月号 - jica€¦ · 彼らwood-worker...

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 10 月号 ■NOTICIAS■ 国際協力機構アルゼンチン駐在員事務所 ■NOTICIAS■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今号の INDEX 01 プロジェクト便り 「第 8 回 GBIF (地球規模生物多様性情報機構) 理事会がブエノスアイレス市にて開催」 山本フアン・カルロス 次長 02 ボランティア便り 「パタゴニアに一年滞在して」 矢崎謙一 シニア海外ボランティア 03 日系社会便り 「オベラと日系社会、そして移民祭」 宮野宏子 日系社会シニアボランティア 04 アルゼンチン文化 コーナー 「アルゼンチンはラグビー大国??」 三須雄二 職員 05 安全対策コラム 「火山灰の影響」 小野由美 企画調査員 06 人事往来 「新・前所長挨拶」 07 最近の動向 ICA日程 01 プロジェクト便り 『第 8 回 GBIF(地球規模生物多様性情報機構)理事会がブエノスアイレス市にて開催』 山本フアン・カルロス 次長 ブエノスアイレス市にて、10 月 4 日~6 日、実施中プロジェクト「生物多様性情報システム改善プロ ジェクト」と密接な関係を有する GBIF(地球規模生物多様性情報機構)の第 18 回理事会が開催されまし た。これに併せ、GBIF の執行委員会、科学委員会、ノード・マネージャー委員会の会議、データ公開シ ステムに関するノード・マネージャー・トレーニング(9 月 28 日~30 日)や公開サイエンス・シンポ ジウム(10 月 5 日)が開催されました。今年は、2001 年 3 月に正式に活動を開始した GBIF の 10 周年 を記念する年であることから、これら一連の会議では、GBIF の 10 年の歩みやこれまで得られた成果が 強調されました。 GBIF は、生物多様性の持続的利用を目的に設立され、生物多様性に関するデータを各国・各機関で分 散的に収集し、ネットワークを通じて情報を共有・利用するための国際協力による科学プロジェクトで

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10月号 ■NOTICIAS■ 国際協力機構アルゼンチン駐在員事務所 ■NOTICIAS■

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今号の INDEX

01 プロジェクト便り

「第 8回 GBIF (地球規模生物多様性情報機構) 理事会がブエノスアイレス市にて開催」

山本フアン・カルロス 次長

02 ボランティア便り

「パタゴニアに一年滞在して」

矢崎謙一 シニア海外ボランティア

03 日系社会便り

「オベラと日系社会、そして移民祭」

宮野宏子 日系社会シニアボランティア

04 アルゼンチン文化 コーナー

「アルゼンチンはラグビー大国??」

三須雄二 職員

05 安全対策コラム

「火山灰の影響」

小野由美 企画調査員

06 人事往来

「新・前所長挨拶」

07 最近の動向

JICA日程

01 プロジェクト便り

『第 8回 GBIF(地球規模生物多様性情報機構)理事会がブエノスアイレス市にて開催』 山本フアン・カルロス 次長

ブエノスアイレス市にて、10 月 4 日~6 日、実施中プロジェクト「生物多様性情報システム改善プロ

ジェクト」と密接な関係を有する GBIF(地球規模生物多様性情報機構)の第 18 回理事会が開催されまし

た。これに併せ、GBIF の執行委員会、科学委員会、ノード・マネージャー委員会の会議、データ公開シ

ステムに関するノード・マネージャー・トレーニング(9 月 28 日~30 日)や公開サイエンス・シンポ

ジウム(10 月 5 日)が開催されました。今年は、2001 年 3 月に正式に活動を開始した GBIF の 10 周年

を記念する年であることから、これら一連の会議では、GBIF の 10 年の歩みやこれまで得られた成果が

強調されました。

GBIF は、生物多様性の持続的利用を目的に設立され、生物多様性に関するデータを各国・各機関で分

散的に収集し、ネットワークを通じて情報を共有・利用するための国際協力による科学プロジェクトで

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す。日本、アルゼンチンとも、関係府省や機関の連携・協力のもと、このプロジェクトに参加していま

す。その活動により、動物、植物、微生物、菌類等広範な生物種、生物標本データから遺伝子配列情報、

蛋白質データ、生態系データ等の相互運用、利用が可能になることが期待されています。 世界中の科学的生物多様性情報を皆が自由に利用できるよう、科学的生物多様性情報を有する共同利

用できる分散型のデータベース・ネットワークの構築に専心しています。最初は、種や標本レベルのデ

ータを集中的に整備し、将来的には、分子、遺伝子、生態系レベルまでリンクする構想です。

アルゼンチン国内で生物標本コレクションを管理している主要 8 機関をカウンターパート機関とし

て、「標本コレクションの維持、標準化された生物情報の交換・アクセスにかかる能力を強化・拡充す

る」ことを目標として実施している技術術協力プロジェクト「生物多様性情報システム改善プロジェク

ト(2010 年~2013 年)」の調整役を担っているリバダビア自然博物館は、アルゼンチンにおける GBIF

の拠点として、これら会議の現地オーガナイザーとして活躍しました。これら会議には、約 50 カ国の

加盟国から、約 150 人の参加者が集まり、GBIF の運営から、技術的なテーマに関する協議が行われまし

た。 GBIF 事務局の主な取り組みとして、ICLEI(持続可能性をめざす自治体協議会)を組織会員とし、パー

トナーシップを地域レベルに広げるとともに、GEO-BON(GEO 生物多様性観測ネットワーク)との協力

関係の確立したこと、さらには IPBES(科学的基盤の許可)や生物多様性条約 COP10 の成果、特に愛知

目標の進捗を計測するための指標や ABS(遺伝資源へのアクセスと利益配分)への貢献などが紹介され

ました。 10 月5日に開催された科学シンポジウムの開会におけるアル

ゼンチンにおける科学技術研究審議会(CONICET)のMarta ROVIRA

総裁の挨拶では、アルゼンチンにおける JICA の分類学能力構築

支援に対する謝辞が述べられ、また、リバダビア博物館の前館

長である Edgardo ROMERO 氏、および学芸員である Martin

RAMIREZ 氏より、アルゼンチンにおける GBIF へのこれまでの取

り組みについてプレゼンテーションがあり、その中でも JICA の

貢献が言及されました。 プロジェクトの活動として、関連機関より多くの関係者が

GBIF の研修コースや科学シンポジウムへ参加できるよう経費の

一部を補助しました。 日本より GBIF の会議に参加された国立科学博物館の松浦研究

調整役・動物研究部長(規則委員会の第 1 副議長に選出)、環境省自然多様性センターの鈴木調整官は

、JICA が支援しているプロジェクトに高い関心を示され、リバダビア博物館にてプロジェクト関係者

と貴重な意見交換を行う場を設けることができました。その結果、日本での取り組みの状況やアルゼ

ンチン側の協力のニーズが明らかになり、今後の専門家派遣や研修員の受入の計画策定における重要

なインプットが得られました。 アルゼンチンは、広大な国土面積と多様な気候、地形を有し、生物多様性に富んだ国であり、「生物

多様性条約」を批准し、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する国家戦略を策定し、これに基づく

行動計画を推進するなど、その保全に積極的に取り組んでいます。 国内には、研究機関、科学博物館等、生物標本の収集、保存・管理、展示を積極的に実施している多

くの機関が存在しますが、これらにおける生物情報のデジタル化・データベース化が遅れており、情報

発信・共有・交換が丌十分で、国内外の研究者等が十分活用できない状況が続いていました。このため、

科学技術省は、2009 年、標本コレクションを管理している各機関の情報が統一したフォーマットで公

開・発信・交換でき、また、世界中の生物多様性に関するデータを集積する GBIF(地球規模生物多様性

情報機構)の拠点ともなる生物情報の総合データベース「国家生物多様性情報システム(SNDB)」を新設

しました(2010 年末現在、国内における 99 コレクション(1,000 万点以上)を管理している 24 機関

より構成)。

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02 ボランティア便り

『パタゴニアに一年滞在して』 矢崎謙一 シニア海外ボランティア(職種:小家具の設計)

25年近く前になるだろうか?パタゴニアの氷床を横断しようという話がもち上がり、私の持つソリとスキーの

牽引技術(ノルウエーと北極のスピッツベルゲン諸島、北緯78度で学んだ)を使って横断しようという筈であっ

たが、衛星写真の解析の結果から氷床の横断が不可能なことが分かり頓挫したことがある。以来パタゴニアはいつ

か自分が行くべきところという気持ちが頭のどこかにあったと思う。7年前はチベットを縦断したことがあり、少

しずつパタゴニアは近づいてきたかもしれない。

そして今回の派遣である。JICA は粋な計らいをしてくれたかも知れない。私の派遣先はパタゴニアの生態学的

研究の中心的役割を果たす CIEFAP(Centro de Investigación y Extensión Forestal Andino Patagónico)で5

0人ほどの研究者が日々、各分野の研究をしている機関である。

私がこの一年間してきたことは、この地方の木工従事者が家具のデザインの斬新さやその作り方に新しい息吹を

与えるためであった。

この小さなエスケル市を中心に木工業者が少ない材料の入手に苦労しながら、何よりも人口4万5千人の小さな

町では家具の受注が少なく価格も安く抑えられているという現実の中にあることが分かってきた。しかし何よりも

彼ら wood-worker が『木が好きだ!』ということ、木を使って生活に潤いを与えるとう事に誇りをもって生き

ていることだ。

私はレンガという木にめぐり合い、それをもって主に椅子のデザインとその製作を行った。私は何よりも椅子を

作るのが好きなので魚が水を得たようにレンガ材を使い、工法の違いから扱いがたいへんなドイツ製の工作機をこ

なしながら製作が行われた。カウンターパートはこの一年で9点の作品を作ればよいと言っていたが、途中から私

のデザイン力と技術力を認めてくれて、好きなだけ作っていいと提

案してくれた。

任期の最後に近いころには7年来、私の頭の中で構想していた大

きな一対の椅子(Patagonia flotando en el viento, 風に吹かれて

パタゴニアへ)をこのパタゴニアの地に残すことができた。自然に

この作品をパタゴニアでレンガ材を使って作りたいという気持ちに

なったのだから不思議です。

私がここに派遣されたからと言ってエスケルの木工業が盛んにな

るわけではないけれど、異質の感性をもった人間が面白いものを作

ったと思われればそれでいい。そしてそれが wood-worker 達にな

にかしらの刺激になればいい。CIEFAP で3度目のプレゼンテーシ

ョンがあり、多くの wood-worker デザイナー、アーティストらが参加し、盛り上がった雰囲気の中で行われた。

そしてレンガを通してこころが通じたのか私の作品を見た多くの人達からこころから賛辞を頂いた。私にとってこ

れは今までの人生の中でこの仕事をしてきてよかったと思った瞬間である。

もしもエスケルから発信された生活にうるおいを与える椅子の数々が生まれたなら、私がここに来て一年苦しん

だことが生かされ、この上ない私の無上の喜びとなるだろう。

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03 日系社会便り

『オベラと日系社会、そして移民祭』 宮野宏子 日系社会シニアボランティア(ミシオネス州オベラ市、日本語教育、広島県福山市出身)

<ミシオネスとオベラと日系社会> ミシオネス州に日本人が入植したのは 1921 年。今からちょうど 90 年前のことです。私の赴任地で

あるオベラ市には,更にその 10 年前,つまり 100 年前

に始めて入植者がフランスから入り,原始林を切り拓い

たばかりの土地で誰もが汗と涙と苦闘の日々だったと

いいます。 アルゼンチンの中でも未開の地であった亜熱帯のミシオネ

スの大原生林の中に,忽然と湧き出たような集落は 1928年

に町制が敷かれ,討伐戦に屈服せず最後まで戦ったグァラ

ニー族の首長に因んで「輝かしい」という意味を持つ「オベラ」

と命名されました。町制が敷かれるのと時を同じくして地域一

帯の国有地が注目を浴び,肥沃な土地を求めて近隣国から

ヨーロッパ系の転住者や労働者が次々と渡来し,ドイツ・日

本・ウクライナ・ポーランドなどの開拓民も次々に入植するな

どして急速に発展していくにつれ,オベラは多彩な民族のモ

ザイクを作りました。オベラへの日本人の入植はオベラの町制制定直前に始まり,町の発展期に多く日本から入

植者として呼び寄せられ,ミシオネスの日系社会の基盤を築き上げたのです。 このようにしてオベラは 20 世紀初めからさまざまな国の移住

者が集まって発展を遂げてできた街であり,国内で最も多彩な30

カ国以上にも及ぶ民族が集まる地域です。街の真ん中で道行く

人々を眺めていると,一体どこの国に来たのだったかしらと思うこ

ともあります。

<歴史を背景にした移民祭> オベラで毎年盛大な移民祭が催されるのは,発展の礎となっ

た入植者達の偉業を讃えるとともにそれら民族の文化・伝統を継

承し続けるためだといわれており,1980 年に始まったこの祭りは国内でも有名な祭りの一つとして知られていま

す。会場となる国際公園(パルケ・デ・ラス・ナシオネス)には,各国の伝統を生かした建物が 14 棟建てられてお

り,その一つが日本万国博覧会記念基金の援助を受け建てられた日本館で,桃山風の社殿作りです。(つつじの

花がきれいな横からの風景です。ひときわ目立つ凛としたたたずまいはオベラの観光パンフレットなどにも多く登場

します。) 祭りは毎年,9月 4日の「移民の日」を中心に 10日間にわたって開催され,競うように趣向を凝らした民族色

豊かな催しを繰り広げます。公園内は民族衣装を着た子どもたちがところせましと駆け回り,小さなおとぎの世界の

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ようです。入植から 90 年経ち日系5世がいる現在ですが,外見では日系かどうかも

判別が難しいほどです。「家族」は本当に硬い絆で結ばれており,外見や民族の血と

は無縁に家族と自分のいくつものルーツを誇りにして文化と伝統を次の世代に継ご

うとする人々の願いが「移民祭」という祭りを通じて現実のものとなります。日本で近

年話題になっている「多文化共生」という言葉が実現している街の一つではないでし

ょうか。

祭りは各国とも数か月前から練習を重ねた歌や踊りで賑わい,「レイナ(女王)」の

選出で最高潮になります。日本人会では,毎年舞台で日本舞踊を披露し,レイナが

着る衣装にも力が入っていて,食堂で出される焼き鳥やにぎり寿司,おまんじゅうや

どら焼きなどは地元でも大好評です。

<移民祭で感じた文化の違い・日

本語> 移民祭は概ね午後 8時頃から始まって午前 1時~3時に終わ

り(子どもたちも一緒に参加)それが10日間続きますが,祭りとは関

係なく通常通りに学校や仕事が始まります。このパワーはどこから来

るのか,生真面目な日本人には務まらない技です。どこで力を抜い

ているのか興味が湧きます。 移民祭に限りませんが「時間」に対する感覚がまるで違います。

プログラムに記載された時間を守ろうとする努力はどこにも見当たり

ません。時間を守るということ以上に価値あるものを大切にしている

のだと思います。私事ですが日本で観光や祭り関係の仕事をして

いることもあり,主催者の責任を問われかねない危険な個所が目につくのは職業病かもしれませんが,何かにつけ

責任を問われる日本の文化と比べてうらやましく思う一面もあります。形の上の完璧や

見目形を求める文化と,楽しさを優先し中身を大切にする文化の価値の違いかもしれま

せん。「先人の偉業を讃え,語り継ぐ」という目的を忘れずに開催しているからこそ意義の

ある催しになるのだと思います。 現在オベラの日系社会では 1 世の方を交えた場合でしか日本語が聞こえてこないの

が実情です。言葉は文化が形になったものの 1 つですが,日本の大切な文化である

「礼」というものを日本語以上に子どもたちに伝えて行きたいという諸先輩方の思いが,

後輩に接するときの所作の端々で感じられます。私の業務は日本語教育ですが,何の

ための日本語学習なのかということを常に念頭において進めていくことが肝要なのではな

いかと気づかされた移民祭でした。

※参考図書:帰山利子著「原生林に賭けた生涯~ミシオネス移住の先駆者,帰山徳治~」㈱智書房発行

04 アルゼンチン文化コーナー 『アルゼンチンはラグビー大国??』

三須雄二 職員

ラグビーワールドカップは 1987 年から 4 年に一度開催されているナショナルチーム世界一を決定す

る世界大会です。このワールドカップは国際ラグビー評議会(IRB)が主催し、2011 年 9 月には第 7 回

大会がニュージーランドで開幕しました。この大会は開催毎に大きさをまし、FIFAワールドカップ

(サッカー)、オリンピックに続く世界で 3 番目に大きなスポーツの祭典となっています。

今回で 7 回目を迎えるニュージーランド大会ですが、実は日本もこの大会に開催国として立候補して

いましたが、惜しくも最終投票に敗れ開催の機会を逃しました。しかし日本ラグビー協会は継続して第

8 回、9 回大会への開催国へ立候補を続けたところ、2009 年 7 月に第 9 回大会(2019 年開催予定)の

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誘致に成功しました。

今大会では各地域予選を突破した 20 のナショナルチームが集い 4 グループ(各 5 チーム)に分かれ

グループリーグが開催され、各グループのトップ 2 チームの計 8 チームが準々決勝に進出しました。

ロス・プーマスの愛称で親しまれるアルゼンチン代表チームは、第

1 回から 7 大会連続で出場を果たし、前回 2007 年のフランス大会で

は見事に 3 位入賞を果たしています。アルゼンチンがラグビー?と首

をかしげる人も多いでしょうが、意外にもアルゼンチンでは人気スポ

ーツの一つで全国に大小様々なラグビークラブが点在しています。ア

ルゼンチンのラグビーは完全なプロ化が進んでいない事から、代表選

手の殆どはフランスやイングランドなどのプロ地チームに所属して

います。また 2012 年からはアルゼンチン代表は、南半球の南アフリ

カ(スプリングボクス)、オーストラリア(ワラビーズ)、ニュージ

ーランド(オールブラックス)代表チームによる対抗戦として知られ

る「Tri Nations」に正式に加わり「Four Nations」参加にへ向け新たに

始動します。

今大会では、イングランド、ルーマニア、スコットランド、グルジアと共にBグループに入り、グル

ープリーウを 3 勝 1 敗で見事に準々決勝に進出しました。しかし、開催国であるニュージーランドの組

織力、スピードには歯が立たず敗退しました。10 月現在、既に開催国の 20 チームによるリーグ予選と

準決勝までの試合が消化され、残るところニュージーランド vs フランスによる決勝戦、そしてウェ

ールズ vs オーストラリアによる 3 位決定戦を残すのみとなりました。

開催国のニュージーランドは 1987 年の第 1 回大会以来 2 回目の優勝を目指しますが、対するフラン

スは初優勝を狙います。アルゼンチンにきてラグビー(サッカーでは良くあることですが)で盛り上げ

るとは思っても見ませんでした。ニュージーランドとの時差もありゴールデンタイムの試合開始はアル

ゼンチンの午前 4 時ですので、目覚ましをかけ子供に聞こえないように一人でロス・プーマスの応援を

しているとなんだかうれしい気持ちになりました。2012 年はアルゼンチン代表が南半球一を決定する

「Four Nations」に参加しますが、アルゼンチンのゴールデンタイムに合わせて試合中継をして頂ければ

と思います。

05 安全対策コラム 『火山灰の影響』

小野 企画調査員

2011年6月に起きたチリのPeyehue 火山の噴火により、ここ数ヶ月間は、パタゴニア地方~首都間

の飛行機が運休し、夜行バス移動を余儀なくされたJICA関係者も多かった。10月に入り、飛行機も通常

運航するようになり、火山灰の影響は沈静化されたかと思っていた矢先、10月16日に、再び火山灰がア

ルゼンチン側へ降り、ブエノスアイレスもどんよりとした灰色に包まれてしまった。また、この日の飛

行機は午後便からほぼ全てが運休となる他、陸路移動にも影響を及ぼした。サンカルロスバリローチェ

国際空港に関しては、今回の降灰による復旧作業のため12月20日まで閉鎖するとのニュースまで流れて

いる。夏休みの観光シーズンを利用して、アルゼンチンへの旅行を計画されている方は是非、下記のHP

を参考にし、旅程を決めることをお勧めします。 http://www.aa2000.com.ar/

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06 人事往来

野口京香 前所長

10 月末をもって帰国することとなりました。2 年 3 ヶ月と

短い期間でしたが、多くの方々にご支援いただきましたこと、

厚く御礼申し上げます。

日本では余り話題になることはありませんが、アルゼンチン

は連邦制の国で、各州の独立性が非常に高く、またブエノスア

イレスに対する対抗意識も強いので、ブエノスアイレスを見た

だけではアルゼンチンを知ることはできないな、と地方に出張

する度に感じました。地方出張時には、帰りのフライトがいき

なりキャンセルになることも多く、その時にはとにかく早くバ

スターミナルに行くことが肝心、との認識も身につきました。

3 月 11 日の東日本大震災の直後には、日系社会からの支援だけではなく、多くの元研修員やプロジ

ェクト関係者からも心のこもったお見舞いのメールをいただき、感動致しました。

震災後初めて日本へ帰るので、一体どうなっているのだろうか、と少し丌安な思いがあります。情報

技術の発達をもってしても、物理的な距離だけは縮めることができないアルゼンチンと日本の関係です

が、帰国後は、アルゼンチンの様々な姿を日本国内で伝える機会があるといいなと願っています。

武田浩幸 新所長

皆さん、こんにちは。

この度、野口前所長の後任として 10 月 13 日に着任した

武田と申します。

私は、在外勤務としては、これまでブラジル(サンパウ

ロ、ブラジリア)、パラグアイ、ボリビア(ラパス)に計

10 年勤務し、今回 4 ヶ国目の在外勤務です。また、アル

ゼンチンを含めると偶然にも日本が移住協定を締結した

全ての国に勤務したことになります。

学生時代より「中南米音楽狂」であったこともあり、ア

ルゼンチンは、タンゴやフォルクローレを通じ、昔から自

分とは非常に近い国でした。今回、このような形でこの国

で仕事をする機会が不えられたことを非常に嬉しく思っ

ています。

アルゼンチンは、G20 のメンバー国であることに象徴されるようにあり、経済社会も相当に発展した

国です。したがって、当国で実施する JICA の協力事業は、非常に限定されたものではありますが、南々

協力、環境保全等、アルゼンチンのポテンシャルを活かした分野において是非、成果が残る協力を推進

していきたいと考えています。

事業実施に際して効果的な協力活動に努めるのは、当然のことですが、業務以外の分野においても、

昔から思いを寄せていたアルゼンチンと日本の関係が、より密接になるよう、微力ながら貢献したいと

思います。

皆様のご協力、ご支援をよろしくお願い致します。

07 最近の動向

10 月 3 日: 第三国研修「自然保護官育成」の開講 10 月 4 日: シニア海外ボランティア 2 名(平成 23 年度二次隊)着任 10 月 10 日~16 日: 第三国研修「自然保護官育成」・島川在外講師の派遣

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平成 23 年 10 月-106号

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10 月 13 日: 武田新所長 着任 10 月 26 日: 野口前所長 離任 10 月 31 日: 第三国研修「南米地域人獣共通感染症の予防と制圧対策コース」の開講