昭和59年11月20日 1199

1983年 初 頭 のA型 の イ ン フル エ ンザ の流行 と乳幼 児 の感 染

日本鋼管病院小児科

菅 谷 憲 夫 三 田村 敬 子

慶応義塾大学医学部小児科学教室

武 内 可 尚

国立予防衛生研究所

根 路銘 国 昭 石 田 正 年

(昭和59年5月21日受付)

(昭和59年6月12日受理)

Key words: Influenza A virus, Influenza vaccine, Antigenic analysis

要 旨

1983年 の初頭,全 国的 に約50万 人 規模 の イ ン フル エ ンザの流 行が あ り,そ の主 体 は,H3N2亜 型 ウイル

スで あ った と報告 された.こ の流行 に際 して,小 児 科外 来患 者 を対 象 に,ウ イル ス分離 を試 み た と ころ,

29株 のH3N2型 ウイル スが分 離 され,HA抗 原 分析 の結 果,分 離 株 は,A/Philippines/2/82お よびA/石

川/7/82と 類 似 した抗 原性 を有 す る こ とが 明 らか とな った.1982年 の秋 に接種 され た ワクチ ソ株,A/新

潟/102/81と 分離 ウイル ス との間 には,抗 原 構造 の大 幅 な差が 認め られ たの で,ワ クチ ソの効果 は期待 で

きな か った と思 われ た が,実 際,ウ イル ス分離 陽性例 の 中に も,ワ クチ ン接種 者 が,か な り含 まれ てい

た.2歳 未 満 の患児(平 均 年齢10.7ヵ 月)か ら,10株 の ウイル スが分離 され たが,高 熱 は伴 うもの の,

普 通感 冒 の臨床 像 を呈 して軽症 に経過 し,肺 炎,喉 頭 炎等 の合 併症 はみ られ な か った.乳 幼 児 の感染 径

路 として は,保 育園 で の流 行 が2名 にみ られた ほか,家 族 内 に有熱 者が存 在 した もの が7名 お り,外 出

の機 会 の少 な い乳 児 も,家 庭 内で濃 厚 に感染 を受 け,流 行 期 には,幼 児,学 童 ともに多数,小 児 科外 来

を受診 してい る もの と思 われ る.

緒 言

1983年 の初頭,全 国的にインフルエソザが流行

し,約50万 人の患者発生が報告され,そ の主体は,

H3N2型 ウイルスであった事が明 らか となった.

H3N2型 ウイルスは1968年 に出現して以来,既 に

15年近 く経過 し,抗 原連続変異 も終末に近付 き,

抗体保有状況からも大 きな流行は起 こらないと考

えられていたが1),中 規模ながら,H3N2亜 型変異

株による流行が全国的に生じていたわけである.

この様な状況下で,小 児科臨床現場での流行の

実態を明らかにする目的で,主 に外来患者を対象

にしてウイルス分離を試み,分 離 されたウイルス

について,HA抗 原分析を実施 した.ま た乳幼児の

インフルエンザウイルス感染については報告 も少

なく,不 明の点も多いので,特 に2歳 未満の患児

に重点を置いて検体を採取 し,ウ イルス分離陽性

例について,臨 床像等を,年 長児 と比較検討 した。

材料 と方法

1983年1月24日 から,2月18日 までの約1ヵ 月

に,神 奈川県川崎市 日本鋼管病院小児科の外来患

者55名 から,咽 頭拭い液を採取 した.

ウイルス分離は,抗生剤を加えた咽頭拭い液を,

0.2mlず つ10日 齢のニワ トリ 化鶏卵羊膜腔 に接

種 し,48時 間培養 し実施 した.ウ イルス増殖は血

球凝集の有無で判定したが,陰 性の時はさらにも

う一代,羊 膜腔で継代した.分 離ウイルスの同定

と,抗原分析は,マ イクロ法によるHI試 験により

別刷請求先:(〒210)神 奈川県川崎市川崎区鋼管通1-2-1日 本鋼管病院小児科

菅谷 憲夫

1200 感染症学雑誌 第58巻 第11号

行 った2).

A/Texas/1/77,A/Bangkok/1/79,A/Philip-

pines/2/82の 各 ウ イル ス抗 原 お よ び抗 血 清 は,米

国CDCのWHOの イ ン フノレエ ンザ セ ン タ ー よ り

供 与 さ れ た もの を使 用 した.こ の 抗 血 清 は ノイ ラ

ミニ ダ ーゼ 抗 体 に よ る立 体 障 害 を 防 ぐた め に,レ

コン ビナ ン トウ イ ル ス を 用 い て作 製 され た もの で

あ る.

臨 床 像 の検 討 に は,主 に 外 来 診 療 録 の 記 載 事 項

を 基礎 と した が,一 部 は電 話 に よ る ア ン ケ ー トを

実 施 した.

成 績

1983年1月 の 中 旬 頃 か ら,次 第 に発 熱 を 主 訴 と

す る患 者 が 外 来 で 増 加 し,東 京,神 奈 川 地 方 で,

イ ン フル エ ン ザ ウ イル ス の 分 離 や,そ れ に よ る学

級 閉 鎖 の報 告 が な され た の で,1月24日 か ら,外

来 の 発 熱 患 者 を 中 心 に,ウ イ ル ス 分 離 を 開 始 した 。

検 体 は,合 計 で55で,う ち ウ イ ル ス 分 離 陽 性 例

が29,分 離 率 は52.8%と 高 率 で あ っ た(Fig.1).

分 離 ウ ィ ル ス は,す べ てH3N2型 イ ン フ ル エ ン ザ

と同 定 さ れ た が,図 か ら,流 行 は1月 中 旬 か ら約

1ヵ 月 続 き,ピ ー ク は1月 下 旬 か ら2月 上 旬 に

あ った こ とが 想 定 され る.

次 に 分 離 ウ イ ル ス のHA抗 原 分 析 の 結 果 を

Table1に 示 した.標 準 抗 原 と して は,最 近 のH3

N2型 ウイ ル スの 国際 的 な 株 で あ る.A/Texas/1/

77/,A/Bangkok/1/79,A/Philippines/2/82,お

よび 日本 の1982年 の ワク チ ン株,A/新 潟/102/81,

1983年 の ワ クチ ン株,A/石 川/7/82を 選 ん で み た.

分 離 ウ イ ル ス は8株,無 作 為 に選 び 出 した が,表

か らA/Philippines/2/82お よ びA/石 川/7/82

と,ほ ぼ 同 じ抗 原 性 を 持 つ ウ イル ス で あ った こ と

が 明 らか で あ る.な おA/石 川 株 はA/Philippines

の 国 内 分 離 株 で あ る と され て い る.1982年 の秋 に

接 種 され た ワ ク チ ン株,A/新 潟/102/81は,ホ モ の

HI価 が8192倍 で あ るが,A/新 潟 株 の 抗 血 清 に 対

す る分 離 ウイ ル ス8株 のHI価 は,128～1024倍 に

分 布 し,平 均 で は500倍 で,ホ モ とは 約16倍 の差 が

み られ て い る.

次 に ウイ ル ス分 離 陽 性 お よ び陰 性 者 の 年 齢 分 布

を 示 した(Fig.2).年 齢 に よ り,2歳 未 満 の群,

2歳 ～6歳 の 群,7歳 以 上 の 群 と3つ にわ け て,

そ れ ぞ れ,乳 幼 児 群,幼 児 群,学 童 群 と した.乳

幼 児 群 で は28検 体 中,10例 が ウ イル ス 分 離 陽 性 で,

分 離 率 は36%と や や 低 率 で あ っ た.幼 児 群 で は,

14検 体 中,11例 陽 性 で,79%,学 童 群 は,13検 体

中,8例 陽 性 で,62%と 極 め て高 い 分 離 率 を 示 し

た.

Fig. 1 isolation of influenza A virus (Pediatric clinic, Nippon Kokan Hospital,

Jan.-Feb. in 1983)

■ positive culture for influennza A virus

□ Negative culture

昭和59年11月20日 1201

Table 1 Antigenic analysis of influenza A viruses isolated in 1983

a. chicken antiserum, A/Texas/1/77(H3)-Equine/Praque/1/56(N7)

b. chicken antiserum, A/Bangkok/1/79(H3)-Equine/Praque/1/56(N7)

c. chicken antiserum, A/Philippines/2/82(H3)-Equine/Praque/1/56(N7)

d. chiken antiserum, vaccine strain of 1982

Fig. 2 Age distribution of patients with positive

and negative cultures for influenza A virus

ウイルス分離陽性例について,乳 幼児,幼 児,

学童各群 の臨床像 を比較検 討 してみた(Table

2-4).ま ず学童であるが,ウ イルス分離陽性8例

の中に,3例 もワクチン接種者が含まれている事

が注 目される.発 熱期間,平 均3.5日,最 高体温,

平均39.2℃,8名 中6名 にみ られた頭痛,8名 中

4名 の咽頭痛など成人のインフルエソザの症状と

似ているが,筋 肉痛,腰 痛,関 節痛,倦 怠感など

全身症状は少なく,全 体として,成 人に比較 して

軽い印象を受けた.

幼児群においても,11例 中2例 は ワクチン接種

者である(Table 3).発 熱期間,平 均3.5日,最 高

体温,平 均39.2℃ と,や は り高熱がみられている

が,頭 痛,咽 頭痛の頻度は大幅に減 り,成 人のイ

ンフルエソザの病像 とは異なってきている。症例

12,14,18と3例 の入院例が含 まれている.こ の

3例 中,2例 に喉頭炎および熱性けいれんがみ ら

れた.

次に乳幼児群(平 均年齢10.7ヵ 月)で は,発 熱

期間,平 均3。5日,最 高体温,平 均39.1℃ と熱に関

しては,乳 児,学 童 と有意差はみられなかったが,

1歳 未満の乳児に限ってみると,最 高体温は平均

38.6℃ とやや低い傾向がみられた(Table 4).

鼻漏の訴えが多かったが,低 年齢のため自分で

除去することができず,母 親の注意を引 く事が多

かったもの と思われる.幼 児,学 童でも,半 数近

くに鼻漏がみ られたが軽度であ り,他 の症状に較

べて重要性が低 く表には示さなかった.下 痢 と嘔

吐が各1例 ずつみ られたが,い ずれも軽度に経過

した.症 例26は,発 熱はな く,咳 漱で来院 したが,

1202 感染症学雑誌 第58巻 第11号

Table 2 Symptoms of infection caused by influenza A virus (H3N2) in school-age children

U: Unknown

Table 3 Symptoms of infection caused by influenza A virus (H3N2) in preschoolers

*; Symptoms not raliably elicited in this age group. U; Unknown

a; Hospitalized cases with laryngitis.

b; Hospitalized case with bronchitis.

兄が発熱 してお り,ウ イルス分離を試みた ところ

陽性であった.

2歳 以下の乳幼児は,特 に周囲の流行状況を調

査 したが,10例 中2例 に,保 育所での熱性疾患の

多発があ り,7例 に,兄,姉,祖 父など家族内に

有熱者が存在していた.乳 幼児のインフルエンザ

では,高 熱は伴 うが,咳 漱,鼻 漏が主症状であり,

倦怠,食 欲低下は軽度で,臨 床的に,普 通感冒と

の差は著明ではないと考えられた.

考 察

1983年 は,H3N2型 ウ イ ル ス が 主 体 の 流 行 で

あ った が,我 々 の分 離 ウ イル ス は,抗 原 分 析 の 結

果,A/Philippines/2/82,お よ びA/石 川/7/82と 同

じ抗 原 性 を 持 つ 事 が 明 らか とな った.

今 回 の流 行 の 前(1982年 の秋)に 接 種 され た ワ

ク チ ン株,A/新 潟/102/81の ホ モ の抗 体 価 が8192

倍 の時,分 離 株 の 平 均 抗 体 価 は500倍 で あ り,約16

倍 の差 が み られ て い る(Table 1).理 論 的 に は,

ワ ク チ ン株,A/新 潟/102/81を 接 種 して,ホ モ の

昭和59年11月20日1203

Table 4 Symptoms of infection caused by influenza A virus (H3N2) in infants

U; Unknown

a; afebrile

*; patients with acute febrile illness

HI価 が64～128倍 位に上昇 したとしても,分 離ウ

イルスに対するHI価 は,そ の16分 の1,つ まり4

～8倍 程度 とな り,感 染防御のレづルといわれて

いる32倍 には達 す る ことが で きな い ことにな

る3).従 って今回の流行では,ワ クチンの効果は期

待できなかった と考えられるが,我 々のウイルス

分離陽性例にも多数のワクチン接種者が含まれて

お り,渡 辺 ら4)によれば,年 長児のウイルス分離陽

性例の50%に もおよんでいる.

今回の流行で の分離率は,52.8%と 極 めて高

か ったが,そ の原因 として,一 つには昨年のB型

イソフルエンザとは異な り5)6),流行 ウイルスの卵

での増殖が良かった ことがある.ま た,疫 学的調

査,研 究 とは違い,小 児科外来での症例で,で き

るだけ,発 症後48時 間以内の患者を対象 とするよ

うに努めた結果 と思われる.

年齢別のウイルス分離率では,学 童群62%,幼

児群79%に 比較 して,乳 幼児群は36%と やや低率

であったが,こ の原因 として乳幼児の間で,他 の

発熱疾患が同時期に流行 していた とい う可能性 も

あるが,む しろ乳幼児の咽頭拭い液を採取する際,

嘔吐を誘起しやす く,十 分に拭えなかったため と

考えられる.鼻 腔洗浄液を用いるのも一法である

が,日 常の外来診療の場では,患 児の協力が得 ら

れに くく,実 際的ではない.

毎年,イ ンフルエンザが流行すると,学 級閉鎖

が話題 となるので,イ ンフルエンザは学童の問題

と考えられがちであるが,イ ンフルエソザが原因

となった入院症例を検討 してみると,小 学校就学

前の低年齢の幼児,乳 幼児が大多数を占めている

ことは既に報告 した1).今 回の流行でも,幼 児群の

3例 の入院例がみられ,喉 頭炎,熱 性けいれんな

どを呈 したが,両 疾患 とも,イ ンフルエソザでは

代表的なものである7)～9).

2歳 未満の乳幼児 におけるA型 インフルエン

ザについての報告は少な く,不 明の点も多いが,

本邦では新宮ら10)が,重 症の肺炎や気管支炎の合

併例が多いと述べ,諸 外国の報告でも,入 院例を

基礎にして論じているので,当 然のことながら,

合併症を生じた例が多 く,乳 幼児がハイ リスク群

であることが強調 されている11)～13).我々 も,乳 幼

児の入院例は経験してお り,そ の対策の一環 とし

て,2歳 未満でも,安 全にワクチン接種ができ,

十分な抗体反応が得 られることを報告 した14).

しかし,入院例の背景にある大多数の乳幼児が,

どのよ うな感染態度を とってい るのかにつ いて

は,罹 患率は低いが,ひ とたび感染すると重症化

しやすいのか,あ るいは幼児,学 童 と同様に,乳

1204 感染症学雑誌 第58巻 第11号

幼児間にもインフルエンザは流行 し,そ の一部が

重症例 となるのかさだかではない.

今回,報 告した2歳 未満の群は,1982年 には,

B型 インフルエンザが流行したので,H3N2型 ウ

イルスには初感染であったが,全 例,軽 症に経過

し,普 通感冒と変わ らない臨床像を呈 した.先 に

述べた理由で分離率はやや低いものの,流 行期に

は幼児,学 童 とともに2歳 未満の乳幼児も多数,

小児科外来を受診 していることは明らかである.

感染の径路としては,保 育所が流行の場 となる

ことは当然であるが,家 庭内にいることが多い乳

幼児 も,隔 離されているわけではなく,家 族から

濃厚に感染を受けて,発 症 しているものと推定さ

れる(Table 4).

Monto15)ら,Hallら16)は,血 清疫学的に,A型

インフルエンザの罹患率は,幼 児,学 童 と比較 し

て,2歳 未満児もかな り高い と述べ,Wrightら17)

は,抗 体陰性の乳幼児がA型 インフルエンザの流

行に際 して49%と い う高い罹患率を示し,肺 炎,

中耳炎などの合併症 も生じやすかった と報告 して

いる.我 々は乳幼児も,普 通感冒のかたちで,高

率にインフルエンザに感染 していることを明らか

にした.基 礎疾患のない場合,重 い合併症をお こ

す可能性は,低 いと思われるが,同 じH3N2型 ウイ

ルスで も流行株 により,Virulerceに 差があるこ

とも考えられ,今 後,症 例を増や して検討 してい

く予定である.

御校閲いただいた慶応義塾大学小児科学教室,小 佐野満

教授に感謝します.ま た,本 研究の機会を与えて下さった

国立予防衛生研究所,大 谷明博士に深謝します.

本論文の要旨は,第14回 日本小児ウイルス病研究会にて

発表した.

文 献

1) 菅 谷 憲 夫, 武 内 可 尚, 根 路 銘 国昭, 他: 1981年 の

イ ン フル エ ンザ 流 行 と小 児 科 臨床 へ の 影響. 臨 床

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2) Lennette, E.H. & Schmidt, N. J.: DiagnosticProcedures for Viral and Rickettsial Diseases,4th Ed., Amer. public. Health Assoc. Incrop.,New York, 1969, p.414.

3) Stuart-Harris, S. C. H. & Schild, G. C.:Influenza, The Viruses and the Disease, 1st Ed.,

Edward Arnold, London, 1976, p.149.

4) 渡 辺 淳, 富 井 郁 子, 武 内 可 尚: 1983年 の イ ン フ

ル エ ンザ につ いて. 第14回 日本 小児 ウ ィル ス病 研

究会, 仙 台, 1983.

5) 菅谷 憲 夫, 武 内可 尚, 根 路 銘 国 昭, 他: 小 児科 臨

床 か らみ たB型 イ ン フル エ ンザ の流 行 と, モ ノク

ロー ナ ル 抗 体 に よ るHA抗 原 分 析. 感 染 症 誌,

58: 181-186, 1984.

6) 武 内可 尚, 渡 辺 淳, 富井 郭 子, 他: 1982年 の イ

ン フル エ ンザ ウ ィル ス分 離成 績, 分 離方 法 の比 較.

病 原 徴生 物 検 出 情報, 30号, 1982.

7) Brocklebank, J. T., Court, S. D. M., et al.:Influenza A infection in children. Lancet, 2: 497-500 , 1972.

8) Howard, J. B., McCracken, G. H., et al.:Influenza A, virus as a cause of croup requiringtracheotomy. J. Ped., 81: 1148-1150, 1972.

9) Kin, H.W., Brandt, C.D., et al.: Influenza Aand B virus infection in infants and youngchildren during the years 1957-1976. Amer. J.Epidemiol., 109: 464-479, 1979.

10) 新 宮世 三, 林 田一 男, 加地 正 郎, 他: 小 児 の 香港

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11) Hall, C. B., Douglas, R. G., et al.: Nosocomialinfluerza infection as acause of intercurrent

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13) Paisley, J. W., Bruhn, F. W., et al.: Type A2influenza viral infections in children. Am. J.Dis. Child., 132 : 34-36, 1978.

14) 武 内可 尚, 菅谷 憲 夫, 根 路 銘 国 昭, 他: 乳 幼 児へ

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15) Monto, A.S. & Kioumehr, F.: The Tecumsehstudy of respiratory illness, ix. occurrence of

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昭和59年11月20日 1205

Influenza A Outbreak in 1983 and Infections in Young Children

Norio SUGAYA & Keiko MITAMURA

Department of Pediatrics, Nippon Kokan Hospital

Yoshinao TAKEUCHIDepartment of Pediatrics, School of Medicine, Keio University

Kuniaki NEROME & Masatoshi ISHIDA

National Institute of Health

An outbreak of influenza A-subtype H3N2 occured in Japan from Jan. to Feb. in 1983. During the

period of the outbreak, H3N2 virus was isolated from 29 pediatric outpatients in Nippon Kokan Hospital

in Kanagawa Prefecture. The isolated strains were confirmed by HA analysis as closely resembling the

prototype influenza A/Philippines/2/82 (H3N2) but fairly different from the vaccine strain

A/Niigata/102/81 virus. Therefore, influenza vaccination before the epidemic was considered ineffective

and in fact, about one third of the school-age patients with positive culture had history of the vaccination.

10 strains were recovered from children under 2 years of age (mean age 10.7 M) and although high

temperature was noted (mean 39.1 •Ž), clinical manifestations were indistinguishable from those seen in

the common cold and devoid of severe complications such as laryngitis and pneumonia. Transmission to

the infants seemed to be by the members of family with influenza in 7 cases and there was an outbreak at

the day-care center in 2 cases. Although infants have less oppotunities to go out, they seem to be heavily

exposed to influenza viruses in their homes during an epidemic.