松戸矢切高等学校 教諭

5 佐川 宏之 健康福祉部 健康福祉指導課

主幹兼調整指導室長

知事部局

鵜沢 沙織 健康福祉部 健康福祉指導課

調整指導室 副主査

7 吉野 光好 企画管理部 財務施設課

施設室 副主幹

8 渡部 清教育振興部 指導課

教育課程室 指導主事

教育庁

岡野 秀次 教育振興部 教職員課

人事室 管理主事

10 明田 成一 企画管理部 県立学校改革推進課

主幹兼計画推進室長

11

(事務局)

渡辺 真理 企画管理部 県立学校改革推進課

計画推進室 副主幹

資料4 委員名簿