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NPO ネットワーク NPO ネットワーク 月号 もくじ:公害資料館と市民参加 連続セミナー<第2回> ともに考え・ともに成長・活動する資料館 NPO環境市民大学よっかいち・・・・・・・1-3 四日市市なやプラザニュース(vol.63)合併号 2014. 6.10 vol.58 NPOイベント 取材レポート 四日市公害は終わっていません。今尚苦しんでいる患者さんは 300 人以上おられますし、また排ガス、 放射線、PM2.5等新たな公害も国内外で発生しています。 そこで、この教訓を市民のものにし、活かし、新たな公害発生を予防するため等、より良い資料館を造 るにはどうしたらよいかを話し合い、活動・提言したいという市民による催し “公害資料館と市民参加  連続セミナー<第2回>” が 4 月 19 日(土)四日市市総合会館で開かれました。  今まで、四大公害(水俣病・新潟水俣病・イタイイタイ病・四日市ぜんそく)のうち 三重県にだけ資料館がなかったのですが、いよいよ四日市市により「(仮称)四日市公 害と環境未来館」(来春開館予定)が造られようとしています。 主催:NPO 環境市民大学よっかいち   後援:三重県・四日市市・四日市市教育委員会 公害資料館と市民参加 連続セミナー<第2回> ともに考え・ともに成長・活動する資料館 ともに考え・ともに成長・活動する資料館 新潟県立 環境と人間のふれあい館 ――新潟水俣病資料館―― -1- 公害は過去のものではない、若い人にこそ知ってほしい 四日市市なやプラザ 講座のお知らせ・・・3 イベント情報・・・・・4 塚田さんは、2003 年、新潟県生活衛生課 長をへて2代目館長に就任。「名誉職や腰掛 けでやるものではない。 一般の人が興味を 引くような運営を心がけよう」と、利用者 が使いやすいように工夫を始めた。同館では、 新潟水俣病の発生からの経緯などをまとめた 約15分間の映像を見たり、「語り部」の体 験談を聞いたりすることができる。 小中高 校生や教職員らに活用されており、2012 年 6 月には来館者が累計40万人に達した。 塚田眞弘館長『新潟水俣病資料館のはたらき』 塚田眞弘館長『新潟水俣病資料館のはたらき』 http://www.city.yokkaichi.mie.jp/yokkaichikougai-kankyoumiraikan/ 1965 年、阿賀野川流域で発生し ました。しかし既に 1956 年に、熊本の水俣で水俣 病が発生しており、熊本大学教授の喜田村正次さん が再現試験をやりました。チッソ(㈱)水俣工場は 全く浄化する事も無く、廃液を海に出していたのです。 喜田村さんは、全国の水銀を扱っている会社の方 が熊本大学に視察に来た時に、廃液処理の重要性を 説明をした。したがってもう 2 度と水俣病というの は発生しないであろう、というふうに思っていたら 9 年後に阿賀野川で発生をしました。全くチッソと 同じ理由で起きました。廃液を流した昭和電工は、 熊本大学には行かなかったようですね。行ったとい う報告がありません。 水俣病とは 工場で石灰岩を電気炉で加熱をして カーバイトにし、そこに水を加えてアセチレンができ、 そのアセチレンに更に水と無機水銀を作用させると、 アセトアルデヒドができます。これができる時にメチ ル水銀が副生される。そのメチル水銀が川に出て、プ ランクトンにつかまり、それを水生昆虫が食べたり、 魚が食べる。その魚を人間が食べて水俣病が発症。こ れが今まで言われていたメチル水銀の蓄積による発症。 しかし実は、無機水銀が川に出て、川底の泥の中に いる細菌によって有機化するということも分かってき ました。 新潟水俣病は 「水俣・トモコとお母さん」写真:ユージン・スミス 「水俣・トモコとお母さん」写真:ユージン・スミス (熊本) 1部 講演

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NPO ネットワークNPOネットワーク 月号もくじ:公害資料館と市民参加 連続セミナー<第2回>     ともに考え・ともに成長・活動する資料館    ”NPO環境市民大学よっかいち・・・・・・・1-3

四日市市なやプラザニュース(vol.63)合併号            2014. 6.10 vol.58

NPOイベント取材レポート

 四日市公害は終わっていません。今尚苦しんでいる患者さんは 300 人以上おられますし、また排ガス、放射線、PM2.5 等新たな公害も国内外で発生しています。 そこで、この教訓を市民のものにし、活かし、新たな公害発生を予防するため等、より良い資料館を造るにはどうしたらよいかを話し合い、活動・提言したいという市民による催し “公害資料館と市民参加 連続セミナー<第2回>” が 4月 19日(土)四日市市総合会館で開かれました。 

 

 今まで、四大公害(水俣病・新潟水俣病・イタイイタイ病・四日市ぜんそく)のうち三重県にだけ資料館がなかったのですが、いよいよ四日市市により「(仮称)四日市公害と環境未来館」(来春開館予定)が造られようとしています。         

主催:NPO 環境市民大学よっかいち   後援:三重県・四日市市・四日市市教育委員会

公害資料館と市民参加 連続セミナー<第2回>     

ともに考え・ともに成長・活動する資料館ともに考え・ともに成長・活動する資料館新潟県立 環境と人間のふれあい館 ――新潟水俣病資料館――

-1-

公害は過去のものではない、若い人にこそ知ってほしい

66四日市市なやプラザ 講座のお知らせ・・・3イベント情報・・・・・4

 塚田さんは、2003 年、新潟県生活衛生課長をへて2代目館長に就任。「名誉職や腰掛けでやるものではない。 一般の人が興味を引くような運営を心がけよう」と、利用者が使いやすいように工夫を始めた。同館では、新潟水俣病の発生からの経緯などをまとめた約15分間の映像を見たり、「語り部」の体験談を聞いたりすることができる。 小中高校生や教職員らに活用されており、2012 年6月には来館者が累計40万人に達した。

塚田眞弘館長『新潟水俣病資料館のはたらき』塚田眞弘館長『新潟水俣病資料館のはたらき』

http://www.city.yokkaichi.mie.jp/yokkaichikougai-kankyoumiraikan/

        1965 年、阿賀野川流域で発生し

ました。しかし既に 1956 年に、熊本の水俣で水俣

病が発生しており、熊本大学教授の喜田村正次さん

が再現試験をやりました。チッソ(㈱)水俣工場は

全く浄化する事も無く、廃液を海に出していたのです。

 喜田村さんは、全国の水銀を扱っている会社の方

が熊本大学に視察に来た時に、廃液処理の重要性を

説明をした。したがってもう 2 度と水俣病というの

は発生しないであろう、というふうに思っていたら

9 年後に阿賀野川で発生をしました。全くチッソと

同じ理由で起きました。廃液を流した昭和電工は、

熊本大学には行かなかったようですね。行ったとい

 う報告がありません。

  水俣病とは        工場で石灰岩を電気炉で加熱をして

カーバイトにし、そこに水を加えてアセチレンができ、

そのアセチレンに更に水と無機水銀を作用させると、

アセトアルデヒドができます。これができる時にメチ

ル水銀が副生される。そのメチル水銀が川に出て、プ

ランクトンにつかまり、それを水生昆虫が食べたり、

魚が食べる。その魚を人間が食べて水俣病が発症。こ

れが今まで言われていたメチル水銀の蓄積による発症。

 しかし実は、無機水銀が川に出て、川底の泥の中に

いる細菌によって有機化するということも分かってき

ました。

新潟水俣病は

「水俣・トモコとお母さん」写真:ユージン・スミス「水俣・トモコとお母さん」写真:ユージン・スミス(熊本)

1 部講演