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犯犯犯 担担 担担 [email protected]

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犯罪学担当 守山 正

[email protected]

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犯罪の誤解・犯罪学の誤解Marcus Felson

“Crime and Everyday Life”

マーカス・フェルソン

テキサス大学教授

犯罪社会学者

「日常活動理論」が著名

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フェルソンの「10の誤謬」

第6の誤謬 組織犯罪は高度に「組織化」されている。・ 逮捕を回避するため、活動はできるだけ縮小する。・ 裏切りを避けるために、共犯者の数は少なくする。・ 薬物、ギャンブルの組織は通常、単純である。  → 非合法ネットワークでは互いに知り合いではない

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フェルソンの「10の誤謬」第7の誤謬 少年ギャングは絆が強く危険である。

・ 少年ギャングの結びつきは弱く、分裂気味である。  → ソーシャル・ワーカーが絆の役割・ 少年ギャングの構造は、「タマネギ」に似ている。・ 少年ギャングは、離合集散を繰り返している。

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フェルソンの「10の誤謬」第8の誤謬 福祉国家は犯罪が少ない。

・ 大半の犯罪は貧困、差別、無教養が原因ではない。・ アメリカの大恐慌時代に、犯罪は減少した。・ 福祉国家スウェーデンでも、犯罪は激増した。・ 被害調査では、アメリカの被害化率は高くない。・ アメリカの高い殺人率は、銃器が原因である。

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世界被害調査  1.オーストラリア  2.イングランドとウェールズ(イギリス)  3.オランダ  4.スウェーデン  5.カナダ  6.スコットランド  7.デンマーク  8.ポーランド  9.ベルギー  10.フランス  11.合衆国  12.フィンランド  13.カタロニア(スペイン)  14.スイス  15.ポルトガル  16.日本  17.北アイルランド

危険

安全

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日米の犯罪発生状況日本 アメリカ

殺人 1,340件 15,533件

強姦 2,228件 89,107件

強盗 6,393件 409,670件

暴行・傷害 50,893件

916,383件

侵入盗 304,266件

2,099,739件※日本は2001年、アメリカは1999

年の統計

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フェルソンの「10の誤謬」第9の誤謬 道徳の低下は、より多くの犯罪をもたらす。

・ ほとんどの人は幼少時に道徳を教えられる。・ 不道徳な犯罪は、犯罪が不道徳であることを示すも    のではない。・ アメリカで殺人率が高いことは、アメリカ人が殺人は     正しいと信じていることを証明するものではない。

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フェルソンの「10の誤謬」第10の誤謬 犯罪には普遍的な定義はない。

・ 学生は犯罪学の試験に何を書いてもいいと思っている。・ 犯罪学教員は、学生の答案に安易に「優」を上げている。 ・ 犯罪学者は責任逃れをしている。・ 私有財産制を採用しない旧社会主義国にも「窃盗」概念が     存在した。

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フェルソン理論のまとめ犯罪は珍しい行為ではなく、中味もありきたりである。機会があれば、誰でも行う可能性がある。

「犯罪者の異常ではない。ごく普通の人間である」

動機ある者の存在

格好の標的 監視者の不存在犯罪発生

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犯罪機会~介護ヘルパーの窃盗ケース~

ホーム・ヘルパー

認知症・単身高齢者 二人きりの空間

味噌・醤油・小金を盗む

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人間行動の決定要因素 質(生物学的心理学的要因)

環 境(社会学的要因)

「素質」か「環境」かを調べるにはどのような調査を行えばよいか?

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実証主義:決定論

生物学的

心理学的

素質 環境OR 社会学的

さまざまな実証的研究が行われた

個人の危険性を強調する傾向 社会政策の貧困を強調する傾向

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生物学的原因論(1)体型論           身体型と気質の関係(2)双生児研究(3)養子研究(4)家系研究(5)染色体研究

〜犯罪は遺伝するか〜

素質と環境の影響

遺伝の影響

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体型論(1)細長型(背が高い)闘士型(筋肉が発達)肥満型(背が低く太い)

クレッチマー4414例の統計的分析

暴力犯罪

小窃盗、詐欺

ペテン、詐欺

<発育異常型> わいせつ、反道徳犯罪

比較対照群を用いないなど、研究としては稚拙

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クレッチマー体型論

軽微な窃盗犯 詐欺師 暴力犯

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体型論(2)シェルドンの研究(1)内胚葉型 消化器系が発達   身体はリラックスして、気楽、もの柔らかで外向的(2)中胚葉型 筋肉・骨など運動系器官が発達  活動的でダイナミック、自信にあふれ、攻撃的な振る舞い(3)外胚葉型 皮膚、神経系が発達  内向的、身体の機能不全、アレルギー、皮膚疾患、不眠矯正施設に収容された男子200名の調査  → 中胚葉型が圧倒的に多く、外胚葉型が少ない     非行少年 3.5-4.6-2.7     大学生   3.2-3.8-3.4

中胚葉型

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双生児研究

一卵性双生児(13組): 77%二卵性双生児(17組): 12%一般の兄弟(214組):  8%

ランゲの研究

  「運命としての犯罪」(1929年)

一卵性双生児が同じ環境で育った場合は?

「一方が非行を犯せば、他も非行を犯すか」

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養子研究(1)環境:相異 犯罪:持続     環境:相異 犯罪:停止    

もっとも、養子は実親の家庭と似た家庭を紹介されている

しかし、養子研究者は遺伝的影響を肯定する傾向

遺伝が犯罪原因

環境が犯罪原因

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養子研究(2)実父(遺伝) 養父(環境) 犯罪者率 (% ) 人員(人)

× × 10.5 333△ 13.3 83○ 11.5 52

△ × 16.5 103△ 10.0 30○ 41.1 17

○ × 22.0 219△ 18.6 70○ 36.2 58

ハッチングとメドニックの研究

→  犯罪は遺伝する可能性が高い

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犯罪家族の研究〜知能と犯罪〜ダグデイルの研究 「ジューク家」の家系調査 ・貧困、売春、疾病、私通、私生児

→ 血統の退化現象

ゴダードの研究「カリカク家」の研究

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カリカーク族の家系

フレデリック家系

マーティン家系

酒場の女との私生児と子孫性不道徳アル中犯罪者

高潔な教徒との結婚ほぼ正常

精神薄弱

州で最良