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ITSに対するトヨタの取組みと将来展望 2015年10月20日 トヨタ自動車株式会社 ITS企画部 菅沼 英明 中部IT融合セミナー

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Page 1: ITSに対するトヨタの取組みと将来展望...ITSに対するトヨタの取組みと将来展望 2015年10月20日 トヨタ自動車株式会社 ITS企画部 菅沼 英明

ITSに対するトヨタの取組みと将来展望

2015年10月20日トヨタ自動車株式会社

ITS企画部

菅沼 英明

中部IT融合セミナー

Page 2: ITSに対するトヨタの取組みと将来展望...ITSに対するトヨタの取組みと将来展望 2015年10月20日 トヨタ自動車株式会社 ITS企画部 菅沼 英明

目次 1

1. 自動車の電子化の歴史

2. トヨタの安全に対する取組み

3. 既存のITSサービス

4. 次世代の協調型ITSへの取組み

5. 協調型ITSから自動運転へ

6. まとめ

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目次 2

1. 自動車の電子化の歴史

2. トヨタの安全に対する取組み

3. 既存のITSサービス

4. 次世代の協調型ITSへの取組み

5. 協調型ITSから自動運転へ

6. まとめ

Page 4: ITSに対するトヨタの取組みと将来展望...ITSに対するトヨタの取組みと将来展望 2015年10月20日 トヨタ自動車株式会社 ITS企画部 菅沼 英明

クルマの歴史

写真提供:トヨタ博物館

ドイツのカール・ベンツが作った世界最初のガソリン自動車(1886年)

-BENZ Patent Motorwagen-

3

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1936 トヨダ AA型

1959 ボルボ アマゾン「3点式シートベルト」

トヨダAA型

トヨタ初の乗用車ボルボ アマゾン

3点式シートベルトはこの50年で100万人の命を救った

クルマの歴史 4

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1966 トヨタ カローラ 「3C」

1979 メルセデスベンツ Sクラス「エアバック」

1981 デロリアン DMC-12

トヨタ カローラ

マイカーブームをもたらした

メルセデスベンツ Sクラス

「シートベルトをしなくても死なないクルマ」が当時アメリカで求められていた

デロリアン DMC-12

クルマの歴史 5

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1981 カーナビ

1996 トヨタ スターレット「衝突安全ボディGOA」

1997 トヨタ プリウス

「世界初量産ハイブリッド」

写真提供:トヨタ博物館

カーナビ

当初はドライバが地図を差し替えトヨタ プリウス

トヨタ スターレット

燃費を同クラス比2倍に高めた クラス世界トップレベルの安全性能

クルマの歴史 6

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2003 トヨタ ハリアー「衝突軽減ブレーキ」

2008 スバル レガシィ「Eyesight」

2015 トヨタ クラウン(マイナーチェンジ)「ITS Connect」

スバル レガシィ

トヨタ ハリアー

衝突軽減ブレーキを初搭載

衝突軽減ブレーキの認知度UPに貢献

クルマの歴史 7

トヨタ クラウン

10/1記者発表:最新の安全装備

Page 9: ITSに対するトヨタの取組みと将来展望...ITSに対するトヨタの取組みと将来展望 2015年10月20日 トヨタ自動車株式会社 ITS企画部 菅沼 英明

・カーナビゲーションシステム・自動車電話

・ETCシステム

・オーディオシステム

マルチメディア

・VSCシステム

・パワーステアリング制御システム

・電子制御ブレーキシステム

・トラクション制御システム

安全制御

・エアコンシステム・エアバッグシステム・スマートエントリ・セキュリティシステム

ボデー制御・エンジン制御システム

-ガソリンエンジン制御

-ディーゼルエンジン制御

・トランスミッション制御システム

パワートレイン制御

●半導体●マイコン ●高密度実装

●システムオンSi

デジタル化●ネットワーク化●ソフトウェア化

分散化統合化メカニカル制御→エレクトロニクス化

支える技術

●オプトエレクトロニクスIC LSI ASIC

‘10‘70 ‘80 ‘90 ‘00‘60環境

安全

快適

利便

●排ガス対策 ●燃費向上

●ITS

オルタネータ

燃料噴射制御 リーンバーン

直噴

自動課金システム

●快適性向上

●情報通信化

●安全性追求

カーエアコン オートエアコン

ナビ 自動車電話

VICS ATIS

ABS エアバック VSC レーザークルーズ

ASV

イグナイタ

ICレギュレータ点火時期制御

エンジン制御 空気圧警報 配光制御ナイトビジョン

GPSナビ

エアサス制御車高制御

VVT ハイブリッド

by ワイヤ

DSRC

イモビライゼーション

製品動向

●統合制御

クルマの電子システムの歴史 8

ECU (Electronic Control Unit)を車載ネットワークでつなげて連携

Page 10: ITSに対するトヨタの取組みと将来展望...ITSに対するトヨタの取組みと将来展望 2015年10月20日 トヨタ自動車株式会社 ITS企画部 菅沼 英明

クルマの電子システムの歴史 9

・カーナビゲーションシステム・自動車電話

・ETCシステム

・オーディオシステム

マルチメディア

・VSCシステム

・パワーステアリング制御システム

・電子制御ブレーキシステム

・トラクション制御システム

安全制御

・エアコンシステム・エアバッグシステム・スマートエントリ・セキュリティシステム

ボデー制御・エンジン制御システム

-ガソリンエンジン制御

-ディーゼルエンジン制御

・トランスミッション制御システム

パワートレイン制御

ECU (Electronic Control Unit)

●半導体●マイコン ●高密度実装

●システムオンSi

デジタル化●ネットワーク化●ソフトウェア化

分散化統合化メカニカル制御→エレクトロニクス化

支える技術

●オプトエレクトロニクスIC LSI ASIC

‘10‘70 ‘80 ‘90 ‘00‘60環境

安全

快適

利便

●排ガス対策 ●燃費向上

●ITS

オルタネータ

燃料噴射制御 リーンバーン

直噴

自動課金システム

●快適性向上

●情報通信化

●安全性追求

カーエアコン オートエアコン

ナビ 自動車電話

VICS ATIS

ABS エアバック VSC レーザークルーズ

ASV

イグナイタ

ICレギュレータ点火時期制御

エンジン制御 空気圧警報 配光制御ナイトビジョン

GPSナビ

エアサス制御車高制御

VVT ハイブリッド

by ワイヤ

DSRC

イモビライゼーション

製品動向

●統合制御

<プリウスで約70個のECUを搭載>

AFS,HID

エアバッグECU

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車を支える無線通信技術 ~車載アンテナ・無線機~

312MHz、125KHz

315MHz

DSRC

5.8GHz:1Mbps1.5GHz

850nm:1Mbps

700/800/900MHz1.5/1.7/1.9GHz

電話

T-Connect用通信モジュール

900MHz,1.5GHz

GPSVICS (光)

タイヤ空気圧センサ

Bluetooth

2.4GHz

ETC

134.2kHz

スマートエントリ

ミリ波レーダ

イモビライザ

<情報通信系>

<車両制御系>

470~710MHz

AM:522~1629kHzSW(Short Wave):2~26MHz

FM:76~90MHz

TV(デジタル)

AM・SW・FM

<放送系>

76GHz(79GHz)

VICS: Vehicle Information and Communication SystemGPS: Global Positioning System

ETC: Electronic Toll Collection SystemDSRC: Dedicated Short Range Communication

24GHz

10

ITS無線機 760MHz

’15/10月 クラウンから

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目次 11

1. 自動車の電子化の歴史

2. トヨタの安全に対する取組み

3. 既存のITSサービス

4. 次世代の協調型ITSへの取組み

5. 協調型ITSから自動運転へ

6. まとめ

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0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

18,000

0

200,000

400,000

600,000

800,000

1,000,000

1948 1951 1954 1957 1960 1963 1966 1969 1972 1975 1978 1981 1984 1987 1990 1993 1996 1999 2002 2005 2008 2011 2014

政府目標平成30年(2018年)を目途に

交通事故死者数を2,500人以下に削減

2014年 死亡者数4,113人

(前年比 -260人)

しかし 下げ止まり感・・・?

2014年 事故件数573,842件

(前年比 -55,179件)

出典:警察庁統計資料年

事故件数(件) 死亡者数(人)

交通事故死亡者数

交通事故件数

国内の交通事故(発生件数&死亡者数)の推移 12

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トヨタの安全への取組み

「全ての運転ステージ」で

「安全システムの連携」により

パーキング 予防安全 プリクラッシュセーフティ

衝突安全 救助

統合安全コンセプト統合安全コンセプト

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◆クルマに搭載された様々な安全システムの連携をはかり安全性を高めていく◆駐車状態から通常運転、衝突直前、衝突後、事故の際の救助まで「全ての運転ステージ」においてドライバーを支援

統合安全コンセプト 14

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【参考】 自律系安全システム(ビデオ) 15

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【参考】 TOYOTA Safety Sense P

5つの予防安全機能をパッケージ化

16

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目次 17

1. 自動車の電子化の歴史

2. トヨタの安全に対する取組み

3. 既存のITSサービス

4. 次世代の協調型ITSへの取組み

5. 協調型ITSから自動運転へ

6. まとめ

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V2H

ITSとは・・・ 18ITS(Intelligent Transport System)

道路交通が抱える事故・渋滞や環境問題など様々な問題を最先端の情報通信(情報化)と制御技術(知能化)により解決するシステム

⇒本日は 通信を使ったシステム(V2X)にフォーカス

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既存のITSサービス①

VICS(道路交通情報通信システム):Vehicle Information and Communication System

(出典:VICSセンター)

VICS出荷台数推移

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

'96 '98 '01 '03 '05 '07 '09 '11

(万台)

1996年サービス開始出荷台数4,515万台(2014年12月現在)

19

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既存のITSサービス②

ETC *(自動料金支払いシステム)* Electronic Toll Collection System ノンストップで

料金所を通過♪

2001年サービス開始

総セットアップ件数6,455万件

(2015年3月現在)

高速道路利用車の約9割がETC利用

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既存のITSサービス②ETCの利用拡大によって、何が起こったか?

出典:NEXCO西日本

料金所での渋滞が激減!

出典:NEXCO西日本

単位:トン

料金所周辺のCO2排出を56%削減!

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既存のITSサービス③

ITSスポット

※ Dedicated Short Range Communication

【ITSスポット対応DSRC※ユニット】

【代表的なサービスの例】

合流支援情報提供 渋滞末尾情報提供前方状況情報提供

2009年 サービス開始

2011年 全国1,600箇所の自動車専用道中心にインフラ設置

【ITSスポット インフラ】

5.8GHz DSRCアンテナ

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既存のITSサービス④DSSS (安全運転支援システム Driving Safety Support Systems)

一般道において、交通事故を未然に防止するためのシステム信号情報や路側センサ情報を活用し、ドライバをサポート

信号情報

路側センサ情報(追突防止)

光ビーコン 光ビーコンを通じて車に情報伝達

信号見落とし防止支援

追突防止支援

【代表的なサービス例】

2011年 東京・神奈川の15交差点でサービス開始

ドライバの安全運転をサポート

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日本のITSの歴史 ~渋滞から安全へ~

次世代ITS“ITS Connect”

安全・安心へ

次世代ITS“ITS Connect”

安全・安心へ

年1996 2009 2011

VICS

DSSS

渋滞緩和渋滞緩和 安全を意識安全を意識

光ビーコン

2001

5.8GHzDSRC

交通渋滞

24

ITSスポット

ETC

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目次 25

1. 自動車の電子化の歴史

2. トヨタの安全に対する取組み

3. 既存のITSサービス

4. 次世代の協調型ITSへの取組み

5. 協調型ITSから自動運転へ

6. まとめ

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事故分類と協調型ITS

歩行者

出会い頭

右折と

直進車左折

巻き込み

追突

正面衝突

その他

26

自律系システムだけでは対応しきれない

⇒協調型ITSでカバー

路車協調システム

車車協調システム

自律系システムで対応

・車間距離警報・車間維持装置・衝突被害軽減ブレーキ・車線逸脱警報・後側方警報 など

2014 人身事故データ(警察庁)

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信号情報

路側センサ情報

リアルタイムに情報伝達

ドライバの安全運転をサポート

【代表的なサービス例】

760MHzアンテナ

車車間通信(V2V) 路車間通信(V2I)

協調型ITSとは・・・

右折時注意喚起

通信利用型レーダークルーズコントロール

※ ITS専用周波数(760MHz帯)を利用

・広い通信エリアで 刻々と変化する情報(対向車両、歩行者等の存在情報)を伝達・路車間通信(I2V)から、車車間通信(V2V)、歩車間通信(V2P)への拡張

27

27

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信号交差点における事故類型分析

信号交差点における行動類型別事故件数(1当四輪車 2011年度データ)

出典: ITARDAインフォメーョンNo.95

左折時16,393件

28

歩行者

出会い頭

右折と

直進車左折

巻き込み

追突

正面衝突

その他

39%

17%33%

11% 右折時38,294件

直進時32,256件

左折時16,393件

その他10,637件

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表示 音 意味

1 なし対向直進車なし

2 なし

対向直進車あり(T1 < 6sec)

3 ピピッ対向直進車あり(T1 < 6sec)

③表示や音による情報提供・注意喚起

【HMI (Human Machine Interface)がドライバに音声と視覚情報を提供】

接近する対向直進車ありの状態でドライバが右折を試みると

右折時衝突防止支援システム概要 29

<右折時衝突防止支援システム(評価システム) >

車両の陰から接近する対向直進車と横断歩行者の存在を右折車のドライバに認知

対向直進車

t1

②路側無線機から検知情報を送信(760MHz帯電波)

①センサで検知

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動作イメージ 30

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システム効果

ドライバの運転行動の変化

衝突の恐れがある右折 安全な右折

31

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ITS Connect 対応システムの導入

「トヨタ自動車は、ITS専用周波数(760MHz)による路車間・車車間通信を活用した運転支援システムITS Connectを近日国内で発売する車種に世界初搭載し、本年内に3車種まで展開する。」(2015年9月30日ニュースリリースより)

通信利用型技術は普及してこそ効果が出るシステム2015年から、まず、その第一歩を踏み出し普及に努める

【右折時注意喚起】

【赤信号注意喚起】

【通信利用型レーダークルーズコントロール】

,名古屋市救急車:約50台搭載(H26,27年度)

【緊急車両存在通知】

VTS_01_1.VOB VTS_05_1.VOB

32

Page 34: ITSに対するトヨタの取組みと将来展望...ITSに対するトヨタの取組みと将来展望 2015年10月20日 トヨタ自動車株式会社 ITS企画部 菅沼 英明

ITS Connect もう 始まっています! 33

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協調型ITSの実用化・普及に必要な共通基盤構築を支援するためITS Connect推進協議会を設立(’14年10月)

目的

主な活動内容

会員

ITS専用周波数を活用した運転支援システム(ITS Connect)の基盤となる技術の検討と運用支援を行い、安心・安全な交通社会の実現を目指す

車車間等の無線通信を利用するのに必要となる・技術仕様・規格の検討・管理や技術的な諸課題の解決・運用基準や運用フローの検討等、運用企画の推進

ITS Connect 推進協議会 概要

幹事会員 住友電気工業株式会社株式会社デンソートヨタ自動車株式会社豊田通商株式会社パイオニア株式会社パナソニック株式会社株式会社日立製作所三菱電機株式会社ルネサス エレクトロニクス株式会社

正会員 アンリツ株式会社沖電気工業株式会社三洋テクノソリューションズ鳥取株式会社東京海上日動火災保険株式会社株式会社東芝日本無線株式会社富士重工株式会社富士通株式会社マツダ株式会社

特別会員 警察庁(省庁) 総務省

経済産業省国土交通省 道路局国土交通省 自動車局

特別会員 特定非営利活動法人 ITS Japan (団体) 一般財団法人 ITSサービス高度化機構

一般社団法人 UTMS協会国立研究開発法人 産業技術総合研究所国立研究開発法人 情報通信研究機構一般社団法人 電子情報技術産業協会一般社団法人 電波産業会一般財団法人 道路交通情報通信システムセンター一般財団法人 道路新産業開発機構一般財団法人 日本自動車研究所一般社団法人 日本自動車部品工業会日本自動車輸入組合

「平成27年6月5日現在」

34

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ITS Connect 共通プラットフォーム

車車間通信システム

通信規格

メッセージセット

セキュリティ

アプリケーション

相互接続試験

路車間通信システム

路車間・車車間通信システムの共通プラットフォーム

通信規格

メッセージセット

セキュリティ

アプリケーション

35

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Working Party 5ADRAFT NEW RECOMMENDATION ITU-R M.[V2X]

Radio interface standards of vehicle-to-vehicle and vehicle-to-infrastructure communications for Intelligent Transport System applications

ANNEX 5Summary of the technical characteristics of the standards

Parameter ETSI (Annex 1) IEEE (Annex 2) ARIB (Annex 3) TTA (Annex 4)

Operating frequency range 5855– 5925 MHz 5 850–5 925 MHz 755.5‒764.5 MHz

(Single channel)

5855 – 5925 MHz (Pilot system)

RF channel bandwidth 10 MHz 10 MHz or 20 MHz Less than 9 MHz Less than 10 MHz

RF Transmit Power/EIRP Max 33dBm EIRP - 23 dBm

RF transmit power density 10dBm/MHz

Modulation scheme BPSK OFDM, QPSK OFDM, 16QAM OFDM, 64QAM OFDM

64-QAM-OFDM 16-QAM-OFDMQPSK-OFDMBPSK-OFDM

52 subcarriers

BPSK OFDM,

QPSK OFDM,

16QAM OFDM

BPSK OFDM, QPSK OFDM, 16QAM OFDM,Option: 64QAM

Forward error correction Convolutional coding, rate = 1/2, 3/4, 2/3

Convolutional coding, rate = 1/2, 3/4

Convolutional coding, rate = 1/2, 3/4

Convolutional coding, rate = 1/2, 3/4

Data transmission rate 3 Mbit/s, 4.5 Mbit/s, 6 Mbit/s, 9 Mbit/s, 12 Mbit/s, 18 Mbit/s, 24Mbit/s, 27Mbit/s

3, 4.5, 6, 9, 12, 18, 24 and 27 Mbit/s for 10 MHz channel spacing6, 9, 12, 18, 24, 36, 48 and 54 Mbit/s for 20 MHz channel spacing

3 Mbit/s, 4.5 Mbit/s, 6 Mbit/s, 9 Mbit/s, 12 Mbit/s, 18 Mbit/s

3, 4.5, 6, 9, 12, 18 Mbit/s,Option: 24, 27 Mbit/s

Media access control CSMA/CA CSMA/CA CSMA/CA CSMA/CA,Option: Time Slot based CSMA/CA

Duplex method TDD TDD TDD TDD

【参考】 ARIB STD-T109 は ITU-Rで新勧告化! 36

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ITS Connect の商品化

http://toyota.jp/technology/safety/itsconnect/

37

2015年10月1日発売

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Step1・2 :自律型安全装備(GSP)の補完システムとして早期導入・普及

Step 3 :自動運転における、運転知能の実現に不可欠な機能として発展

Step 2:普及 ’17年Step 1:導入 '15年

ACC・全車速ACC

周辺車両認知支援右折時衝突防止

レーンキープアシスト追突回避・歩行者PCS

見通し外

見通し内

協調型ITS

(車車・路車)

自律型

(TSS等)

◆高度運転支援出会頭衝突防止

交通弱者存在通知協調ACC (C-ACC)

補完

・見通し外合流支援

・車間距離の短縮と先先行車対応(C-ACC)レーントレースコントロール

夜間歩行者自転車対応

Step 3:発展 2020年代

▼‘15年協調型ITS実用化

▼'18年交通事故死2500人以下

▼'20年代自動運転システムの試用開始政府目標

トヨタの商品展開イメージ 38

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目次 39

1. 自動車の電子化の歴史

2. トヨタの安全に対する取組み

3. 既存のITSサービス

4. 次世代の協調型ITSへの取組み

5. 協調型ITSから自動運転へ

6. まとめ

Page 41: ITSに対するトヨタの取組みと将来展望...ITSに対するトヨタの取組みと将来展望 2015年10月20日 トヨタ自動車株式会社 ITS企画部 菅沼 英明

通信利用型レーダークルーズコントロール(C-ACC) 40

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先行車の加減速情報をもとに、安定した追従走行不必要な加減速がなく、渋滞解消に貢献

先行車の加減速情報をもとに、安定した追従走行不必要な加減速がなく、渋滞解消に貢献

38.1億時間、約10兆円渋滞による社会損失 (年間)渋滞による社会損失 (年間)

出典:国土交通白書2007年

先行車

後続車

隊列走行時の加減速イメージ隊列走行時の加減速イメージ

レーダークルーズコントロールレーダークルーズコントロール

(ITS通信)(ITS通信)

従来:レーダークルーズコントロールのみ

加速

時間減速

遅れ

加速

時間

減速同時加減速走行

C-ACC

C-ACC :Cooperative Adaptive Cruise Control

ほぼ同時ほぼ同時

1.加速・減速情報1.加速・減速情報

先行車先行車

2. 加減速情報と同期同時加減速制御

2. 加減速情報と同期同時加減速制御

41通信利用型レーダークルーズコントロール(C-ACC)

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日本政府の取り組み(SIP)

SIP自動走行システム<政策参与>

プログラムダイレクター(PD)

トヨタ 渡邉浩之 顧問

PD(プログラムディレクター)(内閣府に課題ごとに置く)

PD(プログラムディレクター)(内閣府に課題ごとに置く)

総合科学技術・イノベーション会議

ガバニングボード(有識者議員)

課題ごとに以下の体制を整備

推進委員会PD(議長)、関係省庁、専門家、管理法人、内閣府(事務局)

推進委員会PD(議長)、関係省庁、専門家、管理法人、内閣府(事務局)

関係府省、管理法人など研究者関係府省、管理法人など研究者

議長:安倍総理

産官学一体となって、自動運転の研究開発・国際連携・実用化を推進

SIP: Strategic Innovation Program

自動運転への取り組み 42

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実用化 計画

レベル1

レベル2

レベル3

レベル4完全自動走行

システム

高度運転支援システム

安全運転支援システム

運転支援なし

静的情報

動的情報 (高度化)

2017年以降

2020年代前半

2020年代後半

旅客機・新幹線

加速・操舵・制動全てをドライバー以外実施。ドライバーが全く関与しない状態

加速・操舵・制動複数を同時に自動車が

行う状態

加速・操舵・制動全てを自動車が実施、緊急時のみドライバーが対応する状態

自動化レベルは道路環境に応じて変化

管制

自動化レベルの定義と市場化目標時期

出典:戦略的イノベーション創造プログラム(SIP) 資料

43

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自動運転技術が目指す社会 44

すべての人が、安全、スムース、自由に移動できる

Mobility Teammate Concept

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衝突安全 予防安全・運転支援

高度運転支援 完全自動運転

自律型(車両組込)

エアーバッグ

シートベルト

乗員保護ボディー構造

車線維持制御

車間距離・速度制御

衝突被害軽減制動

隊列走行

車群制御

縦横制御製品化済み・普及段階

高度運転支援・自動運転への発展

広義の自動運転が含まれる領域

協調型(路車・車車)

情報提供・警報

ダイナミック・ルートガイダンス

合流支援

前方障害物

自律型と協調型のコラボレーションにより、自動運転の実現を目指す

出典:戦略的イノベーション創造プログラム(SIP) 資料

45

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自動運転に必要な技術

出典:戦略的イノベーション創造プログラム(SIP) 資料

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協調型ITSシステムの位置づけ

•出典:第4回オートパイロットシステムに関する検討会 配布資料4 P5

出典:戦略的イノベーション創造プログラム(SIP) 資料

協調型の強み=高度な予測 「先読み」

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協調型システムの活用例1

見通し外の本線走行車両の位置、速度(加減速)等

センサーが届かない距離の渋滞状況等

本線への合流時 (道路構造、車線形状等の取得した上で)本線を走行する車両の位置・速度、また合流先の道路状況等の先読みを行い合流速度や合流位置等の進路を予測する

位置、速度(加減速)

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合流・車線変更の事例: データ通信による意思確認が必要

①B車が、合流・車線変更の意志を伝える(通信利用)

②A車は、OK回答し、車間を制御(通信利用)

③B車は、自律センサーで安全確認し、合流・車線変更を実施し、変更中・完了を伝える(通信利用)

SIP-adus 9

自動走行システムの通信の事例

出典:戦略的イノベーション創造プログラム(SIP) 資料

A後続直進車B進路変更車

協調型システムの活用例2 49

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ユースケース例 50

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自動運転実現に向けた課題

1.運転知能の実現

3.人と機械の協調

2.自動運転対応車両技術

4.社会環境作り

認識の信頼性の抜本的向上

①認識センサ高性能化②自動運転用3D地図③認識要素技術④安全な目標走路生成⑤外部データ利用(ITS 通信等)

自動化レベルアップ、複雑な交通環境への対応

①過信の有無、回避②システム⇔ドライバー間の意図伝達③システム⇔ドライバー間のH/O手法⇒HMI

運動制御、信頼性、処理能力

①高い制御性能/信頼性を持つ運動制御システム

②高度運転支援対応電子PF(CPU、GPU、通信等)

③情報セキュリティ

社会的コンセンサス、ルール作り

①メリット, リスク双方を共有した上で、交通システム内での位置づけ明確化

②必要に応じ, 新たなルールの整備③協調領域の標準化

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目次 52

1. 自動車の電子化の歴史

2. トヨタの安全に対する取組み

3. 既存のITSサービス

4. 次世代の協調型ITSへの取組み

5. 協調型ITSから自動運転へ

6. まとめ

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まとめ

◆ ITS専用周波数帯を使った 路車・車車協調型のITSサービス(ITS Connect)を、官民一体となり開発

◆ トヨタは、ITS Connectを 15年10月に商品化・・・普及に向けた第一歩

◆ 協調型ITSは、自動運転を支える重要な技術の一つ

協調型ITSの普及、将来の自動運転時代を見越し、今から社会インフラの整備を進めましょう!

ITS Connect もう 始まっています!

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ご清聴ありがとうございました